JP4347714B2 - 超音波伝送装置および超音波伝送線路 - Google Patents

超音波伝送装置および超音波伝送線路 Download PDF

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Description

本発明は医用分野あるいは計測分野において用いられる、超音波測定システム、超音波診断システムあるいは超音波治療システムなどの超音波伝送装置およびそれに用いられる超音波伝送線路に関する。さらに詳しくは、パルス圧縮技術による超音波送受信および内視鏡的超音波治療装置もしくはこれらに用いられるカテーテルに好適な超音波伝送装置および超音波伝送線路に関する。
特開2002−153483 特開2002−136522 特開2001−198127
超音波の反射波などを用いて計測を行うことや画像を得ること、あるいは超音波を用いて内視鏡的に治療することは従来から提案されている。たとえば特許文献1あるいは特許文献2にはおいては、パルス圧縮による超音波送受信装置が開示されている。この装置は、パルス幅の長いチャープ信号を可撓性を備えた超音波伝送線路により送信波と受信波とを分離する方法を採用している。
また特許文献3においては、大口径の超音波発生手段(超音波振動子)から発生した超音波を、レンズと水を介して細い伝送線路に伝送するか、なだらかなテーパー状石英棒を介して伝送線路に伝送する内視鏡的治療装置が開示されている。
特許文献2の装置に記載されているレンズと水を用いて伝送する装置は、高エネルギーを伝送する場合には整合層が損傷するという難点があり、低エネルギーを伝送する場合にも整合層を伝送線路の両端に付けると伝送可能な信号の周波数帯域幅が狭くなるという欠点がある。また、なだらかなテーパ状石英棒を用いる場合には、振動子と接合可能なテーパ部の直径を大きくできないという欠点がある。
また、従来の方式において用いられている石英ファイバーは折れやすいために表面に保護層が必須である。しかし保護層を設けることにより超音波の減衰が大きくなるという欠点がある。
本発明は従来の超音波送受信における上記の問題を解消し、(1)大口径の振動子から発生した超音波を効率よく可撓性の伝送線路(細径ファイバー)に伝送することができる超音波伝送装置を提供することを第1の技術課題としている。さらに本発明は、(2)可撓性の超音波伝送線路を伝送してきた高エネルギーの超音波を整合層を介して放射しても、整合層を破損せず、高エネルギーの超音波を効率よく放射することができる超音波伝送装置を提供することを第2の技術課題としている。
さらに本発明は、(3)複数本の伝送線路を用いても、撚れによりファイバーが破損しにくい超音波伝送線路を提供することを第3の技術課題としている。また本発明は、(4)保護層を設けなくても折れにくく、また、保護層を設ける場合でも、音響インピーダンスが高く、保護層の影響を受けにくい超音波伝送線路を提供することを第4の技術課題としている。
本発明の超音波電送装置(請求項1)は、略円柱状の超音波発生手段と、可撓性を有する超音波伝送線路と、前記超音波発生手段と超音波伝送線路の間に介在される、ポッシャマー・クリー波のL(0,1)モードを選択的に透過するためのモードフィルタと、前記超音波伝送線路の先端に設けられる放射器とを備え、前記モードフィルタが、超音波発生手段に接合される基端側では伝送線路より太く伝送線路側では伝送線路と略同径の、平均勾配が10°〜60°で、基端側では勾配が大きく先端側では勾配が小さいテーパ状を呈し、前記放射器が、伝送線路より太いカプセル状の形態を備え、伝送線路と接合されていない側の自由端の先端が尖っていることを特徴としている。
本発明の超音波伝送装置の第1の態様(請求項1)は、超音波発生手段と超音波伝送線路との間に、特定のモードフィルタを介在させているので、モードフィルタがポッシャマー・クリー波のL(0,1)モードへの変換割合が高く、不要なL(0,2)モードおよびL(0,3)モードへの結合を防ぐことができる。そのため、大口径の超音波発生手段が発生した高エネルギーの超音波を効率よく細い可撓性の超音波伝送線路に収束して伝送することができる。
また前記モードフィルタが、伝送線路側が細平均勾配が10°〜60°のテーパ状であるので、L(0,1)モードのフィルタリング効果が高く、大口径の超音波発生手段と細い伝送線路とを結合することができる。
さらに前記放射器の径が超音波伝送ファイバーの径り大きいので、超音波の伝送速度が遅く(水に近い)、振幅分布が表面に近い。そのため可撓性伝送線路を伝送してきた高エネルギーの超音波を効率よく放射させることができる。
前記伝送路がサファイア、カーボンナノチューブ混入セラミックスおよびカーボンナノコイル混入セラミックスからなる群より選ばれた材料からなる超音波伝送ファイバーである場合は、強度が高く、石英ファイバーに比して折れにくい。そのため保護層を設けなくても使用できる。それにより表面での超音波の減衰が少ない。前記超音波伝送ファイバーが可撓性および防水性を備えた外套によって覆われている場合は、強度が高くなり、ファイバーの折損を少なくすることができ、さらに表面に接している水による減衰を少なくすることができる。このような外套ないし保護層を設けて強度を高める場合でも、サファイアあるいはセラミックス製のファイバーはインピーダンスが石英の3倍であるため、外套や保護層の影響を受けにくい。
