以下、本発明の自走式リサイクル機械の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施の形態は、例えば、森林で伐採された木材を枝払いするときに発生する剪定枝材・間伐材や、造成・緑地維持管理等で発生する枝木材、あるいは木造家屋に使用された廃木材等の被破砕木材をリサイクル原料として受入れて破砕処理してリサイクル品としての破砕物を生成するいわゆる自走式木材破砕機を例に挙げて説明する。
図1は本発明の自走式リサイクル機械の一実施の形態の全体構造を表す側面図、図2は図1に示した本発明の自走式リサイクル機械の一実施の形態の平面図、図3は後述する破砕装置12近傍の側面カバー内部の詳細構造を表す側面図である。なお、以下において、図1中の左・右に対応する方向を自走式リサイクル機械の後・前、又は一方・他方とする。
これら図1乃至図3において、1は自力走行を可能にする走行体、2はこの走行体1上に設けられ受け入れたリサイクル原料(被破砕木材)を処理(破砕処理)する処理機能構成部、3はこの処理機能構成部2で破砕されたリサイクル品(破砕物、木材チップ)を搬送し機外に排出する排出コンベア、4は搭載した各機器の動力源(エンジン142、後述)等を備えた動力装置(パワーユニット)で、本例の自走式リサイクル機械は、これら走行体1、処理機能構成部2、排出コンベア3、動力装置4等によって概略構成されている。
上記走行体1は、トラックフレーム5と、このトラックフレーム5の前後両端部に設けた駆動輪6及び従動輪7と、出力軸を駆動輪6の軸に連結した駆動装置(走行用油圧モータ)8と、駆動輪6及び従動輪7に掛け回した履帯(無限軌道履帯)9とで構成されている。36は走行体1のトラックフレーム5上に設けた本体フレームで、この本体フレーム36によって、上記処理機能構成部2や排出コンベア3、動力装置4等が支持されている。
上記処理機能構成部2は、投入される被破砕木材を受け入れるホッパ10と、このホッパ10内に収容配置された被破砕木材の搬送手段としての送りコンベア11と、この送りコンベア11によって導入された被破砕木材を破砕する破砕装置12(後の図3等参照)と、この破砕装置12の手前で破砕装置12に導入される被破砕木材を送りコンベア11に押し付ける押圧コンベア装置13(後の図3等参照)とを備えている。ホッパ10、破砕装置12、動力装置4は、それぞれ本体フレーム36の長手方向一方側(図1中の左側)、ほぼ中央、長手方向他方側(図1中の右側)の上部に設けられている。
図4はホッパ10の後端近傍の詳細構造を表す側面図、図5はこの図4中のV−V矢視断面図、図6は後方から見たホッパ10の正面図で、これらの図において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。但し、図4においては、後述する外壁体15を取り外した状態を図示している。
図4乃至図6において、ホッパ10は、有底形状に形成され、本体フレーム36の破砕ロータ61(後述)の後方側にほぼ水平に設けられており、送りコンベア11の後方側に設けた後壁体14と、幅方向左右両側の外壁体15と、外壁体15の内側で送りコンベア11の幅方向両側に設けられ、外壁体15との間に間隙が確保されるように複数の部材でL字型に構成された側壁体16と、外壁体15及び側壁体16の上部に掛け渡すようにして、上方に向かって拡開形状に設けられた拡開部(あおり部)17と、送りコンベア11の下方側に僅かに間隙を介するように底部全面に設けた底壁体18と、前方側端部の前壁体19とを備えている。後壁体14の上端は送りコンベア11の搬送面と同等かそれよりも僅かに高い程度、前壁体19の上端は送りコンベア11の搬送面よりも僅かに低い程度に、それぞれ設定されている。
図7は、送りコンベア11の後端部の詳細構造を表す図6中のVII−VII矢視断面図で、この図において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
本実施の形態において、ホッパ10の底壁体18は、固定部20と、後端に位置する開閉部21とに分割されている。固定部20は、側壁体16に固定されているのに対し、開閉部21は、後壁体14に固定されている。後壁体14の上端部には、ブラケット22を介してピン23が設けられており、後壁体14は、このピン23を支点に側壁体16に対し回動可能に取り付けられている。これによって、後壁体14に固定された開閉部21が後壁体14とともに回動し、底壁体18の後端部が開閉可能な構成となっている。なお、開閉部21上には、送りコンベア11の後端部の軌跡に僅かな間隙を介して沿うように円弧状に形成した案内部材35が設けられ、投入される被破砕木材が送りコンベア11の後方のスペースに入り込むことを防止している。
24,25は開閉部21を閉状態で保持するためのロック機構で、ロック機構24はL字型の側壁体16の底部の後端部に渡したビーム26の後端面に、ロック機構25はロック機構24よりもやや前方位置における側壁体16の底部上面に、それぞれ設けられている。
図8(a)及び図8(b)は、それぞれ図7と同じ方向から見たロック機構24の詳細図で、これらの図において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。なお、詳細な説明は省略するが、ロック機構25の構成もロック機構24と同様である。
図8(a)及び図8(b)において、ロック機構24は、ビーム26に複数のボルト27によって固定された支持板28と、この支持板28に所定の間隔で設けられた2枚のブラケット29と、これらブラケット29に挿通するピン30と、ピン30の外周部にほぼ直角に設けたハンドル31と、このハンドル31を係止するための係止部材32と、後壁体14の下端部に固定されたブラケット33とを備えている。
このように構成することで、図8(a)のように、ピン30が後壁体14側のブラケット33に挿入され、ハンドル31がブラケット29と係止部材32との間に係止されているときには、ピン30を介して後壁体14が側壁体16に対して固定され、底壁体18の開閉部21は閉状態で保持される。一方、ハンドル31がほぼ水平となる位置にピン30を回転させ、ハンドル31を係止部材32の切り欠き部を通してピン30をスライドさせ、図8(b)のようにブラケット33からピン30を抜くことにより、後壁体14と側壁体16との間の拘束が解かれる。本例では、もう一つのロック機構25を設けているので、同じように、ロック機構25側も開閉部21側に設けたブラケットからピンを抜くことにより、開閉部21の拘束が完全に解かれ、開閉部21の開閉が可能となる。開閉部21が開放された状態を、図7と対応させて図9に示した。この状態とすることで、ホッパ10内に木材片が滞留した場合には、メンテナンス時等にそれを容易に排出することができる。
なお、34はピン30の脱落を防止するスナップリングで、このスナップリング34は、ブラケット29,29の間に位置するようにピン30の外周部に設けられている。本例においては、図8(a)のロック時、図8(b)のロック解除時に、それぞれ内側、外側のブラケット29に当接する位置にスナップリング34を設けることにより、ピン30のストロークを適当な長さに制限してある。
上記送りコンベア11は、破砕ロータ61(後述)側に設けられたスプロケット状の駆動輪40(図3参照)と、その反対側(自走式リサイクル機械前方側、後壁体14側)に設けた従動輪41(図7等参照)と、これら搬送方向両端部に設けた駆動輪40及び従動輪41の間に巻回され、幅方向に複数列(この例では4列、図2参照)列設された搬送体(搬送ベルト、チェーンベルト)42とを備えている。なお、搬送体42については、繁雑防止のため、先の図3、後の図11及び図17中では図示省略してある。
従動輪41は、ホッパ10の側壁体16後部の外壁面に設けた軸受43(図4参照)よって支持され、駆動輪40は、側壁体16の前方側にほぼ同一面上に位置するように設けた破砕装置12の側面カバー45(後述)における外壁面に設けた軸受46(後述、図10参照)によって支持されている。これにより、送りコンベア11は、上記ホッパ10内の下部、すなわちホッパ10の側壁体16の内側からから破砕ロータ61(後述)近傍にかけ、ほぼ水平に延設されホッパ10及び破砕装置12の側面カバー45(後述)内に収納配置されている。
図10は上記破砕装置12付近の側面図、図11はその内部構造を詳細に表す断面図で、これらの図において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
図10及び図11において、45はホッパ10の前方に設けた破砕装置12の側面カバー、46はこの側面カバー45の外壁面に設けた送りコンベア11の軸受である。送りコンベア11の駆動輪40の回転軸は、軸受46よりも幅方向外側に設けた駆動装置(送りコンベア用油圧モータ、図示せず)の出力軸にカップリング等を介して連結している。送りコンベア11は、その図示しない駆動装置を回転駆動させることにより、駆動輪40及び従動輪41の間で搬送体42を循環駆動させるようになっている。なお、前述したホッパ10の底壁体18は、図11に示したように(図3も参照)、駆動輪40の下方にまで延在され、その先端部は、側面カバー45内に臨んでいる。
47は駆動輪40の回転軌跡に近接するように曲成され、ホッパ10の底壁体18及び前壁体19に連接した案内部材、48は駆動輪40の回転軌跡よりも若干低位置でかつ駆動輪40との対向端部が極力駆動輪40の回転軌跡に近接するように前壁体19の上部に配置したスクレーパである。これら案内部材47及びスクレーパ48の幅方向端部は、破砕装置12の側面カバー45に固定されている。
前述の押圧コンベア装置13は、破砕ロータ61(後述)の後方側に近接するように、被破砕木材を搬送する送りコンベア11の搬送面(上側の面)に対向して設けられている。この押圧コンベア装置13は、破砕機側面カバー45に軸受50(図11参照)によってその回動軸51(図3参照)が軸支され、これにより鉛直面内を回動自在に(上下方向に揺動自在に)支持された支持部材52と、この支持部材52に対し回転自在に設けられた押えローラ53とを備えている。
