JP4338414B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタおよびファクシミリなどの電子写真方式の画像形成装置に関し、詳しくは、静電潜像担持体の表面に対し非接触な非接触帯電器の高電圧の帯電による静電潜像担持体表面の絶縁破壊を未然に防止する対策に係わる。
【0002】
【従来の技術】
一般に、複写機、プリンタおよびファクシミリなどの電子写真方式の画像形成装置においては、静電潜像担持体上を帯電する帯電手段と、この帯電手段により帯電された静電潜像担持体上を光像で露光して静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段により形成された静電潜像を現像剤により可視像に現像する現像手段と、この現像手段によって現像された可視像を被転写体に転写する転写手段とを静電潜像担持体の回転方向に順に配して構成されている。
【0003】
また、上記帯電手段として、静電潜像担持体の表面に対し接触することなく一様に帯電させる非接触帯電器を適用したものもあり、この非接触帯電器では、静電潜像担持体の表面に対し接触して帯電する接触帯電器と遜色なく静電潜像担持体の表面を帯電させる上で、接触帯電器による放電開始電圧よりもかなり高い放電開始電圧(静電潜像担持体の耐圧を超える帯電電位)によって静電潜像担持体の表面を帯電させるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−36322号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述の如き非接触帯電器を用いたものでは、接触帯電器による放電開始電圧よりもかなり高い放電開始電圧によって静電潜像担持体の表面を帯電しているため、非接触帯電器と静電潜像担持体との間のギャップに残留現像剤やゴミなどの異物が挟まっていると、非接触帯電器からの静電潜像担持体の耐圧を超える高電圧の帯電バイアスが静電潜像担持体に直に印加してしまう。このため、静電潜像担持体の表面にピンホールリークが発生し、絶縁破壊によって画像劣化を生じることになる。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高電圧の帯電バイアスが静電潜像担持体に直に印加してもその表面の絶縁破壊を未然に防止して良好な画像を得ることができる画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、静電潜像担持体上を帯電する帯電手段と、この帯電手段により帯電された静電潜像担持体上を光像で露光して静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段により形成された静電潜像を現像剤により可視像に現像する現像手段と、この現像手段によって現像された可視像を被転写体に転写する転写手段とを静電潜像担持体の回転方向に順に配した画像形成装置を前提とし、上記転写手段により転写される静電潜像担持体上の転写領域と、上記帯電手段により帯電される静電潜像担持体上の帯電領域との間に、静電潜像担持体上に対し接触して残留可視像を撹乱しつつ該静電潜像担持体を予備的に帯電する撹乱部材を設ける。そして、上記帯電手段に、静電潜像担持体の表面に対し接触することなく一様に帯電させる非接触帯電器を設け、この非接触帯電器によって、その放電開始電圧に対し最大値が静電潜像担持体の耐圧を超える交流電圧が重畳された帯電バイアスを静電潜像担持体に印加している。更に、上記撹乱部材により静電潜像担持体を予備帯電する帯電バイアスを、上記非接触帯電器により静電潜像担持体を帯電する帯電バイアスよりも低い上記静電潜像担持体の耐圧以下でかつ静電潜像担持体の帯電極性と同極性に設定するとともに、グランドレベルに対して周期的に大きさと方向を規則正しく変更する交流電圧を250Hzまたは500Hzの周波数によって重畳してなるものとしている。
