JP4335365B2 - トイレ用清掃具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はトイレ用清掃具に関するものであり、さらに詳しくは、トイレの便器に付着した汚れを除去するのに適した清掃具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トイレの便器等を擦り洗いするのに、柄の先端にブラシを備えた清掃具を使用するのが一般的である。
この種の清掃具は、ブラシの繊維が便器の種々の曲面に対応して清掃対象に接触し、清掃対象の汚れを除去することができるが、ブラシの繊維自体は細くて耐久性がそれほど高くないため、擦り洗いを続けるにしたがってそれらの繊維は、次第に恒久的に変形したり、切れたりしてしまうことが多く、これにより、ブラシの先がばらばらに広がって使いにくくなったり、清掃能力が低下したりするなどの問題が生じていた。特に、こびりついた汚れを除去する場合には、力を入れて何度も擦るため繊維の変形が早く、ブラシが劣化し易かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の技術的課題は、便器等にこびりついた汚れを簡単且つ確実に除去することができ、しかも、耐久性に勝れた清掃具を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明のトイレ用清掃具は、握持用の柄と、該柄の先端に形成された摺擦部材用取付台と、該取付台に着脱自在に装着された摺擦部材とを備え、上記摺擦部材が、柔軟で弾性を有する素材により形成されていて、上記取付台に取付けるための基体部と、該基体部上に縦横方向に間隔をおいて立設された複数の薄板状のへら部片とを有することを特徴とするものである。
【0005】
上記構成を有するトイレ用清掃具は、手で握持用の柄を握り、柄の先端の摺擦部材を便器等の清掃対象にあてがって擦り洗いを行なう。
このとき、摺擦部材の基体部上に縦横方向に間隔をおいて立設された、複数の薄板状のへら部片によって汚れが掻取られる。
上記へら部片は、柔軟で弾性を有した素材により薄板状に形成されているため、個々のへら部片が便器の種々の曲面に応じて適度に変形しながら接触し、その表面を確実に擦り洗いをすることができる。また、へら部片は従来の清掃具のブラシの細い繊維に比べて耐久性に勝れ、繰り返して擦り洗いを続けたり、力を入れて擦ったりしても、恒久的な変形が生じたり、切れたりすることがほとんどないため、清掃能力の低下が防がれる。
また、上記へら部片により、汚れと共に清掃対象に付着した水滴まで掻取ることができるため、水滴を改めて雑巾等で拭取る手間が省け、トイレの清掃作業を容易に行なうことができる。
【0006】
本発明の具体的な構成態様によれば、上記へら部片が少なくとも基体部の横方向には列をなすように配設されると共に、各列のへら部片がへら面を基体部の縦方向に向けて同じ向きに配設され、かつ隣接するへら部片列間においてへら部片の位置が列方向に相互にずれている。
これにより、清掃具を前後に摺動させるだけで、前後の列のへら部片によって隙間を生じることなく、簡単且つ確実に汚れや水滴を掻取ることができ、清掃の効率を格段に高めることができる。
【0007】
本発明の他の具体的な構成態様によれば、上記取付台が前後方向中央部が突出する形に湾曲していて、該取付台に上記摺擦部材が湾曲した状態に取付けられている。
また、本発明においては、上記摺擦部材が、上記基体部の一部に、上記へら部片とは向きの異なる複数のへら状補助部片を有するものとすることができ、この場合、上記補助部片は、上記基体部の縦方向両端部に設けることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は本発明に係るトイレ用清掃具の一実施例を示すもので、この実施例の清掃具は、握持用の柄1と、該柄1の先端に形成された摺擦部材用取付台2と、該取付台2に着脱自在に装着された、清掃対象を擦るための摺擦部材3とを備えている。
【0009】
上記柄1は、合成樹脂により形成されたもので、この柄1の先端側は、前傾状態に若干湾曲していて、その先端は上記取付台2の背面側に一体に連結されている。
【0010】
上記取付台2は、合成樹脂により上記柄1と一体に形成された板体状のもので、その上下方向中央部が前方側、即ち上記摺擦部材3との取付面側に突出する形に湾曲している。なお、上記柄1とこの取付台2との間には、柄1に加えた力を取付台2に有効に伝達させると共に取付台2と柄1との間の剛性を高めるための補強部15が、一体に設けられている。
【0011】
この取付台2には、図4に詳しく示すように、その上端側に、上記摺擦部材3の係止部4aを係止させるための係止片6が突設されている。
また、取付台2の中央部寄りの部分、及び係止片6と反対側の端寄りの部分には、摺擦部材3が清掃時に取付台2上からずれるのを防ぐための位置固定手段として、取付台から一体に立ち上がる突起7、及び固定用ねじ12を螺挿するためのねじ孔8aを中央部に備えた窪み8とが設けられていて、後述する摺擦部材3の窪み10及び孔付き突起11にそれぞれ嵌合するようになっている。
【0012】
上記摺擦部材3は、ゴムや軟質の合成樹脂等の、柔軟で弾性を有する素材により形成されたもので、上記取付台2に取付けるための板体状の基体部4と、該基体部4上に縦横方向に間隔をおいて立設された、清掃対象の汚れや水滴を掻取るための複数の薄板状のへら部片5とを一体に備えている。
【0013】
上記基体部4は、上記取付台2よりやや大形の小判形に形成されていて、その表面に上記へら部片5が一体に形成されている。
一方、この基体部4の裏面には、図5に詳しく示すように、その一端側に上記取付台2の係止片6を挿入、嵌着させるための係止部3aが設けられ、また、取付台2の上記突起7及び窪み8と対応する位置には、これら突起7及び窪み8がそれぞれ嵌合する上述した窪み10と突起11とが設けられている。
【0014】
上記各へら部片5は、先端側から基端側に行くに従って次第に厚肉となる小片状にそれぞれ形成されたもので、力を入れて清掃対象に押付けるとその形状に対応して弾性変形し、力を抜くと元の状態に確実に復帰できる程度の弾性を備えている。
これらのへら部片5は、基体部4の横方向には列をなすように配設されると共に、縦方向には複数列配設され、各列のへら部片5がへら面を基体部4の縦方向に向けて同じ向きに配設されている。図に示す例では、3枚から5枚のへら部片5からなる列が、基体部4の縦方向とほぼ等間隔で9列設けられている。
また、これらのへら部片5は、隣接する前後のへら部片列間において各へら部片5の位置が、列方向に相互にずれた状態に配設されていて、各列のへら部片5が前後の列における隣接するへら部片5,5間の隙間の位置にあるように形成されている。そして、上記隙間の大きさは、へら部片5の横幅より小さく形成されている。
【0015】
上記摺擦部材3の取付台2への装着は、次のようにして行なわれている。
まず、摺擦部材3の基体部4先端の係止部4aを取付台2の係止片6係止させ、その後、該基体部4を取付台2に沿って湾曲させながら、この基体部4の窪み10と突起11とを取付台2の突起7と窪み8とに嵌合させる。そして、上記突起11の孔11aに固定用ねじ12を窪み8のねじ孔8aに螺合をさせる。
これにより、上記摺擦部材3が取付台2に湾曲した状態に取付けられ、その湾曲の具合に応じて各列間のへら部片5の向きが相互に若干異なるようになっている。
【0016】
上記摺擦部材3には、上記へら部片5とは別に、上記基体部4の一部に、該へら部片5とは向きの異なる複数のへら状補助部片13が、該基体部4と一体に設けられている。
この補助部片13は、へら部片5と同様の板体状に形成されたもので、上記基体部4の縦方向両端部に、へら面をへら部片5とは90度異なる方向に向けて、複数枚づつ(図に示す例では3枚づつ)設けられていてる。
これら補助部片13は、清掃の際に、清掃対象の角度や位置に応じて清掃具の角度や位置をいちいち変えなくても、汚れや水滴を掻取ることができるようにしたものである。
【0017】
上記補助部片13、及び上記へら部片5のうちの基体部4の周縁部に位置するものは、基体部4から一部がはみ出していて、これら補助部片13及びへら部片5の突出した側縁部によって汚れや水滴の掻取りを行なうことができるようにしている。
特に、基体部4の周縁部分は、取付台2上からはみ出していて、他の部分に比べて撓み易く、弾力性に富んでいるため、上記補助部片13及び各へら部片5の側端部は、それら自身の弾性と基体部4の周縁部分の弾性とにより、これにより、比較的掻取り作業を行ないにくい便器の角隅部分や、多様な形状の部分であっても比較的容易に当接することができ、清掃を確実に行なうことができる。
【0018】
上記構成を有するトイレ用清掃具は、握持用の柄1を手で握り、柄1の先端の取付台2に取付けられている摺擦部材3を便器等の清掃対象にあてがうと共に、上記摺擦部材3の基体部4上に立設された複数のへら部片5のへら面の方向に清掃具を往復摺動し、それらのへら部片5で汚れを掻取るようして清掃対象の擦り洗いを行なう。
このとき、上記へら部片5は、柔軟で弾性を有した素材により薄板状に形成されているため、個々のへら部片5が便器の種々の曲面に応じて適度に変形しながら接触して、その表面を確実に擦り洗いをすることができる。またへら部片13は、従来の清掃具のブラシの細い繊維に比べて耐久性に勝れ、繰り返して擦り洗いを続けたり、力を入れて擦ったりしても、恒久的な変形が生じたり、切れたりすることがほとんどないため、清掃能力の低下が防がれる。
また、上記へら部片5により、汚れと共に清掃対象に付着した水滴まで掻取ることができるため、水滴を改めて雑巾等で拭取る手間が省け、トイレの清掃作業を容易に行なうことができる。
【0019】
上記実施例では、へら部片5を基体部4の横方向に3枚から5枚の列をなすように配設し、その列を基体部4の縦方向に9列配設したものとしているが、一列あたりのへら部片5の枚数及び列数は、へら部片5と基体部4との相対的な大きさの関係によって任意に設定することができる。
さらに、上記へら状補助部片13は、基体部4の縦方向両端部に設けられているが、これに限らず、上記へら部片5とは異なる向きであれば、任意の一箇所又は複数箇所に設けることができ、たとえば、横方向の両端部や、へら部片5の各列間の隙間等、適当な場所に設けることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明のトイレ用清掃具によれば、摺動部材の基体部上に立設された薄板状のへら部片により、清掃対象の汚れを掻取るため、従来の清掃具のブラシの細い繊維のように、繰り返して擦り洗いを続けたり、力を入れて擦ったりしても、恒久的な変形が生じたり、切れたりすることがほとんどなく、耐久性に勝れ、清掃能力の低下がほとんどない。
また、上記へら部片は清掃対象に付着した汚れを確実に掻取るだけでなく、付着した水滴まで掻取ることができるため、水滴を改めて雑巾等で拭取る手間が省け、トイレの清掃作業を容易に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトイレ用清掃具の一実施例を示す正面図である。
【図2】本発明のトイレ用清掃具の要部側面図である。
【図3】本発明のトイレ用清掃具の要部側断面図である
【図4】摺擦部材を取り外した状態の要部正面図である。
【図5】摺擦部材の背面図である。
【符号の説明】
1 握持用の柄
2 取付台
3 摺擦部材
4 基体部
5 へら部片
13 へら状補助部片
Claims (5)
- 握持用の柄と、該柄の先端に形成された摺擦部材用取付台と、該取付台に着脱自在に装着された摺擦部材とを備え、
上記摺擦部材が、柔軟で弾性を有する素材により形成されていて、上記取付台に取付けるための基体部と、該基体部上に縦横方向に間隔をおいて立設された複数の薄板状のへら部片とを有する、
ことを特徴とするトイレ用清掃具。 - 請求項1に記載の清掃具において、上記へら部片が少なくとも基体部の横方向には列をなすように配設されると共に、各列のへら部片がへら面を基体部の縦方向に向けて同じ向きに配設され、かつ隣接するへら部片列間においてへら部片の位置が列方向に相互にずれていることを特徴とするもの。
- 請求項1又は2に記載の清掃具において、上記取付台が中央部が前方に突出する形に湾曲していて、該取付台に上記摺擦部材が湾曲した状態に取付けられていることを特徴とするもの。
- 請求項1から3までの何れかに記載の清掃具において、上記摺擦部材が、上記基体部の一部に、上記へら部片とは向きの異なる複数のへら状補助部片を有することを特徴とするもの。
- 請求項4に記載の清掃具において、上記補助部片が、上記基体部の縦方向両端部に設けられていることを特徴とするもの。
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