JP4345355B2 - 操舵制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の目標操舵角に基づいて操舵制御を行う操舵制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような技術としては、自車と駐車スペースとの位置関係を検出し、その位置関係に基づいて、自車を駐車スペース内に駐車させるために必要な目標操舵角を算出し、その目標操舵角に実際の操舵角が一致するように操舵トルクを制御する駐車補助装置が知られている。(例えば、特許文献1参照。)
【0003】
【特許文献1】
特開平2002−120742号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術にあっては、自車と駐車スペースとの位置関係に基づいて、自車を駐車スペース内に駐車させるために必要な目標操舵角を算出し、単に、その目標操舵角に実際の操舵角が一致するように操舵トルクを制御するものであるため、例えば、車両旋回時に転舵輪に横滑りが発生し、転舵輪の進行方向と回転方向とに角度差を生じたときには、所望する軌跡を描くことができない恐れがあった。
【0005】
そこで、本発明は、上記従来の技術の未解決の課題を解決することを目的とするものであって、車両旋回時に自車に所望する軌跡を描かせることができる操舵制御装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の操舵制御装置は、駐車時に所定の目標操舵角に基づいて操舵制御を行い、且つ、前記目標操舵角に基づいて予測軌跡を算出し、左右の非転舵輪の回転数に基づいて前記予測軌跡からの変位量を算出し、その変位量に基づいて前記目標操舵角を補正することを特徴とするものである。
【0007】
【発明の効果】
したがって、本発明の操舵制御装置は、駐車時に左右の非転舵輪の回転数に基づいて予測軌跡からの変位量を算出し、その変位量に基づいて目標操舵角を補正するため、例えば、車両旋回時に転舵輪に横滑りが発生し、自車が予測軌跡から変位したときには、その変位量を精度よく算出でき、その変位量が小さくなるように目標操舵角を補正して、自車に所望する軌跡を描かせることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る操舵制御装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態を示す概略構成図であり、図1において、1FL及び1FRは前輪、1RL及び1RRは後輪を示し、前輪1FL、1FRには一般的なラックアンドピニオン式の操舵機構が配設されている。この操舵機構は、前輪1FL、1FRの操舵軸(タイロッド)に接続されるラック2と、これに噛合するピニオン3と、このピニオン3をステアリングホイール4に与えられる操舵トルクで回転させるステアリングシャフト5とを備えている。
【0009】
また、ステアリングシャフト5におけるピニオン3の上部には、前輪1FL、1FRを自動操舵するための操舵アクチュエータを構成する自動操舵機構6が配設されている。この自動操舵機構6は、ステアリングシャフト5と同軸に取付けられたドリブンギヤ7と、これに噛合するドライブギヤ8と、このドライブギヤ8を回転駆動する自動操舵用モータ9とから構成されている。なお、自動操舵用モータ9とドライブギヤ8との間にはクラッチ機構10が介装されており、自動操舵制御時にのみクラッチ機構10が締結され、そうでないときにはクラッチ機構10が非締結状態となって自動操舵用モータ9の回転力がステアリングシャフト5に入力されないようにしている。
【0010】
また、後輪1RL,1RRは、エンジン11の駆動力が自動変速機12、プロペラシャフト13、最終減速装置14及び車軸15を介して伝達されて回転駆動される。このエンジン11には、スロットルバルブの開度を調整してエンジン回転数を制御するスロットルアクチュエータ16が設けられている。
また、車両には種々のセンサ類が取り付けられている。図中、17は操舵角センサであって、ステアリングシャフト5の回転角から実操舵角θを検出してコントロールユニット20に出力する。また、後輪1RL,1RRには、当該車輪の回転速度、つまり車輪速Vwrl,Vwrrを検出する車輪速センサ19が取り付けられ、この車輪速センサ19で検出された車輪速Vwrl,Vwrrもコントロールユニット20に出力される。ここで、操舵角センサ17から出力される実操舵角θは、右操舵時に正値、左操舵時に負値となるように設定されている。
