JP4356954B2 - 生体光計測装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体光計測装置に関し、特に、生体に装着した計測プローブの装着状態の確認に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、生体内部を簡便且つ生体に害を与えずに計測する装置が臨床医学及び脳科学等の分野で切望されていた。この要望に対し、可視から赤外の波長の光を生体に照射し、生体を通過した光を検出することで生体内部を計測する装置が、例えば、特開平9−98972号公報(以下、「文献1」と記す)もしくは特開平9−149903号公報(以下、「文献2」と記す)に記載されていた。
【0003】
これらの文献に記載の「生体光計測装置」は、異なる変調周波数の光を発生する、及び生体通過光から生体通過光強度画像(トポグラフィ画像)を生成し表示させる信号処理装置と、信号処理装置で発生した光を生体に照射し生体を通過した光を集光して信号処理装置に出力する計測プローブとから構成されていた。
【0004】
信号処理装置は、集光された光が入射されるフォトダイオードから出力される生体通過光強度を表す電気信号(以下、「生体通過光強度信号」と記す)から波長及び照射位置に対応する反射光強度をそれぞれ分離するロックインアンプと、ロックインアンプの出力をデジタル信号に変換するA/D変換器と、A/D変換後の生体通過光強度信号から計測点毎の酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量を計算し、この相対変化量を生体通過光強度画像(トポグラフィ画像)として表示する表示装置とから構成されていた。
【0005】
計測プローブは、信号処理装置から出射される異なる変調周波数の光を生体に誘導し異なる位置に照射する照射用光ファイバと、生体を通過した光を集光しフォトダイオードに誘導する検出用光ファイバと、照射用光ファイバ及び検出用光ファイバの先端を交互に格子状配列させる光ファイバ固定部材と、この光ファイバ固定部材を生体に固定する固定ベルトとから構成されていた。この光ファイバ固定部材は、例えば、四辺形をした厚さ3mm程度の熱可逆性プラスチックシートの基盤を生体の計測部位の形状に沿うように曲面形状に形成する、あるいは熱可逆性プラスチックシートの基盤をヘルメットあるいはキャップ形状に形成する等のように、計測部位に応じて種々用意していた。また、光ファイバ固定部材には、生体に光を照射・検出する複数の位置毎に穴があけられ、この穴に光ファイバフォルダが配置されていた。この光ファイバフォルダは、中空状のホルダ本体、ナットねじ、光ファイバ固定ねじから構成され、このナットねじにより光ファイバ固定部材にホルダ本体が固定して取り付けられていた。このホルダ本体の内部に、照射用光ファイバもしくは検出用光ファイバを挿入し、生体表面に光ファイバを軽く接触させて光ファイバ固定ねじで固定していた。
【0006】
一方、信号処理装置は、生体に装着された照射用及び検出用光ファイバ位置や生体通過光の計測位置等を表示装置に表示させるモード、A/D変換後の生体通過光強度信号レベルを時系列で表示装置に直接表示させるモード、及び計測点毎の酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量から計算された生体通過光強度画像を表示させるモードを有していた。ただし、生体光計測装置における生体通過光の計測位置は、照射用光ファイバと検出用光ファイバとの隣接位置となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、前記従来技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
従来の生体光計測装置では、使用する光ファイバ固定部材の種別、並びにこの光ファイバ固定部材に配置した照射用光ファイバ及び検出用光ファイバ位置に基づいて、計測の開始前に信号処理装置にも光ファイバ固定部材の種別情報、並びに光ファイバ固定部材に配置した照射用光ファイバ及び検出用光ファイバ位置情報を設定していた。信号処理装置は、計測開始前に設定された光ファイバ固定部材の種別情報、並びに光ファイバ固定部材に配置した照射用光ファイバ及び検出用光ファイバ位置情報に基づいて、計測中あるいは計測後における照射用及び検出用光ファイバ位置や生体通過光の計測位置等の表示、計測点毎の酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量の時系列での表示、及び生体通過光強度画像の表示を行っていた。