前記超音波発生手段が超音波受信手段を兼ねており、前記放射器が、外部から超音波を取得する受信機能を合わせて備えている場合は、放射器から放射された超音波の反射波を放射器が受け取り、超音波伝送線路を通じて超音波受信手段で受信される。それにより反射波に基づいて対象物の検査や診断をすることができる。そして反射波の戻りの場合についても、前述と同様に減衰が少ない効果が得られる。
また、超音波伝送線路を複数本備えている場合は、伝送線路全体で伝達できるエネルギーが一層高くなる。それらの超音波伝送線路が、防水性および耐捻り性を備えた外套によって被覆されている場合は、撚れによってファイバーが損傷しない。そのため高エネルギーの超音波でも安定して伝送することができる。また、外套が防水性を備えているので、生体組織に埋め込むような使い方をしても、表面に接している水で超音波が減衰することが少ない。
前記超音波発生手段と超音波伝送線路とが、セラミックス系材料製の、超音波伝送線路側が細いテーパ状の接合部で接合されている場合(請求項10)は、その一部がL(0,2)モードに対する遮断領域になり、モードフィルタとして機能するので、大口径の超音波発生手段が発生した高エネルギーの超音波を効率よく細い可撓性の超音波伝送線路に収束して伝送することができる。しかも接合部は材質が異なる超音波発生手段とは広い面積で接合され、細い超音波伝送線路とは同系統の材質同士で接合されるので、超音波発生手段と超音波伝送線路とを強固に連結することができる。
前記超音波発生手段と超音波伝送線路とが、超音波伝送線路側が細いテーパ状を呈する金属製の接合部で接合されている場合接合部がモードフィルタとして機能するので、大口径の超音波発生手段が発生した高エネルギーの超音波を効率よく細い可撓性の超音波伝送線路に収束して伝送することができる。
前記放射器が整合層からなる場合は、整合層から放射された超音波が対象物で反射してくる反射波を再び整合層で効率的に受け取ることができる。そのため計測システムや診断システムなどに好適に用いることができる
つぎに図面を参照しながら本発明の超音波伝送装置および超音波伝送線路の実施の形態を説明する。図1aおよび図1bはそれぞれ本発明の超音波伝送装置の一実施形態を示す斜視図、図1cは図1bの要部拡大図、図2はその超音波伝送装置のモードフィルタの半径と長さの関係を示すグラフ、図3はポッシャマー・クリーの式により求めた超音波伝送の分散特性を示すグラフ、図4aは本発明の超音波伝送装置の他の実施形態を示す斜視図、図4bはその要部断面図、図5は石英ファイバーとサファイアファイバーを伝搬する超音波のL(0,1)モード1m当たりの遅延時間を比較して示すグラフ、図6は、本発明の超音波伝送装置を用いた測定システムの一実施形態を示すブロック図、図7は本発明の伝送装置を用いた超音波診断システムの一実施形態の基本構成を示す要部概略斜視図、図8はその超音波システムの全体構成図、図9は図1bの超音波伝送装置の伝送線路をバンドル化した場合の概略斜視図、図10aおよび図10bはそれぞれ本発明の超音波伝送装置の他の実施形態を示す概略斜視図およびその要部斜視図、図11は本発明の超音波伝送装置を用いた電子走査型測定システムの実施形態を示す概略斜視図、図12および図13はそれぞれ本発明の超音波伝送装置を用いて測定した測定データを示すグラフ、図14は本発明の超音波伝送装置の他の実施形態を使用状態と共に示す斜視図、図15〜17はそれぞれ本発明の超音波伝送装置を用いて測定した測定データを示すグラフである。
図1aに示す超音波伝送装置(以下、単に伝送装置という)10は、可撓性を有する細い伝送線路11と、その一端に設けられる超音波振動子(以下、単に振動子という)12と、両者の間に介在されるテーパ状のモードフィルタ13とからなる。この伝送装置10は、たとえばカテーテルとして用いられる。他方、図1bに示す伝送装置10aは、腎臓結石や癌あるいは腫瘍などの超音波治療(破砕など)に用いるものであり、伝送線路11の端部にカプセル状のアプリケータ(放射器)14を結合している。
前記伝送線路11は従来公知の石英ファイバーないし石英棒などが用いられる。伝送線路11の直径は、たとえば100〜500μm程度、より好ましくは125〜250μm程度である。直径が500μmを超えると可撓性が低下し、しかもポッシャマー・クリー波のL(0,2)、L(0,3)などの不要モードが伝送されるからである。また100μmより小さい場合は伝送できる超音波のエネルギーが低くなるからである。
このような伝送線路11は、溶融石英を延伸、引き抜きすることにより製造することができる。なお、伝送線路の材料としては、石英ファイバーあるいはアルミナファイバーやジルコニアファイバーなどのセラミックスファイバーを用いることができる。また伝送線路11は上記の鉱物質のファイバーの周囲にカーボンコート、Al、Ni、複層Ni+Auなどの保護層を設けてもよい。カーボンコートの場合は、厚さ0.1μm〜10μm程度が好ましい。
このような伝送線路11は、超音波に対して縦波を伝達する弾性体として作用する。石英ファイバーの場合は、円柱状の弾性体の中には、ポッシャマー・クリー波のL(0,1)、L(0,2)、L(0,3)モードが伝わる。よく知られているように、これらのモードは安定に伝送されるので、超音波の伝送線路として用いることができる(電子通信学会論文誌、Vol.J69-A、No.8,pp.1006-1064,1986、電気学会誌論文誌Vol.109-C,No.8,pp.581-586,1986参照)。