【0011】
さらに、車両の前方側には、自車周辺にある障害物までの距離と方向を検出するレーダ装置18が取り付けられている。このレーダ装置18としては、例えばレーザ光を周囲に照射して障害物からの反射光を受光することにより、障害物までの距離と方向とを計測するレーザレーダ等を適用することができる。
コントロールユニット20は、図示しないマイクロコンピュータ等の離散化されたディジタルシステムで構成されて、車両の操舵制御を行う操舵制御処理を実行し、入力されたレーダ装置18の検出結果や車輪速Vwrl,Vwrrに基づいて目標位置に到達させるために必要な目標操舵角θ*を算出し、その目標操舵角θ*に操舵角センサ17で検出した実操舵角θを一致させるように、自動操舵用モータ9に対して操舵トルクを出力させるモータ供給電流を算出し、そのモータ供給電流をパルス幅変調してパルス電流に変換し、自動操舵用モータ9に出力することによって、自動操舵用モータ9をデューティ制御する。なお、目標操舵角θ*は、右操舵時に正値、左操舵時に負値となるように設定されている。
【0012】
次に、コントロールユニット20で実行される操舵制御処理を、図2のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。この操舵制御処理が実行されると、まず、そのステップS101で、レーダ装置18で検出された自車周辺の障害物までの距離と方向に基づいて、図3に示すように、運転者によって指定された目標位置Pとその目標位置Pで車両の中心線を一致させる直線Cと自車両との位置関係を算出する。
【0013】
次にステップS102に移行して、前記ステップS101で算出された位置関係に基づいて目標操舵角θ*を算出し、その目標操舵角θ*に基づいて予測軌跡(Xv(n),Yv(n))を算出する。まず目標操舵角θ*の算出方法を説明する。まず、車体中心線yと直線Cの交点Iを算出し、その交点Iと目標位置Pとの間にある線分PIの長さを算出する。
【0014】
次に、その線分PIの長さが線分OIの長さより小さいか否かを判定し、線分OIの長さより小さい場合には、目標操舵角θ*を直進相当“0”に設定する。つまり、線分PIの長さが線分OIの長さと等しくなる位置に車両が移動するまで直進状態を維持する。また、そうでない場合には、図4に示すように、自車位置Oで車体中心線yと接し、且つ、直線Cに接する円の半径Rを算出して車両の目標旋回半径R*とする。そして、その目標旋回半径R*が得られるような目標操舵角θ*を、下記(1)式に従って算出する。
【0015】
θ*=tan-1(Wb/(r+Td))
=tan-1(Wb/(R*+Td/2)) ………(1)
但し、Wbは前輪と後輪の中心間の距離(ホイールベース)である。また、図5に示すように、r(=R*−Td/2)は横滑りを生じていないときの旋回内輪の旋回半径(以下、理論旋回半径とも呼ぶ)であり、旋回内輪側の前輪車軸と後輪車軸との交点から各内輪までの距離である。
【0016】
次に、予測軌跡(Xv(n),Yv(n))の算出手順を説明する。まず、目標操舵角θ*に基づき、下記(2)式に従って理論旋回半径rを算出する。
r=Wb/tanθ*−Td ………(2)
次に、後述するステップS105で算出される左右の理論後輪移動距離Lt,実際の後輪移動距離Lt’と理論旋回半径r,実際の旋回半径r’とに基づき、下記(3)式に従って理論車両回転角θv,実際の車両回転角θv’を算出する。
・左旋回時
θv=―(360・Lt)/(2πr)
θv’=(360・Lt’)/(2πr’) ………(3)
但し、理論車両回転角θvは、この演算処理の開始時に車両の前後方向軸であったY軸に対して現在の車両の前後方向軸であるy軸がなす角である。また、実際の車両回転角θv’は、同様に、右旋回時に正値、左旋回時に負値となるように設定されている。なお、初期状態にあっては、左右の実際の後輪移動距離Rt',Lt'は“0”とする。
【0017】