【0008】
このために、従来の生体光計測装置では、光ファイバ固定部材が信号処理装置に設定した向きで生体に装着されているか否かは、例えば照射用及び検出用光ファイバの位置や固定ベルトの取り付け位置等から行うのみであったために、計測プローブの生体への装着に慎重をきす必要が生じ、装着及び装着後の確認に多くの時間を要してしまうという問題があった。このために、診断効率が低下してしまうという問題があった。
【0009】
また、従来の生体光計測装置では、負荷に起因する血液動態の変化を計測する場合、生体に負荷を印加している期間に計測される計測信号である生体光強度信号は、生体に負荷を印加しない時の血液動態の信号と、生体に負荷を印加したことに起因する血液動態の信号とが加算されたものとなっていた。ただし、血液動態は被検体の血圧変化、脈波、呼吸器の動き及び脳脊椎液の変化等の生体のゆらぎによって変化することが知られており、この生体のゆらぎに伴って計測される生体通過光強度も大きく変化していた。
【0010】
一方、従来の生体光計測装置では、A/D変換後の生体通過光強度信号レベルを時系列で表示装置に直接表示させるモード時、あるいはA/D変換後の生体通過光強度信号から計算された計測点毎の酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量レベルを時系列で表示画面に直接表示させるモード時では、生体通過光強度信号レベルあるいは酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量レベルを時系列で表示するのみとなっていたので、表示されるレベル変化が負荷に起因する血液動態の変化によるものであるか、生体のゆらぎに起因するものであるかを判断することができないという問題があった。
【0011】
本発明の目的は、装着及び装着後の確認を容易にすることが可能な技術を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的は、生体に負荷を印加したことに起因する血液動態の変化個所を容易に特定することが可能な技術を提供することにある。
本発明のその他の目的は、診断効率を向上することが可能な技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0014】
(1)光源から光ファイバで誘導した複数波長の光を生体に照射し、前記生体内を通過した光を検出する計測プローブと、前記計測プローブに配置可能な光ファイバの位置情報を格納する格納手段と、前記検出した通過光から前記生体の生体通過光強度画像を生成する手段と、前記生体通過光強度画像を表示する表示手段とを有する生体光計測装置において前記計測プローブには基準位置を示す基準マークが表記されており、前記格納手段は前記基準位置を示す基準マークを記した計測プローブ毎の位置情報を格納しており、前記表示手段は、前記生体の計測部位を模した形状情報と前記計測プローブの前記光ファイバの配置位置とを表示させるとともに、前記基準マークを表示する。
【0015】
(2)前記表示手段は、前記生体内を通過した通過光の強度あるいは前記生体通過光強度画像と共に、前記生体に負荷を印加した負荷状態での計測期間と負荷を印加しない無負荷状態での計測期間とを示す。
【0016】
前述した(1)の手段によれば、計測プローブには基準位置を示す印が表記されている。また、記憶手段は基準位置を示す印を記した計測プローブ毎の情報を格納している。ここで、表示手段が計測プローブの光ファイバの配置位置と共に、記憶手段に格納される基準位置を示す印を表示させることによって、測定対象である生体に装着された計測プローブの状態と、集光した通過光から生体の生体通過光強度画像を生成する手段である信号処理手段に設定された計測プローブの状態とを容易に比較することができるので、所望の向きで生体に計測プローブを装着したか、あるいは集光した通過光から生体の生体通過光強度画像を生成する手段に計測プローブの状態を正確に設定したかを容易に確認することができる。従って、診断効率を向上することができる。
