JP4341466B2 - 同期通信システム - Google Patents
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Description
・前記有意データを送信しない委譲可能な送信タイミングを有するノードの前記送信タイミング委譲通知手段は、それら複数の依頼元ノードの各々に対して前記算出した送信周期間隔と前記オフセットとを併せて通知する構成。
あるいは請求項4に記載の発明によるように、
・前記有意データを送信しない委譲可能な送信タイミングを有するノードの前記送信タイミング委譲通知手段は、それら複数の依頼元ノードのうちの特定のノードに対してのみ、前記算出した送信周期間隔と前記オフセットとを併せて通知する構成。
等々、委譲態様を自由にコントロールすることが可能となる。
図1は、この実施の形態にかかる同期通信システムの一例を示す概略構成図である。
・エンジン制御。
・変速制御。
・ブレーキ制御。
・ABS(アンチブレーキシステム)制御。
・パワーアシストステアリング制御。
等々の各種制御が、上述したノード間でのデータの送受信を通じて多重的に実行されるようになる。
このうち、通信制御回路は、上記通信バス1と当該ノードとの間のデータ通信に際してそれらデータの送受信を制御する回路である。具体的には、
(a1)自ノードに委譲可能な送信タイミングがあるときに委譲可能送信タイミング通知手段を通じて「委譲可能送信タイミング通知」を行う。
(a2)自ノードに割り当てられた送信タイミングに意味を持つデータである有意データを送信できないノードは、上記「委譲可能送信タイミング通知」を送信したノードに対し、送信タイミング委譲依頼手段を通じて「送信タイミング委譲依頼」を送信する。
(a3)そして、「送信タイミング委譲依頼」を受けたノードは、その送信元のノードに対し、送信タイミング委譲通知手段を通じて「送信タイミング委譲通知」を送信する。
(a4)上記「委譲可能送信タイミング通知」の返信に際してはその委譲可能な送信タイミング間隔の算出を行う。また、上記「送信タイミング委譲依頼」の送信に際してはその委譲を依頼すべき送信タイミング間隔の算出を行う。そして、上記「送信タイミング委譲通知」の送信に際しては、該「送信タイミング委譲通知」を送信したタイミングを含む送信周期から委譲した最初の送信タイミングを含む送信周期までの周期差であるオフセットの算出を行う。
などの処理を行う。
(b1)上記通信制御回路を通じてデータが受信された場合、該受信されたデータをデコードし、そのデコード内容に応じて、当該ノードに割り当てられている各種アクチュエータを駆動する。
(b2)当該ノードにセンサ類によるセンシングがあった場合、そのセンシング情報をコード化し、これを上記通信制御回路を通じて通信バス1に送信する。
(b3)上記受信されたデータのデコードの結果、これが所定コードの返信を要求するものであった場合、その内蔵するメモリに予め登録されている当該返信コードを上記通信制御回路を通じて通信バス1に送信する。
などの処理を行う部分である。
なお、この実施形態にかかる同期通信システムはタイムスロット(時間間隔)通信方式を採用しており、各々データの送信タイミングが規定されている複数のノードがネットワーク上で互いに同期してデータの送受信を行うことにより、送信したいデータが一定時間(送信タイミング)内に送れるようにしている。
・ノードAはデータA1とデータA2とを送信。
・ノードBはデータB2を送信。
・ノードCはデータを送信しない。
・ノードDはデータD4を送信する。
とした場合の上記データストリームの構成を示している。そして、その送信周期は、同図2に併せて示されるように、固定長データ部の送信タイミング、可変長データ部の送信タイミング、及びアイドル部のタイミングを1周期としており、特にここでの例では、固定長データ部の送信タイミングは、データA1、データB2、データA3、及びデータD4の各送信タイミングで構成されている。
はじめに図3を参照して、ここで行うデータ送信権の委譲処理の概念について説明する。ちなみに、この実施の形態にかかる同期通信システムでは、同期を維持する目的で無意味なデータ(固定長データ)を送信しているノードから他ノードにこの無意味なデータの代わりに有意データを送信する権利を譲渡する手順を設けることにより、データの遅延、あるいはデータの破棄等を避けるようにしている。
ここでまず、この例でのデータ送信権の委譲処理の前提となる送信権委譲前のデータ送信形態について、図4の参照のもとに、以下に列記する。
・ノードAは、データA1、データA3の固定長データ部の送信タイミングを全て使用し、さらに可変長データ部の送信タイミングを用いてデータA1’を送信周期の4倍毎に送信している。
・ノードBは、データB2の固定長データ部の送信タイミングにて送信周期の2倍毎に有意データを送信し、残りの送信周期に関しては無意味なデータを送信している。
・ノードCは、可変長データ部の送信タイミングを用いてデータC2’を送信周期の4倍毎に送信している。
・ノードDは、データD4の固定長データ部の送信タイミングを全て使用し、さらに可変長データ部の送信タイミングを使用して、データD3’を不定期で送信している。
(イ)ノードBは、「委譲可能送信タイミング通知」を通じて、送信周期の2倍の割合にて「データB2」分の固定長データに相当する送信タイミングを委譲可能である旨を、他ノードであるノードA、ノードC、及びノードDに対して通知する。
(ロ)ノードA、及びノードCは、「送信タイミング委譲依頼」をノードBに送信することにより、それぞれ送信周期の4倍の割合にてデータB2分の固定長データに相当する送信タイミングの委譲を依頼する。
(ハ)これを受けたノードBは、「送信タイミング委譲通知」として、上記ノードA、及びノードCに対し、委譲する送信タイミング(4倍周期間隔)とともに、それぞれその上述したオフセット、すなわちノードAに対しては「次の送信周期から」、またノードCに対しては「3周期後から」といった情報を通知する。
図4は上述のように、図3に示した送信権委譲処理前のデータストリームを表している。
なお、この図5に示すデータストリームは、上記アイドル部において委譲設定が行われた後、該委譲設定を基に実際の送信権の委譲が全て行われた状態を示している。またここでは、固定長データ部の送信タイミングで、初めに上記データA1’が送信される送信周期間隔を1周期目、また上記データC2’が送信される送信周期間隔を3周期目と規定している。
はじめに、この図6を参照して、この実施の形態にかかるデータ送信権の委譲設定にかかる処理(委譲処理)の概要を説明する。
まず、ステップS100での処理、すなわち「送信タイミング委譲依頼」受信処理について、図7を参照して詳細に説明する。
図8に示されるように、この「委譲可能送信タイミング通知」送信処理は、自ノードに委譲可能な送信タイミングが有るか否かを判断することから開始される(ステップS201)。そして、自ノードにこの委譲可能な送信タイミングが無いと判断される場合には、当該「委譲可能送信タイミング通知」送信処理を抜けて、次のステップS300の処理である「送信タイミング委譲(拒否)通知」受信処理に移行する。
図9に示されるように、この「送信タイミング委譲(拒否)通知」受信処理は、受信バッファ内に「送信タイミング委譲通知」、あるいは「送信タイミング委譲拒否通知」が有るか否かを検索することから開始される(ステップS301)。すなわちここでは、まずステップS302にて「送信タイミング委譲通知」が有るか否かが判断される。そして受信バッファ内に「送信タイミング委譲通知」が有ると判断される場合には、委譲された送信タイミング間隔を使用してデータを送信する設定を行い(ステップS303)、委譲依頼中の状態を解除する(ステップS304)。このように、ステップS303では、委譲された送信タイミングを利用することを前提としたデータ送信タイミングの設定が行われる。そして、この場合には、「送信タイミング委譲通知」と共に送られる上記オフセット以降に、該設定に基づく実際のデータの送信が行われることとなる。そして、その後は、上記ステップS400の処理である「委譲可能送信タイミング通知」受信処理に移行する。
図10に示されるように、この「委譲可能送信タイミング通知」受信処理は、受信バッファ内の「委譲可能送信タイミング通知」を検索することから開始される(ステップS401)。そして、ステップS402において上記「委譲可能送信タイミング通知」が有るか否かが判断される(ステップS402)。ここで、この「委譲可能送信タイミング通知」が無いと判断される場合には、当該「委譲可能送信タイミング通知」受信処理を抜ける。
(1)有意データを送信しない委譲可能な送信タイミングが有るノードでは、その旨を上記「委譲可能送信タイミング通知」を通じて他ノードに通知するようにした(ステップS200)。この委譲可能送信タイミング通知を受けた他ノードでは、委譲可能な送信タイミングが有ることを知った上で、自ノードに送信を所望する有意データが有れば、上記「送信タイミング委譲依頼」を通じてその送信元ノードに送信タイミングの委譲を依頼することとなる(ステップS400)。すなわち、自ノードの送信タイミングにて送信する有意データがないことが予め分かっている場合には、有意データが有る他ノードにデータ送信の権利を譲渡する(「送信タイミング委譲通知」)ことができるようになる(ステップS100)。そして、権利が譲渡された他ノードでは、規定されたデータ送信タイミングを上回る有意データが存在する場合であっても、これを送信することができるようになる。その結果、システム全体として、送信データの遅延が効率的に短縮されることとなり、ひいてはより迅速なデータ通信が実現されるようになる。
・上記実施の形態では、委譲する送信タイミングを送信周期間隔と、送信タイミング委譲通知とからのオフセットにて指定するに際して、委譲先のノードとして、ノードAとノードCを選択したが、委譲先のノードとしては、委譲可能な任意のノードを選択的に指定してもよい。すなわち、送信権の委譲処理としては、先の図3に対応するシーケンスチャートとして例えば図11に示すように、ノードBの無意味なデータの送信タイミングを全てノードAに委譲し、ノードCには委譲しない設定とすることもできる。特にこの図11に示す例では、1つのノード(ノードA)のみに送信権を委譲していることから、この1つのノード(ノードA)に対し、次周期から「2倍間隔」で送信タイミングの委譲を行うことができる。この場合の送信権委譲後のデータストリームを図12に示す。すなわちこの場合には、各周期毎に、データB2の送信タイミングにてノードAの「データA1’」、ノードBの「データB2」、ノードAの「無意味なデータ」、ノードBの「データB2」の順番でデータが送信されるようになる。このように、1つのノードのみに送信権を委譲することでも、委譲前と比べて無意味なデータの送信タイミングを抑え、例えばノードDが送信する不定期データD3’の遅延や破棄等を抑制することができるようになる。そしてこの場合には、図10に示した「委譲可能送信タイミング通知」受信処理のうちのステップS405の処理、すなわち委譲送信タイミング間隔の算出処理を省略することもできる。
・また、多数のノードによって当該同期通信システムが構成される場合、上述した送信タイミングの委譲先として、有意データの送信間隔の短いノードに対してその委譲依頼を優先的に割り当てることが有効である。これにより、ネットワーク全体として、より無駄のない送信タイミングの委譲を実現することができるようになる。
Claims (7)
- 各々データの送信タイミングが規定されている複数のノードがネットワーク上で互いに同期してデータの送受信を行う同期通信システムにおいて、
前記各ノードは、無意味なデータを送信するタイミングである委譲可能な送信タイミングが有ることを他ノードに通知する委譲可能送信タイミング通知手段と、この委譲可能送信タイミング通知を受けることによりその送信元ノードに送信タイミングの委譲を依頼する送信タイミング委譲依頼手段と、この送信タイミング委譲依頼を受けることによりその依頼元ノードに送信タイミング委譲の可否を通知する送信タイミング委譲通知手段とを備えるとともに、
前記送受信されるデータは、各ノードの送信タイミングが割り振られた固定長のデータ列からなる固定長データ部と可変長のデータ列からなる可変長データ部と何らのデータも送信されないアイドル部とを1周期として構成され、前記各ノードによる委譲可能な送信タイミングが有ることの他ノードへの通知、該通知に基づく送信元ノードへの送信タイミング委譲依頼、及び該委譲依頼に基づく依頼元ノードへの送信タイミング委譲の可否通知が、前記可変長データ部の送信タイミングを利用して行われることを特徴とする同期通信システム。 - 前記有意データを送信しない委譲可能な送信タイミングを有するノードの前記送信タイミング委譲通知手段は、自ノードの前記有意データを送信しない送信タイミング間隔と前記委譲を依頼された送信タイミング間隔とを比較して委譲可能な送信タイミング間隔を送信周期間隔として算出するとともに、前記依頼元ノードに送信タイミングの委譲が可能である旨を通知するに際し、この算出した送信周期間隔と、前記送信タイミング委譲通知を送信したタイミングを含む送信周期から委譲した最初の送信タイミングを含む送信周期までの周期差であるオフセットとを併せて通知する請求項1に記載の同期通信システム。
- 前記送信タイミングの委譲を依頼した依頼元ノードが複数存在するとき、前記有意データを送信しない委譲可能な送信タイミングを有するノードの前記送信タイミング委譲通知手段は、それら複数の依頼元ノードの各々に対して前記算出した送信周期間隔と前記オフセットとを併せて通知する請求項2に記載の同期通信システム。
- 前記送信タイミングの委譲を依頼した依頼元ノードが複数存在するとき、前記有意データを送信しない委譲可能な送信タイミングを有するノードの前記送信タイミング委譲通知手段は、それら複数の依頼元ノードのうちの特定のノードに対してのみ、前記算出した送信周期間隔と前記オフセットとを併せて通知する請求項2に記載の同期通信システム。
- 前記有意データを送信しない委譲可能な送信タイミングを有するノードの前記送信タイミング委譲通知手段は、前記アイドル部のタイミングにて前記委譲可能送信タイミング通知に基づく他ノードの送信タイミング委譲依頼を受信処理し、該委譲依頼のあったノードのうち、同依頼と共に通知された有意データの送信間隔の短いノードに対して優先的に送信タイミングの委譲通知を行う請求項1に記載の同期通信システム。
- 前記有意データを送信しない委譲可能な送信タイミングを有するノードの前記送信タイミング委譲通知手段は、前記アイドル部のタイミングにて前記委譲可能送信タイミング通知に基づく他ノードの送信タイミング委譲依頼を受信処理し、該委譲依頼のあったノードのうち、自ノードと通信距離の近いノードに対して優先的に送信タイミングの委譲通知を行う請求項1に記載の同期通信システム。
- 前記固定長データ部には当初、前記有意データを送信しない委譲可能な送信タイミングを有するノードの送信タイミングのみが割り振られており、当該ノードの前記送信タイミング委譲通知手段は、初期化が終了して前記送信タイミング委譲通知に基づく送信元ノードへの送信タイミング委譲依頼を送信したノードから順に送信タイミングの委譲通知を行う請求項1に記載の同期通信システム。
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