JP4354221B2 - 培養処理装置及び自動培養装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、培養処理装置及び自動培養装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、生体外において細胞を培養し組織を再構築することにより、培養組織等価物を治療に利用する再生医療が注目を集めている。このような細胞を培養する培養装置としては、様々なものが提供されているが、その一つとして培地の交換を自動に行う自動培養装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この自動培養装置は、複数の培養容器を収納可能なスタッカ及び該培養容器を搬送する搬送手段を備えたインキュベータと、培養容器の蓋を着脱するリッドオープンロボットと、培地注入ニードル及び培地排出ニードルを備えた培地交換ロボットと、これらを総合的に制御する管理コンピュータとを備えている。
【0003】
この自動培養装置では、搬送ロボットにより培養容器をインキュベータから外部に取り出した後、リッドオープンロボットにより培養容器の蓋を外し、培地交換ロボットにより培養容器内の培地の排出及び注入を行う。そして、培地交換終了後、リッドオープンロボットにより培養容器の蓋を被せ、搬送ロボットにより培養容器をインキュベータ内のスタッカに収納する。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−262856号公報(段落番号0022−0036、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1記載の自動培養装置では、培養容器の蓋を外した際に、培養容器内に塵埃等が混入する恐れがあった。
また、一般的な自動培養装置は、通常上述したような塵埃等の混入を防止するため、培養容器の蓋を着脱したり、培地交換等を行う上記空間をケーシング等で覆って、外部からの塵埃等を遮断する構成を採用している。ところが、ケーシング内部の保守点検や試薬等の定期交換等のため外部からケーシング内部にアクセスした際、培養容器の蓋が開いていた場合には、外部雰囲気がケーシング内に流入し、培養容器内の細胞に塵埃等が混入する恐れがあった。
【0006】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、外部雰囲気の流入により容器内の細胞等に塵埃等が混入することを防止することができる培養処理装置及び自動培養装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、以下の手段を提供する。
請求項1に係る発明は、細胞を収容した培養容器内に収容された被収容物に対して所定の処理を施すための清浄度を有する処理室と、該処理室内に外部からアクセスするためのアクセス扉と、該処理室内での前記処理を制御する制御部とを備え、該制御部は、前記培養容器の蓋が閉状態であることが検出されていることを条件として、前記アクセス扉を開可能に制御する培養処理装置を提供する。
この発明に係る培養処理装置においては、制御部が、細胞を収容した培養容器の蓋が閉状態であることを検出しないとアクセス扉を開状態にしないので、培養容器に収容されている細胞等の被収容物が露出している状態で、アクセス扉を開けることはできない。従って、アクセス扉からの外部雰囲気の流入による細胞等の被収容物への塵埃等の混入を防止することができる。
【0008】
請求項2に係る発明は、細胞を収容した培養容器内に収容された被収容物に対して所定の処理を施すための清浄度を有する処理室と、該処理室内に外部からアクセスするためのアクセス扉と、該処理室内での前記処理を制御する制御部とを備え、該制御部は、前記アクセス扉が閉状態であることが検出されていることを条件として、前記培養容器の蓋を開可能に制御する培養処理装置を提供する。
この発明に係る培養処理装置においては、制御部が、アクセス扉が閉状態であることを検出しないと細胞を収容した培養容器の蓋を開状態にしないので、アクセス扉が開いた状態で培養容器に収容されている細胞等の被収容物を露出させることはない。従って、アクセス扉からの外部雰囲気の流入による細胞等の被収容物への塵埃等の混入を防止することができる。
【0009】
請求項3に係る発明は、細胞を収容した培養容器内に収容された被収容物に対して所定の処理を施すための清浄度を有する処理室と、該処理室内に外部からアクセスするためのアクセス扉と、該処理室内での前記処理を制御する制御部とを備え、該制御部は、前記培養容器の蓋が開状態であることが検出されている場合において、前記アクセス扉が開状態であることが検出されたときに、前記培養容器の蓋を閉状態に制御する培養処理装置を提供する。
この発明に係る培養処理装置においては、細胞を収容した培養容器の蓋が開いて該培養容器内に収容されている被収容物が露出している状態のときに、処理室内の保守点検や不意にアクセス扉を開けた場合には、制御部がアクセス扉の開状態を検出して培養容器の蓋を閉める。従って、処理室内に流入した外部雰囲気中に培養容器が開状態、即ち、被収容物が露出した状態で放置されないので、細胞等の被収容物への塵埃等の混入を防止することができる。
【0010】
請求項4に係る発明は、細胞を収容した培養容器内に収容された被収容物に対して所定の処理を施すための清浄度を有する処理室と、該処理室内に外部からアクセスするためのアクセス扉と、該処理室内での前記処理を制御する制御部とを備え、該制御部は、前記培養容器の蓋が開状態であることが検出されている場合において、前記アクセス扉が開状態であることが検出されたときに、前記アクセス扉を閉状態に制御する培養処理装置を提供する。
この発明に係る培養処理装置においては、細胞を収容した培養容器の蓋が開いて該培養容器内に収容されている被収容物が露出している状態のときに、処理室内の保守点検や不意にアクセス扉を開けた場合には、制御部がアクセス扉の開状態を検出してアクセス扉を閉める。従って、処理室内に流入する外部雰囲気を最小限に抑えると共に、被収容物を露出した状態で放置しないので、細胞等の被収容物への塵埃等の混入をより確実に防止することができる。
【0011】
請求項5に係る発明は、細胞を収容した培養容器内に収容された被収容物に対して所定の処理を施すための清浄度を有する処理室と、該処理室内に外部からアクセスするためのアクセス扉と、該処理室内での前記処理を制御する制御部とを備え、該制御部は、前記アクセス扉が開状態であることが検出されている場合において、前記培養容器の蓋が開状態であることが検出されたときに、前記アクセス扉を閉状態に制御する培養処理装置を提供する。
この発明に係る培養処理装置においては、処理室内の保守点検等のためアクセス扉を開けている状態のときに、細胞を収容した培養容器の蓋を開けてしまった場合には、制御部が培養容器の蓋の開状態を検出してアクセス扉を閉める。従って、処理室内に流入する外部雰囲気を最小限に抑えることができ、培養容器内に収容されている細胞等の被収容物への塵埃等の混入を防止することができる。
【0012】
請求項6にかかる発明は、細胞を収容した培養容器内に収容された被収容物に対して所定の処理を施すための清浄度を有する処理室と、該処理室内に外部からアクセスするためのアクセス扉と、該処理室内での前記処理を制御する制御部とを備え、該制御部は、前記アクセス扉が開状態であることが検出されている場合において、前記培養容器の蓋が開状態であることが検出されたときに、前記培養容器の蓋を閉状態に制御する培養処理装置を提供する。
この発明に係る培養処理装置においては、処理室内の保守点検等のためアクセス扉を開けている状態のときに、細胞を収容した培養容器の蓋を開けてしまった場合には、制御部が培養容器の蓋の開状態を検出して培養容器の蓋を閉める。従って、処理室内に流入する外部雰囲気を最小限に抑えると共に、被収容物を露出した状態で放置しないので、細胞等の被収容物への塵埃等の混入をより確実に防止することができる。
【0013】
請求項7に係る発明は、請求項3から6のいずれか1項に記載の培養処理装置において、前記アクセス扉及び前記培養容器の蓋が共に開状態であることが検出されたときに、その旨を報知する報知手段を備えている培養処理装置を提供する。
この発明に係る培養処理装置においては、アクセス扉が開いて処理室内に外部雰囲気が流入している状態と、細胞を収容した培養容器の蓋が開いて細胞等の被収容物が露出した状態とが同時に生じた場合には、ブザーやランプ等の報知手段によりオペレータ等にその旨が報知される。この報知を受けてオペレータ等も、アクセス扉を閉めたり、培養容器の蓋を閉めたりして被収容物に塵埃等が混入しないように適切な処置を行なえるので、被収容物への塵埃等の混入を更に確実に防止することができる。
【0014】
請求項8に係る発明は、細胞を収容した培養容器内に収容された被収容物に対して所定の処理を施すための清浄度を有する処理室と、該処理室内に外部からアクセスするためのアクセス扉と、該処理室内での前記処理を制御する制御部とを備え、該制御部が、前記アクセス扉が閉状態であることが検出されていることを条件として、前記培養容器の蓋を開状態にして前記処理を行う培養処理装置を提供する。
この発明に係る培養処理装置においては、制御部が、アクセス扉が閉状態であることを検出しないと細胞を収容した培養容器の蓋を開けて該培養容器内に収容された被収容物に対して所定の処理を開始しない。即ち、制御部は、アクセス扉が確実に閉まり清浄度を有する処理室内と外部雰囲気とが遮断された状態となるまで、培養容器の蓋を開けて所定処理を始めない。従って、培養容器内に収容されている細胞等の被収容物への塵埃等の混入を防止することができる。
【0015】
請求項9に係る発明は、請求項1から8のいずれか1項に記載の培養処理装置において、前記処理室に、前記アクセス扉を閉状態にロックする扉ロック手段が設けられ、前記制御部は、前記アクセス扉が閉状態であることが検出されたときに前記扉ロック手段を作動させる扉制御手段を備えている培養処理装置を提供する。
この発明に係る培養処理装置においては、扉制御手段が、アクセス扉が閉状態となったときに扉ロック手段を作動させてアクセス扉をロックする。即ち、細胞を収容した培養容器の蓋が開状態のときは、必ずアクセス扉にロックがされた状態となっている。これにより、例えば、オペレータ等が処理室内の保守点検等を行うときに培養容器が開状態の段階でアクセス扉を開けてしまったり、不意にアクセス扉を開けてしまうことを防止できるので、培養容器内の被収容物への塵埃等の混入を確実に防止することができる。
【0016】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の培養処理装置において、前記扉ロック手段のロック状態を検出する扉ロック検出手段を備えている培養処理装置を提供する。
この発明に係る培養処理装置においては、扉ロック検出手段によりアクセス扉がロックされたことを検出することが可能となる。従って、アクセス扉のロックが確実になり、信頼性をより向上することができる。
【0017】
請求項11に係る発明は、請求項1から10のいずれか1項に記載の培養処理装置において、前記培養容器の蓋の開閉を検出する蓋開閉センサを備えている培養処理装置を提供する。
この発明に係る培養処理装置においては、蓋開閉センサが細胞を収容した培養容器の蓋の開閉状態をより確実に検出することが可能となる。従って、培養容器の蓋の開閉状態を高精度に検出でき、信頼性をより向上することができる。
【0018】
請求項12に係る発明は、請求項1から11のいずれか1項に記載の培養処理装置において、前記アクセス扉の開閉状態を検出する扉開閉センサを備えている培養処理装置を提供する。
この発明に係る培養処理装置においては、扉開閉センサによりアクセス扉の開閉状態をより確実に検出することが可能となる。従って、アクセス扉の開閉状態を高精度に検出でき、信頼性をより向上することができる。
【0019】
請求項13に係る発明は、請求項1から12のいずれか1項に記載の培養処理装置において、前記処理室に、前記アクセス扉を自動開閉可能な扉開閉手段が設けられ、前記制御部は、前記扉開閉手段を前記培養容器の蓋の開閉状態に基づいて作動させる培養処理装置を提供する。
この発明に係る培養処理装置においては、扉開閉手段が、細胞を収容した培養容器の蓋が開状態とされ、細胞等の被収容物に対して所定処理が行なわれている場合には、アクセス扉を自動的に閉状態に維持するように制御する。また、所定処理が終了して培養容器の蓋が閉状態となった場合には、アクセス扉を自動的に開状態となるよう制御する。このように、扉開閉手段は、培養容器の蓋の開閉状態に応じてアクセス扉の開閉の制御を行なっている。従って、確実に被収容物への塵埃等の混入を防止することができる。
【0020】
請求項14に係る発明は、請求項1から13のいずれか1項に記載の培養処理装置において、前記アクセス扉が、2つ以上設けられている培養処理装置を提供する。
この発明に係る培養処理装置においては、処理室にアクセス扉が多数設けられていたとしても、例えば、全てのアクセス扉が閉状態となっていない限り、細胞を収容した培養容器が開状態とならない。従って、アクセス扉の設置数に関係なく、確実に培養容器に収容されている細胞等の被収容物への塵埃等の混入を防止することができる。
【0022】
請求項15に係る発明は、請求項1から14のいずれか1項に記載の培養処理装置と、前記培養容器を出し入れ可能に収容し所定の培養条件を維持しつつ細胞を培養する培養室と、を備えている自動培養装置を提供する。
この発明に係る自動培養装置においては、培養室を備えているので、例えば、外部雰囲気に培養容器をさらすことなく、培養処理装置から培養室へ移動することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る自動培養装置の第1実施形態について、図1から図5を参照して説明する。
本実施形態の自動培養装置1は、細胞(被収容物)を収容した容器の1つである培養容器3を出し入れ可能に収容し所定の培養条件を維持しつつ細胞を培養する第1空間S1内に収容された培養室4と、第1空間S1外に配置された培養処理装置Aとを備えている。該培養処理装置Aは、培養容器3内に収容された細胞等に対して所定の処理を施すための清浄度を有する第2空間(処理室)S2と、該第2空間S2内に外部からアクセスするためのアクセス扉30と、これら培養室4及び第2空間S2での処理を制御する制御部40とを備えている。
【0024】
また、上記第1空間S1及び第2空間S2は、外部から観察可能な透明な壁材により密閉され、両空間S1、S2は、シャッタ2を介して相互に連絡可能とされている。
上記第1空間S1の両側空間S11、S13には、上記培養室4が2個ずつ計4個配置され、中央空間S12には、培養容器3を移動するための搬送ロボット5が備えられている。中央空間S12の上部には、中央空間S12内の空気を浄化するために清浄な下降空気流を送る空気清浄部6が設けられている。また、4個の培養室4は、それぞれ中央空間S12に向けて扉4aを配置することにより、横に並んだ2個ずつが相互に扉4aを対向させて、間隔をあけて配置されている。
【0025】
更に、各培養室4は、図2及び図3に示されるように、一側面に開口部4bを有し、該開口部4bを開閉可能な扉4aを備えている。開口部4bに向かって左右の側壁には、対応する高さ位置に複数のレール状のトレイ保持部材4cが設けられており、左右対となる各トレイ保持部材4cに掛け渡すようにして、培養容器3を載置するトレイ7を上下方向に複数段収容できるようになっている。各培養室4内は、上述したように所定の培養条件、例えば、温度37±0.5℃、湿度100%及びCO2濃度5%等に維持されている。なお、トレイ保持部材4cは、レール状に限定されず、トレイ7を出し入れ可能に支持することができれば任意の形態でよい。
【0026】
トレイ7は、培養容器3を載置するための図示しない載置部を備えている。また、各トレイ7には、複数個、例えば、10個の培養容器3を並べて載置できるようになっている。
各培養容器3は、図4に示すように、容器本体3aと、該容器本体3aの上面に設けられた蓋3bとからなり、容器本体3aの左右の側面には、後述する第2空間内のハンド5cにより引っかけられる突起3cが設けられている。
【0027】
また、図1に示すように、各培養室4の下方には、未使用の培養容器3をトレイ7に搭載した状態で複数収容するストッカ8が配置されている。該ストッカ8は、前記培養室4の扉とは反対側の第1空間S1の外部に向かう側面に開閉可能なドア8aを有している。該ドア8aは、ストッカ8の一側面全体を開放する大きさに形成されている。
【0028】
上記搬送ロボット5は、4個の培養室4の間隔位置のほぼ中央に配置されている。該搬送ロボット5は、水平回転可能な第1アーム5aと、該第1アーム5aの先端に鉛直軸回りに回転可能に連結された第2アーム5bと、該第2アーム5bの先端に鉛直軸回りに回転可能に取り付けられ、それ自身は駆動部、伝導機構などの培養室内の環境を劣化させる機構を持たないハンド5cと、これら第1アーム5a、第2アーム5b及びハンド5cを昇降可能な昇降機構5dとを備えている。これにより、搬送ロボット5は、4個の培養室4内の全てのトレイ7にアクセスするとともに、前記シャッタ2を跨いで第1空間S1と第2空間S2との間に配置されたコンベア9上にトレイ7を引き渡すことができる水平方向の動作範囲を有している。
【0029】
上記コンベア9は、搬送ロボット5のハンド5cの幅寸法より大きな間隔をあけて左右に配置された2本の無端ベルト9aを備え、これら無端ベルト9aに掛け渡してトレイ7を載置できるようになっている。また、搬送ロボット5は、培養室4内の全てのトレイ7にアクセスすると共に、前記ストッカ8内の少なくとも最上段のトレイ7にアクセスできる垂直方向の動作範囲を有している。なお、ベルト9aは、無端ベルトに限られるものではない。
【0030】
上記ハンド5cは、トレイ7を載置可能に水平方向に伸びる平坦な形状に形成されており、培養室4に収容されているトレイ7間の隙間に挿入可能な厚さ寸法に形成されている。そして、ハンド5cは、トレイ7間の隙間に挿入された状態から上昇させられることにより、2本の腕によってトレイ7を下方から押し上げてトレイ保持部材4cから取り上げるとともに、トレイ7を安定して保持できるようになっている。
【0031】
上記第2空間S2には、アクセス扉30の開閉状態を検出する扉開閉センサ51及びアクセス扉30を閉状態でロックする扉ロック機構(扉ロック手段)52が設けられている。
また、第2空間S2には、シャッタ2が開かれた状態で第1空間S1からコンベア9によって搬送されてきたトレイ7上の培養容器3を取り扱うと共に該培養容器3の蓋3bを開閉するハンドリングロボット10と、培養容器3内の培地から細胞を分離する遠心分離機11と、血清や試薬等の種々の液体を分注するための電動ピペット12を備えた水平回転及び昇降移動可能な2台の分注ロボット13と、これら分注ロボット13の電動ピペット12先端に取り付ける使い捨て可能なチップ14を複数収容しており分注ロボット13の動作範囲内に提供可能な3台のチップ供給装置15と、使用済みのチップ14を廃棄回収するチップ回収部(図示略)と、血清や試薬等の種々の液体を複数の容器に貯留する試薬等供給装置16と、培養容器3内における細胞の様子を観察可能な顕微鏡17と、各試薬及び培地交換等により廃棄される廃液をそれぞれ貯留する複数の貯留タンク18と、前記コンベア9と各ロボット10、13との間で培養容器3を受け渡し可能とするように培養容器3を移動させる水平移動機構19と、該水平移動機構19のスライダ20に取り付けられ、受け取った培養容器3を載置して振動を加えるシェーカ21とが備えられている。
更に、第2空間S2にも、該第2空間S2内の空気を浄化するために清浄な下降気流を送る空気清浄部(図示略)が設けられており、これにより、第2空間の清浄度が保たれている。
【0032】
上記ハンドリングロボット10は、培養容器3を取り扱うと共に蓋3bを開閉する把持ハンド10aを水平移動及び昇降移動させる水平多関節型ロボットである。例えば、図1に示す例では、相互に連結された3つの水平アーム10b、10c、10dと、これら水平アーム10b〜10dを昇降させる昇降機構10eとを備えている。また、水平アーム10b〜10dの先端には、培養容器3を把持する把持ハンド10aの他に、培養容器3内から細胞や培地を出し入れするチップ14を着脱可能な電動ピペット(図示略)が備えられている。
【0033】
このハンドリングロボット10は、コンベヤ9で搬送されてきたトレイ7上の培養容器3の蓋3bを開閉し、培養容器3を把持して搬送することによりシェーカ21及び顕微鏡17に供給し、電動ピペット先端のチップ14を交換し、培養容器3内から取り出した細胞入り培地を遠心分離機11に投入するようになっている。従って、ハンドリングロボット10は、コンベア9、シェーカ21、顕微鏡17、チップ供給装置15、チップ回収部(図示略)及び遠心分離機11等の種々の装置をその動作範囲内に配置している。
【0034】
上記遠心分離機11は、ハンドリングロボット10から供給された細胞入り培地を高速回転させることにより培地内に浮遊していた比重の重い細胞を培地から分離して沈下させるようになっている。
上記分注ロボット13は、先端にチップ14を着脱可能に取り付ける電動ピペット12を備えた水平回転可能なアーム13aと、該アーム13aを昇降させる昇降機構13bとを備えている。また、分注ロボット13は、水平移動機構19によって搬送されてきた培養容器3内へ培地や種々の試薬を供給するようになっている。従って、分注ロボット13は、水平移動機構19上のシェーカ21、チップ供給装置15、チップ回収部及び試薬等供給装置16等の種々の装置をその動作範囲内に配置している。
【0035】
上記チップ供給装置15は、上方に開口した容器15a内に、電動ピペット12への取付口を上向きにして複数のチップ14を配列状態に収容しており、ハンドリングロボット10や分注ロボット13が、新たなチップ14を必要とするときに、電動ピペット12を上方から挿入するだけで、電動ピペット12の先端にチップ14を取り付けるように構成されている。容器15aは、ハンドリングロボット10や分注ロボット13の動作範囲と、蓋体15bとの間で往復移動させられるように移動機構15cに取り付けられており、チップ14の交換が不要なときには、チップ14への塵埃等の付着を防止するために、移動機構15cを作動させて蓋体15bの下方(初期位置)に配置されるようになっている。
【0036】
上記チップ回収装置は、回収容器の入口に、チップ14を把持する把持装置を備えており、ハンドリングロボット10や分注ロボット13において使用されたチップ14が把持装置に挿入されると、これを把持するようになっている。そして、この状態でハンドリングロボット10や分注ロボット13が電動ピペット12を移動させることにより、電動ピペット12先端から使用済みチップ14が取り外され、回収容器内に回収されるようになっている。
【0037】
上記試薬等供給装置16は、円筒状のケーシング内部に、鉛直軸回りに水平回転可能なテーブル16aを収容し、該テーブル16a上に、扇型の底面形状を有する筒状の容器の1つである試薬等容器16bを周方向に複数配列して搭載している。各試薬等容器16bには、種々の試薬等が貯留されている。例えば、細胞を培養するために必要な培地を構成するMEM(Minimal Essential Medium:最小必須培地)、FBS(Fetal Bovine Serum:ウシ胎児血清)やヒト血清のような血清、培養容器3内の細胞を剥離させるトリプシンのような蛋白質分解酵素や、培養に際して細胞を成長させるサイトカインのような成長因子、細胞を分化させるデキサメタゾンのような分化誘導因子、ペニシリン系抗生物質のような抗生剤、エストロゲン等のホルモン剤や、ビタミン等の栄養剤が貯留されている。
【0038】
試薬等供給装置16のケーシングの上面には、分注ロボット13が電動ピペット12先端のチップ14を挿入する挿入口16cが設けられている。この挿入口16cは、前記分注ロボット13の動作範囲内に配置されている。また、各試薬等容器16bは、その上面に、前記挿入口16cに一致する位置に配置される開口部(図示略)を備えている。これにより、初期位置からテーブル16aを回転させて試薬等容器16bの開口部をケーシングの挿入口16cの鉛直下方に配置することで、分注ロボット13が、電動ピペット12先端のチップ14を上方から試薬等容器16b内へ挿入して、内部に貯留されている試薬等を吸引することができるようになっている。また、試薬等供給装置16と、分注ロボット13とを2台ずつ設けているのは、検体に共通のトリプシンのような薬液と、検体に固有の血清のような液体とを分離して取り扱うようにしているためである。
【0039】
上記顕微鏡17は、培養工程の途中、あるいは、培地交換の際に、培養容器3内の細胞数を計数する場合などに使用されるようになっている。顕微鏡17のXYステージや作動距離調整、倍率の変更等は全て遠隔操作により行うことができるように構成されている。第2空間S2の外方に向けて接眼レンズを配置しておくことにより、自動培養装置1の外部から培養容器3内の細胞の状態を目視できるようにしてもよい。
【0040】
上記貯留タンク18は、例えば、全ての検体に共通して使用できるMEMやPBS(リン酸緩衝液)等を貯留しておき、必要に応じて試薬等供給装置16内の試薬等容器16a内に供給するようになっている。また、貯留タンク18には、廃液タンクとして、培地交換の際に排出される廃培地等を貯留するものもある。上記水平移動機構19は、直線移動機構により水平方向に移動可能なスライダ20を備えている。スライダ20上には前記シェーカ21が搭載されており、シェーカ21に搭載された培養容器3を、コンベア3から分注ロボット13の動作範囲まで移動させることができるようになっている。
上記シェーカ21は、コンベア9上のトレイ7内から移載された培養容器3を搭載して保持する保持機構(図示略)を備えるとともに、該培養容器3に振動を付与する加振装置(図示略)を備えている。加振装置は、例えば、培養容器3を所定の角度範囲で往復揺動させる装置である。なお、加振装置として、超音波振動を加える装置や、水平方向の振動を加える装置を採用してもよい。
【0041】
上記扉開閉センサ51は、例えば、マイクロスイッチや近接スイッチであり、アクセス扉30を完全に閉めた時に、該アクセス扉30の閉状態を検出するように配設されている。また、アクセス扉30が開いた際は、内部センサが感知しないので、開状態と判断する。この扉開閉センサ51は、検出結果を制御部40に送る機能を有している。
上記扉ロック機構52は、例えば、電磁ソレノイドであり、後述する扉制御回路41により内部のプランジャーが出没してアクセス扉30の図示しないロック孔と係止することにより、アクセス扉30を閉状態でロックすると共に、該ロックの解除を行っている。
【0042】
上記制御部40は、上述したように培養室4及び第2空間S2内に配設されている構成部の各工程の順序や動作タイミング等をプログラミング等により総合的に制御すると共に動作履歴等を記録保存している。
また、制御部40は、扉開閉センサ51によりアクセス扉30が閉状態であると検出されていることを条件として、容器の蓋を開可能に制御するように設定されている。更に、容器に対して所定処理を始めるように設定されている。即ち
、培養容器3の蓋を開状態にして試薬の投入等を行ったり、チップ供給装置15の容器15aを蓋体15bの下方である初期位置から移動させたり、試薬等供給装置16の試薬等容器16bを初期位置から回転させ、試薬等容器16bの開口部を挿入孔16cの下方に位置させる等の作動を行うように設定されている。
【0043】
また、制御部40は、アクセス扉30の閉状態を検出したときに、扉ロック機構52を作動させてアクセス扉30をロックさせる扉制御回路41を有している。更に、この扉制御回路41は、培養容器3の蓋3bの閉状態が検出され、チップ供給装置15及び試薬等供給装置16が初期位置に位置したときに、アクセス扉30のロックを解除するように設定されている。つまり、制御部40は、容器の蓋が閉状態であることが検出されていることを条件としてアクセス扉30を開可能に制御している。
【0044】
このように構成された自動培養装置1により、細胞を培養する場合について図1及び図5を参照して説明する。
まず、オペレータは、アクセス扉30を開け、患者から採取された骨髄液を遠心分離容器(図示略)に入れた状態で遠心分離機11に投入し、アクセス扉30を閉める。アクセス扉30が閉まると、扉開閉センサ51が閉状態を検出して制御部40に検出結果を出力する(S1)。制御部40に検出結果が入力されると、扉制御回路41は、扉ロック機構52を作動させてアクセス扉30をロックする(S2)。これにより、オペレータが不意にアクセス扉30を開ける可能性がなくなる。従って、清浄度が保たれた第2空間S2内に外部雰囲気と共に塵埃等が入ることがないので、例えば、培養容器3内の細胞に塵埃等が混入することが防止される。
【0045】
また、制御部40は、上述したようにアクセス扉30の閉状態が検出されたことを受けて、培養容器3等の容器の蓋を開可能に制御すると共に、各容器内の被収容物に対して所定の処理作業を開始する(S3)。即ち、まず遠心分離機11を作動させて、骨髄液中から比重の重い骨髄細胞を抽出させる。なお、上述した骨髄液が入った遠心分離容器を遠心分離機11に投入する作業をハンドリングロボット10に行わせてもよい。この場合には、アクセス扉30が閉状態となって、ロックが確認された後にハンドリングロボット10が作動する。
【0046】
抽出された骨髄細胞は、ハンドリングロボット10により、培養容器3に投入される。このとき、コンベア9の作動により、トレイ7に載せた10個の空の培養容器3が、第1空間S1から第2空間S2に蓋3bが閉まった閉状態で差し出される。次いで、ハンドリングロボット10は、把持ハンド10aにより、差し出された培養容器3の内の2個の蓋3bを開けて開状態にした後に、開状態となった2個の培養容器3を順に把持してシェーカ21上に移載する。これにより、処理直前に蓋3bを開けることができ、容器本体3a内に異物が入る確率を更に低減することができる。
なお、制御部40は、培養容器3の蓋3bが開いて開状態となったことをプログラミングにより検出している。
【0047】
次いで、チップ供給装置15が、移動機構15c作動させて、容器15aを初期位置である蓋体15bの下方から移動させることにより、未使用のチップ14をハンドリングロボット10の動作範囲内に配すると、ハンドリングロボット10は、チップ供給装置15から未使用のチップ14を受け取って電動ピペット12の先端に取り付ける。
この状態で、ハンドリングロボット10を作動させて、電動ピペット12先端のチップ14を遠心分離機11内に抽出された骨髄細胞に接触させる。そして、電動ピペット12を作動させることにより、チップ14内に骨髄細胞を吸引する。吸引された骨髄細胞は、ハンドリングロボット10を作動させることにより、シェーカ21上の培養容器3内に投入される。
骨髄細胞を培養容器3内に投入し終わると、ハンドリングロボット10は、チップ回収部までチップ14を搬送してチップ14を取り外す。また、チップ供給装置15は、移動機構15cの作動により容器15aを蓋体15bの下方である初期位置に戻す。
【0048】
次に、骨髄細胞が投入された培養容器3は、水平移動機構19を作動させることにより、シェーカ21ごと水平移動させられ、各分注ロボット13の動作範囲内に配置される。分注ロボット13は、チップ供給装置15から受け取った未使用のチップ14を先端に取り付けた電動ピペット12を作動させることにより、試薬等供給装置16の試薬等容器16b内からMEMや血清、あるいは各種試薬を適量吸引した後に、培養容器3の上方まで搬送して培養容器3内に注入する。なお、この際、試薬等供給装置16は、テーブル16aを回転させて、試薬等容器16bが初期位置から挿入孔16cの鉛直下方に開口部が位置するように作動させている。
【0049】
血清や各試薬の吸引は、各試薬等の吸引毎にチップ供給装置15から未使用のチップ14に交換して行われる。これにより、培養容器3内においては、適正な培地内に骨髄細胞が混合された状態で存在することになる。なお、試薬等の供給が終了すると、試薬等供給装置16は、テーブル16aを回転させて、試薬等容器16bを初期位置に戻す。また、培地内において骨髄細胞を均一に分布させるために、シェーカ21を作動させて、培養容器3ごと加振することにしてもよい。そして、全ての処理を終えた培養容器3は水平移動機構19の作動により、ハンドリングロボット10の動作範囲に戻される。
培養容器3が、ハンドリングロボット10の動作範囲に戻されると、ハンドリングロボット10は、培養容器本体3aに蓋3bを被せた閉状態とした後に、培養容器3をトレイ7上に戻す。
【0050】
この際、制御部40は、培養容器3の蓋3bが被さり閉状態となったことをプログラミングにより検出している。また、同様に制御部40は、チップ供給装置15の容器15a及び試薬等供給装置16の試薬等容器16bが初期位置に位置していることをプログラミングにより検出している。制御部40は、上述したように、容器の蓋が閉状態であることを検出(S4)すると、扉制御回路41にその旨を知らせる。
これを受けて、扉制御回路41は、扉ロック機構52を作動させてアクセス扉30のロックを解除する(S5)。即ち、容器の蓋が閉状態であることが検出された後、アクセス扉30を開可能とすることができる。従って、この時点でオペレータがアクセス扉30を開けたとしても、培養容器3等の容器の蓋は全て閉じているので、外部から流入した外部雰囲気による塵埃等が細胞等の被収容物に混入することはない。
【0051】
トレイ7上の全ての培養容器3に対して所定の処理を行われた後に、コンベア9を作動させることにより、トレイ7に載せられた培養容器3が第2空間S2から第1空間S1の中央空間S12内に挿入される。この状態で、搬送ロボット5を作動させることにより、ハンド5cによってトレイ7を持ち上げる。そして、トレイ7を収容する培養室4の前まで搬送したところで、当該培養室4の扉4aを開き、搬送ロボット5によって、空いているトレイ保持部材4c上にトレイ7を挿入する。そして、再度、扉4aを閉じることにより、培養室4内の培養条件を一定に保持して細胞の培養が行われることになる。なお、骨髄細胞投入や、MEM、血清、各種試薬の投入や吸引の順序は適宜変更してもよいのは言うまでもない。
【0052】
また、培地交換や容器交換の際にも、上記と同様にして、培養室4外に配置されている搬送ロボット5の作動により、培養室4内の培養容器3がトレイ7ごと取り出され、第1空間S1から第2空間S2へ受け渡される。第2空間S2では、培養容器3内にトリプシンが注入されて、培養容器3内の細胞が剥離させられた状態で、ハンドリングロボット10の作動によって遠心分離機11内に投入され、間葉系幹細胞等の必要なもののみが抽出される。その他の処理工程は上記と同様である。
そして、複数回の培地交換や容器交換を介した所定期間に渡る培養工程を行うことにより、間葉系幹細胞が十分な細胞数まで増殖させられることになる。十分な細胞数に達したか否かは、ハンドリングロボット10の作動により、間葉系幹細胞が底面に付着した培養容器3を顕微鏡17まで搬送することにより、測定され、判断される。なお、トレイ7上には、同一検体の培養容器3が載置されていてもよいし、異なる検体の培養容器3が混在していてもよい。また、シェーカ21上には同一検体の培養容器3が載置されてもよいし、異なる検体の培養容器3が混在していてもよい。
【0053】
このようにして、患者から採取した骨髄液から十分な細胞数の間葉系幹細胞を自動的に培養することが可能となる。なお、十分な間葉系幹細胞が得られた後には、培養容器3内にリン酸カルシウムのような生体組織補填材及びデキサメタゾンのような分化誘導因子を投入して、再度培養工程を継続することにより、生体の欠損部に補填可能な細胞付きの生体組織補填体を製造することにしてもよい。
【0054】
上述したように、この自動培養装置1及び培養処理装置Aによれば、制御部40が、アクセス扉30が閉状態であることを検出しないと、容器の1つである培養容器3の蓋3bを開状態にすると共に、内部に収容されている細胞等に対して所定処理を開始しない。即ち、制御部40は、アクセス扉30が確実に閉まり、清浄度を有する第2空間S2内と外部とが遮断された状態となるまで、培養容器3を開状態としないので、細胞等への外部雰囲気の流入による塵埃等の混入を防止することができる。
また、アクセス扉30が閉まった後に、上述した培養容器3と同様に、容器の1つであるチップ供給装置15の容器15aや試薬等供給装置16の試薬等容器16bを初期位置から移動させるので、試薬、血清、チップ等に塵埃等の混入や付着を防止することができる。
【0055】
更に、制御部40は、培養容器3等の容器の蓋が閉状態であることを検出しないと、アクセス扉30のロックを解除して開可能に制御しない。つまり、容器内の被収容物、例えば、細胞等が露出している状態で、アクセス扉30を開けることはできない。従って、外部雰囲気の流入によって容器内の被収容物に塵埃等が混入することを防止することができる。
更には、扉制御回路41が、アクセス扉30が閉状態となったときに、扉ロック機構52を作動させてアクセス扉30をロックするので、容器内の被収容物への塵埃等の混入をより確実に防止することができる。
特に、扉開閉センサ51によりアクセス扉30の開閉状態を高精度に検出でき、開閉の信頼性を向上することができる。
また、外部雰囲気に培養容器3をさらすことなく、培養処理装置Aから培養室4へ移動することができる。
【0056】
次に、本発明に係る自動培養装置の第2実施形態を図6及び図7を参照して説明する。
