JP4342426B2 - イトラコナゾール経口投与用製剤 - Google Patents

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本発明は、イトラコナゾール経口投与製剤に関する。更に詳細には、平均粒子径 10 μm 〜 60 μm の微粒子を核粒子とし、イトラコナゾールおよび腸溶性ポリマーの混合溶液を噴霧・コーティングし、得られるコーティング粉末の平均粒子径を 50 〜 120 μm にコントロールすることにより得られる、酸性溶液である胃部消化液での溶出性が改善されたイトラコナゾール経口投与用製剤に関する。
イトラコナゾール、即ち(±)−シス−4−[4−[4−[4−[[2−(2,4−ジクロロフェニル)−2−(1H−1,2,4−トリアゾル−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−4−イル]メトキシ]フェニル]−1−ピペラジニル]フェニル]−2,4−ジヒドロ−2−(1−メチルプロピル)−3H−1,2,4−トリアゾル−3−オンは、広域抗真菌性トリアゾール化合物であり、内臓真菌症、皮膚真菌症、白癬症などの治療薬として知られている。
しかしながら、イトラコナゾール原末は水に実質上不溶なため、経口投与によりほとんど消化管から吸収されない。そのため、イトラコナゾールの経口投与製剤の開発においては、イトラコナゾールの胃部消化液での溶出率を高めることが必要である。そこで、イトラコナゾールの溶出性あるいは生物学的利用率を高めるための工夫・改良が種々なされており、その成果として、下記のごとき各種経口投与製剤が提案されている。
特許文献1には、直径 600 〜 700 μm の球状の核粒子に、イトラコナゾールおよび親水性ポリマーの混合溶液を噴霧・コーティングし、さらにポリエチレングリコールのシーリング層をコーティングしてなるビーズが開示されている。特許文献2には、直径 250 〜 355 μm の球状の核粒子に、イトラコナゾールおよび親水性ポリマーの混合溶液を噴霧・コーティングし、さらにポリエチレングリコールのシーリング層をコーティングしてなるビーズが開示されている。これらの特許文献においてイトラコナゾールの溶出率が向上する原理は、イトラコナゾールが非晶質状態を保って水溶性ポリマー中に固溶体または固体分散体として存在し、これが球状の核粒子を覆う薬物層または粒子そのものを構成しているためであると説明されている。したがって、安定なイトラコナゾールの固溶体または固体分散体を製造するためには、その中のイトラコナゾール濃度はあまり高くてはならず、さらにシーリング層は薬物を含まないため製剤が大型化する。
特許文献3には、イトラコナゾールと水溶性ないし親水性ポリマーの重量比が1:1〜17 である固体分散体が開示されている。この特許文献においても、上記の特許文献と同様に、安定な固溶体または固体分散体をつくるためには多量の水溶性ポリマーが必要とされる。
特許文献4には、特許文献1と同様の製法であるが、コーティング液中に凝集防止剤を加えることにより、粒子径が 500μm 以下の微粒子を核粒子とする場合でも特段な工程管理を行うことなくコーティングする方法が開示されている。この特許文献において、微粒子を核粒子として使用する場合には、コーティング工程中に凝集する傾向が強く、均一なコーティングを行うためには凝集防止剤が必要であるとされている。
特許文献5には、水溶性ポリマーおよび腸溶性ポリマーを含むイトラコナゾール溶液を噴霧、造粒、乾燥して製造する固体分散体が開示されている。この特許文献においては、酸性および中性領域の両方において溶出率が高く、加圧成形時に再結晶化を防止するために、水溶性ポリマーおよび腸溶性ポリマーのいずれのポリマー基剤も含有させる必要がある。
特許文献6には、イトラコナゾールと酸性官能基を有するポリマー、即ち腸溶性ポリマーの固体分散体が開示されている。この固体分散体粒子は、粒子径が 1 nm 〜 10 μm の超微粒子であることから、0.45 μm のフィルターでろ過しても粒子の一部が通過し、そのろ液は懸濁液である特徴を有する。しかしながら、粒子径が 1 nm 〜 10 μm の超微粒子は一般的に付着凝集性が非常に強く、製造工程における回収率の低下や、その後の製造工程での飛散等の問題が発生するため、効率的な製造方法とは言い難い。
非特許文献1には、アゾール系の経口抗真菌薬を水溶性ポリマーまたは腸溶性ポリマーとともに溶解し、噴霧乾燥により固体分散体にする方法が開示されている。 しかしながら、この方法において、腸溶性ポリマーを使用した場合は酸性溶液中での溶出率は高くならず、水溶性ポリマーとの固体分散体でなければ、酸性溶液である胃部消化液での溶出性を改善することができない。
特許第2865869号明細書 特表2001−520663号公報 特許第3391801号明細書 特開2003−104892号公報 特開2004−67606号公報 特表2003−518483号公報 Chem., Pharm., Bull., 44(3)568 - 571(1996)
本発明の目的は、イトラコナゾールの酸性溶液である胃部消化液での溶出性を改善することにより生物学的利用率の高いイトラコナゾール経口投与用製剤を開発することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するため鋭意研究を進めた結果、平均粒子径 10 μm 〜 60 μm、好ましくは 20 μm 〜 40 μmの核粒子に、イトラコナゾールおよび腸溶性ポリマーを含む溶液を噴霧・コーティングし、得られるコーティング粉末の平均粒子径を 50 〜 120 μm にコントロールすることにより得られる製剤は、水溶性ポリマーを固体分散体の基剤として使用することなく、酸性溶液である胃部消化液中においても上記従来の各種イトラコナゾール製剤と同等もしくはそれ以上の溶出性を示すことを見出した。
即ち、本発明は、平均粒子径 10 μm 〜 60 μm の核粒子にイトラコナゾールおよび腸溶性ポリマーの混合溶液を噴霧・コーティングし、平均粒子径 50 〜 120 μm のコーティング粉末を形成してなるイトラコナゾール経口投与用製剤である。
本発明は、平均粒子径 10 μm 〜 60 μm の微粒子を核粒子とすることにより、コーティングに利用し得る総表面積が大きくなり、結果的にイトラコナゾールおよび腸溶性ポリマーのコーティング層の厚みが非常に薄くなって、腸溶性ポリマーが溶解しない胃部消化液中においても、イトラコナゾールの溶出性が改善された新規な経口投与用製剤、例えばイトラコナゾール錠剤を提供するものである。また、本発明は、イトラコナゾールと腸溶性ポリマーとの重量比は1:0.1 〜1、好ましくは1:0.2 〜 0.5 と腸溶性ポリマーは少量でよく、製剤の小型化も可能である。更には、コーティング溶液中に水溶性ポリマーを含まない本発明の場合には、平均粒子径 10 μm 〜 60 μm の微粒子を核粒子として使用しても、コーティング工程中に凝集する現象は発生しないことから、凝集防止剤を含有せずとも効率的なコーティングが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
イトラコナゾールは、米国特許第4267179号等に開示された公知の方法により合成できる広域抗真菌性トリアゾール化合物であり、白色の粉末で、塩化メチレンには溶解するが、アルコール類、アセトン系溶媒、水等にはほとんど溶けない化合物である。
本発明のイトラコナゾール経口投与用製剤は、平均粒子径 10 μm 〜 60 μm の核粒子にイトラコナゾールおよび腸溶性ポリマーの混合溶液を噴霧・コーティングし、平均粒子径 50 〜 120 μm のコーティング粉末を形成することにより得られる。
核粒子は、例えば、結晶セルロース、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、デンプン、乳糖、マンニトール、白糖、エリスリトール、ソルビトール、トレハロース、キシリトール、マルチトール、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどの1種または2種以上を混合して、粉末を得て、その平均粒子径を 10 μm 〜 60 μm、好ましくは、 20 μm 〜 40 μm とすることにより調製される。
腸溶性ポリマーとしては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロース、メタクリル酸コポリマーなどが好ましく、これらの1種または2種以上を混合して用いる。
核粒子にイトラコナゾールおよび腸溶性ポリマーの混合溶液を噴霧・コーティングし、コーティング粉末を得るには、固形製剤の周知の製造方法を採用することができる。例えば、イトラコナゾールおよび腸溶性ポリマーを予め溶媒に溶解してコーティング液を調製しておき、核粒子にこれをスプレーした後、乾燥する。イトラコナゾールおよび腸溶性ポリマーの溶媒としては、例えば、エタノール、アセトン、塩化メチレンまたはこれらの混合溶媒が望ましい。核粒子に、イトラコナゾールおよび腸溶性ポリマーの混合溶液をスプレーし、乾燥するには、例えば、転動流動層コーティング造粒装置などの流動層造粒機を用いて、これに核粒子を投入して流動化させ、イトラコナゾールおよび腸溶性ポリマーの混合溶液をノズルからスプレーして核粒子をコーティングし、乾燥することにより、コーティング粉末を得ることができる。
本発明では、コーティング粉末の平均粒子径が 50 〜 120 μm となるように調整する。平均粒子径は、特に 70 〜 100 μm が好ましい。また、イトラコナゾールと核粒子との重量比は 1:1 〜 10 であるのが好ましく、特に 1 : 2 〜 5 が好ましい。イトラコナゾールと腸溶性ポリマーとの重量比は 1:0.1 〜1であるのが好ましく、特に1:0.2 〜 0.5 が好ましい。また、本発明では、得られるコーティング粉末における各成分の重量は、核粒子が 40 〜 80 %、イトラコナゾールが 20 〜 50 %、腸溶性ポリマーが 5 〜 20 % が一般的であり、好ましくは、核粒子が50 〜 70 %、イトラコナゾールが 25 〜 40 %、腸溶性ポリマーが 5 〜 15 % であり、最も好ましくは、核粒子が60 〜 70 %、イトラコナゾールが 20 〜 30 %、腸溶性ポリマーが 5 〜 10 % である。
かくして得られるコーティング粉末を用いて、更に周知・慣用の製剤化法によりイトラコナゾール経口投与用製剤とすることができる。例えば、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ゼラチンなどの通常使用される結合剤を用いて、攪拌造粒、押出し造粒、転動造粒、流動層造粒、転動流動層造粒などの湿式造粒、あるいは乾式造粒などにより、コーティング粉末を造粒して顆粒剤とすることができる。また、コーティング粉末を造粒して得られる顆粒、あるいはコーティング粉末と通常用いられる医薬品添加剤とを混合してカプセルに充填してカプセル剤とすることもできる。また、コーティング粉末を造粒して顆粒にしてから打錠する顆粒圧縮法や、得られたコーティング粉末と通常使用される医薬品添加剤とを混合して、直接粉末圧縮法により打錠する方法などによって、錠剤とすることもできる。
また、上記の顆粒剤、カプセル剤、錠剤等の製剤の製造の際に、コーティング粉末を製造後に、あるいはコーティング粉末を更に造粒後に、例えば、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、酸化チタン、合成ケイ酸アルミニウム、タルク、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウムなどから選ばれる1種または2種以上を添加し、高速攪拌型混合造粒機などにより混合して、流動性を改善し、結果的にコーティング粉末あるいは顆粒の安息角を 40°以下とすることもできる。安息角を 40°以下とすることにより、上記の周知・慣用の製剤化手法、例えば、打錠工程やカプセルへの充填工程において、安定した連続操作が可能となり(Chemical Engineering, January 18, p.163(1965))、本発明のイトラコナゾール経口投与用製剤を更に効率的に製造可能となる。
さらに、本発明のイトラコナゾール経口投与用製剤は、通常使用されている薬学的に許容される賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤などの種々の医薬品添加剤を含んでいてもよい。具体的には、賦形剤としては、例えば、乳糖、エリスリトール、結晶セルロース、カルメロースナトリウム、デンプン、軽質無水ケイ酸、白糖、キシリトール、ソルビトールなどが挙げられる。結合剤としては、例えば、カルメロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ゼラチンなどが挙げられる。崩壊剤としては、例えば、デンプン、カルメロース、カルメロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換ヒドロキシプロピルセルロースなどを含むことができる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、水素添加植物油、マクロゴール、シリコーン油などが挙げられる。甘味剤としては、例えば、白糖、エリスリトール、ソルビトール、トレハロース、キシリトール、粉末還元麦芽糖水アメ、アスパルテーム、サッカリンナトリウム、スクラロース、アセスルファムカリウムなどが挙げられる。その他、必要により、着色料、香料などを含有することも任意である。
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
錠剤1の製造
イトラコナゾール 167 g、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(商品名:HP-55、信越化学)60 g、ポリソルベート80 1.2 g を塩化メチレン/エタノール(7:3)溶液 2 L に溶解し、転動流動層コーティング造粒装置(商品名:スパイラフロー、フロイント産業製)により、核粒子である平均粒子径 32 μm のエリスリトール/結晶セルロース・カルメロースナトリウム(商品名:アビセル RC 591 NF、旭化成)(重量比=7:3)混合粉末 500 g にコーティングしてコーティング粉末1を得た。その後、同装置で、下記の結合液によりコーティング粉末 1 を造粒して得た顆粒に下記の賦形剤、崩壊剤および滑沢剤を加えて、ロータリー式全自動打錠機で圧縮してイトラコナゾールを 50mg 含有する錠剤1を得た。