【0017】
前述した(2)の手段によれば、表示手段が生体内を通過した通過光の強度あるいは生体通過光強度画像と共に、生体に負荷を印加した負荷状態での計測期間と負荷を印加しない無負荷状態での計測期間とを示すことによって、通過光の強度あるいは生体通過光強度画像の表示モードにおける、生体に負荷を印加したことに起因する血液動態の変化個所を容易に特定することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、発明の実施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0020】
図1は本発明の一実施の形態である生体光計測装置の概略構成を説明するための図であり、1は光源部、2は光モジュール、3は半導体レーザ、8は照射用光ファイバ、9は生体、10は検出用光ファイバ、11はフォトダイオード、12はロックインアンプモジュール、16はA/D変換器、17は制御部、18は記録部、19は処理部、20は入出力部を示す。ただし、制御部17における計測値の処理を除く他の構成は、周知の手段及び機構を用いる。
【0021】
本実施の形態では、例えば、生体9の頭部の皮膚表面から光を照射し、頭部の皮膚表面で検出された通過光から大脳内部を画像化する実施の形態を、計測チャンネルの個数すなわち計測位置が12の場合について説明する。もちろん、本発明は測定対象として頭部に限らず他の部位、さらには人体以外の生体あるいは生体以外にも適用可能である。また、光照射位置及び光検出位置の数をさらに増加させることにより、計測チャンネルの個数を増加させることが可能であり、計測領域を拡大させることも可能となる。
【0022】
図1において、光源部1は4個の光モジュール2から構成されている。各光モジュール2は、可視から赤外の波長領域中で複数の波長、例えば780nm及び830nmの二波長の光をそれぞれ放射する2個の半導体レーザ3から構成されている。これらの二波長の値は、780nmと830nmとに限定されるものではなく、また、波長数も二波長に限定されるものではない。この光源部1については、半導体レーザ3の代わりに発光ダイオードを用いてもよい。この光源1に含まれる全ての半導体レーザ8個は、それぞれ発振周波数の異なる図示しない発振器で構成される発振部により、それぞれ変調される。ただし、この変調として、本実施の形態では正弦波によるアナログ変調の場合を示すが、これに限定されることはなく、それぞれ異なる時間間隔の矩形波によるデジタル変調を用いてもよい。また、光モジュール2には、それぞれの半導体レーザから放射された780nm及び830nmの波長の光を1本の光ファイバ(照射用光ファイバ8)に導入させる図示しない光ファイバ結合器とが備えられている。
【0023】
従って、光源部1から放射される二波長光を混合した光は、各光モジュール2に接続される4本の照射用光ファイバ8の先端部分から測定対象となる生体9の頭部に照射される。このとき、各照射用光ファイバ8は図示しない計測プローブの光ファイバ固定部材に固定され、それぞれ異なる位置に光を照射する。ただし、本実施の形態では、照射用光ファイバ8及び検出用光ファイバ10の先端部分は、交互に正方格子上に配置される。なお、計測プローブの詳細については、特開平9−149903号公報に記載される。
【0024】
頭部を通過した光すなわち生体通過光は、図示しない計測プローブの光ファイバ固定部材に固定された5本の検出用光ファイバ10でそれぞれ集光され、各検出用光ファイバ10の他端に接続される光検出器であるフォトダイオード11で検出される。このフォトダイオード11としては、例えば高感度な光計測が実現可能な周知のアバランシェフォトダイオードが望ましい。また、光検出器としては、光電子増倍管等の光電変換素子ならば他のものでもよい。
【0025】
これらのフォトダイオード11で生体通過光は電気信号(生体通過光強度信号)に変換された後、変調信号の選択的な検出回路、例えば複数のロックインアンプから構成されるロックインアンプモジュール12で、照射位置且つ波長に対応した変調信号が選択的に検出される。このとき、ロックインアンプモジュール12から出力される変調信号は、波長及び照射位置に対応する生体通過強度信号にそれぞれ分離されたものである。ただし、本実施の形態では、二波長の光を用いて12の計測位置での計測を行うので、計測すべき信号数は12×2=24となる。従って、本実施の形態のロックインアンプモジュール12では、合計24個の図示しないロックインアンプを用いる。ただし、デジタル変調を用いた場合には、変調信号検出としてデジタルフィルタもしくはデジタルシグナルプロセッサを用いる。