なお、この第2実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、制御部40が、アクセス扉30が閉状態であることが検出されていることを条件として、容器の蓋を開可能に制御していたのに対し、第2実施形態の制御部60は、容器の蓋が開状態であることが検出されている場合において、アクセス扉30が開状態であることが検出されたときに、容器の蓋を閉状態に制御するよう設定されている点である。
【0057】
即ち、本実施形態の自動培養装置70は、図6に示すように上記制御部60を有する培養処理装置71を備えている。また、制御部60は、アクセス扉30及び容器の蓋が共に開状態であることが検出されたときに、その旨を報知するブザー61(報知手段)を有している。なお、本実施形態の自動培養装置70は、扉ロック機構52及び該扉ロック機構52を作動させる扉制御回路41を備えていない構成とされている。
【0058】
このように構成された自動培養装置70により細胞を培養する場合について図7を参照して説明する。
制御部60が、アクセス扉30の閉状態が検出されたことを受けて、培養容器3等の容器の蓋を開可能に制御すると共に、各容器内の被収容物に対して所定の処理作業を開始(S3)した後、例えば、オペレータが不意にアクセス扉30を開けてしまった場合には、扉開閉センサ51がアクセス扉30が開いたことを検出して制御部60に知らせる(S10)。これを受けて制御部60は、各容器の蓋を閉状態にするよう制御する(S11)。即ち、培養容器3の蓋3bを被せたり、チップ供給装置15の容器15a及び試薬等供給装置16の試薬等容器16aを初期位置に戻す。この際、各容器の被収容物に対して作業が行なわれている場合には、所定工程終了後(例えば、培養容器3がシェーカ21上に載って移動している場合には、シェーカ21を元の位置に戻す等の工程)、容器を閉状態とする。
【0059】
また、制御部60は、アクセス扉30の開状態が検出されてから各容器の蓋が閉状態となるまで、ブザー61を作動させる(S12)。これにより、オペレータは、容器の蓋が開いていることを容易且つ直ちに認識でき、アクセス扉30を閉める等の適切な処置を効率良く行なうことができる。
【0060】
この自動培養装置70によれば、容器の蓋が開いて、該容器の内部に収容されている被収容物が露出している状態の時に、アクセス扉30を開けたとしても、制御部60が、アクセス扉30の開状態を検出して容器の蓋を閉めるので、処理室内に流入した外部雰囲気中に被収容物が露出した状態で放置されることはない。従って、細胞等の被収容物への塵埃等の混入を防止することができる。
また、オペレータは、アクセス扉30及び容器の蓋が共に開状態となったことをブザー61により容易、確実で直ちに認識できるので、アクセス扉30を閉める等して適切な処置を行なえる。従って、被収容物への塵埃等の混入をより確実に防止することができる。
【0061】
なお、本実施形態において、制御部60は、アクセス扉30が開状態であると検出したときに、容器の蓋を閉状態にするよう制御したが、これに加えアクセス扉30も閉状態となるように制御しても構わない。この場合には、電動モータ等によりアクセス扉30を閉めるようにすれば良い。こうすることで、第2空間S2内に流入する外部雰囲気を最小限に抑えることができるので、被収容物への塵埃等の混入をより防止することができる。また、制御部60は、アクセス扉30が開状態であると検出したときに、単に電動モータ等によりアクセス扉30を閉めるようにしても良い。
【0062】
次に、本発明に係る自動培養装置の第3実施形態を図8及び図9を参照して説明する。
なお、この第3実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、制御部40が、培養容器3等の容器の蓋が閉状態であることが検出されていることを条件として、アクセス扉30を開可能に制御すると共に所定処理を開始していたのに対し、第3実施形態の制御部80は、アクセス扉30が開状態であることが検出されている場合において、容器の蓋が開状態であることが検出されたときに、アクセス扉30を閉状態に制御するよう設定されている点である。
【0063】
即ち、本実施形態の自動培養装置90は、図8に示すように上記制御部80を有する培養処理装置91を備えている。また、第2空間S2内には、制御部80からの信号を受けてアクセス扉30を閉める電動モータ92が設けられている。また、制御部80は、アクセス扉30及び容器の蓋が共に開状態であることが検出されたときに、その旨を報知するブザー81(報知手段)を有している。なお、本実施形態の自動培養装置90は、扉ロック機構52及び該扉ロック機構52を作動させる扉制御回路41を備えていない構成とされている。
【0064】
このように構成された自動培養装置90により細胞を培養する場合について図9を参照して説明する。
オペレータが、アクセス扉30を開けて、患者から採取された骨髄液を遠心分離容器に入れた状態で遠心分離機11に投入し、アクセス扉30を閉める前に、培養容器3等の容器の蓋を開けて(S20)しまった場合には、制御部80は、扉開閉センサ51からアクセス扉30が閉状態である旨の信号を受けていないので、アクセス扉30及び容器の蓋が共に開状態であると検出する(S21)。これを受けて、制御部80は、電動モータ92を制御してアクセス扉30を閉める(S22)。これにより、扉開閉センサ51がアクセス扉30が閉状態であることを検出する。
また、制御部60は、容器の蓋の開状態が検出されたときから、アクセス扉が閉状態となるまで、ブザー81を作動させる(S23)。これにより、オペレータは、容器の蓋が開いていることを容易且つ直ちに認識することができる。
【0065】
この自動培養装置90によれば、第2空間内の保守点検、培養準備等を行なうためにアクセス扉30を開けている状態の時に、培養容器3等の容器の蓋を開けたとしても、制御部80が、容器の蓋が開状態であることを検出してアクセス扉30を閉めるので、処理室内に流入する外部雰囲気を最小限に抑えることができ、細胞等の被収容物への塵埃等の混入を防止することができる。
また、オペレータは、アクセス扉30及び容器の蓋が共に開状態となったことをブザー61により容易、確実で直ちに認識できるので、被収容物への塵埃等の混入を防止するための適切な処置を効率良く行なえる。
【0066】
なお、本実施形態において、制御部80は、容器の蓋が開状態であると検出したときに、アクセス扉30を閉状態にするよう制御したが、これに加え容器の蓋も閉状態となるように制御しても構わない。こうすることで、第2空間S2内に流入した外部雰囲中に被収容物を露出した状態で放置しないので、被収容物への塵埃等の混入をより確実に防止することができる。また、制御部80は、容器の蓋が開状態であると検出したときに、単に容器の蓋を閉状態としても良い。
【0067】
次に、本発明に係る自動培養装置の第4実施形態を図10及び図11を参照して説明する。
なお、この第4実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第4実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、扉制御回路41が、単に扉ロック機構52にアクセス扉30をロックするよう信号を送っていたのに対し、第4実施形態の培養処理装置100では、扉ロックセンサ(扉ロック検手段)101によりアクセス扉30のロック状態を確認する点である。
【0068】
