JP4356917B2 - ビスアミノメチル−1,4−ジチアン類の製造方法及びその中間体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なビスアミノメチル−1,4−ジチアン化合物の製造方法及びその中間体に関する。本発明に係わるビスアミノメチル−1,4−ジチアン化合物は、光学材料、接着剤、塗料等の製造原料として有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビスアミノメチル−1,4−ジチアン化合物の製造方法としては、前記式[2]で表される化合物を加圧下、塩化第一銅を触媒としてアンモニアを反応させて製造する方法が知られている(特許文献1)。しかしながら、この方法は、多量のアンモニアを加圧下に使用するものであるため、工業的に有利な方法とは言いがたい。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−130264号公報
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、光学材料、接着剤、塗料等の有用な製造原料として有用なビスアミノメチル−1,4−ジチアン化合物を、工業的に有利に製造する方法、並びにこの製造方法に用いる新規化合物及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明は第1に、式[1]
【0005】
【化17】
【0006】
(式中、R1は、水素原子又はC1−C6アルキル基を表す。)で表される化合物の製造方法であって、
(1)式[2]
【0007】
【化18】
【0008】
(式中、Xはハロゲン原子を表し、R1は前記と同じ意味を表す。)で表される化合物と、式[3]
【0009】
【化19】
【0010】
(式中R2、R3及びR4は、それぞれ独立してC1−C6アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。)で表されるアミン類とを反応させ、式[4]
【0011】
【化20】
【0012】
(式中、R1、R2、R3及びR4は前記と同じ意味を表す。)で表される化合物を製造する工程、
【0013】
(2)前記式[4]で表される化合物と、式[5]又は[6]
【0014】
【化21】
【0015】
(式中、R5は、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリール基を表し、Yはハロゲン原子又はC1−C6アルコキシ基を表す。)で表される化合物を反応させ、式[7]
【0016】
【化22】
【0017】
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は前記と同じ意味を表す。)で表される化合物を製造する工程、並びに、
(3)前記式[7]で表される化合物を脱アルキル及び加水分解する工程、
を有することを特徴とする製造方法を提供する。
【0018】
本発明は第2に、式[4]
【0019】
【化23】
【0020】
(式中、R1、R2、R3及びR4は前記と同じ意味を表す。)で表される新規化合物とその製造方法を提供する。
【0021】
また、本発明は第3に、式[7]
【0022】
【化24】
【0023】
(式中、R1、R2、R3、R4及びR5は前記と同じ意味を表す。)で表される新規化合物とその製造方法を提供する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、前記式[1]で表される化合物の製造方法であって、次の第1工程(1)〜第3工程(3)を有することを特徴とする。
【0025】
【化25】
【0026】
第1工程(1)は、前記式[2]で表される化合物と、式[3]で表されるアミンとを反応させて、前記式[4]で表される化合物を得る工程である。
【0027】
上記反応式において、Xはハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
R1は、水素原子又はC1−C6アルキル基を表す。C1−C6アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等が挙げられる。
R2、R3及びR4は、それぞれ独立してC1−C6アルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。C1−C6アルキル基としては、前記R1のC1−C6アルキル基と同様のものが挙げられる。
また、置換基を有していてもよいアリール基としては、フェニル基、p−メトキシフェニル基等が挙げられる。
【0028】
式[3]で表されるアミンの使用量は、式[2]で表される化合物に対して2倍モル以上であれば特に制限されないが、好ましくは2〜40倍モル、更に好ましくは3〜20倍モルである。
【0029】
