JP4342962B2 - 骨強度測定装置 - Google Patents

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JP4342962B2 JP2004013584A JP2004013584A JP4342962B2 JP 4342962 B2 JP4342962 B2 JP 4342962B2 JP 2004013584 A JP2004013584 A JP 2004013584A JP 2004013584 A JP2004013584 A JP 2004013584A JP 4342962 B2 JP4342962 B2 JP 4342962B2
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Description

この発明は、生体の一部における骨強度を診断する骨強度測定装置に関する。
近年、超音波を用いて生体の一部、例えば手首や踵などの骨強度を測定する骨強度測定装置が開発され、実用化されるようになってきており、例えば、特許文献1に示すように、超音波送・受信用トランスデューサをそれぞれ内蔵した一対の超音波プローブによって生体の一部を挟持した状態で当該生体の一部に対して超音波の送・受信を行い、そのときの信号を処理することにより、前記生体の一部における骨強度に関する情報を得るようにしたものが公知である。
ところで、人の骨強度測定を行う場合、手首や踵を被測定部位とすることが一般的に行われるが、前記手首や踵には、他の身体部位と異なり、海綿骨が多く存在していることが知られている。図5は、例えば、手首1の横断面形状を模式的に示すもので、海綿骨2を中心にして皮質骨3および軟組織4がほぼ同心円状に配置されている。
そして、上記特許文献1に係る発明では、海綿骨が存在する被測定部位にその直径方向からパルス状の超音波を照射した場合、当該超音波が音速の異なる二成分に分かれるという知見に基づいている。これは、海綿骨における骨質の層状配列が異なることによって、パルス状の超音波が海綿骨内を透過するに際し、多孔性構造部分を透過するときと骨髄構造部分を透過するときとでは、音速が異なる結果、一方の超音波発信部を発した超音波は、二つの異なる速度の音波、すなわち、より速い第1波と遅い第2波とに分かれ、他方の超音波受信部にそれぞれ異なる時間に受信されるのである。
そして、従来の骨強度測定装置においては、図5に示すような手首1における全ての組織、すなわち、海綿骨2、皮質骨3および軟組織4のそれぞれの厚みや性状を求めるのに、以下のような前提を基にして所定の演算を行っていた。
図6は、従来の骨強度測定装置における測定系の構成を概略的に示すもので、この図において、5,6は手首1の直径方向の両側に密着してセットされる超音波プローブで、詳細な図示は省略するが、そのプローブ本体内には、超音波送・受信用トランスデューサおよび音響インピーダンス整合用液体を収容してなるものである。この超音波プローブ5,6は、それぞれケーブルを介して操作表示装置(図示していない)に接続されている。なお、この操作表示装置には、測定結果などをカラー表示することのできる表示部や測定結果などをカラー出力することのできるプリンタが付設されている。
そして、図6において、符号a,b,c,d,e,fは、前記超音波プローブ5,6間を最短で結ぶ直線7が軟組織4、皮質骨3および海綿骨2と順に交わる境界の点である。また、図中のLafは超音波プローブ5,6間距離(以下、単にプローブ間距離という)であり、Lab,Lefは軟組織4の厚み、Lbc,Ldeは皮質骨3の厚み、Lcdは海綿骨2の厚みである。
従来においては、超音波プローブ5(または6)を発した超音波音速は、軟組織4中でほぼ一定で、前記軟組織部分Lab,Lefにおける速度を、Vab,Vefで表したとき、
ab=Vef=決まった値
となる。
そして、前記超音波音速は、皮質骨3中でほぼ一定で、前記皮質骨部分Lbc,Ldeにおける速度をVbc,Vdeで表したとき、
bc=Vde=決まった値
となる。