可撓性伝送線路として円柱状の弾性体を用いる場合は、細い線路を用いること、すなわちL(0,1)モードを用いることが有利である。細い線路に効率よく超音波を結合するためにはレンズで収束するか、テーパ状のファイバーを用いる。従来の技術で説明したように、前者は帯域幅が制限されるなどの難点がある。後者の場合はテーパ部の直径を大きくするとL(0,2)モードなどの不要なモードにエネルギーが伝送するため、L(0,1)モードへ変換する割合が少なくなる。したがって不要モードへの結合を防ぐためにモードフィルタを介在させる必要がある。以下の実施形態では、モードフィルタとして、テーパ部を設ける方法、とくにテーパ部を急峻にする方法を採用している。ただし不要なモードを吸収する吸収媒質をつけることなどによりモードフィルタを構成することもできる。
前記モードフィルタ13のテーパ部の平均勾配は10°〜60°程度としている。具体的には、長さ5mmの間(面積が広い端部から、それより5mm離れた位置までの間)に直径3mmから1.5mmまで減少する程度である(たとえば2.447MHzの場合)。平均勾配が10°未満では製造が困難になり、60°を超える場合はモードフィルタとしての機能が低くなるからである。なおテーパ部の傾きは長さ方向に一定にする(直線状に変化する)場合だけでなく、図2に示すように、広い基部13a側では勾配を急峻にし、細い先端部13bの側では勾配を緩くしてスムーズに細い部分に連続させるのが好ましい。それにより折れやすい先端部13bと細いファイバーとを滑らかに連続させることができる。なお勾配の変化(図2の二次導関数)はいずれの位置においても連続的とするのが好ましい。
このようなモードフィルタ13は、たとえば石英棒を加熱して一端を引き延ばしながら冷却したり、石英棒を切削加工したり、あるいは溶融石英を型に入れて成型することにより製造することができる。得られたモードフィルタ13は、その先端側を伝送線路11の端部に対して融着などにより接合し、基端側を振動子12に隙間なく密着させて用いる。図1aおよび図1bのモードフィルタ13では、その基部13aの径は振動子12の径とほぼ同じにしている。しかしそれより小さい径にすることもできる。その場合は振動子12の中心近辺にモードフィルタ13の基部13aを接合する。
図2はテーパの形状が異なるテーパ状石英棒(#1〜#5)の半径(縦軸)の変化を軸方向の長さ(横軸)の関数として示したものである。符号#1で示すサンプルでは10mm間に半径が0.58mmから0.34mmまでほぼ直線状に、すなわちほぼ同じ勾配で細くなっている。他方、符号#3のサンプルでは、細い部分の勾配が小さく、太い部分、とくに基端から0〜3mmの範囲の勾配が急になっている。このように基端または基端に近い部分で勾配が急なものが好適である。
モードフィルタ13は伝送線路11と別個に製造して接合するほか、伝送線路と一体に成形することもできる。モードフィルタ13と伝送線路11とを一体成形する場合は接合面がないので、その部位での反射波を生ずることがなく、超音波の伝送がスムーズである。別個に製造する場合は製造が容易になり、種々の形状のモードフィルタを提供することができる。その場合、モードフィルタ13は伝送線路11と同じ材質を採用することもでき、異なる材質のものを採用することもできる。同じ材質の場合は、超音波の伝送状態が途中で変化しにくい。異なる材質の場合は、使用者の要求に応じて種々の性質の材料を使用することができる。たとえばアルミニウムなどの金属を採用する場合は、強度が高く、石英とインピーダンス、音速が近いなどの利点がある。
図1aの振動子12は薄い円柱状の形態を有する従来公知のものであり、超音波を受信する機能を兼ねるものである。振動子12の平坦な一面の中心にモードフィルタ13の基部13aを接着などによって接合している。このような振動子12は電気信号を振動子の共振周波数で共鳴させるタイプのものが好ましい。共振周波数は1〜5MHz程度のものが用いられる。
図1bの右端に示すアプリケータ14は伝送線路11より太い円筒状ないしカプセル状の石英棒から構成している。アプリケータ14の直径はたとえば1〜3mm程度、長さは5〜10mm程度である。アプリケータ14の基端14aは伝送線路11と接続するために次第に細くなるようにテーパ状にしている。この基端14aは伝送線路11に対して熱融着などで接合する。カプセル状のアプリケータ14は長さ方向に太さが周期的に変化する形状(高圧線の碍子形状)としてもよい。なお、自然に表面に周期的なグレーティングができる場合もある。アプリケータ14の先端部14bは細くなっており、さらに図1cに示すように、その先端14cは円錐状に尖った形状としている。このような形状にすることにより、アプリケータ14を生体の一部、たとえば腫瘍内に刺して治療することができる。
伝送線路11の先端にカプセル状のアプリケータ(放射ユニット)14を設けることにより、生体などの媒質への超音波の放射効率が向上する。その理由は明確ではないが、以下の理由によると考えられる。図3はポッシャマー・クリーの式により求めた直径1mmの石英円柱棒中の超音波伝送の分散特性を示している。図3において矢印Pで示す領域は伝搬速度が遅い領域である。この領域では弾性体中を伝搬する弾性波の伝搬速度が水を媒質とする場合の伝搬速度に近い。そのため、この領域の速度で伝送すれば、媒質境界での反射が少なく、弾性体からその周囲の媒質の水への放射効率が高くなると考えられる。そして石英棒を伝送する超音波の速度は、石英棒の径が与えられた周波数に応じた適切な直径になると遅くなるので、水を媒質とする場合の伝搬速度と近い伝搬速度になるように石英棒の太さを設定してアプリケータを構成することにより、放射効率が高くなる。
さらにこのような太さの石英棒では、弾性体の半径が大きいため、周囲を囲む媒質である水との接触面積が広くなり、媒質への放射効率が向上すると考えられる。なおここにいう放射効率とは、振動子から伝送されてくる超音波の振幅と外部に放射される超音波の振幅の比率で定義している(すなわち、放射効率=放射される超音波の振幅/伝送されてくる超音波の振幅)。
図4aに示す伝送装置20は、高エネルギーの超音波を発信する球面の振動面12aを備えた振動子12を採用しており、その振動子12とモードフィルタ13との間に金属製あるいはセラミックス製のブロックからなる収束部材21を介在させている。他の点は図1aあるいは図1bの伝送装置10と実質的に同じである。収束部材21はアルミニウムなどの超音波の伝導性が高い金属、あるいはアルミナなどの超音波の伝導性が高いセラミックスを採用しうる。収束部材21はこの実施形態では円柱状を呈しており、その外径は振動子12の外径と同程度、たとえば10〜50mm程度であり、長さは10〜50mm程度である。その一端は振動子12の振動面(凹面)12aと密に接合する凸面21aにしている(図4b参照)。他面は平坦な収束面21bである。
このような収束部材21を設けることにより、振動子12が発生した超音波は収束部材21内を通るときに収束していき、収束面21bの中心部に収束する。そのため、収束面21bの中心部にモードフィルタ13の基部13aを接着している。このように構成することにより、より高いエネルギーの超音波を伝送線路11に送出することができる。
前記実施形態では伝送線路11の材料として石英ファイバーを用いる場合を中心として説明したが、石英ファイバーの場合は曲げると折れやすいので、表面にカーボンコートなどの保護層を設ける必要がある。そこで本発明者らは曲げても折れにくい材料の超音波伝送材料を研究した結果、サファイアファイバー、カーボンナノチューブ混入セラミックスあるいはカーボンナノコイル混入セラミックスを用いることを見出した。以下の説明ではそれらの材料を中心として説明する。
光ファイバーの出現により光学技術が一変したように、医用超音波工学の分野でも超音波を自由に伝送・接続できる可撓性伝送線路ができれば新しい技術が期待できる。超音波伝送線路として1MHz以下の周波数帯では金属を主体とする可撓性伝送線路が実用になっており、50MHz帯では前述のように横波伝送用の石英ファイバーによる可撓性伝送通路が必要とされる。また、パイプの中に水を充填した超音波用可撓性伝送通路も提案されている。
そこで有力な伝送線路として、前述の石英ファイバーの中を伝搬するポッシャマー・クリー波(縦波)のL(0,1)、L(0,2)、L(0,3)モードによる可撓性伝送線路が提案されている。よく知られているように、石英は超音波に対する減衰定数が金属材料に比べて格段に小さいので、数百MHz帯までの伝送が可能である。
しかし石英ファイバーの場合は曲げると折れやすいので、充分に細い石英ファイバーとするか、石英ファイバーの表面にカーボンコートなどの保護層を設ける必要がある。しかしながら現在まで充分特性のよい保護層が得られていないため、高い周波数では減衰定数が大きくなり、そのことが最大の問題となっている。
そこで本発明者は、可撓性もあり減衰定数も小さいサファイアファイバーおよび音響インピーダンスがサファイアと近いセラミックスファイバー(アルミナファイバー、ジルコニアファイバーなど)を用いた超音波用可撓性伝送線路およびそれを用いた伝送装置を提案する。
図5に石英ファイバーとサファイアファイバーの分散特性を比較して示す。横軸は周波数(単位MHz)であり、縦軸は1m当たりの遅延時間(単位μs/m)である。これは直径100μmのファイバー中を伝搬するポッシャマー・クリー波のL(0,1)モードに対応するもので、サファイアファイバーは石英ファイバーに比べると、(1)より高い周波数で使用可能であること、(2)1m当たりの遅延時間が少ないことが分かる。
さらにサファイアファイバー、カーボンナノチューブ混入セラミックスないしカーボンナノコイル混入セラミックスのファイバーの特徴として、(超音波発生素子である)セラミック振動子(PZT)とインピーダンスが近いので、セラミック振動子で発生した超音波を効率よくファイバーに伝送できる、(4)インピーダンスが石英に比べて大きいので、保護層を設ける場合の選択範囲が広い、(5)同じ直径の石英ファイバーと比較した場合、1本当たりで伝送できるエネルギーが大きい、(6)カーボンナノチューブないしカーボンナノコイル混入セラミックスファイバーとPZT(振動子)の音響特性が近いため、振動子とファイバーの接合部を型で成型でき、したがって製造コストを低く抑えられる、(7)石英ファイバーに比べて強度が高い、などの特徴がある。
セラミックスとカーボンナノチューブあるいはカーボンナノコイルの混合比は特に限定されないが、セラミックスの音響特性にそれほど影響を与えない範囲で、かつ、カーボンナノチューブないしカーボンナノコイルによる補強効果が得られる範囲とする。セラミックス材料はいわゆるファインセラミックスと呼ばれるもので、その種類はとくに限定されないが、アルミナ、ジルコニアが好ましい。こららの粉末材料にカーボンナノチューブなどの補強材の粉末材料を混合し、全体を溶融した上で、延伸、引き抜きなどによりファイバーに成形する。カーボンナノコイルを補強材として用いる場合は、コイルが伸縮するので、一層折れにくくなる。また、場合により、カーボンナノチューブやカーボンナノコイルに代えて、フラーレン、炭素繊維などの強化フィラーを含有させることもできる。
つぎに図6を参照して、前述のようにして構成される伝送装置を測定システムに適用する場合を説明する。この測定システム25は、サファイアファイバー製の伝送線路11と、その一端に設けられる振動子12とを備えている。伝送線路11と振動子12の間にはモードフィルタを介在させていない。ただしモードフィルタを介在させてもよい。振動子12には、第1増幅器26を介してバースト波発生装置27が接続され、さらに第2増幅器28を介してオッシロスコープ29が接続されている。バースト波発生装置27、オッシロスコープ29などは従来公知のものを使用することができる。
この測定システム25では、バースト波発生装置27が発生した電気振動を第1増幅器26で増幅し、その後、振動子12に印加して超音波を得る。得られた超音波は伝送線路11に伝送され、伝送線路11の先端から放射される。測定対象物によって反射された超音波は再び先端から伝送線路11に入り、伝送線路11を伝播して振動子12で電気信号に変換される。さらに電気信号は第2増幅器28で増幅された後、オッシロスコープ29で観測される。電気信号のデータは保存したり、画像信号などに変換することも容易である。
図6の測定システム25は、人体内部の癌や腫瘍などの観測に使用するほか、工業製品の非破壊検査、たとえば絶縁劣化診断などにも使用することができる。また、伝送線路11の端面で反射する反射波を測定することにより、後述するように、伝送線路の材質に基づく分散特性を測定する場合にも利用することができる。なお、伝送線路11と振動子12の間にモードフィルタを介在させると共に、伝送線路11として石英ファイバーなど、サファイアファイバー・カーボンナノチューブ混入ファイバー・カーボンナノコイル混入ファイバー以外の超音波伝送ファイバーを用いることができる。
図7および図8は前述の伝送装置の超音波診断システムへの応用例を示している。図7は診断システムの基本構成を概略的に示している。この診断システム30では、伝送線路11の端部に整合層(放射器)31を設け、その整合層31に対向してミラー32を配置している。整合層31は軟質の生体組織33などを診断する場合に伝送線路11を伝搬してきた超音波を効率よく伝送するための薄膜であり、従来公知のスタイカスト(stycast)などを用いることができる。ミラー32は伝送線路11とほぼ同径で、整合層31と対向する側が傾斜した反射面32aとしている。通常はミラー32と伝送線路11は被覆(図示していない)で一体にされ、伝送線路11を矢印Qのように回転あるいは揺動させることにより、ミラー32も一緒に回転ないし揺動させることができるようにしている。なお図7の符号34は、受信用の増幅器であり、符号35は反射波に基づいて生体組織33の断面画像などを観察するためのモニタである。増幅器34は発信信号の増幅器を兼ねさせることもできる。
上記の診断システム30では、振動子12に印加した信号により発生した超音波は、伝送線路11を伝搬し、整合層31から放射される。放射された超音波はミラー32の反射面32aで反射され、生体組織(試料)33に照射される。生体組織33で反射された超音波は再び伝送線路11を伝搬し、増幅器34で増幅され、画像信号に変換されてモニタ35に表示される。先端のミラー32は、伝送線路11と一体として回転させることにより、試料断面の画像が形成される。なお、ミラー32を回転ないし揺動させる小型モータを設けてミラー32のみを回転または揺動させるようにしてもよい。
図8は診断システムの具体的な構成例を示している。この診断システム30aでは、送信側(図8の右側)では振動子12としてセラミック振動子(PZT)を採用しており、伝送線路11の軸線に対して横方向ないし直角方向に発信するように配置すると共に、その超音波を伝送線路11の軸線方向に向けて収束させる楕円ミラー36を採用している。楕円ミラー36は反射面が楕円状の凹面となっている一種の凹面鏡であり、全体としては円柱状である。伝送線路11の基端側には整合層37を設け、楕円ミラー36の焦点Fがその整合層37の中心に来るように配置している。楕円ミラー36および整合層37は水を充填した水槽38の中に収容している。
他方、放射側(図8の左側)は送信側とほぼ同様に、ただし対照的に、伝送線路11の端部に設けた整合層39と、ミラー40とを配置している。放射側でも整合層39および楕円ミラー40は水を充填した水槽41内に配置している。符号Tはターゲットである。楕円ミラー36、40の径は、たとえば2mm程度である。このシステム全体は水中に配置可能な防水構造になっている。
このように構成される診断システム30aでは、送信側では振動子12から発生した超音波を楕円ミラー36で反射し、整合層37の中心部に照射し、収束させる。伝送線路11を伝搬した超音波は、先端から受信側の整合層39および楕円ミラー40を介してターゲットTに照射する。ターゲットTから反射してきた超音波の反射波は逆の経路を経由して振動子12で電気信号に変換され、図7の場合と同様に画像信号に変換される。超音波信号を画像信号に変換する方法としては、たとえば特許文献1あるいは特許文献2に開示されている方法などを用いることができる。
図9は図4aの伝送装置20をバンドル化した場合を示している。この伝送装置42は治療システムに用いられるものであり、球面の発振面を備えた1個の振動子12に固定した収束部材21の収束面に、3本の伝送線路11の一端をそれぞれテーパ状のモードフィルタ13を介して接合することにより構成している。それぞれの伝送線路11の他端には、図3の場合と同様のアプリケータ14を取り付けている。伝送線路11の本数は3本に限るものではなく、2本あるいは4本以上でもよい。本数は必要エネルギに応じて増やしていくことができる。ただし通常は3〜7本程度である。なお、伝送線路11をサファイアファイバー、カーボンナノチューブ混入セラミックスあるいはカーボンナノコイル混入セラミックスとする場合は、モードフィルタに代えて、テーパ角が急峻でないテーパ部とすることもできる。
それらの複数本の伝送線路11の全体は、外套43で束ねている。外套43は防水性および耐捻り性を有するものが用いられる。伝送線路11の表面に水があると超音波が減衰するが、このような外套43を設けることにより、減衰を少なくすることができる。さらに捻れによる伝送線路11の折損を防止することができる。そのような外套43としては、たとえば金属線をコイル、ブレードし、編組した(あるいは交差編みした)トルクワイヤと、そのトルクワイヤの外周に設けた合成樹脂ないしゴム製の被覆層とからなるものが好ましい。伝送線路11は単に束ねてもよく、並列的に並べ、外套43をテープ状とすることもできる。
この伝送装置42は複数本の伝送線路11を通じて高エネルギーの超音波をアプリケータ14から放射することができる。そのため、複数のアプリケータ14を治療すべき癌組織などに突き刺して、高エネルギーで破壊する治療を行うことができる。
図10aは図1aの伝送装置10を複数本束ねた診断システムに用いる伝送装置の実施形態を示している。振動子12、テーパ状のモードフィルタ13および伝送線路11は図1aのものと実質的に同じである。この伝送装置44では、伝送線路11の他端は、テーパ部45を介してレンズ部46の一端に接合し、そのレンズ部46の他端に整合層47を設け、その整合層47の先端側にミラー48を配置している。
前記テーパ部45は、モードフィルタ13と同様のものであり、溶融石英を型で成型したり、石英棒を切削するなどにより製造することができる。ただしテーパ角度は急峻にする必要がない。レンズ部46は石英、サファイア、カーボンナノチューブ混入セラミックス、カーボンナノコイル混入セラミックスなどで形成した円筒状のものであり、伝送した超音波を合成することによって超音波をそれぞれの整合層47に収束させるレンズ機能を発揮する。整合層47およびミラー48は、たとえば図7あるいは図8のものと実質的に同じであるので、詳細な説明は省略する。送線路11をサファイアファイバー、カーボンナノチューブ混入セラミックスあるいはカーボンナノコイル混入セラミックスとする場合は、モードフィルタに代えて、レンズ部46と接続するテーパ角が急峻でないテーパ部45と同様のテーパ部とすることもできる。
それぞれの伝送線路11は前述の場合と同様である。ただし各伝送線路11の長さは、超音波の位相を揃えるため、厳密に合わせる必要がある。複数本の伝送線路11の全体は、図9の場合と同様の外套43で束ねている。その外套43の構成図9の場合と同じであり、防水性および捻り防止性を備えているので、表面に水がある場合の超音波の減衰を防ぐことができ、複数本の伝送線路11のねじれを防止することができる。
この伝送装置44は、複数本の伝送線路11を備えているので、それぞれの振動子12から一斉に超音波を発信することができ、モードフィルタ13、伝送線路11、レンズ部46を介して整合層47から放射することができる。それらの超音波はミラー48で反射されて図9の場合と同様にターゲットに照射される。反射波は逆の経路をたどり、振動子で電気信号に変換される。
整合層47に代えて、図10bの放射ユニット49を設けることもできる。それにより治療システムに使用することができる。放射ユニットはたとえばカプセル状としたり、先端に丸みを帯びさせたりすることができる。
電子操作型の超音波診断装置においては、一次元または二次元に振動子を配列する。この場合、振動子の大きさは、使用周波数における超音波の水中における波長の二分の一以下にしなければならない。したがって周波数が高くなるにしたがい微少な振動子を用いる。そのため振動子の製作、電気的配線が困難になる。
そこでたとえば図11に示す測定システム50のように、多数の振動子12を疎の状態で配置し、それぞれの伝送通路11を介して1個ないし1枚の整合層51に接続することにより、稠密で微少な音源配置を実現するために有用である。この測定システム50では、二次元に配列した振動子12と、各振動子に接続された伝送線路11と、それぞれの電線通路11の他端に接着された整合層51とからなる。振動子12は疎らに配列し、伝送線路11の先端には密に配列して整合層51に接合している。
上記測定システム50において、各振動子12に位相および振幅が制御された電気信号を印加すると、伝送線路11の先端では振動子面と振幅および形状が同じで縮小された超音波位相面が形成される。それにより伝送線路11の先端から整合層51を介して水中もしくは試料に向けて超音波を放射することが可能になる。この方式を用いることにより、高周波における電子走査型測定システムが実現できる。
つぎに実施例および比較例をあげて本発明の伝送装置および伝送線路の効果を説明する。
[モードフィルタ]
図2の資料番号#1、#3の形状のモードフィルタを作製し、これらを図1aに示すように振動子12を装着して実施例1および実施例2の伝送装置を作製した。そして振動子に電気信号を印加して超音波を発生させてモードフィルタに伝送し、さらに伝送線路11の先端から反射してきた信号をオッシロスコープで測定した。図12aは実施例1の伝送装置により得られた波形を示している。図12bはその波形のL(0,1)モードに対応する反射信号である。図13は実施例2の伝送装置により得られたL(0,1)モードに対応する反射信号である。
図12bにおける実施例1のL(0,1)モードに対応する反射信号に着目すると、L(0,1)モードに対応する信号成分は小さくなっている。これに対し、図13の波形(実施例2:試料番号#3)では、不要モードの発生が少なくなっており、急峻なテーパ部がモードフィルタとして動作していることが分かる。結果として高い変換効率が得られている。
各試料に対する電圧減衰量を表1にまとめて示す。
表1によれば、試料番号#を2.45MHzで動作させた場合(8.9dB)にもっとも電圧減衰量が小さくなっていることが分かる。
[収束部材の実施例]
つぎに図14に示すように、直径4cmの球面振動子12を直径4cm、焦点距離5cmのアルミニウムブロック製の収束部材21に接着した。さらに収束部材21の収束面にはテーパ状石英棒からなるモードフィルタ13の基部を接着し、先端部にカーボンコート石英ファイバーからなる伝送線路11の一端を融着接続して、図4aとほぼ同様の伝送装置を作製した。伝送線路11の他端には、エネルギー伝送確認のため、0.1gのゲルG(円形チューブにゲルを入れたもの)を設け、さらにその内部に温度計を挿入した。振動子12および収束部材21の大部分は冷却水Wに漬けた。
このような測定装置において、振動子12から発生した超音波をまず収束部材21で収束させ、伝送線路11を介してゲルGに超音波を照射した。そのときのゲルGの温度を測定すると、たとえば振動子の振動が2.447MHz(パワー25W)のときにゲルGの温度が約70℃まで上昇していた。これにより、高エネルギーの超音波伝送が実現できることが分かる。
[アプリケータの実施例]
図1bに示すアプリケータ14とほぼ同じ形状のカプセル状のアプリケータを伝送線路11の先端に装着した。アプリケータは溶融石英の端部を加熱してテーパ状に引き伸ばしたものである。アプリケータの構造は直径0.94mm、1.63mm、2.00mm、2.44mm、3.00mmの5種類で、長さを約13mmとした。アプリケータの先端は30゜〜90゜の円錐状あるいは角錘状の形状である。アプリケータの基端側には直径125μmのカーボンコートファイバー(カーボン層の厚約230μm)製の伝送線路を石英ファイバー融着接続機(株式会社フジクラ、FMS-05VH II型)を用いて接続した。
[伝送効率の測定]
ついで振動子を接着したテーパ状石英棒からなるモードフィルタに前記伝送通路の端部を融着して伝達効率の測定を行った。振動子に幅50μSのバースト波を印加して超音波を発生し、伝送通路を介してアプリケータに伝送し、アプリケータの先端から反射してきた反射波をオッシロスコープ上で測定した。アプリケータの先端部を空中に置いたときの反射波に対する受信電圧Vair(図15a)と、アプリケータの先端を約8mm水中に入れたときの受信電圧Vwater(図15b)を測定した。その結果を図15a、図15bに示す。さらにその結果から、η=(Vair−Vwater)/Vairにより、伝達効率ηを求めた。求めた伝達効率ηを図16に示す。
図16によれば、いずれの実施例についても伝達効率が40%以上で、実用的であることが分かる。ただし直径1.63mm以上のアプリケータは伝達効率が約60%以上で、さらに好ましいことが分かる。
[サファイアファイバーの実施例]
図6に示すように、直径200μmで長さが1mのサファイアファイバーの伝送線路11にセラミック振動子(PZT)の振動子12を接着し、その振動子12に20MHzの電気的バースト波を印加し、超音波を伝送通路11で伝送したときの高次反射をオッシロスコープ29で測定した。その結果を図17に示す。図17から分かるように、高次反射が多数観察されている。これはサファイアファイバー製の伝送通路11の中を20MHzの超音波が低損失で伝搬していることを示している。
図1aおよび図1bはそれぞれ本発明の超音波伝送装置の一実施形態を示す斜視図、図1cは図1bの要部拡大図である。 その超音波伝送装置のモードフィルタの半径と長さの関係を示すグラフである。 ポッシャマー・クリーの式により求めた超音波伝送の分散特性を示すグラフである。 図4aは本発明の超音波伝送装置の他の実施形態を示す斜視図、図4bはその要部断面図である。 石英ファイバーとサファイアファイバーを伝送する超音波のL(0,1)モード1m当たりの遅延時間を比較して示すグラフである。 本発明の超音波伝送装置を用いた測定システムの一実施形態を示すブロック図である。 本発明の伝送装置を用いた超音波診断システムの一実施形態の基本構成を示す要部概略斜視図である。 その超音波システムの全体構成図である。 図1bの超音波伝送装置の伝送線路をバンドル化した場合の概略斜視図である。 図10aおよび図10bはそれぞれ本発明の超音波伝送装置の他の実施形態を示す概略斜視図およびその要部斜視図である。 本発明の超音波伝送装置を用いた電子走査型測定システムの実施形態を示す概略斜視図である。 本発明の超音波伝送装置を用いて測定した測定データを示すグラフである。 本発明の超音波伝送装置を用いて測定した測定データを示すグラフである。 本発明の超音波伝送装置の他の実施形態を使用状態と共に示す斜視図である。 本発明の超音波伝送装置を用いて測定した測定データを示すグラフである。 本発明の超音波伝送装置を用いて測定した測定データを示すグラフである。 本発明の超音波伝送装置を用いて測定した測定データを示すグラフである。
符号の説明
10 伝送装置
11 伝送線路
12 振動子
13 モードフィルタ
13a 基部
13b 先端部
10a 伝送装置
14 アプリケータ
14a 基端
14b 先端
20 伝送装置
12a 振動面
21 収束部材
21a 凹面
21b 収束面
25 測定システム
26 第1増幅器
27 バースト波発生装置
28 第2増幅器
29 オッシロスコープ
30 診断システム
30a 診断システム
31 整合層
32 ミラー
32a 反射面
33 生体組織
34 受信用の増幅器
35 モニタ
36 楕円ミラー
37 整合層
38 水槽
39 整合層
40 楕円ミラー
41 水槽
42 伝送装置
T ターゲット
43 外套
44 伝送装置
45 テーパ部
46 レンズ部
47 整合層
48 ミラー
49 放射ユニット
50 測定システム
51 整合層

Claims (12)

  1. 略円柱状の超音波発生手段と、可撓性を有する超音波伝送線路と、前記超音波発生手段と超音波伝送線路の間に介在される、ポッシャマー・クリー波のL(0,1)モードを選択的に透過するためのモードフィルタと、前記超音波伝送線路の先端に設けられる放射器とを備え
    前記モードフィルタが、超音波発生手段に接合される基端側では伝送線路より太く伝送線路側では伝送線路と略同径の、平均勾配が10°〜60°で、基端側では勾配が大きく先端側では勾配が小さいテーパ状を呈し、
    前記放射器が、伝送線路より太いカプセル状の形態を備え、伝送線路と接合されていない側の自由端の先端が尖っている超音波伝送装置。
  2. 前記放射器が四分の一波長線路である請求項1記載の超音波伝送装置。
  3. 前記伝送線路が、サファイア、カーボンナノチューブ混入セラミックスおよびカーボンナノコイル混入セラミックスからなる群より選ばれた材料からなる可撓性を有する超音波伝送ファイバーである請求項1記載の超音波伝送装置
  4. 前記超音波伝送ファイバーが可撓性および防水性を備えた外套によって覆われている請求項記載の超音波伝送装置
  5. 前記超音波発生手段が超音波受信手段を兼ねており、前記放射器が、外部からの超音波を取得する受信機能を合わせて備えている請求項1〜4のいずれかに記載の超音波伝送装置
  6. 前記超音波伝送線路を複数本備えており、それぞれの超音波伝送線路に放射器が連結されている請求項1〜5のいずれかに記載の超音波伝送装置。
  7. 前記超音波伝送線路を複数本備えており、それぞれの超音波伝送線路に超音波発生手段が連結されている請求項1〜6のいずれかに記載の超音波伝送装置。
  8. 前記複数本の超音波伝送線路の全体が、防水性および耐捻り性を備えた外套によって被覆され、束ねられている請求項6または7記載の超音波伝送装置。
  9. 前記超音波伝送線路を複数本有すると共に、それらの複数本の超音波伝送線路が、トルクワイヤを有する外套によって被覆されている請求項1、6〜のいずれかに記載の超音波伝送装置。
  10. 前記超音波発生手段と超音波伝送線路とが、セラミックス系材料製または金属製の、超音波伝送線路側が細いテーパ状の接合部で接合されている請求項6または7記載の超音波伝送装置。
  11. 前記超音波発生手段が、円柱状で一端が凸面で他端が平坦な収束面である収束部材と、その収束部材の凸面に密に接合される凹面を有する振動子とからなり、前記収束部材の収束面に前記モードフィルタが接合されている請求項1〜9のいずれかに記載の超音波伝送装置。
  12. 略円柱状の超音波発生手段と、可撓性を有する超音波伝送線路と、前記超音波発生手段と超音波伝送線路の間に介在される、ポッシャマー・クリー波のL(0,1)モードを選択的に透過するためのモードフィルタと、前記超音波伝送線路の先端に設けられる放射器とを備え、
    前記モードフィルタが、超音波発生手段に接合される基端側では伝送線路より太く伝送線路側では伝送線路と略同径の、平均勾配が10°〜60°で、基端側では勾配が大きく先端側では勾配が小さいテーパ状を呈し、
    前記伝送線路が、サファイア、カーボンナノチューブ混入セラミックスおよびカーボンナノコイル混入セラミックスからなる群より選ばれた材料からなる可撓性を有する超音波伝送ファイバーであり、
    前記超音波発生手段が超音波受信手段を兼ね、前記放射器が整合層からなり、外部からの超音波を取得する受信機能を合わせて備えてい音波伝送装置。
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