JP4334300B2 - タイヤ - Google Patents

タイヤ Download PDF

Info

Publication number
JP4334300B2
JP4334300B2 JP2003298892A JP2003298892A JP4334300B2 JP 4334300 B2 JP4334300 B2 JP 4334300B2 JP 2003298892 A JP2003298892 A JP 2003298892A JP 2003298892 A JP2003298892 A JP 2003298892A JP 4334300 B2 JP4334300 B2 JP 4334300B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tire
rubber
carcass layer
cushion rubber
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003298892A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005067358A (ja
Inventor
淳一 山岸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bridgestone Corp filed Critical Bridgestone Corp
Priority to JP2003298892A priority Critical patent/JP4334300B2/ja
Publication of JP2005067358A publication Critical patent/JP2005067358A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4334300B2 publication Critical patent/JP4334300B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Tires In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、カーカス層のクラウン部の径方向外側にベルト層等が配置されている大型車輌やオフザロード等のタイヤに関するものであり、長期走行時、荷重走行時等の発熱などに起因するベルトプライ等におけるコーティングゴムとスチールコードとの接着破壊を隣接部材であるクッションゴムにより解消することにより、走行耐久性等を向上させたタイヤに関するものである。
従来から長距離輸送に使用されるトレーラー車輌用タイヤなどの重荷重用タイヤにおいては、更なるタイヤの長寿命化が要求されている。このような車輌用タイヤに代表される大型重荷重用タイヤのベルト層は、一般に図2の部分半断面図に示すように、左右一対のビード部11間にカーカス層12を架設し、トレッド部13におけるカーカス層12の外周側に複数枚のスチールコード(互いに交差するコード)15からなるベルト層14を設けた構造となっている。スチールコード15にはゴムコーティングがなされ、周囲のゴムとの接着性を向上させてタイヤの寿命を延ばしている。
ところで、タイヤの補強スチールコード等のような金属補強部材をコーティングするゴムとしては、天然ゴムなどのジエン系ゴム100重量部に、補強用充填剤50重量部以上、酸化亜鉛5〜15重量部、有機酸コバルト塩0.1〜10重量部、その他必要に応じ、汎用のゴム用薬品等を配合している。更に、これに特定の有機イオウ化合物及びイオウをある一定の重量比以上で配合したゴム組成物をベルトコート材に使用することが提案されている(例えば、特許文献1)。また、コーティングゴム組成物にイオウ化合物であるポリサルファイド重合体を使用することが既に知られている。例えば、二重結合を有し、架橋してエラストマーになりうる少なくとも1種以上のゴム成分、繰り返し単位中の硫黄の平均結合数が2を越えて6以下で繰り返えされるポリサルファイド重合体、カーボンブラック、珪酸塩系充填剤、二酸化チタン、炭酸カルシュウム等からなる架橋可能なゴム組成物等が提案されている(例えば、特許文献2)。このようにコード等の金属がゴムコーティングされたベルトプライ層或いはカーカス層にあっては、ゴムと金属との接着性を低下させることなく、加硫ゴムの破壊特性、耐熱老化性及び耐疲労破壊性を向上させるとしている。
特開2002−80643号公報 特開平11−139939号公報
ところで、近年、タイヤに要求されるシビアリティーは上昇し、タイヤ温度が上昇することから、走行時、重荷重時に熱が原因となるスチールコードとゴムとの接着不良が起こり故障寿命が早まる傾向がある。このようなゴムとスチールコードの熱による接着性は硫化銅からなる接着層が、走行時に発生する熱の影響を受けることにより減少してくる。即ち、接着層内のイオウが消出していくことが原因と考えられている。
