JP4344883B2 - ロック装置を備えたキャブリオレのルーフ - Google Patents

Description

本発明は、少なくとも２つのルーフ部分が備えられ、このルーフ部分が、車両室内を覆う閉鎖位置と、車両室内を開放する、後部側のルーフ格納室内の格納位置との間で、支承機構によって移動可能であり、更に、ルーフの閉鎖位置で両ルーフ部分をロックするためのロック装置が備えられている、キャブリオレルーフに関する。

２つの部分からなる折畳み可能なハードトップを備えたキャブリオレが例えば特許文献１によって公知である。このハードトップは側方においてそれぞれ、２本のアームを有する平行四辺形リンクによって車体に移動可能に支承されている。前側ルーフ部分はロック装置によってルーフレールフロントに固定可能であり一方、両平行四辺形アームはロック機構によって揺動しないようにロック可能である。このロック機構はボーデンケーブルによって、前側ルーフ部分に設けたロック装置に連結されている。従って、ロック装置をロック解除することによってロック機構が同時に平行四辺形アームを解放するように操作される。
独国特許第１９６３４５１１号公報

本発明の根底をなす課題は、ロック装置が異なるように形成されたキャブリオレルーフにおける使用に適している、冒頭に述べたキャブリオレルーフを提供することである。

この課題は、上記のキャブリオレルーフにおいて、本発明に従い、ロック装置が両ルーフ部分を互いにロックするための閉鎖ユニットを備え、この閉鎖ユニットが駆動装置に駆動連結されていることと、閉鎖ユニットが連結装置を備え、ルーフの閉鎖時に、両ルーフ部分の一方に作用する第２閉鎖ユニットとの駆動連結が連結装置を介して行われ、第２閉鎖ユニットがこのルーフ部分を他のルーフ部分または車体にロックすることによって解決される。このように形成されたロック装置によって、２つのルーフ部分を互いにロックすることができる。この場合、両ルーフ部分が閉鎖位置で互いにロックされるときに、駆動装置はロックする閉鎖ユニットを介して他の閉鎖ユニットに連結可能であり、そして両ルーフ部分の隣接する両ルーフ区間がルーフの格納のために互いに離れるときに互いに分離可能である。それによって、分離および再度連結可能な駆動伝達機構を介して１個の駆動装置によって、複数のルーフ部分のための複数の閉鎖ユニットを操作することができる。

本発明の有利な実施形は従属請求項に記載されている。

駆動装置と閉鎖ユニットの間の連結部と閉鎖ユニットの間の連結部が、ロッドおよび／または押し引き可能なケーブルによって形成されていると有利である。特に押し引き可能なケーブルは、ほとんど任意に案内および敷設可能な簡単な連結部の形成を可能にする。

有利な実施形では、連結装置を有する閉鎖ユニットがロックピンを摺動可能に支承する、一方のルーフ部分に設けられた第１の支承部材と、スライダを摺動可能に支承する、隣接する他のルーフ部分に設けられ第１の支承部材に付設された第２の支承部材とを備えている。ルーフまたはルーフ部分の閉鎖運動はロックピンをスライダに連結し、ルーフまたはルーフ部分の開放運動はロックピンをスライダから分離する。それによって、連結が自動的に行われる。スライダがその連結位置に付勢されているかあるいは調節装置によって連結位置に移動し、それによってスライダが所定の連結位置を占めると合目的である。

各々の閉鎖ユニットが位置決め装置を備え、この位置決め装置がルーフの閉鎖位置で隣接する２つのルーフ部分あるいは１つのルーフ部分と隣接する車体を互いに位置決めして保持すると、特に衝突時にルーフ部分保持することができる付加的な安全装置が提供される。

次に、図を参照してキャブリオレルーフを実施の形態に基づいて詳しく説明する。

キャブリオレ２のルーフ１は、前側ルーフ部分３とまたはフロントセグメントと、中央ルーフ部分４または中央セグメントと、後側ルーフ部分５またはＣセグメントとを備えた開放可能なハードトップとして形成されている（図１参照）。キャブリオレ２は、１つだけの座席列または前側座席列と後側座席列を備えることができるので、個々のルーフ部分３，４，５の長さは車両室内のその都度の長さに適合している。ルーフ１を開放および格納する際、前側ルーフ部分３が風防ガラス７の上方のルーフレールフロント（カウル）６から切り離された後で、前側ルーフ部分３と中央ルーフ部分４と後側ルーフ部分５は、ルーフ格納室またはキャブリオレトップボックス８内に格納される。このルーフ格納室または折畳みトップボックスはキャブリオレ２の後部範囲内に配置され、折畳みトップリッドまたはトランクルームリッドによって覆われている。

