JP4346796B2 - 熱溶融型熱転写記録用紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は熱溶融型熱転写プリンターに適したドット再現性に優れた熱転写用紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのインク層を塗工したフィルム(インクリボン)と紙(受像紙)とを合わせてサーマルヘッドに通し、そこで熱を与えてインクを紙に加熱溶融転写させる溶融型熱転写プリンターが普及してきている。
【0003】
このシステムにおける受像紙としてはスーパーカレンダー等で表面処理した平滑度の高い紙が熱転写用紙として使用されてきた。特にその記録面の平滑度を100秒以上にすると転写画像の鮮明度が改善されることが従来知られている。平滑度が高いとインクリボンとの密着性が高まるため、インク転写性は良くなるからである。
【0004】
しかし、近年より高精細、高画質化の要求が高まっており、従来の熱転写用紙では、ハーフトーンでの印刷濃度階調再現性、高濃度領域における印刷濃度階調再現性、低濃度領域におけるドット抜け(再現性)の発生により高解像度、高精細な印刷特性が得られていなかった。
【0005】
一方、光沢度の高い塗工紙として、アート紙やキャストコート紙は、塗工層表面の凹凸及び空隙が少なく、溶融したインクを十分に受容できないため、転写不良が顕著に起こる。したがって熱転写用紙としては不向きであった。そこで、特定の比表面積を有する合成シリカを一定以上含有せしめ、キャストコートすることで光沢度が高くインク転写性を改善する方法(特開平5―131766号公報)が提案された。
【0006】
しかし、合成シリカなどの比表面積の高い顔料をコート層に含有することは、塗工層表面の凹凸及び空隙の増大により転写特性を改善するが、その一方で、転写特性が必要以上に良すぎるとサーマルヘッドが加熱されていない状態でもインクが紙に薄く転写される現象(リボン汚れ)が発生すること、サーマルヘッドに対する摩耗性が悪くプリンターを傷めやすいこと、一般のキャストコート紙等に比べ光沢が低くなることなどの問題があった。さらにインク転写性が改善されていながらも低濃度領域でのドット抜け(再現性)、ハーフトーンの再現性、高濃度領域における印刷濃度階調再現性は不十分であった。
【0007】
また、マイクロカプセル状の中空ポリマー粒子を中間層に用いることで断熱性を向上させ、転写性を改善する提案(特開平11−321128号公報)もなされたが、溶融型熱転写においてはインクと接触する最表面の影響が大きいため、一般のオフセット印刷や銀塩写真に匹敵するような高精細、高画質な画像を得ることができなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行なった結果、熱溶融型熱転写プリンターに適したドット再現性に優れた熱転写用紙を発明し、完成させた。すなわち、本発明は、溶融型の熱転写記録において、インクの転写性が良好であり、低濃度から高濃度まで全ての領域においてドット抜けがなく、ドット再現性が良好であり印刷濃度階調再現性に優れているとともに、リボン汚れが無く、ヘッド摩耗性が良好であり、鮮明な高解像度の画像をカラープリンター等で得られる熱転写用紙を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した発明は、支持体上に少なくとも1層以上の塗工層を設けた熱転写用紙において、該塗工層の最表層が記録層であり、平均粒子径1.0〜10μmのマイクロカプセル状の中空ポリマー粒子である空隙を有する有機顔料80〜90(80以上90以下)重量部とJIS K 5101法による吸油度60ml/100g以上の無機顔料20〜10(10以上20以下)重量部とからなる100重量部の顔料と、該顔料100重量部に対し15〜80(15以上80以下)重量部の結着剤とにより該記録層を形成したことを特徴とする熱溶融型熱転写記録用紙である。この発明においては前記塗工層の最表層の記録層が、キャストコート法のうちゲル化法で形成された塗工層であることが好ましい(請求項2に記載した発明。)。
【0010】
空隙を有する有機顔料を使用すると記録層のクッション性が向上するため、サーマルヘッドと記録面との密着性及び断熱性が向上して、サーマルヘッドの熱エネルギーが無駄なく伝達される。その結果、発色感度向上の効果が得られる。また、無機粒子に比べて有機顔料は柔らかいためにヘッド摩耗がほとんど発生しない。本発明においては、有機顔料の配合量は、80〜90重量部が好適である。80重量部より少ないと記録層の平滑性、断熱性が劣るためである。
【0011】
無機顔料は、JIS K 5101法による吸油度が60ml/100g以上の無機顔料が好ましい。多孔性であるため溶融したインクを吸収し、インク転写性及びインク定着性が向上するからである。このような無機顔料は、配合量は10〜20重量部が好適である。その配合量が20重量部より多い場合にはリボン汚れが発生しやすく、ヘッド摩耗が大きい。
【0012】
したがって顔料は、有機顔料80〜90重量部及び無機顔料20〜10重量部の割合で形成することが好ましい。
【0013】
塗工液組成中のバインダー(結着剤)の添加量は、顔料100重量部に対して15〜80重量部であることが好ましい。バインダーが顔料100重量部に対して15重量部より少ないと塗工層の強度が弱く、塗工層の脱落、粉落ちなどの問題が発生するため好ましくない。また、80重量部を越えると塗工性の悪化や塗工層のポーラス性を阻害するため好ましくない。なお、塗工液組成中のバインダーの添加量は、顔料100重量部に対して25〜60重量部であることが特に好ましい。
【0014】
本発明により得られる熱転写用紙は、インクの転写性が良好であり、低濃度から高濃度まで全ての領域においてドット抜けがなく、ドット再現性が良好であり印刷濃度階調再現性に優れているとともに、リボン汚れが無く、ヘッド摩耗性が良好であり、鮮明な高解像度の画像をカラープリンター等で得られることができた。
【0015】
請求項1に記載した発明は、上記空隙を有する有機顔料が平均粒子径1.0〜10μmのマイクロカプセル状の中空ポリマー粒子であることを特徴とする。
【0016】
本発明に用いる空隙を有する有機顔料は、その顔料に空隙を有していて、なおかつ平均粒子径が1.0μm以上10μm以下のものが特に好ましい。平均粒子径は1.0μm未満では中空の粒子としての特性である十分な断熱性が得られず、10μmを越えると記録層の凹凸が大きくなるためインクの転写が悪くなり好ましくない。また、2種以上の異なる粒子径のものを併用することも可能である。本発明では、記録層の凹凸を最小限に抑えつつ、表面層の断熱性を確保したためさらに転写性をよくすることができた。
【0017】
請求項3に記載した発明は、上記記録層の密度が0.65g/cm3以下であることを特徴とする請求項1または2記載の熱溶融型熱転写記録用紙である。
【0018】
本発明における記録層は、その記録層密度が0.65g/cm3以下であることが好ましい。本発明により記録層密度を低くすることによって断熱性を向上させ、溶融インクの転写特性を向上せしめることができた。
【0019】
記録層密度の調整は、塗工速度、ゲル化の程度、加圧装置での加圧条件等を使用する設備、塗工液に応じて最適条件を求めることで適正化する必要がある。記録層密度が0.65 g/cm3を超えると断熱性能が不足となり、記録層密度が高いほど転写特性が悪化していく。従って、加圧装置等で表面を加圧して平滑性を向上しても、記録層密度を必要以上に高くし過ぎると転写特性を損なうことになる。
【0020】
本発明においては、塗工層のなかで特に中間層を必要としなくても良好な熱転写特性を有するものであるが、中間層を設けても何ら差し支えなく、塗工層の最表層である記録層が上記のごとく形成されていれば良いものとする。
【0021】
請求項4に記載した発明は、上記記録層の表面を平滑に形成し、かつ、該記録層をポーラスに形成したことを特徴とする請求項1、2または3記載の熱溶融型熱転写記録用紙である。
【0022】
特に好ましい塗工方法はキャストコート法であり、中でもゲル化法が好適である。ここでゲル化法とは、原紙に塗被した湿潤塗被層を酸あるいは塩類で凝固させた後、加熱された金属ドラムに圧接して乾燥後、剥離するキャスト塗被紙の製造方法を言う。バインダーとしてゲル化剤と効果的にゲル化するものを選択すれば、塗工速度の向上、塗工面の仕上げ状態の向上に効果がある。ゲル化法により得られた塗工層は、平滑であり転写特性がよく、かつ、ポーラスな塗工層が形成されるため断熱性の向上に効果がある。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる空隙を有する有機顔料は、その顔料に空隙を有しているものである。このような有機顔料としては、樹脂の外殻の内部に水が入っており、乾燥時に水が飛び出して中空となるタイプと熱可塑性の外殻の内部にプロパン、n−ブタン、イソプロパンなどの揮発性熱膨張剤を含有するものが一般に知られている。記録層としては、製造時の安定性等を考慮すると樹脂の外殻の内部に水が入っており、乾燥時に水が飛び出して中空となるタイプの有機顔料がより好適である。
【0024】
有機顔料の組成は特に限定されるものではないが、スチレン、エチレン、塩化ビニル、ポリウレタン、アクリル、酢酸ビニル、ポリカーボネート、ナイロンなどのポリマー微粒子およびこれらの共重合体などが挙げられる。耐熱性等の観点からスチレン‐アクリル共重合体が好適に用いられる。
【0025】
無機顔料としては、焼成カオリン、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、ケイソウ土等が挙げられる。
【0026】
バインダーとしては、顔料及び原紙との接着力が強く、用紙間でまたは用紙とインクリボンとの間でブロッキングを起こさない樹脂が好ましく、エマルジョン、ラテックス、天然高分子等を単独または組み合わせて使用できる。このようなバインダーとしては、スチレン‐ブタジエン共重合体、変性スチレン‐ブタジエン共重合体、アクリロニトリル‐ブタジエン共重合体、メチルメタアクリレートーブタジエン共重合体、クロロプレンラテックス、アクリル酸エステル及びメタアクリル酸エステルの重合体又は共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル‐マレイン酸エステル共重合体、アクリル‐酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル共重合体、でんぷん、酸化でんぷん、エステル化でんぷん、酵素変性でんぷん、カチオン化でんぷん、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリアクリルアミド類、ポリビニルピリジン、ポリエチレンオキサイド、ポリビニルピロリドン、カゼイン、アルギン酸ソーダ、ポリスチレンスルホン酸ソーダ、でんぷん‐アクリロニトリルグラフトポリマー加水分解物、スルホン化キチン、並びにカルボキシル化キチン、キトサン、又はそれらの誘導体等を例示することができる。中でも断熱性の観点から、スチレン‐ブタジエン共重合体系、ポリウレタン系の樹脂が好ましい。
【0027】
塗工液には、必要に応じて分散剤、消泡剤、離型剤、PH調整剤、潤滑剤、保水剤、増粘剤、界面活性剤、蛍光増白剤、着色顔料、着色染料、流動改良剤などを適宜選定して添加することができる。
【0028】
所定の配合で調整された塗工液を公知の塗工方法によって塗工層を設けることができる。記録層を得るための塗工方式は特に限定されるものではなく、一般の塗工方式、例えば、ブレードコーター、ロールコーター、リバースロールコーター、エアーナイフコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、チャンブレックスコーター、リップコーター、又はロッドコーターなどの塗工方式を採用することができる。
【0029】
ゲル化法によってキャストコートする場合に使用されるゲル化剤としては、ギ酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、塩酸、硫酸及びカルシウム、亜鉛、バリウム、鉛、マグネシウム、カドミウム、又はアルミニウム等の各塩、更に硫酸カリウム、クエン酸カリウム、ホウ砂、又はホウ酸等が一般的であるが、本発明においては特に限定されるものではない。
【0030】
塗工量については片面あたりの乾燥塗工量を5g/m2以上50g/m2以下、好ましくは7g/m2以上35g/m2以下として、オンマシンあるいはオフマシンコーターで単層あるいは多層塗工する。塗工量が5g/m2より少ない場合には、紙表面の被覆が不十分であるため均一な表面性を得ることが困難である。また、塗工量が50g/m2を越える場合はコスト高になってしまうため、好ましくない。
【0031】
支持体としては、酸性及び中性の上質紙や中質紙、塗工紙等が使用できるが、塗工原紙としての塗工適性を備えた支持体を使用することが好ましい。また、ゲル化を促進させる為に、支持体にあらかじめゲル化剤を内添又は塗布した支持体を用いても良い。
【0032】