コーティングゴム層内でのイオウ量を減少させないようにするには、(1)スチールコードのコーティングゴム側に予め不溶性のイオウを大量に配合しておくことができる。しかし、このようなコーティングゴムの耐破壊特性は低下する。また、(2)スチールコードコーティングゴムを多硫化化合物(ポリサルファイド化合物)を含むゴム組成物から成形する。しかし、コーティングゴムには破壊耐久性が必要なため、一般的にカーボンブラックとしてヨウ素吸着量が80〜120mg/g、充填量が45〜60質量部、総イオウ量が4〜6質量部の範囲で有するので発熱性が高く、走行時にはコーティングゴムの発熱温度が高くなることにより、上記(1)のゴム組成物に比べて効果があるものの、イオウの消出は依然として大きい。上記(1)及び(2)のゴム組成物についてはタイヤにおける耐破壊特性を維持しつつ接着耐久性を向上させることはできない。更に、(3)コーティングゴムの隣接部材であるクッションゴムのゴム組成物に不溶性イオウを多量に配合し、クッションゴムからコーティングゴムにイオウを移行することによりコーティング層にイオウ成分を補給してイオウ減少の抑制をする。しかし、通常、不溶性イオウ単独ではその反応性が高いことから、加硫中において既にクッションゴムからコーティングゴムへの移行が発生し、コーティングゴム内でのイオウ量の減少を抑制し初期接着性への効果があるものの、走行時でのイオウ量が減少し抑制効果が十分に見られない。また、その反応性の高さによりクッションゴム自身の弾性率特性及び発熱特性の低下を招く。このため、上記(1)〜(3)の手法では、タイヤにおける耐破壊特性を低下させずに、そのコーティングゴムの接着耐久性を高めて故障寿命等の向上をさせることができない。
従って、本発明は、クッションゴム等の弾性率及び発熱特性を維持しつつ、スチールコード等を覆うコーティングゴムの接着耐久性を高めて走行耐久性及び故障寿命を向上させてなるタイヤ、特に大型重荷重用タイヤ、及びオフザロード用タイヤを提供することにある。
本発明者等は、タイヤのカーカス層やベルト層におけるスチールコード等の金属のコーティングに使用されるコーティングゴムの接着不良を解消することにより、タイヤ、特に大型重荷重用タイヤやオフザロードタイヤの走行耐久性及び故障寿命が極めて向上すること、そして、このような補強材プライ層における接着性を向上させるためには、カーカス層とベルト層に隣隣接するクッションゴムに所定のポリスルフィドを配合したゴム組成物を使用すると、また、このようなコーティングゴムをタイヤのトレンドの踏襲面とカーカス層の施設領域の所定位置に配すると、コーティングゴムの接着耐久性を一層高めてタイヤ走行耐久性及び故障寿命を向上させることを見出し本発明に至ったものである。
即ち、本発明に係るタイヤは、以下の構成及び構造を特徴とすることにより、上記課題が達成されるものである。
(1)カーカス層及びベルト層の少なくとも一つがコーティングゴムで覆われた補強材プライ層からなり、また該ベルト層とカーカス層とに隣接されるクッションゴムを配したタイヤにおいて、タイヤトのレッドの中心部からハンプ部を端部とした踏襲面の径方向の長さを4等分間隔したときに、少なくとも中心部から最初の1等分の長さの踏襲面からカーカス層に対して垂線を降ろした位置から、該タイヤのパッドレス角部を経て上記カーカスの折り返し端部の位置までの上記カーカス層に隣接する領域間に、ゴム成分にポリサルファイド化合物を配合したゴム組成物からなる上記クッションゴムを配し、
上記クッションゴム組成物はゴム成分100質量部に対して、ヨウ素吸着量が30〜60mg/gの範囲にあるカーボンブラックを40〜55質量部の範囲で含み、上記ポリサルファイド化合物の硫黄成分が組成物中の全硫黄総量の20〜60質量%の範囲で含むことを特徴とするタイヤ。
(2)上記クッションゴムは、上記中心部から3等分の長さの踏襲面からカーカス層に対して垂線を降ろした位置から、上記カーカスの折り返し端部の位置までの上記カーカス層に隣接する領域間に配することを特徴とする請求項1記載のタイヤ。
(3)上記クッションゴムは、上記中心部から3等分の長さの踏襲面からカーカス層に対して垂線を降ろした位置から、上記パッドレス角部からカーカス層に対して垂線を降ろした位置までの上記カーカス層に隣接する領域間に配することを特徴とする上記(2)記載のタイヤ。
)上記ポリサルファイド化合物は、式1の[−(S−Org)n−]で表される硫黄(S)と有機基(Org)との繰返し構造を有してなることを特徴とする上記(1)〜()のいずれかに記載のタイヤ。
(但し、式1中のnは1乃至100の範囲にあり、mは、n個の中で異なっても良いが、n中での平均値が2乃至6の範囲にある。)
