JP4357856B2 - 風力発電機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転子鉄心に永久磁石を取り付けて構成された永久磁石回転子を備えた風力発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
発電機用途の永久磁石回転電機は、下記特許文献1に記載されているように、回転子に永久磁石を配置して磁極を形成し、さらに電機子側に移動磁界を発生させ、回転エネルギーをその移動磁界を介して電機子側に伝達し電力を取り出す同期回転機であり、その動作原理により高い運転効率が得られる。最近では、永久磁石回転機においてもインバータと組み合せることにより、可変速運転が可能となり、広い運転速度範囲を持つ用途に適用されるようになっている。
【0003】
ところで永久磁石は、近年、希土類燒結磁石に分類され高いエネルギー密度を有し且つ低価格であるネオジ磁石が発明されて以来、各種モータへの適用が進められている。特に、大型回転機への適用は従来磁石ほどコスト的に圧迫感がないことから伸長していると言える。
【0004】
また、焼結磁石はモータ出力増大に寄与するが、焼結品であるために、或いは硬く脆い性質であるために、複雑な形状に成形することができず、せいぜい研削・研磨加工で形を整える程度しか成形できないことから、円弧形状、平板形状が広く使用されている。そのため、エネルギー密度を損なわずに最小使用量で磁極を形成する必要がある。
【0005】
風力発電機は、現在、誘導発電機,巻線形同期発電機などが主流である。風力はエネルギー密度が小さいため、そのエネルギーを効率良く電力に変換することが必要である。そのため、風車においては、風のエネルギーを最大限取り込む必要があり、ブレードの最適形状設計を始め、広い風速範囲で高い効率を得るためのピッチ制御などの技術開発が進められている。また、発電機においても、風車から伝えられる回転エネルギーを効率良く電気エネルギーに変換する必要があることから、可変速範囲の拡大、即ちどのような風速でも電力として変換する能力および効率の向上が望まれている。
【0006】
風力発電の発電方式の特長として、発電はカットイン風速から開始され、その発電出力は風速のほぼ3乗で増加し、定格風速以降の風速では一定出力運転に移行する。定格風速以降は、風速が上がっても、風車の回転数は、その失速特性を利用して一定回転数を維持するようにピッチ制御される。これは、羽根の強度限界に起因している。
【0007】
しかしながら、実際の定格風速以降の回転数はピッチ制御の機械的遅れから一定にはならない。即ち、風速の秒,分単位での変動や風向の変化により、短時間にて風速が変動するため、ピッチ制御が追従できず回転数は大きく脈動するのが実態である。我々の調査によると、定格回転数(定格風速において)に対し、10%〜25%の変動が実際に発生していることが明らかになった。
【0008】
このように、風車の特性は、定出力範囲を20%程度持つ可変速駆動であり、この特性にマッチした発電機を組み合せることが、風力発電システムとして出力増大に寄与することになる。
【0009】
従来の風力発電機である誘導発電機は、可変速運転を可能とするため、極数変換方式とすべり制御が採用されている。このような方式の場合、突入電流など系統への影響が大きく、その保護回路設置などにより、付帯設備が大きくなる。また、力率の低下が避けられず、もともとの低効率の点も含め、エネルギーの機内消費が大きい。
【0010】
それに対して巻線形同期発電機は、比較的高い効率と広い可変速範囲での運転が可能である。しかしながら、回転子巻線へ励磁電流を通電するためにブラシを使用しなければならず、メンテナンスの面で問題がある。また、直流電流を発生させるために、励磁機(エキサイター)を設備することが必須となるが、この励磁電流の発生動力はエネルギー損失と位置付けられることから、効率の点でも自ずと限界がある。
【0011】
これら従来型の発電機に比べると、永久磁石発電機は、そもそも磁石の磁力を界磁として使用するため、エキサイターによる励磁が不要であり、高い効率の実現が可能である。また、ブラシを必要としないため、メンテナンス面においても大幅に改善することができる。さらに、この特長を維持しながら、前述の風力発電独特の出力特性にマッチする特性を永久磁石発電機に付与することができれば、高いコストパフォーマンスが達成できることになる。