【0026】
ロックインアンプモジュール12からアナログ出力される生体通過光強度信号は、24チャンネルのA/D変換器(アナログデジタル変換器)16によりそれぞれデジタル信号に変換される。それぞれのデジタル信号は、波長及び照射位置毎の生体通過光強度信号である。これらの計測は、制御部17により制御されている。
【0027】
デジタル信号に変換された生体通過光強度信号は、記録部18で記録される。記録部18に記録された生体通過光強度信号は処理部19において読み出され、該処理部19において、各検出位置の生体通過光強度信号から求められる脳活動に伴う酸素化ヘモグロビン濃度変化及び脱酸素化ヘモグロビン濃度変化、さらにはこれらヘモグロビン濃度総量が計算され、複数の計測位置の経時情報として入出力部20の図示しない表示画面上に表示される。また、複数の計測位置の経時情報は記録部18に格納されてもよい。なお、各検出位置の生体通過光強度信号から酸素化及び脱酸素化ヘモグロビン濃度変化並びにヘモグロビン濃度総量を計算する方法については、文献1及び文献2に記載されているので、詳細な説明は省略する。
【0028】
このとき、本実施の形態の生体光計測装置では、記録部18には、予め当該生体光計測装置で使用可能な光ファイバ固定部材の種別情報が格納されている。この光ファイバ種別情報としては、適用(計測)部位の生体の計測部位の形状に沿う曲面形状やヘルメットあるいはキャップ形状等のように、計測部位に応じて種々用意された光ファイバ固定部材毎の形状情報と、各光ファイバ固定部材に記された基準位置の情報と、各光ファイバ固定部材毎に使用可能な照射用及び検出用光ファイバ8,10の本数情報と、生体通過光強度の計測部位を模した形状情報等である。なお、光ファイバ固定部材の格納情報として、光ファイバ固定部材毎に使用可能な1〜n本の照射用及び検出用光ファイバ8,10の本数と、予め決定しておいた光ファイバ固定部材への各照射用及び検出用光ファイバ8,10の配置位置とを格納していてもよい。ただし、nは使用する照射用及び検出用光ファイバ8,10のそれぞれの本数を示している。
【0029】
従って、本実施の形態の生体光計測装置を用いて生体通過光強度信号の計測を行う場合には、入出力部20から生体光計測に使用する計測プローブに係わる情報を信号処理装置に設定する必要がある。具体的には、以下に示すステップ1〜ステップ3の手順に従って行う。まず、計測の開始前に記録部18から計測に使用する。すなわち生体に装着する光ファイバ固定部材を選択する(ステップ1)。次に、信号処理手段の記録部18からステップ1で選択された光ファイバ固定部材に係わる情報を読み出す(ステップ2)。使用する光ファイバ固定部材に記された基準位置に対する照射用及び検出用光ファイバ8,10の位置に従って、ステップ2で読み出した光ファイバ固定部材に照射用及び検出用光ファイバ8,10の位置を設定する(ステップ3)。計測部位へ装着する光ファイバ固定部材の位置及び向きに基づいて、計測部位を模した形状情報へ光ファイバ固定部材の位置及び向きを設定する(ステップ4)。ただし、ステップ3における照射用及び検出用光ファイバ8,10の位置の設定と、ステップ4における計測部位を模した形状情報への光ファイバ固定部材の配置及び向きの設定とは、例えばステップ2で読み出された光ファイバ固定部材情報中に記された基準位置と、使用する光ファイバ固定部材の基準位置とが一致するように行う。
【0030】
ステップ4の後に、予め設定した向きで所望の計測部位に計測プローブを装着することによって、生体に装着した計測プローブの状態と、信号処理装置に設定した計測プローブの状態とが異なったものとなることを防止することが可能となる。なお、計測プローブの生体への装着は、前述するステップ1を行う前、あるいはステップ1〜3の間でもよいことはいうまでもない。
【0031】
