JP4343818B2 - 車両用シート - Google Patents

車両用シート Download PDF

Info

Publication number
JP4343818B2
JP4343818B2 JP2004340893A JP2004340893A JP4343818B2 JP 4343818 B2 JP4343818 B2 JP 4343818B2 JP 2004340893 A JP2004340893 A JP 2004340893A JP 2004340893 A JP2004340893 A JP 2004340893A JP 4343818 B2 JP4343818 B2 JP 4343818B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure receiving
receiving member
arm
tapered surface
seat back
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004340893A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006151035A (ja
Inventor
博儀 山口
真 長谷川
猛 伊東
正人 相知
研一 竹中
宏 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NHK Spring Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
NHK Spring Co Ltd
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NHK Spring Co Ltd, Toyota Motor Corp filed Critical NHK Spring Co Ltd
Priority to JP2004340893A priority Critical patent/JP4343818B2/ja
Publication of JP2006151035A publication Critical patent/JP2006151035A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4343818B2 publication Critical patent/JP4343818B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Chair Legs, Seat Parts, And Backrests (AREA)
  • Seats For Vehicles (AREA)

Description

この発明は、ヘッドレストを有する車両用シートに関する。
車両の追突時等に乗員の頭部を拘束するために、衝突時にヘッドレストを前方に移動させる可動ヘッドレスト装置が提案されている。例えば、ヘッドレストのステ−を支持するブラケットの下部に受圧板を設け、該ブラケットが、ヘッドレストと受圧板との間に位置する軸を回動中心として、前後方向に回動するようなヘッドレスト装置が知られている。この種のヘッドレスト装置は、衝突によって乗員がシートバックに押し付けられ、受圧板が後方に押されたときに、ヘッドレストが前方に移動する。(下記特許文献1参照)
特許文献1に記載されているヘッドレスト装置は、受圧板の移動量に対してヘッドレストの前方への移動量が少ないため、早期に頭部を拘束することが難しく、障害低減効果が少ない。仮に、回動中心を下方に設定すれば、ヘッドレストの作動速度が上がり、頭部を早期に拘束することが可能となるが、頭部拘束時に入力する荷重により、ヘッドレストのステ−が後方に大きく撓んでしまうことから、障害低減効果が低下してしまう。このステ−の撓みを小さくするためにステ−の剛性を大きくすると、ステ−の重量が増加するという問題が生じる。
前記受圧板をシートバックの上部に配置することによって、ヘッドレストの回動中心からヘッドレストまでの距離と、ヘッドレストの回動中心から受圧板までの距離との比(リンク比)を大きくしたヘッドレスト装置も提案されている。(下記特許文献2参照)
特開平11−268566号公報 特開2001−58533号公報
前記特許文献1は、ヘッドレストと受圧板との間の軸を回動中心として、ヘッドレストと受圧板が互いに反対方向にシーソーのように動く構造であるため、構成部品が大形化し重量も大となる傾向がある。また、シートバックに組付ける作業に手間がかかるし、パワーシートの場合に、モータやパワーシートの機構部品と干渉しないように受圧板等の可動部品を配置する必要があり、シートバックへの組付け性が悪い。
