JP4349612B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りタイヤに関し、詳しくは、タイヤ中央部の強度を変えずにタイヤベルト端での耐カット性を改善した空気入りタイヤ、特には重荷重用空気入りラジアルタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、空気入りタイヤ、特に重荷重用空気入りラジアルタイヤには、補強材として各種撚り構造のスチールコードが使用されている。例えば、重荷重用空気入りタイヤのベルト層に供されるスチールコードとしては、同線径の素線を撚り合わせた各種スチールコードが使用されてきた。また、従来のベルト層のタイヤ赤道面に対するコード角度は、ほぼ一定であった。
【0003】
ところで、タイヤは走行時にベルトへの張力がかかるため、層間剪断歪が発生するが、ベルト端ではその歪が大きいため、ベルト端セパレーションが起こる原因となっていた。かかる問題に対して、特許文献1では、タイヤの赤道面の位置からベルト層端縁に向かって剛性が徐々に小さくなるようにコード密度を変化させたベルト構造が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−81109号公報(特許請求の範囲等)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スチールコードは加工(曲げ)にくく、特許文献1記載のベルト構造を採用する場合、必ずしも所望の精度(角度)が得られないのが現状である。すなわち、これまでは、1枚のベルト層の中で撚り数は常に均一であり、タイヤ幅方向において撚り数を変化させることは、タイヤ製造技術上の問題から実際上は不可能であったからである。
【0006】
そこで本発明の目的は、従来技術の問題点を解消し、タイヤ中央部の強度を変えずにタイヤベルト端での耐カット性を改善した空気入りタイヤを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の装置を用いて1枚のベルト層の中でコードの撚り数を変化させ、ベルト端でのコード内へのゴム浸透性を高めたところ、タイヤ中央部の強度を変えずにタイヤベルト端での耐カット性を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。また、1本のコードにおいて撚り数を変化させることにより、ベルトコードの曲げを精度良く行うことができ、その結果、ベルト端セパレーションを抑制することができ、より一層ベルト端部の耐カット性を高めることができることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明の空気入りタイヤは、少なくとも一対のビードコア間に跨がってトロイド状をなすカーカスのクラウン部外周に、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びる複数本のコードを配列した少なくとも1枚のベルト層と、該ベルト層のタイヤ径方向外側に設けられるトレッド部と、を備えた空気入りタイヤにおいて、
前記ベルト層のうち少なくとも1枚のベルト層内に配列されたコードの撚り数が、ベルト端領域においてタイヤ中央領域よりも少ない部分を有するとともに、前記タイヤ中央領域と前記ベルト端領域とでコードの撚り数が変化する範囲に屈曲部を有し、該屈曲部においてタイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度が変化することを特徴とするものである。ここで、タイヤ中央領域とは、そのタイヤの赤道面からベルト端までの領域のうち該赤道面からほぼ50%までの領域とし、それ以外の領域をベルト端領域とする。
【0009】
本発明の空気入りタイヤ、特には重荷重用空気入りラジアルタイヤにおいては、前記屈曲部が、前記ベルト層のタイヤ赤道面からベルト端までの80%以上の範囲内に位置することが好ましい。さらに、前記ベルト層のタイヤ中央領域におけるコードのタイヤ赤道面に対する傾斜角度をθCLとし、前記屈曲部からベルト端までを結んだコードのタイヤ赤道面に対する傾斜角度をθとしたとき、次式、
−1/6θCL≦θ≦5/6θCL
で表される関係を満足することが好ましい。
【0010】