)上記クッションゴムは、100%モジュラス(M100)が2.0〜4.0MPaの範囲にあり、反発弾性係数(レジリエンス)が70%以上であることを特徴とする上記(1)〜()の何れかに記載のタイヤ。
)上記(1)〜(5)の何れかに記載のタイヤが大型車輌に用いることを特徴とする大型車輌用ラジアルタイヤ。
)上記(1)〜()の何れかに記載のタイヤがオフザロードに用いることを特徴とするオフザロードタイヤ。
以下、本発明に係る好ましい実施の形態を添付図面を参照して詳述する。尚、本発明は以下の実施形態及び実施例に限るものではない。
図1は本発明に係るタイヤの部分半断面図である。図2は一般的なタイヤの部分半断面図である。
図1に示すように、好ましい実施の形態であるタイヤ1は、カーカス層及びベルト層の少なくとも一つがコーティングゴムで覆われた補強材プライ層からなり、また該ベルト層とカーカス層とに隣接されるクッションゴムを配したものである。即ち、タイヤ1は左右一対のビード部2間にカーカス層3を架設し、トレッド4部分におけるカーカス層3aの外周側に3枚のスチールコード(互いに交差するコード)6、6、6からなるベルト層5を設けた構造となっている。スチールコード6にはゴムコーティングがなされている。そして、カーカス層3に隣接してクッションゴム7が配される。
タイヤ1のトレッド4は、図1に示す中心部Oからハンプ部Hまでがタイヤの踏襲面8として形成され、踏襲面8はそのタイヤの径方向の長さを4等分間隔で区画することができる。そして、各区画の踏襲面8の等分ポイントh1、h2、及びh3とすると、少なくとも中心部Oから最初の1等分の長さh1の踏襲面からカーカス層3aに対して垂線を降ろした位置から、ビード部2で折り返されたカーカスの端部9の位置までのカーカス層3aに隣接する領域間(図中A〜C)には、ゴム成分にポリサルファイド化合物を配合したゴム組成物からなるクッションゴム7aが配されるものである。このように位置を特定してクッションゴム7aを配すると、ベルト層4において特に必要とされるコーティングゴムへの硫黄の供給がなされ、タイヤの走行耐久性及び故障寿命が効率よく向上する。
より好ましくは、中心部Oから3等分の長さh3の踏襲面からカーカス層3aに対して垂線を降ろした位置から、ビード部2で折り返されたカーカスの端部9の位置までのカーカス層3aに隣接する領域間(図中B及びC)にクッションゴム7aを配することであり、更に好ましくは、中心部Oから3等分の長さh3の踏襲面からカーカス層3aに対して垂線を降ろした位置から、パッドレス角部10からカーカス層3aに対して垂線を降ろした位置までのカーカス層3aに隣接する領域間(図中B)にクッションゴム7aを配することである。
上記カーカス層3aに隣接する領域間Aのみに上記クッションゴムを設けた場合、ある程度の接着耐久性を示すが、隣隣接するベルト層から発する亀裂によるタイヤ自体の耐破壊特性の低下というデメリットが生じてくる。このため、カーカス層3aに隣接する領域間Aを避けて領域間B及びCに上記クッションゴム7aを配することが望ましい。また、カーカス層3aに隣接する領域間Cのみに上記クッションゴムを設けた場合、期待する程の接着耐久性を向上させることができない。従って、カーカス層3aに隣接する領域間Bに上記クッションゴム7aを配することが特に望ましい。
上記クッションゴムのゴム組成物は上述したようにゴム成分にポリサルファイド化合物を配合してなる。本発明においてゴム成分は特に限定されないが、タイヤ等に使用する場合、イソプレンの重合物、例えば、一般に入手可能な天然ゴム及び合成イソプレンゴムから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分であることが好ましい。
上記ゴム成分は、このように天然ゴムのみ、合成ゴムのみを含んでいてもよいし、両者を含んでいてもよい。合成ゴムとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、特に、ジェン系ゴムが好ましく、中でもスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソプレン(IR)、ポリブタジエン(BR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、及びブチルゴムから少なくとも1種を適宜選択することができる。特に、天然ゴム及びポリイソプロピレンを主成分として用いることが望ましく、これらのゴムは低発熱性及び耐疲労破壊性の点からゴム成分中に90〜100質量%の範囲で使用することが望ましい。
