JP4334991B2 - 中間転写記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、基材フィルム上に、少なくとも剥離層、受容層を順次、転写部として設けた中間転写記録媒体に関し、さらに詳しくは熱転写シートとの熱転写時の離型性に優れ、熱転写画像の品質が良好であり、また熱転写画像の形成された転写部を被転写体へ転写した時の両者の接着性が良好となり、製造コストが抑制され、安定した帯電防止性能を有する中間転写記録媒体に関するものである。
従来、種々の熱転写方法が知られているが、この方法は、基材シート上に着色転写層を形成した熱転写シートにおいて、その背面からサーマルヘッドなどにより、画像状に加熱して、上記の着色転写層を熱転写受像シートの表面に熱転写して、画像形成するものである。この熱転写方法は、その着色転写層の構成によって、昇華転写型と熱溶融転写型の二方式に大別される。両方式ともに、フルカラー画像の形成が可能であり、例えば、イエロー、マゼンタ、シアンさらに必要に応じて、ブラックの三色ないし四色の熱転写シートを用意し、同一の熱転写受像シートの表面に各色の画像を重ねて熱転写して、フルカラー画像を形成するものである。マルチメディアに関連した様々なハードおよびソフトの発達により、この熱転写方法は、コンピューターグラフィックス、衛星通信による静止画像そしてCDROMその他に代表されるデジタル画像およびビデオ等のアナログ画像のフルカラーハードコピーシステムとして、その市場を拡大している。
この熱転写方法による熱転写受像シートの具体的な用途は、多岐にわたっている。代表的なものとしては、印刷の校正刷り、画像の出力、CAD/CAMなどの設計およびデザインなどの出力、CTスキャンや内視鏡カメラなどの各種医療用分析機器、測定機器の出力用途そしてインスタント写真の代替として、また身分証明書やIDカード、クレジットカード、その他カード類への顔写真などの出力、さらに遊園地、ゲームセンター、博物館、水族館などのアミューズメント施設における合成写真、記念写真としての用途などをあげることができる。上記のような用途の多様化に伴い、任意の対象物に熱転写画像を形成する要求が高まり、その対応の一つとして、受容層が基材上に剥離可能に設けられた中間転写記録媒体で、その受容層に染料層を有する熱転写シートを用いて、染料を転写して画像を形成し、その後に中間転写記録媒体を加熱して、受容層を被転写体上に転写する方法が、例えば特許文献1等に提案されている。
また、中間転写記録媒体において、受容層の上の最表面層として、帯電防止層を設けることにより、帯電防止性を高めることが、例えば特許文献2等に記載されている。
特開昭62−238791号公報 特開2002−307830号公報
しかし、上記にあるような受容層側の最表面に帯電防止層を設けた中間転写記録媒体では、以下にあげるような問題が生じている。
1.熱溶融転写型のインキ層を有した熱転写シートを用いた際、受容層上への熱溶融転写インキ層の転写性が良くなく、カスレ等が生じる。
2.受容層上に熱転写画像が形成された中間転写記録媒体を被転写体(カード等)に転写する際、被転写体と受容層との接着性が弱い。
3.帯電防止層の塗布量の少しの変動で、上記1、2の現象に変化が生じて、不安定となる。
4.中間転写記録媒体と、昇華転写型あるいは熱溶融転写型の着色転写層を基材上に設けた熱転写シートを重ねて、熱転写時の熱転写シートとの離型性が悪く、剥離ムラと思われるスジが印画面に生じる。また、中間転写記録媒体の製造時から経時につれて、上記離型性が悪化していく。
5.中間転写記録媒体の帯電防止性能が充分ではなく、中間転写記録媒体の受容層上に熱転写画像を形成時に、熱転写シートが中間転写記録媒体に貼り付いて、印画が停止したり、ジャムが発生したりする。
6.中間転写記録媒体の受容層上の最表面に、帯電防止層を塗布する工程が加わるために、製造コストが高くつく。
したがって、上記のような課題を解決するために、本発明は、少なくとも基材フィルムと、該基材フィルム上に剥離可能に設けられた転写部とからなる中間転写記録媒体において、着色転写層を基材上に設けた熱転写シートと、その中間転写記録媒体を重ねて、熱転写時の離型性に優れ、熱転写画像の品質が良好であり、また熱転写画像の形成された転写部を被転写体へ転写した時の両者の接着性が良好となり、製造コストが抑制され、安定した帯電防止性能を有する中間転写記録媒体を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、少なくとも基材フィルムと、該基材フィルム上に剥離可能に設けられた転写部とからなる中間転写記録媒体において、該転写部が剥離層と受容層から構成され、該受容層に、有機系または無機系電解質リチウム塩がポリオール又はポリエステル樹脂中にイオン化して含有されてなるリチウムイオン伝導性樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有することを特徴とする。