特許文献2に記載されているように受圧板を上方に配置したとしても、頭部の早期拘束化には不十分である。また、シートバックの上部に受圧板を配置する場合、受圧板が異物感の原因となることを回避するには、可能な限りこの受圧板をシートバックの厚み方向の後ろ側に配置する必要がある。その場合、作動開始時機が遅れるという問題が生じる。
また特許文献2のように、受圧板がシートバックの比較的上部に設けられていて、この受圧板が乗員の背中によって押される構造の場合には、シートバックの下部に受圧板が配置されている構造と比較して、受圧板に入力する荷重が小さい。しかもシートバックフレーム自体が後方に撓むなどの理由から、作動開始がさらに遅れるという問題がある。
これらの問題点を解決するために、本発明者らは、シートバックの内部に受圧部材の動きを増速させる増速ユニットを収容し、該増速ユニットの出力をワイヤを介してヘッドレスト駆動機構に伝達させる構造の車両用シートを考えた。該増速ユニットは、受圧部材の背面側に配置されたローラ等の当接部材を有し、受圧部材が後方に移動したときに当接部材が押されることにより、前記ワイヤが引かれるように構成されている。
しかし受圧部材は乗員の背部によっておおむね水平方向に押されるため、前記増速ユニットを構成するリンク機構の下部側がガイド手段によって下方に移動する構造の場合に、受圧部材の後方への動きを効率良くリンク機構に伝達することができず、ヘッドレストの作動に支障が生じる懸念がある。
従って本発明の目的は、衝突時に速やかにかつ確実にヘッドレストを作動させることができる増速ユニットを備えた車両用シートを提供することにある。
本発明の車両用シートは、シートバックフレームを有するシートバックと、該シートバックの上部に設けるヘッドレストと、前記シートバックフレームの上部に上下方向に移動可能かつ前後方向に傾動可能に設けられ前記ヘッドレストのステ−を挿入するサポートブラケットと、前記シートバックに設けられ、乗員によって押されたとき後方に移動する受圧部材と、一端と他端を有し前記シートバックに配置されるワイヤと、前記ワイヤの一端が接続され、前記受圧部材が後方に移動したとき前記受圧部材の動きを増速して前記ワイヤを引く方向に駆動する増速ユニットと、前記ワイヤの他端が接続され、前記ワイヤが引かれたとき前記サポートブラケットを上方に移動させつつ前側に傾かせるヘッドレスト駆動機構とを有している。
前記増速ユニットは、前記シートバックフレームに設けられ前記ワイヤの前記一端が接続されるベースブラケットと、第1のアームと第2のアームを互いに回動自在に接続してなり、前記第1のアームの上端部が前記ベースブラケットに対し前後方向に回動自在に支持され、前記第2のアームの下端部が前記ベースブラケットに対し上下方向に移動可能であり、前記第1のアームと第2のアームの接続部が前記受圧部材の方向に突き出るリンク機構と、前記第1のアームと第2のアームの前記接続部に設けられた当接部材と、前記第2のアームの下端部に設けられ前記ワイヤを巻掛けるガイドプーリと、前記当接部材が前記受圧部材によって後方に押されたとき前記第1および第2のアームのなす角度が大きくなるように前記第2のアームの下端部を案内するガイド手段とを具備している。
前記受圧部材は、前記増速ユニットの前記当接部材に対向して設けられた凸部を有し、該凸部は上部側が下部側よりも前記当接部材側に突き出るよう傾斜したテーパ面を有し、前記受圧部材が後方に移動したとき前記テーパ面が前記当接部材に当接することにより該当接部に下向きの分力を生じさせるものである。
本発明の一つの形態では、前記当接部材が前記テーパ面に転接するローラである。
前記凸部は、例えば金属板からなる前記受圧部材の一部をプレスにより押出して形成されている。
前記凸部の一例は、例えば前記受圧部材の側面方向から見て、前記テーパ面とその上に連なる上辺とを有する略直角三角形の形状をなしている。
前記凸部の他の例は、前記受圧部材の側面方向から見て、前記テーパ面とその上に連なる斜面とを有する略二等辺三角形の形状をなしている。また、前記凸部のテーパ面の幅方向両側に、前記ローラが該テーパ面の幅方向に移動することを抑制するフランジ部を備えていてもよい。
本発明によれば、衝突によって受圧部材が後方に移動する際に、受圧部材の動きが増速ユニットによって増速され、ワイヤを介してヘッドレスト傾動機構に伝達されるため、作動遅れを生じることなく、速やかに乗員の頭部を拘束することができる。また前記受圧部材に凸部を設け、この凸部に前記テーパ面を形成したことにより、該受圧部材が当接部材を後方に押すときに該当接部に下向きの分力を生じさせることができるため、増速ユニットを構成するリンク機構の下部側がガイド手段によって下方に移動することを補助でき、衝突時に速やかにかつ確実に増速ユニットを機能させることができる。
以下に本発明の第1の実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
図1は車両用シート10を示している。車両用シート10は、座部11と、シートバック12と、ヘッドレスト13を備えている。ヘッドレスト13は、シートバック12の上部に設けるヘッドレスト本体14と、ヘッドレスト本体14の下方に延びる左右一対のステ−15を有している。
図2と図3はシートバック12の内部を示している。シートバック12は、シートバックフレーム20と、ばねアッセンブリ21と、ばねアッセンブリ21を覆うように配置されるパッド部材22(図3に2点鎖線で示す)と、パッド部材22の外面を覆うカバー部材23(図1に示す)などを有している。
シートバックフレーム20は、左右一対のサイドフレーム部材30,31と、上側に位置するアッパフレーム部材32と、下側に位置するロアフレーム部材33などによって構成されている。サイドフレーム部材30,31とロアフレーム部材33は、金属板をプレス加工することにより、所定の形状に成形されている。アッパフレーム部材32は、例えば断面が円形のパイプからなり、その両端がサイドフレーム部材30,31の上部に溶接されている。ロアフレーム部材33の両端はサイドフレーム部材30,31の下部に溶接されている。
ばねアッセンブリ21の一例は、平面ばね35と、複数の引張りばね36などによって構成されている。平面ばね35は、上下方向に延びる複数本の縦ワイヤ37と、水平方向に延びる横ワイヤ38によって構成されている。平面ばね35の両側部が、引張りばね36によって、サイドフレーム部材30,31に支持されている。
図2に示すように、シートバック12の内部に2系統のケーブル41,42が配置されている。図3は、一方のケーブル41を代表して示している。これらのケーブル41,42は、それぞれ、アウタチューブ43と、アウタチューブ43に挿入されたワイヤ44とを有している。ワイヤ44は索条体の一例であり、複数本の素線を撚り合わせることによって構成されている。
ケーブル41,42の長手方向中間部は、リテーナ45(図3に示す)によって、例えばアッパフレーム部材32に支持されている。図2と図3に示すように、アウタチューブ43は、一端43aと他端43bを有している。ワイヤ44も一端44aと他端44bを有している。
図2と図3に示すように、シートバックフレーム20のアッパフレーム部材32の両端部に、それぞれ、ガイド孔50を有する長孔ブラケット51が設けられている。ガイド孔50は、その一端50aが他端50bよりも前下方に位置するように、上下方向に斜めに延びている。これら一対の長孔ブラケット51間にサブフレーム55が設けられている。
サブフレーム55は、水平方向に延びる横架部56と、横架部56の両端に形成された一対の腕部57とを備えている。腕部57は、横架部56の両端から斜め下前方に延びている。各腕部57の端部にスライド部材(例えばスライドピン)58が設けられている。スライド部材58は、長孔ブラケット51のガイド孔50に挿入され、ガイド孔50の上辺部50cに対し、接点C2(図4に示す)において接するようになっている。スライド部材58は、ガイド孔50に沿って、ガイド孔50の一端50aと他端50bとにわたって上下方向(ガイド孔の長手方向)に移動することができる。
サブフレーム55の横架部56に、左右一対のサポートブラケット60の下部が固定されている。各サポートブラケット60にヘッドレスト13のステ−15が挿入される。サポートブラケット60は筒状をなし、上端にグロメット61が設けられている。アッパフレーム部材32に摺動ガイドブラケット65が設けられている。摺動ガイドブラケット65には、サポートブラケット60と接する部位に、合成樹脂製の摺動ガイド部材66(図2に示す)が設けられている。
サポートブラケット60は、摺動ガイド部材66によって、アッパフレーム部材32に対して上下方向に円滑に摺動できる。図4に示すように、サポートブラケット60の上下方向中間部の背面60aは、アッパフレーム部材32に対し、接点C1において接するよう、摺動ガイドブラケット65によって支持されている。しかもこのサポートブラケット60は、アッパフレーム部材32との接点C1を支点として、前後方向にある程度の角度θ1(図3に示す)の範囲で傾くことができるよう、摺動ガイドブラケット65とアッパフレーム部材32とによって、傾動可能に支持されている。
これら長孔ブラケット51と、サブフレーム55と、スライド部材58と、サポートブラケット60と、摺動ガイドブラケット65などによって、ヘッドレスト13を前後方向に傾動可能に支持するためのヘッドレスト駆動機構67が構成されている。
このヘッドレスト駆動機構67は、スライド部材58がガイド孔50に沿って斜め上後方(図3,図4に矢印Aで示す方向)に移動したときに、ヘッドレスト本体14とサポートブラケット60が上方に移動しつつ前側に傾くように、前記接点C1,C2の位置と、サブフレーム55の腕部57の長さと、腕部57とサポートブラケット60のなす角度θ2(図3に示す)などが設定されている。
ヘッドレスト13のステ−15は、グロメット61の孔からサポートブラケット60の内部に挿入されている。各ステ−15は、それぞれ、サポートブラケット60に対して上下方向に移動可能である。ステ−15は、ヘッドレスト本体14を所望高さに調節した状態において、図示しないロック機構によってサポートブラケット60に固定される。
シートバック12の内部には、ばねアッセンブリ21の下部、すなわち乗員(着座者)の腰部付近の後方に位置するように受圧部材70が設けられている。受圧部材70は、ばねアッセンブリ21に取付けられている。ばねアッセンブリ21が乗員によって押されて後方に撓んだときに、受圧部材70が、ばねアッセンブリ21と共に、前側の位置から後側の位置に向かって移動することができる。受圧部材70の一部に、後方に突出する凸部71が形成されている。
受圧部材70に形成された凸部71は、下記増速ユニット79のローラ95と対向する位置に設けられている。凸部71は、その上部側が下部側よりもローラ(当接部材)95側に突き出るよう傾斜したテーパ面72を有している。このようなテーパ面72を設けたことにより、受圧部材70が後方に移動したとき、このテーパ面72がローラ95に当接することにより、ローラ95との当接部に下向きの分力F1が生じる。
前記凸部71は、金属板からなる受圧部材70の一部を、プレスにより押出して形成されている。この凸部71は、図7に示すように受圧部材70の側面方向から見て、前記テーパ面72と、その上に連なる上辺73とを有し、おおむね直角三角形の形状をなしている。図5に示すように、凸部71の上面側に開口76が形成されている。
受圧部材70の後面と対向する位置に増速ユニット79が設けられている。増速ユニット79は、ロアフレーム部材33に固定されたベースブラケット80と、ベースブラケット80に設けられた第1のアーム81および第2のアーム82を有している。この増速ユニット79は、第1のアーム81が上側に位置し、第2のアーム82が下側に位置するように、上下方向に縦置きの姿勢、すなわちベースブラケット80の長手方向が上下方向に沿う姿勢で、ロアフレーム部材33に配置されている。
図3と図6,図7に示すように、ベースブラケット80のケーブル支持部85に、前記一対のケーブル41,42の各アウタチューブ43の一端43aが接続されている。ケーブル41,42の各ワイヤ44の一端44aは、それぞれベースブラケット80のワイヤ支持部86に接続されている。
第1のアーム81の一端(上端)は、第1のピン90によって、ベースブラケット80に対して前後方向に回動可能に支持されている。第1のピン90は、第1の軸の一例である。ベースブラケット80には、第1のピン90を中心に回転可能なガイドローラ91が設けられている。
第1のアーム81と第2のアーム82は、第2のピン92によって互いに回動可能に接続され、第1のアーム81と第2のアーム82の接続部が受圧部材70の方向に突き出ている。つまり、これらのアーム81,82によって、<形のリンク機構83が構成されている。第1のアーム81と第2のアーム82とのなす角度θ3(図7に示す)は、好ましくは90°以上(鈍角)である。第2のピン92は第2の軸の一例である。
リンク機構83を構成する第1のアーム81と第2のアーム82との接続部に、ローラ95が設けられている。ローラ95は当接部材の一例である。このローラ95は、第2のピン92を中心に回転自在である。このローラ95は、受圧部材70の後面に突出する凸部71と対向するよう配置され、受圧部材70が後方(図3と図7に矢印Bで示す方向)に移動したときに、該ローラ95が前記テーパ面72に転接するようになっている。
第2のアーム82の他端(下端)に、第3のピン96と、第3のピン96を中心に回転自在なガイドプーリ97が設けられている。第3のピン96は、第3の軸の一例である。第3のピン96は、ベースブラケット80に形成されたガイド孔100に挿入され、ガイド孔100に沿ってガイド孔100の長手方向(上下方向)に移動できるようになっている。
前記第3のピン96とガイド孔100によって、ガイド手段が構成されている。ガイド手段は、ローラ95が受圧部材70によって後方に押されたときに、第1および第2のアーム81,82のなす角度θ3が大きくなるようにガイドプーリ97の移動を案内するものである。
ローラ95が凸部71によって図7中の矢印B方向に押されると、図8に示すように第1のアーム81と第2のアーム82のなす角度θ3が増加する。ここで第1のピン90はベースブラケット80に支持されているから、第3のピン96はガイド孔100の一端(上端)100aから他端(下端)100bに向かって下方に移動する。このため、第1のピン90から第3のピン96までの距離が次第に大きくなってゆく。すなわち、ガイドプーリ97がガイド孔100に沿って下方に移動する。
ガイド孔100は、第1のピン90に近い側に位置する第1の部分101と、第1のピン90から遠い側に位置する第2の部分102とを有している。第1の部分101は、第1のピン90と第3のピン96とを結ぶ延長線L1(図7に示す)に対し、角度θ4をなして斜め下後方に延びている。第2の部分102は、前記延長線L1に対して第1の部分101とは逆側(斜め下前方)に曲がっている。
このため、ガイドプーリ97が、ガイド孔100に沿ってガイド孔100の一端100aから他端100bに向かって移動する際、第3のピン96が第1の部分101に沿って容易に移動できる。そして第3のピン96が第2の部分102に沿って移動するときには、ガイドプーリ97の移動速度が第1の部分101を移動するときよりも大きくなる。
図6〜図8に示すように、ガイドローラ91の一部に、一対のケーブル41,42のそれぞれのワイヤ44の一部44cが接している。その下方に位置するガイドプーリ97には、各ワイヤ44の他端側の部位44dが、それぞれ半周程度巻掛けられている。言い換えると、ワイヤ44の他端側の部位44dは、ガイドプーリ97によって、方向がほぼ180°変換(Uターン)した状態で、それぞれの一端44aがベースブラケット80のワイヤ支持部86に固定されている。
このためガイドプーリ97がガイド孔100に沿って、ガイド孔100の一端100aから他端100bに向かって移動すると、ガイドプーリ97が動滑車のように下方に移動することにより、各ワイヤ44が、ガイドプーリ97の移動量の2倍の距離に相当する長さ分だけ引かれる。言い換えると、受圧部材70が後方(矢印B方向)に移動するときに、受圧部材70の動きが増速ユニット79によって増速され、ワイヤ44が速やかに引かれるようになっている。
前記一対のケーブル41,42の各ワイヤ44の他端44b(図3に示す)は、ヘッドレスト駆動機構67の各スライド部材58に接続されている。このため増速ユニット79によって各ワイヤ44が図3に矢印Dで示す方向に引かれると、ヘッドレスト駆動機構67の各スライド部材58が矢印Aで示す方向に移動する。
次に上記構成の車両用シート10の作用について説明する。
衝突時に乗員がシートバック12に押し付けられると、乗員の腰部付近からシートバック12に入力する荷重によって、受圧部材70が後方に押される。このことにより、受圧部材70が増速ユニット79のローラ(当接部材)95を押すため、第1のアーム81と第2のアーム82のなす角度θ3(図7に示す)が大きくなる方向に、第2のアーム82が移動する。このとき、第2のアーム82の下端に設けられている第3のピン96がガイド孔100に沿って下方に移動することにより、図8に示すように、ガイドプーリ97が下方に移動する。
受圧部材70に設けられている凸部71は、上部側が下部側よりもローラ95側に突き出るよう傾斜したテーパ面72を有しているため、受圧部材70が後方に移動してテーパ面72がローラ95に当接すると、ローラ95との当接部に下向きの分力F1(図7と図8に示す)が生じる。
この分力F1によって、第3のピン96がガイド孔100に沿って下方に移動することを助けるため、第3のピン96がガイド孔100に沿って確実にかつ円滑に移動することができ、図8に示すようにガイドプーリ97が下方に移動する。
このガイドプーリ97には、一対のケーブル41,42の各ワイヤ44が半周程度U形に巻掛けられているため、いわゆる動滑車の原理により、ガイドプーリ97の移動速度の約2倍の速度でワイヤ44が矢印Eで示す方向に引かれる。このため、ヘッドレスト駆動機構67の各スライド部材58が図3に矢印Aで示す方向に移動する。
ガイド孔100の第1の部分101は、第1および第3のピン90,96の延長線L1(図7に示す)に対して角度θ4をなして後方に傾いているため、ローラ95が矢印B方向に押されるときに、最初のうちは、第3のピン96が第1の部分101に沿って少し後方に移動しながら下方に移動する。このため、ワイヤ44をアウタチューブ43から容易に引出すことができる。
そののち、第3のピン96が第2の部分102に沿って移動するため、ワイヤ44の引出し速度が大きくなる。このようなガイド孔100は、第1の部分101の傾き角度θ4を変更することや、第1の部分101に対して第2の部分102のなす角度を変更することなどにより、ワイヤ44の引出し速度を調整することができる。
以上説明したように、衝突時によって受圧部材70が後方に移動し、増速ユニット79によってケーブル41,42の各ワイヤ44が同時に引かれることにより、左右一対のヘッドレスト駆動機構67の各スライド部材58が、それぞれ、ガイド孔50に沿って、その一端50aから他端50bに向かって斜め上後方に移動する。
スライド部材58がガイド孔50に沿って一端50aから他端50bに向かって移動すると、サブフレーム55の腕部57が上後方に移動する。このことに伴い、サポートブラケット60とヘッドレスト本体14が上昇しつつ、接点C1を支点として前方に倒れるように移動する。接点C1自体は前方に移動することなく同一位置にとどまるため、乗員の首下の拘束を早めることなく、ヘッドレスト本体14が図4に矢印M1で示すような軌跡を描いて前上方に移動する。このことにより、首下が拘束される前に頭部がヘッドレスト本体14によって速やかに拘束される。
本実施形態のシートバック12では、受圧部材70の後方への動きが、増速ユニット79から一対のケーブル41,42の各ワイヤ44を介して、ヘッドレスト駆動機構67へと伝達されるため、増速ユニット79からヘッドレスト駆動機構67までの距離が大きくても、ワイヤ44によって受圧部材70の動きをヘッドレスト駆動機構67に速やかに伝達することができる。
このため、増速ユニット79からヘッドレスト駆動機構67までの距離が比較的大きくても、受圧部材70とヘッドレスト駆動機構67とを含む装置全体を軽量に構成することができる。また、シートバック12の内部に増速ユニット79とヘッドレスト駆動機構67を組付けることが容易である。
しかも本実施形態の車両用シート10は、衝突時の受圧部材70の移動速度を増速ユニット79によって増速し、ワイヤ44を介してヘッドレスト駆動機構67を作動させる構成であるため、応答性に優れており、作動遅れを生じない。この増速ユニット79は、受圧部材70から独立して構成されているため、シートバックフレーム20への組付性が良い。
図9は本発明の第2の実施形態に係る受圧部材70Aを示している。この受圧部材70Aの凸部71Aは、受圧部材70Aの側面方向から見て、上部側がローラ95側に突き出るテーパ面72と、その上に連なる斜面74とを有する略二等辺三角形の形状をなしている。この凸部71Aは、プレス加工によって打ち出し成形されているが、第1の実施形態の凸部71のような上部側の開口76(図5に示す)を形成しないようにしている。この実施形態も、受圧部材70Aが後方に移動したときに、テーパ面72がローラ95(当接部材)に当接することにより、下向きの分力F1が生じる。
このような形状の凸部71Aを有する受圧部材70Aは、凸部71Aとその周囲の剛性が大きくなり、凸部71Aの強度を高めることができる。それ以外の構成と作用、効果については、第1の実施形態の増速ユニット79と同様であるため、第1の実施形態と共通の符号を付して説明を省略する。
図10は本発明の第3の実施形態に係る受圧部材70Bを示している。この受圧部材70Bの凸部71Bは、受圧部材70Bの側面方向から見て、テーパ面72と、その上に連なる上辺75とを有する略直角三角形の形状をなしている。この凸部71Bも、プレス加工によって打ち出し成形され、第1の実施形態の凸部71のような上部側の開口76を形成しないようにしている。このような形状の凸部71Bも強度が高く、しかも凸部71Bをコンパクトに構成することができる。それ以外の構成と作用および効果は、第1の実施形態および第2の実施形態と同様である。
図11は本発明の第4の実施形態に係る受圧部材70Cを示している。この受圧部材70Cの凸部71Cは、受圧部材70Cの上方から見て、凸部71Cのテーパ面72の幅方向両側にフランジ部110を備えている。これらフランジ部110によって、ローラ95がテーパ面72の幅方向に移動することが抑制される。このようなフランジ部110を有する凸部71Cであれば、ローラ95がテーパ面72に沿って上下方向に移動する際に、ローラ95がテーパ面72から脱輪することを防止できる。それ以外の構成と作用および効果は、前記各実施形態と同様である。
本発明の第1の実施形態に係る車両用シートの斜視図。 図1に示された車両用シートのシートバックの内部を示す斜視図。 図1に示された車両用シートのシートバックの内部を示す側面図。 図3に示されたシートバックのヘッドレスト駆動機構の側面図。 図3に示されたシートバックの一部と受圧部材の斜視図。 図3に示されたシートバックの増速ユニットの斜視図。 図3に示されたシートバックの増速ユニットの側面図。 図7に示された増速ユニットが作動した状態を示す側面図。 本発明の第2の実施形態に係る増速ユニットの側面図。 本発明の第3の実施形態に係る増速ユニットの側面図。 本発明の第4の実施形態に係る増速ユニットの受圧部材の水平方向に沿う断面図。
符号の説明
10…車両用シート
12…シートバック
13…ヘッドレスト
20…シートバックフレーム
44…ワイヤ
60…サポートブラケット
67…ヘッドレスト駆動機構
70,70A,70B,70C…受圧部材
71,71A,71B,71C…凸部
72…テーパ面
79…増速ユニット
80…ベースブラケット
81…第1のアーム
82…第2のアーム
83…リンク機構
95…ローラ(当接部材)
97…ガイドプーリ
100…ガイド孔(ガイド手段)