支持部材52は、回動軸51を備えたアーム部54と、このアーム部54の先端側に設けられ、押えローラ53を支持しているブラケット部55とを備えている。アーム部54の下部側の端面は円弧状に湾曲して形成されており、この湾曲部には、後述する破砕室60の一部を構成する湾曲板68が取付けられている。一方、ブラケット部55における押えローラ53の取付け部分は、押えローラ53よりも小径の円弧状に形成されており、押えローラ53の外周面がブラケット部55から突出した構成となっている。押えローラ53の幅方向(図3中の紙面直交方向)の寸法は、送りコンベア11の搬送面の幅と同等かそれよりも大きく設定されている。
図3、図11において、56,57は押えコンベア装置13の回動動作を制限するストッパで、これらストッパ56,57は、押えローラ53が送りコンベア11の駆動輪40の近接位置まで下がると、ブラケット部55、湾曲板68がそれぞれ当接するように破砕機側面カバー45の内側に配置されている。また、特に図示していないが、押えローラ53は、その胴部内に駆動装置(押えローラ用油圧モータ)を内蔵しており、この図示しない駆動装置によって、送りコンベア11の搬送面に転動する方向に被破砕木材の搬送速度とほぼ同じ周速度で回転し、押え込んだ送りコンベア11上の被破砕木材を送りコンベア11と協動して破砕装置12に導入するようになっている。
前述の破砕装置12は、本体フレーム36の長手方向ほぼ中央部上に搭載されており、図3及び図11に示すように、破砕室60内で高速回転する破砕ロータ61と、この破砕ロータ61の回転方向(正転方向、図3中時計回り方向)に対向するように配置した第1アンビル62及び第2アンビル63とを備えている。詳細は後述するが、第1及び第2アンビル62,63は、例えば過度な衝撃が加わった場合等には、破砕ロータ61の正転方向に倣う方向に退避するように回動可能な構成となっている(図11等参照)。
破砕ロータ61は、例えば破砕装置12の側面カバー45(又は本体フレーム36上に別途設けた図示しない支持部材)等に設けた軸受(図示せず)によって回転自在に軸支されており、その外周部には、複数の支持部材64と、これら支持部材64にそれぞれ取り付けられた破砕ビット(衝突板、或いは破砕刃等)65とが設けられている。破砕ビット65は、破砕ロータ61が正転方向に回転する際にその刃面が支持部材64に先行するように配置されている。また、各破砕ビット65は、ボルト66等によって支持部材64に固定され、摩耗した場合にも容易に交換可能な構成となっている。なお、図10において、67は破砕ロータ61を回転駆動させる駆動装置(破砕ロータ用油圧モータ)で、この駆動装置67は、特に図示していないが、破砕装置12の側面カバー45に対してボルト等によって固定されており、その出力軸は、例えばベルト等を用いた駆動伝達機構を介して破砕ロータ61の回転軸に連結されている。
前述した破砕室60は、破砕ロータ61に対し、それぞれ上方側に設けた前述の湾曲板68や、前方側及び下方側にそれぞれ設けられ、破砕木材(木材チップ)の粒度を設定する口径で開口した多数の孔を有する第1スクリーン(第1篩部材)69及び第2スクリーン(第2篩部材)70等によって概ね画定され、その後方側は被破砕木材導入部として解放されている。湾曲板68は、前述したように押えコンベア装置13のアーム部54の湾曲部に取付けられており、押えコンベア装置13の上下の揺動動作に伴って可動する構成となっている。この湾曲板68と同様、第1及び第2スクリーン69,70は、破砕作業時、破砕ビット65との間にそれぞれ所定の間隙を介して破砕ロータ61の回転軌跡にほぼ沿うように円弧状に形成され、それぞれが可動するようになっている(詳細は後述)。
図12及び図13は第1アンビル62及び第1スクリーン69付近の構成を抽出しそれらの可動機構の詳細を表す図、図14は図12中のXIV−XIV矢視断面図で、これらの図において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
図12乃至図14において、71は第1アンビル62を取付けたアームで、このアーム71は、幅方向(図14中の左右方向)に一対設けられ、2本の回動軸72,73及びビーム74によって連結されており、例えば破砕機側面カバー45(図10参照)の外壁面に設けた軸受75によって一方の回動軸72が支持されることにより、回動軸72を支点に回動可能な構成となっている。なお、回動軸72,73の向きは、それぞれ破砕ロータ61の回転軸とほぼ平行である。
アーム71は、その前端部が破砕機側面カバー45に固定した支持部材76にシアピン77を介して連結されることにより、破砕作業時(例えば図3の状態のとき)、その第1アンビル62が、上記湾曲板68の周方向(破砕ロータ61の周方向)一方側(図12中の下側)でかつ湾曲板68の内壁面よりも径方向(破砕ロータ61の径方向)内側に突出するような姿勢で固定、保持されている。したがって、第1アンビル62に、シアピン77の許容を超えた衝撃荷重がかかった場合等は、シアピン77が破断してアーム71の拘束が解かれ、アーム71が破砕室60から退避するようになっており、各部の損傷が防止される。
このとき、アーム71の回動動作は、例えば回動軸72の回転を検出するセンサにより検出され、このセンサによってアーム71の回動が検出されると、図示しないコントローラによって破砕ロータ61の駆動装置67を停止させる指令信号が出力されるようになっている。
なお、78は例えば破砕機側面カバー45(又は本体フレーム36上に別途設けた図示しない支持部材)に対して固定されたストッパで、このストッパ78は、アーム71と他の構成部材との干渉を防止するため、第1アンビル62の退避方向へのアーム71の回動範囲を制限している。
80は第1スクリーン69を外周側からアーム71に押し付けて保持する枠型のスクリーン支持部材(バナナプレート)で、このスクリーン支持部材80は、その周方向(破砕ロータ61の周方向)一方側(図12では下側)端部が先の回動軸73を介してアーム71に連結されている。また、スクリーン支持部材80の周方向他方側端部は、油圧シリンダ81を介して先のビーム74に連結されている。油圧シリンダ81の両端は、それぞれスクリーン支持部材80、ビーム74にピンを介して回動可能に連結されており、この油圧シリンダ81の伸縮動作に伴ってスクリーン支持部材80がアーム71に対して回動する。つまり、油圧シリンダ81を縮めることにより、スクリーン支持部材80が第1スクリーン69から離間し、第1スクリーン69を容易に交換できる構成となっている。図10及び図11において、82は第1スクリーン69の交換作業に配慮して破砕機側面カバー45に設けた第1スクリーン69の引き出し、挿入用の開口部で、特に図示していないが、この開口部82には、例えばボルト着脱式のカバー等が取付けられる。
図14において、85はスクリーン支持部材80のロック機構で、このロック機構85は、アーム71と固定関係にあるブラケット86と、このブラケット86にボトム側端部が固定され幅方向(図14中左右方向)に設けたロックシリンダ87と、このロックシリンダ87のロッド側端部及びスクリーン支持部材80にそれぞれ固定され互いに係合するテーパ部を有するテーパブロック88,89と、ロックシリンダ87の伸縮動作に伴うテーパブロック88のスライド動作をガイドするガイド部材90とを備えている。
アーム71と固定関係にあるテーパブロック88は、スクリーン支持部材80及びアーム71の間に第1スクリーン69が狭持されているとき、径方向(破砕ロータ61の径方向)外側からスクリーン支持部材80に設けたテーパブロック89に係合する。すなわち、第1スクリーン69が挟持されているときに、ロックシリンダ87を伸長させ、テーパブロック88,89を係合させることにより、スクリーン支持部材80の回動動作は拘束され、第1スクリーン69は破砕作業持の破砕室60を確定する位置(図3の位置)で強固に固定、保持される。前述のように油圧シリンダ81の縮退によりスクリーン支持部材80を回動させ第1スクリーン69を交換する場合、ロックシリンダ87を縮退させ、テーパブロック88,89の係合を解いた上で行う。このロック解除時の状態を図14に対応させて図15に示した。なお、本実施の形態では、ロック機構85を第1スクリーン69の幅方向(図14中左右方向)両側に設けているが、片側のみで足りる場合にはどちらかを省略しても良い。
図3、図10乃至図11に戻り、91は第2アンビル63を取付けた枠型のアームで、このアーム91は、例えば破砕機側面カバー45(図10参照)の外壁面(又は本体フレーム36上に別途設けた図示しない支持部材)に設けた軸受92によってその回動軸(図示せず)が支持され、その回動軸を支点に回動可能な構成となっている。該回動軸の向きは、破砕ロータ61の回転軸とほぼ平行である。
アーム91は、その前端部が破砕機側面カバー45に固定した支持部材93にシアピン94を介して連結されることにより、破砕作業時(例えば図3の状態のとき)、第2アンビル63が、第1スクリーン69の周方向(破砕ロータ61の周方向)一方側(図3中下側)でかつ第1スクリーン69の内壁面よりも径方向(破砕ロータの径方向)内側に突出するような姿勢で固定、保持されている。したがって、第2アンビル63に、シアピン94の許容を超えた衝撃荷重がかかった場合等は、シアピン94が破断してアーム91の拘束が解かれ、アーム91が破砕室60から退避するようになっており、各部の損傷が防止される。
このとき、アーム91の回動動作は、例えばその回動軸の回転を検出するセンサにより検出され、このセンサによってアーム91の回動が検出されると、図示しないコントローラによって破砕ロータ61の駆動装置67を停止させる指令信号が出力されるようになっている。
なお、95は例えば破砕機側面カバー45(又は本体フレーム36上に別途設けた図示しない支持部材)に対して固定されたストッパで、このストッパ95は、アーム91と他の構成部材との干渉を防止するため、第2アンビル63の退避方向へのアーム91の回動範囲を制限している。
図16(a)乃至図16(c)は、前述した第2スクリーン70付近の構成を抽出しその可動機構の詳細を表す図で、この図において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
図16において、97は第2スクリーン70の押え板で、この押え板97は、その外周部が第2スクリーン70の内壁面との湾曲とほぼ一致するように形成されており、破砕作業時(図16(a)の状態のとき)、例えば破砕機側面カバー45(又は本体フレーム36上に別途設けた図示しない支持部材)の内壁面に対し、外周部に第2スクリーン70の内壁面が当接するようにボルト等によって固定されている。98は第2スクリーン70を外周側から押え板97に押し付けて保持する枠型のスクリーン支持部材(バナナプレート)である。このスクリーン支持部材98は、その周方向(破砕ロータ61の周方向)一方側(図16では左側)端部に設けた回動軸99が破砕機側面カバー45(又は本体フレーム36上に別途設けた図示しない支持部材)に固定した軸受100によって支持され、上下方向に回動する構成となっている。
スクリーン支持部材98の周方向他方側端部は、油圧シリンダ101を介し、破砕機側面カバー45の外壁面にボルト等で固定した支持部材102に連結されている。油圧シリンダ101の両端は、それぞれスクリーン支持部材98、支持部材102にピンを介して回動可能に連結されており、この油圧シリンダ101の伸縮動作に伴ってスクリーン支持部材98が回動軸99を支点に回動する。これにより、油圧シリンダ98を伸長することにより、スクリーン支持部材98が第2スクリーン70から離間し、第2スクリーン70を容易に交換できる構成となっている。図10及び図11において、103は第2スクリーン70の交換作業に配慮して破砕機側面カバー45に設けた第2スクリーン70の引き出し、挿入用の切り欠き部で、図示していないが、この切り欠き部103には、例えばボルト着脱式のカバー等が取付けられる。
また、105はスクリーン支持部材98のロック機構で、このロック機構105は、破砕機側面カバー45の外壁面に固定されたブラケット106と、このブラケット106にボトム側端部が固定され前後方向(図16中左右方向)に設けたロックシリンダ107と、このロックシリンダ107のロッド側端部及びスクリーン支持部材98にそれぞれ固定され互いに係合するテーパ部を有するテーパブロック108,109と、破砕機側面カバー45の外壁面にボルト等で固定され、ロックシリンダ107の伸縮動作に伴うテーパブロック108のスライド動作をガイドするガイド部材110とを備えている。
テーパブロック108は、スクリーン支持部材98及び押え板97の間に第2スクリーン70が狭持されているとき、径方向(破砕ロータ61の径方向)外側からスクリーン支持部材98に設けたテーパブロック109に係合する。これにより、第2スクリーン70が挟持されているとき、ロックシリンダ107を伸長させ、テーパブロック108,109を係合させることで、スクリーン支持部材98の回動動作は拘束され、第2スクリーン70は破砕作業持の破砕室60を確定する位置(図16(a)の位置)で強固に固定、保持される。したがって、図16(c)のように油圧シリンダ101の伸長によりスクリーン支持部材98を回動させ第1スクリーン69を交換する場合は、まず、図16(b)に示すように、ロックシリンダ107を縮退させ、テーパブロック108,109の係合を解いた上で行う。このロック解除時の破砕装置12周辺の状態を図17に示した。なお、ロック機構105は、第2スクリーン70の幅方向(例えば図16(a)中紙面直交方向)両側に設けることが好ましいが、片側のみで足りる場合にはどちらかを省略しても良い。
図1及び図2に戻り、上記の排出コンベア3は、排出側(前方側、図1及び図2中右側)部分が、動力装置4から突出して設けた支持部材112によって吊り下げ支持されている。また、その反対側(後方側、図1及び図2中左側)部分は、支持部材113を介して本体フレーム36から吊り下げ支持されている。これにより、排出コンベア3は、破砕装置61の下方から動力装置4の下方を通され、自走式リサイクル機械前方側外方へ上り傾斜で配置されている。114はこの排出コンベア3のフレーム、115はこのフレーム114の長手方向両端に設けた駆動輪(図示せず)と従動輪(図示せず)との間に巻回したコンベアベルトである。116は駆動輪115を回転駆動させる駆動装置(排出コンベア用油圧モータ)で、この駆動装置116を回転駆動させることにより、駆動輪及び従動輪の間でコンベアベルト115を循環駆動させるようになっている。
また、上記の動力装置4は、本体フレーム36の長手方向他方側(図1及び図2中右側)端部上に、支持部材117を介して搭載されている。この動力装置4の後方側でかつ幅方向一方側(図2中下側)の区画には、運転席118が設けられている。119はこの運転席118に設けた走行操作用の操作レバー、120はその他の操作や設定、モニタリング等を行うための操作盤である。操作盤120は、本例では地上から操作者が操作し易いよう機体の側部に設けられているが、運転席118に設けても構わない。
図18は上記動力装置4の詳細な概観構造を表す斜視図、図19は図18中の矢印XIX方向から見た動力装置4の前面図、図20は動力装置4の内部構造図で、これらの図において、先の各図と同様の部分には同符号を付し説明を省略する。
図18乃至図20において、142はこの自走式リサイクル機械の駆動源となるエンジン、121はこのエンジン142の上方をカバーするエンジンカバーで、エンジン142は、自走式リサイクル機械全体で見た場合には、本体フレーム36の長手方向他方側(図18では右上側)に設けられており、動力装置4内においては、本体フレーム36の幅方向(図20中の左右方向)のほぼ中央でかつ前方(図20中上側)寄りの位置に配置されている。エンジンカバー121は、動力装置4における幅方向一方側(図19中の左側)の上部に設けられている。そして、片側がヒンジ122を介して動力装置4の上面に取り付けられており、閉状態のとき、その反対側がエンジンカバーロック123によりロックされるようになっている。124はエンジン142の燃料を貯留する燃料タンク143への給油口、125は前述した駆動装置8,67,116等の油圧モータや油圧シリンダ81,87,101,107等の各油圧アクチュエータに供給する作動油を貯留する作動油タンク144への給油口である。
126はエンジン142を冷却するラジエータで、このラジエータ126は、動力装置4内において、エンジン142の本体フレーム36幅方向一方側寄り(図20中の右寄り)の位置に配設されている。127はこのラジエータ126の側部に装着したネットで、このネット127は、エンジンカバー121の開放時に上方に引き抜き可能になっている。ラジエータ126は、動力装置4の、本体フレーム36の幅方向一方側(図20中の右側)の隣接スペースに形成した作業フロア128から着脱可能な網状部材129によりカバーされている。130はこの網状部材129の固定用の蝶ボルトである。
131はエンジン142への吸入空気を清浄化するエアクリーナで、このエアクリーナ131の本体は、動力装置4の前方(本体フレーム36の長手方向他方側、例えば図18中では右上側)に張り出した突出部132(図18参照)に収容されている。このように、一部の収容機器をその前方に突出させて配設し収容するための突出部132を設けたことにより、本例では、動力装置4の幅方向一方側(例えば図18中では右下側)にスペースを創出し、この創出されたスペースを、エンジン142やラジエータ126等のメンテナンス用の上記作業フロア128として利用している。前述したように、エンジン142やラジエータ126は、この作業フロア128からアクセスできる位置に、動力装置4内に収容配置してある。したがって、作業フロア128にて、前述した網状部材129を取り外すことによりラジエータ126やエンジン142等のメンテナンスが容易に行え、かつ、ラジエータ126の汚れ度合いも一目で分かるようになっている。なお、133は安全に配慮してこの作業フロア128を包囲するように設けた手摺である。
135は作業フロア128の下部側に設けたバッテリボックスで、このバッテリボックス135にはバッテリ(図示せず)が収容されている。145はエンジン142により駆動される油圧ポンプ、146はこの油圧ポンプ145からの圧油を駆動装置8,67,116や油圧シリンダ81,87,101,107等に切り換え供給する制御弁装置、136はエンジン142からの排気を消音する排気マフラ、137はこの排気マフラ136をカバーするマフラカバーである。138は破砕作業中である旨、或いは異常が発生した旨を周囲に放置する表示灯、139は運転席118に立った操作者が反対側の機体側部や動力装置4の前方側の様子を確認するためのミラー、140は動力装置4における作業フロア128と反対側に設けた梯子である。
なお、特に図示していないが、上記の他にも、ファン等を収容しており、エンジン142を起動すると、油圧ポンプ145と共にこのファンが駆動され、前方側の吸気口141を介して動力装置4内に外気を吸い込み、ラジエータ126を始め、エンジン142、油圧ポンプ145、排気マフラ136等を冷却し、排気口(図示せず)から大気放出するようになっている。また、前述した排気マフラ136は、排気マニホールド(図示せず)を介してエンジン142に接続しており、エンジン142からの排気ガスが、この排気マニホールドを介して排気マフラ136に流入して消音され、大気放出されるようになっている。
次に、上記構成の本実施の形態に係る自走式リサイクル機械の動作及び作用を順次説明する。
例えば油圧ショベルのグラップル等、適宜の作業具によりホッパ10内に被破砕木材を投入すると、被破砕木材は、ホッパ10の拡開部17にガイドされて送りコンベア11の搬送体42上に載置され、ホッパ10の側壁体16によって案内されつつ循環駆動する搬送体42によって自走式リサイクル機械前方側に向かってほぼ水平方向に搬送される。
送りコンベア11上の被破砕木材は、押圧コンベア装置13付近まで搬送されると、押圧コンベア装置13の押えローラ53の下部に入り込み押圧コンベア装置13を押し上げる。これにより、送りコンベア11上の被破砕木材は、押圧コンベア装置13の自重の作用により送りコンベア11との間に押圧把持された状態で、破砕室60へと導入される。これにより、破砕時には、被破砕木材は、押えローラ54と送りコンベア11とに挟持された部分を支点に片持ち梁状に破砕室60内に突出し、この突出部分が、回転する破砕ロータ61の破砕ビット65が衝突することで比較的大雑把に1次破砕される。1次破砕された被破砕木材の木材片は、破砕ロータ61の外周側の破砕室60内の空間を破砕ロータ61の回転方向に周回し、第1及び第2アンビル62,63に順次衝突し、その衝撃力によってさらに細かく2次破砕される。
以上のようにして破砕された破砕途中の木材片のうち第1及び第2スクリーン69,70に多数設けた孔よりも大きなものは継続して破砕室60内を周回し、破砕ビット65や第1及び第2アンビル69,70に再度衝突することにより、さらに破砕されていく。このようにして、第1及び第2スクリーン69,70の孔を通過する粒度にまで粉砕されると、破砕木材(木材チップ)が第1又は第2スクリーン69,70の孔を通過して、破砕装置12から排出される。
破砕装置12から排出された破砕木材(木材チップ)は、シュート(図示せず)を介し循環駆動する排出コンベア3のコンベアベルト115上に落下し、前方側(図1及び図2中右側)へと搬送され、リサイクル品として排出される。
本実施の形態においては、先に説明したように、ホッパ10を本体フレーム36の長手方向一方側に配設する一方、本体フレーム36の長手方向他方側にエンジン142等を収容した動力装置4をバランスさせて配置し、走行体1上に各機器を集約配置している。また、リサイクル製品(破砕木材、木材チップ)の排出高さを確保するため、排出コンベア3は、破砕装置12の下方から本体フレーム36の長手方向他方側外方に向かって上り傾斜に延設してある。そのため、動力装置4を本体フレーム36上に支持部材117を介して一段高い位置に配設することで、排出コンベア3との干渉を避けている。その結果、動力装置のメンテナンス時に、地上からのアクセスが困難な場合がある。
そこで、本実施の形態においては、動力装置4に、一部の収容機器(本実施の形態ではエアクリーナ131)をその本体フレーム36の長手方向他方側に突出させて配設し収容するための突出部132を設けたことにより、動力装置4の占有面積(床面積)を減少させ、動力装置4に隣接する新たなスペースを動力装置4の幅方向一方側(本体フレーム36の幅方向一方側に相当、例えば図20中では右側)に創出することができる。そして、この創出したスペースを作業フロア128として活用することにより、作業者は、梯子等を用いなくてもこの作業フロア128にて動力装置4のメンテナンスを行うことができる。このとき、ラジエータ126やエンジン142、エンジンメンテナンス用のエンジンカバー121等といった比較的メンテナンス機会の多い機器(又はそのメンテナンス用扉)を、作業フロア128からのアクセスが可能なように動力装置4の幅方向一方側に配置したことにより、ラジエータ126及びエンジン142のメンテナンスを作業フロア128から容易かつ安全に行うことができる。したがって、動力装置4のメンテナンス作業の安全性及び作業効率を向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、作業フロア128を動力装置4の幅方向一方側(図19中の左側)にのみ設けた場合を説明したが、動力装置4内の機器配置に応じて、例えば動力装置4に隣接する本体フレーム36の幅方向他方側(図19中の右側)に追加して設けても構わない。また、これに限られず、作業フロア128を延長し動力装置4の前方側にまで回り込ませて設けても良い。勿論、可能であれば、作業フロア128を動力装置4の周囲を取り囲むように設けても構わない。これらの場合も同様の効果を得る。
さらに、本例では、突出部132にエアクリーナ131を収容したが、これに限られず、例えば燃料タンク143や作動油タンク144、或いは制御弁装置146等のレイアウト設計に応じ、エアクリーナ131以外にも、突出部132に収容可能な動力装置4の収容機器があれば、その機器を突出部132に収容することにより、動力装置4の周囲のスペースを確保することができる。要は、動力装置4の収容機器のうちの一部を突出部132内に収容配置することで、所望の作業フロア128を創出することができる。この場合も同様の効果が得られる。
本発明の自走式リサイクル機械の他の実施の形態を、図面を用いて説明する。
本実施の形態は、本発明の特徴をいわゆるジョークラッシャを搭載した自走式破砕機に適用した例である。
図21は本発明の自走式リサイクル機械の他の実施の形態の全体構造を表す側面図、図22は図21に示した本発明の自走式リサイクル機械の他の実施の形態の平面図で、これらの図において、先の各図と同様の部分又は同様の機能を果たす部分には、同符合を付し適宜説明を省略する。
図21及び図22において、150はいわゆるグリズリフィーダで、このグリズリフィーダ150は、複数枚の鋸歯状プレートを含む底板部151を駆動装置152で加振することにより、ホッパ10により受入れられ底板部151上に載置された被破砕物(岩石やコンクリート塊等を主とするリサイクル原料)を順次破砕装置12に搬送供給するとともに、その搬送中において被破砕物中に含まれる細粒や細かい土砂等を、鋸歯状プレートの鋸歯の隙間からシュート153を介し下方に落下させ排出コンベア3上へ導入するようになっている。本実施の形態において、処理機能構成部2は、ホッパ10と、グリズリフィーダ150と、破砕装置(処理装置)12とを備えている。
本実施の形態において、破砕装置12は、前記ホッパ10及びグリズリフィーダ150よりも前方側(本体フレーム36長手方向他方側、図21中右側)に位置し、本体フレーム36の長手方向ほぼ中央上に搭載されている。また、破砕装置12は、いわゆる公知のジョークラッシャにより構成されており、駆動装置154で発生した駆動力をベルト(図示せず)を介して内蔵のフライホイール(図示せず)に伝達し、このフライホイールに伝達された駆動力を公知の変換機構で動歯155の揺動運動に変換し、この動歯155を固定歯156に対して前後に揺動させることにより、グリズリフィーダ150より供給された被破砕物を所定の大きさに破砕し、下方の排出コンベア3のコンベアベルト115上にさせるようになっている。その他の構成については、上記本発明の自走式リサイクル機械の一実施の形態で説明した自走式木材破砕機と概ね同様である。
本実施の形態のように、いわゆるジョークラッシャを搭載した自走式破砕機を対象としても、前述した作業フロア128を創出することによって、動力装置4のエンジン142やラジエータ126等のメンテナンス作業の安全性及び作業効率を向上させることができ、前述した本発明の自走式リサイクル機械の一実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、一般に、自走式破砕機としては、例えば建設廃材、家電品、プラスチック廃材、古タイヤ等の被破砕物をリサイクル原料とし、このリサイクル原料を、平行に配置された軸にカッタを設けたロータを互いに逆回転させることによりせん断し破砕処理するいわゆるシュレッダを処理装置として設けたものがあるが、勿論、このような自走式破砕機であっても、本発明の特徴が適用可能であり、同様の効果を得ることができる。また、さらに他の破砕装置、例えば、ロール状の回転体に破砕用の刃を取り付けたものを一対としてそれら一対を互いに逆方向へ回転させ、それら回転体の間に岩石・建設廃材等を挟み込んで破砕を行う回転式破砕装置(いわゆるロールクラッシャを含む6軸破砕機等)や、木材、枝木材、建設廃木等の木材をカッタを備えたロータに投入することにより細片にする木材破砕装置を備えた自走式破砕機にも適用可能である。これらの場合も、上記と同様の効果を得る。
本発明の自走式リサイクル機械のさらに他の実施の形態を、図面を用いて説明する。
本実施の形態は、例えばガス管等の埋設工事、上下水道工事、及びその他の道路工事・基礎工事等において発生する掘削土のうち埋め戻しに適さないものをリサイクル原料として、リサイクル用製品としての改良土を生産する、或いは軟弱地盤を強度改良する、いわゆる自走式土質改良機に適用した例である。
図23は本発明の自走式リサイクル機械のさらに他の実施の形態の全体構造を表す側面図、図24は図23に示した本発明の自走式リサイクル機械のさらに他の実施の形態の平面図で、これらの図において、先の各図と同様の部分又は同様の機能を果たす部分には、同符合を付し適宜説明を省略する。
図23及び図24において、160はホッパ10の下方に設けた搬送コンベアで、この搬送コンベア160は、コンベアフレーム161に支持された駆動輪162と従動輪163との間に巻回して設けられた搬送ベルト164を循環駆動させ、ホッパ10に受け入れた土砂を前方(図23中右方)へ搬送するものである。本実施の形態においては、ホッパ10上に投入土砂から異物等を除去する篩を設けていないが、ホッパ10上に篩を設けても良い。この篩は、いわゆる振動篩であっても良いし、固定式の篩であっても構わない。
165は搬送コンベア160により搬送される土砂に、例えば石灰等の土質改良材を供給する土質改良材供給装置で、この土質改良材供給装置165は、内部に土質改良材を貯留する貯留タンク166と、この貯留タンク166の下部に設けられ、貯留タンク166内の土質改良材を搬送ベルト164上の搬送土砂に供給するフィーダ167とで構成されている。フィーダ167は、本例ではスクリュフィーダを図示してあるが、ロータリフィーダに代えても良い。
168は土砂と土質改良材とを混合処理する混合装置(処理装置)で、繁雑防止のため特に図示しないが、この混合装置168は、内部に少なくとも1本の例えばパドルミキサを備えており、このパドルミキサを駆動装置(図示せず)により回転させ、搬送コンベア160から導入された土砂及び土質改良材を解砕・混合しつつ前方(図23中右方)へ移送し、リサイクル品としての改良土を生成して下方の排出コンベア3のコンベアベルト115上に落下させるものである。その他の構成については、上記本発明の自走式リサイクル機械の一実施の形態で説明した自走式木材破砕機と概ね同様である。
本実施の形態のように、いわゆる自走式土質改良機を対象としても、前述したように作業フロア128を創出することによって、動力装置4におけるエンジン142やラジエータ126等のメンテナンス作業の安全性及び作業効率を向上させることができ、前述した本発明の自走式リサイクル機械の一実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、以上においては、走行体1として履帯9を備える自走式リサイクル機械を例にとって説明してきたが、これに限られず、例えばホイール式の走行手段を備える自走式リサイクル機械に本発明を適用しても構わない。また、図1及び図2に示した自走式木材破砕機においては、図21及び図22で説明した自走式破砕機の排出コンベア3の上方に設けた、コンベアベルト115上の金属製の異物を除去する磁選機170を特に設けていないが、この自走式破砕機と同様にして磁選機170を設けても良い。これらの場合も同様の効果を得ることができる。