JP4345617B2 - Cvd装置 - Google Patents

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Description

本発明は、炭化ケイ素半導体を製造するためのCVD装置に関し、より詳細には、エピタキシャル成長により基板上に炭化ケイ素薄膜を堆積させるCVD装置に関する。
炭化ケイ素(SiC)半導体は、耐熱性及び機械的強度に優れ、青色発光ダイオードの材料等に利用されていることや、高耐圧性及び低オン抵抗性による省エネルギー化及び小型化の要求により、高出力低損失の電力用素子への応用などにおいて注目されている。前記SiC半導体は、基板上にSiC薄膜を堆積させて形成することができる。また、SiC薄膜を基板上に堆積させるには、例えば、SiCのエピタキシャル成長を利用することができる。
具体的に、基板上にSiC薄膜を堆積させるためには、加熱したSiCウェハ表面でH2ガスをキャリアガスとし、SiH4ガスとC38ガスと等を含む原料ガスを反応させ、エピタキシャル成長によってSiC薄膜を堆積させる。SiC薄膜を形成するための装置としては、石英製の反応管を有するCVD装置を用いることができる。かかるCVD装置は、反応管を横型に設置したものと縦型に設置したものとに大別され、特に、反応管を横型に設置したCVD装置は、原料ガスの流れを制御しやすく、構造がシンプルであり、更にSiCウェハを搬送しやすい等の利点が多い。
前記CVD装置としては、石英製反応管内にカーボン等から構成されるサセプタを高周波により誘導加熱し、サセプタ上のSiCウェハと原料ガスとを間接的に加熱することで、SiCのエピタキシャル成長を促すCVD装置が知られている。また、かかる構造を基本とし、ウェハを覆うサセプタ形状を工夫し、ウェハ上へのエピタキシャル成長の均一性を向上させたCVD装置が提案されている(例えば、特許文献1又は2及び非特許文献1又は2参照。)
これらのCVD装置は、通常1600〜1700℃程度を加熱温度の上限として用いられているが、SiC膜の品質や成長速度の向上を図るためには、より高い温度(例えば、1700〜2000℃程度)でエピタキシャル成長をおこなうことが求められる。しかし、従来のCVD装置において、高温加熱をおこなうと、1700℃を超えたあたりから、反応管の原料ガス供給側(上流側)に設置されたステンレス製等の金属製シャワー板が変形若しくは変質したり、原料ガス中に含まれるH2ガスと反応して腐食し、構成材料が剥離してその一部がSiC膜に混入する弊害が生じてしまう。
同様に、反応管の原料ガス排出側(下流側)においては、ステンレス等の金属からなる配管や構造部材、又は、反応管の原料ガス排出側に設置されたウェハ導入室と反応管とを仕切る仕切弁が変形若しくは変質してしまう。このため、例えば、配管の接続部のシール材が溶解し反応管の気密性が保てなくなったり、ウェハ導入室の仕切弁が変形して気密性が保てなくなると共に、その開閉ができなくなるなど種々の弊害が生じてしまう。
米国特許第5695567号明細書 米国特許第5674320号明細書 荒井和雄、吉田貞史著「SiC素子の基礎と応用」オーム社、2003年 松波弘之「半導体SiC技術の応用」日刊工業新聞社、2003年
上述の問題を解決すべく、本発明は、高温でエピタキシャル成長を行うことが可能なCVD装置を提供することを目的とする。
本発明のCVD装置は、両端に開口部を有する反応管内で原料ガスを反応させ基板上に炭化ケイ素(SiC)薄膜を堆積させるCVD装置であって、前記反応管の一端の開口部から前記原料ガスを供給する供給手段と、前記反応管の内部に設置され且つ前記基板を加熱する加熱手段と、前記反応管内で前記基板上を通過した前記原料ガスを前記反応管の他端の開口部から排出する排出手段と、透過した光量を低減する不透明減光部材からなり、前記反応管内で生じた輻射光の光量を低減する減光手段と、を備えて構成される。
上述のように1700℃を越す高温で基板を加熱すると、種々の弊害が発生する。これは、サセプタを高温に加熱した際、その発熱温度に対応した光量及びエネルギーを有する輻射光が発生し、かかる輻射光にさらされた部位が加熱されることに起因する。本発明のCVD装置は、透過した光量を低減する不透明減光部材からなり、前記反応管内で生じた輻射光の光量を低減する減光手段を備えることで、例えば、加熱手段から放射される輻射熱が供給手段に設置されたシャワー板や原料ガスの排出側に備えられた配管等に達する前にその光量を低減することができる。これにより、反応管の原料ガスの供給側及び排出側に設置した部材が輻射光によって加熱されるのを防止できるため、高温で基板を加熱することができ、SiC薄膜の成長速度を高め、均一で高品質な薄膜を形成することができる。
ここで、不透明減光部材とは、不透明減光材料に照射された吸収又は散乱することによって、波長400〜2000nmの光の透過量を入射光の光量に対して0.2〜80%とすることができる部材を意味する。尚、不透明減光部材を複数並べて用いる場合には、それらの全てを合わせて、輻射光の光量を前記範囲内に低減させることができればよい。また、耐熱性を有する金属など透過性のない部材を用いると、輻射光を反射して反応管内が過熱されてしまい、構成部材の変形等を防ぐことができず、また、金属の表面を黒色にして輻射光を吸収するものであっても、完全に輻射光を吸収してしまうと、輻射光から生じる熱までも完全に吸収することとなり、その部材の劣化が激しくなってしまう。このため本発明における不透明減光部材には、金属等完全に不透明な部材は含まれない。
本発明のCVD装置によれば、前記減光手段を、前記供給手段に備えられ且つ前記原料ガスが通過する複数の孔を有する不透明減光シャワー板として構成することができる。本発明のCVD装置は、供給手段に設けられるシャワー板を、不透明減光部材で構成することで、シャワー板が輻射光によって加熱され変形若しくは変質するのを防止することができるとともに、供給手段に備えられた他の部材に到達する輻射光の光量を低減することができる。また、前記供給手段に例えば、ガス拡散用シャワー板やガス混合用シャワー板等複数のシャワー板を設ける場合、前記不透明減光シャワー板は、反応管側に最も近い場所に位置するシャワー板として用いることが好ましい。例えば、供給手段がガス混合用シャワー板によって原料ガスを均一に混合させた後、前記拡散用シャワー板から反応管に原料ガスを供給する場合には、少なくとも前記拡散用シャワー板に前記不透明減光シャワー板を適用することが好ましい。
また、本発明のCVD装置においては、前記供給手段に複数の前記不透明減光シャワー板を備えることができる。前記供給手段に複数の前記不透明減光シャワー板を備えることで、前記加熱手段から発生する輻射光の光量を更に低減させることができると共に、前記不透明減光シャワー一枚当たりの光量低減負担を低下させることができる。従って、例えば前記混合用シャワー板や拡散用シャワー板の2枚のシャワー板を供給手段に設置する場合には、2枚とも前記不透明減光シャワー板とすることができる。
従来においてシャワー板としてはステンレス製のものが多く用いられているが、本発明のCVD装置は、前記供給手段に、高融点金属からなるシャワー板を備えることができる。前記高融点金属からなるシャワー板は、前記不透明減光シャワー板と組み合わせて用いることが好ましい。前記高融点金属とは、融点が2000℃以上の金属を意味し、例えば、W(タングステン)、Mo(モリブテン)、Ta(タンタル)等が挙げられる。
また、前記高融点金属からなるシャワー板と前記不透明減光シャワー板とを適宜組み合わせて、2枚以上のシャワー板を前記供給手段に設置すること場合には、少なくとも前記不透明減光シャワー板を1枚用い、更に、前記不透明減光シャワー板の全てが前記高融点金属からなるシャワー板よりも反応管の近くに設置されることが好ましい。
本発明のCVD装置は、前記反応管との連結部に仕切弁を有し且つ前記反応管に前記基板を導入する基材導入手段を備えることができ、且つ、前記減光手段を前記反応管と前記仕切弁との間に設けられる不透明減光板として構成することができる。本発明のCVD装置は、前記不透明減光板を基材導入手段の仕切弁と反応管との間に設けることで、仕切弁に到達する輻射光の光量を低減することができる。
また、本発明のCVD装置は、前記反応管と前記仕切弁との間に複数の前記不透明減光板を設けることができる。これにより、前記仕切弁に到達する輻射光の光量を更に低減することができると共に、不透明減光板一枚当たりの光量低減負担を低減させることができる。
また、前記不透明減光板は、前記基板導入手段から基板を反応管内に設置する際、基板の搬路を確保するために、スライド等を利用した格納式としたり、基板搬送時に搬送方向に倒れるように構成することもできる。
本発明のCVD装置において、前記不透明減光部材としては、石英、又は、サファイアガラスを用いることができ、その他ジルコニアガラス等も好適に用いることができる。また、前記不透明減光部材には、光吸収性及び/又は光散乱性を有する不純物を含有させることができる。更に、前記不透明減光部材としては表面に粗状処理を施したものを用いることができる。これらにより、更に、減光手段の減光能力を向上させることができる。
前記不透明減光部材に含むことのできる不純物は光吸収性及び/又は光散乱性を有するものであれば特に限定はされず、例えば、燐酸塩などを挙げることができる。また、前記粗状処理としては、公知の方法を用いるこができる。この際、不透明減光部材の表面は砂板粗さ240〜1500で粗状処理を施したものが好ましい。
また、不純物を含有した前記不透明減光部材としては、例えば市販品の熱線吸収フィルター(商品名:HAF、シグマ光機(株)製)、近赤外線吸収フィルター(商品名:CCF、シグマ光機(株)製)等を挙げることができる。また、表面に粗状処理が施された前記不透明減光部材としては、例えば市販品のフロスト型拡散板(商品名:DFB、シグマ光機)等を挙げることができる。
本発明によれば、高温でエピタキシャル成長を行うことが可能なCVD装置を提供することができる。
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態について図1を用いて説明する。図1は、本発明のCVD装置を示す概略的断面図である。図1においてCVD装置10は、供給管12と、ミキシングチャンバ14と、反応管16と、排出管18と、基板導入室20と、から構成される。本実施の形態においては、ミキシングチャンバ14に備えられた混合用シャワー板を不透明な石英で構成し、且つ、反応管16の基板導入室20側に、不透明な石英で形成された減光板50を備えることで、反応管16内で発生した輻射光の光量を低減できるように構成されている。
供給管12は、H2ガスが供給される供給管12a、SiH4ガスが供給される供給管12b及びC38ガスが供給される供給管12cの各々の一端と連結しており、各供給管から供給されたガスの混合ガスを、ミキシングチャンバ14に供給するように構成されている。また、供給管12a,12b及び12cには、各々MFC13a,13b及び13cが備えられており、各ガスの供給量を調整できるようになっている。
反応管16の原料ガス供給側に備えられたミキシングチャンバ14には、供給管12の他端が連結されており、H2ガスとSiH4ガスとC38ガスとの混合ガスが供給される。かかる混合ガスは、基板上にSiC薄膜を堆積させるための原料ガスとなる。ミキシングチャンバ14には複数の孔が設けられた混合用高融点シャワー板22と複数の孔が設けられた拡散用減光シャワー板24が設置されている。ミキシングチャンバ14に供給された原料ガスは、混合用高融点シャワー板22の各孔を通過することによって濃度分布が均一になるように混合される。ここで、混合用高融点シャワー板22は、高融点金属であるタングステン(W)から形成されており、ステンレス製のシャワー板等に比して耐熱性が高められている。混合用高融点シャワー板22に設けられる孔の径や数は、原料ガスの原料及び混合の程度等を考慮して適宜選定することができる。
混合用高融点シャワー板22によって混合された原料ガスは、さらに拡散用減光シャワー板24の各孔を通過することによって拡散されながら反応管16に供給される。拡散用減光シャワー板24に設けられる孔の径及び数は、原料ガスが均一に拡散するように混合用高融点シャワー板22との関係によって適宜選定することができる。
本実施の形態において拡散用減光シャワー板24は、波長400〜2000nmの入射光の光量を50%低減できる不透明な石英で構成されている。このため、反応管16内に設置されるサセプタから放射される輻射光の光量を50%程度低減することができる。これにより、混合用高融点シャワー板22や供給管12等が輻射光によって加熱され変形又は変質するのを防止することができる。また、拡散用減光シャワー板24に用いられる不透明な石英としては、例えば、市販品のフロスト型拡散板(商品名:DFB,シグマ光機(株)製)を用いることができる。
拡散用減光シャワー板24の輻射光の進行方向における厚み(本実施の形態においては、原料ガスの進行方向における厚み)は特に限定されず、前記光量低減能力及び原料ガスの拡散効果を考慮して適宜選定することができる。
更に本実施の形態においてミキシングチャンバ内に設置する混合用高融点シャワー板22はミキシングチャンバ内を駆動可能なように設計してもよい。これにより、ミキシングチャンバ内で原料ガスの供給量及び圧力を自由に調整することができ、素材選択の自由度を高めることができる。
反応管16内では、ミキシングチャンバ14から供給された原料ガスがSiCで形成された基板30の表面で反応することによって、基板30上にSiC薄膜が堆積される。反応管16は反応管外部に輻射光が漏れるのを防止すべく遮光性の石英で形成されており、内部に断熱材26とサセプタ28とを備える。更に、サセプタ28には石英製の支持台29が備えられており、その上に基板30が載置されている。
断熱材26は、グラスウールで構成されており、サセプタ28の熱が反応管16に伝わらないように断熱する役割を担っている。また、断熱材26は、反応管16の内壁に密着するように設置されており、図1におけるAA’断面がドーナツ状となる形状を有する。更に、断熱材26の中心側にはサセプタ28が固定されている。図2は、反応管16のAA’断面図である。図2に示すように、基板30は、サセプタ28に囲まれるように載置されており、サセプタ28は断熱材26を介して反応管16に設置されている。
サセプタ28は、炭化ケイ素でコーティングされたグラファイト製の部材で形成されており、チューブ状(筒状)の形態を有している。サセプタ28は、筒状内部に載置された基板30を加熱するために設けられ、筒状の形態によって均一に基板30を加熱することができる。本実施の形態におけるサセプタ28の壁厚は、原料ガスの供給側から排出側に向かって均一に構成されており、その厚みは断熱材26との関係で適宜決定される。また、サセプタ28は、反応管16の外部に設置されたRFコイル32の誘電加熱によって発熱して、間接的に基板を加熱できるようになっている。RFコイル32は、高周波の磁束を発生して、サセプタ28に渦電流を誘導し、渦電流によりジュール熱でサセプタ28を発熱させる。
図1に示すように、サセプタ28は断熱材26を介して、サセプタ28の長尺方向が反応管16の内壁と平行になるように設置される。また、サセプタ28は、間接的に基板30を加熱して、1000〜2300℃程度まで加熱することができる。サセプタ28の加熱温度は、図示を省略する制御手段にて、サセプタ28と基板30との表面温度に基づいて制御される。
基板30は、SiCで構成されており、サセプタ28上に反応管16の内壁と平行になるように載置される。SiC薄膜を成長させる際、基板30は、サセプタ28によって1400℃以上に加熱されることが好ましく、1700〜2300℃程度にまで加熱されることが更に好ましい。
反応管16のガス排出側には、排出管18の一端が連結されており、基板30上を通過した原料ガスを排出できるように構成されている。また、排出管18には、排気量調整用バルブV1が備えられており、バルブV1の開度を調節することで、反応管内の圧力を制御することができる。
また、排出管18には、ポンプ34が備えられており、反応管16内の原料ガスを装置外に排出できるように構成されている。反応管16内の原料ガスの流量は、供給管12a〜12cからのガスの供給量、ミキシングチャンバ14の壁面と混合用高融点シャワー板22との距離及び混合用高融点シャワー板22に設けられた孔の径及び数、排出管18に備えられたバルブV1の開度、並びに、ポンプ34から排出される原料ガスの排出量の各々を調整することによって、基板30表面に原料ガスが均一に供給されるように制御することができる。また、反応管16の排出側には、連結部36を介して基板導入室20が備えられている。
図3を用いて基板導入室20について説明する。図3は、仕切弁38が開状態の基板導入室20を示す概略断面図である。図3に示すように基板導入室20には、仕切弁38と、搬送ロッド40と、真空ジャケット41と、ポンプ42を備えた排気管44の一端とが備えられている。仕切弁38は、紙面上下方向に開閉可能なように構成されるゲートバルブ構造を有しており、閉状態の際には反応管16と基板導入室20とを仕切り、両者を密封できるように構成されている。また、図3に示すように仕切弁38が開状態の際には、基板導入室20から反応管16への基板30の移動が可能となっている。仕切弁38はステンレスで構成されており、閉状態の際に反応管16の開口部と基板導入室20とを密封できるようにその縁部にOリング46が備えられている。また、基板導入室20にはポンプ42を備えた排気管44の一端が連結されており、基板導入室20内を真空状態にできるように構成されている。
基板導入室20から反応管16に基板30を導入する際、まず、開閉式ハッチが備えられた導入口48から基板導入室20内に支持台29と共に基板30を導入し、搬送ロッド40上に載置する。搬送ロッド40は、基板導入室と連結した真空ジャケット41内に搭載されており、モータ又は磁石等の動力により上下左右に駆動可能となっている。この際、仕切弁38は閉じた状態となっている。次いで、ポンプ42の駆動により、排気管44から基板導入室20内の空気を排出し、基板導入室20内を真空状態とする。ここで、例えば反応管16内がアルゴンガス雰囲気である場合には、基板導入室20に導入管を連結し、かかる導入管からアルゴンガスを供給して、基板導入室20内をアルゴンガス雰囲気とする構成としてもよい。尚、基板30が移動する際に減光板50は、基板30の移動を阻害しないように可動部51を軸として倒れた状態となっている。
基板導入室20内が真空状態となった後、基板導入室20の仕切弁36を開き、支持台29ごと基板30を反応管16内に移動し、サセプタ28上に載置する。基板30及び支持台29の移動は、搬送ロッド40の駆動により行われる。また、基板30の搬送は、例えば、支持台29と脱着可能な他図示を省略する支持棒を用いてもよいし、サセプタ28と搬送ロッド40との間に図示を省略するレールを設け、その上をスライドさせて移動させてもよい。前記レールは、仕切弁38の開閉を阻害しないように設置し、更に、耐熱性の高い部材で形成することが好ましい。
図1に示すように、本実施の形態においては、サセプタ28と基板導入室20の仕切弁38との間には、減光板50が備えられている。減光板50は、サセプタ28の加熱によって発生した基板導入室20方向の輻射光を減光できるように反応管16内に設置されており、仕切弁38など反応管16の下流側(原料ガス排出側)に設置される部材にまで到達する輻射光の光量を低減させることができる。これにより、1700℃を超える高温で基板を加熱した場合であっても、仕切弁38等が輻射光による加熱によって変形や変質を起こすことを防止することができる。
減光板50は、不透明であり波長400〜2000nmの入射光の光量を50%低減できる不透明な石英で構成されている。このため、反応管16内に設置されるサセプタから放射される輻射光の光量を50%程度低減することができる。また、減光板50に用いられる不透明な石英としては、例えば、市販品のフロスト型拡散板(商品名:DFB、シグマ光機(株)製)を用いることができる。
減光板50の輻射光の進行方向における厚み(本実施の形態においては、原料ガスの進行方向における厚み)は特に限定されず、前記光量低減能力等を考慮して適宜選定することができる。また、減光板50のサイズについても特に限定はされず、反応管16の径に合わせて、輻射光の漏れが少ないように適宜設定すればよい。更に、本実施の形態においては減光板50として板状の部材を用いたが、複数の孔などを設け、原料ガスが通過可能な構造としてもよい。
本実施の形態において減光板50は、図4に示すように、可動部51を軸として約90°倒すことが可能な構造を有している。図4は、本実施の形態における減光板50の構造を説明するための概略図である。上述の通り、基板30をサセプタ28内に載置する際、減光板50を図4における矢印の方向に倒すことで、基板30の移動を遮ることなく、基板30をサセプタ28に載置することができる。
次に、本発明のCVD装置10によるSiC半導体の製造過程(SiC薄膜の形成過程)について説明する。まず、供給管12a〜12cから供給されたH2ガス、SiH4ガス及びC38ガスは、供給管12を介してミキシングチャンバ14に供給される。この際、ミキシングチャンバ14に供給されるH2ガス、SiH4ガス及びC38ガスの比率は、体積比率でおよそ1000/2/3(=H2/SiH4/C38)程度である。
ミキシングチャンバ14に供給された各ガス(原料ガス)は、混合用高融点シャワー板22に設けられて複数の孔を通過すると共に混合された後、拡散用減光シャワー板24に設けられた孔を通過して拡散しながら反応管16に供給される。この際、原料ガスは混合用高融点シャワー板22及び拡散用減光シャワー板24によって濃度分布が均一になるように十分に混合されている。
反応管16に供給された原料ガスは、サセプタ28付近にまで流通すると、原料ガスもサセプタ28によって加熱され、約2000℃にまで加熱された基板30表面で反応し、基板30上にSiCが堆積し、SiC薄膜が形成される。
基板30上を通過した原料ガスは、反応管16内を下流方向へ流通し、排出管18及びポンプ34を介して装置外に排出される。また、供給管12a〜12cに備えられたMFC13a〜13c、ミキシングチャンバ14、バルブV1及びポンプ34は図示を省略するCPU等の制御手段によって各々制御されており、基板30上を通過する原料ガスの流れや濃度が均一になるように、前記制御手段によって反応管16内の原料ガスの流量及び圧力が調整されている。
尚、前記SiC半導体の製造過程においては、前処理として、原料ガスを導入するに先だってキャリアガス及びエッチングガスを導入して、基板30表面をエッチングする工程を施してもよい。その際、SiC基板は表面温度が1300〜1500℃程度に加熱されている。前記キャリアガスとしてはH2ガスが挙げられ、前記エッチングガスとしては、塩化水素及びH2ガスが挙げられる。
前記SiC薄膜のサセプタ28が1700〜2000℃付近にまで加熱されると、熱量に伴った光量とエネルギーとを有する輻射光がサセプタ28を中心に放射状に生じる。本発明においては、上流側に照射された輻射光については、拡散用減光シャワー板24よって減光して、ミキシングチャンバ14内の部材が過熱されるのを防止することができる。また、下流側に照射された輻射光については、減光板50によって減光し、減光板50よりも下流側に位置する基板導入室20の仕切弁38等が過熱されるのを防止することができる。このように、本実施の形態のCVD装置においては、1700℃を超える高温で基板30を加熱した場合であっても、シャワー板等の変形又は変質や、仕切弁38が変形して開閉不可能になるなどの弊害がない。このため、本実施の形態のCVD装置においては、約2000℃で結晶成長を行うことができ、成長速度を速めることができると共に、電気特性等の均一性に優れた高品質なSiC薄膜を得ることができる。
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について図を用いて説明する。図5は、本発明のCVD装置の他の態様を示す概略的断面図である。尚、第1の実施の形態における図1に示す要素と重複するものについては同様の番号を付してその説明を省略する。
図5に示すように本実施の形態におけるCVD装置100は、ミキシングチャンバ14内に、混合用高融点シャワー板22と、拡散用減光シャワー板52とを備え、更にこれらの間に、減光シャワー板54を備える。拡散用減光シャワー板52と減光シャワー板54とは、不純物を含み表面に粗状処理が施されたサファイアガラスから構成されている。拡散用減光シャワー板52及び減光シャワー板54に用いられるサファイアガラスは、波長400〜2000nmの入射光の光量を50%低減できるため、拡散用減光シャワー板52と減光シャワー板54との各々でサセプタから放射される輻射光の光量を各々約50%づつ低減することができる。従って、これらの減光シャワーを2つ併せると約25%の光量を低減することができる。これにより、一枚当たりの光量低減負担が減少し、部材の劣化防止を図ることができる。また、前記不純物を含み表面に粗状処理が施されたサファイアガラスとしては、例えば古河機械金属(株)製のサファイア基板を用いることができる。
また、本発明のCVD装置100の下流側には、減光板56,58が備えられている。減光板56,58は、不純物を含み表面に粗状処理が施されたジルコニアガラスから構成されている。減光板56,58に用いられるジルコニアガラスは、波長400〜200nmの入射光の光量を50%低減できるため、減光板56,58の各々でサセプタ28から放射される輻射光の光量を約50%づつ低減することができる。従って、2つの減光板を併せると約25%の光量を低減することができる。これにより、一枚当たりの光量低減負担が減少し、部材の劣化防止を図ることができる。
また、減光板56,58は、基板30の搬入時にスライドさせることにより、格納可能なように構成されている。図6を用いて、減光板56,58の格納構造について説明する。図6は、減光板56.58の格納構造を説明するための概略図である。図6において、減光板56,58はレール62,64に沿ってスライドさせることで格納部60に格納可能なように構成されている。このため、基板30を基板導入室20から反応管16に搬送する際に、減光板56,58をスライドさせて格納部60に格納することで、基板30の搬送路を確保することができる。
本実施の形態によれば、減光シャワー板及び減光板を複数備えることで、更に輻射光による部材の加熱を防止できると共に、減光負担を分散させることで各減光部材の劣化をも抑制することができる。これにより本実施の形態におけるCVD装置においても、約2000℃で結晶成長を行うことができ、成長速度を速めることができると共に、電気特性等の均一性に優れた高品質なSiC薄膜を得ることができる。
本発明のCVD装置を示す概略的断面図である。 図1における反応管のAA’断面図である。 仕切弁が開状態の基板導入室を示す概略断面図である。 第1の実施の形態における減光板の構造を説明するための概略図である。 本発明のCVD装置の他の態様を示す概略的断面図である。 第2の実施の形態における減光板の格納構造を説明するための概略図である。
符号の説明
10,100 CVD装置
12 供給管
14 ミキシングチャンバ
16 反応管
18 排出管
20 基板導入室
22 混合用高融点シャワー板
24,52,54 拡散用減光シャワー板
28 サセプタ
30 基板
36 連結部
38 仕切弁
50,56,58 減光板

Claims (9)

  1. 両端に開口部を有する反応管内で原料ガスを反応させ基板上に炭化ケイ素薄膜を堆積させるCVD装置であって、
    前記反応管の一端の開口部から前記原料ガスを供給する供給手段と、
    前記反応管の内部に設置され且つ前記基板を加熱する加熱手段と、
    前記反応管内で前記基板上を通過した前記原料ガスを前記反応管の他端の開口部から排出する排出手段と、
    透過した光量を低減する不透明減光部材からなり前記反応管内で生じた輻射光の光量を低減する減光手段と
    前記反応管との連結部に仕切弁を有し前記反応管に前記基板を導入する基材導入手段と、
    を備え、
    且つ、前記減光手段が、前記反応管と前記仕切弁との間に設けられる不透明減光板であるCVD装置。
  2. 前記反応管と前記仕切弁との間に複数の前記不透明減光板が設けられた請求項に記載のCVD装置。
  3. 透過した光量を低減する不透明減光部材からなり前記反応管内で生じた輻射光の光量を低減する減光手段が、更に前記供給手段に備えられ、
    且つ前記供給手段に備えられた該減光手段は、前記原料ガスが通過する複数の孔を有する不透明減光シャワー板である請求項1又は2に記載のCVD装置。
  4. 前記供給手段が、複数の前記不透明減光シャワー板を、軸方向で並列に備えた請求項に記載のCVD装置。
  5. 前記供給手段が、前記不透明減光シャワー板のほか更に高融点金属からなるシャワー板を備え、
    前記不透明減光シャワー板と前記高融点金属からなるシャワー板とが、軸方向で並列に配置された請求項3又は4に記載のCVD装置。
  6. 前記不透明減光部材が、石英である請求項1からのいずれか1項に記載のCVD装置。
  7. 前記不透明減光部材が、サファイアガラスである請求項1からのいずれか1項に記載のCVD装置。
  8. 前記不透明減光部材が、光吸収性及び/又は光散乱性を有する不純物を含有する請求項1からのいずれか1項に記載のCVD装置。
  9. 前記不透明減光部材の表面に粗状処理が施された請求項1からのいずれか1項に記載のCVD装置。
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