また、前記超音波音速は、既に説明したように、海綿骨2中では、第1波(高速波)と第2波(低速波)とに分かれ、第1波の音速は骨の性状(構造)に依存するが、第2波はほぼ一定である。そこで、第2波の速度をVs で表したとき、
s =決まった値
となる。
さらに、図6のように、超音波プローブ5,6を配置したとき、それらにおける離間距離Lafは予め測定しておくので、
af=決まった値
となる。
今、例えば、図6に示した状態で、両方の超音波プローブ5,6からパルス状の超音波を発したとすると、軟組織4と皮質骨3との境界b,eおよび皮質骨3と海綿骨2との境界c,dにおいて反射した波による信号として図7(A)に示すものが得られる。この図(A)中において、Tb ,Tc は、超音波プローブ5によって受信される反射波の到達時間、Te ,Td は超音波プローブ6によって受信される反射波の到達時間である。また、一方の、例えば超音波プローブ5からパルス状の超音波を発したとすると、図7(B)に示すような透過波の信号が得られる。
まず、前記図7(A)に示す反射波において、超音波プローブ5による境界bからの到達時間Tb から軟組織4の厚みLabを求める。前記到達時間Tb は、超音波が境界aと境界bとの間を往復するのに要した時間であるから、その片道の時間Tb /2に軟組織4における音速Vabを乗ずる。すなわち、
ab=(Tb /2)×Vab
となる。
同様に、超音波プローブ6による境界eからの到達時間Te から軟組織4の厚みLefを求めると、
ef=(Te /2)×Vef
となる。
そして、前記反射波において、超音波プローブ5による境界cからの到達時間Tc と境界bからの到達時間Tb との差(Tc −Tb )を用いて、皮質骨3の厚みLbcを求める。すなわち、前記(Tc −Tb )は、超音波が境界bと境界cとの間を往復するのに要した時間であるから、片道の時間(Tc −Tb )/2を皮質骨3における音速Vbcを乗ずる。 Lbc=(Tc −Tb )/2×Vbc
となる。
同様に、超音波プローブによる境界dからの到達時間Td と境界eからの到達時間Te との差(Td −Te )を用いて、皮質骨3の厚みLdeを求める。すなわち、前記(Td −Te )は、超音波が境界eと境界dとの間を往復するのに要した時間であるから、片道の時間(Td −Te )/2を皮質骨3における音速Vdeを乗ずる。
de=(Td −Te )/2×Vde
となる。
上記のように、Laf,Lab,Lef,Lbc,Ldeが全て既知となったので、これらを用いて、海綿骨2の厚みLcdを求めることができる。すなわち、
cd=Laf−Lab−Lef−Lbc−Lde
となる。
これによって、軟組織4、皮質骨3および海綿骨2の全ての組織の厚みが得られたことになる。
特許第2863886号公報
上述したところから理解されるように、従来の骨強度測定装置においては、皮質骨3と海綿骨2との境界c,dからの反射波の到達時間Tc ,Td を利用して皮質骨3および海綿骨2の厚みを算出していたが、発明者らの鋭意研究によれば、前記反射波を検出するのは必ずしも容易ではなく、むしろ困難な場合があることが分かった。このため、上述した計算手法では、皮質骨3や海綿骨2などの厚みを精度よく得ることができないことがあり、その結果、それぞれの骨量や骨強度などの性状に関する情報として確実なものが得られないことがあった。
また、上記従来の骨強度測定装置においては、海綿骨2が存在しない部位における各組織の厚みを必ずしも確実に得られないことがあり、その結果、それぞれの骨量や骨強度などの性状に関する情報として確実なものが得られないことがあった。
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その一つの目的は、皮質骨と海綿骨との境界からの反射波の検出を行うのが困難であっても、皮質骨や海綿骨の厚みを確実に求めることができ、精度の高い骨強度評価結果を得ることができる骨強度測定装置を提供することであり、他の目的は、海綿骨が存在しない部位における各組織の厚みを確実に求めることができ、精度の高い骨強度評価結果を得ることができる骨強度測定装置を提供することである。