Claims (6)

  1. シートバックフレームを有するシートバックと、
    該シートバックの上部に設けるヘッドレストと、
    前記シートバックフレームの上部に上下方向に移動可能かつ前後方向に傾動可能に設けられ前記ヘッドレストのステ−を挿入するサポートブラケットと、
    前記シートバックに設けられ、乗員によって押されたとき後方に移動する受圧部材と、
    一端と他端を有し前記シートバックに配置されるワイヤと、
    前記ワイヤの一端が接続され、前記受圧部材が後方に移動したとき前記受圧部材の動きを増速して前記ワイヤを引く方向に駆動する増速ユニットと、
    前記ワイヤの他端が接続され、前記ワイヤが引かれたとき前記サポートブラケットを上方に移動させつつ前側に傾かせるヘッドレスト駆動機構とを有し、
    前記増速ユニットは、
    前記シートバックフレームに設けられ前記ワイヤの前記一端が接続されるベースブラケットと、
    第1のアームと第2のアームを互いに回動自在に接続してなり、前記第1のアームの上端部が前記ベースブラケットに対し前後方向に回動自在に支持され、前記第2のアームの下端部が前記ベースブラケットに対し上下方向に移動可能であり、前記第1のアームと第2のアームの接続部が前記受圧部材の方向に突き出るリンク機構と、
    前記第1のアームと第2のアームの前記接続部に設けられた当接部材と、
    前記第2のアームの下端部に設けられ前記ワイヤを巻掛けるガイドプーリと、
    前記当接部材が前記受圧部材によって後方に押されたとき前記第1および第2のアームのなす角度が大きくなるように前記第2のアームの下端部を案内するガイド手段と、
    を具備し、
    前記受圧部材は、前記増速ユニットの前記当接部材に対向して設けられた凸部を有し、該凸部は上部側が下部側よりも前記当接部材側に突き出るよう傾斜したテーパ面を有し、前記受圧部材が後方に移動したとき前記テーパ面が前記当接部材に当接することにより、該当接部に下向きの分力を生じさせることを特徴とする車両用シート。
  2. 前記当接部材が前記テーパ面に転接するローラであることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
  3. 前記凸部は、金属板からなる前記受圧部材の一部をプレスにより押出して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用シート。
  4. 前記凸部は、前記受圧部材の側面方向から見て、前記テーパ面とその上に連なる上辺とを有する略直角三角形の形状をなしていることを特徴とする請求項3に記載の車両用シート。
  5. 前記凸部は、前記受圧部材の側面方向から見て、前記テーパ面とその上に連なる斜面とを有する略二等辺三角形の形状をなしていることを特徴とする請求項3に記載の車両用シート。
  6. 前記凸部の前記テーパ面の幅方向両側に、前記ローラが該テーパ面の幅方向に移動することを抑制するフランジ部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の車両用シート。
JP2004340893A 2004-11-25 2004-11-25 車両用シート Expired - Fee Related JP4343818B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004340893A JP4343818B2 (ja) 2004-11-25 2004-11-25 車両用シート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004340893A JP4343818B2 (ja) 2004-11-25 2004-11-25 車両用シート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006151035A JP2006151035A (ja) 2006-06-15
JP4343818B2 true JP4343818B2 (ja) 2009-10-14

