JP4346268B2 - 廃棄物処理装置および廃棄物処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば畜産糞尿等の廃棄物を処理する廃棄物処理装置および廃棄物処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
畜産糞尿等の廃棄物は、メタン発酵処理等の廃棄物処理が行われている。しかし、このような廃棄物処理では処理しきれない物質が廃棄物に含まれていることがある。特に廃棄物が畜産糞尿である場合には、家畜の成育、病気の予防もしくは治療、良質な肉質を得るなどの目的のために家畜に投与されたホルモン剤や抗生物質のうち、生体に代謝吸収されない過剰分が含有していることがある。
【0003】
このようなホルモン剤等を含有する畜産糞尿に対して、メタン発酵などの廃棄物処理を行ったとしても、前記ホルモン剤等は処理されないことがある。なぜなら畜産糞尿に含まれる前記ホルモン剤等は、生分解性が極めて低いとともに水に不溶であるため、メタン発酵等の廃棄物処理の過程や水処理では分解されないことがあるためである。従って、畜産糞尿が処理された後の処理廃液には、これらのホルモン剤等が残存していることとなる。前記処理廃液が環境中に放出されると、前記処理廃液に含まれるホルモン剤等も放出されて環境中に拡散されることとなる。そして環境中に放出されたホルモン剤等は、いわゆる環境ホルモン様物質として環境ホルモン様作用を示すことが考えられる。
【0004】
これまで、ホルモン剤等の環境ホルモン様物質の処理は、上述したように一般的な処理(活性汚泥処理等)では分解処理できないために、膜法やオゾン法等の高次処理が必要であった。しかし、これらの高次処理は高価であるとともに、処理効率が低いという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、畜産糞尿等の廃棄物に含まれる環境ホルモン様物質を除去し、かつ環境への拡散を防止するとともに、環境ホルモン様物質を安全、安価に処理する、廃棄物処理装置および廃棄物処理方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、第1の態様に記載の廃棄物処理装置の発明は、廃棄物を処理する廃棄物処理槽と、前記廃棄物処理槽より排出される処理廃液に含まれる環境ホルモン様物質を可燃性溶媒で抽出する抽出処理手段と、前記環境ホルモン様物質を抽出した前記可燃性溶媒を燃焼処理する燃焼装置とを備えていることを特徴とする。
【0007】
この特徴によれば、廃棄物処理槽より排出される処理廃液に含まれる環境ホルモン様物質を可燃性溶媒で抽出する抽出処理手段を備えているため、廃棄物処理槽で分解処理されない環境ホルモン様物質を、可燃性溶媒を用いて処理廃液より除去することができる。すなわち、環境ホルモン様物質を前記処理廃液から前記可燃性溶媒に移行させることが可能である。従って、抽出処理を行った後の処理廃液が環境中に放出されても、前記処理廃液には環境ホルモン様物質が含まれていないため、環境ホルモン様物質が環境中に拡散される虞がない。
【0008】
また、環境ホルモン様物質を含む可燃性溶媒を燃焼処理する燃焼装置を備えているため、環境ホルモン様物質を可燃性溶媒とともに燃焼させることにより、安全且つ効率的に環境ホルモン様物質を分解処理することができる。
【0009】
つまり本発明の廃棄物処理装置によって、廃棄物に含まれる環境ホルモン様物質を取り除き、かつ環境への拡散を防止することができるとともに、燃焼させて処理することが可能である。
【0010】
また、第2の態様に記載の廃棄物処理装置の発明は、第1の態様において、前記廃棄物処理槽は、前記廃棄物をメタン発酵処理するメタン発酵槽であることを特徴とする。
【0011】
