JP4333231B2 - 圧延機および圧延方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被圧延材の板形状や板クラウンを制御可能な圧延機に関し、特に、被圧延材の板幅方向板厚偏差を改善可能でかつロール間スキューを防止可能な圧延機に関する。
【0002】
【従来の技術】
被圧延材の板形状や板クラウンを制御可能な圧延機として、例えば、ロール軸芯方向にS字状のロールプロフィルを有するワークロールを被圧延材を挟んで上下に、ロールプロフィルが圧延機中心に対して点対称となるように配置した圧延機(いわゆるCVC圧延機)が知られている。
【0003】
CVC圧延機は、図5に示すように、上、下のワークロール101U、101Lをロール軸芯方向に互いに逆向きにシフトすることにより被圧延材Sの板幅方向板厚偏差を大幅に改善できる。なお、図5は、CVC圧延機における被圧延材の板幅方向板厚偏差制御原理を説明する模式図であり、図5(a)、(b)は、シフト前後のワークロール間のロールギャップ分布を模式的に示す。符号103は、シフト方向を示し、CVC圧延機では、図5(a)に示す矢印103と逆方向にも移動可能とされている。また図5(c)は、上ワークロール101Uのロールプロフィルの座標を模式的に示す図であり、図5(d)は、最高次の次数が3次以上である高次関数のロールプロフィルを例示したグラフである。
【0004】
なお、符号Pはロール胴中央を示し、R(ξ)はロール胴中央Pからのロール軸芯方向距離ξにおけるロール半径を示す。また、符号100は、圧延機中心を通る垂線を示し、Lは、ワークロールのロール胴長を示す。
【0005】
ここで、符号102U、102Lは、上、下のワークロール101U、101Lと接触する上、下のバックアップロールであり、上、下のバックアップロール102U、102Lは、ロール胴中央に対して対称なロールプロフィルを有し、接触ロールとされている。
【0006】
このようなロール胴中央に対して非対称なロールプロフィルを有するロールと、ロール胴中央に対して対称なロールプロフィルを有する接触ロールが配置された圧延機では、圧延時にロール間接触部における、操作側と駆動側のロール径差分布に起因してロール軸芯方向位置で周速度差が生じ、係る周速度差に起因する摩擦力Fがロール間に働き、図6に示すようなスキューが発生しやすい。
【0007】
図6には、上バックアップロール102Uと上ワークロール101U間のスキュー状態を示したが、下バックアップロール102Lと下ワークロール101L間にもスキューが生じる。このようなスキューは、圧延時にロールチョックとハウジングポスト間に圧延方向ガタがあるために生じる。
【0008】
圧延中に常時、ロール間にスキューが生じた場合には、スラスト力がロールからロールチョック内のロールベアリングに作用することになり、ロールベアリングが損傷を受けやすくなる。また、圧延方向ガタによりロール間のスキュー状態も不安定であるから、被圧延材の通板性が悪化し、被圧延材の絞りの発生するという問題がある。
【0009】
そこで、ワークロールに付与するロールプロフィルを最適化した圧延機が提案されている(特許文献1)。
【0010】
この特許文献1(特許第3053313号)に提案されている圧延機は、図5(d)に示すロールプロフィルをワークロールに有し、最高時の項が3次以上である多項式関数で表されるロール半径R(ξ)と、ロール軸芯方向距離ξとの積をワークロールと、これに接触している接触ロールとのロール軸芯方向接触域全長に渡って積分したときの積分値が0となるように上下ロールのプロフィルが決定されている。
【0011】
また、被圧延材の板幅方向板厚偏差を改善できる圧延機として、前段2〜3スタンドがロール胴長を一周期とする正弦波あるいはこれに相当する高次曲線であるロールプロフィルをワークロールに有するCVC圧延機とされ、後段の4〜5スタンドがワークロールとロール軸芯方向にシフト可能な中間ロールとバックアップロールおよびワークロールベンディング機能を具備した圧延機(以下、6重圧延機ともいう)とされた仕上げ圧延機列が開示されている(特許文献2)。
【0012】
【特許文献1】
特許第3053313号
【特許文献2】
