JP4340096B2 - 車両用の操舵装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用の操舵装置において発生する故障を運転者に通知等する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からある技術として、電動パワーステアリングシステムにおいてワーニングランプ機構の付いたシステムが知られている。これはシステムに異常が発生した場合、ワーニングランプを発光させ、運転者に異常が発生していることを伝えることを目的にしている。
また、たとえば運転者の居眠り運転により車両が走行車線から逸脱しそうになった際に、警報を発するものがある(特許文献1参照)。これは、TVカメラによって道路の車線(白線)を検出し、車両が車線から逸脱しようとしたときに、運転者に対して警告を与える。警告時には、ステアリングホイール(操作子)に内装された振動用アクチュエータによって、ステアリングホイールの操舵軸を直接加振する。
【0003】
また、ステアリングの状況や車体に設けられた各種検出装置から運転者の居眠りや酔っ払った状態を検出し、警告用のモータによって操舵軸に振動を与えることで運転者に警告するという方式も報告されている(特許文献2参照)。
また、運転者が積極的に操舵を行い、進路変更しようとしている場合等、主として運転者の意思に起因して発生し得る危険状態を回避するような予防安全制御が実行される電動パワーステアリング装置及び予防安全装置として、障害物の接近による危険を予測する危険予測手段とこの危険予測手段により危険が予測されたときに、ステアリングホイールを振動させ、目標制御値を周期的に変更して警告するワーニング制御手段を設けたものについても報告されている(特許文献3参照)。また、故障を検知する手段の一例としてはモータの駆動手段に用いられるFETのオン故障を検知するものが報告されている(特許文献4参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平6−76200号公報(第2〜4頁、第3図)
【特許文献2】
米国特許第5709281号明細書
【特許文献3】
特開平8−175413号公報(第3〜7頁、第4図)
【特許文献4】
特開2000−152691号公報(第2〜5頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、単に故障を通知したり警告したりする技術は報告されているものの、運転は可能であるが修理が必要な故障に対して、例えば操舵角検出手段やトルクセンサ等の故障に対して、故障の修理や点検等を行うサービスセンタ等へ車両を持ち込むことを効果的に促すような故障の通知や警告はなされていない。
本発明は、システムや機器に故障や不具合が発生した場合に、運転者にサービスセンタ等へ車両を持ち込むことを効果的に促すことができる車両用の操舵装置の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明は、運転者が車両の操舵のために操作する操作子と、前記操作子の操作量に応じて駆動する電動機と、この電動機の駆動により転舵輪を駆動する転舵機構とを有する車両用の操舵装置において、この操舵装置の各部の故障を検知する故障検知手段と、前記故障検知手段が故障を検知したときに、前記操作子の操作に要する力徐々に増加のみさせて、前記故障の検知を運転者に伝える操作力増加手段を備えたことを特徴とする。
これにより、操作子の操作(ハンドル操作)が重くなることで運転者にシステム故障や異常を確実に知らせることができ、それに応じた対処を早めにとらすことができる。
【0007】
さらに、運転者が車両の操舵のために操作する操作子と、前記操作子の操作量に応じて駆動する電動機と、この電動機の駆動により転舵輪を駆動する転舵機構とを有する車両用の操舵装置において、この操舵装置の各部の故障を検知する故障検知手段と、イグニッションのオンの回数を計数する計数手段と、前記故障検知手段が故障を検知したときに、前記計数手段によって計数されたイグニッションのオンの回数に応じて、前記操作子に機械的に連結された前記電動機に散発的に流す電流値を徐々に増加のみさせて、前記故障の検知を運転者に伝える散発電流発生手段を備えたことを特徴とする。