【0008】
この特定事項により、放電開始電圧に対し最大値が静電潜像担持体の耐圧を超える交流電圧を重畳した非接触帯電器の帯電バイアスによって静電潜像担持体の表面を一様に帯電する前に、非接触帯電器により静電潜像担持体を帯電する帯電バイアスよりも低く(静電潜像担持体の耐圧以下)かつ静電潜像担持体の帯電極性と同極性に設定された撹乱部材の帯電バイアスによって静電潜像担持体が予備的に帯電されているので、放電開始電圧に対し最大値が静電潜像担持体の耐圧を超える交流電圧を重畳した非接触帯電器の帯電バイアスが、静電潜像担持体の表面に非接触帯電器からそのまま印加されることがなく、撹乱部材によって予備帯電された帯電バイアス分だけ緩和されることになる。このため、非接触帯電器と静電潜像担持体との間のギャップに残留現像剤やゴミなどの異物が挟まっていても、非接触帯電器からの静電潜像担持体の耐圧を超える高電圧の帯電バイアスが静電潜像担持体にそのまま印加されることがなく、撹乱部材によって予備帯電された帯電バイアス分だけ緩和され、静電潜像担持体の表面にピンホールリークが発生することがなく、静電潜像担持体表面の絶縁破壊が未然に防止されて円滑な画像を得ることが可能となる。
【0011】
しかも、撹乱部材に対し帯電バイアスを印加すると、静電潜像担持体上に残留する現像剤が撹乱部材に付着して堆積することになるが、グランドレベルに対して周期的に大きさと方向を規則正しく変更する交流電圧を重畳すれば、撹乱部材への現像剤の付着を抑制することが可能となる。
【0012】
更に、現像手段による静電潜像の可視像への現像として、転写領域において静電潜像担持体の帯電極性とは逆極性の電荷を付与する反転現像を適用している場合には、静電潜像担持体上のリークが正規現像のものと比べて発生しやすくなり、静電潜像担持体表面の絶縁破壊がより効果的に防止されてより円滑な画像を得ることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係わる画像形成装置の一例を示す断面図である。
【0015】
図1において、画像形成装置Xは、静電潜像担持体としての感光体ドラム11を備えている。この感光体ドラム11の周囲には、該感光体ドラム11上を帯電する帯電手段としての帯電装置12と、この帯電装置12により帯電された感光体ドラム11上を光像で露光して静電潜像を形成する露光手段としての露光装置13と、この露光装置13により形成された静電潜像を現像剤により可視像に現像する現像手段としての現像装置14と、この現像装置14によって現像された可視像を被転写体としての記録用紙Pに転写する転写手段としての転写装置15とが感光体ドラム11の回転方向(図1に示すF方向)に順に配されている。
【0016】
上記感光体ドラム11の表面は、帯電手段12によって所定の帯電量に均一に帯電され、露光装置13で所定の静電潜像ポテンシャルを形成することによって静電潜像を担持するようになされている。そして、露光装置13による露光によって最外殻の感光層(図示せず)でキャリアが発生すると、このキャリアによって、感光体ドラム11に帯電している電荷が相殺されて、上述した所定の静電潜像ポテンシャルが形成されることになる。この場合、感光体ドラム11の耐圧は、約1200Vである。
【0017】
現像装置14は容器状の現像槽141を備え、この現像層141内には、感光体ドラム11と対向する開口部141aに臨むように現像ローラ142が設けられていて、現像状態にあるときに感光体ドラム11上の現像領域Dにおいて静電潜像が現像ローラ142によって現像されるようになっている。上記現像装置14の現像剤としては、トナーTとキャリアCよりなる2成分系のものが用いられている。このトナーTとキャリアCとは現像槽141に収容されており、トナーTとしては、粒径8μmのスチレンアクリルよりなるものが適用されている一方、キャリアCとしては、粒径60μmの鉄粉系よりなるものが適用されている。そして、上記現像装置14には、−400Vの直流電圧が現像バイアスとして印加されている。なお、図1中におけるKは、記録用紙Pの搬送過程で該記録用紙Pから発生する紙粉である。
【0018】
上記画像形成装置Xにおいては、反転現像方式が用いられている。この反転現像方式では、帯電装置12によって一様に帯電された感光体ドラム11の表面に、露光装置13による光像の露光により静電潜像を形成すると、露光を受けて電位が低下した感光体ドラム11上の電位低下部分に感光体ドラム11の帯電極性と同極性に帯電されたマイナス極性のトナーTを付着させて可視像を形成している。
【0019】
上記転写装置15は、感光体ドラム11の外周面上に現像された可視像を記録用紙Pに転写する転写用放電ローラ151を備えている。この転写用放電ローラ151には、マイナス極性のトナーT(感光体ドラム11の帯電極性)とは異極性となるプラス極性の2kVの直流電圧が印加されている。この場合、記録用紙Pのプロセス速度は、130mm/sに設定されている。
【0020】
そして、本発明の特徴部分として、上記帯電装置12は、感光体ドラム11の表面に対し接触することなく一様に帯電させる非接触帯電器としての非接触式の帯電ローラ121を備えている。この帯電ローラ121は、感光体ドラム11の帯電極性とは同極性となるマイナス極性の−600Vの直流電圧(放電開始電圧)に対しピーク間電圧が1.8kVppとなるプラス極性の交流電圧を重畳した帯電バイアスを感光体ドラム11に印加、具体的には最大値が感光体ドラム11の耐圧(約1200V)を超える帯電バイアスを感光体ドラム11に印加するようになされている。また、上記帯電ローラ121は、感光体ドラム11の表面に対し40μmの帯電ギャップGを存し、帯電ローラ121からの帯電バイアスが気中放電によって帯電ギャップGを隔てた感光体ドラム11に対し印加されている。更に、上記帯電装置12は、クリーニングマイラー122を備え、感光体ドラム11との間の帯電ギャップGを通過し得ないキャリアCおよびプラス極性のトナーTをクリーニングマイラー122を介して現像槽141に戻すようになされている。
【0021】
また、上記転写装置15により転写される感光体ドラム11上の転写領域Aと、上記帯電装置12(帯電ローラ121)により帯電される感光体ドラム11上の帯電領域Bとの間には、感光体ドラム11上に対し接触して残留可視像を機械的に撹乱して像メモリーを防止しつつ該感光体ドラム11を予備的に帯電する撹乱部材としての撹乱ブラシ16が設けられている。この撹乱ブラシ16により感光体ドラム11を予備帯電する帯電バイアスは、上記帯電装置12(帯電ローラ121)により感光体ドラム11を帯電する帯電バイアスよりも低く(具体的には、感光体ドラム11の耐圧以下)かつ感光体ドラム11の帯電極性と同極性となるマイナス極性に設定されている。この場合、撹乱ブラシ16は、感光体ドラム11および残留トナーの電荷を調整する機能も有している。
【0022】
ここで、本発明の非接触式の帯電ローラを備えた帯電装置による帯電前に感光体ドラムを予備帯電する撹乱ブラシを適用したものと、非接触式の帯電ローラを備えた帯電装置による帯電前に感光体ドラムの除電の有無を行うものと、従来の接触式の帯電ローラを備えた帯電装置による帯電を行うものとの比較について述べる。この場合、既に使用された感光体ドラムが適用される。
【0023】
まず、従来の接触式の帯電ローラを備えた帯電装置による帯電を行う実験1について説明する。
【0024】
この実験1では、厚みtp=20μm、比誘電率εs=3、帯電電位−600Vの感光体ドラムを用いている。
【0025】
また、帯電装置(帯電ローラ)の放電開始電圧を、
Vth=312+6.2・(20/3)=353V
とし、これに重畳される交流電圧のピーク間電圧を、
Vpp=(2・Vth)×1.5
とすることで、接触式の帯電ローラによる帯電バイアスを、
V1=1060Vpp−600Vdc
とし、最大値を、
V1max=−1130V
としている。
【0026】
この実験1おいて、除電無しの感光体ドラムに対し、帯電ローラの放電開始電圧に交流電圧を重畳した帯電バイアスを直に印加させながら、感光体ドラムを83時間(10万枚相当の記録用紙分)高速で空転エージングする実験を行う。このとき、露光装置、現像装置および転写装置は停止させた状態にしている。
【0027】
この実験1を終えた後で、露光装置、現像装置および転写装置を動作させて記録用紙に画像を形成した結果、画像に影響がないことが判明した。
【0028】
次いで、帯電ギャップ40μmを存する非接触式の帯電ローラを備えた帯電装置による帯電前に感光体ドラムの除電を行う実験2について説明する。
【0029】
この実験2でも、実験1と同様に、厚みtp=20μm、比誘電率εs=3、帯電電位−600Vの感光体ドラムを用いている。この感光体ドラムと帯電ローラとの間の帯電ギャップは、40μmに設定している。
【0030】
また、帯電装置(帯電ローラ)の放電開始電圧を、
Vth=312+6.2・(40+20/3)=601V
とし、これに重畳される交流電圧のピーク間電圧を、
Vpp=(2・Vth)×1.5
とすることで、接触式の帯電ローラによる帯電バイアスを、
V2=1800Vpp−600Vdc
とし、最大値を、
V2max=−1500V
としている。なお、帯電ローラ通過後の感光体ドラムの表面電位は、−600Vとなっている。
【0031】
この実験2おいて、除電有りの感光体ドラムに対し、帯電ローラの放電開始電圧Vthに交流電圧V2を重畳した帯電バイアスを気中放電により印加させながら、感光体ドラムを83時間(10万枚相当の記録用紙分)高速で空転エージングする実験を行う。このとき、露光装置、現像装置および転写装置は停止させた状態にしている。
【0032】
この実験2を終えた後で、露光装置、現像装置および転写装置を動作させて記録用紙に画像を形成した結果、図2の(a)に示すように、画質が経時劣化し、黒点が生じていることが判明した。これは、除電された後の感光体ドラムの表面電位が0Vとなっていたために、感光体ドラムの耐圧を超える帯電ローラの高い帯電バイアス(最大値が−1500V)が感光体ドラムに印加し、感光体ドラムが劣化したためと考えられる。
【0033】
一方、帯電ギャップ40μmを存する非接触式の帯電ローラを備えた帯電装置による帯電前に感光体ドラムの除電を行わない実験3について説明する。
【0034】
この実験3では、除電無し以外は上記実験2と同一の条件で行うものとする。
【0035】
実感3において、除電無しの感光体ドラムに対し、帯電ローラの放電開始電圧に交流電圧を重畳した帯電バイアスを気中放電により印加させながら、感光体ドラムを83時間(10万枚相当の記録用紙分)高速で空転エージングする実験を行う。このとき、露光装置、現像装置および転写装置は停止させた状態にしている。
【0036】
この実験3を終えた後で、露光装置、現像装置および転写装置を動作させて記録用紙に画像を形成した結果、図2の(b)に示すように、実験1と同様に画像に影響がないことが判明した。
【0037】
これらの実験に対し、本発明の非接触式の帯電ローラを備えた帯電装置による帯電前に感光体ドラムを予備帯電する撹乱ブラシを適用する実験4について説明する。
【0038】
この実験4では、感光体ドラムを除電する代わりに、撹乱ブラシによる感光体ドラムの予備帯電を行うようにしている。その他の条件は、上記実験2と同一である。なお、撹乱ブラシ通過後の感光体ドラムの表面電位は、−300Vとなっている。
【0039】
実験4において、除電無しで−900Vの交流電圧を撹乱ブラシにより印加した感光体ドラムに対し、帯電ローラの放電開始電圧に交流電圧を重畳した帯電バイアスを気中放電により印加させながら、感光体ドラムを83時間(10万枚相当の記録用紙分)高速で空転エージングする実験を行う。このとき、露光装置、現像装置および転写装置は停止させた状態にしている。
【0040】
この実験4を終えた後で、露光装置、現像装置および転写装置を動作させて記録用紙に画像を形成した結果、実験1と同様に画像に影響がないことが判明した。
【0041】
次に、上記実験4で用いた撹乱ブラシによって感光体ドラムの予備帯電を行う場合の実験5〜8を下記表1に基づいて説明する。
【0042】
【表1】
先ず、実験5として、撹乱ブラシの帯電バイアスを、交流電圧の重畳無しで直流電圧のみによって、感光体ドラムに予備帯電させてから、帯電ローラによる帯電バイアスを感光体ドラムに印加した後、露光装置、現像装置および転写装置によって記録用紙に連続印字した際の0枚、200枚、400枚毎の撹乱ブラシに付着したトナー量を測定した。
【0043】
この実験5では、撹乱ブラシに付着したトナー量は、0枚では撹乱ブラシのトナー付着量が当然0(g/0枚)となり、結果として画像の汚れもなく良好である。また、200枚では撹乱ブラシのトナー付着量が0.064(g/200枚)となり、結果として画像にやや汚れがあることが判る。更に、400枚では撹乱ブラシのトナー付着量が0.512(g/400枚)となり、結果として画像に汚れが目立つことが判る。
【0044】
次いで、実験6として、感光体ドラムを予備帯電する撹乱ブラシの帯電バイアスに、図3に示すように、グランドレベルに対して周期的に大きさと方向を規則正しく変更する交流電圧を重畳している。具体的には、撹乱ブラシの帯電バイアスを、直流電圧無しで、ピーク間電圧が1kVの交流電圧のみを250Hzの周波数によって感光体ドラムに予備帯電させている。その後、帯電ローラによる帯電バイアスを感光体ドラムに印加してから、露光装置、現像装置および転写装置によって記録用紙に連続印字した際の0枚、200枚、400枚毎の撹乱ブラシに付着したトナー量を測定した。
【0045】
この実験6では、撹乱ブラシに付着したトナー量は、0枚では撹乱ブラシのトナー付着量が当然0(g/0枚)となり、結果として画像の汚れも良好である。また、200枚では撹乱ブラシのトナー付着量が0.08(g/200枚)となり、結果として画像の汚れもなく良好であることが判る。更に、400枚では撹乱ブラシのトナー付着量が0.15(g/400枚)となり、結果として未だ画像に汚れがなく良好であることが判る。
【0046】
また、実験7として、撹乱ブラシの帯電バイアスに、図3に示すように、グランドレベルに対して周期的に大きさと方向を規則正しく変更する交流電圧を重畳している。具体的には、撹乱ブラシ16の帯電バイアスを、直流電圧無しで、ピーク間電圧が1kVの交流電圧のみを500Hzの周波数によって感光体ドラムに予備帯電させている。その後、帯電ローラによる帯電バイアスを感光体ドラムに印加してから、露光装置、現像装置および転写装置によって記録用紙に連続印字した際の0枚、200枚、400枚毎の撹乱ブラシに付着したトナー量を測定した。
【0047】
この実験7では、撹乱ブラシに付着したトナー量は、0枚では撹乱ブラシのトナー付着量が当然0(g/0枚)となり、結果として画像の汚れも良好である。また、200枚では撹乱ブラシのトナー付着量が0.13(g/200枚)となり、結果として画像の汚れもなく良好であることが判る。更に、400枚では撹乱ブラシのトナー付着量が0.226(g/400枚)となり、結果として未だ画像に汚れがなく良好であることが判る。
【0048】
そして、実験8として、撹乱ブラシの帯電バイアスに、図3に示すように、グランドレベルに対して周期的に大きさと方向を規則正しく変更する交流電圧を重畳している。具体的には、−300Vの直流電圧に、ピーク間電圧が1kVの交流電圧を250Hzの周波数で重畳した撹乱ブラシの帯電バイアスを、感光体ドラムに予備帯電させている。その後、帯電ローラによる帯電バイアスを感光体ドラムに印加してから、露光装置、現像装置および転写装置によって記録用紙に連続印字した際の0枚、200枚、400枚毎の撹乱ブラシに付着したトナー量を測定した。
【0049】
この実験8では、撹乱ブラシに付着したトナー量は、0枚では撹乱ブラシのトナー付着量が当然0(g/0枚)となり、結果として画像の汚れも良好である。また、200枚では撹乱ブラシのトナー付着量が0.121(g/200枚)となり、結果として画像の汚れもなく良好であることが判る。更に、400枚では撹乱ブラシのトナー付着量が0.205(g/400枚)となり、結果として未だ画像に汚れがなく良好であることが判る。
【0050】
したがって、上記実施形態では、感光体ドラム11の帯電極性とは同極性となるマイナス極性の−600Vの直流電圧(放電開始電圧)に対しピーク間電圧が1.8kVppとなるプラス極性の交流電圧を重畳した帯電バイアス、具体的には最大値が感光体ドラム11の耐圧(約1200V)を超える帯電バイアスを帯電装置12(帯電ローラ121)によって感光体ドラム11の表面に一様に印加する前に、この帯電ローラ121によって感光体ドラム11を帯電する帯電バイアスよりも低く(具体的には、感光体ドラム11の耐圧以下)かつ感光体ドラム11の帯電極性と同極性となるマイナス極性に設定された撹乱ブラシ16の帯電バイアスによって感光体ドラム11が予備的に帯電されている。これにより、上記実験1〜4の結果からも明らかなように、−600Vの直流電圧(放電開始電圧)に対しピーク間電圧が2倍以上となる1.8kVppの交流電圧を重畳させた高圧の帯電バイアスが、感光体ドラム11の表面に帯電ローラ121からそのまま印加されることがなく、撹乱ブラシ16によって予備帯電された帯電バイアス分だけ緩和されることになる。このため、非接触式の帯電ローラ121と感光体ドラム11との間の帯電ギャップGに残留トナーTやゴミなどの異物が挟まっていても、非接触式の帯電ローラ121からの感光体ドラム11の耐圧を超える高電圧の帯電バイアスが感光体ドラム11にそのまま印加されることがなく、撹乱ブラシ16によって予備帯電された帯電バイアス分だけ緩和され、感光体ドラム11の表面にピンホールリークが発生することがなく、感光体ドラム11表面の絶縁破壊が未然に防止されて円滑な画像を得ることができる。
【0051】
また、上記実験5〜8の結果からも明らかなように、撹乱ブラシの帯電バイアスに、グランドレベルに対して周期的に大きさと方向を規則正しく変更する交流電圧を重畳しているので、実験5に示すように、撹乱ブラシに対し帯電バイアスを印加すると、感光体ドラム上に残留するトナーが撹乱ブラシに付着して堆積することになるが、実験6〜8に示すように、グランドレベルに対して周期的に大きさと方向を規則正しく変更する交流電圧を重畳すれば、撹乱ブラシへの残留トナーの付着を抑制することができ、汚れがなく良好な画像を得ることができる。
【0052】
更に、露光を受けて電位が低下した感光体ドラム11の電位低下部分にこの感光体ドラム11の帯電極性と同極性に帯電されたマイナス極性のトナーTを付着させて可視像を形成する反転現像を行っているので、感光体ドラム11上のリークが正規現像のものと比べて発生しやすくなり、感光体ドラム11表面の絶縁破壊をより効果的に防止してより円滑な画像を得ることができる。
【0053】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、上記実施形態では、反転現像によって画像を形成するようにしたが、正規現像によって画像が形成されるようにしてもよいのはもちろんである。
【0054】
【発明の効果】
以上、説明したように、放電開始電圧に対しピーク間電圧が2倍以上となる交流電圧を重畳させた非接触帯電器の帯電バイアス、例えば最大値が静電潜像担持体の耐圧を超える交流電圧を重畳した非接触帯電器の帯電バイアスによって静電潜像担持体の表面を一様に帯電する前に、非接触帯電器により静電潜像担持体を帯電する帯電バイアスよりも低くかつ静電潜像担持体の帯電極性と同極性に設定された撹乱部材の帯電バイアスによって静電潜像担持体を予備的に帯電することで、非接触帯電器と静電潜像担持体との間のギャップに挟まった残留現像剤やゴミなどによって非接触帯電器からの静電潜像担持体の耐圧を超える高電圧の帯電バイアスを静電潜像担持体にそのまま印加させることを防止し、撹乱部材によって予備帯電した帯電バイアス分だけ緩和させて、静電潜像担持体表面でのピンホールリークの発生を規制し、静電潜像担持体表面の絶縁破壊を未然に防止させて円滑な画像を得ることができる。
【0055】
しかも、静電潜像担持体を予備帯電する撹乱部材の帯電バイアスに、グランドレベルに対して周期的に大きさと方向を規則正しく変更する交流電圧を重畳することで、撹乱部材に対し帯電バイアスを印加した際の静電潜像担持体上に残留する現像剤の撹乱部材への付着による堆積を防止し、撹乱部材への現像剤の付着を抑制することができる。
【0056】
更に、現像手段による静電潜像の可視像への現像として反転現像を適用することで、静電潜像担持体上のリークを発生しやすくし、静電潜像担持体表面の絶縁破壊をより効果的に防止してより円滑な画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の要部付近を模式的に示す縦断面図である。
【図2】(a)は除電有りの感光体ドラムに対し帯電ローラの放電開始電圧に交流電圧を重畳した帯電バイアスを気中放電により印加させてから高速で空転エージングする実験後に画像形成した記録用紙を示す図である。
(b)は除電無しの感光体ドラムに対し帯電ローラの放電開始電圧に交流電圧を重畳した帯電バイアスを気中放電により印加させてから高速で空転エージングする実験後に画像形成した記録用紙を示す図である。
【図3】撹乱ブラシの帯電バイアスに重畳される交流電圧の周波数の特性を示す特性図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
11 感光体ドラム(静電潜像担持体)
12 帯電装置(帯電手段)
121 帯電ローラ(非接触帯電器)
13 露光装置(露光手段)
14 現像装置(現像手段)
15 転写装置(転写手段)
16 撹乱ブラシ(撹乱部材)
A 転写領域
B 帯電領域
P 記録用紙(被転写体)
T トナー(現像剤)
Claims (2)
- 静電潜像担持体上を帯電する帯電手段と、この帯電手段により帯電された静電潜像担持体上を光像で露光して静電潜像を形成する露光手段と、この露光手段により形成された静電潜像を現像剤により可視像に現像する現像手段と、この現像手段によって現像された可視像を被転写体に転写する転写手段とを静電潜像担持体の回転方向に順に配した画像形成装置において、
上記転写手段により転写される静電潜像担持体上の転写領域と、上記帯電手段により帯電される静電潜像担持体上の帯電領域との間には、静電潜像担持体上に対し接触して残留可視像を撹乱しつつ該静電潜像担持体を予備的に帯電する撹乱部材が設けられており、
上記帯電手段は、静電潜像担持体の表面に対し接触することなく一様に帯電させる非接触帯電器を備え、
この非接触帯電器では、その放電開始電圧に対し最大値が静電潜像担持体の耐圧を超える交流電圧が重畳された帯電バイアスが静電潜像担持体に印加されており、
上記撹乱部材により静電潜像担持体を予備帯電する帯電バイアスは、上記非接触帯電器により静電潜像担持体を帯電する帯電バイアスよりも低い上記静電潜像担持体の耐圧以下でかつ静電潜像担持体の帯電極性と同極性に設定されているとともに、グランドレベルに対して周期的に大きさと方向を規則正しく変更する交流電圧を250Hzまたは500Hzの周波数によって重畳してなるものであることを特徴とする画像形成装置。 - 上記請求項1に記載の画像形成装置において、
上記現像手段による静電潜像の可視像への現像としては、転写領域において上記静電潜像担持体の帯電極性とは逆極性の電荷を付与する反転現像が適用されていることを特徴とする画像形成装置。
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