特開平1−284417号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に提案されている圧延機は、あるワークロールシフト位置で、ある圧延荷重あるワークロールベンダーのベンダー力が作用している圧延状態でロールプロフィルを最適化しているため、この圧延状態から外れた場合、圧延機中心を通る垂線周りのモーメントが発生し、ワークロールとバックアップロール間でスキューが発生してしまう問題があった。
【0014】
また、特許文献2に記載された4段のCVC圧延機および6重圧延機においては、ロールチョックとハウジング間の機械的なガタを吸収するガタ吸収機構の構造やその設置箇所が不明であるために、ロール間のスキューを防止した圧延機を実現することが困難であるという問題があった。
【0015】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消することにあり、被圧延材の板幅方向板厚偏差を改善可能でかつロール間スキューを防止可能な圧延機およびそれを用いた圧延方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、被圧延材の板幅方向板厚偏差を改善可能でかつロール間スキューを防止可能な圧延機について鋭意検討し、ロールチョックとハウジング間に存在する隙間はロール交換を容易に行うため所定だけ必要であることから、ロールチョックとハウジング間に存在する隙間をなくすのではなく、圧延時にロールチョックとハウジング間に存在する圧延方向ガタをガタ吸収装置によりなくす圧延機を実現した。
【0017】
本発明は、以下のとおりである。
1. ロール胴中央に対して非対称なロールプロフィルを有するロールが被圧延材を挟んで上下に、ロールプロフィルが圧延機中心に対して点対称となるように配置され、該ロールと接触するように、ロール胴中央に対して対称なロールプロフィルを有する接触ロールがそれぞれ配置され、さらに少なくともワークロールベンダーを備えた圧延機であって、前記接触ロールに対して前記非対称なロールプロフィルを有するロールがオフセットされて配置され、かつ各ロールがオフセット分力により加勢される方向に各ロールの操作側と駆動側のロールチョックを押し付けて、ロールチョックとハウジング間に存在する圧延方向ガタをなくすガタ吸収装置が操作側と駆動側に設置され、さらに前記ガタ吸収装置の操作側と駆動側のロールチョックに対する押付力が油圧制御装置により可変とされているとともに、操作側と駆動側で別々に設定可能とされることを特徴とする圧延機。
2. 前記接触ロールをバックアップロールとすることを特徴とする上記1.に記載の圧延機。
3. 操作側のワークロールチョック用ガタ吸収装置、及び駆動側のワークロールチョック用ガタ吸収装置は、入側ハウジングポストと各ワークロールチョック間設置されていることを特徴とする上記1.または2.に記載の圧延機。
4. ロール胴中央に対して非対称なロールプロフィルを有するロールが被圧延材を挟んで上下に、ロールプロフィルが圧延機中心に対して点対称となるように配置され、該ロールと接触するように、ロール胴中央に対して対称なロールプロフィルを有する接触ロールがそれぞれ配置され、さらに少なくともワークロールベンダーを備えた圧延機を用い、前記被圧延材を圧延するに際し、前記接触ロールに対して前記非対称なロールプロフィルを有するロールをオフセットして配置し、かつ各ロールがオフセット分力により加勢される方向に各ロールの操作側と駆動側のロールチョックを押し付けて、ロールチョックとハウジング間に存在する圧延方向ガタをなくすガタ吸収装置を操作側と駆動側に設置した後、前記ガタ吸収装置の操作側と駆動側のロールチョックに対する押付力を油圧制御装置により変更するとともに、操作側と駆動側で別々に設定してから該ガタ吸収装置を使用して、各ロールを回転自在に支承する操作側と駆動側のロールチョックを、各ロールがオフセット分力により加勢される方向に押し付けて、前記ワークロールベンダーのベンダー力を調整しつつ圧延することを特徴とする圧延方法。
5. 前記接触ロールをバックアップロールとすることを特徴とする上記4.に記載の圧延方法
