JP4334207B2 - 電源混入検知方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば商用電源などの交流電源の交流が交換装置などの装置に混入したことを検知する電源混入検知方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば交換装置は、商用電源からの交流を整流器で整流して、−48Vの直流電圧を生成し、この−48Vと0Vを供給されて動作するようになっているが、何らかの故障や事故などにより商用電源の交流が加入者回線等から交換装置に混入すること(この混入現象を電混と称する)がある。交換装置の0V側は、通信用アースに接続され、この通信用アースには整流器から発生する通常数十mA〜百数十mAの交流成分や交換装置から発生する多種の交流成分が流れ、また流れる電流値も変動する。
【0003】
交換装置に局外から商用電源の交流が混入すると、所定の電圧値以上の交流に対しては交換装置内のバリスタ素子が作動して、商用電源からの混入電流を0V側に流し、通信用アースから流出させて交換装置を保護するようになっているが、このような商用電源の交流の交換装置への混入を放置しておくと、交換装置やその端末などが故障したり、損傷するおそれがあるので、このような商用電源の混入を適確に検知し、除去することが必要である。
【0004】
このような混入を検知する第1の従来技術として、計測時間単位毎に前回の計測電流値から予測される現時点においての予測計測値にノイズの影響を考慮した係数を加えた警報発生の判断値と現計測電流値とを比較し、現計測電流値が判断値を超えている場合には、警報を発生するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また、第2の従来技術としては、電流値の計測時間単位毎の経時的変化を検出し、異常値が継続した場合に、警報を発生するものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
更に、第3の従来技術としては、商用電源の周波数成分を取り出し、この周波数成分の一定時間毎の平均値を予め設定したしきい値と比較して電源の混入を検出するものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−254537号公報
【特許文献2】
特開平4−201239号公報
【特許文献3】
特開2001−145441号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、商用電源からの混入電流は通信用アースから流出するので、この通信用アースから流出する交流電流を監視すれば、商用電源からの混入電流を検出することができるが、通常時に通信用アースに流れている電流値は常時変化していて、その電流値が低い時に電混が発生した場合、通信用アースに流れる電混電流が少ないと検知することが困難であるという問題がある。
【0009】
上述した第1の従来技術は、電気融着電流、すなわち徐々に下降する電流に対して有効なものであり、商用電源から混入して上昇下降を繰り返す電流を検知するものでなく、上述したように本発明で対象とする通信用アースに流れている電流値が低い時に発生した小さい電流の電混を適確に検出することができないという問題がある。
【0010】
また、第2の従来技術は電流値の計測時間単位毎の経時的変化を検出し、異常値が継続した場合に警報を発生するものであり、上述したように本発明で対象とする通信用アースに流れている電流値が低い時に発生した小さい電流の電混を適確に検出することができないという問題がある。
【0011】
更に、第3の従来技術は商用電源の周波数成分を取り出し、その平均値を予め設定したしきい値と単に比較して電源の混入を検出するものであり、上述したように本発明で対象とする通信用アースに流れている電流値が低い時に発生した小さい電流の電混を適確に検出することができないという問題がある。
【0012】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、商用電源などの交流電源の交流が交換装置に混入したことを電流が小さい場合にも適確に検知することができる電源混入検知方法および装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の本発明は、交流電源の交流が交換装置に混入したことを検知する電源混入検知方法であって、交流電源からの混入電流を含んでアースから流出する交流電流を取り出すアース流出電流取得ステップと、この取り出した交流電流のうち、前記交流電源の周波数に相当する所定の周波数範囲の電流のみを検知する検知ステップと、この検知ステップで検知した検知電流が交流電源からの混入電流を含んでいるか否かを判定するための判定値を該検知電流の値に基づき設定する判定値設定ステップと、前記検知電流の値を前記判定値と比較し、交流電源からの混入電流が含まれているか否かを判定する比較判定ステップと、この判定結果に基づき交流電源からの混入電流が含まれていると判定された場合、警報を出力する警報出力ステップとを有することを要旨とする。
【0014】
請求項1記載の本発明にあっては、アースから流出する交流電流を取り出し、この交流電流から所定の周波数範囲の電流のみを検知し、交流電源からの混入電流を含んでいるか否かを判定するための判定値を検知電流の値に基づき設定し、この判定値と検知電流の値を比較して、交流電源からの混入電流が含まれているか否かを判定し、混入電流が含まれている場合に警報を出力するため、交流電源の交流が交換装置に混入したことをアースに流れる電流値が低く、また電混電流が小さい場合でも適確に検知することができるとともに、検知精度が電流値の変化に関係なく一定となり、高い検知精度を全体にわたって維持することができる。
【0015】
また、請求項2記載の本発明は、請求項1記載の発明において、前記判定値設定ステップが、所定の単位計測時間毎における前記所定の周波数範囲の電流を今回の検知電流とし、この今回の検知電流に所定の電混判定係数を加算した値を単位計測時間の次回の判定値として設定する次回判定値設定ステップを有し、前記比較判定ステップが、今回の検知電流を前記次回判定値設定ステップにより前回の単位計測時間において設定された今回の判定値と比較し、交流電源からの混入電流が含まれているか否かを判定する時間毎判定ステップを有することを要旨とする。
【0016】
請求項2記載の本発明にあっては、所定の単位計測時間毎における電流を今回の検知電流とし、この今回の検知電流に電混判定係数を加算した値を単位計測時間の次回の判定値とし、今回の検知電流を前回の単位計測時間において設定された今回の判定値と比較し、交流電源からの混入電流が含まれているか否かを判定するため、交流電源の交流が交換装置に混入したことをアースに流れる電流値が低く、また電混電流が小さい場合でも適確に検知することができるとともに、検知精度が電流値の変化に関係なく一定となり、高い検知精度を全体にわたって維持することができる。
【0017】
更に、請求項3記載の本発明は、請求項1または2記載の発明において、前記検知ステップが、前記検知した所定の周波数範囲の電流の実効値の所定の単位計測時間における平均値を直流電流に変換し、この直流電流を検知電流として出力する変換ステップを有することを要旨とする。
【0018】
請求項4記載の本発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の発明において、前記判定値設定ステップが、前記警報出力ステップで警報を出力した時点の判定値を当該警報出力ステップで警報を出力している間の判定値として設定する警報時判定値設定ステップを有することを要旨とする。
【0019】
また、請求項5記載の本発明は、交流電源の交流が交換装置に混入したことを検知する電源混入検知装置であって、交流電源からの混入電流を含んでアースから流出する交流電流を取り出すアース流出電流取得手段と、この取り出した交流電流のうち、前記交流電源の周波数に相当する所定の周波数範囲の電流のみを検知する検知手段と、この検知手段の検知電流が交流電源からの混入電流を含んでいるか否かを判定するための判定値を該検知電流の値に基づき設定する判定値設定手段と、前記検知電流の値を前記判定値と比較し、交流電源からの混入電流が含まれているか否かを判定する比較判定手段と、この判定結果に基づき交流電源からの混入電流が含まれていると判定された場合、警報を出力する警報出力手段とを有することを要旨とする。
【0020】
請求項5記載の本発明にあっては、アースから流出する交流電流を取り出し、この交流電流から所定の周波数範囲の電流のみを検知し、交流電源からの混入電流を含んでいるか否かを判定するための判定値を検知電流の値に基づき設定し、この判定値と検知電流の値を比較して、交流電源からの混入電流が含まれているか否かを判定し、混入電流が含まれている場合に警報を出力するため、交流電源の交流が交換装置に混入したことをアースに流れる電流値が低く、また電混電流が小さい場合でも適確に検知することができるとともに、検知精度が電流値の変化に関係なく一定となり、高い検知精度を全体にわたって維持することができる。
【0021】
更に、請求項6記載の本発明は、請求項5記載の発明において、前記判定値設定手段が、所定の単位計測時間毎における前記所定の周波数範囲の電流を今回の検知電流とし、この今回の検知電流に所定の係数を加算した値を単位計測時間の次回の判定値として設定する次回判定値設定手段を有し、前記比較判定手段が、今回の検知電流を前記次回判定値設定手段により前回の単位計測時間において設定された今回の判定値と比較し、交流電源からの混入電流が含まれているか否かを判定する時間毎判定手段を有することを要旨とする。
【0022】
請求項6記載の本発明にあっては、所定の単位計測時間毎における電流を今回の検知電流とし、この今回の検知電流に電混判定係数を加算した値を単位計測時間の次回の判定値とし、今回の検知電流を前回の単位計測時間において設定された今回の判定値と比較し、交流電源からの混入電流が含まれているか否かを判定するため、交流電源の交流が交換装置に混入したことをアースに流れる電流値が低く、また電混電流が小さい場合でも適確に検知することができるとともに、検知精度が電流値の変化に関係なく一定となり、高い検知精度を全体にわたって維持することができる。
【0023】
請求項7記載の本発明は、請求項5または6記載の発明において、前記検知手段が、前記検知した所定の周波数範囲の電流の実効値の所定の単位計測時間における平均値を直流電流に変換し、この直流電流を検知電流として出力する変換手段を有することを要旨とする。
【0024】
また、請求項8記載の本発明は、請求項5乃至7のいずれか1項に記載の発明において、前記判定値設定手段が、前記警報出力手段が警報を出力した時点の判定値を当該警報出力手段が警報を出力している間の判定値として設定する警報時判定値設定手段を有することを要旨とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電源混入検知装置の回路構成を示すブロック図である。同図に示す実施形態の電源混入検知装置は、例えばAC100Vや200Vの商用電源の交流が交換装置に混入した混入電流を検知するものであり、交換装置の通信用アース線が貫通し、商用電源からの混入電流を含んで通信用アースから流出する測定電流である例えば0〜600mAの交流電流を検知し、0〜600μm程度の交流電流を出力するアース流出電流取得手段を構成する電流プローブ(CT)1を有する。なお、交換装置の通信用アースは、基準電位用と保安用のために設けられているものである。
【0026】
この電流プローブ1で検知した交流電流は、BNCコネクタ3a,3b、同軸ケーブル5、BNCコネクタ7a,7bを介してオペアンプ9aからなる非反転増幅回路9に供給されている。非反転増幅回路9は、入出力間に抵抗9bが接続され、入力と基準電位との間にダイオード9c,9dが接続されて構成され、インピーダンス変換機能および電圧増幅機能を有するものである。
【0027】
この非反転増幅回路9を通過した電流プローブ1からの交流信号は、増幅器11で更に増幅され、低域フィルタ(LPF)13と高域フィルタ(HPF)15を通過して、商用電源の周波数に相当する所定の周波数範囲の交流信号のみが出力される。すなわち、低域フィルタ13は例えば約63Hz以下の周波数の信号のみを通過させ、高域フィルタ15は例えば約47Hz以上の周波数の信号のみを通過させ、結果として約47Hz〜63Hzの所定の周波数範囲の交流信号のみを出力するようになっている。
【0028】
高域フィルタ15を通過した所定の周波数範囲の交流信号は、実効値演算器(RMS IC)17で実効値を算出されてから、A/D変換器19でデジタル信号に変換されてCPU21に供給される。
【0029】
CPU21は、A/D変換器19からデジタル信号を受信すると、このデジタル信号を例えば本装置の測定可能最小時間である例えば5秒などの所定の単位計測時間毎における今回の測定値として設定する。なお、この測定値は所定の単位計測時間の間の平均化された値として算出されるものである。
【0030】
上述したように、所定の単位計測時間毎に設定される今回の測定値は、CPU21において現在の単位計測時間の1つ前である前回の単位計測時間において次回の判定値として設定された判定値と比較され、この比較結果に基づいて電混があったか否かが判定される。
【0031】
CPU21における判定値の設定においては、単位計測時間における前回の測定値に対して所定の電混判定係数αを加算した値が今回の測定値に対する判定値として設定される。換言すると、今回の測定値に対して所定の電混判定係数αを加算した値が次回の判定値として設定され、CPU21のRAMなどに蓄積されるようになっている。なお、CPU21は、タイマ、フラッシュROM,RAMなどを備えていて、タイマで単位計測時間を計数し、フラッシュROMで設定値や記録値などを記憶し、RAMで測定値や次回の判定値などを記憶するようになっている。また、本実施形態の電源混入検知装置は、電源部31(POW)31を有し、この電源部31によりAC100Vを入力電圧として整流し、+5V(iso)、+5V、±15Vの電流電圧を生成し、各部に動作電圧として供給している。