1枚のベルト層の中で全てコードの撚り数が均一である従来の空気入りタイヤと比べて、本発明の空気入りタイヤにおいては、タイヤ中央部の強度を変えずにベルト端のコード撚り数を低減することができる。これにより、当該ベルト端におけるコード中へのゴム浸透性を高めることができ、結果として、ベルト端部の耐カット性を高めることができる。また、タイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度を適宜変化させることにより、ベルト端セパレーションを抑制することができ、より一層ベルト端部の耐カット性を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の空気入りタイヤの実施形態を図面にしたがって説明する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る空気入りラジアルタイヤはビード部1に埋設されたビードコア2の周りにタイヤ内側から外側に折返して係止されるカーカス3と、カーカス3の本体部3Aと巻上部3Bとの間に配置されるビードフィラー5と、カーカス3のクラウン部に位置するトレッド部6と、カーカス3のサイド部に位置するサイドウォール部8と、トレッド部6の内側に配置された二層のベルト層4を備えている。カーカス3は、コードを実質的に周方向と直交する方向に配列されており、本実施形態では一枚のカーカスプライから構成されている。
【0012】
本実施形態のベルト層4は、タイヤ赤道面CLに対して傾斜して延びる複数本のスチールコードを配列した1層の傾斜ベルト層4Aと、この傾斜ベルト層4A上に位置し、該スチールコードに対して交錯する複数本のスチールコードを配列した傾斜ベルト層4Bと、からなる。ベルト層4の枚数は特に制限されるべきものではなく、タイヤの用途及び種類に応じ適宜定めればよい。
【0013】
本発明においては、傾斜ベルト層4Aおよび傾斜ベルト層4Bの少なくとも1枚のベルト層中に配列されたスチールコードの撚り数を、ベルト端領域SEにおいてタイヤ中央領域SCLよりも少ない部分を有するようにすることが重要である。これにより、当該ベルト端におけるコード中へのゴム浸透性を高めることができ、ベルト端部の耐カット性を高めることができる。この際、ベルト端領域SEのすべてのコードの撚り数を少なくする他、本発明の所期の効果を奏し得る範囲内で、一部のコードの撚り数のみを少なくしてもよい。また、タイヤ中央領域SCLとは、そのタイヤの赤道面からベルト端まで領域のうち該赤道面からほぼ50%までの領域とし、それ以外の領域をベルト端領域SEとする(図2参照)。
【0014】
また、本発明の一実施の形態に係る空気入りラジアルタイヤは、同時に、傾斜ベルト層4Aおよび傾斜ベルト層4Bの少なくとも1枚のベルト層の中央領域SCLとベルト端領域SEとでコードの撚り数が変化する範囲に屈曲部Bを有し、屈曲部Bにおいてタイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度が変化している。この屈曲部Bは、ベルト層のタイヤ赤道面からベルト端までの80〜100%の範囲に位置することが好ましく、さらに、ベルト層のタイヤ中央領域におけるコードのタイヤ赤道面に対する傾斜角度をθCLとし、屈曲部Bからベルト端までを結んだコードのタイヤ赤道面に対する傾斜角度をθEとしたとき、次式、
−1/6θCL≦θE≦5/6θCL
で表される関係を満足することが好ましい。
【0015】
図3に示すように、屈曲部Bがタイヤ赤道面からベルト端までの範囲の80%より小さい値の個所に位置すると、タイヤ中央領域の径成長が大幅に大きくなり始めるため、屈曲部Bは80%以上の位置とすることが好ましい。また、屈曲部があまりベルト端に近すぎると、ベルト端でのセパレーション発生の抑制効果が不十分となる傾向がある。より好ましくは、屈曲部Bは上記範囲の85〜95%の範囲の位置とする。
【0016】
また、屈曲部Bからベルト端までを結んだコードのタイヤ赤道面に対する傾斜角度θEは、図4に示すように、−1/6θCLから5/6θCLまでの範囲内においてベルト端での亀裂成長速度が抑制される。
【0017】
このように、ベルトコード毎に撚り数を変化させ、ベルト端部を曲げることによって交錯するベルト層のベルト端の剪断力を下げることができ、歪が軽減される。その結果、ベルト端でのセパレーションの発生が抑えられ、ベルトの耐久力が向上する。
【0018】