【0020】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明の実施の形態に係る圧延機について図1、図2および図3を用いて説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施の形態に係る4段圧延機の構成を示す模式図である。図2は、図1に示す4段圧延機に設置したガタ吸収装置の構造を模式的に示す横断面図であり、また、図3は、図1に示す4段圧延機の作用を説明する模式図である。なお、本発明は4段圧延機に限定されるものではなく、6段以上の圧延機にも適用できる。
【0022】
図1、2で圧延機中心99より右方を入側、圧延機中心99より左方を出側とし、図3(c)に示すように金属板を被圧延材Sとして一方向に圧延するとして説明する。なお、図1は、ハウジング5にロールを組み込んだ圧延前におけるガタ吸収装置不使用時の状態を示す図であり、一方、図3(c)は、ガタ吸収装置使用時における圧延状態を模式的に示す横断面図である。
【0023】
図2、3中、符号98は、圧延機を入側と出側に区分する、被圧延材Sの圧延方向に対して直角な境界を示す。
【0024】
ここで、実施の形態に係る圧延機は、図1に示すように、上、下のワークロール1U、1Lがそれぞれ上、下のバックアップロール2U、2Lに対して出側にオフセットされて配置され、ワークロールベンダー21を備えた4段圧延機である。上、下のワークロール1U、1Lが操作側と駆動側で異なるロールプロフィルを有し、上、下のバックアップロール2U、2Lは、ロール胴中央に対して対称なロールプロフィルを有する。例えば、上、下のバックアップロール2U、2Lのロールプロフィルは、ロール軸芯方向に径差分布のないフラットとされている。
【0025】
上、下のワークロール1U、1Lのロールプロフィルは、例えば、ロール胴長を一周期とする正弦波あるいは最高次の次数が3次以上である高次関数曲線とすることができ、上下でロール軸芯方向に逆向きのプロフィルとされている。
【0026】
図1に示すガタ吸収装置不使用時の状態では、上、下のワークロール1U、1Lを回転自在に支承する操作側のワークロールチョック3U、3L並びに駆動側のワークロールチョック3U’、3L’とハウジング5間に圧延方向の隙間が存在している。また、上、下のバックアップロール2U、2Lを回転自在に支承する操作側のバックアップロールチョック4U、4L並びに駆動側のバックアップロールチョック4U’、4L’とハウジング5間に圧延方向の隙間が存在している。これらの隙間は、ロール交換をスムーズに行うために必要である。
【0027】
この4段圧延機には、ワークロールベンダー21が出側ハウジングポスト6、6’並びに入側ハウジングポスト7、7’のそれぞれの高さ方向中央部に突設されたプロジェクトブロックに設けてあり、操作側のワークロールチョック3U、3L並びに駆動側のワークロールチョック3U’、3L’には、ワークロールベンダー21のベンダー力が作用するように構成されている。また、符号22は、被圧延材Sを圧延する際に、圧延荷重を検出する圧延荷重検出器を示し、また符号23は、油圧圧下装置を示す。
【0028】
実施の形態に係る4段圧延機は、圧延時にロールチョックとハウジング間に存在する圧延方向ガタをガタ吸収装置によりなくすようにした。
【0029】
ガタ吸収装置は、図2および図3(c)に示すように、ピストンとピストンを内蔵した油圧室とを有し、圧油によりピストンを所定量突き出して、各ロールがオフセット分力により加勢される方向に各ロールの操作側と駆動側のロールチョックを押し付けて、ロールチョックとハウジング間に存在する圧延方向ガタをなくすことができるように操作側と駆動側に設置されている。図1、2中、符号12は、上記ガタ吸収装置の油圧室へ出入りする圧油の油通路であって、ワークロールチョック用ガタ吸収装置8U、8L並びに9U、9Lの油圧室へ通じる油通路12は、ハウジングポスト6と7、6’と7’に突設されたプロジェクトブロックに形成されている。一方、バックアップロールチョック用ガタ吸収装置10U、10L並びに11U、11Lの油圧室へ通じる油通路12は、ハウジングポスト6と7、6’と7’にそれぞれ形成されている。
【0030】
ここで、油通路12は、図1に示すように配管13、15、17、19を介して油圧制御装置14、16、18、20に接続され、各ガタ吸収装置のチョックに対する押付力が操作側と駆動側で別々に設定できるようになっている。例えば、油圧制御装置14、16、18、20としては、公知の、電磁切換弁や減圧弁やリリーフ弁などが油圧ポンプおよびタンクを備えた油圧装置に組み合わせてあり、ガタ吸収装置の押付力が操作側と駆動側で別々に油圧制御装置により可変とされている。但し、この実施の形態に係る4段圧延機では、操作側と駆動側に設置した接触ロールチョック用ガタ吸収装置間距離x3 =x1 とした。x1 は、操作側と駆動側に設置したワークロールチョック用ガタ吸収装置間距離である。
【0031】
図1中、設定オフセット量δは、各ガタ吸収装置不使用時の状態における、ワークロール1U、1Lの軸芯とバックアップロール2U、2Lの軸芯間の圧延方向距離で定義した。
【0032】
この実施の形態に係る圧延機では、上、下のワークロール1U、1Lは、圧延時に出側に向けてオフセット分力により加勢されるので操作側のワークロールチョック用ガタ吸収装置8U、8L並びに駆動側のワークロールチョック用ガタ吸収装置9U、9Lが入側ハウジングポスト7、7’と各ワークロールチョック間に設置されている。一方、上、下のバックアップロール2U、2Lは圧延時に入側に向けてオフセット分力により加勢されるので、操作側のバックアップロールチョック用ガタ吸収装置10U、10L並びに駆動側のバックアップロールチョック用ガタ吸収装置11U、11Lが出側ハウジングポスト6、6’と各バックアップロールチョック間に設置されている。
【0033】
このように実施の形態に係る圧延機において、ガタ吸収装置を各ロールがオフセット分力により加勢される方向に各ロールのロールチョックを押し付けることができるように設置する理由は、圧延荷重とワークロールベンダー21のベンダー力Pの和の分力を利用して、各ロールのロールチョックをハウジングポストに押し付けることができるので装置をコンパクトにでき、ロール間スキューを防止できる圧延機を実現できるからである。
【0034】
これに対して、ガタ吸収装置をオフセット分力に対抗して、各ロールのロールチョックを押し付けるように設置しようとした場合は、圧延荷重とワークロールベンダー21のベンダー力Pの和の分力に対抗して各ロールのロールチョックをハウジングポストに押し付けるようにするための装置が過大なものとなり、ロール間スキューを防止する圧延機を実現するのが困難である。
【0035】
上述した実施の形態に係る圧延機の作用について図3を用いて説明する。
【0036】
図3(a)は、ロール径差分布に起因してロール間接触部に生じるモーメントMの方向を示す模式図であり、図3(b)は、上バックアップロール2Uに作用するモーメントMを打ち消すための、上バックアップロールチョックに対する押付力を示す模式図である。図3(b)中、符号FOpは、操作側の上バックアップロールチョック4Uに対する押付力を、符号FDrは駆動側の上バックアップロールチョック4U’に対する押付力を示す。また、図3(c)は、図1に示す圧延機の、ガタ吸収装置使用時の状態を模式的に示す横断面図である。
【0037】
上述した実施の形態に係る圧延機では、被圧延材Sを圧延するに際し、ワークロールチョック用ガタ吸収装置8U、8L並びに9U、9Lおよびバックアップロールチョック用ガタ吸収装置10U、10L並びに11U、11Lを使用して、各ロールのロールチョックを各ロールがオフセット分力により加勢される方向に押し付けて上述したワークロールベンダー21のベンダー力Pを調整しつつ圧延する。
【0038】
その際、ワークロールチョック用ガタ吸収装置において、操作側のワークロールチョック3U、3Lと駆動側のワークロールチョック3U’、3L’に対する押付力を操作側と駆動側で別々に設定してから圧延するようにしているので、圧延時に上、下のワークロール1U、1Lにそれぞれ生じるモーメントを打ち消すことができ、上、下のワークロール1U、1Lを回転自在に支承する操作側のワークロールチョック3U、3Lおよび駆動側のワークロールチョック3U’、3L’を出側ハウジングポスト6、6’に押し付けることができる。
【0039】
