JP4341917B2 - トラッキング制御装置及びトラッキング制御方法、並びに、突発外乱推定装置及び突発外乱推定方法 - Google Patents

トラッキング制御装置及びトラッキング制御方法、並びに、突発外乱推定装置及び突発外乱推定方法 Download PDF

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Description

本発明は、トラッキング制御技術に関し、より詳細には、突発外乱を推定する突発外乱推定装置及び突発外乱推定方法、並びに、突発外乱を推定することでトラッキングの制御を行うトラッキング制御装置及びトラッキング制御方法に関する。
一般に、ディスクの記録・再生装置は、光ヘッドから出射される光ビームの光スポット位置を、ディスク上の目的トラック位置に高速で、かつ安定して追従させるために、大きく分けて2つの動作を行っている。1つは、トラッキングサーボをオフにしてリニアモータによって目標トラック位置近傍まで光ヘッドのピックアップを移動する粗動作であり、もう1つは、トラッキングサーボをオンにしてボイスコイルモータによって目標トラック位置にピックアップを追従させる微動作である。
従来、この微動作におけるトラッキングは、光スポット位置をフィードバックさせることで、ディスクの偏心や振動等の外乱によって生じるトラック位置と、光スポット位置との誤差を補正するフィードバック制御によって実現されている。さらに、このフィードバック制御に、ディスクの1回転周期後の誤差を特定の伝達関数によって予測するフィードフォワード制御を付加することで、光スポット位置を高速で、かつ安定した状態でトラック位置に追従させる技術が存在する(例えば、特許文献1又は特許文献2参照)。
ここで、図14を参照して、従来のトラッキング制御装置について説明する。図14は、従来のデジタル制御によるトラッキング制御装置の構成を示すブロック図である。
トラッキング制御装置1Cは、フィードバック制御系2Cとして、トラッキング誤差信号生成手段20と、A/D変換手段21と、フィードバック制御手段22と、補正操作量生成手段(加算手段)23と、D/A変換手段24と、光スポット位置補正手段25とを備え、フィードフォワード制御系3として、補正トラッキング誤差信号生成手段(加算手段)30と、記憶制御手段31と、記憶手段32と、フィードフォワード制御手段33と、トラッキング誤差補正信号生成手段34とを備えている。
ここで、フィードバック制御手段(C(z-1))22はロバスト制御器であり、光スポット位置補正手段(P(s))25はアクチュエータの電流駆動のボイスコイルモータであり、また、フィードフォワード制御手段(Gff(z-1))33は零位相誤差トラッキング(Zero Phase Error Tracking:ZPET)制御を適用した前置補償器である。
なお、図14中の減算手段Dは、突発外乱がフィードバック制御系2Cに与える影響を擬似的に表現したものであって、実在する構成ではない。
このトラッキング制御装置1Cは、フィードバック制御系2Cにおけるトラッキング誤差信号生成手段20によって、ディスク上のトラック位置と、光スポット位置補正手段25により補正された光スポット位置との誤差を示すトラッキング誤差信号を生成し、A/D変換手段21でデジタル信号に変換する。さらに、トラッキング制御装置1Cは、フィードバック制御手段22によって、デジタル信号に変換されたトラッキング誤差信号et(k)の振幅及び位相の補償を行い、光スポット位置を操作する操作量Ic(k)を生成する。そして、トラッキング制御装置1Cは、補正操作量生成手段23によって、操作量Ic(k)と、フィードフォワード制御系3のフィードフォワード制御手段33により推定される操作量の誤差If(k)とを加算することで、光スポット位置を操作する補正された操作量(補正操作量Icmd(k))を生成する。
そして、トラッキング制御装置1Cは、D/A変換手段24によって、補正操作量Icmd(k)をアナログ信号に変換する。なお、外部からの突発的な外乱(突発外乱Id(t))が発生した場合、D/A変換手段24から出力されるアナログ信号に変換された補正操作量から、突発外乱Id(t)が減算されることになる。そして、トラッキング制御装置1Cは、光スポット位置補正手段25によって、補正操作量により光スポット位置を制御する。この光スポット位置が、トラッキング誤差信号生成手段20に入力されることで、フィードバック制御系2Cが形成される。
また、トラッキング制御装置1Cは、フィードフォワード制御系3における補正トラッキング誤差信号生成手段30によって、フィードバック制御系2Cで生成されたトラッキング誤差信号et(k)と、トラッキング誤差補正信号生成手段34で生成された、ディスクの少なくとも1回転周期前のトラッキング誤差補正信号とを加算した補正トラッキング誤差信号et feedback(k)を生成する。そして、記憶制御手段31によって、この補正トラッキング誤差信号et feedback(k)を記憶手段32に記憶する。
さらに、トラッキング制御装置1Cは、フィードフォワード制御手段33によって、記憶手段32に記憶されている補正トラッキング誤差信号の振幅及び位相の補償を行い、光スポット位置の操作量の誤差を推定する。この推定された操作量の誤差は、トラッキング誤差補正信号生成手段34及び補正操作量生成手段23に出力される。そして、トラッキング制御装置1Cは、トラッキング誤差補正信号生成手段34によって、トラッキング誤差信号et(k)を補正するためのトラッキング誤差補正信号を生成する。このトラッキング誤差補正信号が、補正トラッキング誤差信号生成手段30に入力されることで、フィードフォワード制御系3が形成される。
このように、従来のトラッキング制御装置1Cは、ディスクの偏心等による周期的外乱を、フィードバック制御系2Cとフィードフォワード制御系3とで補償し、外部から突発的に加えられた突発外乱を、フィードバック制御系2Cのみで補償する構成となっている。また、従来、フィードバック制御系のみによって、トラッキングの制御を行うトラッキング制御装置においては、フィードバック制御系に外乱オブザーバ(外乱観測器)を備え、この外乱オブザーバによって、外乱を推定する技術が存在する(例えば、特許文献3参照)。この技術では、フィードバック制御系に入力される周期的外乱と突発外乱とを区別せずに、まとまった外乱として推定し、補償を行っている。
特開2003−091841号公報(段落0039〜0062、図1) 特開2004−095123号公報(段落0043〜0072、図1) 特開2001−210032号公報(段落0065〜0073、図11、図12)
しかし、前記従来のフィードバック制御系とフィードフォワード制御系とからなるトラッキング制御装置は、ディスクの偏心等による周期的外乱を、フィードバック制御系とフィードフォワード制御系とで補償し、外部から突発的に加えられた突発外乱を、フィードバック制御系のみで補償する構成となっている。このため、フィードバック制御系のみで突発外乱を補償しようとすると、突発外乱の予測ができず、ディスクの回転が速くなるにつれて、ディスクのトラック位置への追従性能が低下してしまうという問題がある。
また、前記フィードバック制御系のみでトラッキング制御を行うトラッキング制御装置は、外乱オブザーバによって、外乱(周期的外乱及び突発外乱)をまとめて推定し補償している。このため、外乱から、周期的外乱の特徴を除去して突発外乱の成分のみを分離することができず、突発外乱が発生したときは、周期的外乱の補償に影響を与えてしまうため、ディスクのトラック位置への追従性能が低下してしまうという問題がある。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、突発外乱のみを推定し、補償を行う突発外乱推定装置及び突発外乱推定方法、並びに、突発外乱のみを推定し、補償を行うことで、ディスクのトラック位置への追従性能を損なわないトラッキング制御装置及びトラッキング制御方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記目的を達成するために創案されたものであり、まず、請求項1に記載のトラッキング制御装置は、ディスク上のトラック位置と、光ヘッドから出射される光ビームの光スポット位置との誤差を示すトラッキング誤差信号に基づいて、前記光スポット位置の補正を行うフィードバック制御系と、前記トラッキング誤差信号に基づいて、前記フィードバック制御系における補正の誤差を示す誤差補正量を推定するフィードフォワード制御系とにより、前記光スポット位置を制御するトラッキング制御装置において、前記フィードフォワード制御系が、補正トラッキング誤差信号生成手段と、記憶手段と、フィードフォワード制御手段と、トラッキング誤差補正信号生成手段とを備え、前記フィードバック制御系が、フィードバック制御手段と、突発外乱推定手段とを備える構成とした。
かかる構成によれば、トラッキング制御装置は、フィードフォワード制御系において、補正トラッキング誤差信号生成手段によって、トラッキング誤差信号と、ディスクの少なくとも1回転周期前のトラッキング誤差補正信号とを加算して補正トラッキング誤差信号を生成し、記憶手段に記憶する。そして、トラッキング制御装置は、フィードフォワード制御手段によって、補正トラッキング誤差信号の振幅及び位相の補償を行い、補正の誤差を推定した誤差補正量を生成する。なお、この補正トラッキング誤差信号の振幅及び位相は、フィードフォワード制御手段において、予め定めた伝達関数を実行することで、補償することができる。そして、トラッキング制御装置は、トラッキング誤差補正信号生成手段によって、予め定めた伝達関数により、補正トラッキング誤差信号生成手段で使用するトラッキング誤差補正信号を生成する。これによって、フィードフォワード制御系が形成されることになる。
さらに、トラッキング制御装置は、フィードバック制御系において、フィードバック制御手段によって、トラッキング誤差信号の振幅及び位相の補償を行い、光スポット位置を補正するための操作量を生成する。なお、このトラッキング誤差信号の振幅及び位相の補償は、フィードバック制御系において、予め定めた伝達関数を実行することで、補償することができる。そして、トラッキング制御装置は、突発外乱推定手段によって、トラッキング誤差信号と、補正トラッキング誤差信号とに基づいて、操作量に対する外部から入力される突発外乱量を推定し、操作量を補正した突発外乱操作量を生成する。なお、この突発外乱推定手段では、トラッキング誤差信号と、補正トラッキング誤差信号との差分をとることで、外乱から周期的外乱を除外し、突発外乱のみの推定を行う。
また、請求項2に記載のトラッキング制御装置は、請求項1に記載のトラッキング制御装置において、前記突発外乱推定手段が、位相調整手段と、外乱トラッキング誤差生成手段と、外乱推定手段と、外乱操作量生成手段とを備える構成とした。
かかる構成によれば、トラッキング制御装置は、位相調整手段によって、補正トラッキング誤差信号を遅延させることで、補正トラッキング誤差信号と、トラッキング誤差信号との位相を調整する。これによって、両信号を同位相とすることができる。そして、トラッキング制御装置は、外乱トラッキング誤差生成手段によって、位相調整手段で位相を調整され同位相となった補正トラッキング誤差信号とトラッキング誤差信号との差分をとることで、トラック位置の変化量(トラッキング誤差)を生成する。このトラック位置の変化量は、トラッキング誤差信号から、同位相の補正トラッキング誤差信号を減算するため、周期的外乱を除外した変化量、すなわち、突発外乱による変化量となる。
そこで、トラッキング制御装置は、外乱推定手段によって、トラック位置の変化量と、ディスクの少なくとも1サンプリングの前記突発外乱操作量とに基づいて、突発外乱のみを推定した突発外乱量を生成(推定)することが可能になる。なお、突発外乱操作量は、外乱操作量生成手段によって、突発外乱量と、フィードバック制御手段で生成された操作量とを加算することで生成される。
また、請求項3に記載のトラッキング制御装置は、請求項2に記載のトラッキング制御装置において、信号切換手段と、突発外乱検出手段と、をさらに備える構成とした。
かかる構成によれば、トラッキング制御装置は、信号切換手段によって、前記補正トラッキング誤差信号生成手段で生成された補正トラッキング誤差信号及び前記位相調整手段で位相を調整された補正トラッキング誤差信号のうち、いずれか一方を選択して記憶手段に出力する。これによって、トラッキング制御装置は、補正トラッキング誤差信号生成手段によって生成された補正トラッキング誤差信号を選択して記憶手段に出力するときには、突発外乱のない通常状態の動作を行う。そして、位相調整手段で位相を調整された補正トラッキング誤差信号を選択して記憶手段に出力するときには、位相調整手段で位相を調整された補正トラッキング誤差信号は、記憶手段に記憶された補正トラッキング誤差信号に基づいており、記憶手段に入力することにより、外部からの突発外乱の影響を除去することができる。
また、トラッキング制御装置は、突発外乱検出手段によって、突発外乱を検出すると共に、前記突発外乱を検出したときに、前記位相調整手段で位相を調整された補正トラッキング誤差信号を選択するように前記信号切換手段を切り換える。これによって、突発外乱を検出したときに、記憶手段に出力される信号には、突発外乱の影響のない補正トラッキング誤差信号が供給され、この記憶手段に記憶された補正トラッキング誤差信号に基づいて、位相調整手段で位相を調整された補正トラッキング誤差信号が外乱推定手段に出力される。この結果、突発外乱が発生したときにもトラッキング制御装置は、安定したトラッキング制御を行うことができる。
また、請求項4に記載のトラッキング制御装置は、請求項3に記載のトラッキング制御装置において、前記突発外乱検出手段が、加速度検出手段と、信号変換手段と、電圧レベル判定手段と、切換信号生成手段と、を備える構成とした。
かかる構成によれば、トラッキング制御装置は、加速度検出手段によって、突発外乱の加速度を検出し、信号変換手段によって、加速度検出手段で検出された加速度信号を電圧信号に変換する。そして、トラッキング制御装置は、電圧レベル判定手段によって、信号変換手段が変換した電圧信号と、予め定められたしきい値とを比較して、前記電圧信号がこのしきい値を跨いで変化したかどうかを判定する。この予め定められたしきい値を適宜定めることにより、突発外乱が発生したかどうかを判定することができる。このしきい値は、例えば、通常含む微小なランダム雑音よりも大きく、衝撃として観測し得る電圧レベルであり、突発外乱により制御系が不安定にならない電圧レベルである。
また、トラッキング制御装置は、切換信号生成手段によって、前記電圧信号が前記しきい値よりも大きい場合に、前記位相調整手段で位相を調整された補正トラッキング誤差信号を選択するための第1の切換信号を生成し、前記電圧信号が前記しきい値よりも小さい場合に、前記補正トラッキング誤差信号生成手段によって生成された補正トラッキング誤差信号を選択するための第2の切換信号を生成し、生成した第1又は第2の切換信号を前記信号切換手段に供給する。これによって、電圧信号がしきい値よりも大きいときに、すなわち、突発外乱が発生したときに、第1の切換信号が信号切換手段に供給され、信号切換手段は、位相調整手段で位相を調整された補正トラッキング誤差信号を記憶手段に出力するように動作する。一方、電圧信号がしきい値よりも小さいときに、すなわち、突発外乱が消滅したときに、第2の切換信号が信号切換手段に供給され、信号切換手段は、補正トラッキング誤差信号生成手段によって生成された補正トラッキング誤差信号を記憶手段に出力するように動作する。
また、請求項5に記載のトラッキング制御装置は、ディスク上のトラック位置と、光ヘッドから出射される光ビームの光スポット位置との誤差を示すトラッキング誤差信号に基づいて、前記光スポット位置の補正を行うことにより、前記光スポット位置を制御するトラッキング制御装置において、フィードバック制御手段と、突発外乱推定手段と、記憶手段とを備え、前記突発外乱推定手段が、位相調整手段と、外乱トラッキング誤差生成手段と、外乱推定手段と、外乱操作量生成手段とを有しており、当該トラッキング制御装置は、さらに、信号切換手段と、突発外乱検出手段と、を備える構成とした。
かかる構成によれば、トラッキング制御装置は、フィードバック制御手段によって、トラッキング誤差信号の振幅及び位相の補償を行い、光スポット位置を補正するための操作量を生成し、突発外乱推定手段によって、このトラッキング誤差信号に基づいて、前記操作量に対する外部から入力される突発外乱量を推定し、前記操作量を補正した突発外乱操作量を生成する。そして、トラッキング制御装置は、このトラッキング誤差信号を補正用トラッキング誤差信号として記憶手段に記憶する。そして、トラッキング制御装置は、位相調整手段によって、この記憶手段に記憶された補正用トラッキング誤差信号を遅延させることで、補正用トラッキング誤差信号と、トラッキング誤差信号との位相を調整する。これによって、両信号を同位相とすることができる。そして、トラッキング制御装置は、外乱トラッキング誤差生成手段によって、位相調整手段で位相を調整され同位相となった補正用トラッキング誤差信号と、トラッキング誤差信号との差分をとることで、トラック位置の変化量(トラッキング誤差)を生成する。このトラック位置の変化量は、補正用トラッキング誤差信号から、同位相のトラッキング誤差信号を減算するため、周期的外乱を除外した変化量、すなわち、突発外乱による変化量となる。
そこで、トラッキング制御装置は、外乱推定手段によって、トラック位置の変化量と、ディスクの少なくとも1サンプリングの前記突発外乱操作量とに基づいて、突発外乱のみを推定した突発外乱量を生成(推定)することが可能になる。なお、突発外乱操作量は、外乱操作量生成手段によって、突発外乱量と、フィードバック制御手段で生成された操作量とを加算することで生成される。
そして、トラッキング制御装置は、信号切換手段によって、前記補正トラッキング誤差信号生成手段によって生成された補正トラッキング誤差信号及び前記位相調整手段で位相を調整された補正トラッキング誤差信号のうち、いずれか一方を選択して記憶手段に出力する。これにより、トラッキング制御装置は、突発外乱のないときには、補正トラッキング誤差信号生成手段によって生成された補正トラッキング誤差信号を選択して記憶手段に出力し、通常状態の動作を行う。また、トラッキング制御装置は、突発外乱検出手段によって、突発外乱を検出すると共に、前記突発外乱を検出したときに、前記位相調整手段で位相を調整された補正トラッキング誤差信号を選択するように前記信号切換手段を切り換える。この結果、突発外乱が発生したときにもトラッキング制御装置は、安定したトラッキング制御を行うことができる。
さらに、請求項6に記載の突発外乱推定装置は、ディスク上のトラック位置と、光ヘッドから出射される光ビームの光スポット位置との誤差を示すトラッキング誤差信号に基づいて、前記光スポット位置を補正するための操作量を生成するフィードバック制御系と、前記トラッキング誤差信号に基づいて、前記フィードバック制御系における補正の誤差を示す誤差補正量を推定するフィードフォワード制御系とにより、前記光スポット位置を制御するトラッキング制御装置において、前記トラッキング誤差信号と、前記フィードフォワード制御系において前記トラッキング誤差信号を前記誤差補正量に基づいて補正した補正トラッキング誤差信号とに基づいて、前記操作量に対する外部から入力される突発外乱量を推定し、前記操作量を補正した突発外乱操作量を生成する突発外乱推定装置であって、位相調整手段と、外乱トラッキング誤差生成手段と、外乱推定手段と、外乱操作量生成手段とを備える構成とした。
かかる構成によれば、突発外乱推定装置は、位相調整手段によって、前記補正トラッキング誤差信号を遅延させることで、補正トラッキング誤差信号と、トラッキング誤差信号との位相を調整する。これによって、両信号を同位相とすることができる。そして、突発外乱推定装置は、外乱トラッキング誤差生成手段によって、位相調整手段で位相を調整され同位相となった補正トラッキング誤差信号とトラッキング誤差信号との差分をとることで、トラック位置の変化量を生成する。このトラック位置の変化量は、トラッキング誤差信号から、同位相の補正トラッキング誤差信号を減算するため、周期的外乱を除外した変化量、すなわち、突発外乱による変化量となる。
そこで、突発外乱推定装置は、外乱推定手段によって、トラック位置の変化量と、ディスクの少なくとも1サンプリングの前記突発外乱操作量とに基づいて、突発外乱のみを推定した突発外乱量を生成(推定)することが可能になる。なお、突発外乱操作量は、外乱操作量生成手段によって、突発外乱量と、フィードバック制御手段で生成された操作量とを加算することで生成される。
また、請求項7に記載のトラッキング制御方法は、ディスク上のトラック位置と、光ヘッドから出射される光ビームの光スポット位置との誤差を示すトラッキング誤差信号に基づいて、前記光スポット位置の補正を行うフィードバック制御系と、前記トラッキング誤差信号に基づいて、前記フィードバック制御系における補正の誤差を示す誤差補正量を推定するフィードフォワード制御系とにより、前記光スポット位置を制御するトラッキング制御方法において、前記フィードフォワード制御系が、補正トラッキング誤差信号生成ステップと、記憶ステップと、フィードフォワード制御ステップと、トラッキング誤差補正信号生成ステップとを含み、前記フィードバック制御系が、フィードバック制御ステップと、突発外乱推定ステップとを含んでいることを特徴とする。
この手順によれば、トラッキング制御方法は、フィードフォワード制御系において、補正トラッキング誤差信号生成ステップで、トラッキング誤差信号と、ディスクの少なくとも1回転周期前のトラッキング誤差補正信号とを加算して補正トラッキング誤差信号を生成し、記憶ステップで、その補正トラッキング誤差信号を記憶手段に記憶する。そして、トラッキング制御方法は、フィードフォワード制御ステップで、補正トラッキング誤差信号の振幅及び位相の補償を行い、補正の誤差を推定した誤差補正量を生成する。そして、トラッキング制御方法は、トラッキング誤差補正信号生成ステップで、予め定めた伝達関数により、補正トラッキング誤差信号生成ステップで使用するトラッキング誤差補正信号を生成する。これによって、フィードフォワード制御系が形成されることになる。
そして、トラッキング制御方法は、フィードバック制御系において、フィードバック制御ステップで、トラッキング誤差信号の振幅及び位相の補償を行い、光スポット位置を補正するための操作量を生成する。そして、トラッキング制御方法は、突発外乱推定ステップで、トラッキング誤差信号と、補正トラッキング誤差信号とに基づいて、操作量に対する外部から入力される突発外乱量を推定し、操作量を補正した突発外乱操作量を生成する。なお、この突発外乱推定ステップでは、トラッキング誤差信号と、補正トラッキング誤差信号との差分をとることで、外乱から周期的外乱を除外し、突発外乱のみの推定を行う。
さらに、請求項8に記載の突発外乱推定方法は、ディスク上のトラック位置と、光ヘッドから出射される光ビームの光スポット位置との誤差を示すトラッキング誤差信号に基づいて、前記光スポット位置を補正するための操作量を生成するフィードバック制御系と、前記トラッキング誤差信号に基づいて、前記フィードバック制御系における補正の誤差を示す誤差補正量を推定するフィードフォワード制御系とにより、前記光スポット位置を制御するトラッキング制御装置において、前記トラッキング誤差信号と、前記フィードフォワード制御系において前記トラッキング誤差信号を前記誤差補正量に基づいて補正した補正トラッキング誤差信号とに基づいて、前記操作量に対する外部から入力される突発外乱量を推定し、前記操作量を補正した突発外乱操作量を生成する突発外乱推定方法であって、位相調整ステップと、外乱トラッキング誤差生成ステップと、外乱推定ステップと、外乱操作量生成ステップとを含んでいることを特徴とする。
この手順によれば、突発外乱推定方法は、位相調整ステップで、前記補正トラッキング誤差信号を遅延させることで、補正トラッキング誤差信号と、トラッキング誤差信号との位相を調整する。これによって、両信号を同位相とすることができる。そして、突発外乱推定方法は、外乱トラッキング誤差生成ステップで、位相調整ステップで位相を調整され同位相となった補正トラッキング誤差信号とトラッキング誤差信号との差分をとることで、トラック位置の変化量を生成する。このトラック位置の変化量は、トラッキング誤差信号から、同位相の補正トラッキング誤差信号を減算するため、周期的外乱を除外した変化量、すなわち、突発外乱による変化量となる。
そこで、突発外乱推定方法は、外乱推定ステップで、トラック位置の変化量と、ディスクの少なくとも1サンプリングの前記突発外乱操作量とに基づいて、突発外乱のみを推定した突発外乱量を生成(推定)することが可能になる。さらに、突発外乱推定方法は、外乱操作量生成ステップによって、突発外乱量とフィードバック制御ステップで生成された操作量とを加算することで、突発外乱操作量を生成する。なお、この突発外乱操作量は、外乱推定ステップで使用される。
請求項1又は請求項7に記載の発明によれば、突発外乱のみを推定して補償する外乱オブザーバとなる機能をフィードバック制御手段に付加することによって、外乱を突発外乱と周期的外乱とに分離して、同時に補償することができる。これによって、記録中のトラックに隣接するトラックに、不要な情報や不正な情報を記録することを防止することができる。また、本発明によれば、突発外乱に対するロバスト性(頑健性)が向上するため、手ぶれや外部からの衝撃によって突発的な外乱(力外乱)が発生しやすい可搬型の光ディスク記録装置等においても、安定したディスクの記録再生が可能になる。
請求項2に記載の発明によれば、位相調整手段によって、同位相となった補正トラッキング誤差信号を、トラッキング誤差信号から減算することで、周期的外乱を除外した突発外乱のみによるトラック位置の変化量を求めることができる。これによって、突発外乱のみによる外乱の推定を行うことができ、フィードバック制御手段において、外乱を突発外乱と周期的外乱とに分離して、同時に補償することができ、トラック位置への追従性能を高めることができる。
請求項3に記載の発明によれば、通常は補正トラッキング誤差信号生成手段によって生成された信号を記憶手段に出力し、突発外乱を検出したときに、位相調整手段で位相を調整された信号を記憶手段に出力することができる。これによって、突発外乱が発生したときに記憶手段を含む回路が閉じて、記憶手段に記憶された補正トラッキング誤差信号に対して外部からの突発外乱の影響を除去することができるので、安定したトラッキング制御を行うことが可能になる。
請求項4に記載の発明によれば、検出した加速度から変換された電圧信号と予め定められたしきい値とに基づいて突発外乱が発生したかどうかを判定し、判定結果に応じて信号切換手段を制御する切換信号を生成し、信号切換手段に供給することができる。これによって、突発外乱が発生したときに、確実に突発外乱の影響を受けないように信号切換を行うことができる。
請求項5に記載の発明によれば、位相調整手段によって、同位相となった補正トラッキング誤差信号から、トラッキング誤差信号を減算することで、周期的外乱を除外した突発外乱のみによるトラック位置の変化量を求めることができる。また、本発明によれば、通常は補正トラッキング誤差信号生成手段によって生成された信号を記憶手段に出力し、突発外乱を検出したときに、位相調整手段で位相を調整された信号を記憶手段に出力することができる。これによって、突発外乱が発生したときに記憶手段を含む回路が閉じて、記憶手段に記憶された補正トラッキング誤差信号に対して外部からの突発外乱の影響を除去することができるので、安定したトラッキング制御を行うことが可能になる。
請求項6又は請求項8に記載の発明によれば、突発外乱と周期的外乱とを含んだトラッキング誤差信号から、突発外乱のみを抽出して、その推定を行うことができる。これによって、本発明を組み込んだトラッキング制御装置では、外乱を突発外乱と周期的外乱とに分離して、同時に補償することができ、トラック位置への追従性能を高めることができる。
[第1の実施形態]
以下では、まず、第1の実施形態のトラッキング制御装置において、トラッキング制御を行う際の制御系に入力される外乱から、ディスクの偏心等による周期的外乱の成分を分離して、外部から突発的に加えられた突発外乱のみを推定する手法について説明し、その手法によって抽出された突発外乱の成分に基づいて、突発外乱を推定する突発外乱推定装置を含んだトラッキング制御装置について順次説明していくこととする。
(突発外乱の推定について)
一般に、フィードバック制御系とフィードフォワード制御系を備えたトラッキング制御装置(例えば、図14)では、フィードバック制御系で生成されるトラッキング誤差信号に基づいて、トラック位置の変化量(トラッキング誤差)を推定している。ここで、フィードバック制御系に、あるサンプリング時点kにおいて、周期的外乱xref(k)のみが入力されるとすると、トラッキング誤差(補正トラッキング誤差信号)et feedback(k)は、周期的外乱によるトラッキング誤差xf(k)によって、以下の(1)式により算出される。
t feedback(k)=xref(k)−xf(k) …(1)式
この(1)式に示した周期的なトラッキング誤差(補正トラッキング誤差信号)は、ディスクの1周前のトラッキング制御に基づいた誤差となり、この誤差に基づいて制御を行うことで、より正確な周期的外乱の影響を求めることが可能になる。本発明は、この周期的外乱の影響に伴うトラッキング誤差を用いて突発外乱を推定する。
ここで、図2を参照して、トラッキング制御装置の制御系における制御対象である光スポット位置補正手段(ボイスコイルモータ)の入出力関係について説明する。図2は、一般的なトラッキング制御装置の制御系を模式的に示した模式図である。
図2に示すように、制御系4は、あるサンプリング時点kにおいて、周期的外乱xref(k)と、突発外乱Id(k)とに基づいて、光スポット位置補正手段(ボイスコイルモータ)41を制御するモデルである。ここで、光スポット位置補正手段(ボイスコイルモータ)41から出力される光スポット位置x(k)は、以下の(2)式に示すように、周期的外乱によるトラッキング誤差xf(k)と、突発外乱によるトラッキング誤差xd(k)とが加算されたものである。
x(k)=xf(k)+xd(k) …(2)式
また、周期的外乱の制御系42に入力されるトラッキング誤差信号et(k)は、以下の(3)式に示すように、周期的外乱xref(k)と、光スポット位置x(k)との差分で表すことができる。
t(k)=xref(k)−x(k)=xref(k)−xf(k)−xd(k)…(3)式
さらに、光スポット位置補正手段41に対する外乱を補償するための電流(補正操作量Icmd(k))は、以下の(4)式に示すように、突発外乱によるトラッキング誤差xd(k)に基づいて突発外乱の制御系43で補償された電流(突発外乱補償Ib(k))と、周期的外乱によるトラッキング誤差xf(k)に基づいて周期的外乱の制御系42で補償された電流(周期的外乱補償If(k))とが加算されたものである。
cmd(k)=Ib(k)+If(k) …(4)式
このように、制御系4では、外乱の影響によって、光スポット位置補正手段41に入力される外乱を補償するための電流(補正操作量Icmd(k))が変化し、光スポット位置が変化することになる。
ここで、光スポット位置補正手段41の伝達関数をP(z-1)とすると、突発外乱によるトラッキング誤差xd(k)は、以下の(5)式で表すことができ、周期的外乱によるトラッキング誤差xf(k)(=P(z -1 )I f (k))は、6)式の関係を満たす
d(k)=P(z-1)(Ib(k)−Id(k)) …(5)式
t (k)=xref(k)−P(z-1)If(k)−x d (k) …(6)式
なお、この(5)式及び(6)式は、それぞれ制御系4における、突発外乱のフィードバック制御系、及び周期的外乱のフィードバック制御系の入出力関係を示している。すなわち、制御系4は、図3に示すように、突発外乱のフィードバック制御系4A(図3(a))と、周期的外乱のフィードバック制御系4B(図3(b))とに分割して表すことができる。ここで、図3は、突発外乱のフィードバック制御系及び周期的外乱のフィードバック制御系を説明するための説明図である。
この図3(a)に示すように、突発外乱のフィードバック制御系4Aでは、光スポット位置補正手段41に入力される電流は、突発外乱及びその突発外乱を補償する電流(Id(k)及びIb(k))のみであり、出力は、突発外乱によるトラッキング誤差xd(k)である。
また、前記(1)式及び(3)式から、以下の(7)式が導出され、前記(4)式から、以下の(8)式が導出される。
t(k)−et feedback(k)
=xref(k)−xf(k)−xd(k)−xref(k)+xf(k)
=−xd(k) …(7)式
b(k)=Icmd(k)−If(k) …(8)式
この(7)式に示すように、トラッキング誤差et feedback(k)を用いることで、周期的外乱を排除することができる。また、(8)式に示すように、光スポット位置補正手段41に対する外乱を補償するための電流である補正操作量Icmd(k)から、周期的外乱補償If(k)を差し引くことで、突発外乱補償Ib(k)を算出することができる。すなわち、前記(7)式及び(8)式に基づいて、制御対象(プラント)である光スポット位置補正手段41から周期的外乱を除外した制御対象(拡大プラント)を擬似的に実現することができる。
この拡大プラントは、図4で表すことができる。この図4は、周期的外乱を除外した拡大プラントを実現する概念を示す概念図である。図4に示すように、周期的外乱と突発外乱とが入力される制御対象(プラント)を含んだプラントシステム(実際のプラントシステム)51に対して、前記(7)式及び(8)式を適用することで、周期的外乱を除外したプラントシステム52を抽出した拡大プラント53を構成することができる。
このように、図4に示した拡大プラント53は、周期的外乱を除外しているため、ノイズや、トラック位置の変化に対してロバストとなる(頑健となる)。そこで、この拡大プラント53に対して、外乱オブザーバ(外乱観測器)を構成することで、突発外乱を推定することが可能になる。
以下、拡大プラント53に対して、外乱オブザーバを構成すると以下のようになる。
すなわち、光スポット位置補正手段41が、状態変数xp(k)を用いた離散時間状態方程式として、以下の(9)式で表されるとき、拡大プラント53の状態方程式及び出力方程式は、以下の(10)式となる。なお、A、B、Cは、光スポット位置補正手段41の離散時間状態方程式を構成する係数行列である。
p(k+1)=Axp(k)+BIb(k)BId(k)
d(k)=Cxp(k) …(9)式
Figure 0004341917
この(10)式における入力である突発外乱補償Ib(k)と、出力である突発外乱によるトラッキング誤差xd(k)とを用いて、最小次元オブザーバを構成すると、以下の(11)式となる。なお、この最小次元オブザーバを構成するための一般的手法としては、ゴピナスの設計法が挙げられる。
Figure 0004341917
この(11)式で構成した外乱オブザーバを、前記(7)式及び(8)式に基づいて書き直すと、以下の(12)式を得る。
Figure 0004341917
本発明は、この(12)式に示した外乱オブザーバを用いることで、突発外乱の推定を可能にしている。以下、この外乱オブザーバで示される突発外乱推定装置と、突発外乱推定装置を含んだトラッキング制御装置について説明する。
(トラッキング制御装置の構成)
まず、図1を参照して、本発明に係るトラッキング制御装置の構成について説明する。
図1は、第1の実施形態に係るトラッキング制御装置の構成を示したブロック図である。
図1に示すように、トラッキング制御装置1は、光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスク等のディスク媒体の記録・再生装置において、光ヘッドから出射される光ビームの光スポット位置を、ディスク上の目的トラック位置に追従させるものである。
このトラッキング制御装置1は、フィードバック制御系2として、トラッキング誤差信号生成手段20と、A/D変換手段21と、フィードバック制御手段22と、補正操作量生成手段(加算手段)23と、D/A変換手段24と、光スポット位置補正手段25と、突発外乱推定手段(突発外乱推定装置)26とを備え、フィードフォワード制御系3として、補正トラッキング誤差信号生成手段(加算手段)30と、記憶制御手段31と、記憶手段32と、フィードフォワード制御手段33と、トラッキング誤差補正信号生成手段34とを備えている。
ここで、フィードバック制御系2は、ディスクの回転に伴う周期的なトラック位置と、光スポット位置との誤差(周期的外乱)や、外部から突発的に加えられる突発外乱を補正するように作用し、フィードフォワード制御系3は、ディスクの回転の周波数が高くなることで、フィードバック制御系2では取りきれない外乱による誤差を予測し補正するように作用するものである。なお、図1中の減算手段Dは、突発外乱がフィードバック制御系2に与える影響を擬似的に表現したものであって、実在する構成ではない。
まず、フィードバック制御系2の構成について説明する。
トラッキング誤差信号生成手段20は、現在のトラック位置(周期的外乱)と、光スポット位置補正手段25から出力される補正された光スポット位置との差分(誤差)を検出し、その差分量(誤差量)をトラッキング誤差信号として生成するものである。ここで生成されたトラッキング誤差信号は、A/D変換手段21に出力される。
A/D変換手段21は、トラッキング誤差信号生成手段20で生成されたアナログ信号であるトラッキング誤差信号をデジタル信号に変換するものである。例えば、A/D変換手段21は、ある時間間隔でサンプリングするサンプラである。このデジタル信号化されたトラッキング誤差信号et(k)は、フィードバック制御手段22と、突発外乱推定手段26と、フィードフォワード制御系3の補正トラッキング誤差信号生成手段30とに出力される。
フィードバック制御手段(C(z-1))22は、一般的なロバスト制御器であるが、古典的な位相進み、遅れによる制御器でもよく、位相の遅れを補正したり、共振周波数が大きくならないように作用する伝達関数C(s)として動作し、トラッキング誤差信号et(k)から光スポット位置を補正する操作量Ic(k)を生成するものである。ここでは、デジタル信号を扱うため伝達関数C(s)は、離散時間表現であるC(z-1)で表す。この操作量Ic(k)は、ディスクの回転に伴う周期的なトラック位置と、光スポット位置との誤差を補正するための操作量となる。この操作量は、突発外乱推定手段26の外乱操作量生成手段26dに出力される。
補正操作量生成手段23は、外乱操作量生成手段26dで生成された突発外乱操作量(突発外乱補償Ib(k))と、フィードフォワード制御系3のフィードフォワード制御手段33で推定されるディスクの偏心等の外乱による誤差を補正する誤差補正量(周期的外乱補償If(k))とを加算するものである。ここで生成された補正操作量Icmd(k)は、D/A変換手段24に出力される。
D/A変換手段24は、補正操作量生成手段23で生成されたデジタル信号である補正操作量Icmd(k)を、アナログ信号に変換するものである。例えば、D/A変換手段24は、入力信号をサンプリング周期時間の間で区分的に線形にすることでアナログ信号を生成するゼロ次ホールド(ZOH:Zero Order Hold)である。このアナログ信号化された補正操作量は、光スポット位置補正手段25に出力される。
光スポット位置補正手段(P(s))25は、D/A変換手段24でアナログ信号に変換された補正操作量に基づいて、光スポット位置を補正するものである。ここで、光スポット位置補正手段(P(s))25は、トラッキングアクチュエータの電流駆動のボイスコイルモータであり、伝達関数P(s)として動作するものとする。ここで生成された光スポット位置が、トラッキング誤差信号生成手段20に入力されることで、フィードバック制御系2が形成される。
突発外乱推定手段(突発外乱推定装置)26は、トラッキング誤差信号et(k)と、フィードフォワード制御系3の補正トラッキング誤差信号生成手段30で生成された補正トラッキング誤差信号et feedback(k+2)と、フィードバック制御手段22で生成された操作量Ic(k)とに基づいて、突発外乱を推定した突発外乱操作量を生成するものである。ここでは、突発外乱推定手段26は、位相調整手段26aと、外乱トラッキング誤差生成手段26bと、外乱推定手段26cと、外乱操作量生成手段26dとを備えている。
位相調整手段26aは、トラッキング誤差信号と補正トラッキング誤差信号との位相を合わせるものである。ここでは、位相調整手段26aは、記憶制御手段31から出力される2サンプリング進んだ補正トラッキング誤差信号et feedback(k+2)を、図示していない遅延手段によって、2サンプリング遅延させることで、トラッキング誤差信号et(k)との位相を合わせる。ここで遅延された補正トラッキング誤差信号et feedback(k)は、外乱トラッキング誤差生成手段26bに出力される。
外乱トラッキング誤差生成手段(減算手段)26bは、トラッキング誤差信号et(k)と、補正トラッキング誤差信号et feedback(k)との差分をとることで、突発外乱によるトラック位置の変化量であるトラッキング誤差xd(k)を生成するものである。ここで生成されたトラッキング誤差xd(k)は、前記(7)式の突発外乱によるトラッキング誤差xd(k)に相当する。ここで算出された突発外乱によるトラッキング誤差xd(k)は、外乱推定手段26cに出力される。
外乱推定手段26cは、外乱トラッキング誤差生成手段26bで生成されたトラッキング誤差xd(k)と、突発外乱の補償を行った突発外乱操作量Ib(k)とに基づいて、現時点における、光スポット位置を補正する操作量に対する補正量(突発外乱量Id´(k))を推定するものである。すなわち、この外乱推定手段26cは、前記(12)式の演算を逐次行うことで突発外乱量Id´(k)を推定する。ここで推定された突発外乱量Id´(k)は、外乱操作量生成手段26dに出力される。
外乱操作量生成手段26dは、フィードバック制御手段22で生成される操作量Ic(k)と、外乱推定手段26cで推定される突発外乱量Id´(k)とを加算することで、突発外乱を補償する突発外乱操作量(突発外乱補償:Ib(k))を生成するものである。ここで生成された突発外乱操作量は、外乱推定手段26c及び補正操作量生成手段23に出力される。
このように、突発外乱推定手段(突発外乱推定装置)26を構成することで、突発外乱のみを推定し、補償することができる。
次に、フィードフォワード制御系3の構成について説明する。
補正トラッキング誤差信号生成手段30は、A/D変換手段21でデジタル信号化されたトラッキング誤差信号と、後記するトラッキング誤差補正信号生成手段34で生成されるトラッキング誤差補正信号とを加算して、補正トラッキング誤差信号を生成するものである。ここで生成された補正トラッキング誤差信号は、記憶制御手段31を介して記憶手段32に記憶される。
記憶制御手段31は、補正トラッキング誤差信号生成手段30で生成される、光ディスクの少なくとも1回転周期に相当する時間の補正トラッキング誤差信号を記憶手段32に時系列に書き込むとともに、すでに記憶されている補正トラッキング誤差信号を記憶手段32から読み出して、フィードフォワード制御手段33及び突発外乱推定手段26に出力するものである。
記憶手段32は、一般的なメモリ等で構成され、補正トラッキング誤差信号生成手段30で生成される補正トラッキング誤差信号を記憶しておくものである。
フィードフォワード制御手段(Gff(z-1))33は、零位相誤差トラッキング(ZPET:Zero Phase Error Tracking)制御を適用した前置補償器であり、記憶制御手段31から出力される補正トラッキング誤差信号に基づいて、光スポット位置を補正する誤差補正量(周期的外乱補償If(k))を生成するものである。
なお、ここで生成された誤差補正量は、トラッキング誤差補正信号生成手段34と、フィードバック制御系2の補正操作量生成手段23に出力される。
ここで、図5を参照して、このフィードフォワード制御手段33の伝達関数Gff(z-1)について説明する。図5は、フィードバック制御系にフィードフォワード制御を適用した一般的な制御システムの構成を示した構成図である。この制御システム5は、フィードバックコントローラFBと、D/A変換器DACと、制御対象TAと、A/D変換器ADCと、減算器DEとを含んだ閉ループシステムCLと、フィードフォワードコントローラFFとで構成されている。
ここで、閉ループシステムCLへの入力をr(k)、出力をx(k)としたとき、r(k)からx(k)への伝達関数Gclosed(z-1)は以下の(13)式で表され、出力x(k)は以下の(14)式で表すことができる。また、フィードフォワードコントローラFFの入力をxref(k)としたとき、その出力r(k)は以下の(15)式で表すことができる。
Figure 0004341917
x(k)=Gclosed(z-1)r(k) …(14)式
r(k)=Gff(z-1)xref(k) …(15)式
この(14)式及び(15)式により、以下の(16)式が算出され、x(k)とxref(k)を一致させるには、以下の(16)式及び(17)式を満たせばよいことになる。つまり、伝達関数Gff(z-1)は以下の(18)式で表現することができる。
x(k)=Gclosed(z-1)Gff(z-1)xref(k) …(16)式
closed(z-1)Gff(z-1)=1 …(17)式
Figure 0004341917
なお、零位相誤差トラッキング(ZPET)法では、Bc(z-1)を以下の(19)式に示すように、不安定零点(B- c(z-1))及び安定零点(B+ c(z-1))に分解することで、伝達関数Gff(z-1)を以下の(20)式としている。
c(z-1)=B- c(z-1)B+ c(z-1) …(19)式
Figure 0004341917
図1に戻って説明を続ける。
フィードフォワード制御手段33は、前記(20)式の伝達関数Gff(z-1)を持つが、この伝達関数はzdを分子に含んでいる。すなわち、ある時間軸上のk時点における出力がk+d時点の入力に依存することとなる。そこで、このフィードフォワード制御手段33では、フィードバック制御手段22の伝達関数C(s)を以下の(21)式、光スポット位置補正手段25の伝達関数P(s)を以下の(22)式とすることで、予測サンプリング数を2とし、2サンプリング未来のトラッキング誤差信号である補正トラッキング誤差信号et feedback(k+2)を、記憶制御手段31から取得し、誤差補正量(If(k))の予測を行う。ここで、a0、a1、b0、c0〜c4、d0〜d4は定数である。
Figure 0004341917
Figure 0004341917
なお、この予測サンプリング数は、コントローラやモデルの次数、前置補償器の設計方法によっても変わり、例えば、ZPETを安定極ゼロ相殺法に変えた場合は1となる。
トラッキング誤差補正信号生成手段34は、トラッキング誤差信号を補正するためのトラッキング誤差補正信号を生成するものである。このトラッキング誤差補正信号生成手段34は、フィードフォワード制御手段33で生成された誤差補正量に、P(z-1)/(1+C(z-1)P(z-1))の演算を行うことでトラッキング誤差補正信号を生成するものである。ここで生成されたトラッキング誤差補正信号が、補正トラッキング誤差信号生成手段30に入力されることで、フィードフォワード制御系3が形成される。
このようにトラッキング制御装置1のフィードバック制御系2に、突発外乱のみを推定可能な突発外乱推定手段26を備えることで、外乱から突発外乱のみを分離し、補償を行うことが可能になる。
(トラッキング制御装置の動作)
次に、図6を参照(適宜図1参照)して、第1の実施形態に係るトラッキング制御装置の動作について説明する。図6は、トラッキング制御装置の動作を示すフローチャートである。
まず、トラッキング制御装置1は、フィードバック制御系2において、トラッキング誤差信号生成手段20によって、トラック位置と光スポット位置との差分を、トラッキング誤差信号として生成する(ステップS1)。ここで生成されたトラッキング誤差信号は、A/D変換手段21によってデジタル信号に変換され、フィードバック制御手段22と、突発外乱推定手段26と、フィードフォワード制御系3とに入力される。
そして、トラッキング制御装置1は、フィードフォワード制御系3において、補正トラッキング誤差信号生成手段30によって、トラッキング誤差信号と、トラッキング誤差補正信号生成手段34で生成されたトラッキング誤差補正信号とを加算し、補正トラッキング誤差信号を生成し(ステップS2:補正トラッキング誤差信号生成ステップ)、記憶制御手段31を介して記憶手段32に記憶する(ステップS3:記憶ステップ)。
そして、トラッキング制御装置1は、フィードフォワード制御手段33によって、光スポット位置を補正する誤差補正量を生成する(ステップS4:フィードフォワード制御ステップ)。ここで生成された誤差補正量は、トラッキング誤差補正信号生成手段34に出力されるとともに、フィードバック制御系2に出力される。
さらに、トラッキング制御装置1は、トラッキング誤差補正信号生成手段34によって、誤差補正量からトラッキング誤差信号を補正するためのトラッキング誤差補正信号を生成する(ステップS5:トラッキング誤差補正信号生成ステップ)。なお、ここで生成されたトラッキング誤差補正信号が、ステップS2で使用される。
以上説明したステップS2からステップS5までの動作が、フィードフォワード制御系3の動作に相当する。
一方、トラッキング制御装置1は、フィードバック制御系2において、ステップS1で生成され、A/D変換手段21によってデジタル信号に変換されたトラッキング誤差信号から、フィードバック制御手段22によって、光スポット位置を補正する操作量(Ic(k))を生成する(ステップS6:フィードバック制御ステップ)。
また、トラッキング制御装置1は、突発外乱推定手段26において、位相調整手段26aが、ステップS3で記憶手段32に記憶された補正トラッキング誤差信号を、記憶制御手段31を介して取得し(ステップS7)、位相の調整を行う(ステップS8:位相調整ステップ)。具体的には、位相調整手段26aは、図示していない遅延手段によって、補正トラッキング誤差信号を遅延させる。そして、トラッキング制御装置1は、外乱トラッキング誤差生成手段26bによって、トラッキング誤差信号から補正トラッキング誤差信号を減算することで、突発外乱によるトラッキング誤差xd(k)を生成する(ステップS9:外乱トラッキング誤差生成ステップ)。
そして、トラッキング制御装置1は、外乱推定手段26cによって、トラッキング誤差xd(k)と、突発外乱の補償を行った突発外乱操作量Ib(k)とに基づいて、突発外乱の量(突発外乱量Id´(k))を推定する(ステップS10:外乱推定ステップ)。
そして、トラッキング制御装置1は、外乱操作量生成手段26dによって、ステップS6で生成した操作量Ic(k)に、ステップS10で推定した突発外乱量Id´(k)を加算することで、突発外乱を補償する突発外乱操作量Ib(k)を生成する(ステップS11:外乱操作量生成ステップ)。
以上説明したステップS7からステップS11までの動作が、突発外乱推定手段26の動作(突発外乱推定ステップ)に相当する。
さらに、トラッキング制御装置1は、補正操作量生成手段23によって、ステップS4で生成した誤差補正量と、ステップS11で生成した突発外乱操作量とを加算して、補正操作量Icmd(k)を生成する(ステップS12)。
そして、トラッキング制御装置1は、D/A変換手段24によって、ステップS12で生成された補正操作量Icmd(k)をアナログ信号に変換した後に、光スポット位置補正手段25によって、アナログ信号化された補正操作量分だけ、光スポット位置を補正する(ステップS13)。
そして、トラッキング制御装置1は、ステップS1に戻って、ディスクが回転している間(トラック位置が入力される間)、トラッキング動作を継続する。
以上説明したステップS1と、ステップS6からステップS13までの動作が、フィードバック制御系2の動作に相当する。
以上の動作によって、トラッキング制御装置1は、外乱(周期的外乱及び突発外乱)から、突発外乱のみを分離することで、突発外乱のみを推定し補償することが可能になる。
(トラッキング制御装置の評価)
ここで、図7を参照して、第1の実施形態におけるトラッキング制御装置の評価結果について説明する。図7は、トラッキング制御装置の評価結果を示すグラフ図であって、(a)は、従来のトラッキング制御装置1C(図14)におけるトラッキング応答(トラッキング誤差信号)を示したグラフ図、(b)は、第1の実施形態に係るトラッキング制御装置1(図1)におけるトラッキング応答(トラッキング誤差信号)を示したグラフ図である。なお、(a)、(b)ともに、上段にはトラッキング応答の信号を、下段には突発外乱の入力信号をそれぞれ示している。また、上段では、横軸に時間[sec]、縦軸にトラッキング誤差信号et[m]を示し、下段では、横軸に時間[sec]、縦軸に突発外乱Idである電流値[A]を示している。
図7に示すように、従来では、0.38[sec]で−0.4[A]を超えるような大きな突発外乱に対して、約1.5×10-7[m]のトラッキング誤差信号を発生しているが、第1の実施形態におけるトラッキング制御装置1では、突発外乱が発生した場合であっても、トラッキング誤差信号が±0.03×10-7[m]以内に収まり、高精度にトラッキング動作を行うことが確認できた。このように、第1の実施形態におけるトラッキング制御装置1は、ディスクの高速回転時に、突発外乱が発生した場合であっても、精度よくトラッキング制御を行うことができる。
[第2の実施形態]
第1の実施形態のトラッキング制御装置1は、振動や衝撃などの突発外乱がない時刻において高速高精度な制御を行うことができる。また、たとえ突発外乱が起こったとしても、その直後においては、それまでに記憶手段32に記憶された補正トラッキング誤差信号et feedback(k)が突発外乱の影響のない信号である。したがって、外乱トラッキング誤差生成手段26bで生成する突発外乱によるトラッキング誤差xd(k)が外乱推定手段26cにおいて理想的な値である。その結果、安定なトラッキング制御を行うことができる。しかし、その後、突発外乱の成分を含むような補正トラッキング誤差信号et feedback(k)を記憶手段32に取り込む(突発外乱によるトラッキング誤差xd(k)にその影響が取り込まれる)可能性が考えられる。このような場合においても、外乱推定手段26cによる突発外乱抑圧の効果を発揮することのできるトラッキング制御装置を図8乃至図13を参照して第2の実施形態として説明する。
(トラッキング制御装置の構成)
図8を参照して、第2の実施形態に係るトラッキング制御装置の構成について説明する。図8は、第2の実施形態のトラッキング制御装置の構成を示したブロック図である。図8に示すように、トラッキング制御装置1Aは、信号切換手段SW1と突発外乱検出手段40とを備える点を除いて、図1に示すトラッキング制御装置1と同一の構成である。トラッキング制御装置1Aにおいて、第1の実施形態と同一の構成には同一の符号を付与し、説明を省略する。
信号切換手段SW1は、フィードフォワード制御系3aの補正トラッキング誤差信号生成手段30と記憶制御手段31の間に設けられている。信号切換手段SW1は、共通端子o、常時接続端子a及び常時開放端子bを備えており、接点として端子aと端子bとを選択的に切り換えて何れか一方を、記憶制御手段31の入力に接続された端子oに接続することにより、端子oから出力する信号(記憶制御手段31に入力する信号)を切り換えるものである。
端子aは補正トラッキング誤差信号生成手段30の出力に接続されており、端子bは突発外乱推定手段26の位相調整手段26aの出力に接続されている。通常、信号切換手段SW1が端子a側に切り換えられており、このときには、補正トラッキング誤差信号生成手段30の出力信号が記憶制御手段31に入力する。突発外乱が発生したときには、信号切換手段SW1が端子b側に切り換えられ、このときには、位相調整手段26aの出力信号が記憶制御手段31に入力する。
突発外乱検出手段40は、突発外乱を検出するものであり、突発外乱の有無に応じて信号切換手段SW1の動作を制御する切換信号を生成するものである。図9は、突発外乱検出手段の詳細を示す構成図である。図9に示すように、突発外乱検出手段40は、加速度検出手段41と、信号変換手段42と、電圧レベル判定手段43と、切換信号生成手段44とを備えている。
加速度検出手段41は、例えば加速度センサから構成され、加速度を検出するものであり、検出した加速度信号を信号変換手段42に出力する。一般に力学的外乱は、質量と加速度の積で表されるので、加速度検出手段41で検出された加速度が突発外乱に相当することとなる。
信号変換手段42は、加速度検出手段41が検出した加速度信号を電圧信号に変換するものであり、変換した電圧信号を電圧レベル判定手段43に出力する。
電圧レベル判定手段43は、信号変換手段42から入力される電圧信号と所定のしきい値とを比較して、突発外乱の有無を判定するものである。この所定のしきい値(絶対値)|VTH|は、通常含む微小なランダム雑音よりも大きく、衝撃として観測し得る電圧レベルであり、突発外乱により制御系が不安定にならない電圧レベルである。このしきい値|VTH|は、任意にレベルを調整することができるものとする。
電圧レベル判定手段43は、信号変換手段42から入力される電圧信号がしきい値|VTH|よりも大きいと判別したときに突発外乱が発生していると判定し、判定結果を切換信号生成手段44に出力する。
電圧レベル判定手段43は、信号変換手段42から入力される電圧信号がしきい値|VTH|よりも小さいと判別したときに突発外乱が発生していないと判定し、判定結果を切換信号生成手段44に出力する。
切換信号生成手段44は、電圧レベル判定手段43から入力される判定結果に応じて切換信号を生成し、生成した切換信号を信号切換手段SW1に供給するものである。
切換信号生成手段44は、電圧レベル判定手段43から突発外乱が発生しているとの判定結果を入力されたときに、信号切換手段SW1を端子b側に切り換えるように制御する切換信号Vsw+(第1の切換信号)を生成する。
また、切換信号生成手段44は、電圧レベル判定手段43から突発外乱が発生していないとの判定結果を入力されたときに、信号切換手段SW1を端子a側に切り換えるように制御する切換信号Vsw-(第2の切換信号)を生成する。
(トラッキング制御装置の動作)
次に、図10を参照(適宜図8及び図9参照)して、第2の実施形態に係るトラッキング制御装置の動作について説明する。図10は、突発外乱が発生したときのトラッキング制御装置の動作を示すフローチャートである。
トラッキング制御装置1Aは、通常、図6のフローチャートに示すように動作している。このとき、信号切換手段SW1は、a側に切り換えられている。ここで、振動や衝撃などの突発外乱が発生したとすると、トラッキング制御装置1Aは、図10のフローチャートに示すように動作する。
トラッキング制御装置1Aは、突発外乱検出手段40において、加速度検出手段41によって、突発外乱に相当する加速度信号を検出する(ステップS31)。
そして、トラッキング制御装置1Aは、加速度検出手段41によって検出された加速度信号を、信号変換手段42によって電圧信号Vaに変換する(ステップS32)。
トラッキング制御装置1Aは、電圧レベル判定手段43によって、検出電圧信号が、しきい値よりも大きいかどうかを判定する。具体的には、検出された電圧信号(加速度換算電圧)の振幅レベルの絶対値|Va|を検出し、この|Va|と、しきい値|VTH|とを比較し、|Va|が|VTH|よりも大きいかどうか判定する(ステップS33)。
トラッキング制御装置1Aは、|Va|が|VTH|よりも大きくないと判定した場合には、ステップS31に戻って、加速度信号を検出する。
トラッキング制御装置1Aは、|Va|が|VTH|よりも大きいと判定した場合には、切換信号生成手段44によって、切換信号Vsw+を生成する(ステップS34)。切換信号生成手段44によって生成された切換信号Vsw+は信号切換手段SW1に供給される。これにより、トラッキング制御装置1Aは、信号切換手段SW1の接点を端子a側から端子b側に切り換える(ステップS35)。そして、トラッキング制御装置1Aは、ステップS35にて端子b側に切り換えられた接点の状態を保持(ラッチ)する(ステップS36)。
続いて、トラッキング制御装置1Aは、電圧レベル判定手段43によって、加速度換算電圧の振幅レベルの絶対値|Va|と、しきい値|VTH|とを比較し、|Va|が|VTH|よりも小さいかどうか判定する(ステップS37)。
トラッキング制御装置1Aは、|Va|が|VTH|よりも小さくなるまで判定を続け、|Va|が|VTH|よりも小さいと判定した場合、すなわち突発外乱のない通常の状態に戻った場合、切換信号生成手段44によって、切換信号Vsw-を生成する(ステップS38)。切換信号生成手段44で生成された切換信号Vsw-は信号切換手段SW1に供給されるが、信号切換手段SW1の接点に影響を及ぼさない。このとき、トラッキング制御装置1Aは、信号切換手段SW1の接点を端子b側に保持しており、接点は切り換えられない。
トラッキング制御装置1Aは、記憶制御手段31によって、記憶手段32に記憶されたサンプル数がkNであるかどうかを判定する(ステップS39)。ここで、kは自然数、Nは位相調整手段26aにより遅延させたディスク1回転周期分のサンプル数を示す。
トラッキング制御装置1Aは、記憶手段32に記憶されたサンプル数がkNであると判定した場合に(ステップS39:Yes)、信号切換手段SW1の接点を端子b側から端子a側に切り換え(ステップS40)、ステップS31に戻る。
なお、トラッキング制御装置1Aは、突発外乱検出手段40によって、突発外乱(加速度信号又は電圧信号)を常時観測しており、突発外乱推定手段26によって、いかなる外乱の状況においても常に、突発外乱抑圧の効果を発揮することができる。
ここで、信号切換手段SW1の接点の切換タイミングを図11を参照して説明する。図11は、切換信号と信号切換手段のタイミングチャートである。
図11に示すように、(a)で示す突発外乱は、True(1)のときに発生し、False(0)のときに消滅する。
(b)で示す切換信号は、(a)で示す突発外乱がTrue(1)のときにVsw+となり、False(0)のときにVsw-となる。すなわち、(b)で示す切換信号は、突発外乱が発生したときに、Vsw-からVsw+に切り換わる。そして、切換信号生成手段44は、突発外乱が継続している間、切換信号Vsw+を信号切換手段SW1に出力し続ける。そして、切換信号生成手段44は、突発外乱が消滅したときに(検出されなくなったときに)、切換信号をVsw+からVsw-に切り換え、突発外乱が検出されるまで(通常の状態の間)切換信号Vsw-を出力し続ける。
図11に(c)で示す信号切換手段SW1の接点は、初期状態(time=0)では、端子a側に切り換えられており(常時接続)、突発外乱が発生したとき、すなわち、切換信号がVsw-からVsw+に変化したときに、端子b側に切り換えられて、その状態がラッチされる。一方、突発外乱が消滅したとき、すなわち、切換信号がVsw+からVsw-に変化したときには、信号切換手段SW1の接点は、現状を保持して、記憶手段32に記憶されたサンプル数がkNとなった時点で、端子b側から端子a側に切り換わる。
このため、信号切換手段SW1の接点が端子a側に切り換わった状態では、ディスク回転の区切りとなる。トラッキング制御装置1Aは、記憶手段32にディスク回転1回分のデータをあらかじめ保持しているので、突発外乱が発生しているときには、突発外乱が発生する1回転前のディスク回転時のデータが、位相調整手段26aから再度記憶制御手段31に送られることとなる。これにより、突発外乱が発生している際に、位相調整手段26aが出力する補正トラッキング誤差信号et feedback(k−N)として、突発外乱成分を含まない信号が繰り返し発生する。
したがって、位相調整手段26aからの補正トラッキング誤差信号et feedback(k−N)とトラッキング誤差信号et(k)との差分をとる外乱トラッキング誤差生成手段26bは、突発外乱の影響のないトラッキング誤差xd(k)を外乱推定手段26cに出力することができる。この結果、突発外乱が長時間にわたって継続した場合でも、突発外乱推定手段26による制御動作が安定に行われるようになり、外乱に強い安定なトラッキング制御が可能となる。
(トラッキング制御装置の評価)
ここで、図12を参照して、第2の実施形態のトラッキング制御装置1Aの評価結果について説明する。図12は、トラッキング制御装置の評価結果を示すグラフ図であって、(a)は、第1の実施形態のトラッキング制御装置1(図1)におけるトラッキング応答(トラッキング誤差信号)を示したグラフ図、(b)は、第2の実施形態のトラッキング制御装置1A(図8)におけるトラッキング応答(トラッキング誤差信号)を示したグラフ図である。(c)は、突発外乱の入力信号を示している。
なお、(a)、(b)ともに、横軸に時間[sec]、縦軸にトラッキング誤差信号et[m]を示し、(c)では、横軸に時間[sec]、縦軸に突発外乱Idである電流値[A]を示している。
第1の実施形態のトラッキング制御装置1では、図12の(c)に示すような、0.38[sec]で−1.2[A]を超えるような大きな突発外乱を与えたときに、図12の(a)に示すように約2.1×10-7[m]のトラッキング誤差信号を発生している。これに対して、突発外乱が同じ条件であるときには、第2の実施形態のトラッキング制御装置1Aでは、図12の(b)に示すように約1.8×10-7[m]のトラッキング誤差信号を発生している。
したがって、第2の実施形態のトラッキング制御装置1Aは、第1の実施形態のトラッキング制御装置1と比較して、外乱抑圧応答であるトラッキング誤差信号を約85%に低減する精度のよいトラッキング動作を行うことが確認できた。
第2の実施形態によれば、振動や衝撃などが突発的に発生した場合にもトラッキング制御を安定に行うことができる。
(第3の実施形態)
本発明は、第1及び第2の実施形態に限定されるものではなく、フィードフォワード制御系を備えていない場合や、フォーカス制御系を備えている場合にも同様の効果を発揮することができる。例えばフィードフォワード制御系を備えていない構成のトラッキング制御装置を図13を参照して第3の実施形態として説明する。図13は、第3の実施形態のトラッキング制御装置の構成を示したブロック図である。図示するように、このトラッキング制御装置1Bは、補正トラッキング誤差信号生成手段30と、フィードフォワード制御手段33と、トラッキング誤差補正信号生成手段34(以上いわゆるフィードフォワード制御系)を備えていない。ただし、記憶制御手段31及び記憶手段32は備えられている。また、フィードバック制御系2Bは、補正操作量生成手段23が備えられていない点を除いて、第2の実施形態のフィードバック制御系2と同一の構成であるため同じ構成については同じ符号を付して説明を省略する。この実施形態は、本発明の要部であるところの突発外乱推定手段26を含んでおり、これによって、フィードフォワード制御系を備えていなくても、それをカバーすることができる。
記憶手段32は、トラッキング誤差信号et(k)を補正用トラッキング誤差信号
t2 feedback(k)として記憶するものである。
このトラッキング制御装置1Bは、突発外乱検出手段40によって、突発外乱を常時観測しており、突発外乱に応じた信号切換手段SW1の接点切換を実行し、突発外乱推定手段26によって、突発外乱抑圧の効果を発揮する。すなわち、トラッキング制御装置1Bは、位相調整手段26aによって、記憶手段32に記憶される補正用トラッキング誤差信号を遅延させてトラッキング誤差信号との位相を合わせる。そして、外乱トラッキング誤差生成手段26bによって、位相が調整された補正用トラッキング誤差信号et2 feedback(k−N)(Nは位相調整手段26aにより遅延させたディスク1回転周期分のサンプル数を示す)から、トラッキング誤差信号et(k)を減算して差分をとることで、突発外乱によるトラッキング誤差xd2(k)を生成する。ここで生成された突発外乱によるトラッキング誤差xd2(k)は、外乱推定手段26cに出力される。これにより、外乱推定手段26cは、突発外乱抑圧の効果を発揮することができる。
なお、本発明に係るトラッキング制御装置は、光ディスク装置を含む装置、たとえば、光ディスクを搭載したカメラ一体型レコーダや、車載用光ディスク装置、携帯型光ディスク装置におけるトラッキング制御に用いることができる。
また、本発明に係るトラッキング制御装置は、光ディスク記録装置のトラッキング制御に用いられるだけではなく、光磁気ディスク装置、磁気ディスク装置等のディスク装置におけるトラッキング制御に広く用いることができる。
第1の実施形態に係るトラッキング制御装置の構成を示したブロック図である。 一般的なトラッキング制御装置の制御系を模式的に示した模式図である。 突発外乱のフィードバック制御系及び周期的外乱のフィードバック制御系を説明するための説明図であって、(a)は突発外乱のフィードバック制御系、(b)は周期的外乱のフィードバック制御系を示している。 周期的外乱を除外した拡大プラントを実現する概念を示す概念図である。 フィードバック制御系にフィードフォワード制御を適用した一般的な制御システムの構成を示した構成図である。 第1の実施形態に係るトラッキング制御装置の動作を示すフローチャートである。 トラッキング制御装置の評価結果を示すグラフ図であって、(a)は、従来のトラッキング制御装置におけるトラッキング応答(トラッキング誤差信号)、(b)は、本発明に係るトラッキング制御装置におけるトラッキング応答(トラッキング誤差信号)を示している。 第2の実施形態に係るトラッキング制御装置の構成を示したブロック図である。 突発外乱検出手段の詳細を示す構成図である 第2の実施形態に係るトラッキング制御装置の動作を示すフローチャートである。 切換信号と信号切換手段のタイミングチャートである。 トラッキング制御装置の評価結果を示すグラフ図であって、(a)は、第1の実施形態のトラッキング制御装置におけるトラッキング応答(トラッキング誤差信号)、(b)は、第2の実施形態のトラッキング制御装置におけるトラッキング応答(トラッキング誤差信号)、(c)は、突発外乱の入力信号を示している。 第3の実施形態のトラッキング制御装置の構成を示したブロック図である。 従来のトラッキング制御装置の構成を示したブロック図である。
符号の説明
1、1A、1B、1C トラッキング制御装置
2、2B、2C フィードバック制御系
20 トラッキング誤差信号生成手段
21 A/D変換手段
22 フィードバック制御手段
23 補正操作量生成手段
24 D/A変換手段
25 光スポット位置補正手段
26 突発外乱推定手段(突発外乱推定装置)
26a 位相調整手段
26b 外乱トラッキング誤差生成手段
26c 外乱推定手段
26d 外乱操作量生成手段
3、3A フィードフォワード制御系
30 補正トラッキング誤差信号生成手段
31 記憶制御手段
32 記憶手段
33 フィードフォワード制御手段
34 トラッキング誤差補正信号生成手段
40 突発外乱検出手段
SW1 信号切換手段

Claims (8)

  1. ディスク上のトラック位置と、光ヘッドから出射される光ビームの光スポット位置との誤差を示すトラッキング誤差信号に基づいて、前記光スポット位置の補正を行うフィードバック制御系と、前記トラッキング誤差信号に基づいて、前記フィードバック制御系における補正の誤差を示す誤差補正量を推定するフィードフォワード制御系とにより、前記光スポット位置を制御するトラッキング制御装置において、
    前記フィードフォワード制御系が、
    前記トラッキング誤差信号と当該トラッキング誤差信号を補正するためのトラッキング誤差補正信号とを加算して、補正トラッキング誤差信号を生成する補正トラッキング誤差信号生成手段と、
    この補正トラッキング誤差信号生成手段で生成された補正トラッキング誤差信号を記憶する記憶手段と、
    この記憶手段に記憶されている補正トラッキング誤差信号の振幅及び位相の補償を行い、前記誤差補正量を生成するフィードフォワード制御手段と、
    このフィードフォワード制御手段で生成された誤差補正量に基づいて、前記トラッキング誤差補正信号を生成するトラッキング誤差補正信号生成手段とを備え、
    前記フィードバック制御系が、
    前記トラッキング誤差信号の振幅及び位相の補償を行い、前記光スポット位置を補正するための操作量を生成するフィードバック制御手段と、
    前記トラッキング誤差信号と、前記補正トラッキング誤差信号とに基づいて、前記操作量に対する外部から入力される突発外乱量を推定し、前記操作量を補正した突発外乱操作量を生成する突発外乱推定手段と、
    を備えていることを特徴とするトラッキング制御装置。
  2. 前記突発外乱推定手段が、
    前記補正トラッキング誤差信号を遅延させることで、当該補正トラッキング誤差信号と、前記トラッキング誤差信号との位相を調整する位相調整手段と、
    この位相調整手段で位相を調整された補正トラッキング誤差信号と、前記トラッキング誤差信号との差分に基づいて、前記トラック位置の変化量を生成する外乱トラッキング誤差生成手段と、
    この外乱トラッキング誤差生成手段で生成されたトラック位置の変化量と、前記ディスクの少なくとも1サンプリング前の前記突発外乱操作量とに基づいて、前記突発外乱量を推定する外乱推定手段と、
    この外乱推定手段で推定された突発外乱量と、前記フィードバック制御手段で生成された操作量とに基づいて、突発外乱を補償する前記突発外乱操作量を生成する外乱操作量生成手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載のトラッキング制御装置。
  3. 前記補正トラッキング誤差信号生成手段で生成された補正トラッキング誤差信号及び前記位相調整手段で位相を調整された補正トラッキング誤差信号のうち、いずれか一方を選択して前記記憶手段に出力する信号切換手段と、
    突発外乱を検出すると共に、前記突発外乱を検出したときに、前記位相調整手段で位相を調整された補正トラッキング誤差信号を選択するように前記信号切換手段を切り換える突発外乱検出手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載のトラッキング制御装置。
  4. 前記突発外乱検出手段は、
    突発外乱の加速度を検出する加速度検出手段と、
    この加速度検出手段で検出された加速度信号を電圧信号に変換する信号変換手段と、
    この信号変換手段で変換された電圧信号と、予め定められたしきい値とを比較して、突発外乱の有無を判定する電圧レベル判定手段と、
    前記電圧信号が前記しきい値よりも大きい場合に、前記位相調整手段で位相を調整された補正トラッキング誤差信号を選択するための第1の切換信号を生成し、前記電圧信号が前記しきい値よりも小さい場合に、前記補正トラッキング誤差信号生成手段によって生成された補正トラッキング誤差信号を選択するための第2の切換信号を生成し、生成した第1又は第2の切換信号を前記信号切換手段に供給する切換信号生成手段と、
    を備えていることを特徴とする請求項3に記載のトラッキング制御装置。
  5. ディスク上のトラック位置と、光ヘッドから出射される光ビームの光スポット位置との誤差を示すトラッキング誤差信号に基づいて、前記光スポット位置の補正を行うことにより、前記光スポット位置を制御するトラッキング制御装置において、
    前記トラッキング誤差信号の振幅及び位相の補償を行い、前記光スポット位置を補正するための操作量を生成するフィードバック制御手段と、
    前記トラッキング誤差信号に基づいて、前記操作量に対する外部から入力される突発外乱量を推定し、前記操作量を補正した突発外乱操作量を生成する突発外乱推定手段と、
    前記トラッキング誤差信号を補正用トラッキング誤差信号として記憶する記憶手段と、を備え、
    前記突発外乱推定手段は、
    前記記憶手段に記憶された補正用トラッキング誤差信号を遅延させることで、当該補正用トラッキング誤差信号と、前記トラッキング誤差信号との位相を調整する位相調整手段と、
    この位相調整手段で位相を調整された補正用トラッキング誤差信号と、前記トラッキング誤差信号との差分に基づいて、前記トラック位置の変化量を生成する外乱トラッキング誤差生成手段と、
    この外乱トラッキング誤差生成手段で生成されたトラック位置の変化量と、前記ディスクの少なくとも1サンプリング前の前記突発外乱操作量とに基づいて、前記フィードバック制御手段が生成する操作量に対する外部から入力される突発外乱量を推定する外乱推定手段と、
    この外乱推定手段で推定された突発外乱量と、前記フィードバック制御手段で生成された操作量とに基づいて、突発外乱を補償する前記突発外乱操作量を生成する外乱操作量生成手段とを有しており、
    当該トラッキング制御装置は、さらに、
    前記トラッキング誤差信号及び前記位相調整手段で位相を調整された補正用トラッキング誤差信号のうち、いずれか一方を選択して前記記憶手段に出力する信号切換手段と、
    突発外乱を検出すると共に、前記突発外乱を検出したときに、前記位相調整手段で位相を調整された補正用トラッキング誤差信号を選択するように前記信号切換手段を切り換える突発外乱検出手段と、
    を備えていることを特徴とするトラッキング制御装置。
  6. ディスク上のトラック位置と、光ヘッドから出射される光ビームの光スポット位置との誤差を示すトラッキング誤差信号に基づいて、前記光スポット位置を補正するための操作量を生成するフィードバック制御系と、前記トラッキング誤差信号に基づいて、前記フィードバック制御系における補正の誤差を示す誤差補正量を推定するフィードフォワード制御系とにより、前記光スポット位置を制御するトラッキング制御装置において、前記トラッキング誤差信号と、前記フィードフォワード制御系において前記トラッキング誤差信号を前記誤差補正量に基づいて補正した補正トラッキング誤差信号とに基づいて、前記操作量に対する外部から入力される突発外乱量を推定し、前記操作量を補正した突発外乱操作量を生成する突発外乱推定装置であって、
    前記補正トラッキング誤差信号を遅延させることで、当該補正トラッキング誤差信号と、前記トラッキング誤差信号との位相を調整する位相調整手段と、
    この位相調整手段で位相を調整された補正トラッキング誤差信号と、前記トラッキング誤差信号との差分に基づいて、前記トラック位置の変化量を生成する外乱トラッキング誤差生成手段と、
    この外乱トラッキング誤差生成手段で生成されたトラック位置の変化量と、前記ディスクの少なくとも1サンプリング前の前記突発外乱操作量とに基づいて、前記突発外乱量を推定する外乱推定手段と、
    この外乱推定手段で推定された突発外乱量と、前記フィードバック制御手段で生成された操作量とに基づいて、突発外乱を補償する前記突発外乱操作量を生成する外乱操作量生成手段と、
    を備えていることを特徴とする突発外乱推定装置。
  7. ディスク上のトラック位置と、光ヘッドから出射される光ビームの光スポット位置との誤差を示すトラッキング誤差信号に基づいて、前記光スポット位置の補正を行うフィードバック制御系と、前記トラッキング誤差信号に基づいて、前記フィードバック制御系における補正の誤差を示す誤差補正量を推定するフィードフォワード制御系とにより、前記光スポット位置を制御するトラッキング制御方法において、
    前記フィードフォワード制御系が、
    前記トラッキング誤差信号と当該トラッキング誤差信号を補正するためのトラッキング誤差補正信号とを加算して、補正トラッキング誤差信号を生成する補正トラッキング誤差信号生成ステップと、
    この補正トラッキング誤差信号生成ステップで生成された補正トラッキング誤差信号を記憶手段に記憶する記憶ステップと、
    前記記憶手段に記憶されている補正トラッキング誤差信号の振幅及び位相の補償を行い、前記誤差補正量を生成するフィードフォワード制御ステップと、
    このフィードフォワード制御ステップで生成された誤差補正量に基づいて、前記トラッキング誤差補正信号を生成するトラッキング誤差補正信号生成ステップとを含み、
    前記フィードバック制御系が、
    前記トラッキング誤差信号の振幅及び位相の補償を行い、前記光スポット位置を補正するための操作量を生成するフィードバック制御ステップと、
    前記トラッキング誤差信号と、前記補正トラッキング誤差信号とに基づいて、前記操作量に対する外部から入力される突発外乱量を推定し、前記操作量を補正した突発外乱操作量を生成する突発外乱推定ステップと、
    を含んでいることを特徴とするトラッキング制御方法。
  8. ディスク上のトラック位置と、光ヘッドから出射される光ビームの光スポット位置との誤差を示すトラッキング誤差信号に基づいて、前記光スポット位置を補正するための操作量を生成するフィードバック制御系と、前記トラッキング誤差信号に基づいて、前記フィードバック制御系における補正の誤差を示す誤差補正量を推定するフィードフォワード制御系とにより、前記光スポット位置を制御するトラッキング制御装置において、前記トラッキング誤差信号と、前記フィードフォワード制御系において前記トラッキング誤差信号を前記誤差補正量に基づいて補正した補正トラッキング誤差信号とに基づいて、前記操作量に対する外部から入力される突発外乱量を推定し、前記操作量を補正した突発外乱操作量を生成する突発外乱推定方法であって、
    前記補正トラッキング誤差信号を遅延させることで、当該補正トラッキング誤差信号と、前記トラッキング誤差信号との位相を調整する位相調整ステップと、
    この位相調整ステップで位相を調整された補正トラッキング誤差信号と、前記トラッキング誤差信号との差分に基づいて、前記トラック位置の変化量を生成する外乱トラッキング誤差生成ステップと、
    この外乱トラッキング誤差生成ステップで生成されたトラック位置の変化量と、前記ディスクの少なくとも1サンプリング前の前記突発外乱操作量とに基づいて、前記突発外乱量を推定する外乱推定ステップと、
    この外乱推定ステップで推定された突発外乱量と、前記フィードバック制御ステップで生成された操作量とに基づいて、突発外乱を補償する前記突発外乱操作量を生成する外乱操作量生成ステップと、
    を含んでいることを特徴とする突発外乱推定方法。
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