３つのルーフ部分３，４，５は、それぞれルーフ部分の両側に設けられた支承装置（図示していない）を介して揺動可能に支承されている。中央ルーフ部分４は、その表面が折畳みトップボックス８内で上に向けて格納されるように、例えば主に四リンク機構によって車体に揺動可能に支承されている。前側ルーフ部分３は、四リンク機構によって中央ルーフ部分４に揺動可能に支承され、格納時に湾曲の向きを同じにした状態で、すなわち同様に表面を上に向けて中央ルーフ部分４上に揺動する。例えばリヤガラス９を含む後側ルーフ部分５または後部要素は、四リンク機構によって中央ルーフ部分４またはその支承部に揺動可能に支承されている。ルーフ１の格納時に、前側ルーフ部分３は中央ルーフ部分４上に揺動し、そして後側ルーフ部分５は前側ルーフ部分３上に揺動する。そして、湾曲の向きを同じにしたこのコンパクトなユニットは折畳みトップボックス８内に揺動する。ルーフ１は基本的には、先願の独国特許出願第１０１５０２１８．４号明細書記載のルーフと同じように構成されているので、構造と、ルーフを格納する際の運動状態の詳しい説明については上記独国特許出願の開示内容を参照されたし。

ルーフ１を図１の閉鎖位置にロックして保持するために、ルーフは側方にロック装置１０を備えている。このロック装置は、前側閉鎖ユニット（前側ロックユニット）１１と、中央閉鎖ユニット（中央ロックユニット）１２と、後側閉鎖ユニット（後側ロックユニット）１３とを備えている。前側閉鎖ユニット１１は、前側ルーフ部分３の下面に固定された支持板１５に揺動可能に支承されたロックフック１４を備えている。ロックするために、ロックフック１４は、ルーフレールフロント６に固定された支持板１７に設けられたロックピン１６を掴む。ロックフック１４の操作または揺動は駆動装置１８によって行われる。この駆動装置は、前側ルーフ部分３の前側範囲の中央に取付けられ、駆動ロッド１９を介して、ロックフック１４と一緒に揺動するように連結された揺動レバー２０に駆動連結されている。

揺動レバー２０は更に、中間ロッド２１と案内揺動部材２２とによって連結ロッド２３に連結されている。この連結ロッド２３は、中央閉鎖ユニット１２との駆動連結部を形成している。中央閉鎖ユニット１２（図３〜６参照）は、前側ルーフ部分３の後側部分に動かぬように取付けられた支承部材２４を備えている。この支承部材２４は、縦方向ガイド２５を備え、連結棒２３に固定連結されたロックピン２６がこの縦方向ガイド内に摺動可能に支承されている。ロックピン２６の直角に曲がったロック尖端部材２７は下方に突出している。中央閉鎖ユニット１２は更に、中央ルーフ部分４の前側部分に固定された支承部材２８を備えている。この支承部材２８には、スライダ２９がそれに沿って摺動可能に支承されている。このスライダ２９は、後側閉鎖ユニット１３に案内された連結ケーブル３０に連結されている。連結ケーブル３０は、例えばスライドルーフ駆動装置によって知られている押し引きケーブルであるがしかしその代わりに、駆動ロッドまたは連結ロッドによって駆動力または操作力を後側閉鎖ユニット１３に伝達してもよい。引張りばね３１は、スライダ２９を前側ルーフ部分３の方に連結位置へ付勢している（図３，４の左側へ、図６のばねを象徴的に示した矢印Ｆ参照）。スライダ２９が中央ルーフ部分４から突出する連結位置では、ロックピン２６のロック尖端部材２７がスライダ開口３２に係合可能である。一方、ルーフ１の閉鎖時に、前側ルーフ部分３は中央ルーフ部分４と相対的に下降する（図３から図４への運動）。支承部材２８には位置決めスリーブ３３が固定されている。この位置決めスリーブ３３は、前側支承部材２４に取付けられた円錐形の位置決めピン３４を収容するためのものである。この位置決めピンは前側ルーフ部分３が中央ルーフ部分４と相対的に下降する際に、位置決めスリーブ３３に挿入される。

前側ルーフ部分３と中央ルーフ部分４の互いに位置決めされた閉鎖位置において（図４）、駆動装置１８を操作し、駆動機構を介してロック運動を伝達すると、後側閉鎖ユニット１３が操作される。その際、連結ロッド２３と、ロックピン２６と、ロック尖端部材２７と、連結されたスライダ（図５）と、このスライダに連結された連結ケーブル３０が摺動する。垂直方向、すなわちｚ方向において、ロックピン２６によって位置決めまたはロックが行われる。このロックピン２６は、支承部材２８の下面に接触している。