なお、傾斜ベルト層4Aおよび傾斜ベルト層4Bのタイヤ中央領域におけるコードの傾斜角度θCLは、夫々15°〜45°および−15°〜−45°の範囲であることが好ましい。また、傾斜ベルト層4Aおよび傾斜ベルト層4Bのスチールコードの打ち込み数は、50mm当たり15〜50本の範囲内にすることが好ましい。
【0019】
さらに、ベルト層4のコードはスチールコードに限られず、有機繊維材料からなるコードでもよく、また、コードと有機繊維とを撚り合わせた複合体もよい。
【0020】
コードの撚り数を変化させる手段は、特に制限されるものではないが、これまで困難とされてきた、コードの撚り数を変化させることのできる撚り機が最近開発され、本願出願人は先に当該撚り機について特許出願を行っている(特願2002−341037号)。よって、この撚り機について以下に詳述する。
【0021】
かかる撚り機は、供給された複数本の線材を撚って撚り線とする回転体と、前記撚り線を前記回転体から搬出する搬出手段と、を有し、撚り点の前後で撚り線側又は線材側の何れか一方を開放している撚り機である。ここで、開放しているとは、撚り点の片方の端部を撚り回転に応じて回転できる状態にしていることをいう。
【0022】
具体的には、図5に示すタイプの撚り機22を好適に使用することができる。図5は、コード製造ライン10に設けられた撚り機22の構成を示す側面図である。コード製造ライン10には、素線がそれぞれ巻かれている複数のボビン14A〜Cと、ボビン14A〜Cから巻き出された素線18A〜Cのテンションを制御するテンション制御部16A〜Cと、テンション制御部16A〜Cを経由した素線18A〜Cを撚ってコード20にする撚り機22と、が設けられている。撚り機22は、素線18A〜Cを撚って1本のコード20を製造する送り・回転一体式の装置である。
【0023】
撚り機22は、素線18A〜Cにクセ(型)を付けるクセ付け部(型付け部)24と、撚り点26を形成している撚り点形成部28と、撚り点形成部28の下流側に設けられた回転体30と、回転体30に回転力を与えると共にコード20を回転体30から送り出す送り力を与えるモータ34と、を備えている。回転体30は、撚り機22に設けられたベアリング部36A、Bによって回転可能に保持されている。
【0024】
図5、図6に示すように、回転体30の下流側には、回転体30のハウジング31から短筒状に延び出した回転駆動用軸部40に回転駆動用プーリ42が固定されており、回転駆動用プーリ42と、モータ34に取付けられた第1回転板44とには無端ベルト46が掛けられている。
【0025】
回転駆動用軸部40には、コード20の送り力を伝達する細長筒状の送り駆動用軸部材50が、回転軸が一致するように挿通しベアリング部51によって回転体30に支えられている。そして、回転駆動用プーリ42の下流側には、送り駆動用軸部材50に固定された送り駆動用プーリ52が設けられており、送り駆動用プーリ52と、モータ34に取付けられた第2回転板54とには無端ベルト56が掛けられている。
【0026】
ハウジング31内には、コード20を送る送り機構58が設けられている。送り機構58は、送り駆動用軸部材50の同軸上で先端側に固定された第1ギア60と、第1ギア60と噛み合う第2ギア62と、を有する。第2ギア62の回転中心には小径の小ギア部64が設けられている。また、送り機構58は、コード20が数回巻かれる巻回部66を有すると共に小ギア部64と噛み合う大ギア部67を有する多段巻きキャプスタン68と、多段巻きキャプスタン68に当接してコード20を巻回部66に押し付けるピンチローラ70と、を有する。更に、送り機構58は、多段巻きキャプスタン68に巻回されたコード20が更に数回巻かれる多段巻きダミープーリ72を有する。
【0027】
多段巻きキャプスタン68及び多段巻きダミープーリ72の径は、回転体30から送り出されたコード20を使用する際に真直性の観点で支障がないように、素線18A〜Cの径、材質等を考慮して決定されている。
【0028】
また、撚り機22には、送り駆動用軸部材50を挿通して、多段巻きダミープーリ72から巻き出されたコード20を回転体30の下流側へ案内するコード排出用パイプガイド74が設けられている。
【0029】
第2回転板54に比べ、第1回転板44の径は少し大きくされており、回転体30の回転速度(撚り線の撚り速度)と、コード20の送り速度との比が調整されている。
【0030】
このように、本形態では、回転駆動用軸部40と送り駆動用軸部材50とを同軸上に配置しており、回転体30に送り駆動用のモータを更に設けることに比べ、撚り機22の構成が簡素になっている。