また、バックアップロールチョック用ガタ吸収装置においても同様に、操作側のバックアップロールチョック4U、4Lと駆動側のバックアップロールチョック4U’、4L’に対する押付力を操作側と駆動側で別々に設定してから圧延するようにしているので、圧延時に上、下のバックアップロール2U、2Lにそれぞれ生じるモーメントを打ち消すことができ、上、下のバックアップロール2U、2Lを回転自在に支承する操作側のバックアップロールチョック4U、4Lおよび駆動側のバックアップロールチョック4U’、4L’を入側ハウジングポスト7、7’押し付けることができる。
【0040】
この結果、上述した実施の形態に係る圧延機では、圧延時に被圧延材Sの幅方向板厚偏差を制御するに際し、ガタ吸収装置によってロールチョックとハウジング間の圧延方向ガタを吸収することができるので、ロール間スキューを防止することができ、ロール間に生じるスラスト力を小さくすることができる。
【0041】
なお、上、下のワークロール1U、1Lのロールプロフィルが操作側と駆動側で異なることに起因して、上ロール間および下ロール間のロール径差分布に起因してロール間接触部に生じるモーメントMは、圧延荷重、ベンダー力、ロールプロフィル等を変更し、予め数値計算を行って求めておくことができる。
【0042】
実施の形態に係る圧延機を用いた圧延方法では、ワークロールベンダー21のベンダー力を調整しつつ圧延することにより被圧延材Sの幅方向板厚偏差を制御しているので、ワークロールチョック用ガタ吸収装置およびバックアップロール用チョック用ガタ吸収装置の押付力を可変とすると、チョックを出側に押しつけるのに必要な力を過不足なく発生できるので、ガタ吸収装置の押付力を一定とした場合より、チョック出側に押し付けられかつ、圧下ヒシテリシスへの影響を最小限とすることができるので好ましい。
【0043】
ところで、従来の圧延機は、上述した実施の形態に係る圧延機において、ガタ吸収装置を不使用、またはガタ吸収装置を設置していない場合に相当する。
【0044】
ここで、図3(c)では、上ワークロール1Uを回転自在に支承するワークロールチョック3U、3U’とハウジング間の隙間がワークロールチョック用ガタ吸収装置8U、9Uの働きにより隙間α、α’として吸収され、また、上バックアップロール2Uを回転自在に支承するバックアップロールチョック4U、4U’とハウジング間の隙間がバックアップロールチョック用ガタ吸収装置10U、11Uの働きにより隙間β、β’として吸収されているとして示した。
【0045】
但し、図3(c)に示す隙間α、α’および隙間β、β’は、各ロールチョックとハウジング5間の隙間と、ガタ吸収装置によりハウジング内に加えた内力としての押付力により生じたハウジング5の弾性変形量、すなわち、出側ハウジングポスト6、6’と入側ハウジングポスト7、7’間の圧延方向間隔増分との和で表される。
【0046】
また、実施の形態に係る圧延機では、被圧延材Sを圧延するに際し、上、下のワークロール1U、1Lを回転自在に支承する操作側のワークロールチョック3U、3Lおよび駆動側のワークロールチョック3U’、3L’は共に、出側ハウジングポスト6、6’に押し付けられた状態となっているため、上、下のワークロール1U、1Lの軸芯が被圧延材Sを挟んでなすクロス角度は、図6に示すような従来の圧延機の場合に比べて小さくすることができる。
【0047】
また、上記実施の形態に係る圧延機では、ワークロールシフト装置を設け、最高次の次数が3次以上である高次関数のロールプロフィルを有するワークロールを上、下でロールプロフィルが点対称となるように配置し、ワークロールベンダーのベンダー力を調整しつつ圧延するに際し、ワークロールをロール軸芯方向に互いに反対にシフトするようにするのがより好ましい。このようにすることにより、ワークロールベンダーのベンダー力によるロール曲げ効果とワークロールシフトによるロールギャップ変更効果との相乗効果により被圧延材の幅方向板厚偏差を一段と改善することができる。
【0048】