上記一つの目的を達成するために、この発明は、プローブ本体内に超音波送・受信用トランスデューサおよび音響インピーダンス整合用液体を収容した一対の超音波プローブ間に生体の一部を挟持した状態で当該生体の一部に対して超音波の送・受信を行い、そのときの信号を処理することにより前記生体の一部における骨強度を測定する骨強度測定装置において、前記超音波プローブにおいて得られる海綿骨内のある経路を透過した速度の速い第1波と遅い第2波のうちの第2波の海綿骨中における音速を一定と見なし、この音速と第2波の超音波プローブへの到達時間とを用いて演算を行うことによって、前記生体の一部における皮質骨、海綿骨のそれぞれの厚みを求めるようにしたことを特徴としている(請求項1)。
また、上記他の目的を達成するために、この発明は、プローブ本体内に超音波送・受信用トランスデューサおよび音響インピーダンス整合用液体を収容した一対の超音波プローブ間に生体の一部を挟持した状態で当該生体の一部に対して超音波の送・受信を行い、そのときの信号を処理することにより前記生体の一部における骨強度を測定する骨強度測定装置において、前記超音波プローブにおいて得られる海綿骨内のある経路を透過した速度の速い第1波と遅い第2波のうちの第2波の音速を一定とみなすとともに、皮質骨と海綿骨との境界において反射する反射波の到達時間を測定し、前記第2波音速および反射波到達時間と第2波の超音波プローブへの到達時間とを用いて演算を行って皮質骨音速を求め、これに基づいて皮質骨の性状を得るようにしたことを特徴としている(請求項2)。
そして、上記他の目的を達成するために、この発明は、プローブ本体内に超音波送・受信用トランスデューサおよび音響インピーダンス整合用液体を収容した一対の超音波プローブ間に生体の一部を挟持した状態で当該生体の一部に対して超音波の送・受信を行い、そのときの信号を処理することにより前記生体の一部における骨強度を測定する骨強度測定装置において、前記超音波プローブにおいて得られる海綿骨内のある経路を透過した速度の速い第1波と遅い第2波のうちの第2波の到達時間および皮質骨と海綿骨との境界において反射する反射波の到達時間を測定し、前記各到達時間を用いて、海綿骨内の第2波音速を求め、これに基づいて海綿骨の性状を得るようにしたことを特徴としている(請求項3)。
前記請求項1の記載によれば、第2波の海綿骨中における音速を一定と見なすことによって、皮質骨と海綿骨との境界からの反射波の検出を行うのが困難であっても、皮質骨と海綿骨の厚みを簡単に求めることができ、精度の高い骨強度評価結果を得ることができるようになる。
また、前記請求項2の記載によれば、皮質骨における超音波音速を予め決定せず、皮質骨と海綿骨との境界において反射する反射波の到達時間を測定し、前記第2波音速および反射波到達時間を用いて演算を行って皮質骨音速を求めるようにしているので、皮質骨の性状を確実に得ることができる。
そして、前記請求項3の記載によれば、第2波音速を予め決定せず、海綿骨内のある経路を透過した速度の速い第1波と遅い第2波のうちの第2波の到達時間および皮質骨と海綿骨との境界において反射する反射波の到達時間を測定し、前記各到達時間を用いて、海綿骨内の第2波音速を求めるようにしているので、海綿骨内部、特に、骨の間の有機質の情報を詳細に得ることができる。
図1〜図3は、この発明の第1実施例を示す。図1は、この実施例の骨強度測定装置10の全体的な構成を概略的に示すもので、この骨強度測定装置10は、大別して、測定装置11と操作表示装置12とで構成され、例えば人8の手首(生体の一部の例)1における骨評価を行うことができるように構成されている。
そして、前記測定装置11は、詳細な構造については省略するが、その前面側の測定部としての測定ユニット13が形成され、前記手首1を挟持した状態で、所定の超音波を送・受信する超音波プローブ5,6が設けられている。そして、操作表示装置12からの制御信号によって、前記超音波プローブ5,6を手首1の所定の被測定部位を適宜の間隔をおいて二次元的に走査して手首4の所定の範囲を二次元的に測定できるように構成されている。なお、14は音響インピーダンス整合用液体供給部で、超音波プローブ5,6に所定の音響インピーダンス整合用液体を供給し、超音波プローブ5,6を手首1の両面に密着させるようにするものである。