【0012】
【特許文献1】
特開平11−299197号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、高い効率と信頼性及び広い可変速範囲を有するとともに風力発電に望ましい出力特性を有する風力発電機を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、回転子鉄心に永久磁石を埋設して回転子磁極を形成し永久磁石回転電機を構成する永久磁石回転子を有する風力発電機において、前記回転子磁極1極あたり2個の平板状の永久磁石が対向して設けられ、磁石極の1磁極ピッチに相当する角度に対する永久磁石配置部分の角度の割合である極弧が70%から92%の範囲であり、前記2個の永久磁石のなす外側角度が60°から90°の範囲であり、前記風力発電機の発電端電圧および電流の変動が定格回転数から前記定格回転数の125%の回転数範囲においてそれぞれ20%の範囲内にあることを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の発明は、回転子鉄心に永久磁石を埋設して回転子磁極を形成し永久磁石回転電機を構成する永久磁石回転子を有する風力発電機において、前記回転子磁極1極あたり2個の平板状の永久磁石が対向して設けられ、磁石極の1磁極ピッチに相当する角度に対する永久磁石配置部分の角度の割合である極弧が85%から92%の範囲であり、前記2個の永久磁石のなす外側角度が60°から90°の範囲あり、前記永久磁石の前面の回転子鉄心に、前記永久磁石と平行な辺を持つ扇形の窓が形成され、前記風力発電機の発電端電圧および電流の変動が定格回転数から前記定格回転数の125%の回転数範囲においてそれぞれ20%の範囲内にあることを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載の発明は、前記扇形の窓に、扇形の中空或いは中実形状の磁性片が装着されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、回転子鉄心に永久磁石を埋設して回転子磁極を形成し永久磁石回転電機を構成する永久磁石回転子を有する風力発電機において、前記回転子磁極1極あたり2個の平板状の永久磁石が対向して設けられ、磁石極の1磁極ピッチに相当する角度に対する永久磁石配置部分の角度の割合である極弧が85%から92%の範囲であり、前記2個の永久磁石のなす外側角度が60°から90°の範囲あり、前記永久磁石の前面の回転子鉄心に溝を形成し、空隙長を大きくし、前記風力発電機の発電端電圧および電流の変動が定格回転数から前記定格回転数の125%の回転数範囲においてそれぞれ20%の範囲内にあることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図1および図2を参照して本発明の永久磁石回転子および風力発電機の第1の実施の形態を説明する。
図1(a)は、永久磁石回転電機の横断面構造を概略的に示すものであり、電機子1は電機子鉄心1aに形成されたスロットに電機子コイル1bを収納した構成となっており、その界磁空間内に、回転子鉄心2aに回転子磁極2bを形成した回転子2が配置される。
【0023】
回転子2は、その詳細を図1(b)に示すように、回転子鉄心2aに設けた磁極装着用打抜き部に、1つの磁極2bあたり2個の平板状の磁石4を対向させるように配置し、その磁石極の1磁極ピッチに相当する角度αに対する磁石4配置部分の角度βの割合である極弧β/αを92%以上とし、さらに同一磁極に配置した磁石4のなす角度γが75°から105°の範囲に構成にしている。
【0024】
永久磁石回転電機を風力発電機として適用する場合、原動機側である風車の出力特性に適った発電特性を付帯させることが必要となる。風力発電システムの発電方式の特長として、発電はカットイン風速から開始され、その発電出力は風速のほぼ3乗で増加し、定格風速以降の風速では一定出力運転に移行する。定格風速以降は、風速が上がっても、風車の回転数は、その失速特性を利用して一定回転数を維持するようにピッチ制御される。これは、羽根の強度限界に起因している。
【0025】