請求項2として、少なくとも基材フィルムと、該基材フィルム上に剥離可能に設けられた転写部とからなる中間転写記録媒体において、該転写部が剥離層、プライマー層、受容層を順次形成したもので、該プライマー層又は受容層に、有機系または無機系電解質リチウム塩がポリオール又はポリエステル樹脂中にイオン化して含有されてなるリチウムイオン伝導性樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有することを特徴とする。
請求項3として、請求項2に記載のプライマー層が、イソシアネート硬化物を含有することを特徴とする。
本発明の中間転写記録媒体は、少なくとも基材フィルムと、該基材フィルム上に剥離可能に設けられた転写部とからなる構成であり、該転写部が剥離層と受容層から構成され、該受容層に、有機系または無機系電解質リチウム塩がポリオール又はポリエステル樹脂中にイオン化して含有されてなるリチウムイオン伝導性樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有することを特徴とする。従来の中間転写記録媒体では、帯電防止層を受容層の上に最表面層として設けていたが、受容層の昇華性染料の染着性を維持させるために、帯電防止層の膜厚を少なくしているので、成膜性が乏しく、裏移りしたり、摩擦により擦りとられたりして徐々に効果がなくなってしまうが、本発明の中間転写記録媒体は、転写部に、リチウム塩をポリオール等の樹脂に付加重合させた、リチウムイオン伝導性樹脂を含有させることで、帯電防止剤が裏移り等、他の接触面に転移したり、擦り取られることがなく、安定した帯電防止性能を維持させることができる。
また、本発明の中間転写記録媒体は、転写部が剥離層、プライマー層、受容層を順次形成したもので、該プライマー層にリチウムイオン伝導性樹脂を含有することが好ましく、このプライマー層が帯電防止機能を発揮できる。プライマー層は剥離層と受容層との接着性が高く、かつ帯電防止性に優れた機能を合わせもつことにより、帯電防止性を有する層を単独で設けるものではないので、製造コストを抑えられる。さらに、中間転写記録媒体の受容層側の最表面は、受容層となるので、熱転写シートとの熱転写時の離型性に優れ、熱転写画像の品質も良好であり、また熱転写画像の形成された転写部を被転写体へ転写する時の両者の接着性も良好となる。
以下、中間転写記録媒体を構成する各層毎に詳述する。
(基材フィルム)
本発明の中間転写記録媒体の基材フィルムは、従来の中間転写記録媒体に使用されているものと同じ基材フィルムをそのまま用いることができ、特に限定するものではない。好ましい基材フィルムの具体例としては、グラシン紙、コンデンサー紙またはパラフィン紙等の薄紙、あるいは、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトンもしくはポリエーテルサルホン等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルペンテンまたはアイオノマー等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。基材フィルムの厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は1〜100μm程度のものが好ましく用いられる。
基材フィルムの剥離層、プライマー層、受容層等の設けられた転写部側とは反対の面に、必要に応じて背面層を従来公知の方法で設けることができる。背面層は、中間転写記録媒体を用いて被転写体に転写部を転写する際、基材フィルムとサーマルヘッド等の加熱デバイスとの融着を防止し、摺動性を向上させるために、従来より背面層に用いられている樹脂と同様の樹脂によって設けることができる。
(剥離層)
本発明の中間転写記録媒体の基材フィルム上に設ける剥離層は、中間転写記録媒体の受容層等を被転写体へ転写する時に、基材フィルムから受容層等の転写部が剥離しやすくし、さらに被転写体に転写された転写部の最表面層として保護層の機能をもつものである。剥離層は一般的には、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロースなどのセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチルなどのアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラールなどのビニル重合体の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂などの熱硬化型の樹脂を用いて形成することができる。また、剥離層にリチウムイオン伝導性樹脂を含有させることにより、帯電防止性能を付与することができる。リチウムイオン伝導性樹脂についての詳細は、後記で示すプライマー層において説明した通りで、添加量についてもプライマー層の場合と同様である。
剥離層に紫外線吸収剤を含有させることによって、被転写体に転写された後に保護層により覆われる被転写体の画像等の耐光性、耐候性を向上させることができる。使用する紫外線吸収剤としては、従来公知の有機系紫外線吸収剤であるサリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系等を挙げることができる。また、これらの紫外線吸収剤に、例えば、ビニル基やアクリロイル基、メタクリロイル基等の付加重合性二重結合、あるいはアルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基等を導入した紫外線吸収性樹脂の形態で含有させてもよい。剥離層の形成はグラビアコート、グラビアリバースコート、ロールコート等の公知の手段により行うことができ、剥離層の塗工量は乾燥状態で0.5〜5.0g/m2程度が好ましい。また、剥離層には、帯電防止剤としてのリチウムイオン伝導性樹脂、画像形成物の耐擦過性を向上させる為の滑剤、汚染防止の為の界面活性剤、耐候性能を向上させる為の紫外線吸収剤、酸化防止剤等の添加剤を含有させることができる。
(保護層)
本発明の中間転写記録媒体では、基材フィルム上に設ける剥離層とプライマー層との間に保護層を設けることができる。この保護層は、中間転写記録媒体の受容層等の転写部が被転写体へ転写された後に、その転写部の最表面の剥離層だけでは保護層の機能が不十分な場合に設けるものである。保護層は少なくともバインダ樹脂から構成され、受容層とともに被転写体に転写された後は画像受容層の表面保護層として所望の物性をもつ樹脂組成を選定する。
一般的には、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル重合体の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂等の熱硬化型樹脂を画像保護層樹脂として用いることができる。画像受容層が転写された画像形成物に対して、耐摩擦性、耐薬品性、耐汚染性が特に要求される場合は、画像保護層樹脂として電離放射線硬化型樹脂を用いることもできる。
また、保護層は、水溶性樹脂のポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリルエマルジョン、ウレタンエマルジョン等のエマルジョンを用い、さらに架橋アクリル微粒子、架橋ポリスチレン微粒子、架橋ポリスチレンアクリル微粒子、および、これら微粒子表面への官能基誘導体等の実質的に透明な微粒子を加えて、耐溶剤性や耐可塑剤性を向上させることができる。また、保護層に、帯電防止剤としてのリチウムイオン伝導性樹脂、画像形成物の耐擦過性を向上させる為の滑剤、汚染防止の為の界面活性剤、耐候性能を向上させる為の紫外線吸収剤、酸化防止剤等を加えることができる。尚、リチウムイオン伝導性樹脂についての詳細は、後記で示すプライマー層において説明した通りで、添加量についてもプライマー層の場合と同様である。保護層は上記の剥離層と同様の方法で形成することができ、塗工量は乾燥状態で0.1〜10g/m2が好ましい。
(プライマー層)
本発明の中間転写記録媒体のプライマー層は、基材フィルム上の剥離層と受容層との間に、設けられる層で、リチウムイオン伝導性樹脂を含有するものである。プライマー層は剥離層及び受容層との接着性が高く、かつ帯電防止性に優れた機能を合わせもつものである。プライマー層としては、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等により構成することができる。
アクリル樹脂としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル・(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン・(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又は共重合体からなるアクリル樹脂(ただし、ここで(メタ)アクリルとはアクリル又はメタアクリルを意味する)等が用いられる。
ウレタン樹脂(ポリウレタン)はポリオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤(硬化剤)とするポリウレタンである。ポリオールとしては、分子中に2個以上の水酸基を有するもので、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が用いられる。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。例えば、2−4トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、4−4ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(ないしは脂環族)イソシアネートが用いられる。或いは、これらのイソシアネートの付加体又は多量体を用いることができる。例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネートの3量体等がある。
プライマー層の樹脂として、上記に挙げたような樹脂のうち、活性水素を有するものについては、さらにそれらのイソシアネート硬化物を用いることは、受容層及び剥離層、あるいは保護層との接着性を高めることができるので、好ましい。そのイソシアネート硬化物として、ポリウレタン等が挙げられる。
本発明の中間転写記録媒体のプライマー層に含有する帯電防止剤のリチウムイオン伝導性樹脂は、リチウムをイオンの状態で含有する伝導性樹脂である。リチウムイオン伝導性樹脂は、有機系または無機系電解質リチウム塩、例えばLiClO4、LiBF4、LiCF3SO3、LiC49SO3等が、ポリオールや、ポリエステル樹脂中にイオン化して含有されてなる有機伝導性樹脂であり、導電率108Ω・cm程度を有している。このような樹脂として、例えば、PEO−20T(三光化学工業(株)製)、0862−10T、VC−2220R(三光化学工業(株)製)等の市販品が入手可能である。上記のリチウムイオン伝導性樹脂は、リチウムをイオンの状態で含有するものであるが、具体的にはポリイソシアネートとポリオール等との重付加反応によって、ポリウレタンを製造する際に、ポリオール原料中に、有機系または無機系電解質リチウム塩を添加して重合させたものである。
上記のリチウムイオン伝導性樹脂は、プライマー層に含有されるものであるが、プライマー層の塗工液中に、リチウムイオン伝導性樹脂を添加する形態となる。リチウムイオン伝導性樹脂の添加量は、プライマー層のバインダー樹脂100質量部当たり約0.1〜30質量部の割合である。最終的に得られる中間転写記録媒体の表面抵抗が5.0×1013Ω/cm2以下となるような量で使用すればよい。その添加量が少なすぎると所望の帯電防止効果が得られず、一方、添加量が多すぎるとコスト高になるので好ましくない。プライマー層は、上記の剥離層と同様の方法で形成することができ、塗工量は乾燥状態で0.1〜5g/m2程度が好ましい。
(受容層)
受容層は、少なくともバインダ樹脂からなり、帯電防止剤としてのリチウムイオン伝導性樹脂を加えることができ、必要に応じて離型剤等の各種添加剤を添加してもよい。バインダ樹脂は昇華染料が染着し易いものを用いることが好ましく、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレフィンと他のビニル系モノマーとの共重合体、アイオノマー、セルロース誘導体等を用いることができ、これらの中でもビニル系樹脂及びポリエステル系樹脂が特に好ましく用いられる。尚、リチウムイオン伝導性樹脂についての詳細は、前記で示したプライマー層において説明した通りで、添加量についてもプライマー層の場合と同様である。
受容層は熱転写シートとの熱融着を防止する為に、前記の樹脂に離型剤を配合することが好ましい。離型剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系界面活性剤、フッ素系化合物等を用いることができるが、この中でも特にシリコーンオイルが好ましく用いられる。該離型剤の添加量は、受容層を形成するバインダ樹脂100質量部に対し0.2〜30質量部が好ましい。受容層は、前記の樹脂に、リチウムイオン伝導性樹脂の帯電防止剤、離型剤等の必要な添加剤を加え、水又は有機溶剤等の溶媒に溶解又は分散させたインキを、バーコーター、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の通常の方法で塗布し、乾燥させて形成することができる。その塗布量は、乾燥状態で0.1〜10g/m2になるようにするのが望ましい。
本発明の中間転写記録媒体は、基材上に、剥離層、保護層、プライマー層、受容層の中で、少なくとも受容層を含んだ転写層を設けるものであるが、剥離層、保護層、プライマー層、受容層の中の転写層を構成する少なくとも1層、または2層以上にリチウムイオン伝導性樹脂を含有させることができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に詳述する。尚、文中、部又は%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
基材フィルムとして、ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、ルミラー、厚さ12μm)を用い、その基材フィルムの一方の面に下記組成の塗工液を使用し、乾燥時で1g/m2の塗工量で、背面層を形成した。
(背面層塗工液)
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業(株)製、エスレックBXー1) 8部
ポリイソシアネート硬化剤(大日本インキ化学(株)製、バーノックD750)18部
滑剤 5部
上記の基材フィルムの背面層を形成した面と反対側に、下記組成の剥離層塗工液を、乾燥時1.0g/m2になる割合でグラビアコーターにて塗工、乾燥して剥離層を形成し、その剥離層の上に下記組成の受容層塗工液1を、乾燥時2.0g/m2になる割合でグラビアコーターにて塗工、乾燥して受容層を形成して、実施例1の中間転写記録媒体を作製した。
(剥離層塗工液)
アクリル系樹脂((株)ザ・インクテック製、ハクリニスKH−5) 15部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体((株)ザ・インクテック製、HND#7) 2部
紫外線吸収剤(ビーエーエスエフ ジャパン(株)製、UVA635L) 1部
滑剤 1.5部
トルエン 11部
メチルエチルケトン 11部
(染料受容層塗工液1)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体((株)ザ・インクテック製、HND#7) 15部
エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業(株)製、KP−1800U)0.225部
リチウムイオン伝導性樹脂(三光化学工業(株)製、VC−2220R) 0.76部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 6部
上記の実施例1で使用した背面層付きの基材フィルムと同様のものを使用し、該基材フィルムの背面層を形成した面と反対側に、実施例1で使用した剥離層塗工液を、乾燥時1.0g/m2になる割合でグラビアコーターにて塗工、乾燥して剥離層を形成し、その剥離層の上に下記組成のプライマー層塗工液1を、乾燥時1.0g/m2になる割合でグラビアコーターにて塗工、乾燥してプライマー層を形成し、さらにそのプライマー層の上に下記組成の受容層塗工液2を、乾燥時2.0g/m2になる割合でグラビアコーターにて塗工、乾燥して受容層を形成して、実施例2の中間転写記録媒体を作製した。
(プライマー層塗工液1)
ポリエステル樹脂 3.3部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 2.7部
イソシアネート硬化剤((株)ザ・インクテック製、XEL硬化剤) 2部
リチウムイオン伝導性樹脂(三光化学工業(株)製、PEO−20T) 0.96部
トルエン 5部
メチルエチルケトン 5部
(染料受容層塗工液2)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体((株)ザ・インクテック製、HND#7) 15部
エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業(株)製、KP−1800U)0.225部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 6部
上記の実施例2で作製した中間転写記録媒体の剥離層とプライマー層との間に、下記組成の保護層塗工液を、乾燥時2.0g/m2になる割合でグラビアコーターにて塗工、乾燥して保護層を形成し、その他の条件は実施例2と同様にして、実施例3の中間転写記録媒体を作製した。
(保護層塗工液)
スチレン−アクリル系樹脂(三井化学(株)製、ミューティクルPP320P)15部
ポリビニルアルコール((株)ザ・インクテック製、C−318) 10部
水/エタノール(質量比1/2) 7部
(比較例1)
上記の実施例3で使用したプライマー層塗工液1を下記組成のものに変更し、また実施例3で形成した受容層の上に、下記組成の帯電防止層塗工液を、乾燥時0.01g/m2になる割合でグラビアコーターにて塗工、乾燥して帯電防止層を形成し、その他は実施例3と同様にして、比較例1の中間転写記録媒体を作製した。
(プライマー層塗工液2)
ポリエステル樹脂 3.3部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 2.7部
イソシアネート硬化剤((株)ザ・インクテック製、XEL硬化剤) 1.5部
メチルエチルケトン/トルエン(質量比2/1) 10部
(帯電防止層)
第4級アンモニウム塩化合物(松本油脂製薬(株)製、TB−34) 1部
イソプロパノール 2000部
上記の各実施例及び比較例で得られた中間転写記録媒体について、熱転写シートを用いて熱転写し、両者を剥離させる際の剥離力の測定、さらに受容層側の最表面の表面電気抵抗を測定した。測定条件は以下の通りである。また、熱転写プリンターにおける搬送性を、以下の条件で調べた。
(剥離力)
上記の実施例及び比較例で得られた中間転写記録媒体と、VDS製カードプリンターCX210用スタンダードの熱転写シート(イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層、熱溶融性ブラック転写層が基材上に、面順次に繰り返し形成された熱転写シート)を用いて、中間転写記録媒体の受容層側と、熱転写シートの転写層側とを重ね合わせ、以下の印字条件にて、加熱し、その加熱後の中間転写記録媒体と熱転写シートとの剥離力を180°剥離で測定した。ただし測定はプリンター印画後5分以内に測定。
(印字条件)
プリンタ;DNPスタンダードテストプリンタ
印画環境;24℃、60%RH
印画速度;20msec/line
印画電圧;14.5V
記録密度;300dpi×300dpi
転写エネルギー;0.61mJ/dot
(保存後剥離力)
上記の実施例及び比較例で得られた中間転写記録媒体を紙管に巻き取って、その巻取りを、温度60℃/湿度Free環境にて、2週間、4週間の2レベルで保存し、その後すぐに、上記の方法で剥離力を測定した。
(表面電気抵抗)
上記実施例及び比較例の中間転写記録媒体の受容層側の表面電気抵抗を測定した。測定は温度25℃、相対湿度50%環境下で、三菱油化(株)製ハイレスタIP MCP−HT250を使用して行った。
(搬送性)
また、上記の実施例及び比較例の中間転写記録媒体と、VDS製カードプリンターCX210用スタンダードの熱転写シート(イエロー、マゼンタ、シアンの各染料層、保護層、熱溶融性ブラック転写層が基材上に、面順次に繰り返し形成された熱転写シート)を用いて、VDS製カードプリンターCX210において、中間転写記録媒体の搬送経路と、熱転写シートの搬送経路で、両者が重なって、接触する周辺(サーマルヘッド位置よりも前の供給側の位置)で、中間転写記録媒体と熱転写シートとが貼り付いて搬送トラブルが生じるかどうかを、調べた。その判断基準は以下の通りである。
○;貼り付きがなく、搬送性が良好である。
×;貼り付きが発生し、ジャムが生じ、搬送トラブルとなった。
(評価結果)
上記の剥離力及び保存後剥離力の測定結果、受容層側の最表面の表面電気抵抗の測定結果、さらに熱転写プリンターにおける搬送性の評価結果を、下記の表1に示す。
Figure 0004334991

Claims (3)

  1. 少なくとも基材フィルムと、該基材フィルム上に剥離可能に設けられた転写部とからなる中間転写記録媒体において、該転写部が剥離層と受容層から構成され、該受容層に、有機系または無機系電解質リチウム塩がポリオール又はポリエステル樹脂中にイオン化して含有されてなるリチウムイオン伝導性樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有することを特徴とする中間転写記録媒体。
  2. 少なくとも基材フィルムと、該基材フィルム上に剥離可能に設けられた転写部とからなる中間転写記録媒体において、該転写部が剥離層、プライマー層、受容層を順次形成したもので、該プライマー層又は受容層に、有機系または無機系電解質リチウム塩がポリオール又はポリエステル樹脂中にイオン化して含有されてなるリチウムイオン伝導性樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を含有することを特徴とする中間転写記録媒体。
  3. 前記のプライマー層が、イソシアネート硬化物を含有することを特徴とする請求項2に記載の中間転写記録媒体。
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