【0031】
撚り機22を使用するには、モータ34を所定回転数で回転させると、送り駆動用プーリ52が回転し、第1ギア60、第2ギア62、多段巻きキャプスタン68、多段巻きダミープーリ72に回転力が順次伝達される。この結果、撚り点形成部28を経由した素線18A〜Cが所定の送り出し速度で回転体30から送り出される。
【0032】
また、回転駆動用ダミープーリ72が回転し、回転体30が所定回転速度で回転する。従って、素線18A〜Cは、撚り点形成部28から引き出されつつ撚られ、コード20となって回転体30から送り出される。
【0033】
このように、コード20の送り駆動は、回転体30上で送り駆動用軸部材50が回転駆動用軸部40と相対的に回転することで行われ、すなわち送り駆動用の軸の回転数と回転体30の回転数との差によって送り速度が決定される。
【0034】
回転駆動用軸部40と送り駆動用軸部材50との回転速度比を変速式である構造にしたり、上記の2軸を別々に駆動して回転速度の任意の速度に設定できる構造にすることで、撚り数を自在にその都度変更することが可能である。これにより、一本の連続したコード部材の中でも撚り数を変化させ、本発明に係るベルト層に合わせて撚り数を変更することができる。
【0035】
なお、このような可変数機能を有する撚り機を使用して製造されたコードをタイヤに使用することは、従来、非常に困難であった。従って、この機能を十分活かすためには、タイヤの使用部位との位置決めを容易にする上で、撚り機を設ける位置をタイヤ部材あるいはタイヤそのものを製造する装置の近くにすることが好ましく、さらにはこの装置と連携して複合的に動作できるようにすることが望ましい。
【0036】
撚り機22で製造できるコードはスチールコードに限られず、有機繊維材料からなるコードも製造でき、同様の効果を得ることができる。更に、コードと有機繊維とを撚り合わせた複合体、コードとひも状のゴムとを撚り合わせた複合体、コードと有機繊維とひも状のゴムとを撚り合わせた複合体、の何れも製造することができ、要求されるタイヤ品質に合った補強材を提供することが可能である。
【0037】
また、線材の材質は特に限定されず、また、線材は素線であってもストランドであってもよい。撚り方は、単撚り、複撚り、層撚り等、特に限定しない。線材が素線である場合にはストランドが製造される(例えば、素線の材質がスチールである場合には、撚り機でスチール製のストランドが製造される)。
【0038】
撚り機22においては、回転体30には、回転体全体を回転駆動するための回転駆動用軸部40と、ベアリング部51によって回転駆動用軸部40と同軸上に保持された送り駆動用軸部材50と、を設けており、これらの2軸は1台のモータ34によって回転駆動される。これにより、撚り機22の構成を著しく簡素にすることができる。なお、送り機構58の駆動力を発生させるため回転体30に電気モータなどを設けてもよいが、より簡潔な装置にするために、回転体30の回転軸と同軸上に送り駆動用の軸を配して、回転体30内の送り機構58を駆動するようにしている。
【0039】
また、多段巻きキャプスタン68及び多段巻きダミープーリ72によって撚り点形成部28からコード20を引出して回転体30から送り出しているので、ピンチローラ70でコード20をさほど高い力で押圧しなくても済む。また、多段巻きキャプスタン68及び多段巻きダミープーリ72の巻き方向が逆であり、しかも、コード20をリールに巻き取らなくてもよいので、真直性が大幅に改善されたコード20を製造することができる。
【0040】
かかる撚り機22においては、複数の単線を撚って回転体から搬出することにより撚り線を形成でき、従来のように撚り線を回転体から巻き取らなくても済む撚り機が実現される。これにより、回転性、真直性に優れた撚り線を形成することができるコンパクトな撚り機を実現することができ、スチールコードの製造に一般的に使用されている従来の撚り機に比べ、スペース、価格とも1/10以下とすることが可能となる。また、かかる撚り機を用いて撚り線を製造する際、線材の選定は任意に行うことができる。例えば、コアとなる複数本の素線と、シースとなる複数本の素線と、を線材として供給し、コアとシースとが同方向、同数で撚り合わされたコンパクトな構造の層撚りコードを製造してもよい。また、コアとなる複数本の素線を既に撚り合わせた状態で巻き出して撚り機に供給し、シースとで撚り数が異なる層撚りコードを製造してもよい。更に、巻き出して供給する線材として2〜7本の素線を既に撚り合わせたストランドを使用し、複撚りのコードを製造してもよい。また、供給する線材として複数本の素線の材質を非同一とすることにより、製造する撚り線の材質を2種以上にしてもよい。また、スチールその他の素線と同時に、ゴム被覆済みの線材或いはひも状にした加工したゴムを撚り合わせることで、コードとゴムとの複合体を製造してもよい。
