以下に、本発明の実施の形態を図、実施例等を使用して説明する。なお、これらの図、実施例等および説明は本発明を例示するものであり、本発明の範囲を制限するものではない。本発明の趣旨に合致する限り他の実施の形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。なお、本発明に係る式中、末端の単線はメチル基であることを意味し、折れ線はメチレン基のつながりであることを意味する。Rは、式毎に独立に、水素もしくは炭素数0から100を含む官能基を表し、R1は、式毎に独立に、トリフロロメチル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチル基、t−ブチルジフェニルシリル基、2−ベンゼンスルホン酸エトキシ基または9−フローレニルメチル基等オリゴDNAを分解しない条件で脱保護可能な官能基を表し、R2は、式毎に独立に、水酸基、O−βシアノエトキシ−ジイソプロピルアミノホスフィン基、O−メトキシ−ジイソプロピルアミノホスフィン基またはH−ホスホネート基を表し、R3は、式毎に独立に、水素、アセチル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、フェノキシアセチル基、あるいは、p−(i−プロピル)フェノキシアセチル基を表し、R4は、式毎に独立に、水素、アセチル基、イソブチリル基、ベンゾイル基、フェノキシアセチル基、あるいは、p−(i−プロピル)フェノキシアセチル基を表し、R5は、式毎に独立に、水酸基またはO−(CO)CH2CH2(CO)CH3を表す。R6は、式毎に独立に、水酸基または2−シアノエトキシ基を表す。R7は水酸基またはジメチルトリチル基を表す。R8は、図7のビオチン化SH末端分子の末端基を表す。R9は、図6のXまたはY中の末端基を表す。R10はNH2またはNH−(CO)−Rを表す。
また、本発明におけるbaseは塩基を意味し、特に断らない限り、図9に示すアデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシルまたはその保護体の他、本発明における修飾ヌクレオチドn量体の塩基と同様の塩基を使用することができる。
まず、本発明に係る若干の用語について定義する。
(ヌクレオシド単位)
本発明に係るヌクレオシド単位は糖と塩基とを含む。リン酸基やホスファイト基を含んでいてもよい。
(ヌクレオシド体)
糖と塩基とを含む構造体を意味する。リン酸基やホスファイト基を含む場合もある。糖と塩基との対を一組だけ有する場合も2以上有する場合もある。リン酸基を含む場合はヌクレオチドでもある。
(三重結合を介して塩基と結合している置換基)
この置換基については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。たとえば、天然または非天然のアミノ酸基、金属錯体基、蛍光色素基、酸化還元色素基、スピンラベル化が可能な基、炭素数1〜100のアルキル基、式1〜10で表される基を有するものなどが挙げられる。これらは、置換基で更に置換されていてもよい。これらは一種類使用しても複数種類使用してもよい。
上記天然または非天然のアミノ酸基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、たとえば、バリン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、アルギニン、グルタミン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、システイン、スレオニン、メチオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アスパラギン、グリシン、セリンおよびこれらに由来する基が挙げられる。
上記金属錯体基としては、金属イオンに配位子が配位した化合物に由来する基であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、たとえば、Ruビピリジル錯体、フェロセン錯体、ニッケルイミダゾール錯体などに由来する基が挙げられる。
上記蛍光色素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、たとえば、フルオレセイン系列、ローダミン系列、エオシン系列、NBD系列等の蛍光色素などに由来する基が挙げられる。
上記酸化還元色素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、たとえば、ロイコアニリン、ロイコアントシアニン、等のロイコ色素などに由来する基が挙げられる。
上記スピンラベル化が可能な基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、たとえば、鉄N−(ジチオカルボキシ)サルコシン(sarcosine)、TEMPO(テトラメチルピペリジン)誘導体などに由来する基が挙げられる。
上記炭素数1〜100のアルキル基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
更に、式11で表される基も好ましい。
なお、式11中、Rは、他の式とは独立に、水素もしくは炭素数0から100を含む官能基を表す。
式11で表される基としては、式12〜17で表される基からなる群から選ばれた基であることがより好ましい。
なお、式12〜16中、R
1は、互いに独立に、トリフロロメチル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチル基、t−ブチルジフェニルシリル基、2−ベンゼンスルホン酸エトキシ基または9−フローレニルメチル基等オリゴDNAを分解しない条件で脱保護可能な官能基を表す。
(修飾ヌクレオチドn量体)
ヌクレオチドn量体とはヌクレオシド単位を1以上含むヌクレオチドオリゴマーを意味する。すなわち、nは1以上の整数を表す。一分子中のリン酸基の数は、ヌクレオシド単位の数より少ない場合もある。本発明におけるヌクレオチドn量体中のヌクレオシド単位の数(すなわちn)を数える場合には、糖と塩基とよりなる対の数で決め、リン酸基の数および、その他の置換基、保護基等の存否や相違は考慮されない。「修飾」とは塩基に置換基を有することを意味する。ただし、ヌクレオシド単位やその他の位置に他の置換基が存在していてもよい。
(修飾ヌクレオチド配列体)
修飾ヌクレオチド配列体とは修飾基を有するヌクレオチドオリゴマーまたはポリマーを意味する。本発明に係る修飾ヌクレオチドn量体の構造を含む修飾ヌクレオチド配列体は、オリゴマーの場合であっても、上記ヌクレオチドn量体の場合より、通常、かなり高い分子量を有する。この修飾基には、本発明に係る修飾ヌクレオチドn量体に由来する修飾基が含まれるが、場合によっては他の修飾基を含んでいてもよい。なお、「本発明に係る修飾ヌクレオチドn量体の構造を含む」とは、修飾ヌクレオチド配列体が本発明に係る修飾ヌクレオチドn量体の構造以外の構造部分を有していてもよいことを意味する。従って、「本発明に係る修飾ヌクレオチドn量体と本発明に係る修飾ヌクレオチドn量体以外のヌクレオチドオリゴマーとを重合してなる修飾ヌクレオチド配列体」も本発明の範疇に属し得る。本発明に係る修飾ヌクレオチドn量体のみを重合したものも上記修飾ヌクレオチド配列体の範疇に属することは言うまでもない。
本発明によれば、新規な修飾ヌクレオチドn量体(以下、種々の場合に「n量体」を使用するが、すべての場合について、特に断らない限りnは2以上の整数を表す。)が提供される。この修飾ヌクレオチドn量体の特徴は、塩基に置換基が導入されたヌクレオシド単位を含み、その置換基が三重結合を介して塩基と結合していることである。
三重結合を採用することにより、修飾ヌクレオチドn量体を機能性物質等の用途に使用すると、処理の途中で、構造変化が生じることを防止できる。すなわち、従来から塩基に導入されているトランス二重結合がシス二重結合に変化してしまう場合に典型的に示されるような構造変化の問題を回避できる。
本発明に係る修飾ヌクレオチドn量体のヌクレオシド単位は、すべての塩基が三重結合を介した置換基を有している必要はなく、他の置換基を有する塩基や置換基を持たない塩基を有していてもよい。
本発明に係る修飾ヌクレオチドn量体は、置換基が三重結合を介して塩基と結合しているヌクレオシド単位を含んでいればどのようなものから選択することもできるが、合成の容易さや化学的安定性から、塩基がプリン塩基またはピリミジン塩基であるものが好ましい。ここでプリン塩基とは、プリンおよびプリン核の種々の部分が置換された誘導体の総称であり、ピリミジン塩基とは、ピリミジンおよびピリミジン核の種々の部分が置換された誘導体の総称である。更に具体的に言えば、7−デアザアデニン骨格,7−デアザグアニン骨格、シトシン骨格またはウラシル骨格を有するものが好ましい。
三重結合が結合する位置についても、本発明の趣旨に反しない限り特に制限はないが、合成の容易さから、プリン塩基についてはその7位に、ピリミジン塩基については、その5位に結合することが好ましい。より具体的には、7−デアザアデニン骨格と7−デアザグアニン骨格とについては、その7位に、シトシン骨格とウラシル骨格とについては、その5位に三重結合が結合することが好ましい。
これらの例を図1の式24,25に示す。式24,25は共にウラシル骨格を有する修飾ヌクレオチド2量体の例である。図2の式74〜83には、7−デアザアデニン骨格、7−デアザグアニン骨格およびシトシン骨格を使用した修飾ヌクレオチド2量体の例を示す。図2中のR、R2、R3、R4、R6等の記号は、他の場合と同様の意味を有する。なお、図1はR2がO−βシアノエトキシ−ジイソプロピルアミノホスフィン基、R6が2−シアノエトキシ基の例を表す。
構造変化を防止できるという観点からは、本発明に係る三重結合の導入は、2量体以上の場合のみならず、単量体、すなわち、塩基に置換基が導入されたヌクレオシド単位を含み、当該置換基が三重結合を介して当該塩基と結合している修飾ヌクレオチドn量体であって、n=1の場合にも有用である。このような例としては、式18で表される構造を有するものを例示することができる。
(式18中、Zは、他の式とは独立に、7−デアザアデニン骨格,7−デアザグアニン骨格、シトシン骨格またはウラシル骨格を含む基を表す。Rは、他の式とは独立に水素もしくは炭素数0から100を含む官能基、R
2は、他の式とは独立に、水酸基、O−βシアノエトキシ−ジイソプロピルアミノホスフィン基、O−メトキシ−ジイソプロピルアミノホスフィン基またはH−ホスホネート基を表す。)。ZとRの組み合わせの例を図8に示す。図8中のR、R
3、R
4等の記号は、他の場合と同様の意味を有する。これらのZとRの組み合わせは、本発明に係る他の式(式20〜23)にも適用することができる。
さらに、この修飾ヌクレオチドn量体を構成要素として、修飾ヌクレオチドm量体(ここで、mは2以上の整数を表す)を合成することもでき、好ましい場合がある。mは2〜4が好ましい。
本発明に係る修飾ヌクレオチドn量体(n=1以上。)は、後述のものも含め、修飾ヌクレオチド配列体(すなわち、修飾ヌクレオチドn量体の構造を含む修飾ヌクレオチド配列体)の合成に好適に使用することができ、この修飾ヌクレオチド配列体を含み、標的に対し親和性を有する物質(機能性物質)またはその構成要素として、たとえば新薬の開発等に好適に使用することが可能となる。もちろん、それ以外の用途に使用してもよい。nは、精製が比較的容易であることから、2〜4の整数が好ましい。
なお、本発明では、用語「機能性物質」が、機能性物質候補の合成の段階、機能性物質の選別の段階、機能性物質から特定の置換基を脱離する段階、機能性物質を増幅する段階、機能性物質の構造を決定する段階、機能性物質の製造の段階等に使用されているが、上記の修飾ヌクレオチドn量体(n=1以上。)を使用して合成した修飾ヌクレオチド配列体を含む機能性物質は、このいずれの段階についても適用される概念である。
上記修飾ヌクレオチドn量体(n=1以上。)の合成および三重結合や置換基の導入には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。2量体や3量体等のオリゴマーの合成には、たとえば、ジエステル法、トリエステル法、ホスファイト法、ホスホロアミダイト法、H−ホスホネート法、チオホスファイト法などが挙げられる。これらの中でも、ホスホロアミダイト法が好適である。
修飾ヌクレオチドn量体(n=1以上。)の合成および三重結合や置換基の導入は、たとえばウラシル骨格を使用した系について例示すると図3の合成ルートに示されるような原料または中間体を選択することが、合成が容易であり好ましい。他の骨格系を使用した系についても同様であると考えられる。
これらの原料または中間体を使用する製造方法は、特に、上記の種々の修飾ヌクレオチドn量体を合成するのに適している。より一般的な表現で表せば下記式19〜23で表されるヌクレオシド体を原料または中間体として使用することが好ましい。
(式19中、R
2は、他の式とは独立に、水酸基、O−βシアノエトキシ−ジイソプロピルアミノホスフィン基、O−メトキシ−ジイソプロピルアミノホスフィン基またはH−ホスホネート基を表す。)
(式20中、Zは、他の式とは独立に、7−デアザアデニン骨格,7−デアザグアニン骨格、シトシン骨格またはウラシル骨格を含む基を表す。R
10は、NH
2またはNH−(CO)−Rを表す。このRは、他の式とは独立に水素もしくは炭素数0から100を含む官能基を表す。)
(式21中、R
5は、他の式とは独立に、水酸基またはO−(CO)CH
2CH
2(CO)CH
3を表す。R
6は、他の式とは独立に、水酸基または2−シアノエトキシ基を表す。Zは、他の式とは独立に、7−デアザアデニン骨格,7−デアザグアニン骨格、シトシン骨格またはウラシル骨格を含む基を表す。Rは、他の式とは独立に水素もしくは炭素数0から100を含む官能基を表す。)
(式22中、R
7は、水酸基またはジメチルトリチル基を表す。Zは、他の式とは独立に、7−デアザアデニン骨格,7−デアザグアニン骨格、シトシン骨格またはウラシル骨格を含む基を表す。Rは、他の式とは独立に水素もしくは炭素数0から100を含む官能基を表す。)
(式23中、R
5は、他の式とは独立に、水酸基またはO−(CO)CH
2CH
2(CO)CH
3を表す。R
6は、他の式とは独立に、水酸基または2−シアノエトキシ基を表す。Zは、他の式とは独立に、7−デアザアデニン骨格,7−デアザグアニン骨格、シトシン骨格またはウラシル骨格を含む基を表す。Rは、他の式とは独立に水素もしくは炭素数0から100を含む官能基を表す。)
上記オリゴマーを重合する方法には特に制限はなく、公知の方法の中から目的に応じて適宜選択することができ、たとえば、DNAシンセサイザー(DNA自動合成機)を用いる方法、予め作製しておいたオリゴヌクレオチドランダム
配列体に対しモノマーブロックを並べてアニーリングし、DNAリガーゼまたはRNAリガーゼを作用させて結合させる方法などが好適である。
上記DNAシンセサイザーを用いる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、たとえば、図4に示すようなDNAシンセサイザーを用い、合成した修飾ヌクレオチド2量体を複数種混合したものを試薬とし、この試薬をコントローラーの制御に基づきノズル7により吸い上げて重合させることにより、ランダムであらゆる配列順序の修飾ヌクレオチド配列体を有する機能性物質候補を作製する方法などが好ましい。この方法は、機能性物質候補を効率よく作製することができる点で有利である。
本発明に係る機能性物質の構造決定方法では、上記修飾ヌクレオチドn量体(n=1以上、)を用いて作製した修飾ヌクレオチド配列体を機能性物質またはその候補として使用する。この構造決定方法では、機能性物質候補を合成し、この機能性物質候補の中から、標的に対し親和性を有する機能性物質を選別し、この選別された機能性物質から特定の置換基を脱離し、または脱離せず、この選別された機能性物質またはこの特定の置換基を脱離した機能性物質を増幅し、この増幅された機能性物質の構造を決定する。
また、本発明に係る機能性物質の製造方法では、このようにして得た機能性物質の構造に基づいて、機能性物質を製造する。機能性物質の構成要素を製造することもでき、有用である。
(標的)
本発明に係る標的としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、たとえば、タンパク質、リポタンパク質、糖タンパク質、ポリペプチド、脂質、多糖類、リポ多糖類、核酸、環境ホルモン、薬物、これらの複合体などが挙げられる。これらの分解物でもよい。
これらは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、血漿タンパク質、腫瘍マーカー、アポタンパク質、ウイルス、自己抗体、凝固・線溶因子、ホルモン、血中薬物、HLA抗原、環境ホルモン、核酸などが好適に挙げられる。
上記血漿タンパク質としては、たとえば、免疫グロブリン(IgG,IgA,IgM,IgD,IgE)、補体成分(C3,C4,C5,C1q)、CRP、α1−アンチトリプシン、α1−マイクログロブリン、β2−マイクログロブリン、ハプトグロビン、トランスフェリン、セルロプラスミン、フェリチンなどが挙げられる。
上記腫瘍マーカーとしては、たとえば、α−フェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、CA19−9、CA125、CA15−3、SCC抗原、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)、PIVKA−II、γ−セミノプロテイン、TPA、エラスターゼI、神経特異エノラーゼ(NSE)、免疫抑制酸性タンパク質(IAP)などが挙げられる。
上記アポタンパク質としては、たとえば、アポA−I、アポA−II、アポB、アポC−II、アポC−III、アポEなどが挙げられる。
上記ウイルスとしては、たとえば、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HBC)、HTLV−I、HIVなどが挙げられる。また、ウイルス以外の感染症としては、ASO、トキソプラズマ、マイコプラズマ、STDなどが挙げられ、これらの病原体、および生じたタンパク質も標的として挙げられる。
上記自己抗体としては、たとえば、抗マイクロゾーム抗体、抗サイログロブリン抗体、抗核抗体、リュウマチ因子、抗ミトコンドリア抗体、ミエリン抗体などが挙げられる。
上記凝固・線溶因子としては、たとえば、フィブリノゲン、フィブリン分解産物(FDP)、プラスミノゲン、α2−プラスミンインヒビター、アンチトロンビンIII、β−トロンボグロブリン、第VIII因子、プロテインC、プロテインSなどが挙げられる。
上記ホルモンとしては、たとえば、下垂体ホルモン(LH、FSH、GH、ACTH、TSH、プロラクチン)、甲状腺ホルモン(T3、T4、サイログロブリン)、カルシトニン、副甲状腺ホルモン(PTH)、副腎皮質ホルモン(アルドステロン、コルチゾール)、性腺ホルモン(hCG、エストロゲン、テストステロン、hPL)、膵・消化管ホルモン(インスリン、C−ペプチド、グルカゴン、ガストリン)、その他(レニン、アンジオテンシンI,II、エンケファリン、エリスロポエチン)などが挙げられる。
環境ホルモンは、外界に広く存在して生物の生活活動と共に体内に取り込まれてその生殖、発生、行動などを含む生理的な内分泌の諸現象に影響を及ぼす外因性内分泌撹乱化学物質である。上記環境ホルモンとしては、たとえば、ノニルフェノール、オクチルフェノール、ビスフェノールA、フタル酸ブチルベンジル、トリブチルスズ、PCB、ポリ塩化ジベンゾジオキシン、ポリ塩化ジベンゾフラン、ダイオキシン類、DDT、DDE、DDD、エンドスルファン、メトキシクロル、ヘプタクロル、トキサフェン、ディルドリン、リンデン、ジエチルスチベロール(DES)、エチニルエストラジオール(ピルの成分)、クメストロール、フォルモノネテイン、ゲニステインなどが挙げられる。
上記血中薬物としては、たとえば、カルバマゼピン、プリミドン、バルプロ酸等の抗てんかん薬、ジゴキシン、キニジン、ジギトキシン、テオフィリン等の循環器疾患薬、ゲンタマイシン、カナマイシン、ストレプトマイシン等の抗生物質などが挙げられる。
