JP4334269B2 - ゴルフ用クラブの展示用支持装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する産業分野】
本発明はゴルフ用クラブの展示用支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ゴルフ用クラブの陳列用の支持装置としては、本出願人は「特公平4−42925」で、金属やプラスチックで成形した基部材と、合成ゴムやシリコン樹脂等の弾性部材からなる表装部材を組み合わせた支持装置を提案している。ここでは、展示するゴルフクラブは、グリップ部を、穴状部材に挿入し、シャフト部を支持することによって、支えている。ここでの実施例としては、アイアンを支持する支持装置を示している。
【0003】
ウッドの場合も、シャフトの部分の2点を、支持して支える図2のような支持装置も知られている。これら2点支持の方式は、どこで支持するのかは別にして、一定の距離・間隔を置いた2点を支持することが必要となり、その場合、「特公平4−42925」のように、支持する部材が、別部材のときには、それぞれを調整して固定する事が必要となり、そのために部材も必要であった。
【0004】
また、図2のように、支持する部材が、1体で作られている時でも、クラブを固定するためには、支持する2点間の間隔を大きく取ることが必要であり、そうするとこの一体に出来た支持装置は、どうしても大きいものとなりコストがかかるとともに展示物としてのクラブに対し、展示用支持装置が目立ち、展示場の装飾性を損なうことになった。
【0005】
また、ウッドの場合、ヘッドの形状に、型を作り、ヘッドのデコ部(凸部)に対し、型をボコ部(凹部)とし、デコボコ(凸凹)に組み合わせて、陳列支持する支持装置も、既製品として作られている。
【0006】
ゴルフクラブの展示用装置としてアイアンクラブなどは、従来は図3や図4に見るように2点支持による展示方法が主流であった。図3では、複数の凹部を設けた板を対向位置に設置しその凹部にシャフト部を置き、シャフト部を2点で支持する方法である。図4は、グリップ部の端部を穴に投入し、一方で複数の凹部を持つ支持板でシャフト部を支える方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ウッド用ゴルフクラブを、シャフトやグリップ部の2点で支持固定しようとする方式は、支持装置が大がかりになりコストがかかるとともに、クラブのヘッド部の展示方向が定まらず、客が取り出して見た後は、展示がバラバラになってしまう問題があった。
【0008】
型を作って固定する方式も、1つの展示用の支持装置としてウッドを三つ並べて表示することを考えると、図2のようにその型自体が大変大がかりなものとなり、そこで、ヘッド部を保持する部分を出来るだけ薄くし、コスト面での負荷を軽減しようとすると、どうしてもシャフトが真下に固定されず、3つ並べたクラブのシャフトが不揃いになってしまうということになった。
【0009】
2点支持によるアイアンクラブの場合も、展示方法が図3や図4のような2点支持では支持が不安定であり、クラブヘッドが固定できない為、店員が展示するときにヘッドに刻印されたメーカー名やブランド名を見えるようにかつ揃えて展示しても客が重さやバランスの具合を見、試し振りなどをするためクラブを展示装置から取り出した時は、なかなかきちっとクラブを元に戻すことがなく、その都度店員がきれいに展示し直すことが必要だった。
【0010】
そのため、アイアンクラブでも客がクラブを展示装置に戻せば再び元のように展示できるような展示装置の開発が課題となっていた。ただ、アイアンクラブは、10本がワンセットとなっていて、それらをセットにして並べて展示することが不可欠となっている。ところが1つ1つヘッドの形が異なっているため、装飾性を考えかつ販売促進につながる展示効率を考えるとそれなりの工夫が必要となった。
【0011】
また図4のように縦置きで並べた時も基本的には2点支持であるため不安定さは変わらずシャフトの長さの違いによって展示したヘッド部の高さが異なり写真のように綺麗に揃って並べている時にはいいが、ヘッド部の方向が互い違いなった時には展示物としての装飾性の点で欠陥を持つという問題があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記の問題を解決するため、本発明が採用した手段は、展示効果を考えて、クラブヘッドをフックする部材と、このフック部材を連結する部材とを、別部材としたことを基本とするものである。
