JP4340764B2 - 内面被覆プラスチック容器の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内面側にアモルファス炭素を含む被膜を備える内面被覆プラスチック容器の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、飲料、食品、エアゾール、化粧品、医薬品等の流動性物質の容器として、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の各種プラスチックからなる容器が用いられている。前記プラスチック容器は、金属容器やガラス容器に比較して軽量であるが、ガスバリヤ性に劣るという問題がある。
【0003】
近年、前記ガスバリヤ性を改善するために、前記プラスチック容器の内面側に、プラズマCVD法によりアモルファス炭素を含む被膜を設けることが提案され、実用化されている。前記プラズマCVD法は、例えば、中空の処理室に前記プラスチック容器を配置し、該処理室及びプラスチック容器内部を排気して真空に保持した状態で、該プラスチック容器の口部から内部にアセチレン等の出発原料をガス状として導入し、高周波またはマイクロ波電圧を印加して該プラスチック容器内にプラズマを発生させることにより、該プラスチック容器内面側に前記被膜を形成するものである。
【0004】
内面側に前記被膜を形成したプラスチック容器は、該被膜の膜厚を厚くすることにより、優れたガスバリヤ性を示すことができる。しかし、前記被膜の膜厚を厚くすると、前記プラスチック容器に対する該被膜の密着性が低下し加工変形に追随できなくなるので、十分な加工性が得られないとの問題がある。また、前記被膜の膜厚を厚くすると、該被膜による着色が顕著になるとの問題もある。
【0005】
前記被膜による着色は、内容物によっては、消費者に好まれない場合がある。また、前記被膜による着色があると、ポリエチレンテレフタレート樹脂製容器(以下、プラスチック容器と略記する)等の使用済みの容器を回収して再利用する際に障害になることがある。
【0006】
そこで、前記被膜の膜厚が薄く、しかも優れたガスバリヤ性を備えるプラスチック容器の製造方法の開発が望まれる。
【0007】
前記事情に鑑み、本発明者らは、プラスチック容器の内面側に形成されるアモルファス炭素を含む被膜のガスバリヤ性能について検討を重ねた。この結果、前記被膜のガスバリヤ性能は、該被膜中に含まれる炭素以外の原子、特に窒素原子または酸素原子の割合により大きく変化することが判明した。
【0008】
本発明者らは、前記知見に基づいてさらに検討を重ね、前記被膜中に含まれる炭素原子数に対する窒素原子数または酸素原子数の割合を所定の範囲内に抑えることにより、前記被膜の膜厚を薄くしても優れたガスバリヤ性が得られることを見出した。
【0009】
前記製造方法において、前記プラスチック容器中に供給されるガス成分は、前記ガス状の出発原料の他に、ジメチルホルムアミド等の窒素含有化合物や、空気を含んでおり、前記被膜中に含まれる窒素原子または酸素原子は、前記窒素含有化合物や、空気に由来するものである。前記空気は、前記処理室及びプラスチック容器内部の排気が不完全であったり、所定の真空度に保持されている装置の気密が不十分となり、プラスチック容器に空気のリークが生じたりしたときに、前記出発原料中に混入する。
【0010】
そこで、前記製造方法では、前記プラスチック容器中に供給されるガス成分中の窒素ガスまたは酸素ガスの量を制御することにより、前記被膜中に含まれる炭素原子数に対する窒素原子数または酸素原子数の割合を所定の範囲内に抑えることができる。
【0011】
しかしながら、前記従来の製造方法においては、一旦製造が開始された後、前記出発原料中に混入する窒素含有化合物や空気の量が変化して所定の範囲を超えてもそれを検出して制御することができないので、前記被膜中に含まれる炭素原子数に対する窒素原子数または酸素原子数の割合を所定の範囲内に抑えることができず、所定のガスバリヤ性を備えるプラスチック容器が得られないという不都合があり、製造工程の管理、製品の品質管理、製品の歩留りの点で改善が求められる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる不都合を解消して、プラスチック容器中に供給されるガス成分中に混入する窒素含有化合物や空気の量が所定の範囲を超えたときに、ガスバリヤ性の低いプラスチック容器の製造を防止し、さらには製造したプラスチック容器中、ガスバリヤ性の低いものを製造工程上で排除することができる内面被覆プラスチック容器の製造方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明の内面被覆プラスチック容器の製造方法は、プラズマCVD装置にプラスチック容器を収容し、該プラズマCVD装置内を所定の真空度に保持し、該プラスチック容器内に炭素原子を含む出発原料をガス状で供給し、該プラズマCVD装置内に所定のエネルギーを付与して該プラスチック容器内にプラズマを発生させることにより、該プラスチック容器の内面にアモルファス炭素を含む被膜を形成する内面被覆プラスチック容器の製造方法において、該プラスチック容器内に供給された該出発原料を含むガス成分により発生したプラズマの発光スペクトル中の特定の波長領域の光線を選択的に検出することにより、窒素のプラズマによる発光強度を検出して、該ガス成分の全量に対し20容量%を超える量の窒素成分が検出されたときには、該ガス成分に混入する窒素含有化合物の濃度を調整して、該ガス成分の全量に対して窒素ガスが20容量%以下となるようにすることを特徴とする。
【0014】
本発明の製造方法では、前記プラスチック容器内に供給されたガス成分は、前記ガス状の出発原料の他に窒素含有化合物や空気が混入していると、前記窒素含有化合物や空気に由来する窒素成分を含んでいる。
【0015】
そこで、本発明の製造方法では、前記プラスチック容器内に前記出発原料を含むガス成分を供給し、前記プラズマCVD装置内に所定のエネルギーを付与することにより該プラスチック容器内で発生したプラズマによる発光スペクトルを測定し、該発光スペクトル中の特定の波長領域の光線を選択的に検出することにより、前記窒素成分のプラズマによる発光強度(以下、窒素プラズマ発光強度と略記する)を検出する。このようにすると、前記窒素プラズマ発光強度から前記ガス成分中の窒素の有無、その量を知ることができるので、該窒素プラズマ発光強度が所定の強度を超えているときには、前記ガス成分に含有される前記窒素成分が所定の範囲を超えているものと判断し、その原因を排除する。
【0016】
本発明の製造法では、前記原因の排除として、具体的には、前記プラスチック容器内に供給されたガス成分に混入する窒素含有化合物の濃度を制御する。この結果、前記ガス成分の全量に対して窒素ガスが20容量%以下となるように抑えられる。
【0017】
従って、本発明の製造方法によれば、プラスチック容器中に供給されるガス成分の全量に対し20容量%を超える量の窒素成分が検出されたときに、ガスバリヤ性の低いプラスチック容器の製造を防止することができる。
【0018】
前記ガス成分に混入する窒素含有化合物の濃度の制御は、例えばフィードバック制御により行うことができ、前記ガス成分の全量に対し20容量%を超える量の窒素成分が検出された場合、直ちに窒素含有化合物の混入量を抑制する処置を取ることにより、その後に製造されるプラスチック容器について、所定のガスバリヤ性を確保することができる。しかし、前記フィードバック制御により行うときには、前記ガス成分の全量に対し20容量%を超える量の窒素成分が検出されたときに製造されたプラスチック容器については、所定のガスバリヤ性が得られない。
【0019】
そこで、本発明の製造方法では、前記ガス成分の全量に対し20容量%を超える量の窒素成分が検出されたときに、前記被膜が形成されたプラスチック容器を製造工程から排除することを特徴とする。このようにするときには、前記ガス成分の全量に対し20容量%を超える量の窒素成分が検出されたときに製造されたプラスチック容器を、前記被膜形成の後の製造工程から排除することにより、ガスバリヤ性の低いプラスチック容器の良品への混入を防止することができる。
【0020】
本発明の製造方法では、前記ガス成分に含有される窒素成分の量は、窒素成分の量と前記特定の波長領域の光線の強度とについて予め検量線を作成しておき、検出された窒素プラズマ発光強度を該検量線と比較することにより求めることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。図1は本実施形態の製造方法に用いる装置の一構成例を示すシステム構成図であり、図2はプラスチック容器内に供給されたガス成分が、前記ガス状の出発原料のみであるときに発生したプラズマのスペクトルの一例を示す図であり、図3はプラスチック容器内に供給されたガス成分が、前記ガス状の出発原料の他に窒素成分を含むときに発生したプラズマのスペクトルの一例を示す図である。
【0022】
本実施形態では、図1示の装置を用いて内面被覆プラスチック容器を製造する。
【0023】
図1示の装置において1はプラズマCVD装置であり、プラズマCVD装置1は、パイレックス(登録商標)ガラスで形成された側壁2と、昇降自在の底板3とにより画成された処理室4を備え、側壁2に臨む位置にマイクロ波発生装置5を備える。処理室4の上方には、側壁6と上壁7とにより画成された排気室8が備えられ、処理室4との間には隔壁9が設けられている。
【0024】
底板3は、プラスチック容器10を配置して上昇移動することにより、プラスチック容器10を処理室4内に収納する。このようにして収納されたプラスチック容器10は、口部保持具11を介して容器内部が隔壁9に設けられた排気孔12と連通するように配置される。口部保持具11は上部突出部13が排気孔12に密に挿入され、口部保持部14がプラスチック容器10の口部に所定の間隔を存して挿入される。
【0025】
処理室4と排気室8とは隔壁9に設けられた通気口15のバルブ16を介して連通しており、排気室8の側壁6に形成された開口17は図示しない真空装置に接続されている。排気室8の上壁7にはシール18を介して、ガス状の出発原料(以下、原料ガスと略記する)を供給するガス導入管19が支持されており、ガス導入管19は上壁7と口部保持具11とを貫通して、プラスチック容器10内に挿入される。尚、ガス導入管19と口部保持具11の内周面との間には間隙がある。
【0026】
また、処理室4の側壁2に臨む位置(図1ではマイクロ波発生装置5と対向する面)には、プラスチック容器10内におけるプラズマの発生に伴う発光を受光する受光部20が設けられている。受光部20は、光ファイバー21によりプラズマ発光分光分析装置22に接続されている。プラズマ発光分光分析装置22は、バンドパスフィルター23、検出手段24、主制御手段25を備えており、光ファイバー21はバンドパスフィルター23に接続されている。また、主制御手段25は、前記ガス成分中に混入する窒素含有化合物の濃度を制御するガス成分制御手段26と、所定のガスバリヤ性を備えていないプラスチック容器10を不良容器として製造工程から排除する不良容器排除手段27とに接続されている。
【0027】
図1示の装置では、まず、プラズマCVD装置1の底板3にプラスチック容器10を載置する。そして、底板3を上昇移動せしめ、処理室4内にプラスチック容器10を収納する。
【0028】
プラスチック容器10は、飲料、食品、エアゾール、化粧品、医薬品等の流動性物質の容器として用いられるものであり、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリアクリル系樹脂等からなる。プラスチック容器10は、飲料容器として用いられる場合には、ポリエステル樹脂またはポリオレフィン樹脂からなることが適している。
【0029】
次に、図示しない真空装置を作動して、排気室7内を排気し、これにより通気口15を介して処理室4の内部を1〜50Paの真空度に減圧する。同時に、排気孔12に挿入されたガス導入管19と口部保持具11の内周面との間隙を介して、プラスチック容器10の内部を1〜50Paの真空度に減圧する。
【0030】
次に、ガス導入管19からプラスチック容器10内に、所定の組成を備える原料ガスを供給する。プラズマCVD装置1では、前記原料ガスを連続的に供給すると共に、前記真空装置により連続的に排気し、処理室4とプラスチック容器10との内部を前記真空度に保持する。また、前記原料ガスの供給量は、対象となるプラスチック容器10の表面積、形成される被膜の厚さに応じて適正な量に設定される。前記原料ガスの供給量は、内容積200ml〜2000mlのサイズのプラスチック容器10に、0.02〜0.08μmの膜厚の前記被膜を形成するには、容器表面積当たり0.1〜0.8sccm/cmの範囲とすることが適している。
【0031】
前記原料ガスとしては、エチレン、アセチレン等の脂肪族不飽和炭化水素、メタン、エタン、プロパン等の脂肪族飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、含酸素炭化水素類、含窒素炭化水素類を用いることができる。前記原料ガスは、単独で用いても、必要に応じて2種以上混合して用いてもよく、被膜改質剤として少量の水素、有機珪素化合物、その他の被膜形成性有機化合物を併用してもよい。また、前記原料ガスは、アルゴン、ヘリウム等の希ガスで希釈して用いるようにしてもよい。
【0032】
ただし、ガスバリヤ性に優れた被膜であるポリマー性薄膜をより短時間で形成するためには、前記原料ガスの60容量%以上、好ましくは80容量%以上をアセチレンとすることが適しており、さらに好ましくは前記原料ガスを実質的にアセチレンとすることが適している。尚、前記原料ガスが実質的にアセチレンからなる場合、該アセチレンは製造過程等で混入する不可避的な不純物を含んでいてもよい。
【0033】
そして、前記原料ガスが供給されている間、マイクロ波発生装置5を作動して、例えば2.45GHz、150〜600Wのマイクロ波を、0.2〜2.0秒間、好ましくは0.4〜1.5秒間照射することにより、前記原料ガスを電磁励起してプラスチック容器10内にプラズマを発生せしめ、プラスチック容器10の内面にアモルファス炭素被膜(図示せず)を形成する。このとき、前述のように、前記原料ガスを連続的に供給しつつ、前記真空装置により連続的に排気し、処理室4とプラスチック容器10との内部を前記真空度に保持することにより、安定な前記被膜を形成することができる。また、前記マイクロ波の照射時間が0.2秒未満のときには前記被膜において所望の膜厚が得られないことがあり、2.0秒を超えると前記被膜の膜厚が大になり、着色が濃くなることがある。
【0034】
次に、前記原料ガスの供給が終了したならば、マイクロ波発生装置5を停止して、処理室4とプラスチック容器10との内部を大気圧に戻し、底板3を降下させてプラスチック容器10を取り出すことにより、処理を終了する。マイクロ波発生装置5は、前記原料ガスの供給が終了と同時に停止してもよいが、短時間延長して照射するようにしてもよい。このようにすることにより、容器中に残存している原料ガス成分を完全に被膜化することができ、得られたプラスチック容器10のガスバリヤ性、内容物を充填した際の耐フレーバー性をさらに向上させることができる。
【0035】
本実施形態の製造方法では、マイクロ波発生装置5を作動してプラスチック容器10内に供給されたガス成分によるプラズマを発生せしめたときに、該プラズマによる発光スペクトルをプラズマ発光分光分析装置22により分析し、前記発光スペクトルに含まれる窒素プラズマ発光強度を検出する。
【0036】
プラズマ発光分光分析装置22によれば、プラスチック容器10内で発生したプラズマによる発光は、受光部20により受光され、光ファイバー21によりバンドパスフィルター23に送られる。
【0037】
このとき、前記プラズマによる発光スペクトルは、プラスチック容器10内に供給されたガス成分が前記原料ガスのみであるときには、図2に示すようになる。一方、プラスチック容器10内に供給されたガス成分が前記原料ガスの他に窒素成分を含むときには、前記発光スペクトルは図3に示すようになる。図3に示すスペクトルでは、700〜800nmの波長領域の光線が窒素プラズマに特有の発光に対応し、その他の成分の発光と比較的重なりにくい領域であると考えられる。
【0038】
そこで、バンドパスフィルター23では前記700〜800nmの波長領域の光線を選択的に透過させ、検出手段24で該波長領域の光線の強度を窒素プラズマ発光強度として検出する。次に、検出手段24で検出された窒素プラズマ発光強度のデータは、主制御手段25に送られる。主制御手段25は、前記ガス成分に含有される窒素成分の量と前記波長領域の光線の強度とについて予め作成された検量線を記憶しており、検出手段24で検出された窒素プラズマ発光強度のデータを該検量線と比較することにより、前記ガス成分に含有される窒素成分の量を求める。
【0039】
内面側に前記被膜を備えるプラスチック容器10は、該被膜中に含まれる炭素原子数を100とするときに、炭素原子数に対する窒素原子数の比率が15以下であるか、炭素原子数に対する酸素原子数の比率が20以下であるか、または炭素原子数に対する窒素原子数と酸素原子数との総和の比率が27以下であるときに、優れたガスバリヤ性を得ることができる。前記ガスバリヤ性は、例えばプラスチック容器10が飲料用容器である場合、酸素透過率として容器1本当たり好ましくは0.02ml/日以下、さらに好ましくは0.015ml/日以下とされている。尚、前記被膜中の炭素原子数に対する窒素原子数または酸素原子数の比率は、例えば、X線光電子分光分析装置(ESCA)等により測定することができる。
【0040】
本実施形態の製造方法では、前記被膜中に含まれる窒素と酸素とを前記範囲内に抑えるために、プラスチック容器10内に供給されたガス成分が、該ガス成分の全量に対し窒素ガスが20容量%以下であるか、或いは該ガス成分の全量に対し酸素ガスが10容量%以下であり、かつ窒素ガスと酸素ガスとが両者の総和として、15容量%以下である必要がある。
【0041】
そこで、主制御手段25は、前記ガス成分の全量に対し20容量%を超える量の窒素成分が検出されたときには、ガス成分制御手段26により、前記ガス成分に混入する窒素含有化合物の濃度を調整して、前記プラスチック容器10内に供給されたガス成分が、該ガス成分の全量に対し窒素ガスが20容量%以下となるようにする
【0042】
この結果、後続のプラスチック容器10については、形成された前記被膜中に含まれる窒素を前記範囲内に抑えることができ、ガスバリヤ性の低いプラスチック容器10の製造を防止することができる。
【0043】
また、主制御手段25は、前記ガス成分の全量に対し20容量%を超える量の窒素成分が検出されたときには、処理室4から取り出されたプラスチック容器10を不良容器として、不良容器排除手段27により製造工程から排除する。
【0044】
尚、本実施形態では、プラスチック容器10内で発生したプラズマによる発光を、受光部20で受光した後、バンドパスフィルター23、検出手段24、制御手段25を備えるプラズマ発光分光分析装置22により分析しているが、バンドパスフィルター23を使用せずに分析することもできる。また、受光部20に代えて、側壁2に望む位置に直接光センサーを設けて分析するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に用いる装置の一構成例を示すシステム構成図。
【図2】プラスチック容器内に供給されたガス成分が、ガス状の出発原料のみであるときに発生したプラズマの発光スペクトルの一例を示す図。
【図3】プラスチック容器内に供給されたガス成分が、ガス状の出発原料の他に窒素成分を含むときに発生したプラズマの発光スペクトルの一例を示す図。
【符号の説明】
1…プラズマCVD装置、 22…プラズマ発光分光分析装置、 26…ガス成分制御手段、 27…不良容器排除手段。

Claims (3)

  1. プラズマCVD装置にプラスチック容器を収容し、該プラズマCVD装置内を所定の真空度に保持し、該プラスチック容器内に炭素原子を含む出発原料をガス状で供給し、該プラズマCVD装置内に所定のエネルギーを付与して該プラスチック容器内にプラズマを発生させることにより、該プラスチック容器の内面にアモルファス炭素を含む被膜を形成する内面被覆プラスチック容器の製造方法において、
    該プラスチック容器内に供給された該出発原料を含むガス成分により発生したプラズマの発光スペクトル中の特定の波長領域の光線を選択的に検出することにより、窒素のプラズマによる発光強度を検出して、該ガス成分の全量に対し20容量%を超える量の窒素成分が検出されたときには、該ガス成分に混入する窒素含有化合物の濃度を調整して、該ガス成分の全量に対して窒素ガスが20容量%以下となるようにすることを特徴とする内面被覆プラスチック容器の製造方法。
  2. 前記窒素のプラズマによる発光強度が所定の強度を超えているときに、前記被膜が形成されたプラスチック容器を製造工程から排除することを特徴とする請求項1記載の内面被覆プラスチック容器の製造方法。
  3. プラズマCVD装置にプラスチック容器を収容し、該プラズマCVD装置内を所定の真空度に保持し、該プラスチック容器内に炭素原子を含む出発原料をガス状で供給し、該プラズマCVD装置内に所定のエネルギーを付与して該プラスチック容器内にプラズマを発生させることにより、該プラスチック容器の内面にアモルファス炭素を含む被膜を形成する内面被覆プラスチック容器の製造方法において、
    該プラスチック容器内に供給された該出発原料を含むガス成分により発生したプラズマの発光スペクトル中の特定の波長領域の光線を選択的に検出することにより、窒素のプラズマによる発光強度を検出して、該ガス成分の全量に対し20容量%を超える量の窒素成分が検出されたときには、該被膜が形成されたプラスチック容器を製造工程から排除することを特徴とする内面被覆プラスチック容器の製造方法。
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