JP4342998B2 - 混合紡糸繊維及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、海島型混合紡糸繊維の製造方法に関する。さらに詳しくは本発明は海島型混合紡糸繊維中で島相成分が繊維軸方向によく引き伸ばされた形で分散された混合紡糸繊維の製造方法に関する。
熱可塑性ポリマーを用いた合成繊維の製造方法の一つとして溶融紡糸法があり、広く用いられている。溶融紡糸法では、ポリマーに融点以上の温度を加えて溶融状態とし、紡糸口金より吐出させ、固化させ糸条を形成する。この際、糸条に張力を加えながら引き取ることによりポリマーの分子鎖を糸条方向に配向させる。また、ポリマーの結晶化を抑制するため、冷風などを糸条に吹き付けて急冷し速やかに固化させることも好ましく行われる。
近年では、繊維に様々な機能を持たせるために、複数成分のポリマーを組み合わせて紡糸する様々な手法が考案されている。例えば、非相溶混合紡糸、複合紡糸などが挙げられる(例えば、特許文献1、2等)。このうち、非相溶混合紡糸とは互いに非相溶である複数成分のポリマーや樹脂をあらかじめ混合しておき、この混合樹脂を通常の単成分紡糸と同様にして紡糸する方法である。非相溶紡糸した場合、繊維の断面からみた成分の混合状態は海島構造を形成し、島相成分が混合紡糸繊維自体の添加剤として機能する他、海相成分を溶剤等の除去手段を用いて溶解除去させ島相成分を取り出すことにより1μm以下の繊維径の極細繊維または不織布を容易に得ることができる。海島相の構造形成には混合樹脂の混合組成、溶融粘度、相溶性、機械的混合条件など様々な決定因子が存在し、これらの因子を制御し調整することで、目的とする所定の構造を形成することができる。
このようにして作成された極細繊維は人工皮革の基材、樹脂補強用フィラーなどとして用いられており(例えば、特許文献3参照)、それ以外への用途展開も期待されている。
しかしながら、海相成分に比べて島相成分の軟化点が高い海島型混合紡糸繊維の製造過程において、ブレンドしたポリマーを紡糸口金より吐出させ冷却固化させる際、島相成分が先に固化することにより溶融状態の樹脂中に異物が混在しているような状態となり、糸断面での張力のかかり具合に斑が発生し断糸が発生するなど、生産上に問題があった。
また、糸条を溶融状態で延伸することにより島相成分を引き伸ばそうとしても、島相成分が先に固化することにより変形し難くなることにより海相成分のみが引き伸ばされることとなり、島相のアスペクト比を制御することが困難であるという問題があった。
特開平6−158431号公報 特開平8−296123号公報 特開平5−156579号公報
本発明の目的は、上記従来技術が有していた問題点を解消し、島相成分を均一に繊維軸方向に引き伸ばし高アスペクト比の島成分を有する混合紡糸繊維を安定的に得ることのできる、混合紡糸繊維の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記従来技術に鑑み鋭意検討を重ねた結果、紡糸口金面直下の雰囲気温度を各々の構成成分の軟化温度を基準として制御すれば、海相と島相との形状を変化させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の目的は、
海相成分と島相成分とを有する海島型混合紡糸繊維の製造方法であって、海相成分としての軟化点が50℃〜350℃である熱可塑性樹脂に、島相成分として該海相成分に対して互いに非相溶であり該海相成分の軟化点よりも50℃〜200℃高い軟化点を持つ成分を重量分率(Vf)0.5%〜150%の範囲で添加した後に溶融混練し、紡糸口金(海島型複合紡糸口金を除く)より吐出、固化させた糸条を引き続き加熱部次いで冷却部に順次通過させた後に引き取り、かつ、前記加熱部の温度を島相成分の軟化点より10℃高い温度〜該海相成分の熱分解温度未満の範囲内で変化させることにより、該島相成分のアスペクト比(島相繊維軸方向長(l)/島相繊維横断面方向径(d))を制御することを特徴とする、混合紡糸繊維の製造方法により達成される。
また、本発明の製造方法には、前記加熱部を紡糸口金吐出面〜1000mmの間とすること、前記冷却部の温度を海相成分の軟化点より50℃〜350℃低い温度とすること、糸条の引き取り速度を10〜3000m/分とすること、前記加熱部の加熱制御手段が非接触輻射式ヒータ、加熱恒温空気の糸条への吹き付け及び過熱蒸気の糸条への吹き付けのうち少なくとも1種の手段であること、前記島相成分がピッチ、ポリアクリロニトリル、ポリカルボジイミド、ポリイミド、ポリベンゾアゾールおよびアラミド類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性炭素前駆体であること、前記海相成分がポリエチレン、ポリ−4−メチルペンテン−1またはその共重合体のうち少なくとも1種の熱可塑性樹脂であること、が包含される。
本発明の製造方法によれば、特に、島相成分が熱可塑性炭素前駆体である混合紡糸繊維においては、混合紡糸繊維の形態を保ったまま該熱可塑性炭素前駆体に安定化処理を施し、その後に焼成することにより、島相成分が炭素化もしくは黒鉛化され、海相成分が熱分解除去されることによりアスペクト比の高い極細炭素繊維を得ることができ、このような極細炭素繊維は、複合材料にフィラーとして添加する用途の他、電極材料等に適用することが可能であり、繊維径が細くなるほど特有の機能を発現することが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法においては、海相成分としての軟化点が50℃〜350℃である熱可塑性樹脂に、島相成分として該海相成分に対して互いに非相溶であり該海相成分の軟化点よりも50℃〜200℃高い軟化点を持つ成分を重量分率(Vf)0.5%〜150%の範囲で添加した後に溶融混練し、紡糸口金より吐出、固化させた糸条を引き続き加熱部次いで冷却部に順次通過させた後に引き取る。
ここで、島相成分の軟化点と海相成分の軟化点との差が50℃未満であると、本発明の効果が奏されず、一方、200℃を越えると溶融粘度が異なりすぎて、紡糸が困難になる。
また、重量分率(Vf)が0.5%未満であると、最終的に海相成分を除去し、島相成分のみを製品として得る場合には歩留まりが低いものとなり、一方、150%を越えると、混合紡糸繊維中の島相の存在比率が高くなりすぎ、島成分を海成分中に微分散させることが困難なものとなる。
以下、本発明の製造方法の好ましい態様例について図面を用いて説明する。
本発明による製造方法は、図1の模式図で示すように紡糸口金1より吐出させた1本以上の糸条2に対し、糸条加熱部4、糸条冷却部5を通過させることにより混合樹脂に対して好適な温度分布を付与させながら糸条集束手段7により1本の糸束に束ね引き取る。該紡糸口金1通過時の樹脂温度は150℃〜400℃、好ましくは180℃〜350℃である。この温度を下回ると、樹脂の溶融粘度が高くなり該紡糸口金1通過時の吐出圧が上昇し、計量ポンプの定量性、装置の耐圧といった生産上の問題が生じるため好ましくない。また、この温度を上回るとポリマーの変質、熱劣化等品質上の問題が生じるため好ましくない。
該糸条加熱部4にて該糸条2に熱を加える手段としては非接触輻射式ヒータ、加熱恒温空気、過熱蒸気の吹き付けなどが有効である。該糸条加熱部4にて該糸条2に与える温度は、添加成分の軟化点より10℃高い温度〜該海相成分の熱分解温度未満とすることが好ましいが、対象とする島相と海相とを構成する樹脂の種類によっても変わってくるが、通常は100℃〜400℃、好ましくは150℃〜380℃である。この温度範囲内で適宜設定することによって、島相成分のアスペクト比(島相繊維軸方向長(l)/島相繊維横断面方向径(d))を制御でき、具体的には、アスペクト比を高めるためには、加熱部温度を高めればよく、アスペクト比を低くするためには、加熱部温度を下げればよい。
該加熱部の設置位置は口金面〜1000mmの範囲であることが好ましい。この際、該加熱部4の内部に加熱部仕切り板4aを設けることにより該糸条2に対し柔軟な温度勾配を付与させることが可能となるためさらに好ましい。該糸条2に対し細かい温度条件を付与するために該加熱部仕切り板4aは1枚以上設けることが好ましい。
糸条冷却部5にて該糸条2を冷却させる手段として冷却恒温空気の吹き付けが有効である。この際、該糸条加熱部4にて曳糸性を保つ粘度以下まで低下することにより引き取り張力で断糸が発生したり、ポリマーが結晶化したりすることを防止するため極力素早く固化するように急冷させることが好ましく、前記冷却部の温度は海相成分の軟化点より50℃〜350℃低い温度とすることが好ましい。
走行する該糸条2の走行方向に対して冷却空気を直交させ吹き付けることが該糸条2を急冷させるために好ましい。この際、該冷却部5の内部に冷却部仕切り板5aを設けることにより糸条に対し柔軟な温度勾配を付与させることが可能となるため好ましい。さらに該糸条2に対し細かい温度条件を付与するために該冷却部仕切り板5aは1枚以上設けることが好ましい。
該紡糸口金1、該糸条加熱部4、該糸条冷却部5において各々の好適な温度条件が異なることから、各々の接合部に断熱手段3を設けることが温度を制御する上で好ましい。該断熱手段3は該糸条2の周辺空気の流れも極力遮ることが該糸条2に対する温度勾配を制御する上で有効であるため、走行する該糸条2群付近のみ開口するシャッター形状とすることがさらに好ましい。
また、排気部6を備えることにより、該糸条加熱部4糸条冷却部5において発生するガスを排気し、また外気温の影響を受けないように外気が糸条形成部に入り込まないようにすることが好ましい。
また油剤付与手段8により糸束表面に油剤を付与し、ローラなどとの接触による表面毛羽の発生や糸束の糸条分離を抑制することが好ましい。また安定して紡糸するためにゴデットローラ9により引取り張力を一定に保ち、巻取り工程で発生する張力斑が糸条形成に影響しないようにすることが好ましい。
糸条の引き取り速度としては10m/分〜3000m/分である事が好ましい。この速度を下回ると樹脂の吐出斑や固化斑が発生したり、生産性が悪化したりするため好ましくない。この速度を上回ると該糸条加熱部4、該糸条冷却部5を通過する時間が短くなるため該糸条2に対する温度制御が困難となり、また該糸条加熱部4、該糸条冷却部5の糸条走行方向に対する長さを大きくする必要があることから装置が大規模なものとなり好ましくない。
このようにして得られた混合紡糸繊維は図2の模式図で示すように、海島構造の混合形態を取る。島相繊維の形態を特徴付けるパラメータのひとつにアスペクト比(島相繊維軸方向長(l)/島相繊維横断面方向径(d))が挙げられるが、島相繊維のアスペクト比が30以上、島相繊維径(d)が0.001μm〜2μm、好ましくは0.001μm〜1μmであることが海相成分を除去した後不織布の基材、樹脂補強用フィラーなどとして使用する際に好ましい。
また混合紡糸繊維径(D)は0.5μm〜200μmであることが好ましい。この径を下回ると糸条の強度が下がることにより巻取り工程などで断糸が発生しやすくなり、生産性が悪化し好ましくない。この径を上回ると混合紡糸繊維の海成分を溶剤等で融解除去する場合には時間と手間がかかり生産性が悪化し好ましくない。
また、海相成分として、ポリエチレン、ポリ−4−メチルペンテン−1またはその共重合体のうちの少なくとも1種の熱可塑性樹脂を用い、島相成分として、ピッチ、ポリアクリロニトリル、ポリカルボジイミド、ポリイミド、ポリベンゾアゾールおよびアラミド類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性炭素前駆体を用いて、熱可塑性炭素前駆体を焼成して得られる炭素繊維を得ようとする場合には、海相成分を除去する際、前処理として島相成分である熱可塑性炭素前駆体を安定化処理し、安定化前駆体成形体を形成する。ここで、熱可塑性炭素前駆体の安定化は炭素化もしくは黒鉛化された炭素繊維を得るために必要な工程であり、これを実施せず次工程である熱可塑性樹脂の除去を行った場合、熱可塑性炭素前駆体が熱分解したり融着したりするなどの問題が生じる。
安定化の方法としては酸素などのガス気流処理、酸性水溶液などの溶液処理など公知の方法で行う事ができるが、生産性の面からガス気流下での不融化が好ましい。使用するガス成分としては前記熱可塑性樹脂への浸透性および熱可塑性炭素前駆体への吸着性の点から、また熱可塑性炭素前駆体を低温で速やかに不融化させうるという点から酸素および/またはハロゲンガスを含む混合ガスである事が好ましい。ハロゲンガスとしては、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガス、沃素ガスを挙げることができるが、これらの中でも臭素ガス、沃素ガスが特に好ましい。ガス気流下での不融化の具体的な方法としては、温度50〜350℃、好ましくは80〜300℃で、5時間以下、好ましくは2時間以下、さらには30分間以下で所望のガス雰囲気下に曝すことが好ましい。
また、上記不融化により前駆体成形体中に含まれる熱可塑性炭素前駆体の軟化点は著しく上昇し、所望の炭素繊維を得るという目的から軟化点が400℃以上となる事が好ましく、500℃以上である事がさらに好ましい。
次いで、安定化前駆体成形体中に含まれる熱可塑性樹脂を除去し、繊維状炭素前駆体のみを分離するが、この工程では、炭素繊維前駆体の熱分解をできるだけ抑え、かつ熱可塑性樹脂を分解除去し、繊維状炭素前駆体のみを分離する必要がある。熱可塑性樹脂を分解除去する方法としては、例えば溶剤により熱可塑性樹脂を溶解させる方法、熱分解により熱可塑性樹脂を分解除去する方法を例示することができる。
最後に、熱可塑性樹脂を除いた繊維状炭素前駆体を不活性ガス雰囲気中で炭素化もしくは黒鉛化して炭素繊維を製造するが、得られる炭素繊維の繊維径としては0.001μm〜2μmであり、0.001μm〜1μmである事が好ましい。
上記の繊維状炭素前駆体の炭素化もしくは黒鉛化において使用される不活性ガスとしては窒素、アルゴン等があげられ、温度は500℃〜3500℃、好ましくは800℃〜3000℃である。なお、炭素化もしくは黒鉛化する際の、酸素濃度は20ppm以下、さらには10ppm以下であることが好ましい。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何等限定を受けるものではない。
紡糸の安定性を評価するパラメータとして、下式で定義されるMDRを利用した。MDRは紡糸可能な最大延伸倍率を示し、紡糸口金から吐出する樹脂の吐出速度に対し、糸条の引き取り速度のうち断糸を起こさない上限速度との比を求めることから、繊維を延伸できる上限倍率を示すものである。すなわちMDRが大きい程、細い繊維が得られるポテンシャルが高く、安定して紡糸が行える条件が広くなる。
MDR = (最大糸条引き取り速度/紡糸口金吐出時の樹脂線速度)
また、島相成分の延伸程度を評価するため、島相成分のアスペクト比(島相繊維軸方向長(l)/島相繊維横断面径(d))を下記の通りの操作により求めた。
即ち、試料を任意の面で切断したときの切断面を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−2400)を用いて観察し、海相に分散している島相成分の繊維径、繊維長を求め、これらの値を用いて島相繊維のアスペクト比を導出した。
[実施例1]
海相成分として高分子量ポリエチレン(軟化点約120℃)を用い、島相成分としてピッチ(軟化点約190℃)を重量分率10%ブレンドし、同方向回転型2軸式溶融混練押出し機(株式会社神戸製鋼所製、KTX30)を用いて溶融混練した後、紡糸口金温度350℃にて孔径0.2mmから吐出させフィラメント数12本の糸条を製造した。
この際、紡糸口金直下〜60mm位置に非接触輻射式ヒータによる加熱部、さらにその下方に冷却空気による冷却部を設置し、温度設定を変化させつつMDRを計測した。
MDRの変化を測定するため、引き取られる繊維の繊維径、及び糸条の引き取り速度は水準によって異なるが、繊維径は40〜100μm、引き取り速度は150〜500m/分程度であった。結果を表1に示す。
Figure 0004342998
上表のように、紡糸口金下の糸条に対し、加熱手段を用いて雰囲気温度を(添加成分であるピッチの軟化点付近の温度で)コントロールすることにより、MDRを大きくすることが可能、すなわち安定紡糸が可能な設備運転範囲が広がることが確認できた。
[実施例2]
海相成分として高分子量ポリエチレン(軟化点約120℃)を用い、島成分としてメソフェーズピッチ(軟化点約190℃)を重量分率10%ブレンドし、同方向回転型2軸式溶融混練押出し機(株式会社神戸製鋼所製、KTX30)を用いて溶融混練した後、紡糸口金温度350℃にて孔径0.2mmから線速度25m/分にて吐出させフィラメント数12本の糸条を製造した。
この際、紡糸口金直下に非接触輻射式ヒータを設置し、糸条の引き取り速度を200m/分で一定に保ちながら温度設定を変化させて試料のサンプリングを行った。この条件にて得られる繊維径は約70μm程度であった。
Figure 0004342998
表2のように、同条件で作成した樹脂混合物を紡糸する際、添加成分であるピッチの融点付近の温度で紡糸口金下の雰囲気温度をコントロールすることにより、同一引き取り速度にも関わらず、アスペクト比が高まる結果となった。
この結果より、本発明の製造方法による手法が島成分をよく引き伸ばすのに有効であり、温度を制御することによりアスペクト比を制御することが可能である。
本発明の製造方法に用いる混合紡糸繊維の製造装置の一態様を模式的に示した図である。 本発明の製造方法によって得られる混合紡糸繊維の断面と、該繊維の四分の一円を切り抜いた時の内部構造を模式的に示した図である。
符号の説明
1 紡糸口金
2 糸条
3 断熱手段
3a 断熱手段a
3b 断熱手段b
4 糸条加熱部
4a 加熱部仕切り板
5 糸条冷却部
5a 冷却部仕切り板
6 排気部
7 糸条集束手段
8 油剤付与手段
9 ゴデットローラ
10 島相成分
11 海相成分
D 混合紡糸繊維径
d 島相繊維横断面方向径
l 島相繊維軸方向長

Claims (8)

  1. 海相成分と島相成分とを有する海島型混合紡糸繊維の製造方法であって、海相成分としての軟化点が50℃〜350℃である熱可塑性樹脂に、島相成分として該海相成分に対して互いに非相溶であり該海相成分の軟化点よりも50℃〜200℃高い軟化点を持つ成分を重量分率(Vf)0.5%〜150%の範囲で添加した後に溶融混練し、紡糸口金(海島型複合紡糸口金を除く)より吐出、固化させた糸条を引き続き加熱部次いで冷却部に順次通過させた後に引き取り、かつ、前記加熱部の温度を島相成分の軟化点より10℃高い温度〜該海相成分の熱分解温度未満の範囲内で変化させることにより、該島相成分のアスペクト比(島相繊維軸方向長(l)/島相繊維横断面方向径(d))を制御することを特徴とする、混合紡糸繊維の製造方法。
  2. 前記加熱部を紡糸口金吐出面〜1000mmの間とする、請求項1記載の混合紡糸繊維の製造方法。
  3. 前記冷却部の温度を海相成分の軟化点より50℃〜350℃低い温度とする、請求項1記載の混合紡糸繊維の製造方法。
  4. 糸条の引取り速度を10〜3000m/分とする、請求項1記載の混合紡糸繊維の製造方法。
  5. 前記加熱部の加熱制御手段が非接触輻射式ヒータ、加熱恒温空気の糸条への吹き付け及び過熱蒸気の糸条への吹き付けのうち少なくとも1種の手段である、請求項1記載の混合紡糸繊維の製造方法。
  6. 前記島相成分がピッチ、ポリアクリロニトリル、ポリカルボジイミド、ポリイミド、ポリベンゾアゾールおよびアラミド類よりなる群から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性炭素前駆体である、請求項1記載の混合紡糸繊維の製造方法。
  7. 前記海相成分がポリエチレン、ポリ−4−メチルペンテン−1またはその共重合体のうち少なくとも1種の熱可塑性樹脂である、請求項1記載の混合紡糸繊維の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれか記載の方法によって得られた、該島相成分のアスペクト比(島相繊維軸方向長(l)/島相繊維横断面方向径(d))が30以上である混合紡糸繊維。
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