JP4338238B2 - 変速機の高負荷伝達体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力伝動用のベルト伝達体であって、例えばプーリ車からの耐側圧性に優れた高負荷伝動用の無端伝達体に関する。特に、工作機械などの産業機械、車両、モータ等に設置される無段変速機で定馬力の動力伝達に最適な伝達体に関する。
【0002】
【従来の技術】
無端伝達体として、無端ストラップに多数のリンクまたはブロックを配列支持する構造の先行技術は、既に数多く考案されている。日本特許出願の特開昭2−275145号(本田技研工業)は無端ストラップに形状記憶合金を用いて多数の金属ブロックの組付方法を改良した思想である。また日本特許出願の特開昭6−109077号(リケン)は隣接する各ブロック間の動きを抑制してスチールのストラップとブロックとの干渉を抑制したものである。更に日本特許出願の特開昭4−219548号(仏国カウチユ社)は、無端コアの合成ゴム・ベルトに多数のU字型リンクを組込んだ無端伝達体が開示されている。
【0003】
これ等のベルト伝達体は、その幅(X)方向にプーリ挾持圧を受ける位置として左右端のそれぞれに受圧部が施されている点で共通するが、この受圧部で受ける幅(X)方向のプーリ挾持圧に対する圧力吸収方法がいずれも不完全かつ不充分である。特に無段変速機に適用する場合には外部からプーリ車を経てベルト伝達体に印加され、プーリ挾持圧は、負荷動力の大きさ、変速信号の有無および速度など各種の外的要因でその大きさおよび速度が大きく変動する。このため或る時には挾持圧は緩やかに印加されるが、他の或る時には、瞬時にしかも極度に大きな力で印加される。この場合に、いかなる大きさおよびいかなる速度のプーリ挾持圧が印加されても、ベルト伝達体がこれを瞬時に吸収しかつプーリ車の摩擦面およびベルト伝達体の双方に損傷を与えることがなく、安定な動力伝達状態に復帰させる必要がある。
【0004】
従来技術のうち初めの二つの先行技術では、ブロック自体が金属等の剛体であってプーリ挾持圧が印加される幅(X)方向の荷重に対して全く弾性が存在しない。従ってその荷重に対する弾性吸収能力も全く存在しない。カウチユ社の開示思想は、U字型リンクの開放端部分が僅かに幅(X)方向に可撓性を有し、多少の弾性吸収力の存在が認められる。しかし無端コアに合成ゴム・ベルトが使われているため、充分な大きさのプーリ挾持圧に耐えられない。しかもその印加時に各リンクの位置決め状態が不安定になり、各リンクの配列状態の抑制力が働かないため、瞬時に過大圧力に対して伝動動作が不安定である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の変速機の高負荷伝達体は、如何なる大きさでかつ如何なる速度のプーリ挾持圧がプーリ車を介してベルト伝達体に印加される場合であっても、ベルト伝達体自体が、その幅(X)方向に充分な弾性力による荷重吸収能力を保証するため、単に各ブロック自体が個別に充分な弾性吸収能力を持つ構造にすることである。更にまた幅(X)方向の荷重を長手(Y)方向の荷重に変換する機能を持たせることによって、長手(Y)方向に隣接する他の複数のブロックに順次その荷重の分散吸収機能を達成させることである。
【0006】
即ち、本発明の第一解決課題は、各ブロックが、プーリ挾持圧の非印加時には隣接ブロックと面接触しながら動力伝達するが、プーリ挾持圧の印加時には幅(X)方向の荷重を長手(Y)方向の荷重に変換させるため隣接ブロックと共働してクサビ効果を達成するような弾性突出部を保持する高負荷伝達体を提供する。更にまた、各ブロックが、プーリ挾持圧の非印加時にも、また印加時にも長手(Y)方向に突出成形した弾性突出部のクサビ効果によって動力伝動中に過大荷重を受圧しながら安定支持状態を保証する高負荷伝達体を提供することである。
【0007】
本発明の第二解決課題は、各ブロックの弾性突出部が単に長手(Y)方向のクサビ効果による弾性吸収性だけでなく、合成樹脂製のベルトがもつ弾性屈曲性と同等の特性を持たせるため、プーリ回転中心C0を中心とした正転時とC0を中心としない逆転の屈曲方向の屈曲性に対しても充分な弾性吸収性を保証する高負荷伝達体の思想を提供している。
【0008】
本発明の第三解決課題は、特にプーリ挾持圧の印加時には、各ブロックが隣接ブロックとの間でクサビ効果を働かせながら、二つの受圧部A1,A2と弾性突出部の先端当接部Cとの間で実質的な三点支持構造を維持するので、安定伝動状態を維持したまま更に大きなプーリ挾持圧にも充分に耐性をもつ高負荷伝達体を提供する。
【0009】
本発明の第四解決課題は、各ブロックが弾性突出部で挾持圧を幅方向の伸縮変位を長手方向に伸縮変位に応力変換すると共に長手方向に印加される直進押込荷重を後方から弾性突出部に供給する事で両受圧部への充分な摩擦圧力の供給を保証する事である。
【00010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一解決手段の高負荷伝達体は、長手方向と垂直な平面で直進押込荷重を受けるため平板状に成形した平面部の左右端にプーリ挾持圧を受けるために二つの受圧部を構成したブロックの多数個を無端保持体に支持させて無端伝達体を形成してなる変速機の高負荷伝達体において、上記ブロックは、該プーリ挾持圧の大きさに応じて幅(X)方向に伸縮自在に配置された上記受圧部と、この受圧部に連なり幅(X)方向に該狭持圧を伝えかつ長手(Y)直進方向に垂直の平面に配置され隣接ブロックと互に密接当接し該直進押込荷重を受けて動力伝達するための上記平面部と、さらに上記両受圧部の間に配置され該両受圧部間を結ぶ幅方向と垂直の長手(Y)方向に向け断面形状がクサビ状または舌状に突出成形されて上記両受圧部間が幅方向の弾性力をもって撓むことを保証する為の弾性屈曲性を持つ弾性突出部とを有すると共に、直進押込伝動時には前後の隣接ブロックと上記平面部および上記弾性突出部で夫々面接触および上記ブロックの位置決めをして動力伝達しプーリ加圧摩擦伝動時には該プーリ挟持圧を上記弾性突出部の長手方向の弾性傾斜部の弾性応力に変換して弾性吸収したものである。
【0011】
本発明の第二解決手段の高負荷伝達体は、長手方向と垂直な平面で直進押込荷重を受けるため平板状に成形した平面部の左右端にプーリ挾持圧を受けるために二つの受圧部を構成したブロックの多数個を無端保持体に支持させて無端伝達体を形成してなる変速機の高負荷伝達体において、上記ブロックは、該プーリ挾持圧の大きさに応じて幅(X)方向に伸縮自在に配置された上記受圧部と、この受圧部に連なり幅(X)方向に該狭持圧を伝えかつ長手(Y)直進方向に垂直の平面に配置され隣接ブロックと互に密接当接し該直進押込荷重を受けて動力伝達するための上記平面部と、さらに上記両受圧部の間に配置され該両受圧部間を結ぶ幅方向と垂直の長手(Y)方向およびラジアル(Z)方向に向け突出成形されて上記両受圧部間に幅方向の弾性屈曲性を保証する弾性突出部とを有すると共に、上記弾性突出部はXYおよびXZ平面の各断面形状がクサビ状または舌状で長手方向およびラジアル方向に立体的な弾性傾斜部を形成してプーリ挾持圧を長手方向およびラジアル方向の弾性応力に変換して弾性吸収したものである。
【0012】
本発明の第三解決手段の高負荷伝達体は、長手方向と垂直な平面で直進押込荷重を受けるため平板状に成形した平面部の左右端にプーリ挾持圧を受けるために二つの受圧部を構成したブロックの多数個を無端保持体に支持させて無端伝達体を形成してなる変速機の高負荷伝達体において上記各ブロックは、該挾持圧により幅方向に伸縮変位可能な上記両受圧部と、該挾持圧を上記両受圧部から弾性突出部に伝える二つの上記平面部と、更に上記両受圧部間に配される上記平面部から幅方向と垂直の長手方向に断面形状がクサビ状又は舌状に突出成形された単一または複数の上記弾性突出部とを有すると共に、該挾持圧による上記両受圧部の幅方向の伸縮変位を長手方向の伸縮変位に応力変換して後方の隣接ブロックに当接加圧される上記弾性突出部の先端当接部と上記両受圧部との間の三点支持構造で安定保持する事で上記各ブロックの上記平面部がプーリ回転軸芯を中心に速比に応じてラジアル方向に等角度で常時正規の配列を維持して安定伝動させたものである。
【0013】
本発明の第四解決手段の高負荷伝達体は、長手方向と垂直な平面で直進押込荷重を受けるため平板状に成形した平面部の左右端にプーリ挾持圧を受けるために二つの受圧部を構成したブロックの多数個を無端保持体に支持させて無端伝達体を形成してなる変速機の高負荷伝達体において上記各ブロックは、該挾持圧により幅方向に伸縮変位可能な上記両受圧部と、該挟持圧を上記両受圧部から弾性突出部に伝える二つの上記平面部と、更に上記両受圧部間に配される上記平面部から幅方向と垂直の長手方向に断面形状がクサビ状又は舌状に突出成形され且つ上記弾性突出部の突出成形の方向を上記伝達体の長手進行方向の後方に向って突出成形された単一または複数の上記弾性突出部とを有すると共に該挟持圧による上記両受圧部の幅方向の伸縮変位を長手方向の伸縮変位に応力変換された上記弾性突出部の先端当接部を更に後方で当接する隣接ブロックからの長手方向の直進押込荷重によって逆方向から押込加圧する事で動力伝動したものである。
【001
【発明の実施の形態】
変速機では、ベルト伝達体の動作は、図1に示す通り定速比運転時にはプーリ車とベルト伝達体との摩擦接触面の全体に分布してプーリ挾持圧を受け接触点Aで離れているが、変速動作の開始時にはベルト伝達体の接触半径rが一端から変動し始めるため、その時の終点で最短接触半径r minの接触点A′がA″に瞬時に移動しプーリ挾持圧の全圧がそこに集中しベルトとプーリに機械的損傷を招来する。その瞬間だけベルトの屈曲状態は図1の破線の軌道M″の様に正転から逆転状態に変わりこの現象はプーリ車に変速指令が供給される度ごとに招来する。
【001
この時に伝達体が、プーリ挾持圧を完全に吸収するだけの充分な弾性力による荷重吸収機能を持つためには、単一ないし数個のブロックだけでは充分な荷重吸収能力に欠けるため、弾性突出部が幅(X)方向の伸縮変位を長手(Y)方向の伸縮変位に変換して、それ等のブロックに隣接する近隣ブロックに順次集中荷重を長手(Y)方向にも分散させたものである。従って、この事は、変速比を急速に短時間で変化させる時にプーリ車および伝達体に集中荷重が一箇所に集中することが無く、瞬時に多数ブロックに分散することになるので、変形、外傷、その他の伝達不良を招くことなく、高速応答性、制御性の変速比の移行が可能になる。
【001
本明細書では、主に油層内で使う湿式変速機用として記述したが、空気中で使う乾式の場合にも適用できる。従って本実施例では無端ストラップおよびブロックも主に金属剛体を前提としているが、これに限られず、ブロックを金属製と樹脂製とで交互配列しても良く、或いは金属材の表面に樹脂コーティング又は金属材の積層に成形しても良く、更には全てを樹脂材のみで加工しても良い。
【001
また更に本明細書に示した各ブロックに施している弾性突出部の突出成形の方向は、いずれもベルト伝達体の進行方向(回転方向)の後方に向って突出成形し変換した分散吸収荷重が直進押込荷重と互に逆方向に向った例を開示したが、逆に進行方向の前方に向って突出させても良い。また、クサビ状突出部の突出形状に関しても、本実施例では、V形、台形ないし三角形或いは円弧状又は楕円錐状のものを示したが、クサビ効果により幅(X)方向荷重が長手(Y)方向荷重に変換し、隣接ブロックの内外壁が弾性力を保持しながら互に食込み侵入してかつ押圧するならば、立体形の錐状、平板を成形したU形や舌状等の如何なる形状でも良い。
【001
【第1実施例】
図1は本発明の第1実施例の変速機用の無端高負荷伝達体の一部分の装着状態を示す部分側面図である。同図中では伝達体の左側プーリ挾持圧非印加時に後方から直進押込荷重を受ける直進押込伝動状態Pを、また右側が伝達車1からプーリ挾持圧が印加され回転中心C0を中心に半径R0の角度(θ)の正転方向に折曲したプーリ加圧摩擦伝動状態Qをそれぞれ示し、両者は連なったまま単一の無端伝達体10を形成する。なお作図の便宜上、無端伝達体10の全体は省略し、一部分のみを描写する。
【001
伝達体10は、帯状をした無端保持体11と、この保持体11上を長手(Y)方向に摺動可能に懸垂状態に吊下げられた多数のブロック12とを無端の円環状に配列して構成される。伝達体10は、伝達車1の矢印Sで示す回転方向に回動する。このとき、各ブロック12は、伝達体1により伝達体10の幅(X)方向すなわち回転軸芯方向にプーリ挾持圧を受ける受圧部13,14と、長手(Y)直進方向Pと垂直の平面を前後に配置され隣接ブロックと互いに密接当接して連結状態を維持して動力伝達する平面部13a,13c;14a,14c;20f,20dと、更に後面側にも同じく各ブロック相互間の連結状態により確実な位置決めを施すと同時に幅(X)方向の弾性力を長手(Y)方向の応力に変換する弾性突出部20と、で構成される。この時各ブロック12は弾性突出部20の上端腕曲切欠部を無端保持体11で包囲された状態で、ラジアル(Z)方向の遠心力に抗しながら伝動に寄与する。
【0020
伝達体10がプーリ車1の軌道Mで等速比伝達中は、摩擦点A,B,C,D,Eの半径RA,RB,RC,RD,REは全てR0でプーリ車1から伝達体10に印加されるプーリ挾持圧は接触面の全周で略均等に分散加圧されている。しかし変速指令或いは変速機の外部より外乱が侵入したときには、この挾持圧の均等分散状態は次の等速状態に至るまでの一瞬間の間だけ乱れる。伝達体10が、速比ε0の等速軌道Mから次の速比ε1の変速軌道M′に変更する変速指令が外部から供給された瞬間の伝動状態を分析してみる。この時伝達体10は引張側の接触点Aから順にBないしEに向って移動し始める。従って移行時の一瞬間の間の接触径rは同図の様にrA<rB<rC…rEの関係に到る。
【0021
この事は一瞬間だけ接触点A′の1点に伝動に必要なプーリ挾持圧の全荷重が集中することを意味する。本発明はこの集中荷重を受けても、各ブロック12は、幅(X)方向に充分な弾性屈曲性を付与することによって、この瞬時に印加される極度に大きな集中荷重を、これまた瞬時にA′点のブロック12のみが引き受けることなく、順次他の隣接ブロック12で構成されるB′点、C′点、D′点、E′点に荷重分散させて弾性吸収する構造の剛体製伝達体10を実現したものである。望ましくは、A′点を始点として終点Eまでの角度θ0が約45度乃至170度程度まで分散すべきである。
【0022
図2は図1に示す第1実施例の高負荷伝達体10に用いたブロック単体の構成を示し、図2Aは左側係止具付ブロック12Lの背面図、図2Bは同ブロック12Lの上面図さらに図2Cは同ブロック12Lの側面図をそれぞれ示す。更に図2Dは無端保持体11に保持された右側係止具付ブロック12Rの背面図を示す。図2Aにおいて、左側係止具付ブロック12Lは、左側平面部13aの上方に無端保持体11からの脱落を阻止する係止具17Lを施されかつその近傍には平面部13aの長手(Y)方向に厚味lmの貫通孔15が施される。また図2Bに示す通り、右側平面部14aは平面部14aの同じ高さの位置に長手(Y)方向の厚味lmと略同等の長さlmの係合突起16が施される。一方、図2Dに示す通り、ブロック12Lとは逆に、係止具17Rおよび貫通孔15が平面部14aに、また係合突起16が平面部13aにそれぞれ施された右側係止具付ブロック12Rも、予め用意される。なお、図2Dでは、二つの車1a,1bからなるプーリ車1と無端保持体11を同時に示してある。
【0023
本実施例では、各ブロック12L,12Rは、いずれも二つの受圧部13,14の間に平面部13a,14aを経て弾性突出部20が配置され、かつ全体が単一の金属弾性材をもって一体加工されて単一のブロック12を形成する。また、この例では、弾性突出部20は、図2Bのように弾性材の平板傾斜部20a,20aがほぼ直角θ=90度に交互するように、伝達体10の長手(Y)方向に突出し、先端当接部20bを台形に成形される。しかも、図2Eに示す通り、受圧部13,14の長手(Y)方向の厚味lmは、弾性傾斜部20aの厚味lmとの間で傾斜角θの大きさに応じてln=lm×sinθ1で決る厚味に選定される。これによって図1で示した直進押込伝動時には、前後に隣接するブロック12の相互間で受圧部13,14の正面および背面の各平面部13a,13cおよび14a,14cが互に密接当接し後方からの直進押込荷重を受けて動力伝動するだけでなく、弾性突出部20の傾斜部20a,台形部20bの各傾斜平面部20i,20cおよび台形平面部20f,20dもこの時、同時に各ブロック間で密接当接状態を確保し、特に台形部20bはもう一つ別の平面部として平面部13a,13c;14a,14cと同様の直進押込荷重を受けている。
【002
図2Cの様に、平面部13c,14cおよび弾性突出部20の傾斜部20a並びに台形部20bの正面側は、すべて平面状態だが、背面側は、図2Aに示したU−U線より上方側を平面部13a,14a,台形平面部20f,傾斜平面部20iに対して下方側は折曲部13b,14b,台形折曲部20g,傾斜折曲部20hが施されている。これによって、図1で示した伝達体10が接触半径R0の加圧摩擦位置に入ったとき、各ブロック12が伝達車1の回転中心C0 に対して変速比εに応じて決るラジアル(Z)方向に略等角度θ1で位置決め配列できるように構成してある。折曲部は、直線状の傾斜平面としても、また円弧状の腕曲面即ち腕曲部にしてもよく、前者は図4Cに示す通り速比εが変化しても同じ折曲点Fで当接するが、後者では当接点の位置が速比に応じて変化する。本実施例では折曲部13b,14bを直線状に、折曲部20a,20bを腕曲状または腕曲部にしてある。この加圧摩擦伝動状態Qでは、各ブロック12の弾性突出部20が傾斜状態のまま無端ストラップ11によって安定状態に位置決めされ、速比εに応じて当接させるための腕曲切欠部20e が弾性突出部20の上端に施される。
【002
図3は、上述した二種類の左側係止具付ブロック12Lと右側係止具付ブロック12Rとを無端ストラップ保持体11に組立てる様子を示すブロック組立図である。二つの受圧部13,14にそれぞれ貫通穴15および係合突起16とが交互に施されているため、隣接ブロックの間では互に係合突起16が貫通穴15に挿入された状態で組立てられる。同時に係止具17L,17Rも同様に各受圧部13,14より交互に突出され、両者の間には挿入空間19が残される。この挿入空間19を介して保持隙間18はストラップ11の組付空間として使用される。この時、無端保持体11の全周にブロック12L,12Rが配列され、各ブロック12が保持体11上を押圧移動できるように、ブロック12Lと12Rとの間に僅かな隙間が残される程度に設置される。
【002
図4Aおよび4Bは、本実施例の高負荷伝達体の図2Bの上面図によりその動作を説明するためのブロックの動作説明図であり、同図4Aはプーリ挾持圧の弾性吸収力の変換原理図であり、同図4Bは同挾持圧を受ける前後の弾性突出部20の変形状態を示す動作図である。説明の便合上、図4Aに示す様に、二つの受圧部13,14を結ぶ、伝達体10の幅Wの方向をX軸と、また伝達体10の長手方向をY軸と、さらに図1に示すラジアル方向をZ軸と、仮定する。
【002
無段変速機では、二つの円錐車1a,1bの相対距離を変化させ、摩擦圧力を変えて所定の伝達動力を確保するため、伝達体10には大きさおよび速さが自在に変動するプーリ挾持圧が加えられる。図4Aのようにこれに応じて各ブロック12には、受圧部13,14の摩擦面a1,a2にプーリ挾持圧が矢印A,A′の両面から印加され、平面部13a,14aを経て伝達され台形クサビ状又錐形クサビ状に成形された弾性突出部20の端部a′1,a′2より所定距離Lの位置に板バネ傾斜部B,B′を介して先端当接部Cの仮想連結点a0に向って加圧される。本実施例のブロック12は、或る程度の移動性を確保するため先端当接部Cは台形部20bを施してあるがV字形でもよく、実質的な原理動作は同図に示す通り、三つの端部a0,a1,a3によってXY平面上で安定支持状態に維持可能であることを示す。しかもZ軸方向には無端ストラップ11で位置決めされているため、実体的にはX,YおよびZ軸のいずれの方向に対しても、個々のブロック12は円錐車1a,1b間で傾斜状態のまま伝動することもなく伝動中ほぼ完全な安定位置状態が確保される。
【002
特に本発明の最大の特徴は、二つ存在する。第1の特徴は、伝達車1から加わるプーリ挾持圧が、小さな荷重でかつ緩やかに印加される場合でも、また逆に著しく過大な荷重でかつ瞬時に印加される場合であっても、これを速やかに弾性吸収するだけの充分な弾性吸収力を伝達体10自体が内在しているため、最高速比εmaxから最小速比εminに至るまでの変速時間を著しく短期制御できることである。第2の特徴は、仮に少数のブロック12のみに極度に大きな瞬間荷重が加わっても、この荷重を隣接の他の複数のブロック郡に瞬時に順次分散されることによって、伝達車1及び伝達体10への機械的損傷を皆無にできることである。
【002
次に図4Bによって、本発明によるこれ等の集中荷重を分散する特徴の根拠を説明する。同図において右図(i)は、図4Aの受圧点a1,a2からプーリ挾持圧を受けてない状態を示し、左図(ii)はプーリ挾持圧を受けて、受圧部a1,a2がb1,b2に幅(X)方向に距離βだけ弾性収縮した状態をそれぞれ示す。
【0030
図4B−(i)では、この時弾性突出部20の板バネ傾斜部20a,20bの角度θは図2Bに示す通り略90°のままの状態である。しかし一担、伝達車1のプーリ挾持圧を受け始めると、受圧部13,14は移動し始め、図4B−(ii)に示すように弾性傾斜部20a,20bの双方が応力変形しながら、先端当接点もa0からb0に前進し始め、その移動距離αはl0(=l02−l01)になる。本実施例の先端は実際には台形部20bを形成しているため、本ブロック12の折曲点a01,a02 の部分が隣接後方の後ブロック12に対し、錐状の弾性傾斜部20a,20bのクサビ効果とともに強固な圧力で当接する結果、本ブロック12はその受圧部13,14の受圧点b1,b2と先端当接部b01,b02の実質的な先端当接部b0との三点支持効果によって応力変形し強固に支持され弾性吸収されることになる。後ブロック12も本ブロック12の先端当接部の圧力とプーリ挟持圧を受け本ブロック12の圧力分散と略同等の動作を順次行い更に後ブロックに分散する。
【0031
更に、図4Cは、複数ブロック12の弾性突出部20が、挟持圧をベルト内で順次に圧力分散ないし変換機能を達成していることを図示している。即ち、本ブロック12−1の弾性突出部20の受圧部13,14を経て加わったX軸方向のプーリ挾持圧は、クサビ状傾斜部20a,20bの応力変形によって前後に隣接する他のブロック12-0,12−1への圧力を変化させるので、ブロック12−2は折曲点F2を中心に傾き始めて当接点Eを介してY軸方向の弾性応力に変換されていることになる。本実施例の伝達体10が全て金属剛体で製造された場合であっても、合成ゴムなどの樹脂材で製造した可撓性のベルト伝達体とほぼ同等の圧力分散機能を提供していることを意味する。このことは、幅(X)方向のプーリ挾持圧の大きさが小さく緩やかである場合は、変換後の長手(Y)方向の複数のブロック12だけでその弾性応力として弾性吸収する。しかし急瞬でかつ過大圧の場合にも、幅(X)方向の収縮が大きい分だけ瞬時に長手(Y)方向の多数のブロック12に分散されるので、一部のブロックやプーリ摩擦面が損傷することはない。結果的に最低から最高速比に至る変速時間を短縮しても安定伝動が可能となる。
【0032
なお、本実施例の傾斜部20a の傾斜角度θおよびθ2は必要に応じて変更可能であり、また台形部20b の形状も実質的に三点支持機能を果たす限り任意に変更可能である。更に上述した本発明の弾性突出部の積層による急峻衝撃荷重による荷重分散に関する技術思想は、次に記述している第2実施例で示す通り、弾性突出部が単一に限らず複数の弾性突出部を有しても良い。
【0033
【第2実施例】
図5は本発明の第2実施例の変速機の無端高負荷伝達体を示す。図5Aは同伝達体のブロック12を示す正面断面図、図5Bは保持体11とブロック12を示す側面断面図、図5Cは図5Bの上面図、さらに図5Dはブロック12に施した保持体11の挿入用の切開部を示す部分構成図である。本例でも、上述した第1実施例の「幅(X)方向のプーリ挾持圧を長手(Y)方向の弾性力に変換する」ことで弾性吸収する基本思想を複数でかつ立体的に利用している。しかし更に幾つかの新たな技術思想を開示しているので、その新たな技術思想のみを、第1実施例と比較して項目ごとに説明する。
【003
(1)第一に無端保持体は、帯状ストラップではなく、単線の繊維・鋼線等を円環状にたばねたワイヤロープ状の無端保持体11で構成した思想である。断面形状は円形でブロック12の中心に施した貫通孔18を通じて各ブロック12が個別に保持体11上を摺動可能に支持される。(2)第二にブロック12に施した弾性突出部20の断面形状が、単なる弾性の平板材による折曲成形体ではなく、包囲部20j,20kを施すことにより三次元の立体構造として円形またはほぼ半楕円形状に突出している円錐ないし錐状構造の思想である。即ち、図5A,5Cの様にX―X線の断面形は、第1実施例の図2Bと略同等のV字またはU字状のクサビ形状を保持し、受圧部A1,A2と仮想連結点a0に向う当接部Cとの三点支持構およびクサビ効果による挾持圧分散機構は同一構成である。しかし本例では更にZ軸方向にも仮想の先端当接点Dを想定し、二つの弾性傾斜部20a,20aはZ軸の下方(伝達体内周側)に向って傾斜角度θ3のV字またはU字状の第二のクサビ形状又は舌状突出部を第二のクサビ状突出部として有する。これによって図1に示すように各ブロックは、長手(Y)方向だけでなく、プーリ回転軸芯C0を中心とした屈曲角度(θ0)方向の屈曲性についても第二のクサビ効果による所定の弾性吸収力を付与したものである。即ち伝達体10の曲率半径Rが小さくなるのに応じて内部弾性力を増大させ、結果的には変速機の外部からプーリ車を介して印加される突発的な外乱衝撃力による伝達体10の変則的な動きを長手(Y)方向だけでなく、ラジアル(Z)方向にも複数の隣接ブロックにて抑制させることを目的としたものである。
【003
(3)弾性突出部20はその先端貫通孔18にワイヤロープ11を挿入するため、立体包囲構造の一部に切開部21が施される。図5Cに示す通りブロック12は、Y−Y線を境に右側切開部21Rを施した第一ブロック12R′と、左側切開部21Lを施した第二ブロック12L′とが予め個別に用意される。貫通孔15と係合突起16の付設と同様に、保持体11には第一および第二ブロック12R′,12L′が交互に配列され、これによって貫通孔18からのブロックの脱落を阻止している。図5Dは、切開部21の状態を示し、各接合片22,23には、それぞれ凸部22a,23aと凹部22b,23bとを互に連結し、互の係止部22cおよび23cによって図中の矢印VおよびW方向の加圧に対しても連結状態を維持する。しかし無端保持体11の組込時は切開部21を点線で示す接合片23′に開放して、空間19より挿入する。
(4)更に、切開部21による弾性突出部20の幅(X)方向の弾性力の強度が低下するのを補償強化するため、V字型に突出した弾性材26を二つの平面部13a,14aの上方部の間に介在させ二枚の弾性強化板材25a,25bを設置し平面部13a,14aにスポット溶接27で保持させ弾性力を強化させたものである。
【003
(5)また図5A,5Bに示すように仮想当接点Dとは対称の位置にもう1つ別の仮想の先端当接点D′を新たに設定し、点線24で示す新たな弾性傾斜部20a′,20a′を角度θ4のV字型にして第三のクサビ状突出部又は閉環状傾斜部を成形してもよい。これによって無端伝達体10が回転中心C0を中心とした伝達体内周側の弾性屈曲部24aだけでなく、その反対の側に屈曲する場合の伝達体外周側の弾性逆屈曲部24bを確保するためのものである。特に図1で述べた通り、変速指令を受けた瞬間の最小接触点A′にプーリ荷重が集中し、次の回動に伴ってプーリ車1が伝達体10をA′点を挟み込んだままA″点で移動する。更にその次の瞬間に、M″方向に引張られるためA″点では、伝達体10は正規の屈曲性とは逆にθ0が180°以上に逆転する。この時に少数ブロック12のみに逆屈曲衝撃力がA″点に集中するのを阻止し、この仮想当接点D′による弾性吸収力で集中荷重を吸収する逆クサビ効果をもたせたのである。この構成により伝達体10は、弾性突出部20を立体的な舌状円錐形に成形L、長手(Y)方向、正転屈曲角度(θ0)方向、更に逆転屈曲角度(θ0′)方向の三方向に夫々クサビ効果を働かせて、合成ゴム・ベルトと略同等の弾性屈曲性ならびに挟持圧分散機能を保持出来る。
【003
【他の実施例】
上述の第1、第2実施例は、各ブロック12として受圧部13,14と平面部13a,14bと弾性突出部20が所定の弾性材から成る単一金属材で屈曲成形した湿式変速機用の伝達体の例を開示したが、単一金属材に限定されず、強化繊維を混合した樹脂材で全体を成形しても良く、また金属弾性材にこの樹脂材や金属材をラミネートした積層材の構成にしても良い。また、更に弾性突出部20の形状は、受圧部から加わるプーリ挾持圧を幅(X)方向又は、半径Rの折曲(θ0、θ0′)方向の方向に充分な弾性が確保されるならば、第二ないし第三の突出部等複数突出部を成形しまた如何なる形状でも良い。更に、本発明の思想は、乾式変速機用の伝達体にも適用でき、例えば受圧部13,14をオイルレス・メタルのような含油金属を用い弾性突出部を弾性金属で構成しても良い。以上のように、本発明は、記述の実施態様だけに限定されず、特許請求の範囲内に於いて如何なる形態に変更しても、本権利範囲に含まれる。
【003
【発明の効果】
この発明の高負荷伝達体は、主には金属材だけ、或いは金属と樹脂・繊維との複合材などの剛性素材を用いながら、従来樹脂製伝達体のもつ弾性可撓性、弾性吸収性および屈曲性と同様の原理にもとづき、高負荷用に適用できる充分な弾性可撓性と充分な耐久性と共に弾性吸収性及び屈曲性を実現したものである。この剛性素材を用いながらプーリ車又はベルト伝達体の一箇所に集中荷重が集中する事無く瞬時に多数ブロックに応力変換して分散ししかも充分な弾性可撓性を保証することによって従来の樹脂製伝達体では数十馬力〔HP〕以下の動力しか伝動能力を持ちえなかったのに対し、数十馬力乃至数百馬力〔HP〕以上の動力を小型にしてかつ高速の変速応答ができる伝達体を実現した。
【003
本発明の伝達体は、プーリ挾持圧を受けて各ブロックの受圧部が幅(X)方向に受圧収縮した時に、長手(Y)方向に突出成形した弾性材からなる弾性突出部の先端当接点の位置が長手(Y)方向の伸縮動作に変換している。これにより隣接ブロック相互間で長手(Y)方向に強固に連結しながら、プーリ挾持圧のもつ幅(X)方向荷重を瞬時に伝達体の長手(Y)方向に分散すると同時に各ブロックが二つの受圧部A1、A2と弾性突出部の先端当接部Cとの間で三点支持構造を維持するので傾斜状態のまま伝動することなく位置決めの安定化を図る作用効果を、伝動中に常に機能させたものである。弾性突出部の突出成形方向がベルト伝達体の進行方向の後方に向くので先端当接部が後方から前方に向って長手方向の直進押込荷重を受け、結果的に各受圧部に摩擦圧力を与えて所定の伝達動力を確保する効果がある。
【0040
特に高負荷伝達体の受圧分散機能は、無段変速機に適用すると二つの大きな効果を生む。その一つは、伝達体が充分な弾性力による荷重吸収機能をもち安定伝動状態を維持するので最低速Vminから最高速Vmaxに至る変速時間を短縮できる。即ち変速制御の速度を急峻に行っても伝達体がそのプーリ挾持圧の急激な変化に応答する高速応答能力を持つことである。もう一つは、変速機の外部の入出力機器から内部に向って変則的又は衝撃的なプーリ挾持圧が印加されることがあっても、ベルト伝達体自体が各ブロックのもつ多軸方向の充分な弾性可撓性によって、この衝撃を少数のブロックに集中させず、瞬時に長手(Y)方向またはラジアル(Z)方向の多数のブロックに分散させることによる衝撃吸収能力をもつことである。この二つの能力によって剛性素材でありながらゴム・ベルトと同等の弾性吸収機能を保持し、しかも樹脂ベルトとは比較にならない程の高負荷動力を小型かつ高速度の変速制御で伝動できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例変速機の高負荷伝達体の一部分を示す部分構成図である。
【図2】 同上実施例の高負荷伝達体に使われるブロック単体の構成を示し、図2Aは左側係止具付ブロックの背面図で、図2Bは同ブロックの上面図で、図2Cは同ブロックの側面図で、図2Dは右側係止具付ブロックの背面状態図で、さらに図2Eは同ブロック部材の厚さを示す部分断面図である。
【図3】 同上実施例の高負荷伝達体のブロックの組立手順を示す部分組立図である。
【図4】 同上実施例の高負荷伝達体のブロックの動作説明図であり、図4Aは受圧変換機能を示す動作説明図で、図4Bは同ブロックの分散変形状態を示す動作説明図で、さらに図4Cは同上各ブロックの連鎖状態を示す動作説明図である。さらに
【図5】 本発明の第2実施例変速機の高負荷伝達体のブロックを示し、図5Aは同ブロックの正面断面図で、図5Bは同ブロックの側面断面組立図で、図5Cは同ブロックの側面組立図で、さらに図5Dは同ブロックに施した切開部の部分構成図である。
【符号の説明】
1,1aおよび1b 伝達車またはプーリ車
2 回転軸
10 高負荷伝達体、ベルト伝達体または伝達体
11 無端保持体、ストラップまたはワイヤロープ
12 ブロックまたはリンク
12L 左側(係止具付)ブロックまたは第二ブロック
12R 右側(係止具付)ブロックまたは第一ブロック
13,14 受圧部
13a,14a 平面部
13b,14b 折曲部または腕曲部
13c,14c 平面部
15 貫通孔
16 係合突起
16a 凹部
17 係止具
18 保持隙間または貫通孔
19 挿入空間
20 弾性突出部
20a 傾斜部、板バネ傾斜部またはクサビ状部
20b 台形部または当接部
20c 傾斜平面部または内壁
20d 台形平面部、内壁または別の平面部
20e 腕曲切欠部または切欠部
20f,20i 平面部
20g,20h 腕曲部または折曲部
20j,20k 包囲部
21,21R,21L 切開部
22,23 接合片
22a,23a 凸部
22b,23b 凹部
22c,23c 係止部
24a 弾性屈曲部
24b 弾性逆屈曲部
25 弾性板材
26 弾性材
27 溶接部

Claims (10)

  1. 長手方向と垂直な平面で直進押込荷重を受けるため平板状に成形した平面部の左右端にプーリ挾持圧を受けるために二つの受圧部を構成したブロックの多数個を無端保持体に支持させて無端伝達体を形成してなる変速機の高負荷伝達体において、
    上記ブロックは、該挾持圧の大きさに応じて幅(X)方向に伸縮自在に配置された上記受圧部と、この受圧部に連なり幅方向に該挾持圧を伝えかつ長手(Y)直進方向に垂直の平面に配置され隣接ブロックと互に密接当接し該直進押込荷重を受けて動力伝達するための上記平面部と、さらに上記両受圧部の間に配置され該両受圧部間を結ぶ幅方向と垂直の長手(Y)方向に向け断面形状がクサビ状または舌状に突出成形されて上記両受圧部間が幅方向の弾性力をもって撓むことを保証する為の弾性屈曲性を持つ弾性突出部とを有すると共に、進押込伝動時には前後の隣接ブロックと上記平面部および上記弾性突出部で夫々面接触および上記ブロックの位置決めをして動力伝達しプーリ加圧摩擦伝動時には該挾持圧を上記弾性突出部の長手方向の弾性傾斜部での弾性応力に変換して弾性吸収したことを特徴とする変速機の高負荷伝達体。
  2. 長手方向と垂直な平面で直進押込荷重を受けるため平板状に成形した平面部の左右端にプーリ挾持圧を受けるために二つの受圧部を構成したブロックの多数個を無端保持体に支持させて無端伝達体を形成してなる変速機の高負荷伝達体において、
    上記ブロックは、該挾持圧の大きさに応じて幅(X)方向に伸縮自在に配置された上記受圧部と、この受圧部に連なり幅方向に該挾持圧を伝えかつ長手(Y)直進方向に垂直の平面に配置され隣接ブロックと互に密接当接し該直進押込荷重を受けて動力伝達するための上記平面部と、さらに上記両受圧部の間に配置され該両受圧部間を結ぶ幅方向と垂直の長手(Y)方向およびラジアル(Z)方向に向け突出成形されて上記両受圧部間に幅方向の弾性屈曲性を保証する弾性突出部とを有すると共に、上記弾性突出部はXYおよびXZ平面の各断面形状がクサビ状または舌状で長手方向およびラジアル方向に立体的な弾性傾斜部を形成して挾持圧を長手方向およびラジアル方向の弾性応力に変換して弾性吸収したことを特徴とする変速機の高負荷伝達体。
  3. 請求項1または2において、上記ブロックは、上記弾性突出部を一端で上記平面部に連なる上記弾性傾斜部で形成しまたはこの弾性傾斜部に両側で連なり長手(Y)直進方向に垂直の平面から該直進押込荷重を受けるもう一つの別の平面部と上記弾性傾斜部とで形成したことを特徴とする変速機の高負荷伝達体。
  4. 請求項3において、上記ブロックは、上記平面部または上記弾性突出部の該弾性傾斜部には該傾斜部背面外壁の上方側または下方側に夫々腕曲切欠部或いは折曲部または腕曲部を施して上記ブロックの上記受圧部をラジアル方向に位置決め配列可能にしたことを特徴とする変速機の高負荷伝達体。
  5. 長手方向と垂直な平面で直進押込荷重を受けるため平板状に成形した平面部の左右端にプーリ挾持圧を受けるために二つの受圧部を構成したブロックの多数個を無端保持体に支持させて無端伝達体を形成してなる変速機の高負荷伝達体において
    上記各ブロックは、該挾持圧により幅方向に伸縮変位可能な上記両受圧部と、該挾持圧を上記両受圧部から弾性突出部に伝える二つの上記平面部と、更に上記両受圧部間に配される上記平面部から幅方向と垂直の長手方向に断面形状がクサビ状又は舌状に突出成形された単一または複数の上記弾性突出部とを有すると共に、該挾持圧による上記両受圧部の幅方向の伸縮変位を長手方向の伸縮変位に応力変換して後方の隣接ブロックに当接加圧される上記弾性突出部の先端当接部と上記両受圧部との間の三点支持構造で安定保持する事で上記各ブロックの上記平面部がプーリ回転軸芯を中心に速比に応じてラジアル方向に等角度で常時正規の配列を維持して安定伝動させたことを特徴とする変速機の高負荷伝達体。
  6. 長手方向と垂直な平面で直進押込荷重を受けるため平板状に成形した平面部の左右端にプーリ挾持圧を受けるために二つの受圧部を構成したブロックの多数個を無端保持体に支持させて無端伝達体を形成してなる変速機の高負荷伝達体において
    上記各ブロックは、該挾持圧により幅方向に伸縮変位可能な上記両受圧部と、該挟持圧を上記両受圧部から弾性突出部に伝える二つの上記平面部と、更に上記両受圧部間に配される上記平面部から幅方向と垂直の長手方向に断面形状がクサビ状又は舌状に突出成形され且つ上記弾性突出部の突出成形の方向を上記伝達体の長手進行方向の後方に向って突出成形された単一または複数の上記弾性突出部とを有すると共に該挟持圧による上記両受圧部の幅方向の伸縮変位を長手方向の伸縮変位に応力変換された上記弾性突出部の先端当接部を更に後方で当接する隣接ブロックからの長手方向の直進押込荷重によって逆方向から押込加圧する事で動力伝動したことを特徴とする変速機の高負荷伝達体。
  7. 請求項1、2、または6において、上記ブロックは、帯状またはワイヤロープ状の上記無端保持体が上記弾性突出部の上端に配した腕曲切欠部を包囲しまたは中心に配した貫通孔を通すことで上記無端保持体上を摺動可能に保持されたことを特徴とする変速機の高負荷伝達体。
  8. 請求項7において、上記ブロックは、長手方向またはラジアル方向に複数の上記弾性突出部を有し上記両受圧部を共通させて複数の該三点支持構造を働かせたことを特徴とする変速機の高負荷伝達体。
  9. 請求項1、2、またはにおいて、上記ブロックは、上記弾性突出部のXZ平面の断面形状がラジアル方向でかつ上記伝達体の内周側または外周側に向い第二または第三のクサビ状または舌状突出部を夫々突出形成され、上記伝達体の正転屈曲方向または逆転屈曲方向の弾性力を保持したことを特徴とする変速機の高負荷伝達体。
  10. 請求項1、2、またはにおいて、上記ブロックは、上記弾性突出部および上記平面部を弾性材で成る金属材または樹脂と強化繊維との複合材の単一平板材から或いは該単一平板材に別の金属材または樹脂材をラミネートした積層平板から成形したことを特徴とする変速機の高負荷伝達体。
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