JP4339457B2 - 合わせガラス用中間膜 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、合わせガラス用中間膜及びその中間膜を用いた合わせガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
可塑剤の添加により可塑化されたポリビニルアセタール樹脂のような透明で柔軟性に富む樹脂を製膜してなる合わせガラス用中間膜で少なくとも一対のガラス板を接着して得られる合わせガラスは、破損時に破片が飛散せず安全性に優れているため、例えば自動車等の交通車輌の窓ガラス用や建築物の窓ガラス用等として広く用いられている。
【0003】
このような中間膜のなかでも、可塑剤の添加により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂が製膜されてなる中間膜は、ガラスとの適正な接着力、強靱な引張り強度、優れた透明性等の諸性能を兼備しているので、特に交通車輌の窓ガラス用として好適に用いられているが、反面、通常のポリビニルブチラール樹脂系中間膜は建築物の窓ガラス用としては遮音性が十分でないという問題点がある。
【0004】
一般に、遮音性能は、図1に示されるように、周波数の変化に対応した透過損失として示される。上記透過損失は、JIS A−4706「サッシ」では、図1中に実線で示されるように、周波数500Hz以上の領域における遮音等級に応じてそれぞれ一定値で規定されている。
【0005】
ところで、ガラス板の遮音性能は、図1中に破線で示されるように、2000Hzを中心とする周波数領域ではコインシデンス効果により著しく低下する。即ち、図1中の破線の谷部がコインシデンス効果による遮音性能の低下に相当し、所定の遮音性能を保持していないことを示している。
【0006】
上記コインシデンス効果とは、ガラス板に音波が入射した時、ガラス板の剛性と慣性とによってガラス面上を横波が伝播し、この横波と入射音とが共鳴した結果、音の透過が起こる現象を言う。
【0007】
従来の合わせガラスは、破損時における破片の飛散防止に関しては極めて優れているものの、遮音性能に関しては、通常のガラス板同様、2000Hzを中心とする周波数領域で上記コインシデンス効果による遮音性能の低下が避けられず、この点の改善が求められている。
【0008】
又、等ラウドネス曲線より、人間の聴覚は、他の周波数領域に比較して、周波数1000〜6000Hzの領域における感度が非常に高いことが知られており、コインシデンス効果による遮音性能の低下を防止することが、窓ガラスや壁等の遮音性(防音性)の向上にとって極めて重要なことと言える。
【0009】
コインシデンス効果による遮音性能の低下に関して問題となるのは、コインシデンス効果によって生じる図1中の透過損失の極小部(以下、「極小部の透過損失(dB)」を「TL値」と記す)であり、遮音性能を向上させるためには、コインシデンス効果を緩和して、上記TL値の低下を防止することが必要である。
【0010】
従来、TL値の低下を防止する手段として、合わせガラスの質量の増大、ガラスの複層化、ガラス面積の細分化、ガラス板支持手段の改善等の種々の方策が採られているが、これらの方策は、いずれも十分なTL値の低下防止効果をもたらさない上に、コスト面でも実用的な価格ではないという問題点がある。
【0011】
一方、遮音性能に対する要求は最近ますます高まっており、例えば建築物用の窓ガラスの場合、常温付近で優れた遮音性能を発揮することが要求される。即ち、温度に対してTL値をプロットして求められる、遮音性能が最も優れている温度{遮音性能最大温度(TLmax温度)}が常温付近であり、且つ、遮音性能の最大値{遮音性能最大値(TLmax値)}そのものが大きいという、優れた遮音性能が要求されている。
【0012】
交通車両用の窓ガラスの場合も同様な状況にあり、例えば高速走行時の風切り音やエンジン部からの振動音等に対し高い遮音性能の要求が増加しつつある。
【0013】
又、実際に使用される場合には、これら合わせガラスは低温域から高温域までの幅広い環境温度の変化に曝される。即ち、常温付近のみならず低温から高温までの広い温度範囲で優れた遮音性能を発揮することが要求される。しかし、従来の最も一般的な中間膜である可塑化ポリビニルブチラール樹脂膜を用いた合わせガラスの場合、遮音性能最大温度(TLmax温度)が常温より高く、常温付近での遮音性能は必ずしも良くないという問題点がある。
【0014】
これらの問題点に対応するため種々の試みがなされており、例えば、特開平2−229742号公報では、「高分子物質を主成分とするガラス転移温度が15℃以下の層Aと可塑化ポリビニルアセタール膜Bとがガラス板の間に積層されていることを特徴とする遮音性合わせガラス」が開示されている。
【0015】
しかし、上記開示にある遮音性合わせガラスは、JIS A−4706の規定による遮音等級でTs−35等級を超える遮音性能を発揮しない上に、良好な遮音性能を発揮する温度範囲が狭いという問題点がある。
【0016】
又、特開昭51−106190号公報では、「ガラス転移温度の異なる樹脂を2種類以上積層し、片面あるいは両面に金属板を接着した、或いはこれらの2種類以上の樹脂の間に金属板を設けたことを特徴とする防振用複合金属板」が開示されている。
【0017】
しかし、上記開示にある防振用複合金属板は、制振性が広い温度範囲において改善されていることは認められるものの、合わせガラスとして必要な遮音性や透明性、高い衝撃エネルギー吸収性、ガラス破損時の飛散防止性等の要件を満たすものではなく、合わせガラスとして用いられるものではない。
【0018】
さらに、特開平4−254444号公報では、「2種の樹脂膜(A)及び(B)からなる積層膜であって、樹脂膜(A)はポリビニルアルコールを炭素数6〜10のアルデヒドでアセタール化して得たポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とからなり、樹脂膜(B)はポリビニルアルコールを炭素数1〜4のアルデヒドでアセタール化して得たポリビニルアセタール樹脂と可塑剤とからなることを特徴とする遮音性合わせガラス用中間膜」が開示されている。
【0019】
しかし、上記開示にある遮音性中間膜は、確かに遮音性能の改善効果は認められ且つ温度変化による遮音性能の変動も大きくないが、過酷な条件下での実用面を考慮すると、これらの改善効果は未だ十分なものとは言えない。
【0020】
上述の如く、合わせガラスとして必要な基本性能に優れ、且つ、広い温度範囲において優れた遮音性能を長期にわたって安定的に発揮する合わせガラスを得るに適する合わせガラス用中間膜は未だ実用化されていないのが現状である。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、低温から高温までの広い温度範囲において優れた遮音性能を長期にわたって安定的に発揮し、且つ、透明性、耐候性、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、ガラスと中間膜との適正な接着力等の合わせガラスとして必要な基本性能にも優れる合わせガラスを得るに適する合わせガラス用中間膜、及び、その中間膜を用いた合わせガラスを提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の合わせガラス用中間膜では、合わせガラスの遮音性能を広い温度範囲で優れたものとするため、ポリビニルアセタール樹脂(a)と可塑剤(a)とから成る樹脂層(A)とポリビニルアセタール樹脂(b)と可塑剤(b)とから成る樹脂層(B)とを交互に積層させる。
【0023】
樹脂層(A)と樹脂層(B)とを交互に積層させることにより、樹脂層(A)の遮音性能の温度依存性と樹脂層(B)の遮音性能の温度依存性とが重なり、得られた積層膜(合わせガラス用中間膜)を用いて製せられた合わせガラスは広い温度範囲において優れた遮音性能を発揮し得るものとなる。
【0024】
一般に、積層膜によって例えばより低温側の遮音性能を向上させるためには、積層膜を構成する一方の樹脂層の遮音性能をより低温側にシフトさせる方法が採られる。具体的には、一方の樹脂層中の可塑剤添加量を増やして該樹脂層のガラス転移温度(Tg)をより低温にする方法である。
【0025】
しかし上記方法の場合、積層膜を構成する樹脂層の種類や構成によっては、可塑剤の添加量を増やした一方の樹脂層から他方の樹脂層に可塑剤が移行して所望のガラス転移温度低下が起こらないため、積層膜の低温側の遮音性能は向上せず、従って広い温度範囲における優れた遮音性能を実現できないことがある。即ち、一方の樹脂層に付与した遮音性能の温度依存性が積層膜では必ずしも発現されないという問題点がある。
【0026】
本発明者は、積層膜を構成する各樹脂層に付与した遮音性能の温度依存性が積層膜とされた後でも変化することのないよう鋭意検討した結果、各樹脂層に含有されるポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性及び一方の樹脂層と他方の樹脂層との層間の相溶性を制御することにより、上記問題点を解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0027】
即ち、請求項1に記載の合わせガラス用中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂(a)と、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート及びトリエチレングリコールジn−ヘプタノエートの内の少なくとも一種である可塑剤(a)とからなる樹脂層(A)と、ポリビニルアセタール樹脂(b)と、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート及びトリエチレングリコールジn−ヘプタノエートの内の少なくとも一種である可塑剤(b)とからなる樹脂層(B)との交互積層体であって、上記ポリビニルアセタール樹脂(a)と可塑剤(b)との混合溶液の曇り点(Tab)と上記ポリビニルアセタール樹脂(b)と可塑剤(a)との混合溶液の曇り点(Tba)との差の絶対値(|Tab−Tba|)が50℃以上であり、且つ、上記ポリビニルアセタール樹脂(a)と可塑剤(a)との混合溶液の曇り点(Taa)及び/又は上記ポリビニルアセタール樹脂(b)と可塑剤(b)との混合溶液の曇り点(Tbb)が50℃以下であることを特徴とする。
【0029】
本発明の合わせガラスは、少なくとも一対のガラス間に上記請求項1に記載の合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させてなることを特徴とする。
【0030】
本発明で言う曇り点とは、JIS K−2269「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」に準拠して測定される曇り点であり、具体的には、可塑剤100重量部に対しポリビニルアセタール樹脂8重量部を溶解した混合溶液を150℃以上に加熱した後、10〜30℃の雰囲気下に放置して温度を降下させた時に、上記混合溶液の一部に曇りが発生し始める温度を意味する。上記曇り点が低いほどポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶性が優れていると言える。
【0031】
上記曇り点の測定方法としては、例えば、混合溶液の外観を目視で観察する方法、混合溶液のヘーズ値をヘーズメーターで測定する方法、予め曇りの程度に関する複数段階の限度見本を作成しておき、この限度見本と対照して曇りを判定する方法等が挙げられる。
【0032】
本発明の合わせガラス用中間膜(以下、単に「中間膜」と記す)においては、樹脂層(A)に用いられるポリビニルアセタール樹脂(a)と樹脂層(B)に用いられる可塑剤(b)との混合溶液の曇り点(Tab)と樹脂層(B)に用いられるポリビニルアセタール樹脂(b)と樹脂層(A)に用いられる可塑剤(a)との混合溶液の曇り点(Tba)との差の絶対値(|Tab−Tba|)が50℃以上であることが必要であり、好ましくは70℃以上である。
【0033】
上記曇り点(Tab)は樹脂層(B)から樹脂層(A)への可塑剤(b)の移行のし易さを表し、上記曇り点(Tba)は樹脂層(A)から樹脂層(B)への可塑剤(a)の移行のし易さを表す。従って、上記曇り点(Tab)と曇り点(Tba)との差の絶対値(|Tab−Tba|)を50℃以上とすることにより、換言すればTab−TbaもしくはTba−Tabを50℃以上とすることにより、樹脂層(A)と樹脂層(B)との間の可塑剤の移行性を一方向に制御することが出来る。
【0034】
例えば、Tabが100℃であり、Tbaが20℃である場合、ポリビニルアセタール樹脂(b)と可塑剤(a)との相溶性の方がポリビニルアセタール樹脂(a)と可塑剤(b)との相溶性より優れており、しかもTab−Tbaは50℃以上であるので、樹脂層(A)から樹脂層(B)方向への可塑剤(a)の移行性が優先的に発生する。
【0035】
この場合、例えば中間膜の低温側の遮音性能を向上させるためには、樹脂層(B)中の可塑剤(b)の添加量を多くすれば良い。上述したように樹脂層(A)から樹脂層(B)方向への可塑剤(a)の移行性が優先的に発生するので、樹脂層(B)中の可塑剤(b)は樹脂層(A)方向へ移行することはなく、可塑剤(b)の多量添加により柔軟性を付与された樹脂層(B)の特性は中間膜内において保持される。従って、中間膜の低温側の遮音性能は当初の設計どおり向上する。
【0036】
しかし、曇り点(Tab)と曇り点(Tba)との差の絶対値(|Tab−Tba)が50℃未満であると、換言すればTab−TbaもしくはTba−Tabが50℃未満であると、樹脂層(A)と樹脂層(B)との間の可塑剤の移行性が一方向に止まらず、両方向に発生する。
【0037】
例えば、Tabが100℃でありTbaが60℃であって、Tab−Tbaが50℃未満である場合、樹脂層(B)中の可塑剤(b)も樹脂層(A)方向へ移行するので、可塑剤(b)の多量添加により柔軟性を付与された樹脂層(B)の特性は中間膜内において失われる。従って、中間膜の低温側の遮音性能は当初の設計どおりには向上しなくなる。
【0038】
又、本発明の中間膜においては、樹脂層(A)に用いられるポリビニルアセタール樹脂(a)と可塑剤(a)との混合溶液の曇り点(Taa)及び/又は樹脂層(B)に用いられるポリビニルアセタール樹脂(b)と可塑剤(b)との曇り点(Tbb)が50℃以下であることが必要であり、好ましくは20℃以下である。
【0039】
上記曇り点(Taa)はポリビニルアセタール樹脂(a)と可塑剤(a)との相溶性を表し、又、上記曇り点(Tbb)はポリビニルアセタール樹脂(b)と可塑剤(b)との相溶性を表す。従って、上記曇り点(Taa)及び/又は上記曇り点(Tbb)を50℃以下とすることにより、樹脂層(A)又は樹脂層(B)に用いられるそれぞれのポリビニルアセタール樹脂とそれぞれの可塑剤との相溶性は極めて優れたものとなる。
【0040】
その結果、樹脂層(A)又は樹脂層(B)中における可塑剤(a)又は可塑剤(b)の添加量が少量であってもポリビニルアセタール樹脂(a)又はポリビニルアセタール樹脂(b)に対し優れた可塑化効果を発揮すると共に、中間膜とされた時に隣接する樹脂層への可塑剤の移行も抑制される。
【0041】
しかし、上記曇り点(Taa)及び上記曇り点(Tbb)の両方が50℃を超えると、樹脂層(A)又は樹脂層(B)に用いられるそれぞれのポリビニルアセタール樹脂とそれぞれの可塑剤との相溶性は悪くなり、それぞれのポリビニルアセタール樹脂に対する十分な可塑化効果を得るためにはそれぞれの可塑剤の添加量を多くする必要が生じる。
【0042】
その結果、中間膜とされた時に隣接する樹脂層への可塑剤の移行が起こり易くなったり、合わせガラスとされた時に長期的な耐候性や耐久性が不十分となることがある。
【0043】
本発明の中間膜を構成する樹脂層(A)及び樹脂層(B)に用いられるポリビニルアセタール樹脂の調製方法としては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)を温水に溶解した水溶液を所定の温度(例えば0〜95℃)に保持しておいて、所要のアルデヒド及び酸触媒を添加し、攪拌しながらアセタール化反応を進行させ、次いで反応温度を上げて熟成することにより反応を完結させ、その後、中和、水洗及び乾燥を行って、ポリビニルアセタール樹脂を得る方法が挙げられる。
【0044】
上記ポリビニルアセタール樹脂の調製に用いられるPVAは、特に限定されるものではないが、平均重合度500〜5000のものが好ましく、より好ましくは1000〜3000である。PVAの平均重合度が500未満であると、樹脂層及び中間膜の強度が弱くなり過ぎて、合わせガラスとした時の耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性が不十分となることがあり、逆にPVAの平均重合度が5000を超えると、樹脂層の成形が困難となることがあり、しかも樹脂層及び中間膜の強度が強くなり過ぎて、合わせガラスとした時の耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性が不十分となることがある。又、上記PVAは、特に限定されるものではないが、鹸化度が70モル%以上のものが好ましい。PVAの鹸化度が70モル%未満であると、ポリビニルアセタール樹脂の透明性や耐熱性が低下したり、反応性が低下することがある。
【0045】
ポリビニルアセタール樹脂の調製に用いられるアルデヒドとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド等が挙げられる。
【0046】
こうして得られる各種ポリビニルアセタール樹脂のなかでも、PVAとホルムアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルホルマール樹脂、PVAとアセトアルデヒドとを反応させて得られる狭義のポリビニルアセタール樹脂、PVAとn−ブチルアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルブチラール樹脂(PVB)等が好適に用いられ、なかでも特に好適に用いられるのはPVBである。ポリビニルアセタール樹脂としてPVBを用いることにより、樹脂層及び中間膜の透明性、耐候性、ガラスに対する接着力等が優れたものとなる。
【0047】
上記ポリビニルアセタール樹脂は、特に限定されるものではないが、平均アセタール化度が40〜75モル%のものが好ましい。ポリビニルアセタール樹脂の平均アセタール化度が40モル%未満であると、後述する可塑剤との相溶性が低下することがあり、逆に75モル%を超える平均アセタール化度のポリビニルアセタール樹脂を得るためには長時間の反応を要することがあり、プロセス上好ましくない。
【0048】
上記ポリビニルアセタール樹脂は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。又、樹脂層(A)に用いられるポリビニルアセタール樹脂(a)と樹脂層(B)に用いられるポリビニルアセタール樹脂(b)とは、同一のものであっても良いし、異なるものであっても良い。
【0049】
本発明の中間膜を構成する樹脂層(A)及び樹脂層(B)に用いられる可塑剤としては、例えば、一塩基酸エステル系、多塩基酸エステル系等のエステル系可塑剤や、有機リン酸系、有機亜リン酸系等のリン酸系可塑剤等が挙げられる。
【0050】
一塩基酸エステル系可塑剤としては、例えば、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール等のグリコールと酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプタン酸、2−エチルヘキシル酸等の有機酸との反応によって得られるグリコール系エステル等が挙げられる。
【0051】
多塩基酸エステル系可塑剤としては、例えば、炭素数4〜8の直鎖状もしくは分枝状アルコールとアジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の有機酸との反応によって得られるエステル等が挙げられる。
【0052】
リン酸系可塑剤としては、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート等が挙げられる。
【0053】
上記各種可塑剤のなかでも、例えば、トリエチレングリコールジ2−エチルブチレート(3GH)、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジn−ヘプタノエート(3G7)、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジn−オクトエート、テトラエチレングリコールジ2−エチルブチレート、テトラエチレングリコールジn−ヘプタノエート、ジヘキシルアジペート、ジベンジルフタレート等が好適に用いられ、なかでも特に好適に用いられるのは3GH、3GO、3G7等である。
【0054】
上記可塑剤は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。又、樹脂層(A)に用いられる可塑剤(a)と樹脂層(B)に用いられる可塑剤(b)とは、同一のものであっても良いし、異なるものであっても良い。
【0055】
前記ポリビニルアセタール樹脂に対する上記可塑剤の添加量は、特に限定されるものではないが、中間膜の外層となる樹脂層、即ちガラスと接着する樹脂層では、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対し、可塑剤20〜60重量部であることが好ましく、より好ましくは30〜50重量部である。
【0056】
ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対する可塑剤の添加量が20重量部未満であると、ポリビニルアセタール樹脂の可塑化が不十分となることがあり、逆に60重量部を超えると、樹脂層及び中間膜の強度やガラスに対する接着力が不十分となることがある。
【0057】
前記ポリビニルアセタール樹脂と上記可塑剤との組合せのなかでも、ポリビニルアセタール樹脂としてポリビニルブチラール樹脂を用い、可塑剤として3GH、3GO及び3G7からなる群より選択される少なくとも1種を用いる組合せが特に好ましい。
【0058】
上記組合せによる樹脂層(A)及び樹脂層(B)からなる中間膜は、遮音性能のみならず、透明性、耐候性、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、ガラスと中間膜との適正な接着力等の基本性能に一段と優れる合わせガラスを得るに適する。
【0059】
樹脂層(A)及び/又は樹脂層(B)中には、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じて、ポリビニルアセタール樹脂及び可塑剤以外に、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、接着性調整剤、界面活性剤、着色剤等の各種添加剤の1種もしくは2種以上が添加されていても良い。
【0060】
本発明の中間膜は、樹脂層(A)と樹脂層(B)との交互積層体であることが必要である。
【0061】
上記交互積層体において、例えば、樹脂層(A)より樹脂層(B)の方が可塑剤の添加量が多くより柔軟性に富む場合、樹脂層(A)を外層、即ちガラスとの接触層とし、樹脂層(B)を内層、即ちガラスとの非接触層とすることが好ましい。
【0062】
樹脂層(A)を外層とすることにより、中間膜の取扱い性や機械的強度がより良好なものとなる。逆に樹脂層(B)を外層とすると、その柔軟性により中間膜の取扱い性が悪くなる。
【0063】
又、交互積層体の構成としては、特に限定されるものではないが、例えば、樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A)からなる三層積層体や樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A)からなる五層積層体等が好ましい。
【0064】
本発明の中間膜の厚みは、特に限定されるものではないが、通常の中間膜同様、0.3〜1.6mmであることが好ましい。遮音性能そのものは中間膜の厚みが厚いほど優れたものとなるが、中間膜の厚みが厚くなり過ぎると合わせガラスとした時の耐貫通性や衝撃エネルギー吸収性が低下することがあるので、上記範囲の厚みであることが好ましい。
【0065】
本発明の中間膜の製造方法としては、例えば、樹脂層(A)と樹脂層(B)とをそれぞれ別々に成形(製膜)した後、これらを交互に積層する方法や、多層成形機を用いて、樹脂層(A)と樹脂層(B)とが交互に積層されるように一体成形する方法等が挙げられる。
【0066】
次に、本発明の合わせガラスは、少なくとも一対のガラス間に上述した本発明の中間膜を介在させ、一体化させることにより作製される。
【0067】
上記ガラスには、通常の無機透明ガラスのみならず、例えばポリカーボネート板やポリメチルメタクリレート板等のような有機透明ガラスも包含される。
【0068】
上記ガラスの種類としては、特に限定されるものではないが、例えば、フロート板ガラス、磨き板ガラス、平板ガラス、曲板ガラス、並板ガラス、型板ガラス、金網入り型板ガラス、着色されたガラス等の各種無機ガラスや有機ガラスが挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。又、上記ガラスの厚みは、用途や目的によって適宜選択されれば良く、特に限定されるものではない。
【0069】
上記合わせガラスの製造方法は、特別なものではなく、通常の合わせガラスの場合と同様の製造方法が採用される。例えば、二枚の透明なガラス板の間に、本発明の中間膜を挟み、これをゴムバックに入れて減圧下で吸引脱気しながら温度70〜110℃程度で予備接着した後、オートクレーブもしくはプレスを用いて、温度120〜150℃程度、圧力10〜15kg/cm2 程度の条件で加熱加圧して本接着を行うことにより所望の合わせガラスを得ることが出来る。
【0070】
【作用】
本発明の中間膜は、ポリビニルアセタール樹脂(a)と可塑剤(a)とからなる樹脂層(A)と、ポリビニルアセタール樹脂(b)と可塑剤(b)とからなる樹脂層(B)とが交互に積層されてなり、且つ、ポリビニルアセタール樹脂(a)と可塑剤(b)との混合溶液の曇り点(Tab)とポリビニルアセタール樹脂(b)と可塑剤(a)との混合溶液の曇り点(Tba)との差の絶対値(|Tab−Tba|)が特定値以上となるように設定されており、ポリビニルアセタール樹脂(a)と可塑剤(a)との混合溶液の曇り点(Taa)及び/又はポリビニルアセタール樹脂(b)と可塑剤(b)との混合溶液の曇り点(Tbb)が特定値以下となるように設定されているので、低温から高温までの広い温度範囲において優れた遮音性能を長期安定的に発揮すると共に、透明性、耐候性、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、ガラスと中間膜との適正な接着力等の基本性能にも優れる合わせガラスを得るに適する。
【0071】
又、ポリビニルアセタール樹脂としてポリビニルブチラール樹脂を用い、可塑剤として3GH、3GO及び3G7からなる群より選択される少なくとも1種を用いることにより、上記性能を一段と向上させることが出来る。
【0072】
本発明の合わせガラスは、上記本発明の中間膜を用いて製せられるので、低温から高温までの広い温度範囲において優れた遮音性能を長期安定的に発揮し、且つ、透明性、耐候性、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、ガラスと中間膜との適正な接着力等の基本性能にも優れる。
【0073】
【発明の実施の形態】
本発明をさらに詳しく説明するため以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は「重量部」を意味する。
【0074】
(参考例1)
【0075】
(1)樹脂層(A)の作製
ポリビニルアセタール樹脂(a)としてポリビニルブチラール樹脂{PVB−a(ブチラール化度:65.9モル%、アセチル基量:0.9モル%)}100部に対し、可塑剤(a)としてトリエチレングリコールジ2−エチルブチレート(3GH)40部を添加し、ミキシングロールで十分に混練した後、混練物をプレス成形機を用いて、150℃で30分間プレス成形し、膜厚0.2mmの樹脂層(A)を作製した。
【0076】
(2)樹脂層(B)の作製
ポリビニルアセタール樹脂(b)としてポリビニルブチラール樹脂{PVB−b(ブチラール化度:57.3モル%、アセチル基量:13.0モル%)}100部に対し、可塑剤(b)として3GH65部を添加し、ミキシングロールで十分に混練した後、混練物をプレス成形機を用いて、150℃で30分間プレス成形し、膜厚0.4mmの樹脂層(B)を作製した。
【0077】
(3)曇り点の測定
上記で用いたPVB−aと3GHとの混合溶液の曇り点(Taa)及びPVB−bと3GHとの混合溶液の曇り点(Tbb)を以下の方法で測定した。その結果は表1に示すとおりであった。尚、参考例1では樹脂層(A)用の可塑剤と樹脂層(B)用の可塑剤とは同一(3GH)であったので、曇り点(Tab)は曇り点(Taa)と等しく、曇り点(Tba)は曇り点(Tbb)と等しかった。
〔曇り点の測定〕ガラス製試験管に可塑剤100部及びPVB8部を入れ、170℃に加熱して、PVBを可塑剤に溶解させ、PVB−可塑剤溶液を得た。次いで、この溶液の温度を熱電対で測定しながら攪拌冷却し、溶液の一部が曇り始めた温度を読み取り、この温度を曇り点とした。
【0078】
(4)中間膜及び合わせガラスの作製
上記で得られた樹脂層(A)及び樹脂層(B)を用い、積層構成が樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A)となるように積層して、三層中間膜を得た。次いで、この中間膜を2枚の透明なフロートガラス(縦30cm×横30cm×厚み3mm)の間に挟み、これをゴムバックに入れて20torrの真空度で20分間脱気した後、脱気したままの状態で90℃のオーブンに移し、90℃で30分間保持して、真空プレスにより合わせガラスの予備接着を行った。
【0079】
次いで、上記予備接着された合わせガラスをオートクレーブに入れ、温度135℃、圧力12kg/cm2 の条件で20分間本接着を行って、透明な合わせガラスを作製した。
【0080】
(5)評価
上記で得られた合わせガラスの遮音性を以下の方法で評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0081】
遮音性の評価法:上記で得られた合わせガラスから供試体を切り出し、この供試体をダンピング試験用の振動発生機(商品名「G21−005D」、振研社製)により加振し、そこから得られる振動特性を、機械インピーダンスアンプ(商品名「XG−81」、リオン社製)にて増幅し、振動スペクトルをFFTアナライザー(商品名「FFTスペクトラムアナライザーHP−3582AA」、横河ヒューレットパッカー社製)により解析した。こうして得られた損失係数と、ガラスとの共振周波数の比とから、周波数(Hz)と透過損失(dB)との関係を示すグラフを作成し、周波数2000Hz近辺における極小の透過損失{TL値(dB)}を求めた。尚、測定は、0℃、10℃、20℃及び30℃の各温度でそれぞれ行い、遮音性の合格基準をTL値(dB)30以上とした。
【0082】
(実施例1)ポリビニルアセタール樹脂(a)としてポリビニルブチラール樹脂{PVB−c(ブチラール化度:68.9モル%、アセチル基量:0.9モル%)}100部に対し、可塑剤(a)としてトリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート(3GO)39部を添加したこと以外は参考例1の場合と同様にして、膜厚0.2mmの樹脂層(A)を作製した。又、ポリビニルアセタール樹脂(b)としてポリビニルブチラール樹脂{PVB−d(ブチラール化度:63.6モル%、アセチル基量:13.0モル%)}100部に対し、可塑剤(b)として3GO65部を添加したこと以外は参考例1の場合と同様にして、膜厚0.4mmの樹脂層(B)を作製した。
【0083】
(実施例2)実施例1で作製した樹脂層(A)をそのまま樹脂層(A)として用いた。又、ポリビニルアセタール樹脂(b)としてポリビニルブチラール樹脂{PVB−e(ブチラール化度:64.5モル%、アセチル基量:13.0モル%)}100部に対し、可塑剤(b)として3GO60部を添加したこと以外は参考例1の場合と同様にして、膜厚0.4mmの樹脂層(B)を作製した。
【0084】
(実施例3)ポリビニルアセタール樹脂(a)として参考例1で用いたPVB−a100部に対し、可塑剤(a)としてトリエチレングリコールジn−ヘプタノエート(3G7)40部を添加したこと以外は参考例1の場合と同様にして、膜厚0.1mmの樹脂層(A)を作製した。又、ポリビニルアセタール樹脂(b)として参考例1で用いたPVB−b100部に対し、可塑剤(b)として3G765部を添加したこと以外は参考例1の場合と同様にして、膜厚0.2mmの樹脂層(B)を作製した。
【0085】
(参考例2)ポリビニルアセタール樹脂(a)として実施例1で用いたPVB−c100部に対し、可塑剤(a)として3GH40部を添加したこと以外は参考例1の場合と同様にして、膜厚0.2mmの樹脂層(A)を作製した。又、ポリビニルアセタール樹脂(b)として参考例1で用いたPVB−b100部に対し、可塑剤(b)として3GH70部を添加したこと以外は参考例1の場合と同様にして、膜厚0.4mmの樹脂層(B)を作製した。
【0086】
(比較例1)実施例1で作製した樹脂層(A)をそのまま樹脂層(A)として用いた。又、ポリビニルアセタール樹脂(b)として参考例1で用いたPVB−b100部に対し、可塑剤(b)として3G770部を添加したこと以外は参考例1の場合と同様にして、膜厚0.4mmの樹脂層(B)を作製した。
【0087】
(比較例2)ポリビニルアセタール樹脂(a)として参考例1で用いたPVB−a100部に対し、可塑剤(a)として3GO40部を添加したこと以外は参考例1の場合と同様にして、膜厚0.2mmの樹脂層(A)を作製した。又、ポリビニルアセタール樹脂(b)として参考例1で用いたPVB−b100部に対し、可塑剤(b)として3GO65部を添加したこと以外は参考例1の場合と同様にして、膜厚0.4mmの樹脂層(B)を作製した。
【0088】
(比較例3)実施例1で作製した樹脂層(A)をそのまま樹脂層(A)として用いた。又、比較例2で作製した樹脂層(B)をそのまま樹脂層(B)として用いた。
【0089】
(比較例4)実施例1で作製した樹脂層(A)をそのまま樹脂層(A)として用いた。又、ポリビニルアセタール樹脂(b)として参考例1で用いたPVB−b100部に対し、可塑剤(b)として3GO80部を添加したこと以外は参考例1の場合と同様にして、膜厚0.4mmの樹脂層(B)を作製した。
【0090】
実施例1〜3、参考例2及び比較例1〜4で用いた各ポリビニルアセタール樹脂(a)、各可塑剤(a)、各ポリビニルアセタール樹脂(b)及び各可塑剤(b)を組み合わせ、参考例1の場合と同様にして、曇り点(Tab)、曇り点(Tba)、曇り点(Taa)及び曇り点(Tbb)をそれぞれ測定した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0091】
実施例1,2、参考例2及び比較例1〜4で作製した各樹脂層(A)及び各樹脂層(B)を用い、参考例1の場合と同様にして、三層中間膜及び合わせガラスを作製した。又、実施例3においては、積層構成が樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A)/樹脂層(B)/樹脂層(A)となるように積層して、五層中間膜を作製した。上記中間膜を用いたこと以外は参考例1の場合と同様にして、合わせガラスを作製した。
【0092】
実施例1〜3、参考例2及び比較例1〜4で得られた合わせガラスの遮音性能を参考例1の場合と同様にして評価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0093】
【表1】
【0094】
表1から明らかなように、本発明による実施例1〜3及び参考例1,2の中間膜を用いて作製した実施例1〜3及び参考例1,2の合わせガラスは、いずれも0℃〜30℃の広い温度範囲において優れた遮音性能を発揮した。
【0095】
これに対し、曇り点(Tab)と曇り点(Tba)との差(Tab−Tba)が50℃未満であった比較例1の中間膜を用いて作製した比較例1の合わせガラス、及び、曇り点(Taa)及び曇り点(Tbb)のいずれもが50℃を超えていた比較例2〜4の中間膜を用いて作製した比較例2〜4の合わせガラスは、いずれも低温側の温度範囲(0℃〜10℃)における遮音性能が悪かった。
【0096】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の合わせガラス用中間膜は、低温から高温までの広い温度範囲において優れた遮音性能を長期にわたって安定的に発揮し、且つ、透明性、耐候性、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、ガラスと中間膜との適正な接着力等の合わせガラスとして必要な基本性能にも優れる合わせガラスを得るに適する。
【0097】
又、上記中間膜を用いた本発明の合わせガラスは、低温から高温までの広い温度範囲において優れた遮音性能を長期にわたって安定的に発揮すると共に、合わせガラスとして必要な上記基本性能にも優れるので、特に高い遮音性能が要求される建築物や交通車両等の窓ガラス用遮音性合わせガラスとして好適に用いられる。
【0098】
【図面の簡単な説明】
【図1】合わせガラスの遮音性能を示すグラフである。
Claims (1)
- ポリビニルアセタール樹脂(a)と、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート及びトリエチレングリコールジn−ヘプタノエートの内の少なくとも一種である可塑剤(a)とからなる樹脂層(A)と、
ポリビニルアセタール樹脂(b)と、トリエチレングリコールジ2−エチルヘキサノエート及びトリエチレングリコールジn−ヘプタノエートの内の少なくとも一種である可塑剤(b)とからなる樹脂層(B)との交互積層体であって、
上記ポリビニルアセタール樹脂(a)と可塑剤(b)との混合溶液の曇り点(Tab)と上記ポリビニルアセタール樹脂(b)と可塑剤(a)との混合溶液の曇り点(Tba)との差の絶対値(|Tab−Tba|)が50℃以上であり、且つ、上記ポリビニルアセタール樹脂(a)と可塑剤(a)との混合溶液の曇り点(Taa)及び/又は上記ポリビニルアセタール樹脂(b)と可塑剤(b)との混合溶液の曇り点(Tbb)が50℃以下であることを特徴とする合わせガラス用中間膜。
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