即ち、本実施形態の自動培養装置110は、図10に示すように、上記培養処理装置100を備えており、該培養処理装置100は、アクセス扉30のロック孔に、ロック機構52のロック状態を検出する上記扉ロックセンサ101を有している。この扉ロックセンサ101は、ロック機構52のプランジャーがロック孔に突出したことを検出して、検出結果を制御部40に送る機能を有している。
【0069】
このように構成された自動培養装置100により細胞を培養する場合について図11を参照して説明する。オペレータがアクセス扉30を閉めた後、扉制御回路41が扉ロック機構52を作動させ、アクセス扉30をロックする(S2)。この際、扉ロックセンサ101が、アクセス扉30のロック状態を検出し(S30)、ロックが確実にされた場合には、その旨を制御部40に送る。逆に、何らかの不具合により扉ロック機構52のプランジャーが不作動の場合には、扉ロックセンサ101がアクセス扉30のロックを検出しないので、制御部40が所定処理を始めない。これにより、例えば、アクセス扉30のロックが確実にされない限り、容器の蓋を開状態にすると共に所定処理を始めないので、信頼性を向上することができる。
【0070】
次に、本発明に係る自動培養装置の第5実施形態を図12及び図13を参照して説明する。
なお、この第5実施形態においては、第1実施形態における構成要素と同一の部分については、同一の符号を付しその説明を省略する。
第5実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、容器の1つである培養容器3の蓋3bの開閉状態を制御部40がプログラミングにより検出していたのに対し、第5実施形態の培養処理装置120では、蓋開閉センサ10fにより培養容器10fの蓋3bの開閉状態を検出する点である。
【0071】
即ち、本実施形態の自動培養装置130は、図12に示すように、上記培養処理装置120を備えており、該培養処理装置120は、ハンドリングロボット10の水平アーム10b内に、把持ハンド10aをモニタして培養容器3の蓋3bの開閉を検出する上記蓋開閉センサ10fを有している。この蓋開閉センサ10fは、蓋3bの開閉結果を制御部40に送る機能を有している。
【0072】
このように構成された自動培養装置130により細胞を培養する場合について図13を参照して説明する。被収容物である細胞等の所定処理が終了した後、制御部40が、容器の蓋が閉状態であることを確認する(S4)。この際、蓋開閉センサ10fが、培養容器3の蓋3bが閉まったこと検出し(S40)、閉状態を検出した場合には、その旨を制御部40に送る。これにより、培養容器3の蓋3bの検出がより高精度に行なえ、確実に蓋3bが閉まった状態でアクセス扉30のロックを解除することができ、信頼性を向上することができる。
なお、本実施形態では、ハンドリングロボット10内に蓋開閉センサ10fを設けたが、これに限られずハンドリングロボット10とは別に、蓋の開閉のみを行うロボット等を設け、該ロボットに蓋開閉センサ10fを設けても構わない。また、容器の1つである培養容器3の蓋3bの開閉状態を検出する蓋開閉センサ10fを採用したが、例えば、チップ供給装置15の容器15aや試薬等供給装置16の試薬等容器16bの位置を検出するためのセンサを設けても構わない。この場合には、全ての容器の蓋の開閉状態を高精度に検出することができる。
【0073】
なお、本発明の技術範囲は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、アクセス扉の開閉を扉開閉センサにより検出したが、制御部によるプログラミングにより開閉を判断しても構わない。
また、扉ロック手段として、電磁ソレノイドを利用した扉ロック機構を採用したが、これに限られず、扉制御手段により制御してアクセス扉をロックするものであれば良い。
例えば、図14に示す自動培養装置140は、第2空間S2内にアクセス扉30を自動的に開閉可能な電動モータ(扉開閉手段)141を有する培養処理装置150を備えている。また、この電動モータ141は、容器の蓋の開閉状態に基づいて作動するよう設定されている。
この自動培養装置140においては、例えば、容器の蓋が開状態とされ、細胞等の被収容物に対して所定処理が行なわれている場合には、アクセス扉30を自動的に閉状態に維持している。また、所定処理が終了して容器の蓋が閉状態となった場合には、例えば、第2空間S2の外周面に取り付けられている図示しないスイッチを押すとアクセス扉30を開状態にする。従って、確実に被収容物への塵埃等の混入を防止することができる。
【0074】
更に、上記実施形態では、アクセス扉を一つ設置した構成としたが、2つ以上設けても構わない。
即ち、図15に示す自動培養装置160は、第2空間S2内に外部からアクセスするための第1アクセス扉161及び第2アクセス扉162を有する培養処理装置170を備えている。この自動培養装置160は、アクセス扉161、162の数が増えているので、オペレータが保守点検や第2空間S2内部に配設されている構成部に対して試薬等の補給を用意に行える。
この自動培養装置160においては、両アクセス扉161、162が開状態とされロックされない限り、培養容器3等の容器が開状態となって所定処理が開始されない。また、処理室S2内の全て容器が閉状態にならない限りアクセス扉161、162のロックが解除されない。即ち、アクセス扉161、162の設置数を増加した構成だとしても、外部雰囲気の流入によって培養容器3等の細胞に塵埃等が混入するのを防止することができる。
【0075】
また、培養室は、CO2インキュベータ、マルチガスインキュベータ、インキュベータ、保冷庫等のように、培養に利用されるものあるいはその組合せで構成されていてもよい。
更に、本実施形態に係る自動培養装置は、搬送ロボットの設置されている中央空間の上部に、空気清浄部を備えているので、搬送ロボットの存在する中央空間内も常に清浄度が維持されている。従って、培養室の扉が開かれときにも、培養室内に塵埃が流入することを最小限に抑えることが可能となる。
従って、本実施形態に係る自動培養装置によれば、培養中の細胞が塵埃等によって汚染される可能性を低減することができる。
【0076】
加えて、培養室の形状や数、搬送ロボット、ハンドリングロボット及び分注ロボットの形態や数、各種装置の形態や数等は、何ら限定されることなく、適用条件に合わせて任意に設定することができる。
また、成長因子としては、サイトカインの他に、例えば、濃縮血小板、BMP、FGF、TGF−β、IGF、PDGF、VEGF、HGFやこれらを複合させたもの等の成長に寄与する物質を採用することにしてもよい。また、抗生剤としては、ペニシリン系抗生物質の他、セフェム系、マクロライド系、テトラサイクリン系、ホスホマイシン系、アミノグリコシド系、ニューキノロン系等任意の抗生物質を採用することができる。
【0077】
また、細胞を生体組織補填材に付着させて培養しても良い。生体組織補填材としては、リン酸カルシウムに代えて、生体組織に親和性のある材料であれば任意のものでよく、生体吸収性の材料であればさらに好ましい。特に、生体適合性を有する多孔性のセラミックスや、コラーゲン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒアルロン酸、またはこれらの組合せを用いてもよい。また、チタンの様な金属であってもよい。また、生体組織補填材は、顆粒状でもブロック状でもよい。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係る培養処理装置及び自動培養装置によれば、制御部が、容器の蓋が閉状態であることを検出しないとアクセス扉を開状態に制御しないので、容器内の細胞等の被収容物が露出している状態で、アクセス扉を開けることはできない。従って、外部雰囲気の流入による細胞等の被収容物への塵埃等の混入を防止することができる。更に、容器の1つである培養容器を外部雰囲気にさらすことなく、処理室から培養室に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に第1実施形態に係る培養処理装置及び自動培養装置を示す斜視図である。