図2は本実施の形態の計測プローブを生体に装着したときの光ファイバ固定部材並びに照射用及び検出用光ファイバと生体通過光の計測位置との関係を説明するための図であり、図3は本実施の形態の信号処理装置における生体に装着された照射用及び検出用光ファイバ位置や生体通過光の計測位置等を表示画面上に表示させた時の図である。
【0032】
図2に示すように、21,23の光ファイバ固定部材に22の基準マークを記している。この光ファイバ固定部材を実際に頭部へ装着した状態を24に示している。24,25はそれぞれ光照射ファイバ固定部、光検出ファイバ固定部である。
【0033】
このとき、例えば計測部ローブの取り付け方向及び位置が正常に成されているかを確認するために、入出力部20から生体に装着された照射用及び検出用光ファイバ位置や生体通過光の計測位置等を入出力部20の表示画面上に表示させるモードに設定する。このモード設定によって、信号処理装置は、図3に示すように、生体通過光強度の計測部位を模した形状情報32と計測プローブの配置位置33とを表示させると共に、生体通過光の計測位置と基準マーク31とを表示させる。これによって、検者は形状情報32と計測プローブの配置位置33との関係と、生体に装着される計測プローブ位置とを確認することによって、容易に所望の計測部位に計測プローブを装着したかを確認することができる。また、生体通過光の計測位置と基準マーク31との関係と、生体の向きと生体に装着される計測プローブの基準マークとの関係とを比較することによって、容易に所望の向きで計測プローブを装着したかを確認することができる。
【0034】
従って、図4に示すように、生体に装着された計測プローブにおける照射用及び検出用光ファイバの検出光の信号レベルを確認するモードに設定した場合であっても、例えば赤色で表示される信号レベルが予め設定された値に収まらない光ファイバ位置41の特定が容易となる。なお、本実施の形態では、信号レベルが予め設定された値に収まっている光ファイバ位置42は、緑色で表示させる構成となっている。
【0035】
ただし、図4に示す照射用及び検出用光ファイバ位置と共に、基準マーク31を表示させてもよく、基準マーク31を表示させることによって、表示画面上の照射用及び検出用光ファイバ位置と、生体に装着される計測プローブにおける照射用及び検出用光ファイバ位置とを容易に把握することができるという効果がある。
【0036】
図5は生体への負荷の印加を行わない場合での本実施の形態における信号処理装置でのA/D変換後の生体通過光強度信号レベルを時系列で表示画面上に直接表示させるモードでの表示の一例である。
【0037】
通常の生体光計測においては、図5に示すように、各計測位置毎の二波長での24個(24チャンネル)分の計測をそれぞれ表示させることによって、各計測位置毎の生体通過光強度信号を監視する。このとき、生体の特定の負荷印加に係わる酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量、すなわち負荷に起因する血液動態の変化を計測する場合には、A/D変換後の生体通過光強度信号レベルを時系列で表示画面上に直接表示させるモードにおいて、図6に示すように、経過時間方向の生体通過光強度信号レベルと共に、負荷の印加期間を示す領域61を表示させることによって、負荷印加による生体通過光強度信号レベル変化と、生体に負荷を印加している期間に計測される生体光強度信号レベル変化との観察が容易となる。
【0038】
図7は本実施の形態の信号処理装置でのA/D変換後の生体通過光強度信号から計算された計測点毎の酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量レベルを時系列で表示画面に直接表示させるモードでの表示の一例である。
【0039】
図7から明らかなように、本実施の形態では、計測点毎の酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量レベルと共に、負荷の印加期間を示す領域71を表示させることによって、負荷印加による計測点毎の酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量レベル変化と、生体に負荷を印加している期間に計測される計測点毎の酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量レベル変化との観察が容易となる。この負荷の印加期間を示す表示は、図8に示すように、計測点毎の酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量から計算された生体通過光強度画像を表示させるモードにおいても、生体通過光強度画像と共に負荷の印加期間を示す領域81を表示させ、例えば時刻表示バー82の位置によって、現在表示されている生体通過光強度画像が印加期間83にあるかないかを判断できる。時刻表示バー82は、時刻表示バー移動ボタン81によって移動することができる。