Family

ID=36629856

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004340893A Expired - Fee Related JP4343818B2 (ja) 2004-11-25 2004-11-25 車両用シート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4343818B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7647671B2 (en) 2001-11-12 2010-01-19 Sharp Kabushiki Kaisha Suction cleaner

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5044156B2 (ja) * 2006-07-06 2012-10-10 テイ・エス テック株式会社 ヘッドレストを備えた車両用シート
KR101063386B1 (ko) 2008-11-26 2011-09-07 현대자동차주식회사 차량용 액티브 헤드레스트 장치 및 그 엑츄에이터

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7647671B2 (en) 2001-11-12 2010-01-19 Sharp Kabushiki Kaisha Suction cleaner

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006151035A (ja) 2006-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4445346B2 (ja) 車両用シート
JP4815111B2 (ja) 車両用シート
JP4065258B2 (ja) ヘッドレスト装置
EP1609666B1 (en) Vehicle seat
US7455363B2 (en) Device for moving headrest back and forth
US8585139B2 (en) Vehicle seat
WO2014077392A1 (ja) 車両用シート
CN1712273A (zh) 车辆座椅
JP4339768B2 (ja) 車両用シート
JP4392309B2 (ja) 車両用シート
JP4343818B2 (ja) 車両用シート
JP4392308B2 (ja) 車両用シート
JP2019156401A (ja) シートフレームおよび乗物用シート
JP4327708B2 (ja) 車両用シート
JP4629387B2 (ja) 車両用シート
JP6866331B2 (ja) 車両用操作ペダル装置
JP3740933B2 (ja) 車両用シート
JP2015093548A (ja) 車両用レール機構
JP4304257B2 (ja) ヘッドレスト装置
JP7111996B2 (ja) 乗物用駆動機構
JP5216492B2 (ja) アクティブヘッドレスト付き車両用シートバック
JP2017137056A (ja) 乗物用駆動機構
EP2075154A1 (en) Seat for vehicle
JP4297838B2 (ja) 車両用シート
KR100494548B1 (ko) 자동차용 럼버서포트 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070615

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090702

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090707

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090709

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120717

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130717

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees