JP4352422B2 - 石英ガラス中に含まれる微量oh基濃度の測定方法 - Google Patents

石英ガラス中に含まれる微量oh基濃度の測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光ファイバ用プリフォーム、分光用セル、ランプなどに用いられる石英ガラス中に存在する微量OH基濃度を測定する方法、特に1ppm未満までの濃度を精度よく測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
石英ガラス中のOH基の存在は、例えば光ファイバにおいて光の伝送損失を大きくすることから、その含有量に重大な関心が寄せられている。従来の石英ガラス中のOH基濃度の測定には、赤外分光光度計が用いられ、近赤外領域に現れるOH基の吸収ピーク高さを測定し、数式2
【0003】
【数2】
sample=ΔA/Lε×(MH+MO)/ρ×103
(但し、式中、Csampleは測定用試験片中のOH基濃度(wt・ppm)、ΔAはピーク高さ(ABS.)、Lは光路長(cm)、εは吸光係数(l・ mol-1・cm-1)、MHは水素の原子量、MOは酸素の原子量、ρは石英ガラスの密度(g・cm-3)である。)
より求めていた。
【0004】
しかしながら、この測定方法ではOH基濃度が小さくなると、吸収ピークも小さくなり、正確な濃度の測定が困難であった。そのため、最も感度のよい2720nmの吸収ピークを使用しても、光路長1cmにおける濃度検出限界は1ppmであるといわれている。そこで、光路長の大きさに比例して吸収ピークの高さが大きくなることから、光路長を大きくすることが考えられたが、光路長が大きくなると石英ガラスの基礎吸収も大きくなり、長波長側で吸光度が大きくなり、その結果ベースラインが右上がりとなり精度のよい測定ができなかった。1380nmのOH基吸収ピークを選択するとこの基礎吸収の妨害を避けることができるが、感度が1/160程度となるために、通常の試験片では精度のよい測定ができなかった。以上の理由により、石英ガラス中の微量OH基濃度は、石英ガラスを光ファイバ化し、その優れた光の伝送特性と光路長の長さを生かして、感度の劣る1380nmのOH基吸収ピークを選択して測定していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上の従来の方法では、光ファイバ化して初めて測定が可能になるため、光ファイバに線引きする以前に母材に含まれる微量OH基濃度を知ることはできなかった。また、分光用セル、ランプ用石英ガラス管など、光ファイバ以外の用途の石英ガラス中の微量OH基濃度を測定することも不可能であった。
【0006】
こうした現状に鑑み、本発明は、あらゆる石英ガラス体中の微量OH基濃度を、簡易に、精度よく測定する方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、石英ガラス体中の1ppm未満のOH基濃度を、精度よく測定する方法を提供することを目的とする。
【0008】
上記目的を達成する本発明は、赤外線分光光度法による石英ガラスのOH基濃度測定において、測定用石英ガラス体とOH基含有量が既知であるブランク用石英ガラス体から、向かい合った2平面を有する試験片を作製し(それぞれを測定用試験片およびブランク用試験片とよぶ)、前記2つの試験片の仮想温度の差を200℃以内としたのち、赤外線分光光度計に設置し、前記向かい合った2平面の一方の面に垂直に略2500nm〜略2950nm域の赤外線を順次入射すると同時に他方の面から出射光を検出し、各々の試験片の出射光スペクトルの差スペクトルを求め、2720nmのOH基吸収ピークを選択し、そのピーク高さから数式3
【0009】
【数3】
sample=Cblank+ΔA/Lε×(MH+MO)/ρ×103
(但し、式中、Csampleは測定用試験片中のOH基濃度(wt・ppm)、 Cblankはブランク用試験片中のOH基濃度(wt・ppm)、ΔAはピーク高さ(ABS.)、Lは光路長(cm)、εは吸光係数(l・mol-1・cm-1)、MHは水素の原子量、MOは酸素の原子量、ρは石英ガラスの密度(g・cm-3)である。)
を用いて算出する石英ガラス中の微量OH基濃度の測定方法である。
【0010】
本発明の測定方法では差スペクトルを求めて微量OH基濃度を算出することで、基礎吸収により傾いたベースラインを水平に戻すことができる。さらに、ブランク用試験片と測定用試験片との仮想温度の差を200℃以内とすることで、ベースラインに生じるずれを抑制し、感度のよい2720nmのOH基吸収ピークを選択することによって、1ppm未満の微量OH基濃度を測定することが可能となる。また、光ファイバ化する必要がないため、あらゆる石英ガラス体の微量OH基濃度を測定することができる。
【0011】
この方法では、OH基含有量が既知であるブランク用石英ガラス体が必要であるが、測定用試験片に含まれるOH基濃度を精度よく測定するためには、ブランク用石英ガラス体としてOH基を含まない、すなわちOH基含有量が“0 ”である石英ガラス体を使用することが好ましい。上記OH基を含まない石英ガラス体とは、その一部をファイバ化して波長スペクトルを測定し、1380nmにOH吸収のないことが確認された石英ガラス体を意味する。これを用いることにより、精度良く微量OH基濃度を測定することができる。
【0012】
光が透過する向かい合った2平面を、鏡面研磨した、あるいは、中心線平均粗さRa値が10μm以下である磨り面または切断面に屈折率マッチングオイルまたは反射防止剤を塗布した平行平面とすることで、精度を向上することができる。反射防止剤とは、OH基を含まず、反射率を低減する効果のある有機物質を意味し、例えばMERCK社のParaffin liquid for spectroscopy Uvasolが挙げられる。また、面精度を高くするほど、低いOH基濃度域を測定することができる。
【0013】
ブランク用試験片および測定用試験片の光路長は2〜50cm、好ましくは2〜8cmの範囲がよい。前記範囲未満では必要な測定精度が得られにくく、50cmを超えると測定域が暗くなり、精度良く測定することが困難になってくる。実用的には赤外分光光度計の試料室に置くことのできる範囲内、すなわち2〜8cm程度がよい。
【0014】
ブランク用試験片と測定用試験片の光路長差が大きいとベースラインの傾きが大きくなり、測定精度が悪化するため、精度良く測定するためには光路長差を小さくすることが有効である。光路長差はできるだけ小さい方が好ましいが、ブランク用試験片の1%未満であれば実用上問題にならない。
【0015】
ブランク用試験片と測定用試験片の仮想温度差は、ベースラインの長波長側と短波長側にずれを生じさせる。また、このずれは光路長差や面状態の違いによるベースラインの傾きとは異なり、長波長側のベースラインが縦軸方向に平行に移動するので測定精度に大きく影響する。これは、ブランク用試験片と測定用試験片の基礎吸収量の違いによって起こるものであると考えられる。Anand Agarwal,Kenneth M.Davis, Minoru Tomozawa “A simple IR spectroscopic method for determining fictive temperature of silica glasses ”Journal of Non−Crystalline Solids 185(1995)191−198において、仮想温度の変化によって1122cm-1のピーク位置がシフトすることが報告がされている。本発明者等は、この報告による1122cm-1の3倍音である3366cm-1(2970nm)付近のピークシフトによって基礎吸収量が変化しているものと考えている。これによると、仮想温度が高くなるとピーク位置は低波数(長波長)側にシフトするため、仮想温度の低いブランク用試験片と、それより仮想温度の高い測定用試験片による測定結果において、長波長側のベースラインが低く、仮想温度が逆の場合には高くずれることになる。これについては、本発明による測定で確認されている。
【0016】
精度良く測定するためには仮想温度差を小さくすることが有効である。仮想温度差はできるだけ小さい方が好ましいが、80℃以内、好ましくは50℃以内であれば実用上問題にならない。
【0017】
仮想温度を合わせるには、測定用試験片とブランク用試験片の仮想温度を測定し、それぞれの試験片を同一条件で加熱処理するか、ブランク用試験片の仮想温度を加熱処理により測定用試験片に合わせるのがよい。特にブランク用試験片のみを加熱処理する方法は測定用試験片中のOH基濃度の変動を防げて好適である。
【0018】
上記仮想温度の測定方法はラマン分光光度計に基づいて測定する。その測定方法としては、まず比較試料として合成石英ガラスの小片を用意し、この小片を例えば1200℃で2時間加熱した後水中急冷した試料1、1000℃で20時間加熱した後水中急冷した試料2、900℃で120時間加熱した後水中急冷した試料3、及び800℃で1200時間加熱した後水中急冷した試料4を作製し、これらの各試料を各々ラマン分光光度計で150〜650cm-1の範囲を測定し、下記の3つのピークを求め、
150〜650cm-1(W1、ピーク面積AW1)
470〜520cm-1(D1、ピーク面積AD1)
580〜640cm-1(D2、ピーク面積AD2)