【0032】
この判定値については、図2を参照して詳しく説明する。図2は、単位計測時間である測定時間T毎の測定値M、判定値Rおよび電混判定係数αを絶対判断値A、電混発生エリア101、バリスタ発熱・発煙・焼損エリア103、電混危険定数Dとともに示すグラフである。同図において、測定値Mは実線で示され、判定値Rは点線で示され、絶対判断値Aは一点鎖線で示され、電混発生エリア101は点線の斜線で示され、バリスタ発熱・発煙・焼損エリア103は実線の斜線で示されている。
【0033】
図2において、電混発生エリア101は、電混が発生する可能性のあるエリアであり、上述したように通信用アースから流出し、電流プローブ1で測定される通常の交流電流から該通常の交流電流に40〜100mA以内の電流を加えた電流が流れるエリアである。そして、この電混発生エリア101の範囲を決定する40〜100mAに関連して、電混危険定数Dが決定されている。
【0034】
また、バリスタ発熱・発煙・焼損エリア103は、通常の交流電流に40〜100mA以上の電流を加えた電流が流れるエリアであり、このエリアに達するような電混、すなわち商用電源からの交流の混入が交換装置に発生すると、交換装置内のバリスタが発熱し、場合によっては発煙したり、焼損する可能性があるものであり、このバリスタ発熱・発煙・焼損エリア103内に絶対判断値Aが設定されている。
【0035】
上述したように、今回の測定値に加算されて次回の判定値を決定する電混判定係数αは、測定値に対して電混危険定数Dを加えた測定値(測定値+電混危険定数D)の付近およびこれ以下の測定値を確実に検知して警報を発生するように設定され、例えば電混判定係数αは電混危険定数Dの半分以下(α≦D/2)に設定される。
【0036】
バリスタ発熱・発煙・焼損エリア103内に設定されている絶対判断値Aについては、測定値がこの絶対判断値Aを超えた場合に、CPU21はリレー29を駆動して、その接点で警報を出力し、測定値が絶対判断値A以下になるまで警報の発生を維持するようになっている。なお、絶対判断値Aは、通常時の最大電流値を参考にして決定される。
【0037】
図1の回路構成図に戻って、前述したように、CPU21において今回の測定値を判定値と比較し、この結果に基づいて電混があったか否かを判定するが、電混があったと判定された場合には、リレー29を駆動し、その接点で外部に警報を出力するとともに、その電混があったことおよび測定電流値を表示器23に表示し、また必要により同じ情報をRSC232Cポート27を介して外部の例えばパソコンなどに送信し、パソコンで測定データの編集などを行えるようにする。
【0038】
なお、CPU21に接続されている操作スイッチ25は、本装置の操作パネルに設けられているものであり、例えば設定項目の選択、測定中の設定値の確認などを行うためのMODEキー、測定時間や判定値の設定値を増加するためのUPキー、測定時間や判定値の設定値を低減するためのDOWNキー、測定または判定を開始させるSTARTキー、測定または判定を停止させるSTOPキー、選択した項目の設定条件を確定させるためのENTERキーなどを備えている。
【0039】
次に、図1に示したように構成される本実施形態の電源混入検知装置の作用について図2を参照して説明する。
【0040】
上述したように、商用電源からの交換装置への混入電流は交換装置の通信用アースから流出するので、この通信用アースから流出する交流電流を測定値として検出し、この測定値に基づき混入電流を検出しようとするものであるが、通信用アースには通常数十mA〜百数十mAの交流成分が流れるものであるため、すなわち通信用アースに流れる交流成分は数十mA〜百数十mAの間で変動するものであるため、本発明では、上述したように例えば5秒などの所定の単位計測時間毎で測定値を設定することにより、その測定値の変動幅、すなわち測定値の差を約±10mA以下に低減し、電混を検出するようにしている。
【0041】
なお、電混が発生すると、上述したように変動する電流値に電混電流が瞬時に上乗せされるが、この上乗せされる電混電流は、例えば最小で約40mA、最大で数Aであるので、この瞬時に上乗せされる電混電流を判定するために考慮するものとして前記電混判定係数αを電混がない通常時の測定値に加算して、電混を検出するための判定値としている。
【0042】
図2において、所定の単位計測時間である測定時間T1では、電流プローブ1で検知された通信用アースからの交流電流は、BNCコネクタ3a,3b、同軸ケーブル5、BNCコネクタ7a,7bを介して非反転増幅回路9に供給され、増幅器11で更に増幅され、低域フィルタ13と高域フィルタ15を通過して、商用電源の周波数に相当する所定の周波数範囲の交流信号のみが実効値演算器17、A/D変換器19を通過してデジタル信号としてCPU21に供給される。
【0043】
CPU21は、このデジタル信号を測定時間T1にわたって平均化し、測定時間T1における今回(T1)の測定値とする。CPU21は、この今回の測定値に電混判定係数αを加算して、次回(T2)の測定値の判定値、すなわち測定時間T2における判定値を算出し、この次回(T2)の判定値をRAMなどのメモリに蓄積する。
【0044】
また、CPU21は、上記次回(T2)の判定値の算出と同時に、今回(T1)の測定値に対する判定値、すなわち1つ前の測定時間(図示しないがT0)において前回(T0)の測定値から算出した判定値をメモリから読み出し、この判定値と今回の測定値とを比較し、測定時間T1において電混の発生があるか否かを判定する。この判定は、図2の測定時間T1において判定値Rと測定値Mとして示すように、測定値Mが判定値Rよりも小さいため、電混の発生は存在しないと判定される。
【0045】
次に、CPU21は、上記と同様にして、次の測定時間T2における測定値を算出すると、この今回(T2)の測定値を前回メモリに記憶した判定値(T1の測定値+電混判定係数α)と比較し、電混があるか否かを判定するが、今回の測定値も判定値より低いため、電混はないと判定し、今回(T2)の測定値に電混判定係数αを加算して次回(T3)の判定値を算出し、メモリに蓄積する。
【0046】
以下同様に、各測定時間T3,T4,…における測定値を判定値と比較し、測定値が判定値より小さく、電混が発生しない場合には、各測定時間の測定値に電混判定係数αを加算して次回の判定値を算出し、メモリに記憶する。
【0047】
図2では、CPU21において、測定時間T10における測定値を判定値と比較すると、測定値が判定値よりも大きいことがわかり、これにより電混が発生したことを検出するので、CPU21は、リレー29を駆動して、その接点により電混の発生を示す警報を出力するとともに、この電混が発生したことおよび前記測定値を表示器23に表示し、また必要により同情報をRSC232Cポート27を介して外部の例えばパソコンなどに送信する。
【0048】
また、上記処理に加えて、CPU21は、電混の発生した測定時間T10の判定値、すなわち測定時間T9に電混判定係数αを加算した判定値を警報が出力されている間の判定値として固定する。
【0049】
次に続く測定時間T11,T12,T13では、測定値が上述したように固定された判定値よりも図示のように大きいので、警報を出力し続け、また判定値も上記値に固定されたままである。
【0050】
そして、次の測定時間T14では、測定値が図示のように判定値よりも小さくなるので、CPU21は警報の出力を停止し、新たな判定値として測定時間T14の測定値に電混判定係数αを加算した判定値を設定してメモリに記憶する。次の測定時間T15では、測定値が図示のように判定値よりも小さいので、警報を出力することなく、この測定値に電混判定係数αを加算した判定値を次回(T16)の判定値設定し、メモリに記憶する。以下同じ動作を各測定時間において繰り返し行う。
【0051】
なお、上述した電混判定係数αおよび電混危険定数Dは、事前に設置する通信用アースの測定を行い、最大電流値や最大の+差分を把握して決定される。
【0052】
また、前回の測定値に電混判定係数αを加算した判定値を測定値が超えたことで電混の発生を検知し、警報を出力する動作と測定値が絶対判断値Aを超えたことで電混の発生を検知し、警報を出力する動作は、継続して連続的に行われるが、その他の機能は警報発生と同時に機能を停止し、警報解除時に再開するようになっている。
【0053】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、アースから流出する交流電流を取り出し、この交流電流から所定の周波数範囲の電流のみを検知し、交流電源からの混入電流を含んでいるか否かのための判定値を検知電流の値に基づき設定し、この判定値と検知電流を比較して交流電源からの混入電流が含まれているか否かを判定し、混入電流が含まれている場合に警報を出力するので、交流電源の交流が交換装置に混入したことをアースに流れる電流値が低く、また電混電流が小さい場合でも適確に検知することができるとともに、検知精度が電流値の変化に関係なく一定となり、高い検知精度を全体にわたって維持することができる。
【0054】