【図2】 図1の自動培養装置の第1空間を概略的に示す縦断面図である。
【図3】 図1の自動培養装置の第1空間を概略的に示す平面図である。
【図4】 図1の自動培養装置において用いられる培養容器の一例を示す斜視図である。
【図5】 図1の自動培養装置を用いて培養容器内の細胞を培養する際の、アクセス扉の制御状態を示す処理フローである。
【図6】 本発明の第2実施形態に係る培養処理装置及び自動培養装置を示す斜視図である。
【図7】 図6の自動培養装置を用いて培養容器内の細胞を培養する際の、アクセス扉の制御状態を示す処理フローの一部である。
【図8】 本発明の第3実施形態に係る培養処理装置及び自動培養装置を示す斜視図である。
【図9】 図8の自動培養装置を用いて培養容器内の細胞を培養する際の、アクセス扉の制御状態を示す処理フローの一部である。
【図10】 本発明の第4実施形態に係る培養処理装置及び自動培養装置を示す斜視図である。
【図11】 図10の自動培養装置を用いて培養容器内の細胞を培養する際の、アクセス扉の制御状態を示す処理フローの一部である。
【図12】 本発明の第5実施形態に係る培養処理装置及び自動培養装置を示す斜視図である。
【図13】 図12の自動培養装置を用いて培養容器内の細胞を培養する際の、アクセス扉の制御状態を示す処理フローの一部である。
【図14】 図1の培養処理装置及び自動培養装置の他の例を示す斜視図である。
【図15】 図1の培養処理装置及び自動培養装置の更に他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
A、71、91、100、120、150、170 培養処理装置
S2 第2空間(処理室)
1、70、90、130、140、160 自動培養装置
3 培養容器(容器)
3b 蓋
4 培養室
10f 蓋開閉センサ)
15a 容器
16b 試薬等容器(容器)
30、161、162 アクセス扉
41 扉制御回路(扉制御手段)
40、60、80 制御部
51 扉開閉センサ
52 扉ロック機構(扉ロック手段)
61、81 ブザー(報知手段)
101 扉ロックセンサ(扉ロック検出手段)
141 電動モータ(扉開閉手段)
Claims (15)
- 細胞を収容した培養容器内に収容された被収容物に対して所定の処理を施すための清浄度を有する処理室と、該処理室内に外部からアクセスするためのアクセス扉と、該処理室内での前記処理を制御する制御部とを備え、
該制御部は、前記培養容器の蓋が閉状態であることが検出されていることを条件として、前記アクセス扉を開可能に制御することを特徴とする培養処理装置。 - 細胞を収容した培養容器内に収容された被収容物に対して所定の処理を施すための清浄度を有する処理室と、該処理室内に外部からアクセスするためのアクセス扉と、該処理室内での前記処理を制御する制御部とを備え、
該制御部は、前記アクセス扉が閉状態であることが検出されていることを条件として、前記培養容器の蓋を開可能に制御することを特徴とする培養処理装置。 - 細胞を収容した培養容器内に収容された被収容物に対して所定の処理を施すための清浄度を有する処理室と、該処理室内に外部からアクセスするためのアクセス扉と、該処理室内での前記処理を制御する制御部とを備え、
該制御部は、前記培養容器の蓋が開状態であることが検出されている場合において、前記アクセス扉が開状態であることが検出されたときに、前記培養容器の蓋を閉状態に制御することを特徴とする培養処理装置。 - 細胞を収容した培養容器内に収容された被収容物に対して所定の処理を施すための清浄度を有する処理室と、該処理室内に外部からアクセスするためのアクセス扉と、該処理室内での前記処理を制御する制御部とを備え、
該制御部は、前記培養容器の蓋が開状態であることが検出されている場合において、前記アクセス扉が開状態であることが検出されたときに、前記アクセス扉を閉状態に制御することを特徴とする培養処理装置。 - 細胞を収容した培養容器内に収容された被収容物に対して所定の処理を施すための清浄度を有する処理室と、該処理室内に外部からアクセスするためのアクセス扉と、該処理室内での前記処理を制御する制御部とを備え、
該制御部は、前記アクセス扉が開状態であることが検出されている場合において、前記培養容器の蓋が開状態であることが検出されたときに、前記アクセス扉を閉状態に制御することを特徴とする培養処理装置。 - 細胞を収容した培養容器内に収容された被収容物に対して所定の処理を施すための清浄度を有する処理室と、該処理室内に外部からアクセスするためのアクセス扉と、該処理室内での前記処理を制御する制御部とを備え、
該制御部は、前記アクセス扉が開状態であることが検出されている場合において、前記培養容器の蓋が開状態であることが検出されたときに、前記培養容器の蓋を閉状態に制御することを特徴とする培養処理装置。 - 請求項3から6のいずれか1項に記載の培養処理装置において、
前記アクセス扉及び前記培養容器の蓋が共に開状態であることが検出されたときに、その旨を報知する報知手段を備えていることを特徴とする培養処理装置。 - 細胞を収容した培養容器内に収容された被収容物に対して所定の処理を施すための清浄度を有する処理室と、該処理室内に外部からアクセスするためのアクセス扉と、該処理室内での前記処理を制御する制御部とを備え、
該制御部が、前記アクセス扉が閉状態であることが検出されていることを条件として、前記培養容器の蓋を開状態にして前記処理を行うことを特徴とする培養処理装置。 - 請求項1から8のいずれか1項に記載の培養処理装置において、
前記処理室に、前記アクセス扉を閉状態にロックする扉ロック手段が設けられ、
前記制御部は、前記アクセス扉が閉状態であることが検出されたときに前記扉ロック手段を作動させる扉制御手段を備えていることを特徴とする培養処理装置。 - 請求項9に記載の培養処理装置において、
前記扉ロック手段のロック状態を検出する扉ロック検出手段を備えていることを特徴とする培養処理装置。 - 請求項1から10のいずれか1項に記載の培養処理装置において、
前記培養容器の蓋の開閉を検出する蓋開閉センサを備えていることを特徴とする培養処理装置。 - 請求項1から11のいずれか1項に記載の培養処理装置において、
前記アクセス扉の開閉状態を検出する扉開閉センサを備えていることを特徴とする培養処理装置。 - 請求項1から12のいずれか1項に記載の培養処理装置において、
前記処理室に、前記アクセス扉を自動開閉可能な扉開閉手段が設けられ、
前記制御部は、前記扉開閉手段を前記培養容器の蓋の開閉状態に基づいて作動させることを特徴とする培養処理装置。 - 請求項1から13のいずれか1項に記載の培養処理装置において、
前記アクセス扉が、2つ以上設けられていることを特徴とする培養処理装置。 - 請求項1から14のいずれか1項に記載の培養処理装置と、
前記培養容器を出し入れ可能に収容し所定の培養条件を維持しつつ細胞を培養する培養室と、を備えていることを特徴とする自動培養装置。
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