従って、発電機は理想的には、図2(a)の負荷曲線のような回転数と出力の関係(以降、負荷特性とする)に適合すれば良いことになる。この場合、永久磁石回転子としては、図1に示したような表面磁石配置型の回転子構成が、高い力率が得られることなどから好ましい。
【0026】
図2(a)には、前記回転子を採用した発電機の出力特性を、負荷電流をパラメータとして、示してある。定格電流のみで負荷特性をカバーできているため、発電機出力に変動が無いことになり、高品質の発電が可能である。
【0027】
しかしながら、実際の、定格風速以降の回転数は、ピッチ制御の機械的遅れから図2(a)の負荷特性のように一定にはならない。即ち、風速の秒、分単位での変動や、風向の変化により、短時間にて風速が変動するため、ピッチ制御が追従できず、回転数は大きく脈動するのが実態である。
【0028】
我々の調査によると、定格回転数(定格風速において)に対し、10%〜25%の変動が実際に発生していることが明らかになった。これを図2(a)と同様に、出力v.s.回転数として見ると、図2(b)のような関係が得られる。これは、変動幅を定格回転数の20%としている。
【0029】
このような負荷特性を一定電流でカバーすることは、前記発電機特性では不可能である。また、120%電流が流れた場合においても、その負荷をカバーすることはできない。例えば、130%電流でカバーできた場合、それは20%以上の力率低下につながり、出力変動が大きくなって、高品質の電力を供給することはできない。
【0030】
出力変動を後段に設置したパワーエレクトロニクス装置で安定化することを考えるにしても、発電端の電流、電圧の変動幅としては、それぞれ120%以内が限界であり、それを超える変動が生じる発電機に対しては、バッテリー、フライホイール装置などの電力貯蔵装置を設置することが必要であり、発電システム自体が大型になり、特に、風力発電システムとしてはコスト的に成立しない場合が多い。このように、風車の特性は、定出力範囲を20%程度持つ可変速駆動であり、この特性にマッチした発電機を組み合せることが、風力発電システムとして出力増大に寄与することになる。
【0031】
本実施の形態の永久磁石回転子は、隣り合う磁極2bの磁石4の間隔がほとんど無い(極弧93%以上)ことから、角度γが前記の範囲を超えた場合、その出力特性はほとんど図2(a)のそれと同じになる。しかしながら、γが前記の範囲に入ると、磁石4の前面の鉄心部には磁石4の磁束以外に、出力を安定させる効果を持つリラクタンス磁束が流れる空間が確保される。
【0032】
これにより、本実施の形態の永久磁石回転子は磁石磁束により高出力化が達成され、また、リラクタンス磁束により、高出力を維持する機能が付加されることになる。従って、カットイン風速から定格風速(回転数)まで、風車の出力を余すところ無く電気エネルギーに変換することができ、さらに、定格風速からカットアウト風速の間にて生じる回転数変動においても、パワーエレクトロニクス装置の許容できる範囲内に負荷電流の変動を抑えることができ、結果として一定出力を得ることができる。
【0033】
また、本実施の形態の風力発電機は、後段のパワーエレクトロニクス装置の安定化作用によって変動を吸収できるように、発電端電圧と負荷電流の変動をそれぞれ20%の範囲内に収めることができ、付帯設備を設置することもなく、低廉な風力システムを提供することができる。
【0034】
つぎに本発明の第2の実施の形態を説明する。本実施の形態の永久磁石回転子は、図3に示すように、回転子鉄心2aに設けた磁石装着用打抜き部に、1つの極2bあたり2個の平板状の磁石4を対向させるように挿入し、且つ、その磁石極の極弧β/αを70%から92%の範囲とし、さらに同一磁極に配置した磁石4のなす角度γが60°から90°の範囲となるように構成している。
【0035】
極弧β/αが上記の範囲にある場合、リラクタンス磁束は隣り合う磁極の磁石の間に存在する鉄心を通り、磁石4の後を通って磁束が流れる空間が確保される。しかしながら、角度γがこの角度範囲を超えた場合、リラクタンス磁束の量は大きく減少し、磁石磁束量もそれにより低下することから、磁石による高出力化が阻害される。結果として、出力維持の機能は付帯するが、定格出力を発揮するために、磁石磁束の不足分を電流を増加することでカバーすることとなって、全体的な力率が低下する。前記範囲に角度γを設定すると、リラクタンス磁束量が増え、力率低下を防ぐだけの磁石磁束が得られる。
【0036】