上記核酸としては、癌関連遺伝子、遺伝病に関連する遺伝子、ウイルス遺伝子〜細菌遺伝子および病気のリスクファクターと呼ばれる多型性を示す遺伝子などが挙げられる。
癌関連遺伝子としては、たとえば、k−ras遺伝子、N−ras遺伝子、p53遺伝子、BRCA1遺伝子、BRCA2遺伝子、src遺伝子、ros遺伝子またはAPC遺伝子などが挙げられる。
遺伝病に関連する遺伝子としては、たとえば、各種先天性代謝異常症、たとえばフェニールケトン尿症、アルカプトン尿症、シスチン尿症、ハンチントン舞踏病、Down症候群、Duchenne型筋ジストロフィー、血友病などの遺伝子が挙げられる。
ウイルス遺伝子〜細菌遺伝子としては、たとえば、C型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、HIVウイルス、マイコプラズマ、リケッチア、レンサ球菌、サルモネラ菌などの遺伝子が挙げられる。
多型性を示す遺伝子とは、病気等の原因とは必ずしも直接は関係のない個体によって異なる塩基配列体を持つ遺伝子、たとえば、PS1(プリセリニン1)遺伝子、PS2(プリセリニン2)遺伝子、APP(ベーターアミロイドプレカーサータンパク質)遺伝子、リポプロテイン遺伝子、HLA(HumanLeukocyteAntigen)や血液型に関する遺伝子、あるいは高血圧、糖尿病等の発症に関係するとされている遺伝子などが挙げられる。
これらの標的は、特定の被検体中に含まれる場合が多い。このような被検体としては、たとえば、細菌、ウイルス等の病原体、生体から分離された血液、唾液、組織病片等、あるいは糞尿等の***物が挙げられる。更に、出生前診断を行う場合は、羊水中に存在する胎児の細胞や、試験管内での***卵細胞の一部などであってもよい。また、これらの被検体は、直接、または必要に応じて遠心分離操作等により沈渣として濃縮した後、たとえば、酵素処理、熱処理、界面活性剤処理、超音波処理、これらの組合せ等による細胞破壊処理を予め施されていてもよい。
(機能性物質)
本発明に係る機能性物質は標的に対し親和性を有する物質である。増幅されるべき機能性物質は、標的に対し親和性を有する物質として選別された機能性物質または、選別された機能性物質から特定の置換基を脱離したものである。選別された機能性物質が増幅を妨げる置換基を有している場合にこのような置換基の脱離を含めることが有用である。この場合の特定の置換基とは選別された機能性物質が増幅を妨げる置換基を意味する。増幅を妨げる置換基がない場合はこの脱離操作は不要である。本発明により製造される機能性物質は、増幅されるべき機能性物質またはその分解物、あるいは、増幅されるべき機能性物質またはその分解物を含む物質を意味する。
本発明に係るこれらの機能性物質は、機能性物質候補の合成を上記修飾ヌクレオチドn量体を用いて行うことにより得られる。
この場合のヌクレオチド配列体のつながりの数については特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。たとえば、10〜100量体が好ましく、10〜50量体がより好ましい。
標的に対する親和性については特に制限はなく、生物学的吸着、物理的吸着、電気的吸引、化学的吸着、化学的結合のいずれであってもよいが、選別のしやすさからは解離定数(Kd)が小さいものが好ましい。たとえばKdが10-9以下のものが好ましい。
本発明に係る機能性物質の標的に対する親和性は、特定の一つの標的のみに親和性を示すもの、特定の構造を有する標的に特異的親和性を示すもの(たとえば、特定の塩基配列を有するタンパク質にのみ親和性を示すものや、特定の空間配置を持つタンパク質にのみ親和性を示すもの)というように、特異的親和性を有するものが好ましい。
(特定の置換基)
機能性物質には、標的との親和性を高める、安定性を高める、合成を容易にする等の種々の理由から種々の置換基が導入される。本発明に係る三重結合を介して当該塩基と結合している置換基や特定の置換基はこの置換基の一種である。
本発明に係る特定の置換基は、機能性物質に含まれている置換基であって、その置換基を脱離した機能性物質の増幅が進行し得る置換基であればどのような置換基でも対象足り得る。
このような特定の置換基は、典型的には、その置換基が存在する場合には増幅が進行せず、その置換基が存在しない場合には増幅が進行するものを指すが、その置換基が存在する場合にも増幅が進行するものであっても差し支えない。増幅の進行を妨げるか否かを問わず、一律に特定の置換基を脱離し、その結果増幅が進行すれば、特定物質の構造を解析するという本発明の目的を達し得るからである。なお、特定の置換基を脱離した結果、その置換基のあった個所に別の種類の置換基が生じる場合もあるが、増幅を進行できる限り、このような別の種類の置換基が生じてもかまわない。
(機能性物質候補)
本発明に係る機能性物質候補には特に制限はなく、上記修飾ヌクレオチドn量体を用いて行うことにより得られるどのようなものを選択してもよい。機能性物質候補の数には特に制限はなく、何千、何万の機能性物質候補の中からたった一つの機能性物質を選別することもあり得る。
(選別)
本発明に係る選別としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。修飾ヌクレオチド配列体を含んでなる機能性物質の場合には、たとえば、アフィニティークロマトグラフィー、フィルター結合、液−液分割、ろ過、ゲルシフト、密度勾配遠心分離などの各種方法が挙げられる。これらは、1種単独で行ってもよく、2種以上行ってもよい。これらの中でも、アフィニティークロマトグラフィーが好ましい。選別される機能性物質は1種類ではなく複数種類であることもあり得る。
アフィニティークロマトグラフィーは、特定の成分同士が結合し易い生物学的親和性を利用した分離・精製手段であり、具体的には、機能性物質が修飾ヌクレオチド配列体を含んでなる場合には、標的を樹脂等のカラム充填材に固定化し、結合用緩衝液で平衡化してから、機能性物質候補を含む溶液をカラム中に流し込み、一定条件下に放置すると、標的と親和性を有する修飾ヌクレオチド配列体がカラムに吸着し、結合用緩衝液で充分洗浄することにより、残留する修飾ヌクレオチド配列体以外の成分を除去することができる。その後、上記標的を含む溶液あるいは純水をカラムに流すことにより、上記修飾ヌクレオチド配列体を含む機能性物質を回収し、選別することができる。
標的自体が未知で2種以上存在する場合(たとえば、臓器や血清など)には、標的を一次元〜三次元の空間配置を持つマトリックス上にマッピングして区画化して固定し、標的が固定され区画化されたマトリックスに対し、機能性物質候補を作用させ、標的と結合した機能性物質を選別してもよい。
マトリックス上に標的を固定する方法については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、たとえば、標的がタンパク質である場合には、標的をポリアクリルアミド電気泳動(たとえば、SDS−PAGEなど)処理した後に膜状のマトリックスに転写するウエスタンブロット法、膜状のマトリックスに標的またはその希釈液を直接染み込ませるドットブロット法やスロットブロット法などが挙げられる。これらの中でも、細胞抽出液などの複雑な組成の溶液中に微量に含まれるタンパク質でも明瞭に検出可能な点で、ウエスタンブロット法が好ましい。ウエスタンブロット法は、電気泳動の優れた分離能と抗原抗体反応の高い特異性を組み合わせて、タンパク質混合物から特定のタンパク質を検出する手法であり、SDS−PAGE、等電点電気泳動、二次元電気泳動等の後、ゲルからタンパク質を電気的に膜状のマトリックスに移動・固定化させる方法である。膜状のマトリックスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、タンパク質が結合し易い疎水性の高いニトロセルロース膜、疎水性に優れたPVDF(ポリビニリデンジフルオライド、Polyvinylidenedifluoride)膜などが好適に挙げられる。
上記選別工程の前に、合成された機能性物質候補を他の物質から分離する予備精製操作を加えてもよい。この予備精製操作には、標的に対し親和性を有する機能性物質およびその他の機能性物質候補に対し親和性を有し、他の物質には親和性を示さないような条件で、上記選別と同様の技術を適用することができる。
また、上記選別工程の際、機能性物質の精製を行ってもよい。精製は、標的と機能性物質との解離定数をモニターしながら機能性物質を標的から遊離させることにより行うのが好ましい。この方法は、最小一回の処理で所望の解離定数を持つ機能性物質を効率よく選別することができる点で有利である。なお、解離定数は、標的に応じて適宜設定することができ、たとえば、サーフェスプラズモン共鳴を用いた測定機器により測定することができる。
なお、選別工程においては、たとえば、解離定数の異なる2種以上の物質の相互作用を利用し、小さい解離定数に適応した洗浄操作を行って機能性物質を選別し、大きい解離定数に適応した洗浄操作を行って担体を再生させることもできる。標的が2種以上あっても、担体を再生可能とし、一つの担体で複数種の機能性物質を一括して効率よく選別することもできる。
(特定の置換基の脱離)
選別された機能性物質をそのままでは増幅できない場合や増幅が困難な場合には、その原因となる特定の置換基を脱離する操作が有用である。本発明に係る特定の置換基の脱離には特に制限はなく、公知のどのような方法を採用することもできる。シスジオールの過ヨウ素酸酸化による切断、シリル基のフッ素イオンによる切断または光反応による切断を例示することができる。
図5の(I)に、シスジオールの過ヨウ素酸酸化による切断を、(II)にシリル基のフッ素イオンによる切断を、(III)に光反応による切断を例示する。いずれの場合も、切断の結果、デオキシ−5−置換ウリジンの置換基の一部がOHに置換される。
本発明に係る「特定の置換基の脱離」には、このように、置換基の一部が代わる場合も含まれる。言い換えれば、本発明に係る「特定の置換基の脱離」が生じたか否かは、その後の増幅が可能か否かで判断することができる。
なお、本発明に係る特定の置換基が、本発明に係る、三重結合を介して塩基と結合した置換基である場合もあり得る。また、本発明において、機能性物質やその候補を使用する場合には、その合成の際の副反応の防止や有機溶媒への溶解性を付与するため等の目的で置換基(保護基)が導入されることがしばしばあるが、この保護基と本発明に係る特定の置換基とは、別々の基であっても、同一の基であっても、いずれか一方が他方の一部をなしていてもよい。
上記した保護基も、通常、機能性物質の構造決定前に脱離を行う。この脱離には公知の方法を使用することができる。保護基の脱離は、機能性物質以外の物質の除去が容易になる場合が多いので、機能性物質の選別前に行うことが多いが、場合によってはその後であってもよい。また、保護基の脱離と特定の置換基の脱離とが同一操作で行われてもよい。
(増幅)
本発明に係る増幅は、選択された機能性物質について、特定の基の脱離処理を行いまたは行わずに、機能性物質を増幅できるものであればどのような方法でもよく、公知の方法の中から適宜選択することができるが、機能性物質がヌクレオチド配列体を含んでなる場合には、PCR法、LCR(Ligase Chain Reaction)法、3SR(Self−sustained Sequence Replication)法、SDA(Strand Displacement Amplification)法、RT−PCR法、ICAN法、LAMP法などが挙げられる。これらは、1種単独で行ってもよいし、2種以上行ってもよい。これらの中でもPCR法が好ましい。
ここで、PCR法について簡単に説明する。PCR法は、DNA複製酵素によるDNA合成反応の試験管内での繰り返しにより、特定のオリゴヌクレオチド領域を数10万倍に増幅可能な方法である。PCR法においては、使用するプライマーの伸長反応は、4種のヌクレオチド三リン酸(デオキシアデノシン三リン酸、デオキシグアノシン三リン酸、デオキシシチジン三リン酸、およびチミジン三リン酸あるいはデオキシウリジン三リン酸(これらの混合物をdNTPということもある))を基質としてプライマーに取り込ませることにより行われる。
この伸長反応を行う場合のDNA複製酵素としては、E.coliDNAポリメラーゼI、E.coliDNAポリメラーゼIのクレノウ断片、T4DNAポリメラーゼ等の任意のDNAポリメラーゼ、TaqDNAポリメラーゼ、TthDNAポリメラーゼ、VentDNAポリメラーゼ等を用いることができる。
(機能性物質の構造決定)
本発明に係る機能性物質の構造決定の方法については特に制限はなく、公知のどのような方法を採用してもよい。本発明に係る機能性物質の構造決定における「構造の決定」には原子配列等のどのような構造の決定を含めてもよいが、典型例では、ヌクレオチド配列体の決定を意味する。
ヌクレオチド配列体の決定には、たとえば、遺伝子クローニングによる方法、チェーンターミネーター法、サンガー法、ジデオキシ法等によるDNAシーケンサー(DNA塩基配列自動決定装置)などを利用することができる。これらは、1種単独で行ってもよいし、2種以上行ってもよい。
上記遺伝子クローニングでは、増幅したヌクレオチド配列を組み込んだ発現ベクターにより宿主細胞を形質転換し、この形質転換体を培養すること等により製造することができる。なお、上記発現ベクターとしては、たとえば、プラスミドベクター、ファージベクター、プラスミドとファージとのキメラベクターなどが挙げられる。また、上記宿主細胞としては、大腸菌、枯草菌等の原核微生物、酵母菌等の真核微生物、動物細胞などが挙げられる。
(機能性物質の製造)
以上の機能性物質の構造決定方法を利用すれば、その後、この機能性物質を容易に製造することができる。この製造段階に使用できる方法については特に制限はなく、公知のどのような方法を採用することもできる。この場合には、原料組成を選択することにより、機能性物質を収率よく製造することが可能である。
以上のようにして、本発明により、標的に対し高い親和性を示す機能性物質の構造を容易に決定し、容易に製造することができる。そのままでは増幅することのできない機能性物質についても、本構造決定方法と製造法とを適用することが可能である。
さらに、同時に複数の機能性物質を選別しその構造を決定することや、同時に複数の標的を使用して、同時に複数の機能性物質を選別し、その構造を決定することも可能である場合が多い。また、標的に夾雑物が含まれている場合でも、選別、構造決定を行うことができる場合も多い。
以上の本発明の諸態様により、本発明に係るヌクレオシド体、ヌクレオチドn量体、修飾ヌクレオチド配列体、標的に対し親和性を有する物質およびその構成要素を利用すれば、たとえば、標的の構造(たとえばタンパク質の配列構造)の解析やスクリーニング等を進展させ、この結果を、薬品、ドラッグデリバリー、バイオセンサー、遺伝子の発現量の制御、遺伝子異常による疾病の克服、遺伝子により翻訳されるタンパク質の機能解明、反応触媒の開発などに応用可能となる。
次に本発明の実施例を詳述する。評価には次の方法を採用した。以下で使用する略号等について、その説明をその次に纏めて説明する。
(質量分析)
ブルッカーダルトニックス社製の MALDI−TOF MS(Marix Laser Assisted Disorption Ionization −Time of Flight Mass Spectrometry)オートフレックスIIを採用した。脂溶性化合物については、ジスラノール(dithranol)10mg/mLのアセトン溶液8μLと、サンプル希釈液(20pmol/Lが目安)2μLとを混合し、Massive Targetに1μL展開して測定した。検量線用内部標準はジスラノールマトリックスを用いた。
水溶性のオリゴヌクレオチドについては、まずサンプルの希釈液を水素イオン型イオン交換樹脂にて処理した。別にクエン酸一水素二アンモニウム(DAC)と3−ヒドロキシピコリン酸(HPA)の1:1混合水溶液1μLをあらかじめTOF−MSターゲットであるAnchor Chipに展開し、さらにサンプル液1μLを混合し、ゆっくりと風乾した後に測定した。検量線用標準物質には規定の検量線用ペプチド混合サンプルを用いた。
(NMR分析)
1H−NMRについては、サンプル約10mgを重溶媒に溶解して測定した。内部標準は溶媒ピークを基準とした。31P−NMRについては、外部標準としてPPh3を用い−6.2ppmを基準として測定した。BCMにて測定を行った。
物質の符号:物質の次のローマ数字は図や式中のローマ数字と一致する。そのあとの添字は図や式中のRを意味する。その後にあるbase=A等は塩基の種類を意味する。Lysはリジン型、Tyrはチロシン型、Serはセリン型、Typはトリプトファン型、Gluはグルタミン酸型、Leuはロイシン型、Pheはフェニルアラニン型を意味する。たとえば、物質VLysbase=Aは、この物質が図3中のVで示された構造を持つ物質であって、Rがリジン型であり、塩基がアデニン骨格を有する基であることを意味する。
ph:フェニル基
Pph3:トリフェニルホスフィン
Et:エチル基
Me:メチル基
Bt:ブチル基
iPr:イソプロピル基
Bz:ベンゾイル基
r.t.:室温(room temperature)
Et3N:トリエチルアミン
Pyr:ピリジン
AcOH:酢酸
A:アデニン骨格を有する基
G:グアニン骨格を有する基
C:シトシン骨格を有する基
U:ウラシル骨格を有する基
DMTr:ジメチルトリチル基
DMTrdUI:式の左の構造を有する物質。添字Iはヨウ素を意味する。P DMTrdNOH:式27の左の構造を有する物質。
DIMAP:ジメチルアミノピリジン
TFA:トリフロロ酢酸
4−DMAP:4−ジメチルアミノピリジン
DCC:ジシクロヘキシルカルボジイミド
TLC:薄層クロマトグラフィ−
HPLC:High Performance Liquid Chromatography
THF:テトラヒドロフラン
DMF:ジメチルホルムアミド
TBDMS:t−ブチルジメチルシリル基
TBDPS:t−ブチルジフェニルシリル基
HOBT:ヒドロキシベンゾトリアゾール
DBU:ジアザビシクロウンデセン
FMOC基:フローレニルメトキシ基
[実施例1](物質Iの合成、式26)
DMTrdU
I30.6g(46.7mmol)を塩化メチレン470mLに溶解しアルゴン雰囲気下に置換した。この溶液にEt
3N9.34mL,CuI3.56g,Pd(Pph
3)10.8g及びプロパルギルアミン4.81mLを加え、室温にて1時間攪拌した。この反応溶液を直接、シリカゲルにロードし、クロマトグラフィー(2%体積Et
3N含有ジクロロメタン−エタノール(体積比で1:0から9:1へ徐々に変更))にて精製し、目的物を29.3g(NMRよりの純度80重量%)(収率86%)得た。本粗生成物を用いることで以降の反応を行った。また少量をHPLCにより精製した。次のデータを得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:2.21(1H,m),3.10(1H,dd,J=2.9,10.4Hz),3.14(2H,dt,J=10.6,2.9Hz),3.21(3H,m),3.73(6H,s),3.91(1H,m),4.27(1H,m),5.32(1H,br・d,J=2.9Hz),6.11(1H,dd,J=6.4,6.9Hz),6.88(4H,d,J=8.8Hz),7.19−7.42(9H,m),7.89(1H,s)
MALDI−TOF MS:計算値(C33H33N3O7Na)=606.222[M+Na]+、実測値=606.275。
[実施例2](物質XIIIの合成、式27)
DMTrdNOH10mmolを脱水ジオキサン50mLに溶解し、DIMAP98mg(0.8mmol),DCC4.12g(20mmol)およびレブリン酸2.06mL(20mmol)を加え、室温にて30分攪拌した。続いてメタノール5mLを加え15分攪拌した。不溶物をろ別し、ろ液を濃縮乾固した。本残渣を70mLの脱水塩化メチレンを溶解、氷冷し1.4mLのトリフロロ酢酸を加え、0℃で30分攪拌した。この反応溶液を直接、シリカゲルにロードし、クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノール(体積比で1:0から9:1へ徐々に変更))にて精製し、物質XIIIを得た。
<Base=Aの場合>
収量3.86g(収率85%)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:2.13(3H,s),2.54(3H,m),2.77(2H,t,J=6.4Hz),3.04(1H,ddd,J=14.5,8.9,6.1Hz),3.63(2H,m),4.10(1H,ddd,J=6.1,2.8,1.5Hz),5.20(1H,t,J=5.3Hz),5.37(1H,m),6.49(1H,dd,J=8.9,6.2Hz),7.54(2H,dd,J=7.5,7.1Hz),7.64(1H,tt,J=7.5,2.0Hz),8.03(2H,dt,J=7.1,2.0Hz),8.71(1H,s),8.76(1H,s),11.23(1H,s)。
<Base=Gの場合>
収量3.77g(収率87%)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.11(3H,d,J=6.8Hz),2.18(3H,s),2.48(3H,m),2.75(3H,m),2.82(1H,m),3.57(2H,m),4.01(1H,ddd,J=5.9,2.8,1.6Hz),5.11(1H,br・t,J=4.6Hz),5.29(1H,m),6.20(1H,dd,J=9.0,65.5Hz),8.26(1H,s),8.71(1H,s),11.69(1H,br・s),12.07(1H,s)。
<Base=Cの場合>
収量3.80(収率89%)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:2.12(3H,s),2.21(1H,m),2.47(3H,m),2.74(2H,t,J=6.4Hz),3.64(2H,m),3.63(2H,m),4.10(1H,m),5.20(2H,m),6.16(1H,dd,J=7.7,6.0Hz),7.37(1H,d,J=7.4Hz),7.50(2H,dd,J=7.5,7.1Hz),7.62(1H,t,J=7.1Hz),8.00(2H,d,J=7.5Hz),8.36(1H,d,J=7.4Hz),11.23(1H,s)。
<Base=Tの場合>
収量3.14g(収率92%)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.76(3H,d,J=1.2Hz),2.10(3H,s),2.16(1H,ddd,J=14.4,6.0,2.0Hz),2.16(1H,ddd,J=14.4,9.0,6.2Hz),2.48(2H,m),2.73(2H,t,J=6.3Hz),3.64(2H,m),3.63(2H,m),3.93(1H,m),5.20(2H,m),6.16(1H,dd,J=9.0,6.0Hz),7.72(1H,d,J=1.2Hz),11.35(1H,s)。
[実施例3](物質IVの合成、式28)
物質XIII(5mmol)を脱水塩化メチレンで3回共沸脱水し乾燥した。これを脱水塩化メチレン20mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(1.31mL,7.5mmol)を加え0℃に冷却した。ジイソプロピルクロロフォスホアミダイト(1.34mL,6.0mol)の脱水塩化メチレン溶液(5.0mL)を滴下した。1時間攪拌後、メタノールを加え過剰のアミダイト化試薬を不活性化した後、塩化メチレンにて希釈し、飽和、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水、で洗浄した。中圧クロマトグラフィー(2%体積Et
3N含有ジクロロメタン−EtOH(体積比で1:0から9:1へ徐々に変更))にて精製し、物質IVを得た。
<Base=Aの場合>
収量2.67g(収率82%)、
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.08(12H,m),2.13(3H,s),2.56(1H,m),2.74(3H,m),3.13(1H,m),3.51(2H,m),3.92−3.65(4H,m),4.23(1H,m),5.43(1H,m),6.51(1H,m),7.54(2H,dd,J=7.5,7.1Hz),7.64(1H,tt,J=7.5,2.0Hz),8.03(2H,dt,J=7.1,2.0Hz),8.63(1/2H,s),8.64(1/2H,s),8.74(1H,s),11.21(1H,s)。
31P−NMR(120MHz,DMSO−d6)δ:148.02。
MALDI−TOF MS:計算値(C31H41N7O7P)=654.2805[M+H]+、実測値=654.112。
<Base=Gの場合>
収量2.93g(収率92%)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.08(18H,m),2.12(3H,s)2.47(1H,m),2.75(5H,m),2.86(1H,m),3.53(2H,m),3.74(4H,m),4.17(1H,m),5.31(1H,m),6.24(1H,m),8.18(1/2H,s),8.19(1/2H,s),11.71(1H,br・s),12.04(1H,br・s)。
31P−NMR(120MHz,DMSO−d6)δ:148.14,147.47。
MALDI−TOF MS:計算値(C28H43N7O8P)=636.2911[M+H]+、実測値=636.133。
<Base=Cの場合>
収量2.45(収率78%)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.12(12H,m),2.15(3H,s),2.26(1H,m),2.51(1H,m),2.77(4H,m),3.55(2H,m),3.80(4H,m),4.27(1H,m),5.22(1H,m),6.15(1H,m),7.37(1H,br・d,J=7.4Hz),7.50(2H,dd,J=7.5,7.2Hz),7.62(1H,tt,J=7.5,1.3Hz),8.00(2H,dt,J=7.2,1.3Hz),8.21(1/2H,d,J=7.4Hz),8.22(1/2H,d,J=7.4Hz)11.29(1H,s)。
31P−NMR(120MHz,DMSO−d6)δ:148.33,147.08。
MALDI−TOF MS:計算値(C30H41N5O8P)=630.2693[M+H]+、実測値=630.130。
<Base=Tの場合>
収量2.47g(収率92%)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.12(12H,m),1.77(3/2H,d,J=1.1Hz),1.78(3/2H,d,J=1.1Hz),2.10(3H,s),2.26(2H,m),2.50(2H,m),2.76(4H,m),3.56(2H,m),3.77(4H,m),4.10(1H,m),5.15(1/2H,m),5.21(1/2H,m),6.14(1/2H,dd,J=7.5,7.0Hz),6.20(1/2H,dd,J=7.9,6.2Hz),7.50(1/2H,d,J=1.1Hz),7.60(1/2H,d,J=1.1Hz),11.38(1H,s)。
31P−NMR(120MHz,DMSO−d6)δ:148.33,147.08。
[実施例4](トリフルオロアセチルアミノカプロン酸の合成、式29)
ω−アミノカプロン酸(2.59g,19.7mol)をメタノール(100mL)に溶解し、トリエチルアミン(4.2mL,29.9mmol)、トリフルオロ酢酸エチル(3.5mL,29.5mmol)を加え、一昼夜、室温にて攪拌した。1重量%塩酸(100mL)に反応液を注ぎ込み、塩化メチレンで一回抽出した。塩化メチレン層を水で一回、飽和食塩水で一回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮して、2.78gの粗生成物を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.39(2H,m),1.63(4H,m),2.36(2H,t,J=7.3Hz),3.36(2H,q,J=6.8Hz),6.42(1H,br・s)。
[実施例5](モノマー:物質IILysの合成、式30)
ω−トリフルオロアセチルアミノカプロン酸粗生成物1.23g(5.41mmol)とヒドロキシベンゾトリアゾール一水和物0.92g(6.01mmol)を脱水塩化メチレン54mLに溶解した。この溶液にジシクロヘキシルカルボジイミド1.16g(5.76mmol)を加え、室温にて35分間攪拌した後、0℃に冷却し、物質I(3.65g,80重量%,5.00mmol)の脱水塩化メチレン溶液10mLを5分かけて滴下した。0℃にて一時間攪拌した後、室温まで昇温した。沈殿をろ過した後に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した後、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。残渣を中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノール(体積比で1:0から9:1へ徐々に変更))にて精製し、目的物II
Lysを3.40g(収率86%)得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.21(2H,m),1.45(4H,m,),2.06(2H,t,J=7.4Hz,),2.18(1H,m,C(2)’H),2.28(1H,dd,J=6.8,13.5Hz),3.06(1H,dd,J=2.9,10.4Hz),3.14(2H,dt,J=6.0,6.7Hz),3.25(1H,dd,J=5.4,10.4Hz),3.73(3H,s),3,73(3H,s),3.88(2H,d,J=5.3Hz,),3.89(1H),4.26(1H,m),5.33(1H,d,J=4.6Hz),6.09(1H,dd,J=6.4,7.0Hz),6.88(2H,d,J=9.0Hz),6.89(2H,d,J=9.0Hz),7.15−7.35(7H,m),7.39(2H,d,J=7.2Hz),7.90(1H,s),8.17(1H,t,J=5.3Hz),9.39(1H,t,J=6.0Hz),11.66(1H,br)。
MALDI−TOF MS:計算値(C41H44F3N4O9)=793.306[M+H]+、実測値=793.297[M+H]+。
[実施例6](モノマーアミダイト:物質IIILysの合成、式31)
物質II
Lys(0.517g,0.655mol)を脱水アセトニトリル1mLで3回共沸脱水し乾燥した。これを脱水アセトニトリル2.3mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(167μL,0.982mmol)を加え0℃に冷却した。ジイソプロピルクロロフォスホアミダイト(0.199g,0.841mol)の脱水アセトニトリル溶液(1.0mL)を滴下した。1時間攪拌後、メタノールを加え過剰のアミダイト化試薬を不活性化した後、塩化メチレンにて希釈し、飽和、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水、で洗浄した。中圧クロマトグラフィー(2%体積Et
3N含有ジクロロメタン:ヘキサンを、体積比1:1から1:0に徐々に変更した後、2%体積Et
3N含有ジクロロメタン:エタノールを、体積比1:0から19:1に徐々に変更)にて精製し、物質III
Lys0.586gを得た。収率87%。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:0.97(3H,d,J=6.6Hz),1.10(9H,m),1.21(2H,m,),1.44(4H,m),2.05(2H,t,J=7.1Hz),2.30(1H,m),2.41(1H,m),2.64(2H×1/2,t,J=5.7Hz,),2.75(2H×1/2,t,J=5.8Hz),3.13(2H,m),3.13(1H,m),3.28(1H,m),3.50(2H,m),3.61(2H×1/2,m),3.70(2H×1/2,m),3.72(6H,s),3.89(2H×1/2,d,J=5.1Hz),3.92(2H×1/2,d,J=5.3Hz),4.01(1H×1/2,br),4.05(1H×1/2,br),4.48(1H,br),6.08(1H,m),6.07(1/2H,m),6.09(1/2H,m),6.86(2H,d,J=8.8Hz,),6.88(2H,d,J=8.8Hz,),7.15−7.35(7H,m),7.39,(2H,br・d,J=7.3Hz),7.94(1/2H,s),7.95(1/2H,s),8.18(1/2H,br),8.20(1/2H,br),9.39(1H,br),11.67‘1H,br)。
31P−NMR(120MHz,DMSO−d6)δ:147.62,148.02。
MALDI−TOF MS:計算値(C50H61F3N6O10P+)=993.413[M+H]+、実測値=993.400[M+H]+。
[実施例7](ダイマー:物質VLysbase=Aの合成、式32)
物質II
Lys(2.24g,2.83mmol)とN−ベンゾイル−3’−レブロイルアデノシン5’−(ジイソプロピルアミノ)シアノエチルホスホアミダイト(物質VIbase=A,2.22g,3.40mmol)を200mLナスフラスコに量り取り、脱水アセトニトリルで3回共沸した後、真空ポンプで乾燥した。0.45mol/Lのテトラゾール/アセトニトリル溶液31.5mL(テトラゾール15.8mmol)を加え、室温にて30分攪拌した。反応系に飽和重曹水を加え中和した後、塩化メチレンで3回抽出した。合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮した。
得られた残渣を、THF42mL,ピリジン14mL,水7mLに溶解し、ヨウ素2.16g(8.50mmol)を加え、室温にて30分攪拌した。反応系を塩化メチレンで希釈した後、5重量%亜硫酸ナトリウム水溶液を加え過剰のヨウ素を還元処理し、その後、水層をさらに2回、塩化メチレンで抽出した。合わせた塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノール(体積比で1:0から9:1へ徐々に変更))を用いて精製し、目的物VLysbase=Aを3.24g(収率84%)得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.21(2H,m),1.45(4H,m),2.05(2H,t,J=7.4Hz,),2.10(3H×1/2,s,),2.10(3H×1/2,s),2.40−2.55(6H,m),2.74(2H,m),2.82(2H,t,J=5.9Hz),3.05−3.20(4H,m),3.28(1H,m),3.89(2H,br),4.09(3H,m),4.27(3H,m),4.98(1H,m),5.43(1H,m),6.09(1H,dd,J=5.9,6.8Hz),6.50(1H,m),6.86(4H,d,J=7.0Hz),7.20−7.40(9H,m),7.53(2H,dd,J=7.0,7.3Hz)),7.64(1H,J=7.0Hz),7.89(1/2H,s),7.90(1/2H,s),8.02(2H,d,J=7.3Hz),8.17(1H,m),8.63(1/2H,s,),8.63(1/2H,s),8.72(1H,s),9.38(1H,s,),11.20(1H,br),11.69(1H,br)。
31P−NMR(120MHz,DMSO−d6)δ:−2.16,−2.06。
MALDI−TOF MS:計算値(C66H68F3N10NaO17P+)=1383.4346[M+Na]+、実測値=1383.200[M+Na]+。
[実施例8](ダイマー脱レブロイル化:物質VLysbase=Aの合成、式33)
物質V
Lysbase=A(3.24g,2.38mol)をピリジン−酢酸混合溶媒(体積比で8:2)に64mL溶解し、ヒドラジン一水和物(1.10mL,22.63mol)を加え、室温にて10分攪拌した。0℃にてアセトンを適当量加え過剰のヒドラジンをアゾンとした後、塩化メチレンで希釈し、過剰の酢酸を飽和重曹水で中和した。塩化メチレンで3回抽出した後、合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。得られた残渣を、中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン:エタノールを、体積比1:0から9:1に徐々に変更))を用いて精製し、目的物VI
Lysbase=A2.23g(収率74%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.21(2H,m),1.45(4H,m,),2.05(2H,t,J=6.5Hz,),2.40(1H,m),2.50(2H,m),2.82(2H,br・t,J=5.5Hz),2.88(1H,m),3.13(3H,m),3.30(1H,m),3.70(3H,s),3.70(3H,s),3.89(2H,br・m),4.0−4.3(6H,m),4.50(1H,m),4.99(1H,m),5.59(1H,d,J=4.2Hz),6.09(1H,dd,J=6.8,7.2Hz),6.48(1H,m),6.86(4H,d,J=8.8Hz),7.15−7.30(7H,m),7.36(2H,d,J=7.3Hz),7.53(2H,dd,J=7.5,7.2Hz),7.64(1H,t,J=7.2Hz),7.89(1/2H,s),7.91(1/2H,s),8.02(2H,d,J=7.5Hz),8.19(1H,br),8.59(1/2H,s),8.60(1/2H,s,),8.71(1H,m),9.40(1H,br),11.19(1H,s),11.70(1H,s)。
31P−NMR(120MHz,DMSO−d6)δ:−2.14,−2.01。
MALDI−TOF MS:計算値(C61H62F3N10NaO15P+)=1285.3978[M+Na]、実測値=1285.187[M+Na]。
[実施例9](ダイマーアミダイト:物質VLysbase=Aの合、式34)
物質VI
Lysbase=A(1.66g,1.31mmol)を脱水アセトニトリルを用いて三回共沸脱水し、真空ポンプで十分に乾燥した。アセトニトリル13mLを加え、ジイソプロピルエチルアミン(298μL,1.71mmol)を加え、0℃に冷却した後、ジイソプロピルクロロフォスホアミダイト(0.35mL,1.58mmol)を加え、0℃にて1時間攪拌した。
メタノール1.3mLを加え過剰のアミダイト化試薬を不活性化した後、塩化メチレンにて希釈し、飽和、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水、で洗浄した。溶媒を減圧留去し、残渣を中圧クロマトグラフィー(2%体積Et3N含有ジクロロメタン:エタノールを、体積比1:0から9:1に徐々に変更)で精製し、目的物VIILysbase=A1.56g(収率81%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.16(14H,m),1.44(4H,m,),2.05(2H,m,),2.50(2H,m),2.52(1H,m),2.80(4H,m),3.00−3.20(4H,m),3.30(1H,m),3.60(2H,m),3.70(6H,s),3.77(2H,m),3.89(2H,s),4.00−4.35(6H,m),4.79(1H,m),4.98(1H,m),6.09(1H,br・dd,J=6.4,6.9Hz),6.49(1H,m),6.85(4H,d,J=8.3Hz),7.10−7.30(7H,m),7.36(2H,d,J=7.5Hz),7.56(2H,dd,J=7.2,7.5Hz),7.64(1H,t,J=7.2Hz),7.90(1H,s),8.02(2H,d,J=7.5Hz),8.17(1H,br),8.60(1H,br),8.71(1H,br),9.38(1H,br),11.19(1H,s),11.69(1H,s)。