連結ケーブル３０はその後端がロックピン３５に連結されている（図７〜１０参照）。このロックピン３５は、中央ルーフ部分４の後側部分に固定された、後側閉鎖ユニット１３の前側支承部材３６内に縦方向に摺動可能に支承されている。後側閉鎖ユニット１３は更に、後側支承部材３７を備えている。この後側支承部材３７は、後側ルーフ部分５の前側範囲に固定され、位置決めピン３８を備えている。この位置決めピン３８は、前側支承部材３６に取付けられた位置決めスリーブ３９に係合する。位置決め係合が行われる一方、中央ルーフ部分４と後側ルーフ部分５はルーフ１の閉鎖時に、互いに面一に接するまで互いに近接する（図７から図８への運動）。位置決めされた位置（図８）において、連結ケーブル３０によって操作されたロックピン３５はピン収容部４０に挿入される。このピン収容部４０は、後側支承部材３７に取付けられている。ピン収容部４０内で、ロックピン３５はＹ方向とＺ方向（横方向と上下方向）にロックされている。

ルーフ１はその反対側の右側にも、このようなロック装置１０を備えている。このロック装置１０は、右側の駆動ロッドによって中央の駆動装置１８に駆動連結されている。従って、右側と左側のロック装置は１個の駆動装置１８によって同時に操作可能である。

駆動装置１８は機械的、電気的、油圧的または空気圧的な駆動力で作動可能である。前側閉鎖ユニット１１と駆動連結して前側ルーフ部分に配置した図示配置構造と異なり、駆動装置１８を前側ルーフ部分の後端部に配置し、そして例えば中央閉鎖ユニット１２の範囲内の案内レバーによって連結ロッド２３の後端部に駆動連結してもよい。更に、駆動装置１８を中央ルーフ部分４に支承し、そして例えば中央閉鎖ユニット１２または後側閉鎖ユニット１３に連結することによって、後側連結装置または連結ケーブル３０または連結ロッドに駆動連結することができる。この場合、中央閉鎖ユニット１２のロックピン２６はロックの前に例えばばねのような調節装置によって所定の位置にもたらされる。

閉鎖ユニットは、硬質のルーフシェルとして形成されたハードトップルーフのルーフ部分にしっかりと取付けられているがしかし、ルーフ部分用支承装置に連結された支持フレームに固定してもよい。この支持フレームにはルーフ部分が固定されている。

更に、ロック装置は例えば４つのルーフ部分を有するルーフにも使用可能である。この場合、ロック装置は中央閉鎖ユニット１２に一致する他の１つの閉鎖ユニットを備えている。この閉鎖ユニットは付加的な分離個所での駆動力伝達機構の連結または中断を可能にする。

位置決めピンは寸法安定性を生じると共に、衝突時に移動しないようにルーフ部分を保持する。

閉鎖ユニットとその支承部材によって、ルーフ部分を調節することができ、かつ製作誤差を補正することができる。

ロック装置は普遍的に使用可能であり、その要素を変更することによって異なるルーフに適合可能である。ロック装置は、ルーフ部分が支持構造体の個々のフレームを形成しているソフトトップルーフのためにあるいは互いにロックされるかまたは車体にロックされる複数のルーフ部分またはフレーム部分を備えたルーフのためにも使用可能である。

３つのルーフ部分を有するキャブリオレルーフの左側半部の閉鎖状態を示す概略的な側面図であり、この場合前側と中央と後側の閉鎖ユニットを有するロック装置がルーフ部分をロックして保持している。 前側ルーフ部分をルーフレールフロントにロックするための前側閉鎖ユニットの底面図である。 ルーフ閉鎖時に近接する前側ルーフ部分と中央ルーフ部分を示す側面図であり、この場合中央閉鎖ユニットがロック係合前の状態にある。 図３の両ルーフ部分のロック位置を示す側面図であり、この場合中央閉鎖ユニットがロック係合状態にあり、後側閉鎖ユニットに対して駆動連結されている。 図４の両ルーフ部分のロック位置を示す側面図であり、この場合中央閉鎖ユニットがロック係合状態にあり、駆動連結部が後側閉鎖ユニットに対して駆動運動を行っている。 図５の位置にある中央閉鎖ユニットを下から見た斜視図である。 ルーフの閉鎖時に近接する中央ルーフ部分と後側ルーフ部分の側面図であり、この場合後側ルーフ部分がロック係合前の状態にある。 ロックされた閉鎖位置にある図７の中央ルーフ部分と後側ルーフ部分の側面図である。 ロック位置にある後側閉鎖ユニットの図８のＡ−Ａ線に沿った断面図である。 図９のロック位置にある後側閉鎖ユニットを上から見た斜視図である。