即ち、本発明のゴルフ用クラブの展示支持装置の基本構成は、フック部材と、当該フック部材を一つ又は複数着脱自在に取り付ける長尺な連結部材と、上記連結部材の端部に設けたブラケットとからなり、上記フック部材は本体と、上記本体の上部に設けられてゴルフ用クラブのヘッドを支持するヘッド支持部と、上記本体の胴部に上記ヘッド支持部に連なりながら下方に向けて形成されて上記ゴルフ用クラブのシャフト部を挿入させるシャフト案内溝と、上記本体に形成されて上記連結部材を上記本体と交叉する方向に挿入させる溝又は孔とで構成され、上記連結部材を上記フック部材に挿入し、更に上記連結部材を上記ブラケットを介して展示装置に取付け、次いで上記ヘッド支持部にゴルフ用クラブのヘッドを当てがいながらシャフトを上記シャフト案内溝に挿入して吊り持ちさせながら当該ゴルフ用クラブを展示させることを特徴とするものである。
この場合、より具体的には、フック部材を、厚みがあり、クラブヘッドを凸部として置けば、凹部として、きっちりと喰え込めるような構造にし、そうしたことを可能なように素材としてゴムやシリコン樹脂などの弾性部材を使用した。
また連絡部材は、金属やプラスチックを素材として利用した。
そして全体として、展示用支持装置はそれほど大きくならず、展示物としての装飾性を損なうことがないようにした。
【0013】
ウッドクラブとしては、シャフトをはさむウッドのフェイス面と、ウッド面との両面に1部のみ当接し、かつシャフト部をシャフトに添って、弾性的に長く喰え込むことによって、安定的に固定する方法を見つけた。
このことによって、大きな支持装置とすることなくウッド用のクラブを支持する装置が提案できた。
【0014】
また本発明では、従来にない装飾性と展示効果をもったゴルフ用アイアンクラブの展示装置を作るために、
▲1▼ヘッド部を上方にし略同じ高さもしくは略一定間隔で高さを下げて展示するようにした。
▲2▼そのためにヘッド部を懸架し線と面で支持し、シャフトを2点で線支持するようにして展示し、
▲3▼かつ、ヘッド部に刻印表示されたブランドマークや社名等をユーザが見やすい方向に固定表示できるようにし、
▲4▼しかもそれらが一定間隔でかつ、シャフトが互いに略平行になるようにした。
【0015】
そのために、水平にわたした連結部材上に一定間隔に固定できるフック部材を用い、これをゴムやシリコン樹脂などで成型加工した。
その型は、アイアンクラブのヘッド部のフェイス面と面接触し、ヘッド端を線で支持し、かつシャフトを2点で支持固定できる構成にした。
【0016】
さらに、アイアンクラブのヘッド部は、#3のクラブから#9さらにPW(ピッチングウェッジ)AW(アプローチウェッジ)SW(サウンドウェッジ)に行くに従ってフェイス面とシャフト軸との角度は、大きくなっている。そこで、それらに合わせて誰が置いても同じ様に固定表示できるように、フェイス面との面接触を工夫した。
【0017】
連結部材上に設置するフック部材は、アイアンクラブのヘッド部に合わせて1つ1つ作ってもいいが、成型加工する型代のコストなどを考え前述した角度が比較的同じ#3から#8、#9とPW、AW、SW、これらを組にして、1つの型を作り、兼用するものも作った。型の素材として弾性の高い塑性変形性の大きいプラスチックやゴムを使い、いくつものクラブに共通する型も作った。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本発明によるゴルフ用ウッドクラブの展示用支持装置の1実施の形態を示す。 即ち、これは、フック部材(2)と、当該フック部材(2)を一つ又は複数着脱自在に取り付ける長尺な支持板からなる連結部材(4)と、上記連結部材(4)の端部に設けたブラケット(6)とからなるものである。
上記フック部材(4)は本体と、上記本体の上部に設けられてゴルフ用クラブのヘッドを支持するヘッド支持部と、上記本体の胴部に上記ヘッド支持部に連なりながら下方に向けて形成されて上記ゴルフ用クラブのシャフト部を挿入させるシャフト案内溝(2f)と、上記本体に形成されて上記連結部材(4)を上記本体と交叉する方向に挿入させる溝又は孔からなる案内部(2g)とで構成されている。
そして、上記連結部材(4)を案内部(2g)を介して上記フック部材(2)に挿入し、更に上記連結部材(4)を上記ブラケット(6)を介して展示装置に取付け、次いで上記ヘッド支持部にゴルフ用クラブのヘッドを当てがいながらシャフトを上記シャフト案内溝(2f)に挿入して吊り持ちさせながら当該ゴルフ用クラブを展示させる。
この実施の形態では、上記ヘッド支持部がウッドヘッドのフェイス面を当接させためにライン(2a)(2b)で区画した平滑面からなるフェイス当接部と、同じくウッドヘッドの下面部を当接させるために上記平滑面に対向して形成した曲面(2c)からなる下面当接部とを備えている。
同じく、上記シャフト案内溝(2f)が本体と一体な左右一対の突起部(2e)(2d)で規制された上下方向に沿う溝からなる案内部で構成されている。
フック部材(2)と連結する部材(4)との区別を分かりやすくするためにフック部材(2)は実線で示し、連結部材(4)とブラケット(6)は破線で示してある。
【0019】
フック部材(2)は、ゴムやシリコン樹脂などを素材とし、型取りして作った。このフック部材(2)に、ウッドクラブを、シャフトとグリップを下にして、ヘッドの部分を上にしてフックする。このフック部材(2)は、ウッドのフェイス面が2つのライン(2a)(2b)をたて、よことする平面に当接し、ウッドの下面部が曲面(2c)に当接し、かつ2つの突起部(2d)(2e)に挟まれたシャフト案内溝(2f)にシャフトが収まるようにしている。
曲面部(2c)は、ウッドの下面部を凸部とし、それに対しておおよそ凹部となるように型取りしている。
もちろん、どのようなウッドに対しても、合うような凹部の作り方をしている。
【0020】
また、このフック部材(2)は、金属やプラスチックで作られた連結部材(4)に固定支持できるように案内部(2g)を設けていて、これを図のように連結部材(4)に挿入する。この図1では、フック部材(2)は、分かりやすいように1つだけ示したが、実際に展示するときには、図5に示したように複数個のフック部材(8,10,12)を連結支持する部材(14)に取り付けることになる。図1の取付けブラケット(6)は、この場合、水平アーム部材に取付け、連結部材(4)を懸架することになる。
【0021】
図6の装置は、図1の実施の形態と同じ構造を有するもので符号のみを違えて記載してある。即ち、これは、水平アーム(16)に取り付けた本発明による図1に示した3つのフック部材(18,20,22)持つ展示用支持装置にウッドクラブ(24,26,28)をフックしたときの外観図である。ウッドのフェイス面(24a,26a,28a)が客の方を向けて展示されるとともに、販売商品としてのウッドが目立ち、フック部材(18,20,22)や連結支持する部材(30)は、黒子として目立たないようになっているためゴルフ用クラブの展示用支持装置として装飾性に優れていることが分かる。
【0022】
本発明の展示用支持装置は、図6にみるようにウッドを複数個並べたとき、展示されるウッドのシャフトが、真っ直ぐ並んで展示されている。この点も、展示に際しての装飾性を高めている。
【0023】
ゴルフ用クラブは、展示しているものを客が取り出して、クラブの重さを量ったり、実際に振って見て、バランスを計り、自分に合っているかどうかを試す。試した後クラブを展示用支持装置に戻すが、多くの客は、次の客に対しての展示効果を考え、元通り、きちっと戻す訳ではない。従って、どのような客が、展示用支持装置に戻しても元通りの展示がなされるような展示用支持装置が、望ましいことは言うまでもない。ウッドクラブの場合、大きいだけに、きちっと定位置で展示されることが求められている。
【0024】
本発明の場合、図1で見るように、ウッドのフェイス面と、下面部の曲面の2角とシャフトを長さ方向に挟むように切り欠いたシャフト案内溝(2f)によって、フックしたウッドを規制するため、客がこの展示用支持装置に戻せば、自動的に元通りのクラブの展示ができるようになっている。しかも、細長く、目立たない大きさで作った連結部材(4)に対し、ウッドを定位置展示できるために最小限の機能要素をもつフック部材(2)を組み合わせているために、展示したときに、ウッドのフェイス面やヘッド部が大きく目立ち、その意味で装飾性の高い展示支持装置となっている。
【0025】