また、図2は、上記骨強度測定装置10を用いて骨強度測定を行う際の測定系の構成を概略的に示すもので、この図は、既に説明した図6と実質的に変わるところがなく、この図2において、図6に示した符号と同一符号は同一物であるので、その説明は省略する。
従来においては、超音波プローブ5(または6)を発した超音波音速は、軟組織4中でほぼ一定で、前記軟組織部分Lab,Lefにおける速度を、Vab,Vefで表したとき、
ab=Vef=決まった値
となる。
そして、前記超音波音速は、皮質骨3中でほぼ一定で、前記皮質骨部分Lbc,Ldeにおける速度をVbc,Vdeで表したとき、
bc=Vde=決まった値
となる。
また、前記超音波音速は、既に説明したように、海綿骨2中では、第1波(高速波)と第2波(低速波)とに分かれ、第1波の音速は骨の性状(構造)に依存するが、第2波はほぼ一定である。そこで、第2波の速度をVs で表したとき、
s =決まった値
となる。
さらに、図2のように、超音波プローブ5,6を配置したとき、それらにおける離間距離Lafは予め測定しておくので、
af=決まった値
となる。
今、例えば、図2に示した状態で、両方の超音波プローブ5,6からパルス状の超音波を発したとすると、軟組織4と皮質骨3との境界b,eおよび皮質骨3と海綿骨2との境界c,dにおいて反射した波による信号として図3(A)に示すものが得られる。この図(A)中において、Tb ,Tc は、超音波プローブ5によって受信される反射波の到達時間、Te ,Td は超音波プローブ6によって受信される反射波の到達時間である。また、一方の、例えば超音波プローブ5からパルス状の超音波を発したとすると、図3(B)に示すような透過波の信号が得られる。
まず、前記図3(A)に示す反射波において、超音波プローブ5による境界bからの到達時間Tb から軟組織4の厚みLabを求める。前記到達時間Tb は、超音波が境界aと境界bとの間を往復するのに要した時間であるから、その片道の時間Tb /2に軟組織4における音速Vabを乗ずる。すなわち、
ab=(Tb /2)×Vab
となる。
同様に、超音波プローブ6による境界eからの到達時間Te から軟組織4の厚みLefを求めると、
ef=(Te /2)×Vef
となる。
一方、透過波は、図3(B)に示すように、海綿骨2を通過することにより、第1波および第2波が存在するが、特に、第2波の到達時間Ts を計測する。そして、このTs のうち、軟組織4を通過するのに要する時間は、反射波の結果から、
(Tb /2)+(Te /2)
となる。
そして、前記第2波の皮質骨3を通過するのに要する時間は、
(Lbc+Lde)/Vbc
となる。
また、前記第2波の海綿骨2を通過するのに要する時間は、
(Laf−Lab−Lbc−Lde−Lef)/Vs 〔=Lcd/Vs
となる。
上記の関係を総合すると、
s =(Tb /2)+(Te /2)+(Lbc+Lde)/Vbc+(Laf−Lab−Lbc−L de−Lef)/Vs
となり、
s =(Tb /2)+(Te /2)+(Lbc+Lde)/Vbc+{Laf−(Lab+Lbc+ Lde+Lef)}/Vs
となり、
s =(Tb /2+Te /2)+(Lbc+Lde){(1/Vbc)−(1/Vs )} +{Laf−(Lab+Lef)}/Vs
となる。
さらに変形して、
(Lbc+Lde){(1/Vbc)−(1/Vs )}
=Ts −(Tb /2+Te /2)−{Laf−(Lab+Lef)}/Vs
したがって、
(Lbc+Lde)=〔Ts −(Tb /2+Te /2)−{Laf−(Lab+Lef)}/Vs〕/{(1/Vbc)−(1/Vs )}
となり、皮質骨3の厚みが求められる。
そして、海綿骨2の厚みLcdは、
cd=Laf−(Lab+Lef+Lbc+Lde)で表され、この式の右辺の各大きさは、全て求められているので、海綿骨2の厚みLcdも求められる。これによって、軟組織4、皮質骨3および海綿骨2の全ての組織の厚みが得られたことになる。