この反応は、適当な溶媒中で行うことができる。用いる溶媒としては、基質に対し不活性であれば特に制限されない。例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒;塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;ニトロベンゼン等のニトロ系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の極性溶媒;等を例示することができる。また、これらの混合溶媒を用いることもできる。これらの中でも、収率よく目的物が得られる観点から、アルコール系溶媒、水及びそれらの混合溶媒の使用が好ましい。
【0030】
溶媒の使用量は、式[2]の化合物1重量部に対し、通常0.5〜1000重量部、好ましくは1〜100重量部である。2種以上の溶媒を混合して用いる場合の混合比は任意である。反応は、室温から還流温度の範囲で行われるが、30〜70℃の範囲が好ましい。
【0031】
【化26】
【0032】
第2工程(2)は、前記式[4]で表される化合物と、式[5]又は式[6]で表される化合物とを反応させて、式[7]で表される化合物を製造する工程である。
上記反応式中、R1〜R4は前記と同様である。
R5は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等のC1−C6アルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等のC1−C6アルコキシ基;又は、フェニル基、p−メトキシフェニル基等の置換基を有していてもよいアリール基;を表す。
Yは、塩素、臭素等のハロゲン原子;又はメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基等のC1−C6アルコキシ基を表す。
【0033】
この反応は、適当な溶媒中で行なうことができる。用いる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に制限されない。例えば、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;ニトロベンゼン等のニトロ系溶媒;DMF、DMSO等の極性溶媒;等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、水との2相系で用いることもできる。
【0034】
さらに、反応系中に発生するハロゲン化水素、カルボン酸を除去するため、有機塩基及び/又は無機塩基を反応系に添加してもよい。
有機塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N、N―ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン等の3級のアミン;アニリン類;ピリジン、キノリン等の含窒素複素環化合物;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、トリエチレンジアミン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、α−ピコリン、β―ピコリン、γ−ピコリン、ルチジン類、コリジン類等を例示することができる。
【0035】
無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の重炭酸塩;等を例示することができる。また、これらの塩基を混合して使用することもできる。
【0036】
更には4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩類等のオニウム塩類、クラウン化合物、有機塩基等を触媒として用いることもできる。具体的には4級アンモニウム塩として、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベンジルアンモニウム、臭化テトラメチルアンモニウム、臭化テトラエチルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、臭化トリエチルベンジルアンモニウム、臭化トリメチルフェニルアンモニウム、塩化テトラメチルアンモニウム、塩化テトラエチルアンモニウム、塩化テトラブチルアンモニウム、塩化トリエチルベンジルアンモニウム、塩化トリメチルフェニルアンモニウム、塩化トリオクチルメチルアンモニウム、塩化トリブチルベンジルアンモニウム、塩化トリメチルベンジルアンモニウム、塩化N−ラウリルピリジニウム、塩化N−ベンジルピコリニウム、塩化トリカプリルメチルアンモニウム、沃化テトラメチルアンモニウム、沃化テトラブチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムサルフェート、等が使用できる。
【0037】