次に、これらの3つのピーク面積から、面積比Iを数式4
【0019】
【数4】
I={AD2÷(AW1−AD1−AD2)}
によって求め、このIと仮想温度との関係をグラフに示し、標準線(検量線)として仮想温度の分からない試料のIから仮想温度を測定する方法が挙げられる。
【0020】
本発明者等は本発明の測定方法を用いることで微量OH基濃度0.005ppmまでを検出しており、さらに高い性能を持つ測定器を使用することや、試料の調整を行うことで、より低い濃度 のOH基を検出できるものと考えている。
【0021】
本発明の測定方法を用いたOH基濃度の測定方法を図1〜4に示す。図1〜4において、1は光源、2は検出器、3は外部スリット、4aは測定用の試験片側の入射光、4bは参照側の入射光、5aは測定用の試験片側の透過光、5bは参照側の透過光、5cは測定用試験片を透過した光、5dはブランク用試験片を透過した光、6は空気、7は測定用試験片、8はブランク用試験片である。図1 において、赤外分光光度計の試料台に外部スリット3を取り付ける。この時、可視光(例えば波長500nmの可視光)を光源1から照射して、光が外部スリットの穴の中心を通るように位置を調整するとよい。取り付けた状態で波長2500〜2950nmの測定光を照射して0調整を行う。次に測定用試験片7を入射光と垂直になるよう、外部スリットの前面にセットし、波長2500〜2950nmの測定光を照射し、透過光のスペクトルを検出する(図2)。また、ブランク用試験片8も同様に入射光と垂直になるよう、外部スリットの前面にセットし、波長2500〜2950nmの測定光を照射し、透過光のスペクトルを検出する(図3)。得られた各透過光のスペクトルを吸光度に換算し、差スペクトルを求める。求めた差スペクトルから、波長2720nmのピーク高さを数式3に代入して、OH基濃度を算出する。吸光係数はいくつか報告されているが、例えばG.Hetherington and K.H.Jack “Water in vitreous silica Part I. Influence of‘water’content on the properties of vitreous silica”Phys.Chem.Glasses 3(1962)129にて報告されている、77.5(l・mol-1・cm-1)を用いることができる。差スペクトルを求める方法としては、前記のように空気を参照して0とし、測定用試験片およびブランク用試験片の透過率を測定して差スペクトルを求めるか、あるいは図4のように測定用試験片7を入射光と垂直になるよう、外部スリットの前面にセットする一方、参照側にブランク用試験片8を入射光と垂直になるように前記と同形の外部スリットの前面にセットし、波長2500〜2950nmの測定光を照射して、透過光の各々のスペクトルを検出し、その差スペクトルを求めてもよい。
【0022】
【実施例】
以下に本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】
実施例1
ブランク用試験片として、光ファイバ用母材の製法に利用されるVAD法でゲルマニウムを含まないスート体を作製し、脱水・焼結した石英ガラス体から試験片を切り出し、光が透過する2平面を酸化セリウムを用いて鏡面研磨し、光路長4cmを有する試験片(1cm角、長さ4cm)を作製した。一方、本石英ガラス体をコアとしその外側にフッ素を含むクラッド部を堆積させた後ファイバ化し波長スペクトルから1380nmにOH吸収のないことを確認した。
【0024】
測定用試験片として、前記と同様の製法で作製したスート体に対し、脱水時にハロゲン化合物の濃度を前記の約90%として処理した後焼結した石英ガラス体A、約60%として処理した後焼結した石英ガラス体B、および約50%として処理した後焼結した石英ガラス体Cから各々試験片を切り出した(これらを試験片A、BおよびCとよぶ)。
【0025】
上記ブランク用および測定用試験片の仮想温度を測定したところ、各々1400℃と1100℃であった。このため、仮想温度を合わせるためにブランク用試験片について1100℃で30時間加熱した後水中急冷した。この後測定した仮想温度は1100℃となり、測定用試験片と一致した。
【0026】
上記ブランクおよび3つの測定用試験片A、B、Cの石英ガラス体について、光が透過する2平面を酸化セリウムを用いて鏡面研磨し、光路長4cmを有する試験片(1cm角、長さ4cm)を作製した。
【0027】
上記光路長4cmである測定用試験片およびブランク用試験片を、空気を参照して紫外可視近赤外分光光度計(商品名λ−900、Perkin−Elmer社製)にセットし、図1〜3に示す手順で波長2500〜2950nmの測定光の透過率を検出した。前記各試験片の差スペクトルの吸光度曲線から求めた吸光度のピーク高さを数式3に代入するとともに、吸光係数を77.5(l・mol-1・cm-1)としてOH基濃度を求め、結果を表1に示した。また、試験片Aを用いた差スペクトルの吸光度曲線を図5に示した。図5において、ベースラインには基礎吸収による傾きは見られない。試験片A、BおよびCの測定結果は、各々0.025ppm、0.20ppmおよび0.5ppmであり、繰り返し測定による測定精度も良好であった。この測定結果を真の値として扱うことができる。
【0028】
実施例2
測定用試験片として、その光路長がブランク用試験片の光路長に対して10%長くなるように酸化セリウムを用いて鏡面研磨を行う以外、実施例1と同様に測定を行った。この差スペクトルの吸光度曲線より求めたOH基濃度を表1に示した。また、試験片Cを用いた差スペクトルの吸光度曲線を図6に示した。試験片A、BおよびCの測定結果は、各々“−”、0.18ppmおよび0.5ppmであった。試験片Aは測定できなかった。試験片Bにおいて、実施例1の結果(真の値)との間に少しずれが見られた。この測定条件においては、0.5ppmまでの微量OH基濃度を精度良く測定することができた。
【0029】
実施例3
測定用およびブランク用試験片の光が透過する2平面を#1200の研磨剤により研磨し、磨り面とした以外、実施例1と同様に測定を行った。この差スペクトルの吸光度曲線より求めたOH基濃度を表1に示した。また、試験片Cを用いた差スペクトルの吸光度曲線を図7に示した。試験片A、BおよびCの測定結果は、各々“−”、0.18ppmおよび0.5ppmであった。試験片Aは測定できなかった。試験片Bにおいて、実施例1の結果(真の値)との間に少しずれが見られた。この測定条件においては、0.5ppmまでの微量OH基濃度を精度良く測定することができた。
【0030】
実施例4
測定用およびブランク用試験片の光が透過する2平面を#1200の研磨剤により研磨し、磨り面として、これにMERCK社製のParaffinliquid for spectroscopy Uvasolを塗布した以外、実施例1と同様に測定を行った。この差スペクトルの吸光度曲線より求めたOH基濃度を表1に示した。また、試験片Aを用いた差スペクトルの吸光度曲線を図8に示した。試験片A、BおよびCの測定結果は、各々0.025ppm、0.20ppmおよび0.5ppmであった。この測定条件においては、0.025ppmまでの微量OH基濃度を精度良く測定することができた。
【0031】
比較例1
実施例1で用いた測定用試験片について、従来法と同様に空気を参照して測定を行い、吸光度曲線より吸光度のピーク高さを求めようとしたが、試験片AおよびBについては基礎吸収によるベースラインの傾きが大きく、ピークを確認することができなかった。試験片Cにおいては実施例1の結果(真の値)と比較してずれた測定結果が得られた。試験片Aの吸光度曲線を図9に示した。
【0032】
比較例2
実施例1で用いた測定用試験片について、仮想温度を合わせる以外、実施例1と同様の測定を行った。この差スペクトルの吸光度曲線より求めたOH基濃度を表1に示した。また、試験片A,BおよびCの測定結果は、各々“−”、0.20ppmおよび0.5ppmであり、実施例1の結果と比較して、試験片Aは測定できなかった。これは、図10からも分かるように仮想温度の違いにより、ベースラインにずれが生じピークを判別できなかったものである。
【0033】
前記実施例1〜4および比較例1〜2にて用いたすべての測定用およびブランク用試験片を、光路長が3.8cmとなるように酸化セリウムを用いて再度鏡面研摩し、実施例1と同様の測定を行った結果、すべての測定用試験片のOH基濃度が実施例1で得られた測定値と一致した。このことから、表1でみられる測定結果のずれは、試験片中のOH基濃度が異なることによるものでなく、測定法によるものであることが確認された。
【0034】
【表1】
Figure 0004352422
【0035】
本発明の分析方法によると、表1からわかるように、ベースラインに現れる基礎吸収を除去することができ石英ガラス中の微量OH基濃度をファイバ化することなく、精度よく測定することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明の測定方法では、あらゆる石英ガラスにおいて、その中に含まれる1 ppm未満の微量OH基濃度を、ファイバ化せずとも、精度よく測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】外部スリットを設けたときの調整方法の概略図である。
【図2】測定用の試験片の測定方法の概略図である。
【図3】ブランク用の試験片の測定方法の概略図である。
【図4】測定用の試験片とブランク用の試験片をセットした測定方法の概略図である。
【図5】測定用試験片およびブランク用試験片の仮想温度差および光路長差がなく、光が透過する2平面を鏡面研摩した各試験片において、測定用試験片にOH基0.025ppmを含有する場合の差スペクトルに基づく吸光度曲線である。
【図6】測定用試験片の光路長がブランク用試験片よりも、ブランク用試験片の光路長の10%長く、仮想温度差がなく、光が透過する2平面を鏡面研摩した各試験片において、測定用試験片にOH基0.5ppmを含有する場合の差スペクトルに基づく吸光度曲線である。
【図7】測定用試験片およびブランク用試験片の仮想温度差および光路長差がなく、光が透過する2平面を#1200の研摩剤で研摩し、摩り面とした各試験片において、測定用試験片にOH基0.5ppmを含有する場合の差スペクトルに基づく吸光度曲線である。
【図8】測定用試験片およびブランク用試験片の仮想温度差および光路長差がなく、光が透過する2平面を#1200の研摩剤で研摩した摩り面にMERCK社製のParaffin liquid for spectroscopy Uvasolを塗布した各試験片において、測定用試験片にOH基0.025ppmを含有する場合の差スペクトルに基づく吸光度曲線である。
【図9】従来の方法で測定した測定用試験片において、OH基0.025ppmを含有する場合の吸光度曲線である。
【図10】測定用試験片およびブランク用試験片の光路長差がなく、光が透過する2平面を鏡面研摩した各試験片において、仮想温度が測定用試験片の方が300℃低く、OH基0.025ppmを含有する場合の差スペクトルに基づく吸光度曲線である。
【符号の説明】
1 : 光源
2 : 検出器
3 : 外部スリット
4a : 測定用試験片側の入射光
4b : 参照側の入射光
5a : 測定用試験片側の透過光
5b : 参照側の透過光
5c : 測定用試験片を透過した光
5d : ブランク用試験片を透過した光
6 : 空気(試料なしまたはブランクなし)
7 : 測定用試験片
8 : ブランク用試験片

Claims (5)

  1. 赤外線分光光度法による石英ガラス中のOH基濃度測定において、測定用石英ガラス体とOH基含有量が既知であるブランク用石英ガラス体から、向かい合った2平面を有し光路長が2〜8cmの試験片を各々作製し、前記2つの試験片の仮想温度の差を80℃以内としたのち、赤外線分光光度計に設置し、前記向かい合った2平面の一方の面に垂直に略2500nm〜略2950nm域の赤外線を順次入射すると同時に他方の面から出射光を検出し、各々の試験片の出射光スペクトルの差スペクトルを求め、2720nmのOH基吸収ピークを選択し、そのピーク高さから数式1
    【数1】
    Csample=Cblank+ΔA/Lε×(MH+MO)/ρ×10
    (但し、式中、Csampleは測定用試験片中のOH基濃度(wt・ppm)、Cblankはブランク用試験片中のOH基濃度(wt・ppm)、ΔAはピーク高さ(ABS.)、Lは光路長(cm)、εは吸光係数(l・mol−1・cm−1)、MHは水素の原子量、MOは酸素の原子量、ρは石英ガラスの密度(g・cm−3)である。)
    を用いて算出することを特徴とする石英ガラス中の1ppm未満の微量OH基濃度の測定方法。
  2. ブランク用の石英ガラス体として、OH基を含まない石英ガラス体を用いることを特徴とする請求項1記載の石英ガラス中の1ppm未満の微量OH基濃度の測定方法。
  3. 測定用試験片およびブランク用試験片の光が透過する2平面が、鏡面研磨された、あるいは、中心線平均粗さRa値が10μm以下である磨り面または切断面に屈折率マッチングオイルまたは反射防止剤を塗布した平行平面であることを特徴とする請求項1または2記載の石英ガラス中の1ppm未満の微量OH基濃度の測定方法。
  4. 測定用およびブランク用試験片の光路長差がブランク用試験片の長さの1%の範囲内にあることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1記載の石英ガラス中の1ppm未満の微量OH基濃度の測定方法。
  5. 各試験片の仮想温度の差が50℃以内にあることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1記載の石英ガラス中の1ppm未満の微量OH基濃度の測定方法。
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