なお、軟組織4における音速Vab(=Vef)および第2波の音速Vs は、温度によって多少変化するので、被測定部位(この例では手首1)の温度を測定し、この温度に基づいて補正を行うようにするのがよい。また、別の方法として、単純な構造の(軟組織のみ、あるいは、軟組織、皮質骨、骨髄のみ)の透過波、反射波の測定によって、軟組織4における音速Vab(=Vef)および第2波の音速VS を求めるようにしてもよい。
上述の第1実施例においては、第2波の速度をVs を一定と見なすようにしていたが、反射波においてTc ,Td を測定することができる場合には、皮質骨3における音速Vbc(=Vde)を予め決定することなく、または、第2波音速Vs を決定しなくても、前記軟組織4、皮質骨3および海綿骨2の全ての組織の厚みを得ることができる。以下、これらをそれぞれ第2、第3の実施例として説明する。
まず、第2実施例について説明すると、この場合、反射波および透過波は、それぞれ、図4(A)および(B)に示すようになる。
骨部分(Lbc+Lcd+Lde)は、反射波から、
bc+Lcd+Lde=Laf−{(Tb +Te )/2}×Vab ……(1) となる。
第2波の到達時間Ts のうち、海綿骨2を通過するのに要する時間は、前記反射波の結果から、Ts −(Tc +Td )/2となり、海綿骨2の厚みLcdは、
cd={Ts −(Tc +Td )/2}×Vs ……(2) となる。
そして、皮質骨3の厚み(Lbc+Lde)は、上記2式の引き算したものであるから、
bc+Lde=Laf−{(Tb +Te )/2}×Vab−{Ts −(Tc +Td )/2}× Vs ……(3) となる。
一方、皮質骨3を通過するのに要する時間は、反射波の結果から、(Tc −Tb +Td −Te )/と表され、この関係と上記(3)式とから、皮質骨3における音速Vbc(=Vde)は、
bc=〔Laf−{(Tb +Te )/2}×Vab−{Ts −(Tc +Td )/2}×Vs 〕/{(Tc −Tb +Td −Te )/2} ……(4)
となる。
すなわち、皮質骨3における音速Vbc(=Vde)を予め決定してなくても、上述のような演算を行うことによって、音速Vbc(=Vde)を求めることができ、これに基づいて皮質骨3の性状を求めることができる。
なお、上記第2実施例においては、海綿骨2が存在するものとしていたが、これに限られるものではなく、海綿骨2が存在しない部位(例えば、皮質骨3の内側が骨髄等の有機質のみ)でも同様に皮質骨3における音速を求めることができる。また、海綿骨2が存在しない場合には、皮質骨3と有機質との音響インピーダンスは明確に異なるため、反射波においてTc ,Td を検出しやすい。なお、この場合、透過波において第1波は存在せず、第2波のみとなる。
次に、第3実施例について説明すると、この場合も、反射波および透過波は、それぞれ、図4(A)および(B)に示すようになる。
軟組織4を通過する時間は、反射波の結果から、(Tb +Te )/2となり、軟組織4の厚み(Lab+Lef)は、
ab+Lef={(Tb +Te )/2}×Vab ……(11) となる。
皮質骨3を通過する時間は、反射波の結果から、(Tc −Tb +Td −Te )/2となり、皮質骨3の厚み(Lbc+Lde)は、
bc+Lde={(Tc −Tb +Td −Te )/2}×Vbc ……(12)
そして、海綿骨2の厚みLcdは、
cd=Laf−(Lab+Lbc+Lde+Lef) ……(13)
であるから、この(13)式に上記(11),(12)式の関係を代入すると、
cd=Laf−{(Tb +Te )/2}×Vab−{(Tc −Tb +Td −Te )/2}× Vbc ……(14)
となる。
そして、第2波の到達時間Ts のうち、海綿骨2を通過する時間は、反射波の結果から、Ts −(Tc +Td )/2となり、第2波音速Vs は、上記(14)式から、
s =Lcd/{Ts −(Tc +Td )/2}
となり、さらに、