従って、カットイン風速から定格風速(回転数)まで、風車の出力を余すところ無く電気エネルギーに変換することができ、さらに、定格風速からカットアウト風速の間にて生じる回転数変動においても、パワーエレクトロニクス装置の許容できる範囲内に負荷電流の変動を抑えることができ、結果として一定出力を得ることができる。
【0037】
つぎに本発明の第3の実施の形態を説明する。本実施の形態の永久磁石回転子は、図4に示すように、磁石極の極弧β/αが85%から92%の範囲の比較的高い極弧範囲にある場合、配置した磁石4の前面に、磁石と平行な辺を持つ扇形の窓3を形成した構成である。
【0038】
発電機の寸法仕様などによって、磁石磁束が不足する場合も起こる。その場合、磁束量を増やすと、磁石長さが伸び、隣り合う磁極の磁石間隔が狭くなって、リラクタンス磁束の流れる空間が足りなくなり、出力維持機能が低下することになる。
【0039】
その場合、前記扇形の窓3を、磁石4の前面に、磁石4の磁束の流れを阻害しない、即ち鉄心2aが磁気飽和することのない断面積で形成すると、リラクタンス磁束を増加させることができる。即ち、磁石4のある磁極中心径方向の磁気回路を遮断することで、そちらに漏れていたリラクタンス磁束を、磁石4の後を通過する望ましい流路に導くことができ、結果的に、リラクタンス磁束を補うことができるのである。
【0040】
従って、カットイン風速から定格風速(回転数)まで、風車の出力を余すところ無く電気エネルギーに変換することができ、さらに、定格風速からカットアウト風速の間にて生じる回転数変動においても、パワーエレクトロニクス装置の許容できる範囲内に負荷電流の変動を抑えることができ、結果として一定出力を得ることができる。
【0041】
つぎに本発明の第4の実施の形態の永久磁石回転子は、図5に示すように、予め広く明けた扇形の窓に、扇形の中空或いは中実形状の磁性片5を装着した構成である。
【0042】
本実施の形態によれば、定格風速以上の風速での回転数変動幅が大きくなった場合、或いは、異なる風車の負荷特性仕様に合わせる必要が生じた場合など、磁石磁束とリラクタンス磁束のバランスが壊れ、その結果、出力一定維持が不可能になった時に、窓の大きさを必要な大きさに変更することによって、そのバランスを回復し、パワーエレクトロニクス装置の許容できる範囲内に負荷電流の変動を抑えることができる。また、発電機の特性を風車出力に容易に合わせることができることから、発電機の共通部品化ができ、生産コストの低減が可能となる。
【0043】
つぎに本発明の第5の実施の形態の永久磁石回転子は、図6に示すように、磁石極の極弧β/αが85%から92%の範囲に限ってではあるが、扇形窓の代わりに、磁石4の前面に対向する回転子鉄心2aの表面に深さtの溝を形成し、その部分のみ空隙長を広くした構成である。
【0044】
溝の深さtは、大きくなるほど、リラクタンス磁束の増加効果が大きくなるが、ギャップ長が逆に増加するため、磁石磁束の低下につながり、いたずらに深くすることができない。我々の調査では、tの大きさとしては、正規のギャップ長に対し、10%〜30%の範囲が好ましいとの結果を得ている。
【0045】
つぎに本発明の第6の実施の形態の永久磁石回転子は、図7に示すように、回転子鉄心2aに設けた磁石装着用打抜き部に、円弧状の磁石4aを挿入し、且つ、その磁石極の極弧β/αを65%から80%の範囲にした構成である。
【0046】
この実施の形態では、磁石4aの前面にはリラクタンス磁束の流れる空間は無く、隣り合う磁極の磁石の間から磁石の後を通って流れる磁気回路のみがその流路となる。従って、比較的その磁石の間隔は広くとる必要があり、上記範囲の設定になっている。この円弧状の磁石4aは、回転子の外周に沿った形状となっているが、例えば、逆円弧状態で磁石4aを配置していもよい。
【0047】
この実施の形態の永久磁石回転子によれば、カットイン風速から定格風速(回転数)まで、風車の出力を余すところ無く電気エネルギーに変換することができ、さらに、定格風速からカットアウト風速の間にて生じる回転数変動においても、パワーエレクトロニクス装置の許容できる範囲内に負荷電流の変動を抑えることができ、結果として一定出力を得ることができる。
【0048】