なお、本発明の熱溶融型熱転写記録用紙は、外観や平滑性向上の目的で記録層を塗布後スーパーカレンダーやソフトカレンダーなど公知の加圧装置にて平滑化処理を行うことが出来る。また、必要に応じて裏面に帯電防止処理、滑り性を付与する為の処理、タック加工などを施すことも出来る。
【0033】
【実施例】
以下実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、例中の「部」及び「%」は特に断らない限り「重量部」及び「重量%」を示す。
【0034】
参考例1
LBKP90部、NBKP10部からなるパルプ配合に、パルプに対し、カチオンでんぷん0.7%、アルケニル無水コハク酸0.07%、重質炭酸カルシウム20%、バンド1%を添加して調整した原料を長網式抄紙機で抄紙し、サイズプレスにおいて表面サイズ剤(アルキルケテンダイマー)を含有した水溶液を乾燥固形量両面に0.5g/m2になるように処理し、乾燥後米坪84.3g/m2の原紙を得た。別に空洞を有する有機顔料100部(商品名:ローペイクHP−91、ロームアンドハース社製、平均粒子径1.0μm)にカゼイン溶液10部(固形分)、スチレン‐ブタジエン共重合ラテックス10部(固形分)を加え更に、水を加えて固形分濃度23%の塗工液を調整した。このようにして得た塗工液を前記の原紙に片面乾燥重量20g/m2になるようにリバースロールコーターで塗工を行い、次いでギ酸カルシウムでゲル化処理を行った後、100℃に加熱した鏡面を有するキャストドラムに圧着して乾燥し、熱転写用紙を得た。
【0035】
実施例2
塗工層成分の顔料として空隙を有する有機顔料90部(商品名:ローペイクHP−91、ロームアンドハース社製、平均粒子径1.0μm)と焼成カオリン10部(商品名:アンシレックス93、エンゲルハード社製、吸油度80ml/100g)とした以外は参考例1と同様にして熱転写用紙を得た。
【0036】
実施例3
塗工層成分の顔料として空隙を有する有機顔料80部(商品名:ローペイクHP−91、ロームアンドハース社製、平均粒子径1.0μm)と焼成カオリン20部(商品名:アンシレックス93、エンゲルハード社製、吸油度80ml/100g)とした以外は参考例1と同様にして熱転写用紙を得た。
【0037】
参考例2
顔料として中空粒子100部(商品名:GMH−0850、ガンツ化成社製、平均粒子径8μm)を使用した以外は参考例1と同様にして熱転写用紙を得た。
【0038】
実施例5
塗工層成分のバインダーとしてカゼイン20部(固形分)、スチレン‐ブタジエン共重合ラテックス30部(固形分)とした以外は、参考例1と同様にして熱転写用紙を得た。
【0039】
実施例6
塗工層成分のバインダーとしてカゼイン20重量部(固形分)、スチレン‐ブタジエン共重合ラテックス50部(固形分)とした以外は、参考例1と同様にして熱転写用紙を得た。
【0040】
実施例7
塗工層成分のバインダーとしてカゼイン20重量部(固形分)、ポリウレタン樹脂10部(固形分)とした以外は、参考例1と同様にして熱転写用紙を得た。
【0041】
実施例8
実施例2の塗工液を市販のコート紙(ホワイトーン、日本加工紙製)に片面乾燥重量10g/m2になるようにエアーナイフコーターで塗工を行い、スーパーカレンダーにて平滑化処理を行い熱転写用紙を得た。
【0042】
比較例1
顔料として空隙を有する有機顔料60部(商品名:ローペイクHP−91、ロームアンドハース社製、平均粒子径1.0μm)と軽質炭酸カルシウム40部(商品名:TP222HS、奥多摩工業社製、吸油量28ml/100g)とした以外は、参考例1と同様にして熱転写用紙を得た。
【0043】
比較例2
顔料として中空粒子100部(商品名:マイクロスフェアF−30、松本油脂製、平均粒子径17μm)とした以外は、参考例1と同様にして熱転写用紙を得た。
【0044】
比較例3
塗工層成分のバインダーとしてカゼイン10重量部(固形分)とした以外は、参考例1と同様にして熱転写用紙を得た。
【0045】
比較例4
塗工層成分のバインダーとしてカゼイン50重量部(固形分)、スチレン‐ブタジエン共重合ラテックス50部(固形分)とした以外は、参考例1と同様にして熱転写用紙を得た。
【0046】
以上の実施例及び比較例において得られた熱転写用紙について、表1に紙質及び熱転写印刷評価結果を示す。なお、実施例及び比較例の紙質及び熱転写評価の方法は以下に示すとおりである。
(1)塗工層密度:次式により算出した。
塗工層密度(g/cm3)=塗工量(g/m2)/(塗工後厚さ(mm)−支持体厚さ(mm))/1000