そして、その車両回転角θvに基づき、下記(5)式に従って、この演算処理の開始時に車両の前後方向軸であったY軸と車幅方向軸であったX軸とで現在の車両位置の予測値、つまり予測軌跡(Xv(n),Yv(n))を算出する。なお、図3に示すように、Y軸は、この演算処理の開始時の重心位置を基準として車両前後方向前側が正値、X軸は、重心位置を基準として車幅方向右側が正値となるように設定されている。なお、初期状態にあっては、予測軌跡(Xv(0),Yv(0))はX軸、Y軸の原点(0,0)とする。
【0018】
Xv(n)=Xv(n-1)+V・ΔT・sinθv
Yv(n)=Yv(n-1)+V・ΔT・cosθv ………(5)
但し、ΔTは、このステップが前回実行されてから今回実行されるまでに経過した時間である。
次にステップS103に移行して、前記ステップS102で算出された目標操舵角θ*を後述するステップS110で算出される目標操舵角補正量Δθ*で補正し、その補正された目標操舵角θ*に基づいて操舵制御を行う。具体的には、まず、前記ステップS102で算出された目標操舵角θ*に後述するステップS110で算出される目標操舵角補正量Δθ*を加算して当該目標操舵角θ*を補正する。次に、補正された目標操舵角θ*に操舵角センサ17で検出される実操舵角θが一致するように、自動操舵用モータ9に対して操舵トルクを出力させるモータ供給電流を算出する。そして、そのモータ供給電流をパルス幅変調してパルス電流に変換し、自動操舵用モータ9に出力する。なお、初期状態にあっては、前記ステップS102で算出された目標操舵角θ*に基づいて操舵制御を行う。また、補正された目標操舵角θ*の絶対値が操舵機構で操舵可能な最大角度より大きいときには、その補正された目標操舵角θ*を当該最大角度に補正する。
【0019】
次にステップS104に移行して、前記ステップS101で算出された位置関係に基づいて駆動制御を行う。具体的には、前記ステップS101で算出された目標位置Pに自車両が到達するようにスロットル開度指令値を算出し、そのスロットル開度指令値をスロットルアクチュエータ16に出力する。
次にステップS105に移行して、車輪速センサ19で検出された左右の非転舵輪の車輪速、つまり後輪の車輪速Vwrl,Vwrrに基づいて、左右の後輪の転動による移動距離(以下、後輪移動距離とも呼ぶ)Lt’,Rt’を算出する。具体的には、後輪の車輪速Vwrl,Vwrrに基づき、下記(6)式に従って後輪移動距離Lt’(n),Rt’(n)を算出する。なお、初期状態にあっては、左右の後輪移動距離Rt'(0),Lt'(0)は“0”とする。
【0020】
Rt'(n)=Rt'(n-1)・Vwrr・ΔT
Lt'(n)=Lt'(n-1)・Vwrl・ΔT ………(6)
但し、ΔTは、このステップが前回実行されてから今回実行されるまでに経過した時間である。
次にステップS106に移行して、前記ステップS105で算出した左右の後輪移動距離Rt',Lt'の差(以下、後輪移動距離差分ΔRLとも呼ぶ)を算出する。具体的には、左旋回時には、右の後輪移動距離Rt'から左の後輪移動距離Lt'減じて後輪移動距離差分ΔRLを算出し、右旋回時には、左の後輪移動距離Lt'から右の後輪移動距離Rt'減じて後輪移動距離差分ΔRLを算出する。
【0021】
次にステップS107に移行して、前記ステップS105で算出した後輪移動距離Rt',Lt'と前記ステップS106で算出した後輪移動距離差分ΔRLとに基づいて旋回内側にある後輪の実際の旋回半径r’を算出する。
以下、旋回内側にある後輪の実際の旋回半径r’の算出手順を説明する。まず、車両回転角θvは旋回内側にある後輪の後輪移動距離Rt',Lt'によって、上記(3)式に示すように記述できる。
【0022】
また同様に、車両回転角θvは旋回外側にある後輪の理論後輪移動距離Rt,実際の後輪移動距離Rt'によって、下記(7)式に示すようにも記述できる。
・左旋回時
θv=―(360・Rt)/(2π(r+Td))
θv’=(360・Rt’)/(2π(r’+Td)) ………(7)
したがって、上記(3),(7)式より、旋回内側にある後輪の実際の旋回半径r’は下記(8)式に示すように記述できる。
・左旋回時
r’=Lt'/Td(Rt'−Lt')
・右旋回時
r’=Rt'/Td( Rt'−Lt') ………(8)
次にステップS108に移行して、前記ステップS105で算出された左右の後輪移動距離Lt’,Rt’に基づいて実際の走行軌跡(X’,Y’)を算出し、その走行軌跡に基づいて、前記ステップS102で算出された予測軌跡からの変位量ΔXYを算出する。具体的には、まず、前記ステップS105で算出された左右の後輪移動距離Lt’,Rt’に基づき、上記(3)式に従って車両回転角θvを算出する。次に、その車両回転角θvに基づき、下記(9)式に従って、この演算処理の開始時に車両の前後方向軸であったY軸と車幅方向軸であったX軸とで現在の車両位置の実際値、つまり実際の走行軌跡(Xv(n)’,Yv(n)’)を算出する。なお、初期状態にあっては、走行軌跡(Xv(0)’,Yv(0)’)はX軸、Y軸の原点(0,0)とする。
【0023】
Xv(n)’=Xv(n-1)’+V・ΔT・sinθv
Yv(n)’=Yv(n-1)’+V・ΔT・cosθv ………(9)
そして、前記ステップS102で算出された予測軌跡(Xv(n),Yv(n))と実際の走行軌跡(Xv(n)’,Yv(n)’)とに基づき、下記(10)式に従って予測軌跡(Xv(n),Yv(n))からの変位量ΔXYを算出する。
【0024】
ΔXY=((Xv(n)―Xv(n)’)2+(Yv(n)―Yv(n)’)2)1/2 ………(10)
次にステップS109に移行して、前記ステップS108で算出された変位量ΔXYが所定の許容値以上であるか否かを判定し、許容値以上である場合には(Yes)前記ステップS110に移行し、そうでない場合には(No)ステップS111に移行する。
【0025】
前記ステップS110では、前記ステップS102で算出される目標操舵角θ*を補正するための目標操舵角補正量Δθ*を算出してから、前記ステップS102に移行する。
以下、目標操舵角θ*を補正するための目標操舵角補正量Δθ*の算出手順を説明する。まず、前記ステップS107で後輪移動距離Rt',Lt'に基づいて算出された旋回内側にある後輪の実際の旋回半径r’と、前記ステップS102で算出された目標旋回半径rとの差Δrは、下記(11)式に示すように記述できる。
【0026】
Δr=r’−r
=Wb/tanθ’―Wb/tanθ* ………(11)
但し、θ’は前輪の進行方向と車体中心線yとのなす角である。なお、なす角θ’は、目標操舵角θ*と同様に、右操舵時に正値、左操舵時に負値となるように設定されている。
【0027】
したがって、上記(11)式より、前輪の進行方向θ’は下記(12)式に示すように記述できる。
θ’=Wb・tanθ*/(tanθ*・(r’−r)+Wb) ………(12)
そのため、前輪の進行方向θ’と前輪の回転方向θ*との差、つまり横滑り角θslipは、下記(13)式に示すように記述できる。
【0028】
θslip=θ’―θ*
=θ’―Wb・tanθ*/(tanθ*・(r’−r)+Wb)………(13)
そして、横滑り角θslipで大きくなった車両の旋回半径Rが小さくなるように、下記(14)式に従って目標操舵角補正量Δθ*を算出する。
Δθ*=―θslip・k ………(14)
但し、kは定数であって“0”より大きく“2”以下の値である。
【0029】
このように、本実施形態では、横滑り角θslipの絶対値が大きいほど、つまり転舵輪の進行方向と回転方向との角度差が大きく、予測軌跡(Xv(n),Yv(n))からの変位が大きいほど、目標操舵角補正量Δθ*の絶対値を大きくするため、予測軌跡からの変位量ΔXYが小さくなるように目標操舵角が適切に補正される。
一方、前記ステップS111では、前記ステップS102で算出された目標位置Pに自車両が到達したか否かを判定する。具体的には、前記ステップS108で算出された実際の走行軌跡(Xv(n)’,Yv(n)’)が前記ステップS101で算出された目標位置Pに到達したか否かを判定し、目標位置Pに到達した場合には(Yes)この演算処理を終了し、そうでない場合には(No)前記ステップS102に移行する。
【0030】
次に、本発明の操舵制御装置の動作を具体的状況に基づいて詳細に説明する。
まず、コントロールユニット20が操舵制御処理を実行するように運転者が所定の操作を行ったとする。すると、図2のフローチャートに示すように、まず、そのステップS101で、レーダ装置18で検出された自車周辺の障害物までの距離と方向とに基づいて、図3に示すように、運転者によって指定された目標位置Pとその目標位置Pで車両の中心線を一致させる直線Cと自車両との位置関係が算出される。
【0031】
ここで、図3に示すように、車両が目標位置Pから離れたところにあり、線分PIの長さが線分OIの長さより小さいところにあるとする。すると、ステップS102で、前記位置関係に基づいて目標操舵角θ*が“0”とされ、その目標操舵角θ*に基づいて予測軌跡(Xv(n),Yv(n))が算出され、ステップS103で、その目標操舵角θ*に基づいて操舵制御が行われ、ステップS104で、前記位置関係に基づいて駆動制御が行われて、車両が直進することになる。
【0032】
また、ステップS105で、車輪速センサ19で検出された左右の後輪の車輪速Vwrl,Vwrrに基づいて、左右の後輪移動距離Lt’,Rt’が算出され、ステップS106で、その後輪移動距離Rt',Lt'の差である後輪移動距離差分ΔRLが算出され、ステップS107で、前記後輪移動距離Rt',Lt'と後輪移動距離差分ΔRLとに基づいて旋回内側にある後輪の実際の旋回半径r’が算出され、ステップS108で、前記左右の後輪移動距離Lt’,Rt’に基づいて実際の走行軌跡(Xv(n)’,Yv(n)’)が算出され、その走行軌跡(Xv(n)’,Yv(n)’)に基づいて、予測軌跡(Xv(n),Yv(n))からの変位量ΔXYが算出され、その変位量ΔXYが略々“0”であるとすると、ステップS109及びS111の判定が「No」となり、再び前記ステップS102から上記フローが繰り返される。
【0033】
上記フローが繰り返されて、車両が直進するうちに、図4に示すように、車両が目標位置Pに近づき、線分PIの長さが線分OIの長さより大きくなったとする。すると、前記ステップS102で、自車位置Oで車体中心線yと接し、且つ、直線Cに接する円の半径Rが算出されて車両の目標旋回半径R*とされ、その目標旋回半径R*が得られるような目標操舵角θ*が算出され、その目標操舵角θ*に基づいて予測軌跡(Xv(n),Yv(n))が算出され、前記ステップS103で、その目標操舵角θ*に基づいて操舵制御が行われ、前記ステップS104で、前記位置関係に基づいて駆動制御が行われて、車両が旋回することになる。
【0034】
また、前記ステップS105〜S107を経て、前記ステップS108で、前記左右の後輪移動距離Lt’,Rt’に基づいて実際の走行軌跡(Xv(n)’,Yv(n)’)が算出され、その走行軌跡に基づいて、予測軌跡(Xv(n),Yv(n))からの変位量ΔXYが算出される。ここで、図6に示すように、転舵輪である前輪に横滑りが発生し、前輪の進行方向と回転方向とに角度差を生じて車両の旋回半径が大きくなり、変位量ΔXYが許容値より大きく算出されたとする。すると、前記ステップS109の判定が「Yes」となり、ステップS110で、車両の旋回半径Rを小さくするように目標操舵角補正量Δθ*が算出され、再び前記ステップS102に移行する。そして、前記ステップS102を経て、前記ステップS103で、目標操舵角θ*が前記目標操舵角補正量Δθ*で補正され、その補正された目標操舵角θ*に基づいて操舵制御が行われ、車両の旋回半径Rが小さくなって、予測軌跡(Xv(n),Yv(n))からの変位が小さくなる。
【0035】
このように、本実施形態にあっては、左右の後輪移動距離Lt’,Rt’に基づいて予測軌跡からの変位量ΔXYを算出し、その変位量ΔXYに基づいて目標操舵角θ*を補正するため、予測軌跡からの変位量ΔXYが精度よく算出され、その変位量ΔXYが小さくなるように目標操舵角θ*が補正されて、車両が所望する軌跡を描くようになる。
【0036】
なお、上記実施の形態においては、図2のステップS102は目標操舵角算出手段及び予測軌跡算出手段に対応し、ステップS103は操舵制御手段に対応し、ステップS106は回転数検出手段に対応し、ステップS107及びS108は変位量算出手段に対応し、ステップS109及びS110は操舵角補正手段及び横滑り角算出手段に対応する。
【0037】
また、上記実施の形態は本発明の操舵制御装置の一例を示したものであり、装置の適用対象や構成等を限定するものではない。
例えば、上記実施の形態においては、コントロールユニット20をマイクロコンピュータ等の離散化されたディジタルシステムで構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、関数発生器、比較器、演算器等の電子回路を組み合わせて構成するようにしてもよい。
【0038】
また、横滑り角θslipの絶対値が大きいほど目標操舵角補正量Δθ*の絶対値を大きくする例を示したが、これに限られるものではなく、例えば、下記(15)式に従って、目標操舵角θ*の絶対値が大きいほど目標操舵角補正量Δθ*の絶対値を大きくするようにしてもよい。目標操舵角θ*の絶対値が大きいほど、つまり横滑りが大きくなって、予測軌跡(Xv(n),Yv(n))からの変位が大きくなる傾向が大きいほど、目標操舵角補正量Δθ*の絶対値を大きくすれば、横滑り角θslipを算出する手間がなく、予測軌跡からの変位量ΔXYが小さくなるように目標操舵角θ*を容易に補正できる。
【0039】
Δθ*=θ*・k ………(15)
また、横滑り角θslipに定数kを乗じて目標操舵角補正量Δθ*を算出する例を示したが、これに限られるものではなく、例えば、車両の特性や走行状態にあわせた変数を乗じるようにしてもよい。車両の速度や加速度が大きいほど、つまり遠心力等で横滑りが大きくなって、予測軌跡(Xv(n),Yv(n))からの変位が大きくなる傾向が大きいほど、横滑り角θslipに乗じる変数を大きくすれば、予測軌跡からの変位量ΔXYが小さくなるように目標操舵角θ*を適切に補正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の操舵制御装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】図1のコントロールユニットで実行される操舵制御処理のフローチャートである。
【図3】図2の操舵制御処理の動作を説明するための説明図である。
【図4】図2の操舵制御処理の動作を説明するための説明図である。
【図5】図2の操舵制御処理の動作を説明するための説明図である。
【図6】本発明の操舵制御装置の動作を説明するための説明図である。
【符号の説明】
1FL〜1RRは車輪
2はラック
3はピニオン
4はステアリングホイール
5はステアリングシャフト
6は自動操舵機構
11はエンジン
12は自動変速機
13はプロペラシャフト
14は最終減速装置
15は車軸
16はスロットルアクチュエータ
17は操舵角センサ
18はレーダ装置
19は車輪速センサ
20はコントロールユニット
Claims (4)
- 駐車時に所定の目標操舵角に基づいて操舵制御を行い、且つ、
前記目標操舵角に基づいて予測軌跡を算出し、左右の非転舵輪の回転数に基づいて左右の非転舵輪の移動距離を算出し、その左右の非転舵輪の移動距離の差に基づいて前記予測軌跡からの変位量を算出し、その変位量に基づいて前記目標操舵角を補正することを特徴とする操舵制御装置。 - 駐車時の目標操舵角を算出する目標操舵角算出手段と、
前記目標操舵角算出手段で算出された目標操舵角に基づいて操舵制御を行う操舵制御手段と、
左右の非転舵輪の回転数を検出する回転数検出手段と、
前記目標操舵角算出手段で算出された目標操舵角に基づいて予測軌跡を算出する予測軌跡算出手段と、
前記回転数検出手段で検出された左右の非転舵輪の回転数に基づいて前記予測軌跡算出手段で算出された予測軌跡からの変位量を算出する変位量算出手段と、
前記変位量算出手段で算出された変位量に基づいて前記目標操舵角算出手段で算出された目標操舵角を補正する操舵角補正手段とを備え、
前記変位量算出手段は、前記回転数検出手段で検出された左右の非転舵輪の回転数に基づいて左右の非転舵輪の移動距離を算出し、その左右の非転舵輪の移動距離の差に基づいて当該予測軌跡からの変位量を算出することを特徴とする操舵制御装置。 - 前記操舵角補正手段は、前記目標操舵角算出手段で算出された目標操舵角の絶対値が大きいほど当該目標操舵角の補正量を大きくすることを特徴とする請求項2に記載の操舵性御装置。
- 前記回転数検出手段で検出された左右の非転舵輪の回転数に基づいて転舵輪の横滑り角を算出する横滑り角算出手段を備え、
前記操舵角補正手段は、前記横滑り角算出手段で算出された横滑り角の絶対値が大きいほど前記目標操舵角の補正量を大きくすることを特徴とする請求項2に記載の操舵性御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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