31P−NMR(120MHz,DMSO−d6)δ:−2.14,−2.09,148.35,148.42。
MALDI−TOF MS:計算値(C70H79F3N12NaO16P2+)=1485.5057[M+Na]+、実測値=1485.376[M+Na]+。
[実施例10](式35の右側の物質の合成、)
水素化ナトリウム(1.18g,29.6mmol)のTHF懸濁液に0℃で(4−ヒドロキシフェニル)酢酸(2.25g,14.8mmol)を固体のままゆっくり加え、攪拌した。約5分後にt−ブチルジメチルシリルクロリド(4.45g,29.5mmol)のTHF溶液を加えた。反応がおさまった時点で、室温に上げ攪拌した。引き続き、炭酸ナトリウム(15.6g,147.4mmol)を固体で加え、水を加えて、攪拌した。TLCで反応の終了を確認した後、塩化アンモニウムを固体(18.9g,354.0mmol)で加え、水を加え、さらに攪拌した。減圧下濃縮し、残渣をジクロロメタンで洗って、有機物を取り出した。この溶液を濃縮し、中圧カラムクロマトグラフィー(ヘキサン−ジクロロメタン、(体積比で1:0から0:1へ徐々に変更))、その後、ジクロロメタン−酢酸98:2)により精製し、目的のカルボン酸を得た(3.2638g,収率83%)。
[実施例11](モノマー:物質IITyrの合成、式36)
N−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物1.12g(7.28mmol)に4−(t−ブチルジメチルシリルオキシ)フェニル)酢酸(1.61g,6.03mmol)のジクロロメタン溶液を加え、攪拌した。引き続き、ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.49g,7.23mmol)のジクロロメタン溶液を加え、30分間攪拌した。0℃に冷却し、(4.36g,80重量%,5.97mmol)の物質Iのジクロロメタン溶液を加え、さらに0℃のまま約2時間攪拌した。TLCで反応の終了を確認した後、ジシクロヘキシル尿素をろ過により除去した。水を加え、そのままジクロロメタンで抽出し、さらに1回水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過した後、減圧下濃縮した。中圧カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−酢酸エチルを、体積比で1:0から0:1へ徐々に変更)により精製し、目的物II
Tyrを得た(4.01g,収率80%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:0.15(6H,s),0.93(9H,s),2.18(1H,m),2.25(1H,dd,J=6.6,12.1Hz),3.07(1H,m),3.25(1H,m),3.33(2H,s),3.72(6H,s),3.88(1H,m),3.99(2H,d,J=5.1Hz),4.27(1H,m),6.29(1H,d,J=4.4Hz),6.09(1H,dd,J=6.6,6.8Hz),6.74(2H,d,J=8.4Hz),6.87(2H,d,J=8.8Hz),6.88(2H,d,J=8.8Hz),7.10(2H,d,J=8.4Hz),7.15−7.30(7H,m),7.38(2H,d,=7.2Hz),7.89(1H,s),8.37(1H,br,t,J=5.1Hz),11.63(1H,br・s)。
MALDI−TOF MS:計算値(C47H54N3O9Si+)=832.3624[M+H]+、実測値=832.083[M+H]+。
[実施例12](アミダイト:物質IIITyrの合成、式37)
アセトニトリルを用いて、物質II
Tyr0.334g(0.402mmol)から、共沸(3回)により水を除いた後、真空ポンプにより乾燥した。アルゴン雰囲気下、このアミドを4mLのアセトニトリルに溶解し、室温で、ジイソプロピルエチルアミン80μL(0.470mmol)のアセトニトリル溶液(0.5mL)および2−シアノエチルジイソプロピルクロロホスホルアミダイト0.109g(0.461mmol)のアセトニトリル溶液(0.5mL)を加え、約1時間攪拌した。TLCで反応の終了を確認した後、メタノールを加えて30分攪拌した。その後、水を加えてジクロロメタンで抽出し(2回)、食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過した後、減圧下濃縮した。中圧カラムクロマトグラフィー(2%体積Et
3N含有ジクロロメタン:ヘキサンを、体積比で1:1から1:0に徐々に変更した後、2%体積Et
3N含有ジクロロメタン:アセトンを、体積比で1:0から4:1に徐々に変更)により精製し、目的物III
Tyrを得た(0.305g,収率74%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:0.16(6H,s),0.93(9H,s),0.98(3H,d,J=7.3Hz),1.10(3H,d,J=6.8Hz),1.11(3H,d,J=6.8Hz),1.12(3H,d,J=6.8Hz),2.32(1H,m),2.42(1H,m,),2.64(2H×1/2,t,J=5.7Hz),2.75(2H×1/2,t,J=5.7Hz),3.15(1H,m),3.30(1H,m),3.33(2H,s),3.48(2H,m),3.52(2H,m),3.72(3H,s),3.72(3H,s),3.91(2H×1/2,d,J=5.1Hz,),3.94(2H×1/2,d,J=5.1Hz),4.03(1/2H,m),4.06(1/2H,m),4.48(1H,m),6.08(1/2H,t,J=6.6Hz,),6.10(1/2H,t,J=6.6Hz),6.74(2H,d,J=8.3Hz),6.86(2H,d,J=8.7Hz),6.88(2H,d,J=8.7Hz,),7.11(2H,d,J=7.9Hz),7.15−7.35(7H,m),7.39(2H,br・d,J=7.7Hz),7.94(1/2H,s),7.94(1/2H,s),8.39(1/2H,t,J=5.1Hz),8.40(1/2H,t,J=5.1Hz),11.56(1H,br)。
31P−NMR(120MHz,DMSO−d6)δ:147.62,148.00。
MALDI−TOF MS:計算値(C56H71N5O10PSi+)=1032.4702[M+H]+、実測値=1032.533[M+H]+。
[実施例13](ダイマー:物質VTyrbase=Gの合成、式38)
物質II
tyr(3.67g,4.41mmol)とN−イソブチリル−3’−レブロイルグアノシン−5’−ジイソプロピルアミノシアノエチルホスホアミダイト(物質IVbase=G,3.36g,5.29mmol)を200mLナスフラスコに量り取り、脱水アセトニトリルで3回共沸した後、真空ポンプで乾燥した。脱水アセトニトリル25mLに溶解した後、0.45mol/Lのテトラゾール/アセトニトリル溶液(49mL,テトラゾール22.1mmol)を加え、室温にて30分攪拌した。反応系に飽和重曹水を加え中和した後、塩化メチレンで3回抽出した。合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥して濃縮した。
得られた残渣をTHF11.5mLに溶解し、0.12mol/Lのヨウ素/THF−ピリジン−水(体積比で2:2:1)(11.5mL,ヨウ素11.0mmol)を加え、室温にて30分攪拌した。反応系を塩化メチレンで希釈した後、10重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え過剰のヨウ素を還元処理し、その後、水層をさらに2回、塩化メチレンで抽出した。合わせた塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノール(体積比で1:0から9:1へ徐々に変更))を用いて精製し、目的物を5.62g(収率92%)得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:0.12(6H,s),0.89(9H,s),1.08(6H,m),2.06(3H×1/2,s),2.07(3H×1/2,s),2.47(4H,m),2.71(2H,m),2.75(1H,m),2.81(2H,t,J=5.9Hz),2.81(1H,m),2.85(1H,m),3.08(1H,m),3.28(1H,m),3.31(2H×1/2,s),3.32(2H×1/2,s),3.68(3H,s),3.68(3H,s),3.89(2H,d,J=4.8Hz),4.00−4.30(6H,m),5.00(1H,m),5.29(1H,m),6.08(1H,m),6.21(1H,m),6.71(2H,d,J=8.2Hz),6.83(2H,d,J=8.6Hz),6.83(2H,d,J=8.6Hz,),7.08(2H,d,J=8.2Hz),7.15(1H,m),7.22(4H,d,J=8.6Hz),7.22(2H,m),7.33(2H,d,J=7.5Hzh),7.89(1/2H,s),7.90(1/2H,s),8.17(1/2H,s),8.18(1/2H,s),8.41(1H,t,J=4.8Hz),11.59(1H,br・s),11.69(1H,br・s),12.05(1H,br・s)。
31P−NMR(BCM,120MHz,DMSO)δ:−2.19,−2.06。
MALDI−TOF MS:計算値(C69H80N9NaO18PSi+)=1404.502[M+Na]+、実測値=1404.632。
[実施例14](ダイマー脱レブロイル化:物質VITyrbase=Gの合成、式39)
物質V
Tyrbase=G(5.61g,4.06mmol)をピリジン41mLに溶解し、ヒドラジン一水和物(2.0mL,41.1mmol)のピリジン−酢酸(体積比で3:2)混合溶媒溶液41mLを加え、0℃にて1時間攪拌した。アセトンを4mL加え過剰のヒドラジンをアゾンとした後、塩化メチレンで希釈し、過剰の酢酸を飽和重曹水で中和した。塩化メチレンで3回抽出した後、合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。
得られた残渣を中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノール(体積比で1:0から9:1へ徐々に変更))を用いて精製し、目的物VITyrbase=G4.65g(収率90%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO)δ:0.14(6H,s),0.92(9H,s),1.11(6H,m),2.33(1H,m),2.50(2H,m),2.61(1H,m),2.75(1H,m),2.84(2H,m),3.11(1H,m),3.29(1H,m),3.33(2H,s,),3.70(3H,s),3.71(3H,s),3.92(2H,br・d,J=5.1Hz),4.01(1H,m),4.11(2H,m),4.10−4.30(3H,m),4.40(1H,m),5.02(1H,m),5.53(1H,d,J=3.9Hz),6.10(1H,dd,J=6.4,7.5Hz),6.23(1H,m),6.73(2H,d,J=8.4Hz),6.86(4H,br・d,J=7.5Hz),7.10(2H,d,J=8.4Hz),7.15−7.30(7H,m),7.35(2H,d,J=7.3Hz),7.91(1/2H,s),7.927.91(1/2H,s),8.14(1/2H,s),8,16(1/2H,s,),8.44(1H,br・t,J=5.1Hz),11.60(1H,br),11.72(1H,br)。
31P−NMR(BCM,120MHz,DMSO)δ:−2.09,−1.94。
MALDI−TOF MS:計算値(C64H74N9NaO16PSi+)=1306.4653[M+H]、実測値=1306.375[M+H]。
[実施例15](ダイマーアミダイト:物質VIITyrbase=Gの合成、式40)
物質VI
Tyrbase=G(1.44g,1.12mmol)を、脱水アセトニトリルを用いて三回共沸脱水し、真空ポンプで十分に乾燥した。アセトニトリル11mLを加え、ジイソプロピルエチルアミン(252μL,1.46mmol)を加え、0℃に冷却した後、ジイソプロピルクロロフォスホアミダイト(300μL,1.35mmol)を加え、0℃にて1時間攪拌した。
メタノール1.0mLを加え過剰のアミダイト化試薬を不活性化した後、水と塩化メチレンで分配し、有機層を濃縮後、中圧クロマトグラフィー(2%体積Et3N含有ジクロロメタン:エタノールを、体積比1:0から9:1に徐々に変更)にて精製し、目的物VIITyrbase=G0.99g(収率60%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:0.14(6H,s),0.92(9H,s),1.14(18H,m),2.5(3H,m),3.11(1H,m),3.3(1H,m),3.58(2H,m),3.70(3H,s),3.71(3H,s),3.72(2H,m),3.91(2H,br・d,J=4.8Hz),4.0−4.3(6H,m),4.61(1H,m),5.01(1H,m),6.10(1H,m),6.25(1H,m),6.73(2H,d,J=8.3Hz),6.85(2H,d,J=8.5Hz),6.86(2H,d,J=8.5Hz),7.09(2H,d,J=8.3Hz),7.33(2H,t,J=7.8Hz),7.15−7.3(7H,m),7.91(1H,s),8.17(1H,s),8.43(1H,br),11.55(1H×1/2,s),11.57(1H×1/2,s),11.71(1H,s),12.07(1H,s)。
31P−NMR(120MHz,DMSO−d6)δ:−2.01,−1.89,148.42,148.70。
MALDI−TOF MS:計算値(C73H91N11NaO17P2Si+)=1506.5731[M+H]+、実測値=1506.317[M+H]+。
[実施例16](モノマー:物質IISerの合成、式41)
N−ヒドロキシコハク酸イミド1.27g(12.5mmol)をジクロロメタン30mLに溶解し、室温で攪拌しながら、アセトキシアセチルクロリド(1.08mL,10.0mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を加えた。引き続きトリエチルアミン(1.66mL,12.0mmol)のジクロロメタン溶液(10mL)を加え、約40分間攪拌を続けた。(5.68g,10.0mmol)の物質Iのジクロロメタン溶液(10mL)を加え、さらに約2時間攪拌した。TLCで反応の終了を確認した後、水を加え、そのままジクロロメタンで抽出した。有機層に食塩水を加えて塩析し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過した後、減圧下濃縮した。中圧カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン−酢酸エチルを、体積比で1:0から0:1へ徐々に変更)により精製し、目的のアミドを得た(5.99g,収率88%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:2.07(3H,s),2.16(1H,m),2.26(1H,m),3.06(1H,dd,J=2.6,10.3Hz),3.25(1H,dd,J=5.2,10.3Hz),3.73(6H,s),3.91(1H,m),3.93(2H,d,J=5.3Hz),4.25(1H,m),4.44(2H,s),5.32(1H,d,J=4.4Hz),6.08(1H,dd,J=6.6,6.8Hz),6.88(2H,d,J=8.8Hz,DMTr),6.89(2H,d,J=8.8Hz),7.20−7.35(7H,m),7.39(2H,d,J=7.3Hz),7.90(1H,s),8.47(1H,t,J=5.3Hz),11.67(1H,s)。
MALDI−TOF MS:計算値(C37H38N3O10+)=684.2552[M+H]+、実測値=683.960[M+H]+。
[実施例17](アミダイト:物質IIISerの合成、式42)
物質II
Ser342mg,0.50mmol)を脱水アセトニトリル5mLで3回共沸脱水し乾燥した。これを脱水アセトニトリル10mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン104μL(0.60mmol)を加えた後に、氷冷下、ジイソプロピルクロロフォスホアミダイト(122μL,0.55mmol)を加えた。2時間攪拌後、メタノールを加え過剰のアミダイト化試薬を不活性化した後、塩化メチレンにて希釈し、飽和、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水、で洗浄した。中圧クロマトグラフィー(2%体積Et
3N含有ジクロロメタン:ヘキサンを、体積比1:1から1:0に徐々に変更した後、2%体積Et
3N含有ジクロロメタン:エタノールを、体積比1:0から19:1に徐々に変更)にて精製し、物質III
Serを367mg得た(収率87%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:0.98(3H,d,J=6.6Hz),1.10(6H,d,J=6.6Hz),1.12(3H,d,J=6.6Hz),2.07(3H,s),2.30(1H,m),2.43(1H,m),2.64(2H×1/2,t,J=5.9Hz,),2.74(2H×1/2,t,J=5.9Hz),3.16(1H,m),3.28(1H,m),3.50(2H,m),3.65(2H,m),3.95(2H×1/2,d,J=5.5Hz),3.98(2H×1/2,d,J=5.5Hz),4.06(1H,m),4.44(2H,s),4.48(1H,m),6.07(1/2H,dd,J=6.6,7.0Hz),6.09(1/2H,dd,J=6.6,6.8Hz),6.87(2H,d,J=7.9Hz),6.88(2H,d,J=8.4Hz,),7.20−7.35(7H,m),7.39(2H,d,J=7.2Hz),7.94(1H,s),8.43(1/2H,t,J=5.5Hz,),8.45(1/2H,t,J=5.5Hz),11.64(1H,s)。
31P−NMR(BCM,120MHz,DMSO)δ:147.62,148.02。
MALDI−TOF MS:計算値(C46H54N5NaO11P+)=906.345[M+Na]+、実測値=905.857[M+Na]+。
[実施例18](レブロイル基導入及び脱DMTr化:物質IXserの合成、式43)
物質II
Ser(1.96g,2.87mmol)を1,4−ジオキサン(23mL)に溶解し、ピリジン(0.58mL)、N−エチル−N’−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.38g,7.22mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.030g,0.25mmol)、レブリン酸(0.60mL,5.84mmol)を室温にて順次加えた。5時間20分室温にて攪拌した後、塩化メチレンと飽和重曹水で分配し、さらに塩化メチレンで2回抽出した。合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
濃縮残渣を塩化メチレン41mLに溶解し、氷冷した後、トリフルオロ酢酸(410μL)を加え1時間、0℃にて攪拌した。重曹を紛体で加え大部分のトリフルオロ酢酸を中和した後ろ過し、濃縮した。濃縮残渣を中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノール(体積比で1:0から9:1へ徐々に変更))にて精製し、1.16gの目的物IXserを得た(収率84%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:2.08(3H,s,),2.11(3H,s),2.27(2H,m),2.49(2H,t,J=6.3Hz),2.76(2H,t,J=6.3Hz),3.62(2H,m),3.99(1H,m),4.11(2H,d,J=5.4Hz),4.40(2H,s,),5.19(1H,m),5.28(1H,t,J=4.9Hz),6.13(1H,dd,J=6.8,7.5Hz),8.17(1H,s),8.58(1H,t,J=5.4Hz),11.69(1H,s)。