廃棄物のうち畜産糞尿はメタン発酵槽で処理することが多く、これら畜産糞尿には家畜に投与されたホルモン剤や抗生物質等の環境ホルモン様物質のうち、生体に代謝吸収されなかったものが高濃度で含まれていることがある。従って本発明の特徴によれば、前記畜産糞尿をメタン発酵処理槽において処理した後、メタン発酵処理されない環境ホルモン様物質を高濃度で含む処理廃液に対して抽出処理を行うことによって、環境ホルモン様物質を一層効率よく除去することが可能である。すなわち、廃棄物が畜産糞尿である場合において、抽出対象物である畜産糞尿のメタン発酵後の処理廃液には、環境ホルモン様物質が高い濃度で含まれており、該処理廃液に対して抽出処理を行うことによって、環境ホルモン様物質を高効率で取り除くことができる。
【0012】
また、メタン発酵槽を備えた既存の廃棄物処理装置に、環境ホルモン様物質を可燃性溶媒で抽出する抽出処理手段を新たに設置するだけで足り、低コストで環境ホルモン様物質を処理することが可能である。さらに、メタン発酵槽よりメタン発酵処理中にメタンガスが産出するため、該メタンガスを新たなエネルギー源として用いることができる。
【0013】
また、第3の態様に記載の廃棄物処理装置の発明は、第2の態様において、前記燃焼装置は、前記可燃性溶媒を前記メタン発酵槽より産出するメタンガスとともに燃焼させる構成であることを特徴とする。
【0014】
この特徴によれば、燃焼装置は、可燃性溶媒をメタン発酵槽より産出するメタンガスとともに燃焼させる構成であるため、メタン発酵槽より産出するメタンガスを有用に活用することができる。
【0015】
また、メタン発酵槽を備えた既存の廃棄物処理装置は、該メタン発酵槽より産出するメタンガスを燃焼させる燃焼装置を設けていることが多い。従って前記燃焼装置を使用して、環境ホルモン様物質を含む可燃性溶媒を前記メタンガスとともに燃焼させることが可能である。すなわち、環境ホルモン様物質を含む可燃性溶媒用の燃焼装置を新たに設けることを必要とはせず、既存の燃焼装置を用いることが可能となる。従って、低コストで環境ホルモン様物質を処理することができるとともに、廃棄物処理装置の構造を簡単なものとすることができる。
【0016】
また、第4の態様に記載の廃棄物処理装置の発明は、第1の態様から第3の態様のいずれか一つにおいて、前記燃焼装置はエネルギー産出用燃焼装置であることを特徴とする。
【0017】
この特徴によれば、燃焼装置はエネルギー産出用燃焼装置であるため、燃焼により発生する熱エネルギーをエネルギー産出用燃焼装置により電気エネルギーなどの他のエネルギーに変換することができる。すなわち、燃焼に伴い発生するエネルギーを有用に活用することが可能であるとともに、廃棄物処理装置としてエネルギー効率を高めることができる。
【0018】
また、第5の態様に記載の廃棄物処理方法の発明は、廃棄物を生物学的処理する工程と、前記生物学的処理する工程より排出される処理廃液に含まれる環境ホルモン様物質を可燃性溶媒で抽出する工程と、前記環境ホルモン様物質を抽出した前記可燃性溶媒を燃焼処理する工程を備えていることを特徴とする。
この特徴によれば、生物学的処理工程を経た処理廃液に含まれる環境ホルモン様物質を可燃性溶媒で抽出する工程を備えているため、生物学的処理工程で分解処理されない環境ホルモン様物質を、可燃性溶媒を用いて処理廃液より除去することができる。すなわち、環境ホルモン様物質を前記処理廃液から前記可燃性溶媒に移行させることが可能である。従って、抽出処理を行った後の処理廃液が環境中に放出されても、前記処理廃液には環境ホルモン様物質が含まれていないため、環境ホルモン様物質が環境中に拡散される虞がない。
【0019】
また、環境ホルモン様物質を含む可燃性溶媒を燃焼処理する工程を備えているため、環境ホルモン様物質を可燃性溶媒とともに燃焼させることにより、安全且つ効率的に環境ホルモン様物質を分解処理することができる。
つまり本発明の廃棄物処理装方法によって、廃棄物に含まれる環境ホルモン様物質を取り除き、かつ環境への拡散を防止することができるとともに、燃焼させて処理することが可能である。
【0020】
また、第6の態様に記載の廃棄物処理方法の発明は、第5の態様において、前記生物学的処理はメタン発酵であることを特徴とする。
【0021】
廃棄物のうち畜産糞尿はメタン発酵で処理する場合が多く、これら畜産糞尿には家畜に投与されたホルモン剤や抗生物質等の環境ホルモン様物質のうち、生体に代謝吸収されなかったものが高い濃度で含まれていることがある。従って本発明の特徴によれば、前記畜産糞尿をメタン発酵する工程において処理した後、メタン発酵処理しきれない環境ホルモン様物質を高い濃度で含む処理廃液に対して抽出処理を行うことによって、環境ホルモン様物質を一層効率よく除去することができる。すなわち、廃棄物が畜産糞尿である場合、抽出対象物である畜産糞尿のメタン発酵後の処理廃液には環境ホルモン様物質が高い濃度で含まれており、該処理廃液を抽出処理することによって高効率で環境ホルモン様物質を取り除くことが可能である。さらに、メタン発酵の工程より産出するメタンガスを新たなエネルギー源として用いることができる。
【0022】
また、第7の態様に記載の廃棄物処理方法の発明は、第6の態様において、前記可燃性溶媒を、前記メタン発酵処理する工程より産出されるメタンガスとともに燃焼させることを特徴とする。
この特徴によれば、環境ホルモン様物質を含む可燃性溶媒を、メタン発酵処理工程より産出するメタンガスとともに燃焼させる工程を含んでいるため、該メタンガスを有用に活用することが可能である。また、メタン発酵処理工程を有する廃棄物処理方法では、メタンガスを燃焼処理するメタンガス燃焼工程を備えていることが多い。したがって、前記メタンガス燃焼工程において、環境ホルモン様物質を含有する可燃性溶媒を、メタンガスとともに燃焼させることによって、可燃性溶媒を燃焼させるための新たな燃焼工程を設けることを必要としない。従って、既存の燃焼工程を用いることができ、低コストで環境ホルモン様物質を処理することができるとともに、廃棄物処理方法を簡単なものとすることが可能である。
【0023】
また、第8の態様に記載の廃棄物処理方法の発明は、第5の態様から第7の態様のいずれか一つにおいて、前記可燃性溶媒を燃焼処理する工程より産出する熱エネルギーを、エネルギー変換する工程を含んでいることを特徴とする。
この特徴によれば、可燃性溶媒を燃焼処理する工程より産出する熱エネルギーを、エネルギー変換する工程を含んでいるため、燃焼に伴い発生する熱エネルギーを有用に活用することが可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明において、「環境ホルモン様物質」とは、人工的な化学物質であってホルモンと類似の働きをし、微量で生物機能に影響をあたえる物質、もしくは影響をあたえる虞がある物質を意味するものである。
【0025】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る廃棄物処理装置100の概略構成図である。廃棄物処理装置100は、主要な構成として、メタン発酵槽10と、抽出処理装置20と、燃焼装置30を備えている。
【0026】
この廃棄物処理装置100では、畜産糞尿、生ゴミ、工業廃水の汚泥等の有機性の廃棄物12を処理することができる。特に畜産糞尿には、家畜に投与されたホルモン剤等の環境ホルモン様物質のうち、生体に代謝吸収されないものが***されることから、環境ホルモン様物質を高濃度で含有していることがある。従って、廃棄物12が畜産糞尿であると、効率よく環境ホルモン様物質を処理することができるため、好ましい。
【0027】
メタン発酵槽10は、従来用いられる形態のものでよく、廃棄物12を充分にメタン発酵させて処理することができればよい。メタン発酵の形式としては、例えば、高温一段発酵、高温−中温二段発酵、および低温一段発酵等を挙げることができる。また、メタン発酵槽10の形状としては、例えば、円筒形、卵形等を挙げることができる。
勿論、廃棄物処理はメタン発酵に限られるものではなく、その他の廃棄物処理方法を実施可能な廃棄物処理槽を用いることができる。
【0028】
廃棄物12のメタン発酵によって産出したメタンガス13は、メタン発酵槽10より排気されてガスホルダー19に蓄えられるように構成されている。メタン発酵により産出されるガスはメタンガス13を主成分としているが、このほかにも二酸化炭素等の副成分が含まれていることがあるため、これら副成分のガスを分離除去したのちメタンガスの濃度を高めて、ガスホルダー19に送気することもできる。
【0029】
メタン発酵槽10においてメタン発酵処理された畜産糞尿は、処理廃液21として排出されて抽出処理装置20へ送液されるように構成されている。この際必要により、処理廃液21に含まれる固形物の分離のため、固液分離を行うこともできる。固液分離を行った場合には、分離された固形物(残査)に環境ホルモン様物質が含まれている虞があるため、該残査に対しても環境ホルモン様物質の抽出処理を行うことができるようになっている。そして、抽出処理装置20において可燃性溶媒22によって、処理廃液21に含まれる環境ホルモン様物質が抽出されて、環境ホルモン様物質が可燃性溶媒22に移行されるようになっている。
【0030】
抽出処理装置20としては、例えば、ミキサーセルラー型の抽出装置を使用することができる。一般的な処理手順としては、10Lの処理廃液21に対して、可燃性溶媒22として、例えばn−ヘキサンを10L〜40Lの比率で混合する。そして、前記ミキサーセルラー型の抽出装置を用いて処理廃液21と可燃性溶媒22を充分に混合させて、処理廃液21に含まれる環境ホルモン様物質をn−ヘキサン(可燃性溶媒)で抽出して、可燃性溶媒22に移行させる。勿論、同一の処理廃液に対して、可燃性溶媒による抽出処理を複数回行い、環境ホルモン様物質の抽出をより完全なものとすることも可能である。
【0031】
なお、水と不溶な可燃性溶媒(可燃性低極性溶媒)や水においても抽出されず、メタノールやエタノールなどのアルコール系溶媒に高い溶解性を示す環境ホルモン様物質(例えば、アンピシリン等)を含む処理廃液においては、シリカゲルやC18などの逆相担体を詰めたカラムに該処理廃液を流し、前記処理廃液に含まれる該環境ホルモン様物質(例えば、アンピシリン等)を前記担体に吸着させた後、該担体に吸着している前記環境ホルモン様物質をメタノールやエタノールなどのアルコール系溶媒で溶出させることによって、前記処理廃液から前記環境ホルモン様物質を抽出して、溶媒(アルコール系など)に移行させることができる場合もある。なお、環境ホルモン様物質の抽出処理が行われた処理廃液21は、必要により更なる廃水処理が行われたのちに放出されるようになっている。
【0032】
抽出処理に用いられる可燃性溶媒としては、可燃性であって処理廃液に含まれる環境ホルモン様物質を抽出できればよく、例えば、ベンゼン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン、ニトロベンゼン、アミルベンゼン、2,2,3−トリメチルペンタン、メチルシクロペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、n−ドデカン、n−テトラデカン、n−セタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、2,3−ジメチルペンタン、2,3−ジメチルブタン、3,3−ジメチルブタン、2,2,4−トリメチルペンタン、2,2,3−トリメチルペンタンを挙げることができる。これらの可燃性溶媒は処理廃液、抽出方法等の諸条件により、一種または数種の混合溶媒として用いることができる。さらに上述したような、アルコール系溶媒に高い溶解性を示す環境ホルモン様物質を含有する処理廃液においては、メタノール、エタノールなどのアルコール系の可燃性溶媒を用いることができる場合もある。
【0033】
また、上述した可燃性溶媒で抽出される環境ホルモン様物質としては、例えば、成長・性ホルモンもしくは抗生物質を挙げることができる。成長・性ホルモンとしては、例えば、エストロジェン、エストラジオール、エルトロン、酢酸コルチン、酢酸ハイドロコルチゾン、プレドニゾロン、ジエチルスチルペストロール、テストストロン、ヘキセストロール、チロプロティン、ヨウ素化カゼイン、FES、ゴイトロジェン、サイオウラシール、プロゲストロン、メレンゲストロールアセテート、アルソン酸、アルサニル酸ナトリウム、パラアミノフェニルアルソン酸、3−ニトロ−4−オキシフェニルアルソン酸、rBSTを挙げることができる。
【0034】
さらに、抗生物質としては、例えば、アンピシリン、クロキサシリンナトリウム、ナフシリン、シクロキサシリンナトリウム、硫酸ストレブトマイシン、デストマイシンA、ハイグロマイシンB、塩酸オキシテトラサイクリン、エリスロマイシン、硫酸コリスチン、ビコザマイシン、クロラムフェニコール、スルファメトキサゾール、亜鉛バシラトキシン、アルキルトリメチルアンモニウムカルシウム、オキシテトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸カスガマイシン、クロルテトラサイクリン、ケベマイシンナトリウム、サリノマイシンナトリウム、チオペプトン、バージニアマイシン、フラボホスホリポール、ポリスチレンスルホン酸、オレアンドマイシン、マカルボマイシン、アンプロリウム、エテバベート、スルファキノサリン、塩酸ロベニディン、オラキンドックス、カプリロヒドロキサム酸、カルパドックス、デコミネート、ナイルカルバジンを挙げることができる。この他にも、家畜に投与され、もしくはその他の廃棄物に含まれている環境ホルモン様物質を挙げることができる。
【0035】
そして環境ホルモン様物質含有状態の可燃性溶媒22は、タービターガス混合機31に送液され霧化されて、燃焼ガスであるガスホルダー19より供給されたメタンガス13と混合されるように構成されている。燃焼ガスはこれに限られるものではなく、たとえば、他の燃焼ガス供給源から燃焼ガスを供給したり、メタンガス以外の燃焼ガスを用いたりすることも可能である。また、タービターガス混合機31を設けないようにすることもできるが、燃焼装置30内での燃焼を安定させるためにも本実施の形態の如く設けたほうが、好ましい。
【0036】
そして、メタンガス13と混合した環境ホルモン様物質含有状態の可燃性溶媒22は、燃焼装置30に供給されて高温で燃焼処理されるようになっている。この燃焼処理によって、環境ホルモン様物質を燃焼させて分解処理することができるようになっている。
【0037】
燃焼装置30は、エネルギー産出機能を併せ持ったエネルギー産出用燃焼装置であってもよく、燃焼によって生じる熱エネルギーを電気エネルギー等に変換することが可能となる。前記エネルギー産出用燃焼装置としては、例えば、ボイラー、ガスエンジン、ガスタービンを備えた燃焼装置を挙げることができる。該エネルギー産出用燃焼装置より産出した電気エネルギー等は、電力プラント運転のエネルギー等に、有用に用いることができるように構成されている。
【0038】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳しく説明する。
実施例1
廃棄物をメタン発酵槽でメタン発酵処理した後、メタン発酵槽より排出された処理廃液10mLに対し、ジクロロメタン(抽出溶媒)90mLを加え、分液ロートを用いて撹拌し、処理廃液とジクロロメタンを充分に混合した。これを放置し、水相とジクロロメタン相とに分離させた。ついで、前記ジクロロメタン相を蒸発皿に取り分け、窒素気流下、40℃の条件において蒸発乾固させて、残留物とした。
【0039】
前記残留物を17βエストラジオール検出用緩衝液(r-biopharm社製)0.1mLに溶解せしめ、17βエストラジオール検出用ELISAキット(r-biopharm社製)による検出を行ったところ、17βエストラジオールの活性が検出され、前記残留物に環境ホルモン様物質(17βエストラジオール等)が含まれていることを確認した。すなわち、環境ホルモン様物質を抽出溶媒に移行させることが可能であることが確認された。
【0040】
ここでは、環境ホルモン様物質の抽出溶媒として、可燃性ではないジクロロメタンを使用したが、上述した可燃性溶媒においても同様に環境ホルモン様物質を抽出することができ、環境ホルモン様物質を抽出し、含有する可燃性溶媒を燃焼処理することができる。
【0041】
実施例2
廃棄物をメタン発酵槽でメタン発酵処理した後、メタン発酵槽より排出された処理廃液10mLを固液分離し、上澄み液と残査とに分離した。前記残査に対して可燃性溶媒としてのメタノール50mLを加えて、前記残査に含まれる環境ホルモン様物質を抽出した。前記メタノールと前記上澄み液を合わせた後、約10mLになるまで濃縮して濃縮液とした。前記濃縮液を、水で前処理したシリカゲル1gを詰めたカラムに通して、前記シリカゲルに前記濃縮液に含有している環境ホルモン様物質を吸着させた。環境ホルモン様物質吸着状態の前記シリカゲルを水およびヘキサンにて洗浄した後、メタノール10mLを用いて前記シリカゲルに吸着している環境ホルモン様物質を溶出させて、メタノール中(以下、環境ホルモン様物質を含むメタノールを溶液1とする)に環境ホルモン様物質を移行させた。そして、前記メタノールとメタン発酵槽でのメタン発酵処理に伴い発生したメタンガスとをタービターガス混合機で混合させた後、燃焼装置に給送して、環境ホルモン様物質を燃焼処理した。
<環境ホルモン用物質の存在の確認>
溶液1中に含有している環境ホルモン様物質(例えば、17βエストラジオール等)を検出するため、溶液1の一部(約1mL)を窒素気流下、40℃の条件において蒸発乾固させて、乾固物を得た。前記乾固物を17βエストラジオール検出用緩衝液(r-biopharm社製)0.1mLに溶解せしめ、17βエストラジオール検出用ELISAキット(r-biopharm社製)による検出を行ったところ、17βエストラジオールの活性が検出され、前記メタノールに環境ホルモン様物質(17βエストラジオール等)が含まれていることを確認した。
【0042】
【発明の効果】
上述したように、廃棄物処理槽より排出される処理廃液に含まれる環境ホルモン様物質を可燃性溶媒で抽出する抽出処理手段を備えているため、廃棄物処理槽で分解処理されない環境ホルモン様物質を、可燃性溶媒を用いて処理廃液より除去することができる。すなわち、環境ホルモン様物質を前記処理廃液から前記可燃性溶媒に移行させることが可能である。従って、抽出処理を行った後の処理廃液が環境中に放出されても、前記処理廃液には環境ホルモン様物質が含まれていないため、環境ホルモン様物質が環境中に拡散される虞がない。
【0043】
また、環境ホルモン様物質を含む可燃性溶媒を燃焼処理する燃焼装置を備えているため、環境ホルモン様物質を可燃性溶媒とともに燃焼させることにより、安全且つ効率的に環境ホルモン様物質を分解処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る廃棄物処理装置の概略構成図である。
【符号の説明】
10 メタン発酵槽
12 廃棄物
13 メタンガス
19 ガスホルダー
20 抽出処理装置
21 処理廃液
22 可燃性溶媒
30 燃焼装置
31 タービターガス混合機
100 処理装置
Claims (6)
- 廃棄物を処理する廃棄物処理槽と、
前記廃棄物処理槽より排出される処理廃液に含まれる環境ホルモン様物質を可燃性溶媒で抽出する抽出処理手段と、
前記環境ホルモン様物質を抽出した前記可燃性溶媒を燃焼処理する燃焼装置とを備え、
前記廃棄物処理槽は、前記廃棄物をメタン発酵処理するメタン発酵槽であることを特徴とする、廃棄物処理装置。 - 請求項1において、前記燃焼装置は、前記可燃性溶媒を前記メタン発酵槽より産出されるメタンガスとともに燃焼させる構成であることを特徴とする、廃棄物処理装置。
- 請求項1又は2において、前記燃焼装置はエネルギー産出用燃焼装置であることを特徴とする、廃棄物処理装置。
- 廃棄物を生物学的処理する工程と、
前記生物学的処理する工程より排出される処理廃液に含まれる環境ホルモン様物質を、可燃性溶媒を用いて抽出する工程と、
前記環境ホルモン様物質を抽出した前記可燃性溶媒を燃焼処理する工程を備え、
前記生物学的処理は、メタン発酵であることを特徴とする、廃棄物処理方法。 - 請求項4において、前記可燃性溶媒を、前記メタン発酵処理する工程より産出されるメタンガスとともに燃焼させることを特徴とする、廃棄物処理方法。
- 請求項4又は5において、前記可燃性溶媒を燃焼処理する工程より産出する熱エネルギーを、エネルギー変換する工程を含んでいることを特徴とする、廃棄物処理方法。
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