結合液の組成
ラウリル硫酸ナトリウム 0.6 g
ポリエチレングリコール 6000 6 g
ヒドロキシプロピルメチルセルロース(TC-5、信越化学) 12 g
塩化メチレン/エタノール(1:1)溶液 600 mL

錠剤1の組成
薬物 顆粒 223.6 mg
賦形剤 軽質無水ケイ酸 4.5 mg
崩壊剤 クロスカルメロースナトリウム 4.6 mg
滑沢剤 ステアリン酸マグネシウム 0.2 mg
232.9 mg
実施例2
錠剤2の製造
イトラコナゾール 167 g、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(商品名:HP-55、信越化学)60 g、ポリソルベート80 1.2 g を塩化メチレン/エタノール(7:3)溶液 2 L に溶解し、転動流動層コーティング造粒装置(商品名:スパイラフロー、フロイント産業製)により、核粒子である平均粒子径 29 μm のエリスリトール/結晶セルロース・カルメロースナトリウム(商品名:アビセル RC 591 NF、旭化成)(重量比=1:1)混合粉末 500 g にコーティングしてコーティング粉末2を得た。その後、実施例1と同様にしてイトラコナゾールを 50mg 含有する錠剤2を得た。
実施例3
錠剤3の製造
イトラコナゾール 167 g、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(商品名:HP-55、信越化学)60 g、ポリソルベート80 1.2 g を塩化メチレン/エタノール(7:3)溶液 2 L に溶解し、転動流動層コーティング造粒装置(商品名:スパイラフロー、フロイント産業製)により、核粒子である平均粒子径 25 μm のエリスリトール/結晶セルロース・カルメロースナトリウム(商品名:アビセル RC 591 NF、旭化成)(重量比=3:7)混合粉末 500 g にコーティングしてコーティング粉末3を得た。その後、実施例1と同様にしてイトラコナゾールを 50mg 含有する錠剤3を得た。
比較例1
錠剤4の製造
イトラコナゾール 200 g、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(商品名:HP-55、信越化学)100 g、ポリソルベート80 20 gを塩化メチレン/エタノール(7:3)溶液 2 L に溶解し、転動流動層コーティング造粒装置(商品名:スパイラフロー、フロイント産業製)により、核粒子である平均粒子径 167 μm の白糖 400 g にコーティングしてコーティング粉末4を得た。その後、コーティング粉末4に下記の賦形剤および滑沢剤を加えて、ロータリー式全自動打錠機で圧縮してイトラコナゾールを 50mg 含有する錠剤4を得た。
錠剤4の組成
薬物 コーティング粉末4 180.0 mg
賦形剤 乳糖(商品名:乳糖G、フロイント産業) 49.0 mg
賦形剤 結晶セルロース
(商品名:アビセルPH 301、旭化成) 21.0 mg
滑沢剤 ステアリン酸マグネシウム 0.2 mg
250.2 mg
比較例2
錠剤5の製造
イトラコナゾール 167 g、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(商品名:HP-55、信越化学)60 g、ポリソルベート80 1.2 g を塩化メチレン/エタノール(7:3)溶液 2 L に溶解し、転動流動層コーティング造粒装置(商品名:スパイラフロー、フロイント産業製)により、核粒子である平均粒子径 35 μm の結晶セルロース・カルメロースナトリウム(商品名:アビセル RC 591 NF、旭化成) 500 g にコーティングしてコーティング粉末5を得た。その後、実施例1と同様にしてイトラコナゾールを 50mg 含有する錠剤5を得た。
試験例1
錠剤の溶出性評価
(1)コーティング粉末の平均粒子径
実施例1、2および3に記載したコーティング粉末1、2および3、比較例1に記載したコーティング粉末4および比較例2に記載したコーティング粉末5の平均粒子径を表1に示す。平均粒子径の測定は、レーザー回折式粒度分布測定装置(LDSA-1400A、東日コンピューター製)により測定した。
Figure 0004342426
(2)溶出試験
実施例1、2および3に記載の錠剤1、2および3、比較例4および5に記載の錠剤4および5の溶出試験結果を表2および図1に示す。溶出試験は、日本薬局方 一般試験法 溶出試験法(第2法:パドル法、パドル回転数:100回転)に従い、試験液には崩壊試験法 第1液(pH 1.2)を用いて実施した。
比較例1の錠剤4では、用いたコーティング粉末3は、核粒子の粒子径が大きいために、イトラコナゾールおよび腸溶性ポリマーのコーティング層が薄くはならず、したがって、腸溶性ポリマーが溶解しない崩壊試験法 第1液(pH 1.2)中では錠剤4の溶出性は改善されなかった。また、比較例2の錠剤5では、用いたコーティング粉末5は、核粒子の粒子径は小さいが、得られたコーティング粉末の粒子径が大きく、したがって、錠剤4と同様に、錠剤5の溶出性は顕著には改善されなかった。
これに対して、実施例1、2および3に記載したコーティング粉末1、2および3はその粒子径を 50 〜 120μm にコントロールしたことから、結果的にイトラコナゾールおよび腸溶性ポリマーのコーティング層の厚みが非常に薄くなったため、錠剤1、2および3は、溶出試験において 80 % 以上の良好な溶出率を示した。
Figure 0004342426
以上のように、平均粒子径 10 μm 〜 60 μm の微粒子を核粒子とし、イトラコナゾールおよび腸溶性ポリマーの混合溶液を噴霧・コーティングし、得られるコーティング粉末の平均粒子径を 50 〜 120 μm にコントロールして得られる本発明のイトラコナゾール経口投与用製剤は 80 % 以上の良好な溶出率を示す。したがって、本発明のイトラコナゾール経口投与用製剤は、酸性溶液である胃部消化液中での溶出性が改善されたものであり生物学的利用率の高いイトラコナゾール製剤であって、内臓真菌症、皮膚真菌症、白癬症などの治療薬として知られたイトラコナゾールの優れた製剤である。
図1は、本発明のイトラコナゾール錠剤の溶出試験結果をグラフ化したものである。

Claims (10)

  1. 平均粒子径 10 μm 〜 60 μm の核粒子にイトラコナゾールおよび腸溶性ポリマーの混合溶液を噴霧・コーティングし、平均粒子径 50 〜 120 μm のコーティング粉末を形成してなるイトラコナゾール経口投与用製剤。
  2. 核粒子の平均粒子径が 20 μm 〜 40 μm である請求項1に記載の経口投与用製剤。
  3. 核粒子が、結晶セルロース、合成ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、デンプン、乳糖、マンニトール、白糖、エリスリトール、ソルビトール、トレハロース、キシリトール、マルチトール、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウムまたは低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選ばれる1種または2種以上からなる請求項1または2に記載の経口投与用製剤。
  4. 腸溶性ポリマーが、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレート、カルボキシメチルエチルセルロースまたはメタクリル酸コポリマーから選ばれる1種または2種以上からなる請求項1から3に記載の経口投与用製剤。
  5. コーティング粉末におけるイトラコナゾールと核粒子との重量比が 1:1 〜 10 である請求項1から4のいずれかに記載の経口投与用製剤。
  6. コーティング粉末におけるイトラコナゾールと腸溶性ポリマーとの重量比が 1:0.1 〜1である請求項1から5のいずれかに記載の経口投与用製剤。
  7. コーティング粉末に医薬品添加物を添加して打錠し、あるいはコーティング粉末を造粒し顆粒として打錠し、錠剤とした請求項1から6のいずれかに記載のイトラコナゾール経口投与用製剤。
  8. コーティング粉末を造粒し顆粒剤とした請求項1から6のいずれかに記載のイトラコナゾール経口投与用製剤。
  9. コーティング粉末を造粒して得られる顆粒をカプセルに充填しカプセル剤とした請求項1から6のいずれかに記載のイトラコナゾール経口投与用製剤。
  10. コーティング粉末に、あるいはコーティング粉末を造粒して顆粒を製造後に、軽質無水ケイ酸、重質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、酸化チタン、合成ケイ酸アルミニウム、タルク、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムあるいは水酸化アルミナマグネシウムから選ばれる1種または2種以上を添加して流動性を改善し、コーティング粉末あるいは顆粒の安息角を 40°以下とした請求項7から9のいずれかに記載のイトラコナゾール経口投与用製剤。
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