MALDI−TOF MS:計算値(C21H26N3O10+)=480.1613[M+H]H+、実測値=480.234。
[実施例19](ダイマー:物質XSerbase=Tの合成、式44)
物質IX
Ser(1.09g,2.28mmol)を脱水アセトニトリルで三回共沸脱水し、真空ポンプにて乾燥した。これに5’−(4,4’−ジメトキシトリフェニルメチル)−チミジン−3’−(ジイソプロピルアミノ)シアノエチルホスホアミダイト(1.70g,2.29mmol)を加え、脱水アセトニトリル12mLを加え、0.45mol/Lのテトラゾール/アセトニトリル溶液(25mL,テトラゾール11.4mmol)を加え、室温にて45分間攪拌した。塩化メチレンと飽和重曹水を加えて分配した後、さらに水層を塩化メチレンで二回抽出し、合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
濃縮残渣をTHF34mL,ピリジン9.5mL,水4.7mLの混合溶液の溶解し、ヨウ素1.45g(5.70mmol)を加え、30分間室温にて攪拌した。塩化メチレンで希釈した後、亜硫酸ナトリウム3.6gを加え、室温で15分攪拌した。無水硫酸ナトリウムを用い水分を除いた後に、濃縮した。濃縮残渣を塩化メチレンで希釈し、水で洗浄した。水層を塩化メチレンで二回抽出し、合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
濃縮残渣を中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノールを、体積比で1:0から93:7へ徐々に変更)で精製し、目的物XSerbase=T2.00gを得た(収率77%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.42(3H,d,J=2.0Hz),2.06(3H×1/2,s),2.06(3H,s),2.07(3H×1/2,s),2.23(1H,ddJ=6.4,13.6Hz),2.43(5H,m),2.70(2H,m),2.87(2H×1/2,t,J=5.6Hz),2.89(2H×1/2,t,J=5.6Hz),3.21(1H,m),3.30(1H,m),3.72(6H,s),4.05−4.30(8H,m),4.44(2H×1/2,s),4.45(2H×1/2,s),5.11(2H,m),6.06(1H×1/2,dd,J=6.1,6.1Hz,),6.09(1H×1/2,dd,J=6.1,6.1Hz),6.21(1H,dd,J=7.0,7.2Hz),6.88(4H,d,J=8.6Hz),7.23(4H,d,J=8.6Hz),7.20−7.40(5H,m),7.48(1H,br・s),7.95(1H,br),8.53(1H,t,J=5.4Hz,),11.39(1H,br),11.71(1H,br)。
31P−NMR(BCM,120MHz,DMSO−d6)δ:−2.19,−2.11。
MALDI−TOF MS:計算値(C55H59N6NaO19P+)=1161.346[M+Na]、実測値=1161.259[M+Na]。
[実施例20](ダイマー脱レブロイル化:物質XISerbase=Tの合成、式45)
物質X
Serbase=T(1.92g,1.69mmol)をピリジン23mLに溶解しヒドラジン一水和物(0.78mL,16.0mmol)およびピリジン−酢酸(体積比で3:2)混合溶媒(23mL)を加え、室温で5分攪拌した。氷冷下、アセトン17mLを加えた。反応液を塩化メチレンで希釈し、分配した後、さらに水層を塩化メチレンで2回抽出した。合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
濃縮残渣を中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノールを、体積比で1:0から93:7へ徐々に変更)で精製し、目的物XISerbase=Tを1.50g得た(収率86%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.44(3H,d,J=3.3Hz),2.06(3H,s),2.09(1H,m),2.20(1H,m),2.50(2H,m),2.87(2H×1/2,t,J=6.5Hz),2.89(2H×1/2,t,J=6.5Hz),3.3(2H,m),3.73(6H,s),3.90(1H,m),4.08(2H,m),4.10−4.25(5H,m),4.44(2H,s),5.08(1H,m),5.42(1H,d,J=4.2Hz),6.08(1H,m),6.21(1H,dd,J=7.2,7.3Hz),6.88(4H,d,J=8.8Hz),7.24(4H,d,J=8.8Hz),7.22−7.40(5H,m),7.47(1H,br・s),7.86(1/2H,s),7.87(1/2H,s),8,48(1H,br),11.34(1H,br),11.62(1H,br)。
31P−NMR(BCM,120MHz,DMSO−d6)δ:−1.99,−1.89。
MALDI−TOF MS:計算値(C50H53N6NaO17P+)=1063.310[M+Na]、実測値=1063.288[M+Na]。
[実施例21](ダイマーアミダイト:物質XIISerbase=Tの合成、式46)
物質XI
Serbase=T(1.23mg,1.18mmol)を脱水アセトニトリルを用いて三回共沸脱水し、真空ポンプで十分に乾燥した。アセトニトリル12mL、塩化メチレン4mLを加え、ジイソプロピルエチルアミン(268μL,1.54mmol)を加え、−20℃に冷却した後、ジイソプロピルクロロフォスホアミダイト(0.32mL,1.44mmol)を加え、室温にて1時間攪拌した。
メタノール1.2mLを加え過剰のアミダイト化試薬を不活性化した後、濃縮し残渣を中圧クロマトグラフィー(2%体積Et3N含有ジクロロメタン:エタノールを、体積比1:0から9:1に徐々に変更)にて精製した結果、目的物XIISerbase=T1.21g(収率82%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.12(12H,m),1.41(3H,br・s),2.06(3H×1/2,s),2.06(3H×1/2,s),2.25(1H,m),2.38(1H,m),2.75(2H,m),2.85(2H,m),3.21(1H,br,d,J=12Hz),3.30(1H,br・d,J=12Hz),3.56(2H,m),3.72(6H,s),3.72(2H,m),4.00−4.35(8H,m),4.44(2H,s),4,44(1H,m),5.08(1H,m),6.07(1H,m),6.22(1H,dd,J=7.0,7.0Hz),11.40(1H,s),11.68(1H,br・s)。
31P−NMR(120MHz,DMSO−d6)δ:−2.19,148.47.
MALDI−TOF MS:計算値(C59H70N8NaO18P2+)=1263.4176[M+Na]、実測値=1263.293。
[実施例22](式47の右側の物質の合成)
水素化ナトリウム(ミネラルオイル中60重量%,1.52g,38.1mmol)をDMF(21mL)に懸濁し、3−インドール酢酸(2.11g,12.1mmol)のDMF溶液(7mL)を室温にて10分かけて滴下した。滴下10分後、TBDPSCl(10g,36.4mmol)を室温にて20分かけて滴下した。1時間15分、室温にて攪拌した後、水を滴下し過剰の水素化ナトリウムを反応させた後、水と酢酸エチルで分配し、水層をさらに2回酢酸エチルで抽出した。合わせた酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。
濃縮残渣をTHF100mL、水40mLの混合溶媒に乳濁し、固体の炭酸ナトリウム(12.8g,0.120mmol)を室温にて加えた。5時間、室温にて攪拌した後、固体の塩化アンモニウムを加えた。水と酢酸エチルで分配し、水層をさらに2回酢酸エチルで抽出した。合わせた酢酸エチル層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。
濃縮残渣にメタノールを加え懸濁状態にし、シラノールを析出させた後にろ過し、ろ液を濃縮した。濃縮残渣を中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノールを、体積比1:0から9:1へ徐々に変更))にて精製し、目的物3.46g(収率69%)を得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.15(9H,s)3.76(2H,s)6.67(2H,dd,J=0.9,8.4Hz)6.78(1H,ddd,J=1.1,7.2,8.4Hz)7.00(1H,ddd,J=0.9,7.0,7.2Hz)7.18(1H,s)7.2−7.4(6H,m)7.5−7.6(5H,m)。
[実施例23](モノマー:物質IITypの合成、式48)
HOBT一水和物(0.666g,4.35mmol)と、N−(t−ブチルジフェニルシリル)インドール酢酸(1.78g,4.31mmol)を塩化メチレン33mLに懸濁し、DCC(0.910g,4.41mmol)を加えた。室温で30分攪拌した後、物質I(3.14g,純度80重量%,4.31mmol)の塩化メチレン溶液10mLを15分かけて滴下した。室温で70分攪拌した後ろ過し、ろ液を濃縮した。濃縮残渣に酢酸エチルを加え、不溶物を析出させた後ろ過し、ろ液を濃縮し、中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノールを、体積比1:0から9:1へ徐々に変更)で精製した。3.05g(収率72%)の目的物II
Typを得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.14(9H,s)2.22(2H,m)3.08(1H,br・d,J=9.3Hz),3.27(1H,m),3.61(2H,s),3.70(6H,s),3.94(3H,m),4.26(1H,m),5.29(1H,d,J=4.2Hz),6.09(1H,dd,J=6.5,6.5Hz),6.51(1H,d,J=8.4Hz),6.74(1H,dd,J=7.2,8.1Hz),6.9(4H,m),6.94(1H,m),7.18(1H,m),7.22−7.6(20H,m),7.89(1H,s),8.43(1H,t,J=4.9Hz)11.63(1H,s)。
MALDI−TOF MS:計算値(C59H58N4O8Si)=978.410[M]+、実測値=979.919[M+H]+。
[実施例24](アミダイト:物質IIITypの合成、式49)
物質II
Typ(0.378g,0.386mmol)を脱水アセトニトリル1mLで3回共沸脱水し乾燥した。これを脱水アセトニトリル1.0mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(100μL,0.450mmol)を加え、0℃に冷却し、ジイソプロピルクロロフォスホアミダイト(0.102g,0.432mmol)の脱水アセトニトリル溶液(0.5mL)を滴下した。1時間攪拌後、メタノールを加え過剰のアミダイト化試薬を不活性化した後、塩化メチレンにて希釈し、飽和、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水、で洗浄した。中圧クロマトグラフィー(2%体積Et
3N含有ジクロロメタン:ヘキサンを、体積比1:1から1:0に徐々に変更した後、2%体積Et
3N含有ジクロロメタン:エタノールを、体積比1:0から19:1に徐々に変更)にて精製し、目的物III
Typを0.341g得た(収率75%)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:0.98(3H,d,J=6.8Hz),1.10(6H,m),1.14(9H,s),2.30(1H,m),2.41(1H,m),2.63(1H,t,J=5.9Hz),2.74(1H,t,J=5.9Hz),3.14(1H,m),3.3(1H,m),3.52(2H,m),3.60(2H,s),3.70(6H,s),3.65(2H,m),3.73(2H,m),3.96(2H,m),4.03(1H,m),4.46(1H,m),6.07(1/2H,dd,J=6.6,6.8Hz),6.09(1/2H,dd,J=6.6,6.8Hz),6.50(1H,d,J=8.4Hz),6.74(1H,m,dd,J=6.8,7.2Hz),6.86(2H,d,J=6.2Hz),6.87(2H,d,J=6.2Hz),6.94(1H,dd,J=7.5,7.7Hz),7.1−7.6(20H,m),7.93(1H,s),8.44(1H,m),11.63(1H,s)。
31P−NMR(BCM,DMSO−d6)δ:147.97,147.60。
MALDI−TOF MS:計算値(C68H76N6O9PSi+)=1179.520[M+H]、実測値=1178.937[M+H]。
[実施例25](ダイマー:物質VTypbase=Cの合成、式50)
物質II
Typ0.914g(0.934mmol)と3’−レブロイル−4−ベンゾイルシチジン−5’−(ジイソプロピルアミノ)シアノエチルホスホアミダイト(物質IVbase=C,0.709g,1.13mmol)を200mLナスフラスコに量り取り、脱水アセトニトリルを用いて三回共沸脱水操作を行い、真空ポンプで乾燥した。脱水アセトニトリル10mLを加えた後、室温にて0.45mol/Lのテトラゾール/アセトニトリル溶液(10.4mL,テトラゾール4.68mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。飽和重曹水を加え中和した後、塩化メチレンで三回抽出し、合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。
濃縮残渣をTHF7mLに溶解し、0.12mol/Lのヨウ素/THF−ピリジン−水(体積比で2:2:1)(13mL,ヨウ素2.36mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応系を塩化メチレンで希釈した後、10重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液で過剰のヨウ素を還元し、その後、水層を三回、塩化メチレンにて抽出した。合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
濃縮残渣を中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノールを、体積比1:0から9:1へ徐々に変更)で精製し、目的物VTypbase=C1.35g(収率95%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.13(9H,s),2.08(3H×1/2,s),2.09(3H×1/2,s),2.35(1H,m),2.5(5H,m),2.72(2H,m),2.88(2H,m),3.14(1H,m),3.32(1H,m),3.61(2H,s),3.68(6H,s),3.95(2H,br・s),4.1−4.4(6H,m),5.04(1H,m),6.13(2H,m),6.49(1H,d,J=8.4Hz),6.73(1H,dd,J=7.3,7.9Hz),6.86(4H,m),6.94(1H,dd,J=7.3,7.7Hz),7.1−7.7(24H,m),7.93(1H,s),7.98(2H,d,J=7.3Hz),8.14(1H,m),8.5(1H,br・s),11.29(1H,br・s),11.72(1H,br・s)。
31P−NMR(120MHz,DMSO−d6,BCM)δ:−2.11,−1.99。
MALDI−TOF MS:計算値(C83H83N8NaO17PSi+)=1545.528[M+Na]、実測値=1545.468[M+Na]。
[実施例26](ダイマー脱レブロイル化:物質VITypbase=Cの合成、式51)
物質V
Typbase=C(1.20g,0.789mmol)をピリジン7.9mLに溶解し0℃に冷却した。ヒドラジン一水和物385μLをピリジン−酢酸(体積比で3:2)混合溶媒溶液(7.9mL)を加え、0℃にて20分間攪拌した。アセトンを加え過剰のヒドラジンをアゾンとした後、塩化メチレンで希釈し、飽和重曹水を加え分配した。水層をさらに二回、塩化メチレンで抽出した後、合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し濃縮した。
濃縮残渣を中圧クロマトグラフィーで精製し、1.17gの目的物VITypbase=Cを収率84%で得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:1.13(9H,s),2.12(1H,m),2.61(1H,m),6.24(1H,m),2.88(1/2×2H,t,J=6.1Hz),2.90(1/2×2H,t,J=6.1Hz),3.15(1H,m),3.34(1H,m),3.61(2H,s),3.68(6H,s),3.96(2H,br・s),4.03(1H,m),4.1−4.3(6H,m),5.04(1H,m),5.51(1H,d,J=4.2Hz),6.13(2H,m),6.50(1H,d,J=8.3Hz),6.73(1H,dd,J=7.3,7.8Hz),6.85(4H,d,J=7.9Hz),6.94(1H,dd,J=7.3Hz,7.7Hz),7.1−7.7(25H,m),7.93(1H,s),7.99(2H,d=7.3Hz),8.12(1H,br・s),8.50(1H,br・s),11.25(1H,br・s),11.71(1H,br・s)。
31P−NMR(BCM,DMSO−d6)δ:−1.84,−2.04。
MALDI−TOF MS:計算値(C78H77N8NaO15PSi+)=1447.491[M+Na]、実測値=1447.296[M+Na]。
[実施例27](ダイマーアミダイト:物質VIITypbase=Cの合成、式52)
物質VI
Typbase=C(0.214g,0.150mmol)を脱水アセトニトリルを用いて三回共沸脱水し、真空ポンプで十分に乾燥した。アセトニトリル1.5mLを加え、ジイソプロピルエチルアミン(34μL,0.197mmol)を加え、0℃に冷却した後、ジイソプロピルクロロフォスホアミダイト(0.04mL,0.179mmol)を加え、0℃にて1時間攪拌した。
メタノール0.1mLを加え過剰のアミダイト化試薬を不活性化した後、中圧クロマトグラフィー(2%体積Et3N含有ジクロロメタン:エタノールを、体積比1:0から9:1に徐々に変更)で精製し、目的物VIITypbase=C0.187mg(収率76%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.13(21H,m),2.26(1H,m),2.45(1H,m),2.52(2H,m,),2.78(2H,m),2.89(2H,m),3.13(1H,m),3.33(1H,m),3.5−3.8(4H,m),3.60(2H,s),3.68(6H,s),3.95(2H,br・d,J=3.5Hz),4.1−4.3(6H,m),4.49(1H,m,C(3’)H),5.04(1H,m,C(3’)H),6.13(2H,m),6.49(1H,d,J=7.7Hz),6.49(4H,d=8.4Hz),6.94(1H,dd,J=7.3,7.7Hz),6.73(1H,dd,J=7.3,7.7Hz),7.1−7.7(25H,m),7.99(2H,d,J=7.7Hz),8.11(1/2H,br・d,J=8.4Hz),8.13(1/2H,br・d,J=8.4Hz),8.50(1H,br),11.28(1H,br・s),11.71(1H,br・s)。
31P−NMR(120MHz,DMSO−d6,BCM)δ:−2.11,−2.06,−1.96,148.45,148.52,148.60。
MALDI−TOF MS:計算値(C87H94N10NaO16P2Si)=1647.5991、実測値=1647.500。
[実施例28](式53の右側の物質の合成)
9−フルオレンメタノール5.89g(30mmol)、無水グルタル酸4.11g(36mmol),DIMAP168mg(1.5mmol)およびトリエチルアミン5.0mL(36mmol)からなる脱水塩化メチレン90mL混合溶液を室温で4時間攪拌した。反応溶液を水で洗浄し、水層をさらに2回塩化メチレンで抽出した。合わせた塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。
濃縮残渣を中圧クロマトグラフィー(1体積%酢酸ジクロロメタン溶液:エタノールを、体積比で1:0から19:1に徐々に変更)にて精製し、目的物8.20g(収率88%)を得た。
1H−NMR(DMSO)δ:1.68(2H,tt,J=7.5,7.3Hz),2.18(2H,t,J=7.3Hz),2.34(2H,t,J=7.5Hz),4.25(1H,t,J=6.6Hz)4.39(2H,d,J=6.6Hz)7.32(2H,td,J=7.5,1.3Hz),7.41(2H,br・t,J=7.3Hz),7.64(2H,br・d,J=7.3Hz),7.88(2H,br・d,=7.5Hz),12.03(1H,br・s)。
[実施例29](モノマー:物質IIGluの合成、式54)
グルタル酸9−フルオレンメタノールハーフエステル3.12g(10.5mmol)およびHOBT−水和物1.68g(11.0mmol)の脱水塩化メチレン50mL溶液にDCC2.22g(10.8mmol)を加え、室温で30分攪拌した。不溶物を炉別した本反応溶液を、物質I5.84g(10mmol)のジクロロメタン溶液(100mL)に0℃で加えた。混合溶液を室温で1時間攪拌した。反応溶液を水で洗浄し、水層をさらに2回塩化メチレンで抽出した。合わせた塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。濃縮残渣を中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノールを、体積比で19:1から9:1へ徐々に変更)にて精製し、目的物II
Glu7.31g(収率83%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.69(2H,m),2.08(2H,t,J=7.3Hz,),2.18(1H,m),2.27(1H,dd,J=6.8,13.2Hz),2.31(2H,t,J=7.3Hz),3.07(1H,dd,J=2.9,10.5Hz),3.24(1H,dd,J=5.6,9.4Hz),3.72(6H,s),3.89(2H,d,J=5.0Hz),3.90(1H,m),4.24(1H,t,J=6.6Hz),4.25(1H,m),4.36(2H,d,J=6.6Hz),5.29(1H,d,J=4.6Hz),6.08(1H,dd,J=6.4,6.8Hz),6.87(2H,d,J=8.9Hz),6.87(2H,d,J=8.9Hz),7.20−7.45(13H,m),7.63(2H,d,J=7.7Hz),7.87(2H,d,J=7.1Hz),7.88(1H,s),8.14(1H,t,J=5.0Hz),11.62(1H,s)。
MALDI−TOF MS:計算値(C52H50N3O10+)=876.3491、実測値=876.207。
[実施例30](モノマーアミダイト:物質IIIGluの合成、式55)
物質II
Glu(445mg,0.51mmol)を脱水アセトニトリル5mLで3回共沸脱水し乾燥した。これを脱水アセトニトリル11mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン106μL(0.61mmol)を加えた後に、氷冷下、ジイソプロピルクロロフォスホアミダイト(124μL,0.56mmol)を加えた。2時間攪拌後、メタノールを加え過剰のアミダイト化試薬を不活性化した後、塩化メチレンにて希釈し、飽和、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水、で洗浄した。中圧クロマトグラフィー(2%体積Et
3N含有ジクロロメタン:ヘキサンを、体積比1:1から1:0に徐々に変更した後、2%体積Et
3N含有ジクロロメタン:エタノールを、体積比1:0から19:1に徐々に変更)にて精製し、物質III
Gluを442mg得た(収率81%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:0.96(3H,d,J=6.8Hz),1.08(3H,d,J=6.8Hz),1.09(6H,d,J=6.9Hz),1.69(2H,tt,J=6.9,6.6Hz),2.08(2H,t,J=6.6Hz),2.31(2H,t,J=6.9Hz),2.39(2H,m),2.65(2H×1/2,t,J=5.8Hz,),2.76(2H×1/2,t,J=5.8Hz),3.17(1H,m),3.27(1H,m),3.53(2H,m),3.59(2H,m),3.71(3H,s),3.71(3H,s),3.89(2H×1/2,d,J=5.4Hz),3.93(2H×1/2,d,J=5.4Hz),4.02(1H×1/2,m),4.05(1H×1/2,m),4.24(1H,t,J=6.6Hz),4.36(2H,d,J=6.6Hz),4.46(1H,m),6.06(1H×1/2,dd,J=7.3,7.0Hz),6.08(1H×1/2,dd,J=7.0,6.8Hz),6.85(4H×1/2,d,J=9.0Hz),6.87(4H×1/2,d,J=9.0Hz),7.18−7.42(13H,m),7.63(2H,d,J=7.2Hz),7.88(2H,d,J=7.2Hz),7.93(1H×1/2,s),7.94(1H×1/2,s),8.19(1H×1/2,br・t,J=5.4Hz),8.21(1H×1/2,br・t,J=5.4Hz),11.58(1H,br・s)。
31P−NMR(120MHz,DMSO−d6)δ:147.65,148.05。
MALDI−TOF MS:計算値(C61H67N5O11P+)=1076.4569[M+H]、実測値=1075.944[M+H]。
[実施例31](レブロイル基導入及び脱DMTr化:物質IXGluの合成、式56)
物質II
Glu(2.18g,2.49mmol)を1,4−ジオキサン(25mL)に溶解し、ピリジン(0.60mL,7.42mmol)、N−エチル−N’−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(1.18g,6.18mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.0316g,0.259mmol)、レブリン酸(0.51mL,4.96mmol)を室温にて順次加えた。5時間20分室温にて攪拌した後、塩化メチレンと飽和重曹水で分配し、さらに塩化メチレンで2回抽出した。合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
濃縮残渣を塩化メチレン57mLに溶解し、氷冷した後、トリフルオロ酢酸(550μL)を加え1時間、0℃にて攪拌した。重曹を紛体で加え大部分のトリフルオロ酢酸を中和した後ろ過し、濃縮した。濃縮残渣を中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノールを、体積比1:0から9:1へ徐々に変更)にて精製し、1.30gの目的物IXGluを得た(収率78%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.71(2H,m),2.07(2H,m),2.1(3H,s),2.25(2H,m),2.33(2H,t,J=7.4Hz),2.49(2H,m),2.73(2H,m),3.61(2H,dd,J=3.5,4.5Hz),3.99(1H,m),4.07(2H,d,J=5.5Hz),4.25(1H,t,J=6.6Hz),,4.37(1H,d,J=6.6Hz),5.19(1H,m),6.12(1H,dd,J=6.4,7.7Hz),7.32(2H,ddd,J=1.1,7.3,7.5Hz),7.41(2H,dd,J=7.3,7.5Hz),7.64(2H,d,J=7.3Hz),7.88(2H,d,J=7.5Hz),8.15(1H,s),8.27(1H,t,J=5.5Hz)。
MALDI−TOF MS:計算値(C36H38N3O10+)=672.2552[M+H]、実測値672.382。
[実施例32](ダイマー:物質XGlubase=Gの合成、式57)
物質IX
Glu(1.48g,2.20mmol)を脱水アセトニトリルで三回共沸脱水し、真空ポンプにて乾燥した。これに5’−(4,4’−ジメトキシトリフェニルメチル)−グアノシン−3’−(ジイソプロピルアミノ)シアノエチルホスホアミダイト(2.25g,2.68mmol)を加え、脱水アセトニトリル12mLを加え、0.45mol/Lのテトラゾール/アセトニトリル溶液(25mL,テトラゾール11.3mmol)を加え、室温にて45分間攪拌した。塩化メチレンと飽和重曹水を加えて分配した後、さらに水層を塩化メチレンで二回抽出し、合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
濃縮残渣をTHF23mLに希釈し、0.12mol/Lのヨウ素/THF−ピリジン−水(体積比2:2:1)溶液23mLを室温にて加え、30分間攪拌した。塩化メチレンで希釈した後、10重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、過剰のヨウ素を還元した後、さらに水層を塩化メチレンで二回抽出し、合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
濃縮残渣を中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノールを、体積比1:0から9:1へ徐々に変更)で精製し、2.66gの目的物XGlubase=Gを得た(収率85%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.11(6H,d,J=6.6Hz),1.70(2H,m,),2.07(3H,s),2.09(2H,m),,2.23(1H,m),2.32(2H,m),2.46(1H,m),2.49(2H,m),2.70(2H,m),2.73(1H,m),2.74(1H,m),2.89(2H,m),3.02(1H,m),3.17(1H,m),3.29(1H,m),3.70(6H,s),4.04(2H,m),4.1−4.30(7H,m),4.36(2H,d,J=6.6Hz),5.13(2H,m),6.09(1H,m),6.26(1H,m),6.78(2H,d,J=8.3Hz),6.80(2H,d,J=8.3Hz),7.1−7.5(13H,m),7.93(1/2H,s),7.95(1/2H,s),8.08(1/2H,s),8.09(1/2H,s),8.25(1H,br),11.55(1H,br),11.67(1H,br),12.05(1H,br)。
31P−NMR(DMSO−d6)δ:−2.31。
MALDI−TOF MS:計算値(C74H76N9NaO19P+)=1448.489[M+Na]、実測値=1448.443[M+Na]。
[実施例33](ダイマー脱レブロイル化:物質XIGlubase=Gの合成、式58)
物質X
Glubase=G(2.66g,1.86mmol)をピリジン19mLに溶解し0℃に冷却し、ヒドラジン一水和物(0.91mL,18.7mmol)のピリジン−酢酸(体積比で3:2)混合溶媒溶液(19mL)を滴下した。滴下終了後45分間、0℃にて攪拌した後、アセトン2mLを加え、過剰のヒドラジンをアゾンとした。反応液を塩化メチレンで希釈し、飽和重曹水で酢酸を中和し、分配した後、さらに水層を塩化メチレンで2回抽出した。合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
濃縮残渣を中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノールを、体積比1:0から9:1へ徐々に変更)で精製し、1.95gの目的物XIGlubase=Gを得た(収率81%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.11(6H,d,J=6.6Hz),1.69(2H,m),2.07(2H,m,),2.07(1H,m),2.21(1H,m),2.31(2H,m),2.72(2H,m),2.90(2H,m),3.02(1H,m),3.18(1H,m),3.28(1H,m),3.70(6H,s),3.91(1H,m),4.04(2H,m),4.1−4.3(6H,m),4.35(1H,d,J=6.6Hz),5.10(1H,m),5.45(1H,m),6.10(1H,m),6.26(1H,m),6.78(2H,d,J=8.3Hz,4HofDMTr),6.80(2H,d,J=8.3Hz),7.1−7.35(11H,m),7.39(2H,t,J=7.3Hz),7.62(2H,d,J=7.3Hz),7.87(2H,d,J=7.3Hz),7.88(1H,m),8.10(1/2H,s),8.11(1/2H,s),8.29(1H,br),11.59(1H,br),11.66(1H,br),12.06(1H,br)。
31P−NMR(BCM,DMSO−d6)δ:−1.96,−2.01。
MALDI−TOF MS:計算値(C69H70N9NaO17P+)=1350.4519[M+Na]、実測値=1350.411[M+Na]。
[実施例34](ダイマーアミダイト:物質XIIGlubase=Gの合成、式59)
物質XI
Glubase=G(203mg,0.153mmol)を脱水アセトニトリルにて三回共沸脱水し、真空ポンプで十分に乾燥した。アセトニトリル1.5mLを加え、ジイソプロピルエチルアミン(34μL,0.197mmol)を加え、0℃に冷却した後、ジイソプロピルクロロフォスホアミダイト(0.04mL,0.179mmol)を加え、0℃にて2時間攪拌した。
メタノール0.1mLを加え過剰のアミダイト化試薬を不活性化した後、中圧クロマトグラフィー(2%体積Et3N含有ジクロロメタン:エタノールを、体積比1:0から9:1に徐々に変更)で精製し、目的物XIIGlubase=G124mg(収率53%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.10(18H,m)1.68(2H,m),2.07(2H,t,J=7.3Hz),2.2(1H,m),2.31(2H,t,J=7.3Hz),2.4(1H,m),2.7(2H,m),2.75(2H,m),2.88(2H,m,),3.03(1H,m),3.15(1H,m),3.28(1H,m),3.54(2H,m),3.70(6H,s),3.70(2H,m),4.03(2H,m),4.0−4.3(7H,m),4.35(2H,d,J=6.6Hz,2H),4.45(1H,br),5.10(1H,m),6.08(1H,m),6.25(1H,m),6.77(4H×1/2,d,J=6.9Hz),6.79(4H×1/2,d,J=6.9Hz),7.1−7.25(7H,m),7.3(4H,m),7.39(2H,dd,J=7.2,7.3Hz),7.62(2H,dd,J=7.3Hz),7.87(2H,d,J=7.3Hz),7.90(1/4H,s),7.91(1/4H,s),7.92(1/4H,s),7.93(1/4H,s),2.92(1/2H,s),8.11(1/4H,s),8.11(1/4H,s),8.29(1H,br),11.58(1H,br),11.67(1H,br),12.06(1H,br)。
31P−NMR(120MHz,DMSO−d6)δ:−2.06,−1.99,148.47。
MALDI−TOF MS:計算値(C78H88N11O18P2+[M+H]+)=1528.578、実測値=1528.492。
[実施例35](モノマー:物質IILeuの合成、式60)
吉草酸1.13mL(9.0mol)およびHOBT−水和物1.44g(9.4mmol)の脱水塩化メチレン43mL溶液にDCC1.86g(9.0mmol)を加え、室温で30分攪拌した。不溶物を炉別した本反応溶液を、物質I(6.27g,80重量%,8.6mmol)のジクロロメタン溶液(86mL)に0℃で加えた。混合溶液を室温で1時間攪拌した。反応溶液を水で洗浄し、水層をさらに2回塩化メチレンで抽出した。合わせた塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。濃縮残渣を中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノールを、体積比で19:1から9:1へ徐々に変更)にて精製し、目的物II
Leu4.46g(収率73%)を得た。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:0.83(6H,d,J=6.4Hz),1.35(2H,m),1.47(1H,m),2.06(2H,t,J=7.9Hz),2.24(2H,m),3.07(1H,br・d,J=7.7Hz),3.3(1H,m),3.73(6H,s),3.89(3H,m),4.25(1H,m),5.29(1H,d,J=4.5Hz),6.09(1H,d,J=6.6Hz,OH),6.88(4H,d,J=7.9Hz),7.2−7.5(9H,m),7.87(1H,s),8.12(1H,br),11.62(1H,br)。
MALDI−TOF MS:計算値(C39H44N3O8+)=682.312[M+H]+、実測値=682.098[M+H]+。
[実施例36](モノマーアミダイト:物質IIILeuの合成、式61)
物質II
Leu(341mg,0.50mmol)を脱水アセトニトリル5mLで3回共沸脱水し乾燥した。これを脱水アセトニトリル10mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン104μL(0.60mmol)を加えた後に、氷冷下、ジイソプロピルクロロフォスホアミダイト(122μL,0.55mmol)を加えた。2時間攪拌後、メタノールを加え過剰のアミダイト化試薬を不活性化した後、塩化メチレンにて希釈し、飽和、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水、で洗浄した。中圧クロマトグラフィー(2%体積Et
3N含有ジクロロメタン:ヘキサンを、体積比1:1から1:0に徐々に変更した後、2%体積Et
3N含有ジクロロメタン:エタノールを、体積比1:0から19:1に徐々に変更)にて精製し、物質III
Leuを407mg得た(収率92%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:0.83(6H,d,J=6.4Hz),0.97(3H,d,J=6.8Hz),1.09(6H,d,J=7.2Hz),1.12(3H,d,J=7.2Hz),1.37(2H,m),1.46(1H,m),2.06(2H,t,J=7.4Hz),2.30(1H,m),2.40(1H,m),2.64(2H×1/2,t,J=5.3Hz),2.75(1H×1/2,t,J=5.7Hz,),3.14(1H,m,),3.28(1H,m),3.52(2H,m),3.62(2H,m),3.73(6H,s),3.89(2H×1/2,d,J=5.3Hz,),3.92(2H×1/2,d,J=5.3Hz),4.03(1H,m),4.48(1H,m),6.07(1H,m),6.86(2H,d,J=8.6Hz),6.88(2H,d,J=8.6Hz),7.20−7.35(7H,m),7.39(2H,d,J=7.3Hz),7.93(1H,br),8.15(1/2H,t,J=5.3Hz),8.17(1/2H,t,J=5.3Hz,)。
31P−NMR(120MHz,DMSO)δ:147.80,148.20.
MLDI−TOF 計算値(C48H61N5O9P+)=882.4201[M+H]+、実測値=882.277。
[実施例37](モノマーレブロイル基導入及び脱DMTr化:物質IXLeuの合成、式62)
物質II
Leu(1.40g,2.05mmol)を1,4−ジオキサン(20mL)に溶解し、ピリジン(0.50mL,6.18mmol)、N−エチル−N’−(ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.999g,5.21mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(0.0260g,0.213mmol)、レブリン酸(0.42mL,4.09mmol)を室温にて順次加えた。2時間50分室温にて攪拌した後、塩化メチレンと飽和重曹水で分配し、さらに塩化メチレンで2回抽出した。合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
濃縮残渣を塩化メチレン47mLに溶解し、氷冷した後、トリフルオロ酢酸(470μL)を加え30分間、0℃にて攪拌した。重曹を紛体で加え大部分のトリフルオロ酢酸を中和した後ろ過し、濃縮した。濃縮残渣を中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノールを、体積比1:0から9:1へ徐々に変更)にて精製し、0.759gの目的物IXLeuを得た(収率77%)。
1H−NMR(DMSO−d6)δ:0.84(6H,d,J=6.4Hz),1.39(2H,m),1.47(1H,m),2.10(3H,s),2.10(2H,m),2.26(2H,m),2.73(2H,br・t,J=6.3Hz),2.49(2H,m),3.61(2H,m),3.99(1H,m),4.05(2H,br・d,J=5.3Hz),5.19(1H,br),6.12(1H,dd,J=6.6,7.5Hz),8.14(1H,s),8.27(1H,br),11.64(1H,s)。
MALDI−TOF MS:計算値(C23H32N3O8+)=478.2184[M+H]+、実測値=478.276。
[実施例38](ダイマー:物質XLeubase=Aの合成、式63)
物質IX
leu(1.27g,2.66mmol)を脱水アセトニトリルで三回共沸脱水し、真空ポンプにて乾燥した。これに5’−(4,4’−ジメトキシトリフェニルメチル)−4−ベンゾイルアデノシン−3’−(ジイソプロピルアミノ)シアノエチルホスホアミダイト(2.75g,3.21mmol)を加え、脱水アセトニトリル15mLを加え、0.45mol/Lのテトラゾール/アセトニトリル溶液(30mL,テトラゾール11.3mmol)を加え、室温にて45分間攪拌した。塩化メチレンと飽和重曹水を加えて分配した後、さらに水層を塩化メチレンで二回抽出し、合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
濃縮残渣をTHF28mLに希釈し、0.12mol/Lのヨウ素/THF−ピリジン−水(体積比2:2:1)溶液23mL(ヨウ素6.72mmol)を室温にて加え、30分間室温にて攪拌した。塩化メチレンで希釈した後、10重量%チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、過剰のヨウ素を還元した後、さらに水層を塩化メチレンで二回抽出し、合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
濃縮残渣を中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノールを、体積比1:0から9:1へ徐々に変更)で精製し、2.65gの目的物XLeubase=Aを得た(収率80%)。
1H−NMR(300MHz,CDCl3)δ:0.74(3H,d,J=6.2Hz),0.75(3H,d,J=6.1Hz),1.39(3H,m),2.06(3H×1/2,s),2.07(3H×1/2,s),2.1(2H,m),2.23(1H,m),2.38(1H,m),2.47(2H,t,J=5.5Hz),2.67(2H,t,J=5.5Hz),2.73(2H,t,J=5.5Hz),2.75(1H,m),3.13(1H,m),3.37(2H,m),3.67(6H×1/3,s),3.68(6H×1/3,s),3.69(6H×1/3,s),3.68(1H,m),4.0−4.5(7H,m),5.25(2H,m),6.12(1H,m),6.44(1H,m)。
31P−NMR(BCM,120MHz,DMSO−d6)δ:−2.31。
MALDI−TOF MS:計算値(C64H68N9NaO16P+)=1272.4414、実測値=1272.669。
[実施例39](ダイマー脱レブロイル化:物質XILeubase=Aの合成、式64)
物質X
Leubase=A(2.65g,2.12mmol)をピリジン21mLに溶解し0℃に冷却し、ヒドラジン一水和物(1.03mL,18.7mmol)およびピリジン−酢酸(体積比3:2)混合溶媒(21mL)を滴下した。滴下終了後1時間、0℃にて攪拌した後、アセトン2mLを加え、過剰のヒドラジンをアゾンとした。反応液を塩化メチレンで希釈し、飽和重曹水で酢酸を中和し、分配した後、さらに水層を塩化メチレンで2回抽出した。合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
濃縮残渣を中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノールを、体積比1:0から9:1へ徐々に変更)で精製し、2.13gの目的物XILeubase=Aを得た(収率87%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:0.81(6H,d,J=6.2Hz),1.35(2H,m),1.44(1H,m),2.06(2H,t,J=7.5Hz),2.10(1H,m),2.23(1H,m),2.77(1H,m),2.92(2H,m),3.29(3H,m)3.71(6H,s),3.99(1H,m),4.03(2H,m),4.15−4.30(5H,m),4.35(1H,m),5.28(1H,m),5.43(1H,m),6.11(1H,m),6.52(1H,m),6.80(4H×1/2,d,J=8.8Hz),6.81(4H×1/2,d,J=8.6Hz),7.10−7.3(7H,m),7.33(2H,d,J=7.5Hz),7.54(2H,dd,J=7.2,7.5Hz,Bz),7.64(1H,dd,J=7.2,7.5Hz),7.88(1H,s),8.03(2H,d,J=7.5Hz),8.55(1H×1/2,s),8.22(1H,br・t,J=5.1Hz),8.57(1H×1/2,s),11.15(1H,br),11.62(1H,br)。
31P−NMR(BCM,120MHz,DMSO−d6)δ:−1.99,−1.89。
MALDI−TOF MS:計算値(C59H62N9NaO14P+)=1174.4046[M+Na]+、実測値=1174.308。
[実施例40](ダイマーアミダイト:物質XIILeubase=Aの合成、式65)
物質XI
Leubase=A(0.200g,0.174mmol)を脱水アセトニトリルにて三回共沸脱水した後、脱水アセトニトリル1.7mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(41μL,0.229mmol)を加えた。ここにシアノエチルクロロジイソプロピルホスホアミダイト(47μL,0.211mmmol)を加え、室温で1時間攪拌した。MeOHを加え、過剰のクロロアミダイトを反応させた後、中圧クロマトグラフィー(2%体積Et
3N含有ジクロロメタン:エタノールを、体積比1:0から9:1に徐々に変更)で分離精製し、0.148gの目的物XII
Leubase=Aを得た。(収率63%)
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:0.81(6H,d,J=6.4Hz),1.11(12H,m),1.35(2H,m),1.44(1H,m),2.06(1H,m),2.06(2H,t,J=6.6Hz),2.27(1H,m),2.40(1H,m),2.74(3H,m),2.91(2H,m),3.28(3H,m),3.55(2H,m),3.70(2H,m),4.03(2H,m),4.1−4.4(5H,m),4.49(1H,m),5.27(1H,m),6.10(1H,m),6.52(1H,m),6.79(4H×1/2,dJ=8.2Hz),6.81(4H×1/2,dJ=8.2Hz),7.20(7H,m),7.33(2H,d,J=6.8Hz),7.54(2H,dd,J=7.1,7.5Hz),7.64(1H,dd,J=7.5,7.5Hz),7.92(1H×1/2,s),7.94(1H×1/2,s),8.03(2H,d,J=7.1Hz),8.26(1H,br),8.56(1H×1/2,s),8.56(1H×1/2,s),11.20(1H,br),11.67(1H,br)。
31P−NMR(120Hz,BCM,DMSO)δ:−2.01,−1.94,148.69,148.79。
MALDI−TOF MS:計算値(C68H79N11NaO15P2+)=1374.5125[M+Na]+、実測値=1374.329[M+Na]+。
[実施例41](モノマー:物質IIPheの合成、式66)
N−ヒドロキシコハク酸イミド1.27g(11mmol)およびトリエチルアミン1.68mL(12mmol)の脱水塩化メチレン50mL溶液にフェニルアセチルクロリド1.21mLを加え、室温で15分攪拌した。不溶物を炉別した本反応溶液を、物質I7.10g(10mmol相当)のジクロロメタン溶液(50mL)に0℃で加えた。混合溶液を室温で3時間攪拌した後ピペリジン1mLを加えさらに30分攪拌した。反応溶液を水で洗浄し、水層をさらに2回塩化メチレンで抽出した。合わせた塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。濃縮残渣を中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノールを、体積比で1:0から93:7へ徐々に変更)にて精製し、目的物II
Phe6.47g(収率92%)を得た。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:2.18(1H,m),2.25(1H,m),3.07(1H,br・d,J=7.3Hz),3.25(1H,m),3.41(2H,s),3.72(6H,s),3.90(2H,d,J=5.0Hz),4.26(1H,m),6.09(1H,dd,J=6.4,6.8Hz),6.88(4H,d,J=6.8Hz),6.15−6.35(7H,m),7.38(2H,br・d,J=7.5Hz),7.89(1H,s),8.45(1H,br)。
MALDI−TOF MS:計算値(C41H40N3O8+)=702.281[M+H]、実測値=701.901。
[実施例42](モノマーアミダイト:物質IIIPheの合成、式67)
物質II
Phe(351mg,0.50mmol)を脱水アセトニトリル5mLで3回共沸脱水し乾燥した。これを脱水アセトニトリル10mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン104μL(0.60mmol)を加えた後に、氷冷下、ジイソプロピルクロロフォスホアミダイト(122μL,0.55mmol)を加えた。2時間攪拌後、メタノールを加え過剰のアミダイト化試薬を不活性化した後、塩化メチレンにて希釈し、飽和、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水、で洗浄した。中圧クロマトグラフィー(2%体積Et
3N含有ジクロロメタン:ヘキサンを、体積比1:1から1:0に徐々に変更した後、2%体積Et
3N含有ジクロロメタン:エタノールを、体積比1:0から19:1に徐々に変更)にて精製し、物質III
Pheを393mg得た(収率87%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:0.98(3H,d,J=6.8Hz),1.10(3H,d,J=6.8Hz),1.10(3H,d,J=6.8Hz),1.12(3H,d,J=6.8Hz),2.30(1H,m,C(2’)H),2.40(1H,m,C(2’)H),2.64(2H×1/2,t,J=5.9Hz),2.75(2H×1/2,t,J=5.9Hz),3.14(1H,m),3.30(1H,m),3.41(2H,s),3.51(2H,m),3.62(2H,m),3.72(6H,s),3.91(2H×1/2,d,J=5.3Hz),3.94(2H×1/2,d,J=5.3Hz,),4.01(1/2H,m),4.07(1/2H,m),4.48(1H,m),6.07(1H,m),6.85(2H,d,J=8.5Hz),7.15−7.35(7H,m),7.38(2H,br・d,J=5.9Hz),7.93(1/2H,s),7.94(1/2H,),7.94(1/2H,s),,8.45(1/2H,t,J=5.3Hz),8.47(1/2H,t,J=5.3Hz)。
31P−NMR(120MHz,)δ:147.77,148.17.
MALDI−TOF MS:計算値(C50H57N5O9P+)=902.3888、実測値=901.994。
[実施例43](レブロイル基導入及び脱DMTr化:物質IXPheの合成、式68)
物質II
Phe4.20g(6.0mmol)を脱水ジオキサン30mLに溶解し、DIMAP58mg(0.48mmol),DCC2.48g(12mmol)およびレブリン酸1.22mL(12mmol)を加え、室温にて30分攪拌した。続いてメタノール3mLを加え15分攪拌した。不溶物をろ別し、ろ液を濃縮乾固した。本残渣を42mLの脱水塩化メチレンに溶解、氷冷し0.88mLのトリフロロ酢酸を加え、0℃で30分攪拌した。この反応溶液を直接、シリカゲルにロードし、中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノールを、体積比で19:1から9:1へ徐々に変更)にて精製し、目的物IX
Phe2.67g(収率88%)を得た。
1H−NMR(300NHz,DMSO−d6)δ:2.10(3H,s,Lev),2.27(2H,m),2.49(2H,m),2.73(2H,t,J=6.2Hz),3.43(2H,s),3.62(2H,br)3.99(1H,m),4.08(2H,d,J=5.3Hz),5.19(1H,m),5.24(1H,t,J=4.9Hz),6.12(1H,dd,J=6.6,7.3Hz),7.15−7.35(5H,m),Ph),8.16(1H,s),8.56(1H,t,J=5.3Hz)。
[実施例44](ダイマー合成:物質XPhebase=Cの合成、式69)
物質IX
Phe1.28g(2.58mmol)を脱水アセトニトリルに溶解し、アセトニトリルを減圧留去することにより含有水分を除く操作を三回行った。残渣を5’−(4,4’−ジメトキシトリフェニルメチル)−シチジン−3’−(ジイソプロピルアミノ)シアノエチルホスホアミダイド2.48g(2.97mmol)の脱水アセトニトリル13mL溶液に溶解した。本溶液にテトラゾール0.91g(12.9mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。続いてメタノール1mLを加え15分攪拌した。反応溶液を塩化メチレン60mLで希釈した後、水で洗浄し、水層をさらに2回塩化メチレンで抽出した。合わせた塩化メチレン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、濃縮した。濃縮残渣をTHF50mL,ピリジン14mL,水7mLの混合溶液の溶解し、ヨウ素2.26g(8.92mmol)を加え、30分間室温にて攪拌した。塩化メチレンで希釈した後、亜硫酸ナトリウム5.6gを加え、室温で15分攪拌した。無水硫酸ナトリウムを用い水分を除いた後に、濃縮した。濃縮残渣を塩化メチレンで希釈し、水で洗浄した。水層を塩化メチレンで二回抽出し、合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
濃縮残渣を中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノールを、体積比で1:0から93:7へ徐々に変更)で精製し、目的物XPhebase=C3.19gを得た(収率99%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:2.08(3H,s),2.26(1H,m),2.45(4H,m),2.71(3H,m),2.86(2H×1/2,t,J=5.9Hz,),2.88(2H×1/2,t,J=5.9Hz),3.32(2H,m),3.42(2H,s),3.72(6H,s),4.00−4.35(8H,m),5.03(1H,m),5.15(1H,m),6.09(1H,m),6.16(1H,dd,J=5.5,6.6Hz),6.87(4H,d,J=8.6Hz),7.15−7.40(14H,m),7.50(2H,dd,J=7.7,7.9Hz),7.62(1H,t,J=7.7Hz),7.94(1H,s),7.99(2H,d,J=7.9Hz),8.13(1H,br),8.50(1H,br),11.21(1H,br),11.65(1H,br,)。
31P−NMR(120MHz,DMSO−d6)δ:−2.41,−2.34.
[実施例45](ダイマー脱レブロイル化:物質XIPhebase=Cの合成、式70)
物質X
Phebase=C(3.19g,2.56mmol)をピリジン26mLに溶解しヒドラジン一水和物(1.03mL,18.7mmol)およびピリジン−酢酸(体積比で3:2)混合溶媒(34mL)を加え、室温で5分攪拌した。氷冷下、アセトン26mLを加えた。反応液を塩化メチレンで希釈し、分配した後、さらに水層を塩化メチレンで2回抽出した。合わせた塩化メチレン層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。
濃縮残渣を中圧クロマトグラフィー(ジクロロメタン−エタノールを、体積比で1:0から93:7へ徐々に変更)で精製し、目的物XIPhebase=Cを2.39g得た(収率82%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:2.12(1H,m),2.21(1H,m),2.47(1H,m),2.72(1H,m),2.86(2H×1/2,t,J=5.9Hz),2.88(2H×1/2,t,J=5.9Hz),3.33(2H,m),3.41(2H,s),3.72(6H,s),3.91(1H,m),4.0−4.40(8H,m),5.03(1H,m),5.43(1H,d,J=4.2Hz),6.09(1H,m),6.19(1H,dd,J=6.2,6.6Hz),6.88(4H,d,J=8.8Hz),7.15−7.40(14H,m),7.50(2H,dd,J=7.3,7.5Hz),7.62(1H,t,J=7.5Hz),7.87(1/2H,s),7.88(1/2H,s),8.00(1H,d,J=7.3Hz),8.10(1H,br),8.50(1H,br),11.23(1H,br),11.62(1H,brw)。
31P−NMR(120MHz,DMSO−d6)δ:−2.04,−1.94.
MALDI−TOF MS:計算値(C60H58N7NaO15P)= 1170.3626[M+Na]+、実測値=1170.559。
[実施例46](ダイマーアミダイト:物質XIIPhebase=Tの合成、式71)
物質XI
Phebase=T(0.493g,0.430mmol)を脱水アセトニトリルにて三回共沸脱水した後、脱水アセトニトリル−塩化メチレン(1:1)混合溶媒4.3mLに溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(96μL,0.558mmol)を加えた。ここにシアノエチルクロロジイソプロピルホスホアミダイト(115μL,0.516mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。MeOHを加え、過剰のクロロアミダイトを反応させた後、塩化メチレンと水で分配後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後濃縮した。残渣を中圧クロマトグラフィー(2%体積Et
3N含有ジクロロメタン:エタノールを、体積比1:0から9:1に徐々に変更)にて分離精製し、0.363gの目的物XII
Phebase=Tを得た。(収率63%)。
1H−NMR(300MHz,DMSO−d6)δ:1.12(12H,d,J=6.6Hz),2.26(1H,m),2.42(2H,m),2.75(3H,m),2.87(2H,m),3.33(2H,m),3.42(2H,s),3.54(2H,m),3.71(6H,s),3.71(2H,m),4.06(2H,br),4.1−4.3(6H,m),4.47(1H,m),5.03(1H,m),6.09(1H,m),6.16(1H,m),6.88(4H,d,J=8.6Hz),7.2−7.4(14H,m),7.50(2H,dd,J=7.5,7.6Hz),7.62(1H,t,J=7.6Hz),7.93(1H,m),7.99(2H,d,J=7.5Hz),8.15(1H,br),8.55(1H,br),11.28(1H,m,br),11.67(1H,m,br)。
31P−NMR(BCM,120MHz,DMSO−d6)δ:−2.01,148.55,148.67。
MALDI−TOF MS:計算値(C69H75N9NaO16P2+)=1370.470、実測値=1370.559。
[実施例47]
(ランダムミックスDNAの作製)
ttatcaacaaaatactccaattg(NpNp)
25gaaagatcccaacgaaaagをDNA自動合成機(アプライド391A)で合成した。NpNp部分はダイマーアミダイド表である表1又は2の混合アミダイドを用いることにより合成した。
表中の記号の説明を図6に纏めた。表の組み合わせで得られるダイマーアミダイトの構造は図6の式84に示されている。A,G,C,T,X,Yは、図6の式84で表されるジヌクレオチドの塩基を修飾する基を表す。表中の3’,5’は、式84の3’Baseと5’Baseとして示される塩基として、A,G,C,T,XまたはYが結合していることを意味する。Lys,Tyr,Trp,Leu,Glu,SerはXまたはY中のR9がLys,Tyr,Trp,Leu,GluまたはSerであることを意味する。たとえば、表中、3’のAと5’のXとの組み合わせで得られるジヌクレオチドは、式84で表される構造の3’BaseにAが、5’BaseにXが結合し、XのR9がLysであることを意味する。
合成したDNAランダムミックスは固相レジン上でDBUを用い、固相担体上でアミダイトのFMOC基を脱保護した後、定法に従いアンモニアを使用してアミダイトDNAを切り出し、残りの保護基の脱保護を行った。アンモニアを蒸発除去した後、GLサイエンス社製SNPsiを用い、pCAATTGGAGTATTTTGTTGATAA、TTATCAACAAAATACTCCAATTGAACCACTGCTTからDNAligaseを用いアフィニティーレジンを合成後、これを用い、合成DNAランダムミックスX(表1由来)又はY(表2由来)の合成物と相補的2本鎖を形成させ、レジンの温度を順次昇温することにより精製を行った。濃度決定はUV吸収強度計を用いて行った。
(ランダムミックスからアプタマーのアビジンに対するアフィニティ精製)
Pierce社製MicroLinkPeptideCouplingKitを用いてレジン上に付属のプロトコールに従い(システインcappingされた)ビオチン修飾レジンを作成した。図7のビオチン化SH末端分子のR8に図7のaの構造の基を用いることによりTFA処理し、DMTr+発色から修飾量を同定した後、ビオチン化SH末端分子のR8に図7のbを用いることによりビオチン修飾レジンを作成した。
このレジン(25重量%スラリー、400μL)を用い10mg/mLのストレプトアビジンの200μLを室温で2時間、遮光下、反応させることによりストレプトアビジン−ビオチン修飾レジンを作成した。
このレジンを50℃で、1mLの(0.5MのNaCl,0.05%Tween−20,10mMのTris−HCl,pH=8.5)で10回以上洗浄した。
次に上記ランダムミックスX又はYの200μL(50nmol)を室温で一晩、遮光下、反応させることにより修飾核酸−ストレプトアビジン−ビオチン修飾レジンを作成し、50℃で1mLの(50mMのNaCl,1mMのMgCl2,0.05%Tween−20,10mMのTris−HCl,pH=8.5))で10回以上洗浄し、洗浄液に修飾核酸が存在しないことを定量PCRを用いて確認した。
次に本レジンを(50mMのKCl,1mMのMgCl2,10mMのTris−HCl,pH=8.5)で湿潤した後、366nmの光照射を10分間行い、100μLの(50mMのKCl,1mMのMgCl2,10mMのTris−HCl,pH=8.5)で洗い流した。
本溶液X,Yを用いTTATCAACAAAATACTCCAATTG、CTTTTCGTTGGGATCTTTCをプライマーとしてPCRを行いDNAを増幅した。生成物を定法に従いクローニングし、100クローンについて配列体を決定した。
ブロックコード法によりデコードした後、DNA自動合成機により修飾核酸を合成し、各々ストレプトアビジンとの結合解離定数を求めた。
その結果、Xからは20配列がKd=10-7以下であることが確認でき、Yからは3配列がKd=10-7以下であることが確認できた。よってXで用いた三重結合リンカーがYで用いた二重結合リンカーより有用であることが示された。
なお、上記に開示した内容から、下記の付記に示した発明が導き出せる。
(付記1)
塩基に置換基が導入されたヌクレオシド単位を含み、当該置換基が三重結合を介して当該塩基と結合している、下記式18で表される構造を有する修飾ヌクレオチドn量体(ここで、n=1。)。
(式18中、Zは、他の式とは独立に、7−デアザアデニン骨格,7−デアザグアニン骨格、シトシン骨格またはウラシル骨格を含む基を表す。Rは、他の式とは独立に、水素もしくは炭素数0から100を含む官能基を表す。)
(付記2)
付記1に記載の修飾ヌクレオチドn量体を構成要素として含む、修飾ヌクレオチドm量体(ここで、mは2以上の整数を表す。)。
(付記3)
塩基に置換基が導入されたヌクレオシド単位を含み、当該置換基が三重結合を介して当該塩基と結合している修飾ヌクレオチドn量体(ここで、nは2以上の整数を表す。)。
(付記4)
前記塩基がプリン塩基またはピリミジン塩基である、付記3に記載の修飾ヌクレオチドn量体。
(付記5)
前記塩基が、7−デアザアデニン骨格,7−デアザグアニン骨格、シトシン骨格またはウラシル骨格を有する、付記3に記載の修飾ヌクレオチドn量体。
(付記6)
前記置換基が、置換基を有していてもよい、天然または非天然のアミノ酸基、金属錯体基、蛍光色素基、酸化還元色素基、スピンラベル化が可能な基、炭素数1〜100のアルキル基および、式1〜10で表される基からなる群から選ばれた少なくとも一つの基を有する、付記1〜5のいずれかに記載の修飾ヌクレオチドn量体。
(付記7)
前記置換基が、式11で表される基である、付記1〜6のいずれかに記載の修飾ヌクレオチドn量体。
(式11中、Rは、他の式とは独立に、水素もしくは炭素数0から100を含む官能基を表す。)
(付記8)
前記置換基が、式12〜17で表される基からなる群から選ばれた基である、付記7に記載の修飾ヌクレオチドn量体。
(式12〜16中、R
1は、互いに独立に、トリフロロメチル基、t−ブチルジメチルシリル基、メチル基、t−ブチルジフェニルシリル基、2−ベンゼンスルホン酸エトキシ基または9−フローレニルメチル基を表す。)
(付記9)
nが2〜4の整数である、付記3〜8のいずれかに記載の修飾ヌクレオチドn量体。
(付記10)
下記式19で表される構造を有するヌクレオシド体。
(式19中、R
2は、他の式とは独立に、水酸基、O−βシアノエトキシ−ジイソプロピルアミノホスフィン基、O−メトキシ−ジイソプロピルアミノホスフィン基またはH−ホスホネート基を表す。)
(付記11)
下記式20で表される構造を有するヌクレオシド体。
(式20中、Zは、他の式とは独立に、7−デアザアデニン骨格,7−デアザグアニン骨格、シトシン骨格またはウラシル骨格を含む基を表す。R
10は、NH
2またはNH−(CO)−Rを表す。Rは、他の式とは独立に水素もしくは炭素数0から100を含む官能基を表す。)
(付記12)
下記式21で表される構造を有するヌクレオシド体。
(式21中、R
5は、他の式とは独立に、水酸基またはO−(CO)CH
2CH
2(CO)CH
3を表す。R
6は、他の式とは独立に、水酸基または2−シアノエトキシ基を表す。Zは、他の式とは独立に、7−デアザアデニン骨格,7−デアザグアニン骨格、シトシン骨格またはウラシル骨格を含む基を表す。Rは、他の式とは独立に水素もしくは炭素数0から100を含む官能基を表す。)
(付記13)
下記式22で表される構造を有するヌクレオシド体。
(式22中、R
7は、水酸基またはジメチルトリチル基を表す。Zは、他の式とは独立に、7−デアザアデニン骨格,7−デアザグアニン骨格、シトシン骨格またはウラシル骨格を含む基を表す。Rは、他の式とは独立に水素もしくは炭素数0から100を含む官能基を表す。)
(付記14)
下記式23で表される構造を有するヌクレオシド体。
(式23中、R
5は、他の式とは独立に、水酸基またはO−(CO)CH
2CH
2(CO)CH
3を表す。R
6は、他の式とは独立に、水酸基または2−シアノエトキシ基を表す。Zは、他の式とは独立に、7−デアザアデニン骨格,7−デアザグアニン骨格、シトシン骨格またはウラシル骨格を含む基を表す。Rは、他の式とは独立に水素もしくは炭素数0から100を含む官能基を表す。)
(付記15)
付記10〜14に記載のヌクレオシド体を原料または中間体として使用する修飾ヌクレオチドn量体の製造方法(ここで、nは1以上の整数を表す。)。
(付記16)
前記修飾ヌクレオチドn量体が付記1〜9に記載の修飾ヌクレオチドn量体である、付記15に記載の修飾ヌクレオチドn量体の製造方法。
(付記17)
付記1〜9のいずれかに記載の修飾ヌクレオチドn量体の構造を含む修飾ヌクレオチド配列体。
(付記18)
付記15または16に記載の修飾ヌクレオチドn量体の製造方法により製造された修飾ヌクレオチドn量体の構造を含む修飾ヌクレオチド配列体。
(付記19)
付記17または18に記載の修飾ヌクレオチド配列体を含み、標的に対し親和性を有する物質(機能性物質)。
(付記20)
付記17または18に記載の修飾ヌクレオチド配列体を含み、標的に対し親和性を有する物質(機能性物質)の構成要素。
(付記21)
標的に対し親和性を有する物質(機能性物質)の候補を合成し、
当該機能性物質候補の中から、標的に対し親和性を有する機能性物質を選別し、
当該選別された機能性物質から特定の置換基を脱離し、または脱離せず、
当該選別された機能性物質または当該特定の置換基を脱離した機能性物質を増幅し、
当該増幅された機能性物質の構造を決定する、
機能性物質の構造決定方法において、
当該機能性物質候補の合成を付記1〜9のいずれかに記載の修飾ヌクレオチドn量体を用いて行う
機能性物質の構造決定方法。
(付記22)
前記標的が、タンパク質、リポタンパク質、糖タンパク質、ポリペプチド、脂質、多糖類、リポ多糖類、核酸、環境ホルモン、薬物、これらの複合体およびこれらの分解物からなる群から選択される少なくとも一つの物質である、付記21に記載の機能性物質の構造決定方法。
(付記23)
標的に対し親和性を有する物質(機能性物質)の候補を合成し、
当該機能性物質候補の中から、標的に対し親和性を有する機能性物質を選別し、
当該選別された機能性物質から特定の置換基を脱離し、または脱離せず、
当該選別された機能性物質または当該特定の置換基を脱離した機能性物質を増幅し、
当該増幅された機能性物質の構造を決定し、
当該構造に基づいて、機能性物質を製造する
機能性物質の製造方法において、
当該機能性物質候補の合成を付記1〜9のいずれかに記載の修飾ヌクレオチドn量体を用いて行う
機能性物質の製造方法。
(付記24)
前記標的が、タンパク質、リポタンパク質、糖タンパク質、ポリペプチド、脂質、多糖類、リポ多糖類、核酸、環境ホルモン、薬物、これらの複合体およびこれらの分解物からなる群から選択される少なくとも一つの物質である、付記23に記載の機能性物質の製造方法。
(付記25)
標的に対し親和性を有する物質(機能性物質)の候補を合成し、
当該機能性物質候補の中から、標的に対し親和性を有する機能性物質を選別し、
当該選別された機能性物質から特定の置換基を脱離し、または脱離せず、
当該選別された機能性物質または当該特定の置換基を脱離した機能性物質を増幅し、
当該増幅された機能性物質の構造を決定し、
当該構造に基づいて、機能性物質を製造する
機能性物質の構成要素の製造方法において、
当該機能性物質候補の合成を付記1〜9のいずれかに記載の修飾ヌクレオチドn量体を用いて行う
機能性物質の構成要素の製造方法。
(付記26)
前記標的が、タンパク質、リポタンパク質、糖タンパク質、ポリペプチド、脂質、多糖類、リポ多糖類、核酸、環境ホルモン、薬物、これらの複合体およびこれらの分解物からなる群から選択される少なくとも一つの物質である、付記25に記載の機能性物質の構成要素の製造方法。