また、本発明によれば、単位計測時間毎における電流を今回の検知電流とし、この今回の検知電流に電混判定係数を加算した値を単位計測時間の次回の判定値とし、今回の検知電流を前回の単位計測時間において設定された今回のための判定値と比較して、交流電源からの混入電流が含まれているか否かを判定するので、交流電源の交流が交換装置に混入したことをアースに流れる電流値が低く、また電混電流が小さい場合でも適確に検知することができるとともに、検知精度が電流値の変化に関係なく一定となり、高い検知精度を全体にわたって維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る電源混入検知装置の回路構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す実施形態の電源混入検知装置における測定時間T毎の測定値M、判定値Rおよび電混判定係数αを絶対判断値A、電混発生エリア、バリスタ発熱・発煙・焼損エリア、電混危険定数Dとともに示すグラフである。
【符号の説明】
1 電流プローブ
13 低域フィルタ
15 高域フィルタ
17 実効値演算器
19 A/D変換器
21 CPU
23 表示器
29 リレー
Claims (8)
- 交流電源の交流が交換装置に混入したことを検知する電源混入検知方法であって、
交流電源からの混入電流を含んでアースから流出する交流電流を取り出すアース流出電流取得ステップと、
この取り出した交流電流のうち、前記交流電源の周波数に相当する所定の周波数範囲の電流のみを検知する検知ステップと、
この検知ステップで検知した検知電流が交流電源からの混入電流を含んでいるか否かを判定するための判定値を該検知電流の値に基づき設定する判定値設定ステップと、
前記検知電流の値を前記判定値と比較し、交流電源からの混入電流が含まれているか否かを判定する比較判定ステップと、
この判定結果に基づき交流電源からの混入電流が含まれていると判定された場合、警報を出力する警報出力ステップと
を有することを特徴とする電源混入検知方法。 - 前記判定値設定ステップは、所定の単位計測時間毎における前記所定の周波数範囲の電流を今回の検知電流とし、この今回の検知電流に所定の電混判定係数を加算した値を単位計測時間の次回の判定値として設定する次回判定値設定ステップを有し、
前記比較判定ステップは、今回の検知電流を前記次回判定値設定ステップにより前回の単位計測時間において設定された今回の判定値と比較し、交流電源からの混入電流が含まれているか否かを判定する時間毎判定ステップ
を有することを特徴とする請求項1記載の電源混入検知方法。 - 前記検知ステップは、前記検知した所定の周波数範囲の電流の実効値の所定の単位計測時間における平均値を直流電流に変換し、この直流電流を検知電流として出力する変換ステップを有することを特徴とする請求項1または2記載の電源混入検知方法。
- 前記判定値設定ステップは、前記警報出力ステップで警報を出力した時点の判定値を当該警報出力ステップで警報を出力している間の判定値として設定する警報時判定値設定ステップを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電源混入検知方法。
- 交流電源の交流が交換装置に混入したことを検知する電源混入検知装置であって、
交流電源からの混入電流を含んでアースから流出する交流電流を取り出すアース流出電流取得手段と、
この取り出した交流電流のうち、前記交流電源の周波数に相当する所定の周波数範囲の電流のみを検知する検知手段と、
この検知手段の検知電流が交流電源からの混入電流を含んでいるか否かを判定するための判定値を該検知電流の値に基づき設定する判定値設定手段と、
前記検知電流の値を前記判定値と比較し、交流電源からの混入電流が含まれているか否かを判定する比較判定手段と、
この判定結果に基づき交流電源からの混入電流が含まれていると判定された場合、警報を出力する警報出力手段と
を有することを特徴とする電源混入検知装置。 - 前記判定値設定手段は、所定の単位計測時間毎における前記所定の周波数範囲の電流を今回の検知電流とし、この今回の検知電流に所定の係数を加算した値を単位計測時間の次回の判定値として設定する次回判定値設定手段を有し、
前記比較判定手段は、今回の検知電流を前記次回判定値設定手段により前回の単位計測時間において設定された今回の判定値と比較し、交流電源からの混入電流が含まれているか否かを判定する時間毎判定手段
を有することを特徴とする請求項5記載の電源混入検知装置。 - 前記検知手段は、前記検知した所定の周波数範囲の電流の実効値の所定の単位計測時間における平均値を直流電流に変換し、この直流電流を検知電流として出力する変換手段を有することを特徴とする請求項5または6記載の電源混入検知装置。
- 前記判定値設定手段は、前記警報出力手段が警報を出力した時点の判定値を当該警報出力手段が警報を出力している間の判定値として設定する警報時判定値設定手段を有することを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載の電源混入検知装置。
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