4級ホスホニウム塩として、塩化テトラエチルホスホニウム、臭化テトラエチルホスホニウム、沃化テトラエチルホスホニウム、臭化テトラブチルホスホニウム、臭化テトラフェニルホスホニウム、臭化トリフェニルベンジルホスホニウム等が使用できる。また、クラウン化合物として、15−クラウン−5,18−クラウン−6等のクラウンエーテル類、クリプタンド類等が使用できる。
反応は−20℃から用いる溶媒の沸点までの温度で円滑に進行する。
【0038】
【化27】
【0039】
第3工程は、前記式[7]で表される化合物を脱アルキル及び加水分解することにより、式[1]で表される化合物を製造する工程である。
この反応においては、酸の存在下に行うのが好ましい。使用する酸としては酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸、塩酸、硫酸、臭化水素酸等の無機酸が挙げられる。なかでも、塩酸、硫酸等の無機酸の使用が好ましい。
【0040】
この反応は、適当な溶媒中で行われる。使用する溶媒としては、反応に不活性であれば特に制限されないが、効率よく目的物を得ることができること、及び目的物の単離操作が容易であること等の理由から、水の使用が好ましい。
【0041】
反応は、反応系に適した温度を適時選択できるが、室温から溶媒の沸点で行われ、好ましくは溶媒の沸点か100℃程度である。また、室温から段階的に温度を上げながら反応することもできる。反応時間は通常1時間から24時間の範囲である。
【0042】
反応終了後は、通常の有機合成的手法に従って単離、精製を行うことにより目的物を得ることができる。目的物の構造は、NMR、IR、MASS等の各種スペクトルの測定を行うことにより決定することができる。
【0043】
前記式[4]で表される化合物及び式[7]で表される化合物は新規化合物である。これらの化合物の具体例を第1表及び第2表に示すが、これらに限定されるものではない。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【実施例】
次に実施例で本発明を詳しく説明するが、本発明は下記の実施例のみに限定されるものではない。
実施例1 2,5−ビス(t−ブチルアミノメチル)−1,4−ジチアン(以下TBMDと略記する)の製造
【0048】
【化28】
【0049】
粗2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン(以下DCMDと略記する)91.4g(純分54.3g)、メタノール62.5ml及び水125mlの混合物にt−ブチルアミン146.3gを加え、40〜45℃にて14時間反応を行った。反応終了後、メタノール及び過剰のt−ブチルアミンを減圧留去した後、濃塩酸49.9gを加え、クロロホルム125mlで洗浄した。クロロホルム層を希塩酸(濃塩酸2g+水13ml)で抽出し、先の水溶液と合わせた。この水溶液に28%NaOH水溶液117.1gを加え、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を水洗後、クロロホルムを留去して得られた淡黄色オイルを、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で分析したところ、目的物を62.4g(収率86%)含有していた。また、得られた淡黄色オイルをクロマトグラフィーにより単離し、NMRスペクトルを測定することにより、目的物であることを確認した。
【0050】
1H−NMRデータ(CDCl3,δppm):1.11(s,18H),2.8(m,4H),2.9(m,2H),3.0(m,4H)
13C−NMR(CDCl3,δppm):29.1,31.1,41.0,45.4,50.4
(注)主なピークのみを記載している。
【0051】
実施例2 TBMDの製造
粗DCMD 18.3g(純分10.9g)と水25mlの混合物にt−ブチルアミン29.3gを加え、60〜65℃にて4.5時間反応を行った。反応終了後、過剰のt−ブチルアミンを減圧留去した後、濃塩酸22.8gを加え、クロロホルム25mlで洗浄した。クロロホルム層を水13mlで抽出し、先の水溶液と合わせた。この水溶液に28%NaOH水溶液36.4gを加え、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を水洗後、クロロホルムを留去して得られた淡黄色オイルをHPLCで分析したところ、目的物を13.5g含有していた。
【0052】
実施例3 TBMDの製造
粗DCMD 146.2g(純分86.8g)と水200mlの混合物にt−ブチルアミン175.5gを加え、65〜70℃にて7時間反応を行った。反応終了後、過剰のt−ブチルアミンを減圧留去した後、濃塩酸65.3gを加え、クロロホルム80mlで洗浄した。クロロホルム層を水20mlで抽出し、先の水溶液と合わせた。この水溶液に28%NaOH水溶液166.2gを加え、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を水洗後、クロロホルムを留去して得られた淡黄色オイルをHPLCで分析したところ、目的物を101.1g含有していた。
【0053】
実施例4 2,5−ビス(N−アセチル−N−t−ブチルアミノメチル)−1,4−ジチアン(以下ABMDと略記する)の製造
【0054】
【化29】
【0055】
実施例2で得たTBMD(純分14.5g)及びトリエチルアミン12.7gをクロロホルムに溶解し、15℃にて塩化アセチル9.8gを滴下した。滴下終了後、さらに同温度で1時間撹拌した。反応終了後、反応液に水を加えて生成したトリエチルアミン塩を溶解分液した。有機層を水洗し、その1/10量を測りとり、クロロホルムを留去したところ、粗ABMD2.05gを得た。HPLCで分析したところ、目的物(主として2種類の異性体の混合物)を1.75g(収率93%)含有していた。
各異性体は再結晶及びシリカゲルクロマトグラフィーにより単離、精製し、NMRスペクトルを測定することにより構造を確認した。
【0056】
A)主異性体
1H−NMRデータ(CDCl3,δppm):1.46(s,18H),2.21(s,6H),2.78−2.85(m,2H),3.03−3.10(m,2H),2.98(d,2H),3.6−3.7(m,4H)
13C−NMRデータ(CDCl3,δppm):25.7,29.4,30.9,41.1,49.5,57.3,171.8
【0057】
B)副異性体
1H−NMRデータ(CDCl3,δppm):1.47(s,18H),2.18(s,6H),2.59−2.68(m,2H),2.8(m,2H),3.2−3.5(m,2H,m,4H)
13C−NMRデータ(CDCl3,δppm):25.7,29.2,32.4,46.7,50.1,57.3,171.7
【0058】
実施例5 ABMDの製造
【0059】
【化30】
【0060】
TBMD(純分222g)をモノクロルベンゼン750mlに溶解し、ここに無水酢酸234gを添加した。この混合物を100〜110℃に加熱し、5時間反応を行った。反応終了後、反応液を50℃まで冷却し、n−ヘキサン375mlを滴下し、全容を5℃まで冷却して、析出した結晶を濾過し、乾燥して211gを得た。HPLCによる分析及びNMRの測定結果から、目的物であることを確認した。異性体比は91:9(NMR)であった。
母液をHPLCで測定したところ、目的物が49.5g含まれていた。(収率91%)
【0061】
実施例6 2,5−ビス(アミノメチル)−1,4−ジチアン(以下BAMDと略記する)の製造
【0062】
【化31】
【0063】
実施例5で得たABMD37.5gを塩酸水溶液(HCl分:18.2g)72.9gに室温で添加した。添加した後、加熱しながら、生成したt−ブチルクロリド及びt−ブチルアルコールを内温が100℃に達するまで留出させた後、そのまま100℃にて6時間反応を行った。反応終了後、反応液を10℃まで冷却し、28%NaOH水溶液72.9gを加えて、クロロホルムで抽出した。クロロホルムを留去し、単黄色オイル(後に固化)17.7gを得た。HPLC及びNMRからこのオイルが目的物であることを確認した(収率97%)。
【0064】
実施例7 BAMDの製造
実施例4で得たABMDのクロロホルム溶液(ABMD:15.7g含有)のクロロホルムを常圧で留去し、結晶が析出したところで濃塩酸23.4gを加え更に留去を続けた。途中、水17.5gを加えて内温が90〜95℃となったところで留出を止め、その温度で7時間反応を行った。反応液を冷却後、28%NaOH水溶液35.1gを加え、クロロホルムで抽出した。クロロホルムを留去して得られた残留物をHPLCで分析したところ、BAMD7.2gを含有していた(収率96%)。
【0065】
実施例8 BAMDの製造
ABMD1.0gを30%硫酸水溶液に加え、5時間加熱還流した。反応液を冷却後、28%NaOH水溶液12gを加え、クロロホルムで抽出した。クロロホルム層を硫酸マグネシウムで乾燥し、クロロホルムを留去して目的物0.44gを得た(収率91%)。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の製造方法は、光学材料等の製造原料として有用なビスアミノメチル−1,4−ジチアン化合物を温和な反応条件で、効率よく製造することができるので、工業的に有利な製造方法である。
Claims (7)
- 式[1]
(1)式[2]
(2)前記式[4]で表される化合物と、式[5]又は式[6]
(3)前記式[7]で表される化合物を脱アルキル及び加水分解する工程、
を有することを特徴とする製造方法。 - 前記反応を、水、アルコール類又は水とアルコール類との混合溶媒中で行うことを特徴とする請求項4記載の製造方法。
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