なお、この円弧状の磁石4aは、1枚の磁石とすることができるが、その扇形角度を鉄心2aの打抜き孔に対して小さくとり、打抜き孔のなかでできた隙間に、前記第4の実施の形態におけるような、磁性片を配置することで、リラクタンス磁束流路、従ってリラクタンス磁束量と磁石磁束量の比率を任意にしかも容易に調節することができる。
【0049】
これにより、定格風速以上の風速での回転数変動幅が大きくなった場合、或いは、異なる風車の負荷特性仕様に合わせる必要が生じた場合など、磁石磁束とリラクタンス磁束のバランスが壊れ、その結果、出力一定維持が不可能になった時に、磁束量とリラクタンス磁束流路を任意に変更することで、そのバランスを回復し、パワーエレクトロニクス装置の許容できる範囲内に負荷電流の変動を抑えることができる。また、発電機の特性を風車出力に容易に合わせることができることから、発電機の共通部品化ができ、生産コストの低減が可能となる。
【0050】
つぎに本発明の第7の実施の形態の永久磁石回転子は、図8に示すように、永久磁石としてカマボコ形の磁石4bを使用している。極弧β/αの指定は、第6の実施の形態と同じである。カマボコ形の磁石4bの効果は、基本的には、円弧磁石のそれと同じであるが、さらに、リラクタンス磁束を増加させ、優れた出力維持能力が得られる。
【0051】
リラクタンス磁束は、その流路を確保することで増大できるが、前述したように、磁石の方向の漏れを無くすことによっても増加させることができる。カマボコ形の磁石4bは、極中央の部分の磁石厚さが大きくなっているが、磁石は、リラクタンス磁束の流れを阻害する働きがあることから、極中央はその効果が大きい。さらに、リラクタンス磁束の漏れは極中央が大きくなる傾向があることから、カマボコ形の磁石4bの効果により、強く且つ効果的にリラクタンス磁束の漏れを遮断することができる。結果として、少ない磁束量で、永久磁石回転電機の出力維持能力が向上でき、力率、効率の向上が図れる。
【0052】
つぎに本発明の第8の実施の形態を説明する。この実施の形態の永久磁石回転子は、図9に示すように、円弧状の磁石4aの外面に配する鉄心部(円環部)を、鉄心2aとは別体の環状磁性体6にて形成し、隣接する磁石4aに挟まれた鉄心部を継手として前記環状磁性体6を固定した構成である。
【0053】
この円環部を鉄心2aと別の部材とすることで、この部分の形状或いは材質を任意に選ぶことができる。例えば、最大回転数が大きくなり、磁石4aの遠心力による飛散を防止することが困難である場合、図7の構成では、円環部の肉厚を増やすことで対処するしかなく、この場合、必然的に磁石4aの位置が内周側に移動するため、磁束量が減少し、且つ、磁石磁束の前記円環部を通って流れる漏れ成分が大きくなって、出力に寄与する磁石磁束量が低下してしまう。
【0054】
本実施の形態では、その場合、円環部材料にマルエージ鋼などの高強度材を使用することで、その肉厚を小さくすることができ、結果として出力低下を防止することができる。また、図7の構成についても円環部を削除するだけで、簡単に採用することができる。
【0055】
さらに、円環部の形状を凸円弧形状とすることで、ギャップに流れる磁束分布を正弦波形状に成形することが可能で、これにより、高調波磁束成分を低減することもできる。これによって、高調波磁束成分に起因した高調波損失を低減でき、効率を向上することも可能である。このように、本実施の形態によると、種々の風車特性或いは、負荷仕様に対して発電機性能を容易に順応させることができる。
【0056】
つぎに本発明の第9の実施の形態を説明する。この実施の形態の永久磁石回転子は、図10に示すように、前記第8の実施の形態の永久磁石回転子において、環状磁性体6の継手部分に軸方向に冷却用のフィン7を付設したものである。鉄心2aの円環部は、別材料によって任意の形状に作製できることから、軸方向に伸ばし、フィン7を形成する。図では、軸流フィンを形成しているが、このフィン7の部分のみ非磁性にすることもできる。
【0057】
このフィン7の効果としていくつかあるが、ひとつには、永久磁石4a及び環状磁性体6にて発生する表面損失などによる発熱を速やかにフィン7から放熱する作用がある。また、別の効果として、フィン7が回転することによって生じる冷却風により、相対的に高い温度になりがちな電機子コイル1bのエンド部を循環冷却する作用がある。
【0058】