【0040】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0041】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
【0042】
(1)装着及び装着後の確認が容易となる。
(2)生体に負荷を印加したことに起因する血液動態の変化個所を容易に特定することができる。
(3)診断効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である生体光計測装置の概略構成を説明するための図である。
【図2】本実施の形態の計測プローブを生体に装着したときの光ファイバ固定部材並びに照射用及び検出用光ファイバと生体通過光の計測位置との関係を説明するための図である。
【図3】本実施の形態の信号処理装置における生体に装着された照射用及び検出用光ファイバ位置や生体通過光の計測位置等を表示画面上に表示させた時の図である。
【図4】生体に装着された計測プローブにおける照射用及び検出用光ファイバの検出光の信号レベルを確認するモードにおける表示の一例である。
【図5】生体への負荷の印加を行わない場合での本実施の形態における信号処理装置でのA/D変換後の生体通過光強度信号レベルを時系列で表示画面上に直接表示させるモードでの表示の一例である。
【図6】生体への負荷の印加を行なう場合での本実施の形態の信号処理装置でのA/D変換後の生体通過光強度信号レベルを時系列で表示画面上に直接表示させるモードでの表示の一例である。
【図7】生体への負荷の印加を行なう場合での本実施の形態の信号処理装置でのA/D変換後の生体通過光強度信号から計算された計測点毎の酸化及び還元ヘモグロビン濃度の相対変化量レベルを時系列で表示画面に直接表示させるモードでの表示の一例である。
【図8】生体への負荷の印加を行なう場合での本実施の形態の信号処理装置での生体通過光強度画像を表示画面に直接表示させるモードでの表示の一例である。
【符号の説明】
1…光源部、2…光モジュール、3…半導体レーザ、8…照射用光ファイバ、9…生体、10…検出用光ファイバ、11…フォトダイオード、12…ロックインアンプモジュール、16…A/D変換器、17…制御部、18…記録部、19…処理部、20…入出力部、31…基準マーク、32…生体通過光強度の計測部位を模した形状情報、33…計測プローブの配置位置、41…信号レベルが予め設定された値に収まらない光ファイバ位置、42…信号レベルが予め設定された値に収まっている光ファイバ位置、61,71,81…負荷の印加期間を示す領域
Claims (2)
- 光源から光ファイバで誘導した複数波長の光を生体に照射し、前記生体内を通過した光を検出する計測プローブと、前記計測プローブに配置可能な光ファイバの位置情報を格納する格納手段と、前記検出した通過光から前記生体の生体通過光強度画像を生成する手段と、前記生体通過光強度画像を表示する表示手段とを有する生体光計測装置において、
前記計測プローブには基準位置を示す基準マークが表記されており、前記格納手段は前記基準位置を示す基準マークを記した計測プローブ毎の位置情報を格納しており、
前記表示手段は、前記生体の計測部位を模した形状情報と前記計測プローブの前記光ファイバの配置位置とを表示させるとともに、前記基準マークを表示することを特徴とする生体光計測装置。 - 前記表示手段は、前記生体内を通過した通過光の強度あるいは前記生体通過光強度画像と共に、前記生体に負荷を印加した負荷状態での計測期間と負荷を印加しない無負荷状態での計測期間とを示すことを特徴とする請求項1記載の生体光計測装置。
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