符号の説明

１…車両ルーフ、２…キャブリオレ、３…前側ルーフ部分、４…中央ルーフ部分、５…後側ルーフ部分、６…ルーフレールフロント、７…風防ガラス、８…折畳みトップボックス、９…リヤガラス、１０…ロック装置、１１…前側閉鎖ユニット、１２…中央閉鎖ユニット、１３…後側閉鎖ユニット、１４…ロックフック、１５…支持板、１６…ロックピン、１７…支持板、１８…駆動装置、１９…駆動ロッド、２０…揺動レバー、２１…中間ロッド、２２…案内揺動レバー、２３…連結ロッド、２４…支承部材、２５…縦方向ガイド、２６…ロックピン、２７…ロック尖端部材、２８…支承部材、２９…スライダ、３０…連結ケーブル、３１…引張りばね、３２…スライダ開口、３３…位置決めスリーブ、３４…位置決めピン、３５…ロックピン、３６…前側支承部材、３７…後側支承部材、３８…位置決めピン、３９…位置決めスリーブ、４０…ピン収容部

Claims (6)

1. 少なくとも２つのルーフ部分が備えられ、このルーフ部分が、車両室内を覆う閉鎖位置と、車両室内を開放する、後部側のルーフ格納室内の格納位置との間で、支承機構によって移動可能であり、更に、ルーフの閉鎖位置で両ルーフ部分をロックするためのロック装置が備えられている、キャブリオレルーフにおいて、ロック装置（１０）が両ルーフ部分（３，４）を互いにロックするための閉鎖ユニット（１２）を備え、この閉鎖ユニットが駆動装置（１８）に駆動連結されていることと、閉鎖ユニット（１２）が連結装置（２６，２７，２９，３１）を備え、ルーフ（１）の閉鎖時に、両ルーフ部分（３，４）の一方に作用する第２閉鎖ユニット（１３）との駆動連結が前記連結装置を介して行われ、前記第２閉鎖ユニットがこのルーフ部分（３，４）を他のルーフ部分（５）または車体（６）にロックし、
   連結装置を有する閉鎖ユニット（１２）がロックピン（２６）を摺動可能に支承する、一方のルーフ部分（３）に設けられた第１の支承部材（２４）と、スライダ（２９）を摺動可能に支承する、隣接する他のルーフ部分（４）に設けられ第１の支承部材（２４）に付設された第２の支承部材（２８）とを備え、ルーフ（１）またはルーフ部分（３，４，５）の閉鎖運動がロックピン（２６）をスライダ（２９）に連結し、開放運動がロックピン（２６）をスライダ（２９）から分離することを特徴とするキャブリオレルーフ。
2. スライダ（２９）がその連結位置に付勢されていることを特徴とする、請求項１に記載のキャブリオレルーフ。
3. 各々の閉鎖ユニット（１１，１２，１３）が位置決め装置（３３，３４）を備え、この位置決め装置がルーフ（１）の閉鎖位置で隣接する２つのルーフ部分（３，４または４，５）あるいは１つのルーフ部分（３）と隣接する車体（６）を互いに位置決めして保持することを特徴とする、請求項１または２に記載のキャブリオレルーフ。
4. キャブリオレルーフが前側ルーフ部分（３）と中央ルーフ部分（４）と後側ルーフ部分（５）とを備え、前側閉鎖ユニット（１１）が前側ルーフ部分（３）をルーフレールフロント（６）にロックし、中央閉鎖ユニット（１２）が前側ルーフ部分（３）を中央ルーフ部分（４）にロックし、後側閉鎖ユニット（１３）が中央ルーフ部分（４）を後側ルーフ部分（５）にロックし、駆動装置（１８）が前側ルーフ部分（３）または中央ルーフ部分（４）に配置されていることを特徴とする、請求項１〜３のいずれか一つに記載のキャブリオレルーフ。
5. 後側閉鎖ユニット（１３）が前側支承部材（３６）に摺動可能に支承されたロックピン（３５）を備え、このロックピンが後側支承部材（３７）に固定可能であることを特徴とする、請求項１〜４のいずれか一つに記載のキャブリオレルーフ。
6. 後側支承部材（３７）が１つのルーフ部分または車体に設けられていることを特徴とする、請求項５記載のキャブリオレルーフ。

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