なお、上ワークロール1Uの軸芯と上バックアップロール2Uの軸芯とがスキューするのを確実に防止しかつ下ワークロール1Lの軸芯と下バックアップロール2Lの軸芯とがスキューするのを確実に防止するには、ワークロール直径が600〜800mm、バックアップロール直径が1400〜1700mm、ロール胴長Lが2000mm、最高次の次数が3次である高次関数のロールプロフィルの直径差が0.8mmで、設定オフセット量δが6mm、オフセット分力が0.1MN以下(圧延荷重:30MN以下)である熱間圧延機においては、ワークロールチョック用ガタ吸収装置8U、8Lと9U、9Lの押付力の合計は、1.2MN以下、バックアップロールチョック用ガタ吸収装置10U、10Lと11U、11Lの押付力の合計の和は、1.2MN以下とすることができるから実現できる。なお、上記熱間圧延機においては、ワークロールチョック用ガタ吸収装置8U、8Lと9U、9Lのピストンの移動量は1〜5mm、バックアップロールチョック用ガタ吸収装置10U、10Lと11U、11Lのピストンの移動量は1〜5mmとれば、上記ガタ吸収装置の押付力により生じる、出側ハウジングポスト6、6’と入側ハウジングポスト7、7’間の圧延方向間隔増分と、ロール交換に必要な各ロールチョックとハウジング5間の隙間との和以上のストロークとすることができ、上記熱間圧延機のガタ吸収装置として十分である。
【0049】
【実施例】
ワークロール直径が750mm、バックアップロール直径が1550mm、ロール胴長Lが2000mm、最高次の次数が3次である高次関数のロールプロフィルの直径差が0.8mmで、設定オフセット量δが6mm、オフセット分力が0.1MN以下(圧延荷重:30MN以下)である熱間圧延機において、ワークロールチョック用ガタ吸収装置およびバックアップロールチョック用ガタ吸収装置を図1、図2に示すように設置して、両方のガタ吸収装置を使用し、被圧延材の板幅方向板厚偏差を改善しつつ圧延し、スラスト力と被圧延材の絞り発生回数を調査した。
【0050】
なお、ワークロールチョック用ガタ吸収装置8U、8Lと9U、9Lの押付力の合計を0.6MN、バックアップロールチョック用ガタ吸収装置10U、10Lと11U、11Lの押付力の合計を0.6MNとした。ワークロールチョック用ガタ吸収装置8U、8Lと9U、9Lのピストンの移動量は4mm、バックアップロールチョック用ガタ吸収装置10U、10Lと11U、11Lのピストンの移動量は4mmとした。
【0051】
この結果、図4に示すようにワークロールチョック用ガタ吸収装置およびバックアップロールチョック用ガタ吸収装置の両方のガタ吸収装置を使用した場合のスラスト力は0.2MN以下であり、両方のガタ吸収装置不使用の場合の0.4〜1.0MNに比べてスラスト力を小さくすることができた。
【0052】
また、両方のガタ吸収装置不使用の場合には、被圧延材の絞り発生回数が30回/月であったが、両方のガタ吸収装置を使用した場合には、被圧延材の絞り発生回数を10回/月以下に減少することができた。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、被圧延材の幅方向板厚偏差を制御するに際し、ロールチョックとハウジング間の圧延方向ガタを吸収することができるので、ロール間スキューを防止することができ、ロール間に生じるスラスト力を小さくすることができる。このため、被圧延材の板幅方向板厚偏差を改善でき、かつ通板性を向上できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る圧延機の構成を示す模式図である。
【図2】図1に示す圧延機に設置したガタ吸収装置の構造を模式的に示す横断面図である。
【図3】図1に示す圧延機の作用を説明する模式図であって、(a)はロール径差分布に起因してロール間接触部に生じるモーメントMの方向を示す模式図で、(b)は上バックアップロール2Uに作用するモーメントMを打ち消すための上バックアップロールチョックに対する押付力を示す模式図である。また(c)は図1に示す圧延機の、ガタ吸収装置使用時の状態を模式的に示す横断面図である。
【図4】図1に示す実施の形態に係る4段圧延機を熱間圧延機として使用した場合の効果を例示するグラフである。
【図5】CVC圧延機における被圧延材の板幅方向板厚分布の制御原理を説明する模式図である。
【図6】従来のCVC圧延機における上ロール間のスキューを示す模式図である。
【符号の説明】
S 被圧延材(金属板)
1U、1L ワークロール
2U、2L バックアップロール(接触ロール)
3U、3L 操作側のワークロールチョック
3U’、3L’ 駆動側のワークロールチョック
