JP4350283B2 - 並列型コントローラシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、I/O入出力装置を用い、プラントを構成する各種設備機器及び装置に対するプロセス入出力を制御する複数のコントローラが並列運転する並列型コントローラシステムに関わる。
【0002】
【従来の技術】
従来、コントローラとI/O入出力装置との数の関係は1:1(または1:N)の関係であり、1つのI/O入出力装置に対してI/O入出力処理を行うコントローラは常に1台であった。
【0003】
ここで、I/O入出力装置とは複数の入力端(センサ等)・出力端(バルブ等)と伝送を介して入出力データを交換する装置である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
複数のコントローラから構成される並列型コントローラシステムでは、コントローラとI/O入出力装置との数の関係が1:Nであると最低でもコントローラの数だけのI/O入出力装置が必要となる。そのためコストが高くなるとともに実装効率が悪くなる。そこで、一つの並列型コントローラシステム内に含まれるI/O入出力装置の数を少なくするために、1つのI/O入出力装置に対して複数のコントローラがI/O入出力処理を行えるようにすることが求められる。
【0005】
本発明は、このような点に鑑み為されたもので、複数のコントローラから一つのI/O入出力装置に対してI/O入出力可能とすることにより、システムのコストを低減させるとともに実装効率を向上させ、さらに、システム構築の柔軟性の向上を図ることが可能な並列型コントローラシステムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、複数のコントローラと、入力端および出力端とデータを交換する少なくとも一つのI/O入出力装置をシステムバスに実装し、並列に運転する並列型コントローラシステムにおいて、
I/O入出力装置はコントローラからデータの書き込みおよび読み出しが可能な共有メモリを備え、コントローラが共有メモリヘデータを書き込むことでI/O出力値の更新が可能となり、またコントローラが共有メモリのデータを読み出すことでI/O入力値の取り込みが可能となる手段を有するとともに、複数のコントローラからシステムバス経由で同一のI/O入出力装置の共有メモリに対して直接データの書き込みおよび読み出しを行うことが可能となる手段を有することを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の本発明によれば、I/O入出力装置に共有メモリを備え、複数のコントローラから同一のI/O入出力装置の共有メモリに対する書き込みおよび読み出しが可能ととしたことにより、同一のI/O入出力装置に対して複数のコントローラがI/O入出力を行うことができる。これにより、並列型コントローラシステムのコスト低減・実装効率向上をはかることができる。さらに、システム構築の柔軟性が向上する。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の並列型コントローラシステムにおいて、複数のコントローラは、自他コントローラによるI/O入出力装置の使用状態を示すI/O入出力装置使用マップ並びにI/O入出力装置の管理状態を示すI/O入出力装置管理マップをそれぞれ有し、複数のコントローラが同一のI/O入出力装置に対して入出力処理を行う場合に、稼動状態になったコントローラのうち、I/O入出力装置使用マップ並びにI/O入出力装置管理マップを参照して決定される一つのコントローラが、I/O入出力装置の動作開始、停止および診断の管理を行う管理権を持ち、管理権を持つコントローラがI/O入出力装置の管理を行う手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の本発明によれば、複数のコントローラが同一のI/O入出力装置に対して入出力処理を行う(以降では、入出力処理を行うことを“使用する”と表現する)場合でも、いずれか1台のコントローラだけが例えば動作開始・停止・診断等の管理(以降では、I/O入出力装置を管理する権利を“管理権”、管理しているコントローラを“管理コントローラ” と表現する)を行うことで、システムとしての負荷を軽減させることができる。また、管理コントローラを1台に絞ることで、複数のコントローラから同時に行えない管理項目に関して排他をとることになる。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の並列型コントローラシステムにおいて、管理権を持つコントローラが管理を継続できない状態になった場合、他のコントローラが管理権を取得してI/O入出力装置に対する管理を引き継ぐ手段を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の本発明によれば、複数のコントローラがI/O入出力装置を使用している場合、それらのコントローラの運転状態に応じて管理権を移動させることで、常にいずれか1台のコントローラがI/O入出力装置の管理を行うことができる。これにより、I/O入出力装置を使用しているコントローラがある限り、I/O入出力処理を継続させることができる。この際にシステムとしての負荷が増大することがない。
【0012】
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の並列型コントローラシステムにおいて、管理権を持つコントローラは一定の周期でI/O入出力装置に対してアクセスを行うものとし、I/O入出力装置が、一定時間いずれのコントローラからもアクセスがないことを検出した場合に、前記I/O入出力装置自身が動作を停止する手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の本発明によれば、コントローラがI/O入出力装置を管理することができない状態になっても、I/O入出力装置自身が動作停止することで、入力端・出力端に対してコントローラが制御できない状態であることを通知することができる。これにより、入力端・出力端はそれぞれ安全方向に動作し、安全性を保証することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図において、同符号は同一部分または対応部分を示す。
【0015】
(第1の実施形態)
この第1の実施形態は、複数のコントローラと一つ以上のI/O入出力装置が同一ユニット内のシステムバスに実装された並列型コントローラシステムを対象とする。ここで、I/O入出力装置とは複数の入力端(センサ等)・出力端(バルブ等)と伝送を介して入出力データを交換する装置である。
【0016】
この第1の実施形態のシステム構成を図1に示す。同図に示すように、並列型コントローラシステム1において、システムバス2にコントローラ(1)11、コントローラ(2)13と、I/O入出力装置(A)15が実装されている。
【0017】
I/O入出力装置(A)15はコントローラ(1)11、コントローラ(2)13からデータの書き込みおよび読み出しが可能な共有メモリ16を備えている。共有メモリ16上のデータはI/O入出力値として実際の出力端(バルブ等)3や入力端(センサ等)4とデータ交換が行われる仕組みになっている。なお、図において、5はコントローラ(1)11、コントローラ(2)13から出力端(バルブ等)3への出力データの流れ、6は入力端(センサ等)4からコントローラ(1)11、コントローラ(2)13への入力データの流れである。
【0018】
コントローラ(1)11、コントローラ(2)13からそれぞれI/O入出力装置(A)15の共有メモリ16に対してデータを書き込むことでI/O出力値の更新をする。また、コントローラ(1)11、コントローラ(2)13からそれぞれI/O入出力装置(A)15の共有メモリ16のデータを読み出すことでI/O入力値を取り込む。このように、共有メモリ16は、同一ユニット内のすべてのコントローラからシステムバス2経由で書き込み・読み出しをすることができる。
【0019】
以上説明したように、この実施形態によれば、同一のI/O入出力装置に対して複数のコントローラがI/O入出力を行うことができる。これにより、並列型コントローラシステムのコスト低減・実装効率向上をはかることができる。さらに、システム構築の柔軟性が向上する。
【0020】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この実施形態は、前述の第1の実施形態に示した並列型コントローラシステムにおいて、I/O入出力装置が自律的に動作せずコントローラが動作開始・停止・診断等の管理をする必要のあるシステムを対象とする。
【0021】
ここで、コントローラも共有メモリを備えており、共有メモリ上に自コントローラの運転状態、I/O入出力装置の使用状態(後述)、I/O入出力装置の管理状態(後述)を書き込むことで、他のコントローラからこれらの情報が参照できる構成となっている。
【0022】
この第2の実施形態のシステム構成を図2に示す。同図に示すように、システムバス2にコントローラ(1)21、コントローラ(2)23と、I/O入出力装置(A)25が実装されている。
【0023】