一般に風力発電機はナセルの中に収納されるが、他の電気部品の保護のためにナセルは密閉構造を採用することが多い。また、発電機の冷却は自然冷却が一般的であり、冷却条件が悪いので、発電機は比較的大型に製造される傾向にある。本実施の形態では、そのホットスポットとなる、電機子コイルエンド部をフィン7によって冷却できることから、冷却性能が飛躍的に向上し、発電機自体を小型化することができる。これによって、発電機重量、体格、損失が小さくなり、出力向上及びナセル寸法縮小効果をもたらすことが可能である。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、高い効率と信頼性及び広い可変速範囲を有するとともに風力発電に望ましい出力特性を有する風力発電機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、(a)は本実施の形態の永久磁石回転子を備えた永久磁石回転電機を模式的に示す径方向断面図、(b)は上記永久磁石回転子を示す部分断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の永久磁石回転子の作用(b)を従来の永久磁石回転子の作用(a)と比較して説明する曲線図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の永久磁石回転子の部分断面図。
【図4】本発明の第3の実施の形態の永久磁石回転子の部分断面図。
【図5】本発明の第4の実施の形態の永久磁石回転子の部分断面図。
【図6】本発明の第5の実施の形態の永久磁石回転子の部分断面図。
【図7】本発明の第6の実施の形態の永久磁石回転子の部分断面図。
【図8】本発明の第7の実施の形態の永久磁石回転子の部分断面図。
【図9】本発明の第8の実施の形態の永久磁石回転子の部分断面図。
【図10】本発明の第9の実施の形態の永久磁石回転子を備えた風力発電機の軸方向断面図。
【符号の説明】
1…電機子、1a…電機子鉄心、1b…電機子コイル、2…回転子、2a…回転子鉄心、2b…回転子磁極、3…窓、4,4a,4b…磁石、5…磁性片、6…環状磁性体、7…フィン、8…シャフト。

Claims (4)

  1. 回転子鉄心に永久磁石を埋設して回転子磁極を形成し永久磁石回転電機を構成する永久磁石回転子を有する風力発電機において、
    前記回転子磁極1極あたり2個の平板状の永久磁石が対向して設けられ、磁石極の1磁極ピッチに相当する角度に対する永久磁石配置部分の角度の割合である極弧が70%から92%の範囲であり、前記2個の永久磁石のなす外側角度が60°から90°の範囲であり、前記風力発電機の発電端電圧および電流の変動が定格回転数から前記定格回転数の125%の回転数範囲においてそれぞれ20%の範囲内にあることを特徴とする風力発電機。
  2. 回転子鉄心に永久磁石を埋設して回転子磁極を形成し永久磁石回転電機を構成する永久磁石回転子を有する風力発電機において、
    前記回転子磁極1極あたり2個の平板状の永久磁石が対向して設けられ、磁石極の1磁極ピッチに相当する角度に対する永久磁石配置部分の角度の割合である極弧が85%から92%の範囲であり、前記2個の永久磁石のなす外側角度が60°から90°の範囲あり、前記永久磁石の前面の回転子鉄心に、前記永久磁石と平行な辺を持つ扇形の窓が形成され、前記風力発電機の発電端電圧および電流の変動が定格回転数から前記定格回転数の125%の回転数範囲においてそれぞれ20%の範囲内にあることを特徴とする風力発電機。
  3. 前記扇形の窓に、扇形の中空或いは中実形状の磁性片が装着されていることを特徴とする請求項2記載の風力発電機
  4. 回転子鉄心に永久磁石を埋設して回転子磁極を形成し永久磁石回転電機を構成する永久磁石回転子を有する風力発電機において、
    前記回転子磁極1極あたり2個の平板状の永久磁石が対向して設けられ、磁石極の1磁極ピッチに相当する角度に対する永久磁石配置部分の角度の割合である極弧が85%から92%の範囲であり、前記2個の永久磁石のなす外側角度が60°から90°の範囲あり、前記永久磁石の前面の回転子鉄心に溝を形成し、空隙長を大きくし、前記風力発電機の発電端電圧および電流の変動が定格回転数から前記定格回転数の125%の回転数範囲においてそれぞれ20%の範囲内にあることを特徴とする風力発電機。
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