上記ゴム組成物に配合される上記ポリサルファイド化合物は、式1の[−(Sm−Org)n−]で表される硫黄(S)と有機基(Org)との繰返し構造を有してなることが好ましい。ここで、式1中のnは1乃至100の範囲にあり、mは、n個の中で異なっても良いが、n中での平均値が2乃至6の範囲にある。
上記ポリサルファイド系化合物においては、原料ムーニー粘度(JIS K6300に従って、L形ローターを用い、温度100℃、予熱時間1分、ローター回転時間4分にて測定)が100以下、好ましくは85以下である。また、数平均分子量200〜15000、好ましくは1000〜12000のポリサルファイド重合体である。
有機基(Org)としては、−(CH2CH2O)q−(CH2r−、−(CH2r−又は下記式1で表されるものである。但し、q、rは0を含む整数である。具体的には、HS−CH2CH2OC24−OC24−(S2−CH2CH2O)n−C24−SH、や−(Sx−(CH2rn−Sy−等が挙げられる。x、yはmの範疇に含まれる異なる整数である。
上記ポリサルファイド化合物は、通常、硫黄や不溶性硫黄に比べて分子量が大きく反応性が低いため、加硫中の短期間において、クッションゴムからコーティングゴム中に移行することは極めて小さく、走行による長期間に渡ってコーティングゴム中に移行し、その硫黄量の減少を長期に渡って抑制することができる。
また、上記クッションゴムのゴム組成物にあっては、上記ポリサルファイド化合物と共に、即効性を加味する点から通常の硫黄や不溶性硫黄を配合することが望ましい。従って、上記ポリサルファイド化合物中の硫黄成分と通常の硫黄成分との全硫黄成分は、ゴム組成物の100質量部に対して、2.4〜4.0質量部、特に、2.4〜3.2質量部の範囲で含有させることが好ましい。上記全硫黄成分が2.4質量部未満では、クッションゴムから十分量の硫黄がコーティングゴム中に移行しないため、接着耐久性が改善されない。また、上記全硫黄成分が4.0質量部を上回ると、過加硫時での弾性率、発熱特性の低下が大きくなりタイヤにおける通常の破壊耐久性が低下する。
上記ゴム組成物においては、全硫黄成分に対する上記ポリサルファイド化合物に含まれる硫黄成分の比率(ポリサルファイド化合物中の硫黄成分/全硫黄成分の百分率)が20〜60%、特に、20〜40%の範囲となることが好ましい。上記硫黄成分の比率が20%未満であれば、接着耐久性の向上が十分に得ることができず、また上記硫黄成分の比率が60%を上回る場合にはその反応性の低さから加硫終了時に安定した架橋形態を形成出来ず、クッションゴム自身の弾性率及び発熱特性が不十分となるためタイヤの破壊耐久性が低下する。
上記クッションゴムにあっては、通常ゴム工業に用いられるカーボンブラックを配合することができる。中でも、カーボンブラックは、ゴム成分100質量部に対して、ヨウ素吸着量が30〜60mg/gの範囲、特に好ましくは30〜50mg/gの範囲にあるカーボンブラックを40〜55質量部の範囲、特に好ましくは45〜51質量部の範囲で含むことが望ましい。カーボンブラックのヨウ素吸着量が30mg/g未満ではカーボンブラック自身の補強性が低いことからゴムの弾性率が不足となる。一方、ヨウ素吸着量が60mg/gを超えるとゴムの発熱性が高くなる。また、カーボンブラック配合量が40質量部未満ではゴムの練り時の練り温度が不十分となりゴムの弾性率が不足する。一方、カーボンブラック配合量が55質量部を超えると、それ自身の発熱性が高くなる。このようなカーボンブラックは通常ゴム業界で用いられるものから適宜選択することができ、例えば、SRF、GPF、FER、HAF、ISAF等の種々のグレードのカーボンブラックを使用することができる。
上記クッションゴムにおけるゴム組成物には、上述した配合物の他に、他の配合物、例えば、シリカ等の補強性充填剤、タルク、炭酸カルシウム及び炭酸ナトリウム等の無機充填剤、加硫促進剤、老化防止剤、酸価亜鉛、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤、プロセスオイル等の加工助剤、可塑剤、軟化剤、及びコバルト有機酸塩等の加硫短縮剤などを添加することができる。尚、加硫促進剤としては、M(2−メルカプトベンゾチアゾール)、DM(ジベンゾチアジルジスルフィド)、及びCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド)、NS(N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド)等のチアゾール系加硫促進剤を挙げることができる。
上記クッションゴム組成物は、バンバリーミキサー等の密閉式混練機、オープンロール等の混練機を用いて混練することによって得られ、タイヤのベルト層及びカーカス層に上述した領域間に適宜配して成形加工後、加硫を行い、クッションゴム7aとしてタイヤ内に成形される。
この場合、クッションゴム7aは、100%モジュラス(伸長時の引張応力;JIS K6301−1995に準拠した測定応力。以下、M100とする。)が2.0〜4.0MPaの範囲、特に2.0〜3.0MPaの範囲にあることが好ましい。上記M100の値が2.0MPa未満では、クッションゴム内歪みが増加して発熱が大きくなる。また、上記M100が4.0MPaを超えると、ベルト層のプライゴム内歪みが増加して発熱が大きくなる。
また、クッションゴム7aの反発弾性係数(レジリエンス)は70%以上であることが好ましい。70%未満ではクッションゴム自身の発熱性が大きくなる。
このような上記クッションゴムを備えて構成されるタイヤにあっては、クッションゴム等の弾性率及び発熱特性が維持され、ベルト層のスチールコードを覆うコーティングゴムの接着耐久性を高めてタイヤの走行耐久性及び故障寿命は向上する。このため、大型重荷重用タイヤ、及びオフザロード用タイヤに使用することが望ましい。尚、本発明のタイヤの内部には空気のほかに、窒素等の不活性ガスを充填することができる。
次に、実施例、比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに制約されるものではない。
実施例1乃至27、比較例1及び2
天然ゴム(NR)、カーボンブラック[CN(N660)−ヨウ素吸着量36mg/g、CN(N550)−ヨウ素吸着量43mg/g、及びCN(N330)−ヨウ素吸着量82mg/g]、老化防止剤(商品名:SANTOFLEX 6PPD、FLEXSIS社製)、加硫促進剤(DZ:N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド:商品名“ノクセラーDZG”大内新興科学製)、ステアリン酸、酸化亜鉛、不溶性硫黄、ポリサルフィド化合物(硫黄成分(35質量%含有)商品名“チオコールLP”東レ株式会社製)を使用して、下記表1に示す各組成の質量部をバンバリーミキサーを使用して混練りし、未加硫のゴム組成物を得、このゴム組成物を図1及び下記表2で示すようにトレッドのベルト層とカーカス層の所定領域(A〜C)にクッションゴムとして使用し、加硫を行い、タイヤ(1800R25)を製造した。尚、実施例及び比較例の全てにおいて、天然ゴムは100質量部、老化防止剤は1質量部、ステアリン酸は2質量部、酸価亜鉛は5質量部、加硫促進剤は0.8質量部の割合で配合してある。
Figure 0004334300
得られたタイヤについて以下の試験評価を行い、その結果を表2に示した。
<100%モジュラス(M100)及びレジリエンス(RES)の評価>
上記タイヤのクッションゴム部分を取り出して、JIS K 6301に準拠して、M100(MPa)及びRES(%)を測定した。
<タイヤの走行耐久性の評価>
上記タイヤを所定速度(20km/hr)で、ステップロード(荷重:TRA規格100%・10ton内圧800KPa、72時間毎に荷重20%アップ)にてタイヤのクラウン部のバーストするまでの時間を測定する。
<タイヤにおける接着耐久性の評価>
上記走行耐久性測定の320時間の途中でストップし、図1に示されるB領域近傍でのベルト層のプライゴム被覆状態の観察評価を行う。評価は目視判定で10点の段階にて評価し、点数の高いものほど優れている。
Figure 0004334300
表2の結果が示すように、実施例1乃至27にあっては、クッションゴムの100%モジュラス(M100)及びレジリエンス(RES)は比較例1、2と同様に所定弾性率の特性を維持する。しかし、ポリサルファイド化合物を配合した実施例にあっては、比較例よりも走行耐久性及び接着耐久性について概ね優位な結果が得られた。また、実施例18及び実施例22に見られるように、ポリサルファイド化合物を含むクッションゴムをタイヤにおける図1のB及びC領域、特に、B領域に使用することは、A領域のみ使用する場合に比べて走行耐久性及び接着耐久性の向上効果が十分に見られる。更に、ポリサルファイド化合物中の硫黄成分が全硫黄成分全体の20〜60%の範囲にあれば、走行耐久性及び接着耐久性の向上効果が確実に見られることが判る。
本発明に係るタイヤは、ベルト層とカーカス層とに隣接して配するクッションゴムに特定のポリサルファイド化合物を含有させるものである。このような構成のタイヤにあっては走行耐久性が向上し、ベルト層のおけるコーティングゴム等のコード等に対する被覆性が長期間維持され、その接着耐久性が向上することにより、タイヤとして産業上の利用可能性を高めると共に、大型重荷重用タイヤ及びオフザロードタイヤなどに利用可能である。
図1は、本発明に係る大型重荷重用タイヤの部分半断面図である。 図2は、大型重荷重用タイヤの一般的な部分半断面図である。
符号の説明
1 タイヤ
2 ビード部
3 カーカス層
4 トレッド部
5 ベルト層
6 スチールコード
8 踏襲面

Claims (7)

  1. カーカス層及びベルト層の少なくとも一つがコーティングゴムで覆われた補強材プライ層からなり、また該ベルト層とカーカス層とに隣接されるクッションゴムを配したタイヤにおいて、タイヤのトレッドの中心部からハンプ部を端部とした踏襲面の径方向の長さを4等分間隔したときに、少なくとも中心部から最初の1等分の長さの踏襲面からカーカス層に対して垂線を降ろした位置から、該タイヤのパッドレス角部を経てビードからの上記カーカスの折り返し端の位置までの上記カーカス層に隣接する領域間に、ゴム成分にポリサルファイド化合物を配合したゴム組成物からなる上記クッションゴムを配し
    上記クッションゴム組成物はゴム成分100質量部に対して、ヨウ素吸着量が30〜60mg/gの範囲にあるカーボンブラックを40〜55質量部の範囲で含み、上記ポリサルファイド化合物の硫黄成分が組成物中の全硫黄総量の20〜60質量%の範囲で含むことを特徴とするタイヤ。
  2. 上記クッションゴムは、上記中心部から3等分の長さの踏襲面からカーカス層に対して垂線を降ろした位置から、上記カーカスの折り返し端の位置までの上記カーカス層に隣接する領域間に配することを特徴とする請求項1記載のタイヤ。
  3. 上記クッションゴムは、上記中心部から3等分の長さの踏襲面からカーカス層に対して垂線を降ろした位置から、上記パッドレス角部からカーカス層に対して垂線を降ろした位置までの上記カーカス層に隣接する領域間に配することを特徴とする請求項2記載のタイヤ。
  4. 上記ポリサルファイド化合物は、式1の[−(S−Org)n−]で表される硫黄(S)と有機基(Org)との繰返し構造を有してなることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載のタイヤ。
    (但し、式1中のnは1乃至100の範囲にあり、mは、n個の中で異なっても良いが、n中での平均値が2乃至6の範囲にある。)
  5. 上記クッションゴムは、100%モジュラス(M100)が2.0〜4.0MPaの範囲にあり、反発弾性係数(レジリエンス)が70%以上であることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載のタイヤ。
  6. 上記請求項1〜の何れかに記載のタイヤが大型車輌に用いることを特徴とする大型車輌用ラジアルタイヤ。
  7. 上記請求項1〜の何れかに記載のタイヤがオフザロードに用いることを特徴とするオフザロードタイヤ。
JP2003298892A 2003-08-22 2003-08-22 タイヤ Expired - Fee Related JP4334300B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003298892A JP4334300B2 (ja) 2003-08-22 2003-08-22 タイヤ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003298892A JP4334300B2 (ja) 2003-08-22 2003-08-22 タイヤ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005067358A JP2005067358A (ja) 2005-03-17
JP4334300B2 true JP4334300B2 (ja) 2009-09-30

Family

ID=34404257

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003298892A Expired - Fee Related JP4334300B2 (ja) 2003-08-22 2003-08-22 タイヤ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4334300B2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5117035B2 (ja) * 2005-12-01 2013-01-09 住友ゴム工業株式会社 タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたトレッドを有するタイヤ
JP2008037310A (ja) * 2006-08-08 2008-02-21 Bridgestone Corp 重荷重車両用タイヤ
JP4909688B2 (ja) 2006-09-08 2012-04-04 株式会社ブリヂストン ゴム複合体及びそれを用いたタイヤ
WO2009031347A1 (ja) 2007-09-05 2009-03-12 Sumitomo Rubber Industries, Ltd. スタッドレスタイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたスタッドレスタイヤ
JP5116411B2 (ja) * 2007-09-10 2013-01-09 株式会社ブリヂストン タイヤ
JP5043622B2 (ja) * 2007-12-10 2012-10-10 株式会社ブリヂストン 重荷重用タイヤ
JP4671246B2 (ja) 2008-12-26 2011-04-13 住友ゴム工業株式会社 クッション用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
JP5946387B2 (ja) 2012-10-11 2016-07-06 東洋ゴム工業株式会社 ゴムウエットマスターバッチ
JP6006603B2 (ja) * 2012-10-11 2016-10-12 東洋ゴム工業株式会社 空気入りタイヤ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005067358A (ja) 2005-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2428439C2 (ru) Резиновая смесь для шины
JP4132542B2 (ja) チェーファー用ゴム組成物およびこれを用いた重荷重用空気入りタイヤ
EP2019125B1 (en) Rubber composition and run flat tire using the same
WO2014157722A1 (ja) 重荷重空気入りタイヤ用ゴム組成物
JP6897206B2 (ja) 重荷重用空気入りタイヤ
JP4405928B2 (ja) ベーストレッド用ゴム組成物
JP5148968B2 (ja) タイヤ
JP4334300B2 (ja) タイヤ
JP2005067279A (ja) タイヤ
JP3548169B2 (ja) 空気入りタイヤ
EP1803766B1 (en) Rubber composition for coating textile cord and tire using the same
JP4227420B2 (ja) ゴム組成物及びそれを用いた航空機用またはリニアモーターカー用の空気入りラジアルタイヤ
EP1652693B1 (en) Rubber composition for run-flat tire and run-flat tire comprising the same
JP2015218254A (ja) 重荷重空気入りタイヤ用ゴム組成物
JP2009120739A (ja) チェーファーゴム組成物および空気入りタイヤ
US20040129359A1 (en) Pneumatic tire
JP7160195B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP4882064B2 (ja) チェーファー用ゴム組成物およびそれからなるチェーファーを有するタイヤ
JP7211024B2 (ja) 空気入りタイヤ
JP2009119907A (ja) ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP4587230B2 (ja) クリンチ用ゴム組成物および空気入りタイヤ
JP2021000873A (ja) 空気入りタイヤ
JP5073271B2 (ja) チェーファー用ゴム組成物およびそれを用いたチェーファーを有するタイヤ
JP2005247984A (ja) クリンチ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ
EP4116113B1 (en) Heavy duty tire

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060605

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090623

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090623

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4334300

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120703

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130703

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees