JP4338351B2 - 血液適合性材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は血液又は血液成分と接触する医療用器具、具体的には、人工腎臓、人工心肺などの人工臓器、それらに使用する血液チューブなどの医療用器具、血液フィルターや血液成分吸着剤などに適した血液適合性に優れたポリマーからなる血液適合性材料に関する。さらに詳しくは、スルホン及び/又はスルホキシドの官能基と脂肪族鎖とエステル基から形成されるポリマーからなる、医療用材料に適した血液適合性材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療技術の進歩に伴って、生体組織や血液と、各種の材料が接触する機会は増加しており、材料の生体親和性が大きな問題になってきた。中でも、蛋白質や血球などの血液成分が材料表面に吸着し変性することは、血栓形成、炎症反応等の通常では認められない悪影響を生体側に引き起こすばかりでなく、材料の劣化にもつながり、医療用材料の根本的、かつ、緊急に解決せねばならない重要な課題となってきている。
【0003】
例えば、血液の体外循環に用いる血液回路や血管内に挿入するカテーテルなどの部材は、外科的医療において必要不可欠なものであり、外科的医療の技術の進展に大きく貢献してきた。
医療用材料として、高い機械的強度及び成形性の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、シリコーンゴム、ポリテトラフルオロエチレン、セルロースなどの汎用樹脂が使用されている。これらの素材の機械的物性が、部材としての要求特性に大きく考慮されてきた一方で、血液適合性については全く改善されず、主に、ヘパリンなどの抗凝固剤の血中投与により、かろうじて血液凝固などの異物反応を抑制していた。
【0004】
しかしながら、最近ヘパリンの長期継続投与は、脂質代謝異常などの肝臓障害、出血時間の延長あるいはアレルギー反応等の副作用を併発することが認められている。
以上の背景から、血液接触型医療器具を使用する際に、抗凝固剤の使用量を低減させるか、全く使用しなくても血液凝固を引き起こさない、血液適合性に優れた素材の開発が強く望まれるようになってきた。また、細胞培養の担体やDDS(ドラッグデリバリーシステム)のキャリア、創傷被覆材などにも血液適合性が求められている。
【0005】
こうした背景から様々な材料開発がこれまで行われてきた。
例えば、基材表面を網目構造にし、そこに血管内皮細胞を増殖させ、その表面をもってして血栓形成を抑制する材料がある(A.Voorhees et al .,Ann Surg.,332(1952))。これらの材料は、いかに偽内膜を薄くするか、その脱落を起こしにくくするかが問題であり、未だ安定した材料は得られていない。
抗血液凝固剤のヘパリンを基材表面に固定化し、血液適合性を高めた材料の開発も行われた(V.Gott et al .,Science,142,1297(1963))。しかし血中にはヘパリン分解酵素が存在するので、最終的にはヘパリンが失活してしまい、このタイプのものは長期の使用ができない、という問題を抱えている。
【0006】
また、血栓溶解剤であるウロキナーゼを基材表面に固定化させる方法も考えられている(B.Kusserow et al .,Trans.Am.Soc.Artif.Int.Organs.,17,1(1971))が、固定化されたウロキナーゼは活性が低くなってしまい、期待した効果が得られなくなってしまう、という問題があり、ウロキナーゼの活性が低下しない固定化方法が望まれている。
血液成分の吸着を抑制するような合成高分子を表面に固定化する試みもなされている(E.Merrill,Ann.NY.Acad.Sci.,6,283(1977))。水溶性で、高い運動性を有するポリエチレンオキサイドの固定化はその一例で、分子鎖の運動がいわゆる散漫層を形成し、蛋白質の吸着が抑制され血栓が形成しにくくなるが、このような高含水のポリマーは血小板へダメージを与えやすいという欠点を有しているとの報告(B.D.RATNER et al, J.of Polymer Sci.:Polymer Symposium 66,(1979))もある。
【0007】
表面修飾においては、血管内面を覆う内皮細胞が最も理想的な材料であるとの観点から、この細胞膜の主成分であるリン脂質を利用したポリマーが色々と合成され、研究が進められている。中でも、ホスホリルコリン基を有するメタクリル酸エステル、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)は優れた血液適合性を示し(Y.Iwasaki et al., J.Biomed.Mater.Res.,36,508(1997))、各種医療用具への応用が検討されている。しかし、材料自身及び固定化方法の煩雑さによる高コスト化、均質な固定化表層の獲得の困難さ、といった面での問題が残っている。
【0008】
他方で、上例のような表面固定化法とは異なり、材料表面の構造制御によって抗血栓性を発現させる試みもある。この方法はこれまで述べてきた方法が抱える固定化材料の脱落等の問題を根本から解決するものであり、幅広い応用が期待されるものである。これらは材料表面と血漿蛋白及び血小板との間の物理化学的因子に基づいた相互作用に着目した設計がなされている。中でも、材料表面上に微小な表面自由エネルギー差を形成させた材料が高い血液適合性を示すことが報告されている。代表例としては、ポリマー表面に親水−疎水ミクロドメイン構造を有するヒドロキシエチルメタクリレート−スチレン−ヒドロキシエチルメタクリレートブロック共重合体(C.Nojima et al .,ASAIO Transactions,33,596(1987))や、ポリマーの結晶性を制御した、ポリアミドセグメントを有するポリプロピレンオキシドブロック共重合体(N.Yui et al.,J.Biomed.Mater.Res.,20,929(1981))等があるが、血液との接触に際して補体の活性化を促すアミノ基や水酸基といった官能基を持っており、血液適合性材料としては不十分である。
【0009】
一方、硫黄酸化物を含有した高分子を用いた医療用材料としては、脂肪族スルホンに関しては、例えば、遠藤により報告されているもの(金沢大学十全医学会雑誌Vol.94,No.3,P466-478(1985))や、特開昭58−92446号公報には、1,5−シクロオクタジエンと二酸化硫黄の共重合で合成した脂肪族ポリスルホンの膜が開示されている。これらはいずれも、人工肺に用いる材料として、酸素透過性の向上を目的としたものであり、血漿タンパク質の吸着の抑制や抗血栓性などの血液適合性の改善については言及していない。また、D.N.Grayにより炭素数6から18のαオレフィンと二酸化硫黄を共重合させて得た脂肪族ポリスルホン(Polymer Engineering and Science, October, Vol.17, No.10,719-723(1997))が、やはり人工肺用材料として報告されているが、血液適合性については炭素数16の脂肪族ポリスルホンの血液凝固性を確認しているのみである。ガラスやシリコン化ガラス表面に比べて血栓生成時間の延長を認めているが、これは長い脂肪族鎖の低い自由エネルギーによる影響と結論づけている。
【0010】
以上述べたように、抗血栓性などの血液適合性を目的として積極的にスルホンの官能基を導入したものは見当たらない。また、これらはいずれもスルホン基と脂肪族鎖から形成されている。
スルホキシドに関しては、Li Dengらにより、金担体上に形成させたトリ(プロピレンスルホキシド)基を持つアルカンチオレートとウンデカンチオールの混合物からなる自己集合単分子層では、その表面へのタンパク吸着が減少することが報告されている(J.Am.Chem.Soc., Vol.118, No.21, 5136-5137(1966).)が、このスルホキシドは繰り返し単位が3程度のオリゴマーであり、ポリマーとしてのスルホキシドの血液適合性についての記載はない。
【0011】
また、脂肪族鎖とスルホンやスルホキシドの官能基を有するポリマーの合成法としては、上述した遠藤やD.N.Grayの報告や特開昭58−92446号公報に見られるような対応するアルケンと二酸化硫黄との共重合や、今井らの報告(高分子論文集、Vol.37、No.6、445−448、(1980))に見られるような脂肪族ジチオールと脂肪族ジハライドとの縮重合で得られたポリスルフィドを酸化する方法が知られているのみである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、前記問題点を解決し、血液又は血液成分と接触する医療器具、具体的には、人工腎臓、人工心肺などの人工臓器、それらに使用する血液チューブなどの医用器具、血液フィルターや血液成分吸着剤などに適した血液適合性材料を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のとおりである。
[1]アルキル部分が炭素数1〜4の直鎖構造または枝分かれ構造を有するスルホニルジアルキルアルコール又はスルフィニルジアルキルアルコールと、
しゅう酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸から選ばれるいずれかとを、縮重合した構造を有することを特徴とする血液適合性材料。
[2]スルホニルジアルキルアルコールが2,2’−スルホニルジエタノールであり、該スルフィニルジアルキルアルコールが2,2’−スルフィニルジエタノールであることを特徴とする[1]記載の血液適合性材料。
【0014】
一般に、血液と接触した材料表面にはアルブミン、γ−グロブリン、フィブリノーゲンのような血漿蛋白質が吸着し、その後、これらは高次構造を変化させる。この高次構造の変化により、更なる蛋白質の吸着が促進され、材料表面には多層の蛋白吸着層が形成される。このような多層蛋白吸着層は、これと接触する血小板を活性化させ、最終的には血液が凝固することとなる。そのため、血漿蛋白質の材料表面への吸着を抑制し、血小板の活性化を回避することが血液適合性を得る上で重要であると考えられている。
【0015】
例えば、「高分子と医療」(竹本喜一ほか,P5,三田出版会(1989))によれば、血漿タンパク質との相互作用が著しく低い材料表面は、優れた抗凝血性を示すことが指摘されている。
材料表面への蛋白質の吸着に関しては、材料に収着された水の構造が材料表面と蛋白質との相互作用をコントロールする重要な因子であり、収着水構造がバルク水の構造と類似している場合にタンパク質の吸着が大幅に抑制されることをすでに本発明者が見出している(特開平09-122462号公報)。因みにここで使用した「収着」という用語は「吸着」と「吸収」を統合した用語であり、収着水とは材料の表面に吸着あるいは表面近傍に吸収された水のことである。
【0016】
すなわち、材料表面と高分子溶質の存在する水溶液が接する面においては、通常、様々な界面現象が観測される。例えば、高分子溶質が蛋白質であり、材料が疎水性の強いものであれば、多量の蛋白質の吸着が観測される。材料表面を親水性に加工することによって、ある程度の吸着の抑制は可能であるが、多くの例外が認められ、親水性(濡れ性)、すなわち、蛋白非吸着表面といえる程単純な現象ではないことが知られている。
【0017】
本発明者は、材料近傍の水構造に着目し、収着水構造を解析する上で赤外吸収スペクトルを用い、種々の官能基を有する材料の収着水構造と蛋白質の吸着特性に関し研究を行った結果、赤外吸収スペクトルにおける材料表面と相互作用した水の吸収バンドの分布がバルク水のそれに近いほど、材料表面への蛋白質の吸着が抑制される傾向があることを見出している。
本発明者は、種々の官能基に相互作用する水の構造に関して鋭意検討した結果、スルホン基、スルホキシド基に相互作用する水の構造が特にバルク水に近いことを発見し、これらの官能基を含有するポリマーが蛋白質の吸着を大幅に抑制し得ることを見出し、さらに該ポリマーの合成法として脂肪族鎖とスルホン及び/またはスルホキシドの官能基からなり両末端に水酸基を持つジオールと、両末端にカルボキシル基を持つジカルボン酸の縮重合で鎖長延長することにより、本発明を完成したものである。
【0018】
本発明において、血液適合性材料とは、血液と接触した際に発生する血液凝固が抑制された材料のことをさすが、より詳しくは、血液凝固を引き起こす原因となる材料表面への血小板の付着と活性化は材料表面に血漿蛋白質が吸着することが引き金になるが、この血漿蛋白質の吸着が抑制された材料のことを指す。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
材料表面の収着水構造を評価するために、本発明者は、赤外吸収スペクトルの収着水由来である3400cm-1付近の吸収ピークの重心波数を用いた。
赤外吸収スペクトルにおける3400cm-1付近の吸収ピークを3650cm-1付近、3550cm-1付近、3450cm-1付近、3250cm-1付近の4種のコンポーネントにカーブフィッティングプログラムを用いて分離する。得られた各コンポーネントのピーク波数及び相対面積比より、相対面積比を重みとして重みつき平均により重心波数(Cwn)を求める。
【0020】
一般に、表面への蛋白吸着が比較的多いとみられる、例えば、芳香族ポリスルホンやポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリルの主たる官能基である、芳香環、エステル結合、ニトリル基を有するトルエン、酢酸メチル、アセトニトリルに水を1質量%添加し相互作用した水の赤外吸収スペクトルを調べてみると、その重心波数はそれぞれ3653cm-1、3573cm-1、3549cm-1であり、バルク水の3366cm-1より大きく高波数側に偏っている。
【0021】
これに対して、一般に、蛋白質の吸着を抑制する傾向のある、例えば、ポリエチレングリコールやポリビニルピロリドンの主たる官能基であるエーテル結合、アミド結合を有するテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドに水を1質量%添加し相互作用した水の赤外吸収スペクトルを調べると、その重心波数は3507cm-1、3480cm-1と比較的バルク水に近い数字を示した。このことから相互作用する水の構造がバルク水に近くなる官能基を有する材料表面ほど蛋白質の吸着が抑制されることが推定される。
【0022】
ところが、親水性の官能基として、スルホン基、スルホキシド基を有するジメチルスルホン、ジメチルスルホキシドに水を1質量%添加し、相互作用した水の赤外吸収スペクトルを調べると、驚くべきことに、その重心波数はそれぞれ3405cm-1、3440cm-1で、バルク水のそれにさらに近いことがわかった。本発明者はこの知見をもとに、スルホン基、スルホキシド基を有するポリマーとして2,2’−スルホニルジエタノールとこはく酸の共重合体及び2,2’−スルフィニルジエタノールとこはく酸の共重合体を合成し、その膜を作製して蛋白質の吸着を調べてみたところ、予想通り、大幅な蛋白吸着抑制効果が達成されることを確認できた。
【0023】
ポリマーの構造としては、スルホン基、スルホキシド基の特性をより顕著に発揮させるため、それ以外の構造の影響はできるだけ小さい方がよい。スルホン基やスルホキシド基及びエステル基を連結する炭素鎖は、疎水性の強い芳香族鎖(必然的に炭素数6以上になる)は避けるべきで、脂肪族鎖が好ましく、しかも可能な限り鎖長は短い方がよい。
本発明の生体適合性材料を形成する脂肪族鎖は、炭素数5以上ではポリマー全体の疎水性が強くなり、蛋白が吸着しやすくなる傾向があるため、炭素数1から4のものが使用可能である。また、直鎖状、枝分かれ状のいずれでもよく、このようなものとしては、例えば、炭素数1の場合はメチレン鎖、炭素数2の場合はエチレン鎖、炭素数3の場合は1,3−プロピレン鎖、1−メチルエチレン鎖、炭素数4の場合は1,4−ブチレン鎖、1−メチル−1,3−プロピレン鎖、2−メチル−1,3−プロピレン鎖、1,1−ジメチルエチレン鎖、1,2−ジメチルエチレン鎖などが挙げられるが、好ましくは炭素数1から3、より好ましくは1から2、さらに好ましくは1のものが好ましい。
【0024】
本発明のポリマーの合成法の例としては、スルホンやスルホキシドの官能基を有する両末端水酸基のジオールを両末端カルボン酸のジカルボン酸との縮重合で鎖長延長して得る方法が挙げられる。この合成反応は水酸基とカルボキシル基のエステル化反応であり、工業的にも実施しやすい特長を有する。
また脂肪族鎖を有し両末端が水酸基であるスルフィドのモノマーを用いてジカルボン酸との縮重合でポリマーを合成した後、酢酸やぎ酸を触媒として過酸化水素で酸化してスルホンやスルホキシドとする方法もある。
【0025】
本発明の血液適合性材料を形成するジカルボン酸の例としては、脂肪族鎖の炭素数0の場合はしゅう酸、炭素数1の場合はマロン酸、炭素数2の場合はこはく酸、炭素数3の場合はグルタル酸、炭素数4の場合はアジピン酸などがある。また、このジカルボン酸の脂肪族鎖中にスルホン基やスルホキシド基が含有されていてもよく、むしろポリマーのスルホン基含有率、スルホキシド含有率が高くなり好適である。
【0026】
本発明の血液適合性材料を形成するスルホン基を有するジオールの例としては、 例えば2,2’−スルホニルジエタノールが挙げられる。またスルホキシドの前駆体としてのスルフィドの例としては、例えば2,2’−チオジエタノールが挙げられる。
本発明の化合物は、その赤外線吸収スペクトルが1020cm-1付近においてスルホキシド基由来の特性吸収、1120cm-1及び1320cm-1付近においてスルホン基由来の特性吸収また1730cm-1付近においてエステル基由来の特性吸収を示すのでこれによって同定することができる。
【0027】
本発明の化合物の分子量は、それ自体を基材として用いる場合は、数平均分子量で30,000〜300,000が好ましい。数平均分子量が300,000を越えると成形が難しくなり、30,000未満になると機械的強度が低下する。他の基材材料にブレンドしたりコーティングしたりして用いる場合は、数平均分子量で3,000〜100,000が好ましい。数平均分子量が100,000を越えるとコーティングが困難になり、3,000未満では水に溶出しやすくなる。
【0028】
本発明の化合物は、分子量や脂肪族鎖の構造を適当に選ぶことにより、基材そのものとして用いることができるが、用途によっては本発明品を溶剤に溶解し、他の基材表面にコーティングしてもよく、他のポリマーとブレンドして用いることもできる。いずれの場合でも、本発明のポリマーは水に不溶なので、使用時に溶出することなく、優れた血液適合性を持続して発揮することができる。
本発明の血液適合材料は、例えば、直接血液成分と接触して用いることが主たる目的となる医療用材料として、人工腎臓、人工心肺等の人工臓器類、人工血管、血液透析膜用や人工心肺用の血液チューブ、ブラッドアクセス、又は血液バッグ、カテーテル、さらに血漿分離膜や血球分離膜等の血液フィルターや血液成分吸着材等に用いることができる。
【0029】
また、血液や細胞など生体へ及ぼす影響が少ないことから、各種細胞培養の担体やDDSのキャリアや創傷被覆材などにも優れた性能を発揮する。
このような材料として本発明の血液適合材料を用いる場合、該材料自体を基材として用いて中空糸、シート、フィルム、チューブとして成形するのみならず、種々の他のポリマーとブレンドして用いることもできる。さらに本発明の血液適合材料を溶媒に溶解し、この溶液を各種基材表面に塗布し、生体接触表面のみを改質することも可能である。
【0030】
【実施例】
実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<測定法>
・蛋白付着量測定法:BCA法による定量法で行った。
ウシγ−グロブリン20mg(SIGMA社製)を2mlの1M燐酸緩衝液(和光純薬製)に溶解し、その蛋白溶液に試験平膜(約1×1cm)を37℃で1時間浸漬させた。その後、試験片を1M燐酸緩衝液で洗浄し、1%のドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬製)を溶解させた1M燐酸緩衝液0.5mlに37℃で4時間浸漬して吸着した蛋白を溶解させた。この液中の蛋白濃度をBCAプロテインアッセイキット(PIERCE社製)を用いて定量した。
【0031】
BCAキットによる蛋白の定量は取り扱い説明書に従って行った。試料を0.1ml採取し、調製済みのマイクロBCA試薬液を2.0ml加えて軽く攪拌し、37℃で30分加熱した後、紫外分光光度計で562nmの波長における吸光度を測定した。あらかじめ作製した検量線を使って蛋白濃度を求め、膜の単位面積あたりの蛋白吸着量を算出した。
【0032】
・収着水の重心波数の測定法
得られた平膜を湿度98%RH、温度25℃の雰囲気下に1時間静置した後、手早く赤外吸収スペクトル測定用窓材である2枚のフッ化カルシウム板に挟み、日本分光製FT/IR300を用い、25℃で15回積算測定して透過法赤外吸収スペクトルを求めた。別途、乾燥した同膜の赤外吸収スペクトルを測定しておき、差スペクトルをとることにより、膜に収着した水の赤外吸収スペクトルを得た。
【0033】
得られた赤外吸収スペクトルにおける水の伸縮振動の吸収に由来する3400cm-1付近の吸収ピークを、約3650cm-1、約3550cm-1、約3450cm-1及び約3250cm-1を中心とする4種のコンポーネントにカーブフィッティングプログラム(日本分光製CFT-300)を用いて分離した。得られた各コンポーネントのピーク波数及び相対面積比より、相対面積比を重みとして重みつき平均により重心波数を求めた。
【0034】
【実施例1】
2,2’−スルホニルジエタノール(Aldrich製)10.0gとこはく酸(和光純薬(株)製)7.3gにエステル化の触媒として濃硫酸0.2gを混合し、攪拌しながら100℃に加熱し、133Paに減圧して反応で生成する水を除去しながら10時間反応させた。これを100mlのジメチルスルホキシド(和光純薬(株)製)に溶解して、1000mlのエタノールに滴下し、ポリマーの沈殿物を得た。沈殿物をエタノールでよく洗浄し、60℃で6時間真空脱溶媒して2,2’−スルホニルジエタノールとこはく酸の共重合体13.0gを得た。この重合体の数平均分子量は、ジメチルスルホキシド−d6を溶媒とした1H−NMR測定における末端OH基の定量分析から求めたところ、約5,200であった。
【0035】
続いて、芳香族ポリスルホン(UDEL P−1700(登録商標)、テイジンアモコエンジニアリングプラスチックス(株)製)22質量部を1−メチル−2−ピロリドン76質量部に溶解したものに、2,2’−スルホニルジエタノールとこはく酸の共重合体2質量部を添加して溶解し、製膜用ドープを調整した。ドクターブレードを用いて、得られたドープをガラス板上にキャストした後50℃に温調された1−メチル−2−ピロリドン:水=95:5の凝固浴中へ1分間浸漬し、続いて1−メチル−2−ピロリドン:水=50:50の凝固浴中へ20分間浸漬して相分離させた後、60℃の熱水で20分づつ3回繰り返し洗浄して平膜Aを得た。得られた平膜Aを用いて上記測定法に従って平膜Aの収着水の重心波数(Cwn)、及び蛋白付着率を求めた。その結果を表1に示す。
【0036】
【実施例2】
実施例1において製膜用ドープの組成を芳香族ポリスルホン17質量部、1−メチル−2−ピロリドン76質量部、2,2’−スルホニルジエタノールとこはく酸の共重合体7質量部とすること以外同様の操作を行い、平膜Bを得た。得られた平膜Bについて上記測定法に従って収着水の重心波数(Cwn)及び蛋白付着率を求めた。その結果を表1に示す。さらに、図2に平膜Bに収着した水の赤外吸収スペクトル及びそれを4つのコンポーネントに分けてカーブフィッティングしたところを示す。
【0037】
【実施例3】
2,2’−チオジエタノール(和光純薬(株)製)10.0gとこはく酸9.2gにエステル化の触媒として濃硫酸0.2gを混合し、攪拌しながら85℃に加熱し、133Paに減圧して反応で生成する水を除去しながら10時間反応させた。これを100mlのジメチルスルホキシド(和光純薬(株)製)に溶解して、1000mlのエタノールに滴下し、ポリマーの沈殿物を得た。沈殿物をエタノールでよく洗浄して60℃で減圧下エタノールを除去して2,2’−チオジエタノールとこはく酸の共重合体13.7gを得た。次に2,2’−チオジエタノールとこはく酸の共重合体10gを1000mlのテトラヒドロフラン(和光純薬(株)製)に溶解し、30%過酸化水素水5.6mlと酢酸24mlの混合液を撹拌しながらゆっくり滴下した。30℃で一晩放置反応させた後、テトラヒドロフランと酢酸を減圧留去しさらに60℃で6時間真空脱溶媒して2,2’−スルフィニルジエタノールとこはく酸の共重合体9.7gを得た。この重合体の数平均分子量は、ジメチルスルホキシド−d6を溶媒とした1H−NMR測定における末端OH基の定量分析から求めたところ、約4,900であった。
【0038】
続いて、芳香族ポリスルホン(UDEL P−1700)22質量部を1−メチル−2−ピロリドン76質量部に溶解したものに、2,2’−スルフィニルジエタノールとこはく酸の共重合体2質量部を添加して溶解し、製膜用ドープを調整した。ドクターブレードを用いて、得られたドープをガラス板上にキャストした後50℃に温調された1−メチル−2−ピロリドン:水=95:5の凝固浴中へ1分間浸漬し、続いて1−メチル−2−ピロリドン:水=50:50の凝固浴中へ20分間浸漬して相分離させた後、60℃の熱水で20分づつ3回繰り返し洗浄して平膜Cを得た。得られた平膜Cについて上記測定法に従って収着水の重心波数(Cwn)、及び蛋白付着率を求めた。その結果を表1に示す。
【0039】
【実施例4】
実施例3において製膜用ドープの組成を芳香族ポリスルホン17質量部、1−メチル−2−ピロリドン76質量部、2,2’−スルフィニルジエタノールとこはく酸の共重合体7質量部とすること以外同様の操作を行い、平膜Dを得た。得られた平膜Dについて上記測定法に従って収着水の重心波数(Cwn)、及び蛋白付着率を求めた。その結果を表1に示す。さらに、図3に平膜Dに収着した水の赤外吸収スペクトル及びそれを4つのコンポーネントに分けてカーブフィッティングしたところを示す。
【0040】
【比較例1】
芳香族ポリスルホン(UDEL P−1700)24質量部、1−メチル−2−ピロリドン76質量部からなるドープを調整した。ドクターブレードを用いて、得られたドープをガラス板上にキャストした後、50℃に温調された1−メチル−2−ピロリドン:水=95:5の凝固浴中へ1分間浸漬し、続いて、1−メチル−2−ピロリドン:水=50:50の凝固浴中へ20分間浸漬して相分離させた後、60℃の熱水で20分づつ3回繰り返し洗浄して平膜Eを得た。
【0041】
得られた平膜Eについて、上記測定法に従って収着水の重心波数(Cwn)を求めた。その結果を表1に示す。さらにその際得た赤外吸収スペクトル及びそれを4つのコンポーネントに分けてカーブフィッティングしたところを図4に示した。図1のバルク水に比べると大きく異なり、低波側の3250cm-1付近の成分が消失し、3450cm-1付近の比率も小さい。相対的に3650cm-1付近と3550cm-1付近の高波数側の成分の比率が大きくなっている。平膜Eについて上記測定法に従って蛋白付着率を求めた結果を表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0004338351
【0043】
【参考例1】
ジメチルスルホン(関東化成(株)製)10gに蒸留水(和光純薬(株)製)0.1gを添加し、60℃で十分攪拌混合したのち、少量採取し、これを赤外吸収スペクトル測定用窓材である2枚のフッ化カルシウム板にはさみ、日本分光製FT/IR300を用い、25℃で15回積算測定して透過法赤外吸収スペクトルを求めた。予め、蒸留水を添加していないジメチルスルホンの赤外吸収スペクトルを測定しておき、差スペクトルをとることにより、ジメチルスルホンと相互作用した水の赤外吸収スペクトルを得た。得られた赤外吸収スペクトルから上記の収着水の重心波数の測定法と同様にして重心波数を求め、Cwn=3405cm-1を得た。
【0044】
【参考例2】
ジメチルスルホキシド(和光純薬製)10gに蒸留水(和光純薬製)0.1gを添加し、25℃で十分攪拌混合したのち、少量採取し、赤外吸収スペクトル測定用窓材である2枚のフッ化カルシウム板にはさみ、参考例1と同様の条件で赤外吸収スペクトルを測定した。別途、蒸留水を添加していないジメチルスルホキシドの赤外吸収スペクトルを測定しておき、差スペクトルをとることにより、ジメチルスルホキシドと相互作用した水の赤外吸収スペクトルを得た。得られた赤外吸収スペクトルから参考例1と同様にして重心波数を求め、Cwn=3440cm-1を得た。
【0045】
【参考例3】
酢酸メチル(和光純薬製)10gに蒸留水(和光純薬製)0.1gを添加し、25℃で十分攪拌混合したのち、少量採取し、赤外吸収スペクトル測定用窓材である2枚のフッ化カルシウム板にはさみ、参考例1と同様の条件で赤外吸収スペクトルを測定した。別途、蒸留水を添加していない酢酸メチルの赤外吸収スペクトルを測定しておき、差スペクトルをとることにより、酢酸メチルと相互作用した水の赤外吸収スペクトルを得た。得られた赤外吸収スペクトルから参考例1と同様にして重心波数を求め、Cwn=3573cm-1を得た。
【0046】
【参考例4】
少量の蒸留水(バルク水)を赤外吸収スペクトル測定用窓材である2枚のフッ化カルシウム板にはさみ、参考例1と同様の条件で赤外吸収スペクトルを測定した。得られた赤外吸収スペクトルから参考例1と同様にして重心波数を求め、Cwn=3366cm-1を得た。その赤外吸収スペクトルとカーブフィッティングした様子を図1に示す。
【0047】
【発明の効果】
本発明のポリマーは血液適合性に優れるため、蛋白質や血球などの血液成分の吸着が少なく、吸着した蛋白質の変性や接触した血小板の粘着、活性化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例4に記載のバルク水の赤外吸収スペクトル及びそれを4つのコンポーネントに分けてカーブフィッティングしたところを示す図である。
【図2】実施例2の平膜Bに収着した水の赤外吸収スペクトル及びそれを4つのコンポーネントに分けてカーブフィッティングしたところを示す図である。
【図3】実施例4の平膜Dに収着した水の赤外吸収スペクトル及びそれを4つのコンポーネントに分けてカーブフィッティングしたところを示す図である。
【図4】比較例1の平膜Eに収着した水の赤外吸収スペクトル及びそれを4つのコンポーネントに分けてカーブフィッティングしたところを示す図である。

Claims (2)

  1. アルキル部分が炭素数1〜4の直鎖構造または枝分かれ構造を有するスルホニルジアルキルアルコール又はスルフィニルジアルキルアルコールと、
    しゅう酸、マロン酸、こはく酸、グルタル酸、アジピン酸から選ばれるいずれかとを、縮重合した構造を有することを特徴とする血液適合性材料。
  2. スルホニルジアルキルアルコールが2,2’−スルホニルジエタノールであり、該スルフィニルジアルキルアルコールが2,2’−スルフィニルジエタノールであることを特徴とする請求項1記載の血液適合性材料。
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