これにより、パルス的な衝撃を操作子に与え、運転者にシステム故障や異常を確実に知らせることができ、それに応じた対処を早めにとらすことができる。なお、操作子に機械的に連結された電動機は、後記する舵角発生モータとか反力発生モータである。
【0008】
前記散発電流発生手段は、前記散発的に流す電流値を徐々に大きくのみすることを特徴とする。
これにより、パルス的な衝撃を徐々に大きくのみしながら操作子に与え、運転者にシステム故障や異常を確実に知らせることができ、それに応じた対処を早めにとらすことができる。
【0009】
運転者が車両の操舵のために操作する操作子と、前記操作子の操作量に応じて駆動する舵角発生用の電動機と、この舵角発生用の電動機の駆動により転舵輪を駆動するステアバイワイヤによる転舵機構とを有する車両用の操舵装置において、この操舵装置の各部の故障を検知する故障検知手段と、前記操作子の操作量が中立となる位置及びその近傍に前記操作子と機械的に連結された反力発生用の電動機の出力を0とする不感帯を設け、前記故障検知手段が故障を検知したときに、前記不感帯の幅を徐々に増加のみさせて、前記故障の検知を運転者に伝える不感帯拡大手段を備えたことを特徴とする。
これにより、直進付近でハンドルの遊びに相当する不感帯の幅が広くなり、これに気付かせることで運転者にシステム故障や異常を確実に知らせることができ、それに応じた対処を早めにとらすことができる。なお、「不感帯」は、例えば、後記する反力発生モータの出力を0にする不感帯と、後記する舵角発生モータの出力を0にする不感帯があげられる。また、「電動機の出力を0とする」は、文字通り電動機の出力を0にする場合だけに限られず、例えば運転者が、電動機の出力を感じない程度の低出力にする場合も含まれる。
【0010】
前記不感帯拡大手段は、前記不感帯の幅を、車両の速度が低速のときには広く、高速のときには狭くすることを特徴とする。
これによれば、低速運転のときに不感帯の幅を広くするので、運転者に対して、低速のときにシステムの故障や異常に気付き易くさせることができる。一方で、運転者に対して、高速のときに運転に集中し易くさせることができる。なお、据え切りを考慮して、低速には車速0を含むものとする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態の車両用の操舵装置(以下「操舵装置」という)を、添付図面を参照にして詳細に説明する。
【0012】
〔第1実施形態〕
図1に、本発明に係る実施形態の操舵装置の模式構造図を示す。
図1を参照して、本発明に係る実施形態の操舵装置の全体構造を説明する。
この操舵装置1は、ステアバイワイヤ(SBW;Steer By Wire )により操舵を行う操舵装置であり、操作子(ハンドル)2に連結された操舵軸3に介設された操舵角検出手段4、反力発生モータ5及びトルクセンサ6と、車速検出手段7と、故障検知手段9と、舵角発生モータ(電動機)11と、タイヤ角検出手段12と、ECU(制御装置)10とから構成されている。なお、請求項の「転舵機構」は、ラック軸14等により構成されている。
【0013】
反力発生モータ5は、操作子2に操舵反力を与えるもので、ECU10(反力モータ目標電流設定手段29)から供給されるタイヤ角偏差の大きさに応じた目標電流によって操舵反力が与えられるように構成されている。
【0014】
車速検出手段7は、図示しない車速センサを利用し、車速Vに係る信号をECU10へ供給している。
舵角発生モータ11は、ECU10から出力される操舵駆動信号に基づいてラック軸14を駆動し転舵輪Tを操舵するよう構成している。舵角発生モータ11の回転に伴うタイヤ角は、タイヤ角検出手段12で検出されてECU10に帰還される。
なお、タイヤ角検出手段12は、ラック軸14の位置を検出するラック位置センサ等により構成することができる。
【0015】
故障検知手段9は、システムの各部に設けられた種々の監視手段であり、特許文献4に示したものがその一例である。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態の操舵装置のECUとその周辺の主要機能のブロック図である。
図2で、操舵装置1は、操舵角検出手段4、反力発生モータ5、トルクセンサ6、車速検出手段7、故障検知手段9、ECU10、舵角発生モータ11、タイヤ角検出手段12、操作子2、舵角発生モータ駆動手段24、反力モータ駆動手段30を備える。
また、ECU10には、タイヤ角指令値生成部21、偏差演算手段22、駆動制御手段23、故障判定手段26、反力係数設定手段27、目標反力設定手段28及び反力モータ目標電流設定手段29を備えている。なお、請求項の「操作力増加手段」は、反力係数設定手段27等により構成される。
【0017】
タイヤ角指令値生成部21は、ROM等のメモリで構成し、車速検出手段7から供給される車速信号をパラメータとした操舵トルク(又は操舵角)データとタイヤ角指令値生成部特性データを記憶しておき、車速信号及び操舵トルク信号が供給されると対応するタイヤ角指令値生成部特性データを読み出し、目標タイヤ角信号を偏差演算手段22に供給する。
偏差演算手段22は、減算機能を備え、目標タイヤ角信号とタイヤ角検出手段12から供給される実タイヤ角信号との偏差を演算し、タイヤ角偏差信号を駆動制御手段23に入力する。
【0018】
駆動制御手段23は、図示しないPID(比例・積分・微分)コントローラ、信号発生手段等で構成し、偏差演算手段22からのタイヤ角偏差信号にPID制御を施した後、PWM(パルス幅変調)信号、オン信号及びオフ信号の混成信号であるモータ駆動制御信号を発生し、これを舵角発生モータ駆動手段24に供給する。
偏差演算手段22からのタイヤ角偏差信号は、操作子2に仮想トーションバーの反力を発生させるためのトーションバー係数変更部25にも供給される。
トーションバー係数変更部25では、タイヤ角偏差信号を車速検出手段7から供給される車速信号をパラメータとして仮想トーションバー制御を行い、その後で目標反力設定手段28に入力する。目標反力設定手段28は、制御変換されたタイヤ角偏差信号に基づいて反力発生モータ5によって操舵軸3に与えられる反力の大きさを設定し、反力モータ目標電流設定手段29に送る。
【0019】
故障検知手段9は、システムの各部の監視を行い、そのデータを故障判定手段26に送る。ここで、システムの各部とは、操舵装置1を構成する部材であり、例えば、センサ(操舵角検出手段4、トルクセンサ6、車速検出手段7…)、電動機(舵角発生モータ11)、電動機を駆動する電気回路(舵角発生モータ駆動手段24)、電子回路、コンピュータ(ECU10)等である。
【0020】
故障判定手段26は故障検知手段9からのデータに基づいて故障判定を行い、報知すべき故障と判定したときには反力係数設定手段27を駆動して反力モータ目標電流設定手段29が出力する反力モータ目標電流の値に所定の反力係数αをかける。この反力係数αは、図3に示すように時間の経過と共にある最大値まで徐々に大きなっていく。なお、反力係数αの最大値は、運転が可能である反力となる範囲内で設定されるのが、車両を運転者自らサービスセンタ等に持ち込ませる観点からして好ましい。運転が可能である反力を超えてしまうと、運転者が車両を運転してサービスセンタ等に持ち込むことができなくなってしまうからである。
【0021】
反力モータ目標電流設定手段29が出力する反力モータ目標電流値は、反力モータ駆動手段30に加えられ、反力モータ駆動手段30は反力発生モータ5を駆動してこの電流値に応じた反力を運転者が行う操舵方向の反対方向に操舵軸3に与える。
【0022】
これにより、故障が検知されてから時間の経過にしたがって反力係数が徐々に大きくなって行く。したがって、運転者には反力が徐々に大きくなり操作子2の動きが徐々に重くなるように感じられ、運転者は故障を知ることができる。ちなみに、操作子2の動きが重くなるように感じられるのは、運転者が操作子2を操作する場合であり、操作を行わない場合は感じることはできない。なお、舵角発生モータ11に供給する電流を少なくすることで、操作子2の動きが重くなるようにしてもよい(反力が大きくなるようにしてもよい)。
【0023】
このように反力を徐々に大きくすると、運転者は、徐々に操舵に要する力が大きくなる。このため、運転者に対して、車両修理のサービスセンタ等に車両を持ち込むことを効果的に促すことができる。なお、軽微な故障の場合(修理が必要ではあるが運転が不可能になるほどではない故障の場合)、運転者は車両を修理になかなか持ち込もうとしないことが多く、運転が不可能になってしまってからサービスセンタ等に連絡するケースが多い。本実施形態によれば、この様なケースを低減して、故障が本格化する前にサービスセンタ等に車両を持ち込むことを効果的に促すことができるので、サービスセンタ等にとっても運転者にとっても都合がよい。ちなみに、ハンドル2と転舵輪Tとが切り離された本実施形態の操舵装置1の場合、故障により舵角発生モータ11が動作しなくなると運転が不可能になってしまう。また、運転者の手動操舵力をアシストモータのパワーでアシストする電動パワーステアリング装置の場合、近年の車両の大型化・重量化、タイヤの幅広化等により、小型車を除き、アシストモータのアシストなしでは運転が不可能になってしまうのが実情である。本発明によれば、このような車両において、運転が不可能になる前にサービスセンタ等に車両を持ち込むことを促すことができる。
【0024】
〔第2実施形態〕
次に、本発明に係る第2実施形態を説明する。図4は、本発明に係る第2実施形態のECUとその周辺の主要機能のブロック図である。この図4が図2と異なるのは、故障判定手段26の後段に、反力係数設定手段27に替えてパルス信号発生器31を備えたことである。このため、第1実施形態と共通性のある要素については、第1実施形態と同一の符号を付して、その説明を省略する。また、第1実施形態で用いた図1を、第2実施形態でも適宜参照する。なお、請求項の「散発電流発生手段」は、パルス信号発生器31等により構成される。
【0025】
この実施形態では、故障が検知されると、故障判定手段26はパルス信号発生器31を動作させ、このパルス信号発生器31からのパルスが反力モータ目標電流設定手段29に入力され、左右へのパルス的な反力が操作子2に印加される。パルス的に反力が印加されると、運転者は反力のショックが感じられるのでより気付き易い。なお、パルス的な反力は、運転者が操作子2を操作しているとき(操舵中)に加えるようにしてもよいし、運転者による操作子2の操作の有無に関らず加えるようにしてもよい。
【0026】
さらに、このパルス的な反力を時間的に徐々に大きくして行く(図3参照)方法も考えられる。この場合の反力トルク電流(右トルク電流・左トルク電流)のタイムチャートを図5に示す。この場合、パルスの間隔を仮に2秒とした。図3に対応して、時間の経過に伴いトルク電流が大きくなっており、これにより運転者にサービスセンタ等に車両を持ち込むことを効果的に促すことができる。
【0027】
なお、パルス信号発生器31が、イグニッションがオンされる回数を計数(IGon回数累積)し、この計数値(IG関数)に応じてステップ的にパルス的な反力の大きさを徐々に大きくして行くこともできる。この場合の、反力トルク電流(右トルク電流・左トルク電流)のタイムチャートを図6に示す。この図6に示されるように、IGon回数累積が増えると、パルス的な反力の電流(反力トルク電流)が増えて行く。このため、運転者にサービスセンタ等に車両を持ち込むことを効果的に促すことができる。なお、IG関数に替えて操舵角の一定角度の変化ごとにパルス的な反力の大きさ(反力トルク電流)を徐々に大きくして行ってもよい。
【0028】
このパルス的に反力を可変する処理は、エラー発生と同時に実行するのではなく、エラー発生と同時にパルス信号発生器31で時間カウントを開始し、一定の猶予期間が経過した後にエラーを再検出して、その後からパルス的な反力変化を開始してもよい。このようにすることにより、故障検知手段9の誤検出による誤動作を防ぐことができる。
【0029】
〔第3実施形態〕
続けて、本発明に係る第3実施形態を説明する。図7は、第3実施形態のECUとその周辺の主要機能のブロック図を示す。この図7が図2、図4と異なるのは、故障判定手段26の後段に、遊び幅制御手段32を備えた点である。このため、第1実施形態・第2実施形態と共通性のある要素については、第1実施形態・第2実施形態と同一の符号を付して、その説明を省略する。また、第1実施形態で用いた図1を、第3実施形態でも適宜参照する。なお、請求項の「不感帯拡大手段」は、遊び幅制御手段32等により構成される。
【0030】
この実施形態では、故障検知手段9で故障が検知されると、故障判定手段26は故障を判定して、故障判定信号を遊び幅制御手段32に入力する。遊び幅制御手段32は操舵角検出手段4が検出する操作子2の中立位置に対する操舵角が所定の量よりも小さい(操作子2の操作量が中立位置となる位置及びその近傍の)場合には、目標反力設定手段28に作用して反力発生モータ5が発生する反力を0にする、いわゆる、操作子2の遊び(不感帯)を作る機能を有している。そうして、故障判定信号が入力されるとこの反力を0にする操舵角の所定の量の範囲(遊びの範囲)をあらかじめ設定されているリミット値の範囲内で徐々に広げて行く。
図8に、操舵角と反力の関係を表すグラフを示す。図8(a)は遊び(不感帯)が設けられていない場合の操舵角と反力の関係であり、図8(b)は遊び(不感帯)が設けられた場合の操舵角と反力の関係である。このように操舵反力がない遊び(不感帯)の部分が徐々に広くなると、運転者にとって違和感を受け易く、故障や不具合があることに気付き易い。
これにより、運転者にサービスセンタ等に車両を持ち込むことを効果的に促すことができる。
遊び(不感帯)は、車両の速度が0の据え切りの場合や、低速、中速の車両速度の場合には設けられるが、高速の場合は、運転者に運転に集中させたほうがよいので、図8(b)に示すように遊び(不感帯)は設けない(或いは遊びを最小にする)。また、遊び(不感帯)をあまり広くすると運転操作ができなくなるので、遊び(不感帯)の範囲のリミット値をあらかじめ設けて、遊び(不感帯)の幅をそれ以上は広くならないようにする。この遊びは、反力発生モータ5の側で設けるようにしてもよいし、舵角発生モータ11の側で設けるようにしてもよい。
【0031】
なお、本発明を実施形態に沿って説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な対応が考えられる。例えば、実施形態では、反力発生モータ5を介して運転者に故障を知らせるように説明したが、専用の振動加振器として、専用のアクチュエータ及びモータをハンドル周辺に設けてこれを制御して運転者に故障を知らせるようにすることもできる。また、以上に別々に述べたパルス的に反力を可変する処理を適当に組み合わせて、パルスの存在をよりはっきりさせることもできる。また、パルス信号発生器21におけるパルスの間隔を、経過時間やIG関数に応じて短くし、これにより運転者に車両をサービスセンタに持ち込むことを促すようにしてもよい。
【0032】
また、例えば操作子2の「往き」と「戻り」を判定し、反力係数設定手段27や反力モータ目標電流設定手段29において、操作子2の「往き」のときに反力を大きくし、セルフアライニングトルクにより転舵輪T(操作子2)が中立状態に戻される「戻り」のときは反力を通常にして(図3の反力係数α=1にして)、転舵輪Tの戻りが通常通りのものになるようにするのが好ましい。このセルフアライニングトルクによる戻り制御は、ステアバイワイヤ装置にも電動パワーステアリング装置にも適用することができる。ちなみに、「往き」は操舵トルクの方向と舵角発生モータ11の回転方向が同じ場合であり、「戻り」は操舵トルクの方向と舵角発生モータ11の回転方向が異なる場合である。この戻り制御は、パルスを与える実施形態にも適用することができる。
【0033】
なお、メカバックアップ機能付きのステアバイワイヤ方式のステアリング制御方法が知られている。このメカバックアップ機能付きのステアバイワイヤ方式は、正常な状態では操作子と転舵機構とが機械的に分離されており、電気的な転舵機構で転舵輪Tを駆動するステアバイワイヤ方式でのステアリング制御が行われているが、ECU等の電気制御系統に不具合が生じた場合には、機械的なリンク機構が働いて機械的な構成で操舵ができるようになっていて、ステアバイワイヤ方式でのステアリングをバックアップする形式になっている。
この方式等のように、システムに冗長系が構成されていると、一部失陥状態にあるときでも、従来はシステムの故障状態を意図的に運転者に伝えることは困難であったが、本実施形態では故障を適切に運転者に伝え、しかもサービスセンタ等へ車両を持ち込むことや故障が本格化する前にサービスセンタ等に連絡をとることを効果的に促すことができる。
【0034】
本発明によると、操作子に反力や振動を与えることで、システムに故障や異常が発生した場合、運転者にこれを確実に知らせることができ、これにより、例えば、運転者にサービスセンタ等へ車両を持ち込むことを効果的に促すことができる。なお、請求項1の発明では操作力により運転者にシステム異常等を知らせることができ、請求項の発明ではパルスにより運転者にシステム異常等を知らせることができ、請求項4の発明では遊びにより運転者にシステム異常等を知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施形態(第1から第3)の操舵装置の模式構造図。
【図2】 本発明に係る第1実施形態の操舵装置のECU(制御装置)とその周辺の主要機能のブロック図。
【図3】 反力係数の時間的な増加を示す図。
【図4】 本発明に係る第2実施形態のECUとその周辺の主要機能のブロック図。
【図5】 パルス的な反力の時間的な増加のタイムチャートを示す図。
【図6】 図5とは異なるパルス的な反力の時間的な増加のタイムチャートを示す図。
【図7】 本発明に係る第3実施形態のECUとその周辺の主要機能のブロック図。
【図8】 操舵角と反力の関係を表すグラフ。
【符号の説明】
1…操舵装置、2…操作子(ハンドル)、3…操舵軸、4…操舵角検出手段、5…反力発生モータ、6…トルクセンサ、7…車速検出手段、8…ヨーレート検出手段、9…故障検知手段、10…ECU(制御装置)、11…舵角発生モータ、12…タイヤ角検出手段、14…ラック軸、21…タイヤ角指令値生成部、22…偏差演算手段、23…駆動制御手段、24…舵角発生モータ駆動手段、25…トーションバー係数変更部、26…故障判定手段、27…反力係数設定手段、28…目標反力設定手段、29…反力モータ目標電流設定手段、30…反力モータ駆動手段、31…パルス信号発生器、32…遊び幅制御手段

Claims (6)

  1. 運転者が車両の操舵のために操作する操作子と、前記操作子の操作量に応じて駆動する電動機と、この電動機の駆動により転舵輪を駆動する転舵機構とを有する車両用の操舵装置において、
    この操舵装置の各部の故障を検知する故障検知手段と、
    前記故障検知手段が故障を検知したときに、前記操作子の操作に要する力徐々に増加のみさせて、前記故障の検知を運転者に伝える操作力増加手段を備えたこと
    を特徴とする車両用の操舵装置。
  2. 前記操作力増加手段による操作に要する力の最大値は、運転が可能である操作力の範囲内で設定されること
    を特徴とする請求項1に記載の車両用の操舵装置。
  3. 運転者が車両の操舵のために操作する操作子と、前記操作子の操作量に応じて駆動する電動機と、この電動機の駆動により転舵輪を駆動する転舵機構とを有する車両用の操舵装置において、
    この操舵装置の各部の故障を検知する故障検知手段と、
    イグニッションのオンの回数を計数する計数手段と、
    前記故障検知手段が故障を検知したときに、前記計数手段によって計数されたイグニッションのオンの回数に応じて、前記操作子に機械的に連結された前記電動機に散発的に流す電流値を徐々に増加のみさせて、前記故障の検知を運転者に伝える散発電流発生手段を備えたこと
    を特徴とする車両用の操舵装置。
  4. 運転者が車両の操舵のために操作する操作子と、前記操作子の操作量に応じて駆動する舵角発生用の電動機と、この舵角発生用の電動機の駆動により転舵輪を駆動するステアバイワイヤによる転舵機構とを有する車両用の操舵装置において、
    この操舵装置の各部の故障を検知する故障検知手段と、
    前記操作子の操作量が中立となる位置及びその近傍に前記操作子と機械的に連結された反力発生用の電動機の出力を0とする不感帯を設け、前記故障検知手段が故障を検知したときに、前記不感帯の幅を徐々に増加のみさせて、前記故障の検知を運転者に伝える不感帯拡大手段を備えたこと
    を特徴とする車両用の操舵装置。
  5. 前記不感帯拡大手段は、前記不感帯の幅を、車両の速度が低速のときには広く、高速のときには狭くすること
    を特徴とする請求項4に記載の車両用の操舵装置。
  6. 前記操舵装置は、冗長系を有する構成とされており、当該冗長系の一部の失陥を前記故障検知手段が検知したときに、当該故障の検知を運転者に伝えること
    を特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車両用の操舵装置。
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