本発明は、1つのクラブを懸架し、支持するフック部材(2)を、連結部材(4)によって、それらを連結する構造にしているため、全体として余り大掛りなものにならない。
型を作るとしても、フック部材は、ウッドクラブを懸架させることを考えたときには同一であるため、フックが複数個ついた展示用支持装置全体を一体として成型するようなこれまでのものと比較してコスト面で大巾に軽減される。
【0026】
このフック部材(2)と連結部材(4)との組み合わせを、さらに生かし、展示効果を高め、装飾性を高めたのが図7、図8に示したひな段方式である。
即ち、これは、図1の連結部材(4)に相当する連結部材(32)がひな段状に高さを変えながら延設した複数の先端板部(32a)(32b)(32c)を備えた支持板から構成されており、各先端板部(32a)(32b)(32c)にそれぞれ図1のフック部材(2)と同じ構造のフック部材(34)(36)(38)を挿入するものである。
ここでは、連結部材(32)は、フック部材(34,36,38)を装着する先端板部(32a)(32b)(32c)が、それぞれ、ひな段のように高さを変えている。
この結果、装着されたフック部材(34,36,38)自体が、高さを変えた位置に配置されるため、これにウッドクラブをフックしたときには、図8に見るように、展示がされたウッド(40)(42)(44)が、ひだ段状に並び、フェイス面を客が見やすいように展示されたことになる。
見やすくなるという展示効果を高めるだけでなく、たて方向の空間利用によって、空間的な余裕を作り、装飾性も高めている。
【0027】
本発明は、フック部材と連結支持する部材との組み合わせで作っているため、図7や図8で示したひな段方式で展示する場合も、フック部材は図1で示したものと同じものを使用し連結部材(32)の形を変えるだけで、全く異なった展示仕様をつくることができる。
フック部材は、比較的複雑な型となっているが、一度型を作ってしまえば、量産対応でき、しかも連結部材は単純な形で、素材的にも安いため、これは多少変化させても、コスト上の負荷が、余りかからない。
本発明は、このように、複雑なものは型で作り、同一のものを数多く使い、単純な形状のものは、展示仕様に合わせて、色々と変化させて作るようにして、たとえばひな段方式だけでなく、図9に示すように垂直支柱に対して連結部材(54)(56)(58)(60)を扇形に開くように結合したり、図10に示すように垂直支柱に対して連結部材(68)(70)を放射方向に結合したり、様々な展示仕様を作ることができる。
図9、図10のフック部材(46)(48)(50)(52)(62)(64)(66)は図1のフック部材(2)と同じ構造であり、同じく、連結部材(54)(56)(58)(60)(68)(70)は図1の連結部材(4)と同じである。
【0028】
本発明はフック部材と連結部材とを別々にしたことが一つの特徴であるが、もう1つの特徴は、ウッドクラブという大変大きな展示物を、きっちりと、展示方向を定めて展示するための展示用支持装置を作ったということである。
そのため、図1に示すように、フック部材(2)を、ウッドクラブのフェイス面に当接する面と、ウッドをフックしたとき重力的に支える曲面(2c)とからなる二つのヘッド支持部と、シャフトを長軸方向に一定の長さをもって線規制するシャフト案内溝(2f)とを組み合わせる構造にしてあり、ウッドのヘッド部の大きさの半分以下の大きさで、安定かつ定位置にフックできるようにした。
【0029】
図1に示したフック部材(2)に、実際ウッドクラブをフックした例が、図6と図8であるが、上述したように2面と1線による規制方法をとることによって、ウッドの半分以下の大きさのフック部材で、フックできるとともに、フェイス面を、一定方向に向け、かつシャフトが並行にならんでいることが分る。
【0030】
図11は、本発明によるアイアンクラブ用展示用支持装置に適用する他の実施の形態を示す概略図である。
これは、フック部材と、連結部材とを別々して組み立て、フック部材がヘッド支部部とシャフト案内溝と備えている点で図1の実施の形態と共通である。
このゴルフクラブ展示用支持装置は、フック部材(104)と、当該フック部材(104)を一つ又は複数着脱自在に取り付ける長尺な連結部材(102)と、上記連結部材(102)の端部に設けたブラケットとからなり、上記フック部材(104)は本体と、上記本体の上部に設けられてゴルフ用クラブのヘッドを支持するヘッド支持部と、上記本体の胴部に上記ヘッド支持部に連なりながら下方に向けて形成されて上記ゴルフ用クラブのシャフト部を挿入させるシャフト案内溝と、上記本体に形成されて上記連結部材(102)を上記本体と交叉する方向に挿入させる溝又は孔(112)とで構成されている。
そして、上記連結部材(102)をフック部材(104)に挿入し、更に上記連結部材(102)をブラケットを介して展示装置に取付け、次いで上記ヘッド支持部にアイアンクラブのヘッドを当てがいながらシャフトをシャフト案内溝に挿入して吊り持ちさせながら当該アイアンクラブを展示させるものである。
この場合、ヘッド支持部がアイアンヘッドのフェイス面を当接させるフェイス当接部(110)と、同じくリーディグエッジと反対側の外面を支持する外面当接部とを備えている。このフェイス当接部(110)は湾曲した面で構成され、外面当接部を本体の上部に起立する支持片(114)で構成させている。
アイアンヘッドの重さは線部(116)で受けている。
シャフト案内溝は本体と一体で正面側に突出する左右一対の突起(106−1)(106−2)、(108−1)(108−2)とこの突起で規制された上下方向に沿う溝から構成されている。
図11の実施の形態では、左右一対の突起は上下に二組設けられている。
【0031】
連結部材(102)は、展示装置付属の垂直アーム(図示せず)もしくは、垂直アームに取り付けられた水平アームに取り付けられ、フック部材(104)は、この連結部材(102)に取り付けられる。このフック部材(104)は、ゴムやシリコン樹脂などの弾性部材を素材として鋳型によって作っている。これに対し、連結部材(102)は金属や強化プラスチックなどを素材として使用し、しっかりと固定展示できるようにしている。
【0032】
フック部材(104)は、アイアンクラブのヘッド部を上方にして展示するものであり、クラブのシャフトを上下二つの突起で規制された上下のシャフト案内溝の2点で支持固定する。
アイアンクラブのヘッドフェイス面と下面は上記のようにそれぞれフェイス当接部(110)と下面当接部に当接させ、上記線部(116)でヘッドの重さを受けている。
【0033】
図12はアイアンクラブ(18)をこの図11のフック部材(104)に取り付けたときの実際の写真である。
また図13は、図11に示したフック部材(104)の三角法を用いた設計図面である。図11と同一番号は同一部材を示している。
図11のフェイス当接面(110)はシャフトの軸とフェイス面との角度が大きいアイアンクラブ、AW(アプローチウェッジ)とSW(サウンドウェッジ)のフェイス面を支持することを想定して作っている。角度が最も鋭角な#3から#8は図13に示したような支持部(120)、それよりやや広い角度を持つ#9とかPW(ピッチウェッジ)の場合は図15に示したような支持部(122)に構成設計している。
【0034】
図12でアイアンクラブ(118)のヘッド部(119)は、刻印マークが見えるようにフック部材(104)に置かれ、そのシャフト部(121)は、1ケ所は支持部(106−1)と支持部(106−2)に挟まれ、もう1ヶ所は突起(108−1)と(108−2)(ここでは見えず)に挟まれしっかりと固定されている。ヘッド部(119)の裏側のフェイス面は、このフック部材(104)の図11で見たフェイス当接面(110)に面接触するように置かれていることもあり、このフック部材(104)に収まるように置けば誰が置いても同じ様な静置位置に置かれることになる。また、フック部材(104)はその孔(112)に連結部材(102)を差し入れ所定の位置で固定している。連結部材(102)に対してフック部材(104)の縦方向が略垂直になるように成型加工しているため、シャフト部(121)はフック部材(104)に固定支持すると連結部材(102)に対し略垂直方向に展示されることになる。
【0035】
図13は図11に示したフック部材(104)の実際の設計図面であるが、この特徴はヘッド部のフェイス面を支持するフェイス当接面(110)の支持面が、AWやSWクラブを面支持できるように角度を考えた上で広く取っているという点にある。これに対して同じアイアンクラブでもシャフト軸とフェイス面との角度が鋭角な#3から#8のクラブを支持するためのフック部材のこの支持部での構成は図14に示したように支持部(120)がこの鋭角構造に合わせ、フィットするように構成している。これよりやや角度が鈍い#9とかPWのクラブの場合、やはりそれに合わせて図15に示したように支持部(122)を作っている。
【0036】
理想的に言えば、各アイアンクラブのシャフト軸とフェイス面の作る角度に合わせて成型部材を作り、それらを水平アームに差し込み固定して作ることも考えられるが、1つ1つに対して異なる型を作って成型部材を作ることは、コスト的にも大変である。そこで本発明では、1方法として#3から#8を1組にまとめ、#9とPW、そしてAWとSWとをそれぞれ1組として全部で3つにまとめて考え、それらの組に対して1つのフック部材を作り、全てのアイアンクラブが、誰が静置しても一定の方向に、かつ互いに調和を取れたように展示できるようにした。また、平均的な角度を持つ#9やPWのクラブ用に考えた図15に示したような支持部(122)に構成設計した上で、フック部材の素材として用いるゴムやシリコン樹脂等の弾力性の良いかつ塑性変形性の良い素材を選び、この1種類のフック部材でどのアイアンクラブをも安定的に固定表示できるものも作ることができた。
【0037】
図16は、#7と#8、#9とPW、P/SとSWの6本のアイアンクラブ用に作った3種類のフック部材(124)(126)(128)を連結部材(130)に取り付け、それにそれぞれのアイアンクラブを固定支持し、展示した本発明の実施例の写真である。これらのフック部材と連結部材は図11のフック部材と連結部材と構造は同じである。
クラブヘッドの高さが略同一に展示され、さらに誰が置いてもこのようにヘッド部に刻印したマークが良く見えるように、なおかつ、固定支持されたシャフトが互いに平行になって展示されている。連結部材を傾ければ、クラブヘッドの高さは、少しずつずらしてより見やすく展示することも可能である。ここに示したフック部材(124)は図14、フック部材(126)は図15、そしてフック部材(128)は図13に示したフック部材に対応している。
【0038】
以上説明して来たように、連結部材とフック部材との組み合わせによって、1つ1つのクラブを、固定支持し展示することができる。
図3や図4に示したような従来の展示用支持装置では、きちっと並べて展示することができず、ウッドクラブでもそうであったように常にゴルフショップの店員が展示状態に気を配るということが必要であったが、本願では、アイアンクラブの特徴を、フェイス面とシャフト軸との角度としてとらえ、フック部材をこのフェイス面を面で支持する支持部、クラブの重さを線で受ける支持部、そしてシャフト部を2点で支持する支持部を備えた型として作った。そしてこれを連結部材に取り付けることによって、それぞれのクラブを、ヘッド部を略同じ高さで並べ、なおかつマーク等が展示正面から見えるようにしたものである。また、マークが見やすいように、ヘッド部を少しずつ下げて調和よく並べて表示することも可能にした。
【0039】
【発明の効果】
以上説明して来たように、本発明によるゴルフクラブのための展示用支持装置は、
▲1▼ クラブヘッドをフックする部材と、連結部材に分けて作る全く新たな方法を採用することにより、クラブを複数個フックする支持装置の場合でも、比較的展示用支持装置を小さくコンパクトに作ることができた。そのため、展示物であるクラブを、とくにクラブヘッドを目立たせ、展示に於ける装飾効果ももたらすことができた。
▲2▼ 従来は、シャフトをそろえて展示することが難しかったが、ウッドクラブにおいては2面と1線を規制する方法によって、アイアンクラブにおいては1面と線及び2点による1線支持によって複数のクラブを展示した場合も、シャフトをきれいにそろえて表示することが、簡単にできるようになった。
▲3▼ この結果、展示装飾性を高めた。
▲4▼ さらに、フックする部材は、多少複雑な形状となっても、同一のものを型で作り、連結支持する部材を、展示仕様によって変えることによって、コストを余りかけず、色々な展示方法が可能となった。
▲5▼ 面と線とで規制する方式を見つけることにより、小さな大きさで、安定的かつ定位置で表示できる展示用支持装置ができた。
【0040】
また本発明の展示装置を使えば、展示してあるゴルフクラブを、ユーザが展示装置から外し、手に持ったり試し振りをした後、このクラブを展示装置に戻しても、元に展示していたように、頭を揃え、マークが見える形で展示されるため、店員による調度の手間がほとんど要らなくなり、きれいに並べられる時間が増え、展示装置としての役割を充分果たすことになる。なお、本発明の実施例で示したものは、あくまで1実施例であり、本発明は、これにしばられるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による1実施例で、展示用支持装置の外観図。
【図2】従来のウッドクラブの展示用支持装置の1実施例。
【図3】従来のアイアンクラブの展示用支持装置の1実施例。
【図4】従来のアイアンクラブの展示用支持装置の1実施例。
【図5】図1に示した展示用支持装置の連結支持する部材にフック部材を3個取りつけた時の展示用支持装置の断面図。
【図6】図5と示した展示用支持装置にウッドクラブをフックしたときの外観図。
【図7】連結支持する部材をひな段型にしたときの本発明による展示支持装置の断面図。
【図8】図7の展示用支持装置にウッドクラブをフックしたときの外観図。
【図9】連結支持する部材を、扇形にしたときの本発明による展示用支持装置の模式図。
【図10】図7と同じく、逆三角形にしたときの展示用支持装置の模式図。
【図11】本発明によるゴルフ用アイアンクラブの、展示用支持装置の1実施例の外観図。
【図12】図11に示した展示用支持装置にアイアンクラブを実際に懸架した1実施例。
【図13】図11に示した展示用支持装置の設計図面。
【図14】本願発明による展示用支持装置で、フェイス面の面支持部を図13とは変えた設計図面。
【図15】本願発明による展示用支持装置で、フェイス面の面支持部を図13とは変えた設計図面。
【図16】本発明によるゴルフ用アイアンクラブの展示用支持装置を説明するための外観図。
【符号の説明】
2,8,10,12,34,36,38,104,124,126,128は、フック部材。
4,14,32,102,130は、連結部材。
Claims (7)
- フック部材と、当該フック部材を一つ又は複数着脱自在に取り付ける長尺な連結部材と、上記連結部材の端部に設けたブラケットとからなり、上記フック部材は本体と、上記本体の上部に設けられてゴルフ用クラブのヘッドを支持するヘッド支持部と、上記本体の胴部に上記ヘッド支持部に連なりながら下方に向けて形成されて上記ゴルフ用クラブのシャフト部を挿入させるシャフト案内溝と、上記本体に形成されて上記連結部材を上記本体と交叉する方向に挿入させる溝又は孔とで構成され、上記連結部材を上記フック部材に挿入し、更に上記連結部材を上記ブラケットを介して展示装置に取付け、次いで上記ヘッド支持部にゴルフ用クラブのヘッドを当てがいながらシャフトを上記シャフト案内溝に挿入して吊り持ちさせながら当該ゴルフ用クラブを展示させることを特徴とするゴルフ用クラブの展示用支持装置。
- ヘッド支持部がウッドヘッドのフェイス面を当接させるフェイス当接部と、同じくウッドヘッドの下面部を当接させる下面当接部とを備え、シャフト案内溝が本体と一体な左右一対の突起で規制された上下方向に沿う溝から構成されている請求項1のゴルフ用クラブの展示用支持装置。
- フェイス当接部を平滑面で構成し、下面当接部を上記平滑面に対向する曲面で構成している請求項2に記載のゴルフ用クラブの展示用支持装置。
- ヘッド支持部がアイアンヘッドのフェイス面を当接させるフェイス当接部と、同じくアイアンヘッドの外面を支持する外面当接部とを備え、シャフト案内溝が本体と一体で正面側に突出する左右一対の突起とこの突起で規制された上下方向に沿う溝から構成されている請求項1のゴルフ用クラブの展示用支持装置。
- フェイス当接部を面で構成し、外面当接部を本体の上部に起立する支持片で構成させ、左右一対の突起が上下に二組設けられている請求項4のゴルフ用クラブの展示用支持装置。
- 連結部材が水平な支持板から構成され、当該支持板に一つ又は複数のフック部材を横方向に並べて挿入している請求項1、2、3、4又は5のゴルフ用クラブの展示用支持装置。
- 連結部材がひな段状に高さを変えながら延設した複数の先端板部を備えた支持板からなり、各先端板部にそれぞれフック部材を挿入している請求項1、2、3、4又は5のゴルフ用クラブの展示用支持装置。
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