【0041】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明する。
供試タイヤとして、実施例1〜4のタイヤ及び従来例のタイヤを用意し、タイヤ中央領域の径成長量およびベルト端亀裂成長速度を比較評価した。
【0042】
供試タイヤはいずれも、タイヤサイズ:11R22.5、リムサイズ:8.25、内圧:700kPaとし、最外層ベルトのスチールコードの撚り数、傾斜角度θCL、ベルト幅、傾斜角度θEおよび屈曲部Bの位置を下記の表1に示すように夫々変動させた。その他のベルト層の条件は全て同一とし、撚り構造:1+6×0.34(mm)、打込数:12本/50mmとした。
【0043】
タイヤ中央領域の径成長量は、供試タイヤを実車に装着し、5000km走行後の径成長量を測定し、従来例を100とする指数で表示した。数値が大きいほど、径成長量が小さい結果を示している。
【0044】
ベルト端亀裂成長速度は、65km/hの定速度で荷重がかかるドラム上を4000km走行させてドラム走行試験を実施することにより行った。荷重は、下記の表1中に示すように時間ごとに変化させるステップ荷重条件にて付加した。結果は、従来例を100とする指数で表示した。数値が大きいほど、ベルト端亀裂成長速度が遅く、良好であることを示している。
【0045】
【表1】
Figure 0004349612
【0046】
【表2】
Figure 0004349612
【0047】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、空気入りタイヤのタイヤ中央部の強度を変えずにタイヤベルト端での耐カット性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る空気入りラジアルタイヤの断面図である。
【図2】ベルト層のコード配列を示す平面図である。
【図3】屈曲部Bの位置と、タイヤ中央領域の径成長量との関係を示すグラフである。
【図4】傾斜角度θEとベルト端での亀裂成長速度との関係を示すグラフである。
【図5】撚り機の構成を示す側面断面図である。
【図6】図5に示す撚り機の平面断面図である。
【符号の説明】
1 ビード部
2 ビードコア
3 カーカス
4 ベルト層
5 ビードフィラー
6 トレッド部
8 サイドウォール部
18A〜C 素線
20 コード
22 撚り機
30 回転体
58 送り機構

Claims (4)

  1. 少なくとも一対のビードコア間に跨がってトロイド状をなすカーカスのクラウン部外周に、タイヤ赤道面に対して傾斜して延びる複数本のコードを配列した少なくとも1枚のベルト層と、該ベルト層のタイヤ径方向外側に設けられるトレッド部と、を備えた空気入りタイヤにおいて、
    前記ベルト層のうち少なくとも1枚のベルト層内に配列されたコードの撚り数が、ベルト端領域においてタイヤ中央領域よりも少ない部分を有するとともに、前記タイヤ中央領域と前記ベルト端領域とでコードの撚り数が変化する範囲に屈曲部を有し、該屈曲部においてタイヤ赤道面に対するコードの傾斜角度が変化することを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記屈曲部が、前記ベルト層のタイヤ赤道面からベルト端までの80%以上の範囲内に位置する請求項記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ベルト層のタイヤ中央領域におけるコードのタイヤ赤道面に対する傾斜角度をθCLとし、前記屈曲部からベルト端までを結んだコードのタイヤ赤道面に対する傾斜角度をθとしたとき、次式、
    −1/6θCL≦θ≦5/6θCL
    で表される関係を満足する請求項1または2記載の空気入りタイヤ。
  4. 重荷重用空気入りラジアルタイヤである請求項1〜3のうちいずれか一項記載の空気入りタイヤ。
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