4U、4L 操作側のバックアップロールチョック
4U’、4L’ 駆動側のバックアップロールチョック
5 ハウジング
6、7、6’、7’ ハウジングポスト
8U、8L 操作側のワークロールチョック用ガタ吸収装置
9U、9L 駆動側のワークロールチョック用ガタ吸収装置
10U、10L 操作側のバックアップロールチョック用ガタ吸収装置
11U、11L 駆動側のバックアップロールチョック用ガタ吸収装置
但し、U、U’は上、L、L’は下を示す。
12 油通路
13、15、17、19 配管
14、16、18、20 油圧制御装置
21 ワークロールベンダー
22 圧延荷重検出器
23 油圧圧下装置
M ロール径差分布に起因してロール間接触部に生じるモーメント
off オフセット分力
Op 操作側の押付力
Dr 駆動側の押付力
1 ワークロールチョック用ガタ吸収装置間の距離
2 ワークロールベンダー装置の摩擦力中心間の距離
3 バックアップロールチョック用ガタ吸収装置間の距離
α、α’ 上ワークロールチョックとハウジング間の隙間
β、β’ 上バックアップロールチョックとハウジング間の隙間
δ 設定オフセット量
98 圧延機を入側と出側に区分する、圧延方向に対して直角な境界
99、100 圧延機中心を通る垂線
L ワークロールのロール胴長
P ロール胴中央
R(ξ) ロール胴中央からのロール軸芯方向距離ξにおけるロール半径
101U、101L ワークロール
102U、102L バックアップロール
103 シフト方向

Claims (5)

  1. ロール胴中央に対して非対称なロールプロフィルを有するロールが被圧延材を挟んで上下に、ロールプロフィルが圧延機中心に対して点対称となるように配置され、該ロールと接触するように、ロール胴中央に対して対称なロールプロフィルを有する接触ロールがそれぞれ配置され、さらに少なくともワークロールベンダーを備えた圧延機であって、
    前記接触ロールに対して前記非対称なロールプロフィルを有するロールがオフセットされて配置され、かつ各ロールがオフセット分力により加勢される方向に各ロールの操作側と駆動側のロールチョックを押し付けて、ロールチョックとハウジング間に存在する圧延方向ガタをなくすガタ吸収装置が操作側と駆動側に設置され、さらに前記ガタ吸収装置の操作側と駆動側のロールチョックに対する押付力が油圧制御装置により可変とされているとともに、操作側と駆動側で別々に設定可能とされることを特徴とする圧延機。
  2. 前記接触ロールをバックアップロールとすることを特徴とする請求項1に記載の圧延機。
  3. 操作側のワークロールチョック用ガタ吸収装置、及び駆動側のワークロールチョック用ガタ吸収装置は、入側ハウジングポストと各ワークロールチョック間設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の圧延機。
  4. ロール胴中央に対して非対称なロールプロフィルを有するロールが被圧延材を挟んで上下に、ロールプロフィルが圧延機中心に対して点対称となるように配置され、該ロールと接触するように、ロール胴中央に対して対称なロールプロフィルを有する接触ロールがそれぞれ配置され、さらに少なくともワークロールベンダーを備えた圧延機を用い、前記被圧延材を圧延するに際し、前記接触ロールに対して前記非対称なロールプロフィルを有するロールをオフセットして配置し、かつ各ロールがオフセット分力により加勢される方向に各ロールの操作側と駆動側のロールチョックを押し付けて、ロールチョックとハウジング間に存在する圧延方向ガタをなくすガタ吸収装置を操作側と駆動側に設置した後、前記ガタ吸収装置の操作側と駆動側のロールチョックに対する押付力を油圧制御装置により変更するとともに、操作側と駆動側で別々に設定してから該ガタ吸収装置を使用して、各ロールを回転自在に支承する操作側と駆動側のロールチョックを、各ロールがオフセット分力により加勢される方向に押し付けて、前記ワークロールベンダーのベンダー力を調整しつつ圧延することを特徴とする圧延方法。
  5. 前記接触ロールをバックアップロールとすることを特徴とする請求項4に記載の圧延方法。
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