s =〔Laf−{(Tb +Te )/2}×Vab−{(Tc −Tb +Td −Te )/2} ×Vbc〕/{Ts −(Tc +Td )/2} ……(15)
となる。
すなわち、第2波音速Vs を予め決定してなくても、上述のような演算を行うことによって、第2波音速Vs を求めることができ、これに基づいて海綿骨2内部、特に、骨の間の有機質のより詳しい情報を得ることができる。
なお、上記第3実施例においては、海綿骨2が存在するものとしていたが、これに限られるものではなく、海綿骨2が存在しない部位(例えば、皮質骨3の内側が骨髄等の有機質のみ)でも同様に第2波音速Vs を求めることができる。また、海綿骨2が存しない場合には、皮質骨3と有機質との音響インピーダンスは明確に異なるため、反射波においてTc ,Td を検出しやすい。なお、この場合、透過波において第1波は存在せず、第2波のみとなる。
そして、上述の各実施例においては、超音波プローブ5,6が二次元的に走査されるものであったが、この発明はこれに限られるものではなく、いわゆる電子フォーカスアレイタイプのものであっても、同様に適用することができる。
この発明の骨強度測定装置の全体的な構成を概略的に示す図である。 前記骨強度測定装置を用いて骨強度測定を行う際の測定系の構成を概略的に示す図である。 第1実施例における超音波の波形図を示すもので、(A)は反射波、(B)は透過波である。 第2実施例および第3実施例における超音波の波形図を示すもので、(A)は反射波、(B)は透過波である。 手首の横断面形状を模式的に示す図である。 従来の骨強度測定を行う際の測定系の構成を概略的に示す図である。 従来の超音波の波形図を示すもので、(A)は反射波、(B)は透過波である。
符号の説明
1 生体の一部
2 海綿骨
3 皮質骨
4 軟組織
5,6 超音波プローブ
10 骨強度測定装置

Claims (3)

  1. プローブ本体内に超音波送・受信用トランスデューサおよび音響インピーダンス整合用液体を収容した一対の超音波プローブ間に生体の一部を挟持した状態で当該生体の一部に対して超音波の送・受信を行い、そのときの信号を処理することにより前記生体の一部における骨強度を測定する骨強度測定装置において、前記超音波プローブにおいて得られる海綿骨内のある経路を透過した速度の速い第1波と遅い第2波のうちの第2波の海綿骨中における音速を一定と見なし、この音速と第2波の超音波プローブへの到達時間とを用いて演算を行うことによって、前記生体の一部における皮質骨、海綿骨のそれぞれの厚みを求めるようにしたことを特徴とする骨強度測定装置。
  2. プローブ本体内に超音波送・受信用トランスデューサおよび音響インピーダンス整合用液体を収容した一対の超音波プローブ間に生体の一部を挟持した状態で当該生体の一部に対して超音波の送・受信を行い、そのときの信号を処理することにより前記生体の一部における骨強度を測定する骨強度測定装置において、前記超音波プローブにおいて得られる海綿骨内のある経路を透過した速度の速い第1波と遅い第2波のうちの第2波の音速を一定とみなすとともに、皮質骨と海綿骨との境界において反射する反射波の到達時間を測定し、前記第2波音速および反射波到達時間と第2波の超音波プローブへの到達時間とを用いて演算を行って皮質骨音速を求め、これに基づいて皮質骨の性状を得るようにしたことを特徴とする骨強度測定装置。
  3. プローブ本体内に超音波送・受信用トランスデューサおよび音響インピーダンス整合用液体を収容した一対の超音波プローブ間に生体の一部を挟持した状態で当該生体の一部に対して超音波の送・受信を行い、そのときの信号を処理することにより前記生体の一部における骨強度を測定する骨強度測定装置において、前記超音波プローブにおいて得られる海綿骨内のある経路を透過した速度の速い第1波と遅い第2波のうちの第2波の到達時間および皮質骨と海綿骨との境界において反射する反射波の到達時間を測定し、前記各到達時間を用いて、海綿骨内の第2波音速を求め、これに基づいて海綿骨の性状を得るようにしたことを特徴とする骨強度測定装置。
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