コントローラ(1)21は、CPU26、ROM27、RAM28、及びシステムバス制御回路部2aを有し、これらは内部メインバス29により接続されている。システムバス制御回路部2aは、システムバス制御回路2b、及び共有メモリ2cを有する。コントローラ(1)23は、CPU2d、ROM2e、RAM2f、及びシステムバス制御回路部2hを有し、これらは内部メインバス2gにより接続されている。システムバス制御回路部2hは、システムバス制御回路2i、及び共有メモリ2jを有する。
【0024】
I/O入出力装置(A)25は、システムバス制御回路部2k、及び伝送制御回路2nを有する。(なお、I/O入出力装置(A)25はCPU、ROM、RAMを有してはいない。)システムバス制御回路部2kは、システムバス制御回路2L、及び共有メモリ2mを有する。共有メモリ2mは、伝送制御回路2nを介して、I/Oに接続されている。
【0025】
この実施形態においては、I/O入出力装置(A)25が自律的に動作しないため、コントローラ(1)21、コントローラ(2)23がI/O入出力装置(A)25の動作開始・停止・診断等の管理を行う。コントローラ(1)21、コントローラ(2)23はI/O入出力装置(A)25に対してシステムバス2経由で要求を与えることで管理を行う。この時、複数のコントローラ、すなわちコントローラ(1)21、コントローラ(2)23が同一のI/O入出力装置(A)25を使用していても、管理権はいずれか1台のコントローラが持ち、その管理コントローラがI/O入出力装置(A)25の動作開始・停止・診断等の管理を行う。
【0026】
ここで、管理コントローラを次のように決定する。
(1)複数のコントローラが同時に稼動状態になった場合には、ユニット内の優先度(例えばユニット内での物理的な位置)の順に管理権を取得する。
(2)複数のコントローラが時間差をもって稼動状態になった場合には、先に稼動状態になったコントローラが優先的に管理権を取得する。
【0027】
これを実現するため、コントローラによるI/O入出力装置の使用状態を示す「I/O入出力装置使用マップ(以降“I/O使用マップ”と表現する)」とコントローラによるI/O入出力装置の管理状態を示す「I/O入出力装置管理マップ(以降、“I/O管理マップ”と表現する)」を利用する。I/O使用マップは、どのコントローラがどのI/O入出力装置を使用するかを示す一覧表であり、すべてのコントローラが同一の内容を持つようにする。I/O管理マップは、どのコントローラがどのI/O入出力装置を管理しているかを示す一覧表であり、各コントローラがI/O使用マップおよび自コントローラ・他コントローラの運転状態を条件に作成する。作成した結果は共有メモリ上に書き込み、他のコントローラから参照できるようにする。コントローラの共有メモリ上には、そのコントローラの運転状態(停止状態か稼動常態か)とI/O管理マップが書き込まれていることになる。
【0028】
次の図3の構成を例にとって、管理権の取得の流れを説明する。図3の構成は、複数のコントローラが複数のI/O入出力装置に対して入出力を行うことができるようになっている。システムバス2に3台のコントローラ、すなわちコントローラ(1)31、コントローラ(2)32、コントローラ(3)33と、2台のI/O入出力装置、すなわちI/O入出力装置(B)34、I/O入出力装置(A)35が実装されている。I/O入出力装置(B)34、I/O入出力装置(A)35は、それぞれ共有メモリ37、共有メモリ36を有している。また、コントローラ(1)31、コントローラ(2)32、コントローラ(3)33も、図示されてはいないが、それぞれ共有メモリを有している。
【0029】
図3に示すように、スロット1のコントローラ(1)31、スロット2のコントローラ(2)32、およびスロット3のコントローラ(3)33がスロット4のI/O入出力装置(B)34を使用し、スロット2のコントローラ(2)32、およびスロット3の(3)33がスロット5のI/O入出力装置(A)35を使用している場合、I/O使用マップは図4のようになる。(以降の図ではI/O使用マップと1/6管理マップを重ね合わせた図で説明する。使用状態を○印、使用かつ管理状態を◎印で表す。)このI/O使用マップはエンジニアリングの時点で決定されるもので、すべてのコントローラ、すなわちコントローラ(1)31、コントローラ(2)32、コントローラ(3)33に共通の情報が送られている。
【0030】
管理権の取得は、コントローラが停止状態から稼動状態になるときに、I/O使用マップを基準にして行う。
【0031】
各コントローラはI/O使用マップから、自コントローラが使用するI/O入出力装置が他コントローラで使用されているかを検索する。他コントローラで使用している場合、そのコントローラの共有メモリにあるI/O管理マップの内容を参照し、そのコントローラに管理権を取得されていなければ自コントローラが管理権を取得する。すでに管理権を取得されている場合には、管理権を取得しない。ここで、この検索処理はユニット内の優先度に従い、スロット番号の若いコントローラから開始する。
【0032】
スロット1のコントローラ(1)31は、スロット4のI/O入出力装置(B)34を使用しているので、スロット4を使用している他のコントローラを検索する。スロット2のコントローラ(2)32、およびスロット3のコントローラ(3)33がスロット4のI/O入出力装置(B)34を使用していることがわかる。スロット2、スロット3のI/O管理マップを参照し、管理権を取得していない状態であることから、スロット1のコントローラ(1)31がスロット4のI/O入出力装置(B)34の管理権を取得する。取得した状態を図5に示す。
【0033】
スロット2のコントローラ(2)32は、スロット4のI/O入出力装置(B)34、およびスロット5のI/O入出力装置(A)35を使用しているので、スロット4、スロット5を使用している他のコントローラを検索する。スロット1のコントローラ(1)31、およびスロット3のコントローラ(3)33がスロット4のI/O入出力装置(B)34を使用していることがわかる。スロット1、スロット3のI/O管理マップを参照し、スロット1のコントローラ(1)31が管理権を取得している状態であることから、スロット4のI/O入出力装置(B)34の管理権を取得しない。また、スロット3のコントローラ(3)33がスロット4のI/O入出力装置(A)35を使用していることがわかるが、管理権を取得していないので、スロット5のI/O入出力装置(A)35の管理権を取得する。取得した状態を図6に示す。
【0034】
スロット3のコントローラ(3)33に関しても同様に検索を行うが、すでにスロット4のI/O入出力装置(B)34、およびスロット5のI/O入出力装置(A)35は管理権を取得されているので、管理権を取得しない。最終的な管理権取得の状態を図7に示す。
【0035】
なお、同じ構成でスロット1、スロット3、スロット2の順でコントローラが立ち上がった場合には、スロット1のコントローラ(1)31がスロット4のI/O入出力装置(B)34の管理権を、スロット3のコントローラ(3)33がスロット5のI/O入出力装置(A)35の管理権を順に取得するため、図8のようになる。
【0036】
以上説明したように、この実施形態によれば、複数のコントローラがI/O入出力装置を使用している場合でも、いずれか1台のコントローラだけが管理を行うことで、システムとしての負荷を軽減させることができる。(システムバス上のトラフィックを減少させることができる。)
また、管理コントローラを1台に絞ることで、複数のコントローラから同時に行えない管理項目(伝送停止を伴う初期化、メモリ書き込みを必要とする診断等)に関して排他をとることになる。
【0037】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。この実施形態は、前述の第2の実施形態と同一のシステムを対象とする。
【0038】
この実施形態においては、管理コントローラが稼動状態から停止状態になった場合に、管理していたI/O入出力装置に関して他にそのI/O入出力装置を使用し、かつ稼動状態のコントローラがあればI/O入出力装置の動作を停止させずに管理権を放棄する。他にそのI/O入出力装置を使用し、かつ稼動状態のコントローラがなければI/O入出力装置の動作を停止させて管理権を放棄する。
【0039】
各コントローラは、自コントローラが使用しているI/O入出力装置に関して、管理権の取得状態を監視し、管理権を取得していたコントローラが管理権を放棄した場合に、管理権を取得する。管理権の取得が可能なコントローラが複数ある場合には、優先度の順に従う。
【0040】
なお、管理コントローラに故障が発生し、管理権を放棄せずに管理不能の状態になった場合にも、他のコントローラは管理権を放棄したものとみなして、管理権を放棄した場合と同様に管理権の取得をする。
【0041】
図9の状態から、スロット2のコントローラ(2)32が停止状態になり、さらにスロット3のコントローラ(3)33が停止状態になった場合を例にとって説明する。
【0042】
スロット2のコントローラ(2)32が停止状態になることで、持っていたスロット4のI/O入出力装置(B)34、およびスロット5のI/O入出力装置(A)35の管理権を放棄する。スロット4のI/O入出力装置(B)34を使用しているスロット1のコントローラ(1)31、およびスロット3のコントローラ(3)33はスロット4のI/O入出力装置(B)34の管理権放棄を検出する。スロット4のI/O入出力装置(B)34を使用しているコントローラが複数あるので、優先度の高いスロット1のコントローラ(1)31が管理権を取得する。
【0043】
スロット5のI/O入出力装置(A)35を使用しているスロット3のコントローラ(3)33はスロット5のI/O入出力装置(A)35の管理権放棄を検出する。スロット5のI/O入出力装置(A)35を使用しているコントローラはスロット3のコントローラ(3)33だけであるので、スロット3のコントローラ(3)33が管理権を取得する。この時、スロット4のI/O入出力装置(B)34、スロット5のI/O入出力装置(A)35とも動作は停止しない。取得した状態を図10に示す。
【0044】
ここで、スロット3のコントローラ(3)33が停止状態になることで、持っていたスロット5のI/O入出力装置(A)35の管理権を放棄する。スロット5のI/O入出力装置(A)35を使用しているスロット2のコントローラ(2)32は既に停止状態であるため、管理権を取得できない。このためスロット3のコントローラはスロット5のI/O入出力装置(A)35の管理権を放棄すると同時に、動作も停止させる。図11の状態となる。この状態では、スロット4のI/O入出力装置(B)34は動作が継続しているが、スロット5のI/O入出力装置(A)35は動作が停止している。
【0045】
以上説明したように、この実施形態によれば、複数のコントローラがI/O入出力装置を使用している場合、それらのコントローラの運転状態に応じて管理権を移動させることで、常にいずれか1台のコントローラがI/O入出力装置の管理を行うことができる。これにより、I/O入出力装置を使用しているコントローラがある限り、I/O入出力処理を継続させることができる。この際にシステムとしての負荷が増大することがない。
【0046】
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。この実施形態は、前述の第2の実施形態のシステムにおいて、I/O入出力装置が他のコントローラからのアクセスの有無を監視する回路を有するシステムを対象とする。すなわち、図12に示すように、I/O入出力装置(A)25がアクセス監視回路41を有している。
【0047】
この実施形態においては、I/O入出力装置(A)25は、コントローラがシステムバス2経由でアクセスをしているかどうかを監視するアクセス監視回路41を持っており、一定時間アクセスがない場合に動作を停止させる機構を持つ。そのI/O入出力装置(A)25を管理しているコントローラ(1)21、およびコントローラ(2)23は一定の周期でそのI/O入出力装置(A)25に対してアクセスを行う。
【0048】
他のコントローラに対して管理権を引き継げない状態で、管理コントローラに故障が発生し、管理権を放棄せずに管理不能の状態になった場合に、I/O入出力装置(A)25でこの機構が働き、I/O入出力装置(A)25自身が動作を停止させる。
【0049】
以上説明したように、この実施形態によれば、コントローラがI/O入出力装置を管理することができない状態になっても、I/O入出力装置自身が動作停止することで、入力端・出力端に対してコントローラが制御できない状態であることを通知する。これにより、入力端・出力端はそれぞれ安全方向に動作し、安全性を保証する。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の並列型コントローラシステムによれば、複数のコントローラから同一のI/O入出力装置に対してI/Oデータの入出力処理を行うことができる。そして、複数のコントローラがI/O入出力装置を共有する機能を持つことで、並列型コントローラシステムのコストを低減させるとともに、実装効率を向上させることができる。また、I/O入出力処理が行えなくなった場合に安全方向に動作することで、安全性を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る並列型コントローラシステムの構成を示すブロック図。
【図2】 本発明の第2の実施形態に係る並列型コントローラシステムの構成を示すブロック図。
【図3】 本発明の第2の実施形態に係る並列型コントローラシステムの他の構成(複数のコントローラが複数のI/O入出力装置に対して入出力を行う場合の構成)を示すブロック図。
【図4】 本発明の第2の実施形態におけるI/O使用マップを示す図。
【図5】 本発明の第2の実施形態におけるI/O使用マップとI/O管理マップ(スロット1のコントローラがスロット4のI/O入出力装置の管理権を取得した状態)を示す図。
【図6】 本発明の第2の実施形態におけるI/O使用マップとI/O管理マップ(スロット2のコントローラがスロット5のI/O入出力装置の管理権を取得した状態)を示す図。
【図7】 本発明の第2の実施形態におけるI/O使用マップとI/O管理マップ(最終的な管理権取得の状態)を示す図。
【図8】 本発明の第2の実施形態におけるI/O使用マップとI/O管理マップ(スロット1、スロット3、スロット2の順でコントローラが立ち上がった場合の管理権取得の状態)を示す図。
【図9】 本発明の第3の実施形態におけるI/O使用マップとI/O管理マップ(スロット2のコントローラが稼動状態で管理権を取得している状態)を示す図。
【図10】本発明の第3の実施形態におけるI/O使用マップとI/O管理マップ(スロット2のコントローラが停止状態となり管理権を放棄した状態)を示す図。
【図11】本発明の第3の実施形態におけるI/O使用マップとI/O管理マップ(スロット3のコントローラが停止状態となり管理権を放棄した状態)を示す図。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る並列型コントローラシステムの構成を示すブロック図。
【符号の説明】
1…並列型コントローラシステム
2…システムバス
3…出力端(バルブ等)
4…入力端(センサ等)
5…出力データの流れ
6…入力データの流れ
11…コントローラ(1)
13…コントローラ(2)
15…I/O入出力装置(A)
16…共有メモリ
21…コントローラ(1)
23…コントローラ(2)
25…I/O入出力装置(A)
26…CPU
27…ROM
28…RAM
29…内部メインバス
2a…システムバス制御回路部
2b…システムバス制御回路
2c…共有メモリ
2d…CPU
2e…ROM
2f…RAM
2g…内部メインバス
2h…システムバス制御回路部
2i…システムバス制御回路
2j…共有メモリ
2k…システムバス制御回路部
2L…システムバス制御回路
2m…共有メモリ
2n…伝送制御回路
31…コントローラ(1)
32…コントローラ(2)
33…コントローラ(3)
34…I/O入出力装置(B)
35…I/O入出力装置(A)
36…共有メモリ
37…共有メモリ
41…アクセス監視回路
Claims (4)
- 複数のコントローラと、入力端および出力端とデータを交換する少なくとも一つのI/O入出力装置をシステムバスに実装し、並列に運転する並列型コントローラシステムにおいて、
I/O入出力装置はコントローラからデータの書き込みおよび読み出しが可能な共有メモリを備え、コントローラが前記共有メモリヘデータを書き込むことでI/O出力値の更新が可能となり、またコントローラが前記共有メモリのデータを読み出すことでI/O入力値の取り込みが可能となる手段を有するとともに、複数のコントローラからシステムバス経由で同一のI/O入出力装置の前記共有メモリに対して直接データの書き込みおよび読み出しを行うことが可能となる手段を有することを特徴とする並列型コントローラシステム。 - 請求項1に記載の並列型コントローラシステムにおいて、前記複数のコントローラは、自他コントローラによる前記I/O入出力装置の使用状態を示すI/O入出力装置使用マップ並びに前記I/O入出力装置の管理状態を示すI/O入出力装置管理マップをそれぞれ有し、前記複数のコントローラが同一のI/O入出力装置に対して入出力処理を行う場合に、稼動状態になったコントローラのうち、前記I/O入出力装置使用マップ並びに前記I/O入出力装置管理マップを参照して決定される一つのコントローラが、前記I/O入出力装置の動作開始、停止および診断の管理を行う管理権を持ち、前記管理権を持つコントローラが前記I/O入出力装置の管理を行う手段を備えたことを特徴とする並列型コントローラシステム。
- 請求項2に記載の並列型コントローラシステムにおいて、前記管理権を持つコントローラが管理を継続できない状態になった場合、他のコントローラが管理権を取得して前記I/O入出力装置に対する管理を引き継ぐ手段を備えたことを特徴とする並列型コントローラシステム。
- 請求項3に記載の並列型コントローラシステムにおいて、前記管理権を持つコントローラは一定の周期で前記I/O入出力装置に対してアクセスを行うものとし、前記I/O入出力装置が、一定時間いずれのコントローラからもアクセスがないことを検出した場合に、前記I/O入出力装置自身が動作を停止する手段を備えたことを特徴とする並列型コントローラシステム。
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