(2)ドット再現性:アルプス電気製フルカラー熱転写プリンター(商品名:MD−5000)でCMYKの単色及び混色で濃度階調を10〜100%まで10%間隔で変化させたグラデーションパターンを印字する(ベタ印刷が100%)。各濃度領域において、ドット抜けなどのミスドットの発生状況を目視により判定した。ミスドットが全くないものを○、ミスドットがわずかに発生するものを△、ミスドットが多く発生するものを×とした。
(3)ベタ部均一性:アルプス電気製フルカラー熱転写プリンター(商品名:MD−5000)でCMYKの単色及び混色でベタ印刷を印字し、インク転写の均一性を目視により判定した。ベタ均一性が特によいものを◎、よいものを○、やや悪いものを△、悪いものを×とした。
(4)ハーフトーン均一性:アルプス電気製フルカラー熱転写プリンター(商品名:MD−5000)でCMYKの単色及び混色でグラデーションを印字する。グラデーションの階調の滑らかさを目視により判定した。グラデーションが非常に滑らかであるものを◎、滑らかであるものを○、わずかに滑らかさに欠けるものを△、滑らかでないものを×とした。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によって、空隙を有する有機顔料を使用すると記録層のクッション性が向上するため、サーマルヘッドと記録面との密着性及び断熱性が向上して、サーマルヘッドの熱エネルギーが無駄なく伝達される。その結果、発色感度向上の効果が得られる。また、無機粒子に比べて有機顔料は柔らかいためにヘッド摩耗がほとんど発生しない。またリボン汚れも発生しない。また、記録層の凹凸を最小限に抑えつつ、表面層の断熱性を確保できたので、さらに転写性をよくすることができた。
【0049】
請求項2に記載の発明では、ゲル化法によって得られた塗工層は、平滑であり転写特性がよく、かつ、ポーラスな塗工層が形成されているため、断熱性の向上に効果があった。
【0050】
請求項3に記載の発明によって、記録層密度を低くすることによって断熱性を向上させ、溶融インクの転写特性を向上せしめることができた。
【0051】
請求項4記載の発明によって、表面が平滑のため転写特性がよく、かつ、ポーラスな塗工層が形成されるため断熱性の向上に効果があった。さらにバインダーとしてゲル化剤と効果的にゲル化するものを選択すれば、塗工速度の向上、塗工面の仕上げ状態の向上に効果がある。
【0052】
以上詳述したごとく、本発明の熱転写用記録紙は、インクの転写性が良好であり、低濃度から高濃度まで全ての領域においてドット抜けがなく、ドット再現性が良好であり、印刷濃度階調再現性に優れている。さらに、リボン汚れが無く、ヘッド摩耗性が良好であり、鮮明な高解像度の画像を得ることができるため、特に溶融型熱転写プリンターの熱転写用記録紙として好適である。
Claims (4)
- 支持体上に少なくとも1層以上の塗工層を設けた熱転写用紙において、該塗工層の最表層が記録層であり、平均粒子径1.0〜10μmのマイクロカプセル状の中空ポリマー粒子である空隙を有する有機顔料80〜90重量部とJIS K 5101法による吸油度60ml/100g以上の無機顔料20〜10重量部とからなる100重量部の顔料と、該顔料100重量部に対し15〜80重量部の結着剤とにより該記録層を形成したことを特徴とする熱溶融型熱転写記録用紙。
- 前記塗工層の最表層の記録層が、キャストコート法のうちゲル化法で形成された塗工層であることを特徴とする請求項1に記載の熱溶融型熱転写記録用紙。
- 上記記録層の密度が0.65g/cm3以下であることを特徴とする請求項1または2記載の熱溶融型熱転写記録用紙。
- 上記記録層の表面を平滑に形成し、かつ、該記録層をポーラスに形成したことを特徴とする請求項1、2または3記載の熱溶融型熱転写記録用紙。
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KR101354838B1 (ko) * | 2012-09-05 | 2014-01-23 | 손영길 | 고속 건조 승화 열전사지 |
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KR101354838B1 (ko) * | 2012-09-05 | 2014-01-23 | 손영길 | 고속 건조 승화 열전사지 |
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