JP4333078B2 - 投影光学系、該投影光学系を備えた露光装置および該投影光学系を用いた露光方法並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、投影光学系および該投影光学系を備えた露光装置に関し、特に半導体素子などのマイクロデバイスをフォトリソグラフィ工程で製造する際に使用される露光装置に好適な投影光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体素子の製造や半導体チップ実装基板の製造では、微細化がますます進んでおり、パターンを焼き付ける露光装置ではより解像力の高い投影光学系が要求されてきている。この高解像の要求を満足するには、露光光を短波長化するとともに、NA(投影光学系の開口数)を大きくしなければならない。しかしながら、露光光の波長が短くなると、光の吸収のため実用に耐える光学ガラスの種類が限られてくる。
【0003】
たとえば波長が200nm以下の真空紫外域の光、特にF2 レーザ光(波長157nm)を露光光として用いる場合、投影光学系を構成する光透過性光学材料としては、フッ化カルシウム(蛍石:CaF2 )やフッ化バリウム(BaF2 )等のフッ化物結晶を多用せざるを得ない。実際には、露光光としてF2 レーザ光を用いる露光装置では、基本的に蛍石だけで投影光学系を形成する設計が想定されている。蛍石は、立方晶系に属する結晶であり、光学的には等方的で、複屈折が実質的にないと思われていた。また、従来の可視光域の実験では、蛍石について小さい複屈折(内部応力起因のランダムなもの)しか観測されていなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、2001年5月15日に開かれたリソグラフィに関するシンポジュウム(2nd International Symposium on 157nm Lithography)において、米国NISTのJohn H. Burnettらにより、蛍石には固有複屈折(intrinsic birefringence)が存在することを実験および理論の両面から確認したことが発表された。
【0005】
この発表によれば、蛍石の複屈折は、結晶軸[111]方向およびこれと等価な結晶軸[−111],[1−11],[11−1]方向、並びに結晶軸[100]方向およびこれと等価な結晶軸[010],[001]方向ではほぼ零であるが、その他の方向では実質的に零でない値を有する。特に、結晶軸[110],[−110],[101],[‐101],[011],[01−1]の6方向では、波長157nmに対して最大で6.5nm/cm、波長193nmに対して最大で3.6nm/cmの複屈折の値を有する。
【0006】
これらの複屈折の値はランダムな複屈折の許容値とされる1nm/cmよりも実質的に大きい値であり、しかもランダムでない分だけ複数のレンズを通して複屈折の影響が蓄積する可能性がある。従来技術では、投影光学系の設計において蛍石の複屈折性を考慮していないので、加工の容易さなどの観点から結晶軸[111]と光軸とを一致させるのが一般的である。この場合、投影光学系では、NA(開口数)が比較的大きいため、結晶軸[111]からある程度傾いた光線もレンズを通過するので、複屈折の影響により結像性能が悪化する可能性がある。
【0007】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、たとえば蛍石のような固有複屈折を持つ光学材料を用いているにもかかわらず、複屈折の影響を実質的に受けることなく良好な光学性能を有する投影光学系を提供することを目的とする。また、本発明では、複屈折の影響を実質的に受けることなく良好な光学性能を有する本発明の投影光学系を用いて、高解像で高精度な投影露光を行うことのできる露光装置および露光方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明の第1発明では、複数の透過部材を含み、第1面の像を第2面に投影する投影光学系であって、
結晶材料からなる結晶透過部材を含み、
該結晶透過部材の有効直径をEDとし、前記結晶透過部材の外径をLDとするとき、前記結晶透過部材のうちの少なくとも1つは、
0.3 < ED/LD < 0.95
を満足することを特徴とする投影光学系を提供する。
【0009】
また、第1発明の好ましい態様においては、前記結晶透過部材は、立方晶系に属する結晶材料から形成され、かつ前記結晶透過部材の光軸と結晶軸[100]または[110]とがほぼ一致するように形成される。
【0010】
また、第1発明の好ましい態様では、前記結晶透過部材は、蛍石から形成され、かつ前記結晶透過部材の光軸と結晶軸[100]とがほぼ一致するように形成される。
【0011】
また、第1発明の好ましい態様では、前記結晶透過部材の前記外径における縁厚は5mm以上である。
また、上述の目的を達成するために、本発明の第2発明では、複数の透過部材を含み、第1面の像を第2面に投影する投影光学系において、
蛍石からなり、その光軸と結晶軸[100]とがほぼ一致するように形成された蛍石部材を含み、
前記投影光学系中に含まれる全ての透過部材のうち、最大の外径を有する透過部材の外径をXDとし、前記蛍石部材のうち、最大の外径を有する蛍石部材の外径をD1とするとき、
0.1 < D1/XD < 0.8
を満足することを特徴とする投影光学系を提供する。
【0012】
また、上述の目的を達成するために、本発明の第3発明では、複数の透過部材を含み、第1面の像を第2面に投影する投影光学系において、
蛍石からなり、その光軸と結晶軸[110]とがほぼ一致するように形成された蛍石部材を含み、
前記投影光学系中に含まれる全ての透過部材のうち、最大の外径を有する透過部材の外径をXDとし、前記蛍石部材のうち、最大の外径を有する蛍石部材の外径をD2とするとき、
0.1 < D2/XD < 0.8
を満足することを特徴とする投影光学系を提供する。
【0013】
また、上述の目的を達成するために、本発明の第4発明では、複数の透過部材を含み、第1面の像を第2面に投影する投影光学系において、
蛍石からなり、その光軸と結晶軸[100]とがほぼ一致するように形成された蛍石部材を含み、
該蛍石部材のうち、前記蛍石部材の総数の70%以上の蛍石部材は前記投影光学系の瞳位置近傍に配置されることを特徴とする投影光学系を提供する。
【0014】
第4発明の好ましい態様においては、前記蛍石部材は、その光軸と結晶軸[100]とがほぼ一致するように形成された第1の蛍石部材と、その光軸と結晶軸[100]とがほぼ一致するように形成された第2の蛍石部材とを含み、
前記第1の蛍石部材と前記第2の蛍石部材とは結晶軸[100]とは異なる結晶軸が前記光軸を中心として相対的に45度だけ回転するように位置決めされる。
【0015】
また、上述の目的を達成するために、本発明の第5発明では、複数の透過部材を含み、第1面の像を第2面に投影する投影光学系において、
蛍石からなり、その光軸と結晶軸[110]とがほぼ一致するように形成された蛍石部材を含み、
該蛍石部材のうち、前記蛍石部材の総数の70%以上の蛍石部材は前記投影光学系の瞳位置近傍に配置されることを特徴とする投影光学系を提供する。
【0016】
第5発明の好ましい態様においては、前記蛍石部材は、その光軸と結晶軸[110]とがほぼ一致するように形成された第1の蛍石部材と、その光軸と結晶軸[110]とがほぼ一致するように形成された第2の蛍石部材とを含み、
前記第1の蛍石部材と前記第2の蛍石部材とは結晶軸[110]とは異なる結晶軸が前記光軸を中心として相対的に90度だけ回転するように位置決めされる。
【0017】
また、本発明の第6発明では、前記第1面に設定されたマスクを照明するための照明系と、
前記マスクに形成されたパターンの像を前記第2面に設定された感光性基板上に形成するための本発明の第1発明〜第5発明の投影光学系とを備えていることを特徴とする露光装置を提供する。
【0018】
また、本発明の第7発明では、前記第1面に設定されたマスクを照明し、本発明の第1発明〜第5発明の投影光学系を介して前記マスクに形成されたパターンの像を前記第2面に設定された感光性基板上に投影露光することを特徴とする露光方法を提供する。
【0019】
なお、本発明において、結晶透過部材または透過部材の外径とは、これらの結晶透過部材または透過部材を保持する際に設けられる部分も含めた外径を指す。例えばこれらの結晶透過部材または透過部材の周辺に、これらの結晶透過部材または透過部材を保持するためのつば部が設けられるような場合には、当該つば部を含めて外径を考える。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、蛍石の結晶軸方位について説明する図である。図1を参照すると、蛍石の結晶軸は、立方晶系のXYZ座標系に基づいて規定される。すなわち、+X軸に沿って結晶軸[100]が、+Y軸に沿って結晶軸[010]が、+Z軸に沿って結晶軸[001]がそれぞれ規定される。
【0021】
また、XZ平面において結晶軸[100]および結晶軸[001]と45度をなす方向に結晶軸[101]が、XY平面において結晶軸[100]および結晶軸[010]と45度をなす方向に結晶軸[110]が、YZ平面において結晶軸[010]および結晶軸[001]と45度をなす方向に結晶軸[011]がそれぞれ規定される。さらに、+X軸、+Y軸および+Z軸に対して等しい鋭角をなす方向に結晶軸[111]が規定される。
【0022】
なお、図1では、+X軸、+Y軸および+Z軸で規定される空間における結晶軸のみを図示しているが、他の空間においても同様に結晶軸が規定される。前述したように、蛍石では、図1中実線で示す結晶軸[111]方向、およびこれと等価な不図示の結晶軸[−111],[1−11],[11−1]方向では、複屈折がほぼ零(最小)である。
【0023】
同様に、図1中実線で示す結晶軸[100],[010],[001]方向においても、複屈折がほぼ零(最小)である。一方、図1中破線で示す結晶軸[110],[101],[011],およびこれと等価な不図示の結晶軸[−110],[‐101],[01−1]方向では、複屈折が最大である。
【0024】
ところで、Burnettらは前述の発表において、複屈折の影響を低減する手法を開示している。図2は、Burnettらの手法を説明する図であって、光線の入射角(光線と光軸とのなす角度)に対する複屈折率の分布を示している。図2では、図中破線で示す5つの同心円が1目盛り10度を表している。したがって、最も内側の円が光軸に対して入射角10度の領域を、最も外側の円が光軸に対して入射角50度の領域を表している。
【0025】
また、黒丸は比較的大きな屈折率を有する複屈折のない領域を、白丸は比較的小さな屈折率を有する複屈折のない領域を表している。一方、太い円および長い両矢印は複屈折のある領域における比較的大きな屈折率の方向を、細い円および短い両矢印は複屈折のある領域における比較的小さな屈折率の方向を表している。以降の図3においても、上述の表記は同様である。
【0026】
Burnettらの手法では、一対の蛍石レンズ(蛍石で形成されたレンズ)の光軸と結晶軸[111]とを一致させ、且つ光軸を中心として一対の蛍石レンズを約60度だけ相対的に回転させる。したがって、一方の蛍石レンズにおける複屈折率の分布は図2(a)に示すようになり、他方の蛍石レンズにおける複屈折率の分布は図2(b)に示すようになる。その結果、一対の蛍石レンズ全体における複屈折率の分布は、図2(c)に示すようになる。
【0027】
この場合、図2(a)および(b)を参照すると、光軸と一致している結晶軸[111]に対応する領域は、比較的小さな屈折率を有する複屈折のない領域となる。また、結晶軸[100],[010],[001]に対応する領域は、比較的大きな屈折率を有する複屈折のない領域となる。さらに、結晶軸[110],[101],[011]に対応する領域は、周方向の偏光に対する屈折率が比較的小さく径方向の偏光に対する屈折率が比較的大きい複屈折領域となる。このように、個々の蛍石レンズでは、光軸から35.26度(結晶軸[111]と結晶軸[110]とのなす角度)の領域において、複屈折の影響を最大に受けることがわかる。
【0028】
一方、図2(c)を参照すると、一対の蛍石レンズを60度だけ相対的に回転させることにより、一対の蛍石レンズ全体では、複屈折が最大である結晶軸[110],[101],[011]の影響が薄められることがわかる。そして、光軸から35.26度の領域において、径方向の偏光に対する屈折率よりも周方向の偏光に対する屈折率が小さい複屈折領域が残ることになる。換言すれば、Burnettらの手法を用いることにより、光軸に関して回転対称な分布が残るが、複屈折の影響をかなり低減することができる。
【0029】
さて、本願出願人は、一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材(例えば蛍石レンズ)の光軸と結晶軸[100](または該結晶軸[100]と光学的に等価な結晶軸)とを一致させ、且つ光軸を中心として一対の結晶透過部材を約45度だけ相対的に回転させて、複屈折の影響を低減する第1の手法を提案した。ここで、結晶軸[100]と光学的に等価な結晶軸とは、結晶軸[010],[001]である。
【0030】
図3は、上記第1の手法を説明する図であって、光線の入射角(光線と光軸とのなす角度)に対する複屈折率の分布を示している。本発明の手法では、一方の蛍石レンズにおける複屈折率の分布は図3(a)に示すようになり、他方の蛍石レンズにおける複屈折率の分布は図3(b)に示すようになる。その結果、一対の蛍石レンズ全体における複屈折率の分布は、図3(c)に示すようになる。
【0031】
図3(a)および(b)を参照すると、第1の手法では、光軸と一致している結晶軸[100]に対応する領域は、比較的大きな屈折率を有する複屈折のない領域となる。また、結晶軸[111],[1−11],[−11−1],[11−1]に対応する領域は、比較的小さな屈折率を有する複屈折のない領域となる。さらに、結晶軸[101],[10−1],[110],[1−10]に対応する領域は、周方向の偏光に対する屈折率が比較的大きく径方向の偏光に対する屈折率が比較的小さい複屈折領域となる。このように、個々の蛍石レンズでは、光軸から45度(結晶軸[100]と結晶軸[101]とのなす角度)の領域において、複屈折率の影響を最大に受けることがわかる。
【0032】
一方、図3(c)を参照すると、一対の蛍石レンズを45度だけ相対的に回転させることにより、一対の蛍石レンズ全体では、複屈折が最大である結晶軸[101],[10−1],[110],[1−10]の影響がかなり薄められ、光軸から45度の領域において径方向の偏光に対する屈折率よりも周方向の偏光に対する屈折率が大きい複屈折領域が残ることになる。換言すれば、本発明の手法を用いることにより、光軸に関して回転対称な分布が残るが、複屈折の影響をかなり低減することができる。
【0033】
なお、第1の手法において、一方の蛍石レンズと他方の蛍石レンズとを光軸を中心として約45度だけ相対的に回転させるとは、一方の蛍石レンズおよび他方の蛍石レンズにおける光軸とは異なる方向に向けられる所定の結晶軸(たとえば結晶軸[010],[001],[011]または[01−1])同士の光軸を中心とした相対的な角度が約45度であることを意味する。具体的には、たとえば一方の蛍石レンズにおける結晶軸[010]と、他方の蛍石レンズにおける結晶軸[010]との光軸を中心とした相対的な角度が約45度であることを意味する。
【0034】
また、図3(a)および図3(b)からも明らかな通り、結晶軸[100]を光軸とする場合には、光軸を中心とした複屈折の影響の回転非対称性が90度の周期で現れる。したがって、本発明の手法において、光軸を中心として約45度だけ相対的に回転させるということは、光軸を中心として約45度+(n×90度)だけ相対的に回転させること、すなわち45度、135度、225度、または315度・・・だけ相対的に回転させることと同じ意味である(ここで、nは整数である)。
【0035】
一方、Burnettらの手法において、一方の蛍石レンズと他方の蛍石レンズとを光軸を中心として約60度だけ相対的に回転させるとは、一方の蛍石レンズおよび他方の蛍石レンズにおける光軸とは異なる方向に向けられる所定の結晶軸(たとえば結晶軸[−111]、[11−1]、または[1−11])同士の光軸を中心とした相対的な角度が約60度であることを意味する。具体的には、たとえば一方の蛍石レンズにおける結晶軸[−111]と、他方の蛍石レンズにおける結晶軸[−111]との光軸を中心とした相対的な角度が約60度であることを意味する。
【0036】
また、図2(a)および図2(b)からも明らかな通り、結晶軸[111]を光軸とする場合には、光軸を中心とした複屈折の影響の回転非対称性が120度の周期で現れる。したがって、Burnettらの手法において、光軸を中心として約60度だけ相対的に回転させるということは、光軸を中心として約60度+(n×120度)だけ相対的に回転させること、すなわち60度、180度、または300度・・・だけ相対的に回転させることと同じ意味である(ここで、nは整数である)。
【0037】
また、本願出願人は、一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材(例えば蛍石レンズ)の光軸と結晶軸[110](または該結晶軸[110]と光学的に等価な結晶軸)とを一致させ、且つ光軸を中心として一対の結晶透過部材を約90度だけ相対的に回転させて、複屈折の影響を低減する第2の手法を提案した。ここで、結晶軸[110]と光学的に等価な結晶軸とは、結晶軸[−110],[101],[‐101],[011],[01−1]である。
【0038】
図4は、上記第2の手法を説明する図であって、光線の入射角に対する複屈折率の分布を示している。第2の手法では、一方の蛍石レンズにおける複屈折率の分布は図4(a)に示すようになり、他方の蛍石レンズにおける複屈折率の分布は図4(b)に示すようになる。その結果、一対の蛍石レンズ全体における複屈折率の分布は、図4(c)に示すようになる。
【0039】
図4(a)および(b)を参照すると、第2の手法では、光軸と一致している結晶軸[110]に対応する領域は、一方の方向の偏光に対する屈折率が比較的大きく他方の方向(一方の方向に直交する方向)の偏光に対する屈折率が比較的小さい複屈折領域となる。結晶軸[100],[010]に対応する領域は、比較的大きな屈折率を有する複屈折のない領域となる。さらに、結晶軸[111],[11−1]に対応する領域は、比較的小さな屈折率を有する複屈折のない領域となる。
【0040】
一方、図4(c)を参照すると、一対の蛍石レンズを90度だけ相対的に回転させることにより、一対の蛍石レンズ全体では、複屈折が最大である結晶軸[110]の影響がほとんどなく、光軸付近は中間的な屈折率を有する複屈折のない領域となる。すなわち、本発明において提案する第2手法を用いることにより、複屈折の影響を実質的に受けることなく、良好な結像性能を確保することができる。
【0041】
なお、第2の手法において、一方の蛍石レンズと他方の蛍石レンズとを光軸を中心として約90度だけ相対的に回転させるとは、一方の蛍石レンズおよび他方の蛍石レンズにおける光軸とは異なる方向に向けられる所定の結晶軸(たとえば結晶軸[001]、[−111]、[−110]、または[1−11])同士の光軸を中心とした相対的な角度が約90度であることを意味する。具体的には、たとえば一方の蛍石レンズにおける結晶軸[001]と、他方の蛍石レンズにおける結晶軸[001]との光軸を中心とした相対的な角度が約90度であることを意味する。
【0042】
また、図4(a)および図4(b)からも明らかな通り、結晶軸[110]を光軸とする場合には、光軸を中心とした複屈折の影響の回転非対称性が180度の周期で現れる。したがって、本発明において提案する第2手法において、光軸を中心として約90度だけ相対的に回転させるということは、光軸を中心としてほぼ90度+(n×180度)だけ相対的に回転させること、すなわち90度、270度・・・だけ相対的に回転させることと同じ意味である(ここで、nは整数である)。
【0043】
上述の説明の通り、一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材の光軸と結晶軸[111]とを一致させ、且つ光軸を中心として一対の蛍石レンズを60度だけ相対的に回転させることにより、あるいは一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材の光軸と結晶軸[100]とを一致させ、且つ光軸を中心として一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材を45度だけ相対的に回転させることにより、あるいは一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材の光軸と結晶軸[110]とを一致させ、且つ光軸を中心として一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材を90度だけ相対的に回転させることにより、複屈折の影響をかなり低減することができる。
【0044】
ここで、一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材の光軸と結晶軸[111]とを一致させて60度相対回転させたときに残存する回転対称な分布と、一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材の光軸と結晶軸[100]とを一致させて45度相対回転させたときに残存する回転対称な分布とは逆向きである。換言すれば、光軸と結晶軸[111]とを一致させて60度相対回転させた一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材(以下、「結晶軸[111]の結晶透過部材ペア」という)における進相軸と、結晶軸[100]とを一致させて45度相対回転させた一対の立方晶系に属する結晶材料で形成された結晶透過部材(以下、「結晶軸[100]の結晶透過部材ペア」という)における進相軸とは直交する。
【0045】
さらに別の表現をすれば、結晶軸[100]の結晶透過部材ペアでは径方向に進相軸がある複屈折分布が残り、結晶軸[111]の結晶透過部材ペアでは周方向に進相軸がある複屈折分布が残る。なお、試料に複屈折が存在する場合、屈折率の差により当該試料を通過する振動面(偏光面)の直交した2つの直線偏光の光の位相が変化する。すなわち一方の偏光に対して他方の偏光の位相が進んだり遅れたりすることになるが、位相が進む方の偏光方向を進相軸と呼び、位相が遅れる方の偏光方向を遅相軸と呼ぶ。
【0046】
こうして、一対の結晶透過部材の光軸と結晶軸[111]とを一致させて60度相対回転させた結晶軸[111]の結晶透過部材ペアと、一対の結晶透過部材の光軸と結晶軸[100]とを一致させて45度相対回転させた結晶軸[100]の結晶透過部材ペアとの組み合わせにより、複屈折の影響をさらに良好に低減することができることがわかる。
【0047】
さて、立方晶系に属する結晶材料を透過部材の光学材料として用いる場合には、その内部応力に起因する歪(複屈折)が、この透過材料で構成された投影光学系の結像性能を悪化させる恐れがある。特に、結晶軸[111]とは異なる結晶軸を光軸と一致させた透過部材を用いる場合には、その内部応力による歪(複屈折)が顕著に表れることが明らかになった。
【0048】
図5は、結晶軸[100]の結晶透過部材の位相マップを示す図であり、図5の紙面内方向が結晶軸[100]の結晶透過部材の光軸直交面内方向と対応している。この図5において、円の大きさが歪(複屈折)の大きさを示し、弦が進相軸の方位を示している。
【0049】
図5の位相マップを参照すると、結晶軸[100]を有する結晶透過部材では、最外周における歪(複屈折)が際立って大きいことがわかる。なお、不図示ではあるが、結晶軸[110]の結晶透過部材においても、最外周における歪(複屈折)が際立って大きい。
【0050】
そこで、本発明では、結晶透過部材の有効直径をEDとし、結晶透過部材の外径をLDとするとき、結晶透過部材のうちの少なくとも1つが、
(1) 0.3 < ED/LD < 0.95
を満足するようにした。
【0051】
なお、結晶透過部材の有効直径EDとは、当該結晶透過部材を通過する光を考えた際に、この光が通過する領域の直径のことを指す。また、結晶透過部材または透過部材の外径とは、これらの結晶透過部材または透過部材を保持する際に設けられる部分も含めた外径を指す。
【0052】
図6および図7を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては、結晶透過部材が所定の屈折力を有するレンズである場合について説明する。
図6(a)は、レンズ10を光軸AX方向から見た上面図であり、図6(b)は、レンズ10のメリジオナル断面(光軸AXを含む断面)図である。図6(a)および(b)に示すレンズ10は、図示無き保持部材によってレンズ面以外の箇所で保持されかつ締結されるために、レンズ10の外周部に設けられた***部11を有する。図6(b)に示す通り、この***部11は互いに平行な面11aおよび11bを有し、これらの面11aおよび11bが保持部材により締結されることによりレンズ10が保持される。
【0053】
図6(a)にはレンズ10における通過光束が占める領域CAをハッチングで示してあり、この領域CAの直径が有効直径EDとなる。なお、領域CAが円形状でない場合には円形状でない領域CAの外接円を考え、この外接円の直径を有効直径EDとみなす。そして、レンズ10の外径LDは、***部11の直径となる。
【0054】
また、レンズ12を光軸AX方向から見た上面図である図7に示すように、レンズ12がレンズ全周にわたる***部ではなく、レンズ外周部にほぼ等角に配置された複数の***部13A〜13Cを有する場合には、複数の***部13A〜13Cの外接円CCを考え、この外接円の直径を外径LDとみなす。
【0055】
このようなレンズ外周部の***部を保持する構造に関しては、たとえば本願出願人による特開2001−74991号公報、特開2001−76992号公報、特開2001−284226号公報、および特開2002−107595号などに開示されている。
【0056】
なお、レンズの周囲を保持環などで保持する手法を採用する場合には、このレンズ自体の直径が外径LDとなる。
また、光軸直交断面におけるレンズ形状が円形でない場合には、レンズ外形の外接円を考え、この外接円の直径を外径LDとする。
【0057】
上記条件式(1)の上限を超える場合には、歪(複屈折)が際立って大きな領域を光が透過することになるため、この歪(複屈折)に起因する投影光学系の結像性能の悪化が著しくなるため好ましくない。なお、投影光学系の結像性能をさらに向上させるためには、上記条件式(1)の上限を0.9に設定することが好ましい。
【0058】
上記条件式(1)の下限を下回る場合には、投影光学系の結像性能は向上するが、必要とされる有効径を確保するための結晶透過部材の外径が大きくなりすぎ、結晶透過部材を形成する際のコスト上昇を招くか、或いは結晶透過部材の入手が不可能となるため好ましくない。なお、結晶透過部材のコストをさらに下げるためには、上記条件式(1)の下限を0.4に設定することが好ましい。
【0059】
また、立方晶系に属する結晶材料で形成される結晶透過部材では、この結晶透過部材を保持する際に、保持部において割れ等の欠陥が生じやすいため、上記条件式(1)で規定するように有効直径に対して外径を大きく確保した場合においては、結晶透過部材の最外周における縁厚(最外周における結晶透過部材の光軸方向の厚み)を5mm以上となるように確保することが好ましい。
【0060】
たとえば図8に示すように、レンズ14の外周部に***部15(全周にわたる1つの***部または複数の***部)が設けられている場合には、レンズ14の2つのレンズ面14aおよび14bの仮想的な延長面16aおよび16bを考え、外径LDの位置における延長面16aおよび16b同士の光軸AX方向の距離を縁厚ETとする。
【0061】
特に図8に示したようにレンズ外周部に***部15を設けるような場合では、レンズ外周部を研削することにより、***部15とレンズ14とを一体的に形成することが多い。このとき、***部15での割れを防止するために、***部15とレンズ14との間の角を丸めるR加工を施すことが好ましいが、縁厚ETが5mmを下回って小さすぎる場合には、このようなR加工を施すことができないか、***部15自体の光軸AX方向の厚み(互いに平行な面15aおよび15b間の距離)を十分に確保できなくなるため、保持する際に***部15での割れが生じやすい。
【0062】
なお、レンズの外周部を保持環などで保持する手法を採用する場合においても、保持環で保持される箇所(レンズ外周部)の光軸AX方向の厚みが薄くなりすぎるため、保持環による保持によってレンズに割れが生じやすくなる。
【0063】
さて、上述の第1の手法や第2の手法のように、結晶軸[111]以外の結晶軸と光軸とを一致させて複屈折の影響を低減させようとする場合、たとえば結晶軸[100]や結晶軸[110]と光軸とが一致した結晶透過部材を用いる場合では、結晶透過材料の口径に比例して複屈折量が大きくなるため、投影光学系の中で比較的小さな口径を有する透過部材に適用することが好ましい。
【0064】
すなわち、その光軸と結晶軸[100]とがほぼ一致するように形成された蛍石部材を含む投影光学系を考える場合、投影光学系中に含まれる全ての透過部材のうち、最大の外径を有する透過部材の外径をXDとし、蛍石部材のうち、最大の外径を有する蛍石部材の外径をD1とするとき、
(2) 0.1 < D1/XD < 0.8
を満足することが好ましい。
【0065】
上記条件式(2)の上限を超える場合、結晶軸[100]を光軸とした蛍石部材に起因する複屈折が投影光学系の結像性能へ与える悪影響が大きくなりすぎるため、好ましくない。また、条件式(2)の下限を下回る場合には、結晶軸[100]を光軸とした蛍石部材による複屈折の影響の低減効果が低くなりすぎるため好ましくない。そして、条件式(2)の下限を下回る場合には、結晶軸[100]を光軸とした蛍石部材を通過する光のエネルギーが集中し過ぎて、照射変動(光照射による結像性能の変動)が生ずるため好ましくない。
【0066】
また、その光軸と結晶軸[110]とがほぼ一致するように形成された蛍石部材を含む投影光学系を考える場合、前記投影光学系中に含まれる全ての透過部材のうち、最大の外径を有する透過部材の外径をXDとし、蛍石部材のうち、最大の外径を有する蛍石部材の外径をD2とするとき、
(3) 0.1 < D2/XD < 0.8
を満足することが好ましい。
【0067】
上記条件式(3)の上限を超える場合、結晶軸[110]を光軸とした蛍石部材に起因する複屈折が投影光学系の結像性能へ与える悪影響が大きくなりすぎるため、好ましくない。また、条件式(3)の下限を下回る場合には、結晶軸[110]を光軸とした蛍石部材による複屈折の影響の低減効果が低くなりすぎるため好ましくない。そして、条件式(3)の下限を下回る場合には、結晶軸[110]を光軸とした蛍石部材を通過する光のエネルギーが集中し過ぎて、照射変動(光照射による結像性能の変動)が生ずるため好ましくない。
【0068】
さて、前述したように、立方晶系に属する結晶材料からなり結晶軸[111]以外の結晶軸と光軸とを一致させた結晶透過部材(たとえばレンズ、平行平面板など)における固有複屈折は、この結晶透過部材への入射角依存性(入射角に応じて固有複屈折が異なる)があり、上記結晶透過部材における内部応力に起因する歪(複屈折)は、この透過部材での位置依存性(透過部材を通過する光軸直交面内の位置に応じて歪(複屈折)が異なる)がある。従って、第1面および当該第1面と光学的に共役な面(第2面も含む)の近傍に位置する結晶軸[111]以外の結晶軸と光軸とを一致させた結晶透過部材では、固有複屈折による歪(複屈折)と内部応力による歪(複屈折)との双方を同時に補正することが困難であり、投影光学系のイメージフィールド(像野)内における結像性能のばらつきを招きやすい。
【0069】
このため、結晶軸[111]以外の結晶軸を光軸に持つ結晶透過部材は瞳近傍に配置されることが望ましい。なお、瞳近傍において複屈折量の位置依存性があったとしても、投影光学系の全イメージフィールドのどの位置においてもほぼ一様に結像性能に影響することになるため、他の補正手段によってこの結像性能への全体的な影響を容易に補正することが可能となる。
【0070】
ここで、結晶軸[100]とその光軸とがほぼ一致するように形成された蛍石部材を含む投影光学系を考える場合、蛍石部材の総数の70%以上の数の蛍石部材は前記投影光学系の瞳位置近傍に配置されることが好ましい。
【0071】
また、結晶軸[110]とその光軸とがほぼ一致するように形成された蛍石部材を含む投影光学系を考える場合、蛍石部材の総数の70%以上の数の蛍石部材は前記投影光学系の瞳位置近傍に配置されることが好ましい。
【0072】
なお、本発明でいう瞳近傍とは、図9に示すように、投影光学系の第1面から第2面までの距離をLとし、露光領域最外部の主光線が光軸と交わる位置を瞳位置(図9において×で表示)とするとき、瞳位置から±0.12Lの距離までの範囲を指すものとする。
【0073】
ここで、上記瞳位置近傍に配置される結晶軸[100]または結晶軸[110]とその光軸とがほぼ一致するように形成された蛍石部材の数が蛍石部材の総数の70%未満である場合には、第1面近傍や第1面と光学的に共役な面の近傍に配置される結晶軸[111]以外の蛍石部材の数が多くなりすぎるため、固有複屈折と内部応力による歪(複屈折)とを同時に補正することが困難となり、投影光学系のイメージフィールド(像野)内における結像性能のばらつきを補正することが困難となる。
【0074】
ここで、蛍石部材が結晶軸[100]とその光軸とがほぼ一致するように形成された第1の蛍石部材と、その光軸と結晶軸[100]とがほぼ一致するように形成された第2の蛍石部材とを含む場合には、第1の蛍石部材と第2の蛍石部材とは結晶軸[100]とは異なる結晶軸が光軸を中心として相対的に45度だけ回転するように位置決めされることが好ましい。
【0075】
また、蛍石部材が結晶軸[110]とその光軸とがほぼ一致するように形成された第1の蛍石部材と、その光軸と結晶軸[110]とがほぼ一致するように形成された第2の蛍石部材とを含む場合、第1の蛍石部材と第2の蛍石部材とは結晶軸[110]とは異なる結晶軸が光軸を中心として相対的に90度だけ回転するように位置決めされることが好ましい。
【0076】
前述の図5に示した通り、結晶軸[100]や結晶軸[110]を光軸に持つ結晶透過部材における内部応力に起因する歪(複屈折)は、結晶透過部材内で4回対象な分布を示し、その結晶軸方位に依存していることがわかる。したがって、上述において説明した固有複屈折の補正と同様に、結晶軸[100]を光軸に持つ蛍石部材では、一対の蛍石の相対的な回転角を光軸を中心として45度に設定することで、歪(複屈折)の分布を回転対称な分布とすることができ、結晶軸[110]を光軸に持つ蛍石部材では、一対の蛍石の相対的な回転角を光軸を中心として90度に設定することで、歪(複屈折)の分布を回転対称な分布とすることができ、これにより、投影光学系の結像性能の悪化を軽減できる。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
【0077】
図10は、本発明の実施形態にかかる投影光学系を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。なお、図10において、投影光学系PLの基準光軸AXに平行にZ軸を、基準光軸AXに垂直な面内において図10の紙面に平行にY軸を、図10の紙面に垂直にX軸をそれぞれ設定している。
【0078】
図示の露光装置は、紫外領域の照明光を供給するための光源100として、たとえばF2 レーザー光源(発振中心波長157.6244nm)を備えている。光源100から射出された光は、照明光学系ILを介して、所定のパターンが形成されたレチクルRを均一に照明する。なお、光源100と照明光学系ILとの間の光路はケーシング(不図示)で密封されており、光源100から照明光学系IL中の最もレチクル側の光学部材までの空間は、露光光の吸収率が低い気体であるヘリウムガスや窒素などの不活性ガスで置換されているか、あるいはほぼ真空状態に保持されている。
【0079】
レチクルRは、レチクルホルダRHを介して、レチクルステージRS上においてXY平面に平行に保持されている。レチクルRには転写すべきパターンが形成されており、パターン領域全体のうちX方向に沿って長辺を有し且つY方向に沿って短辺を有する矩形状(スリット状)のパターン領域が照明される。レチクルステージRSは、図示を省略した駆動系の作用により、レチクル面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はレチクル移動鏡RMを用いた干渉計RIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
【0080】
レチクルRに形成されたパターンからの光は、投影光学系PLを介して、感光性基板であるウェハW上にレチクルパターン像を形成する。ウェハWは、ウェハテーブル(ウェハホルダ)WTを介して、ウェハステージWS上においてXY平面に平行に保持されている。そして、レチクルR上での矩形状の照明領域に光学的に対応するように、ウェハW上ではX方向に沿って長辺を有し且つY方向に沿って短辺を有する矩形状の露光領域にパターン像が形成される。ウェハステージWSは、図示を省略した駆動系の作用によりウェハ面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はウェハ移動鏡WMを用いた干渉計WIFによって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
【0081】
図11は、ウェハ上に形成される矩形状の露光領域(すなわち実効露光領域)と基準光軸との位置関係を示す図である。本実施形態の各実施例では、図11に示すように、基準光軸AXを中心とした半径Bを有する円形状の領域(イメージサークル)IF内において、基準光軸AXから−Y方向に軸外し量Aだけ離れた位置に所望の大きさを有する矩形状の実効露光領域ERが設定されている。ここで、実効露光領域ERのX方向の長さはLXであり、そのY方向の長さはLYである。
【0082】
換言すると、各実施例では、基準光軸AXから−Y方向に軸外し量Aだけ離れた位置に所望の大きさを有する矩形状の実効露光領域ERが設定され、基準光軸AXを中心として実効露光領域ERを包括するように円形状のイメージサークルIFの半径Bが規定されている。したがって、図示を省略したが、これに対応して、レチクルR上では、基準光軸AXから−Y方向に軸外し量Aに対応する距離だけ離れた位置に実効露光領域ERに対応した大きさおよび形状を有する矩形状の照明領域(すなわち実効照明領域)が形成されていることになる。
【0083】
また、図示の露光装置では、投影光学系PLを構成する光学部材のうち最もレチクル側に配置された光学部材(各実施例ではレンズL11)と最もウェハ側に配置された光学部材(各実施例ではレンズL313)との間で投影光学系PLの内部が気密状態を保つように構成され、投影光学系PLの内部の気体はヘリウムガスや窒素などの不活性ガスで置換されているか、あるいはほぼ真空状態に保持されている。
【0084】
さらに、照明光学系ILと投影光学系PLとの間の狭い光路には、レチクルRおよびレチクルステージRSなどが配置されているが、レチクルRおよびレチクルステージRSなどを密封包囲するケーシング(不図示)の内部に窒素やヘリウムガスなどの不活性ガスが充填されているか、あるいはほぼ真空状態に保持されている。
【0085】
また、投影光学系PLとウェハWとの間の狭い光路には、ウェハWおよびウェハステージWSなどが配置されているが、ウェハWおよびウェハステージWSなどを密封包囲するケーシング(不図示)の内部に窒素やヘリウムガスなどの不活性ガスが充填されているか、あるいはほぼ真空状態に保持されている。このように、光源100からウェハWまでの光路の全体に亘って、露光光がほとんど吸収されることのない雰囲気が形成されている。
【0086】
上述したように、投影光学系PLによって規定されるレチクルR上の照明領域およびウェハW上の露光領域(すなわち実効露光領域ER)は、Y方向に沿って短辺を有する矩形状である。したがって、駆動系および干渉計(RIF、WIF)などを用いてレチクルRおよびウェハWの位置制御を行いながら、矩形状の露光領域および照明領域の短辺方向すなわちY方向に沿ってレチクルステージRSとウェハステージWSとを、ひいてはレチクルRとウェハWとを同じ方向へ(すなわち同じ向きへ)同期的に移動(走査)させることにより、ウェハW上には露光領域の長辺に等しい幅を有し且つウェハWの走査量(移動量)に応じた長さを有する領域に対してレチクルパターンが走査露光される。
【0087】
本実施形態の実施例において、投影光学系PLは、第1面に配置されたレチクルRのパターンの第1中間像を形成するための屈折型の第1結像光学系G1と、凹面反射鏡CMと2つの負レンズとから構成されて第1中間像とほぼ等倍の第2中間像(第1中間像のほぼ等倍像であってレチクルパターンの2次像)を形成するための第2結像光学系G2と、第2中間像からの光に基づいて第2面に配置されたウェハW上にレチクルパターンの最終像(レチクルパターンの縮小像)を形成するための屈折型の第3結像光学系G3とを備えている。
【0088】
なお、実施例において、第1結像光学系G1と第2結像光学系G2との間の光路中において第1中間像の形成位置の近傍には、第1結像光学系G1からの光を第2結像光学系G2に向かって偏向するための第1光路折り曲げ鏡M1が配置されている。また、第2結像光学系G2と第3結像光学系G3との間の光路中において第2中間像の形成位置の近傍には、第2結像光学系G2からの光を第3結像光学系G3に向かって偏向するための第2光路折り曲げ鏡M2が配置されている。
【0089】
また、実施例において、第1結像光学系G1は直線状に延びた光軸AX1を有し、第3結像光学系G3は直線状に延びた光軸AX3を有し、光軸AX1と光軸AX3とは共通の単一光軸である基準光軸AXと一致するように設定されている。なお、基準光軸AXは、重力方向(すなわち鉛直方向)に沿って位置決めされている。その結果、レチクルRおよびウェハWは、重力方向と直交する面すなわち水平面に沿って互いに平行に配置されている。加えて、第1結像光学系G1を構成するすべてのレンズおよび第3結像光学系G3を構成するすべてのレンズも、基準光軸AX上において水平面に沿って配置されている。
【0090】
一方、第2結像光学系G2も直線状に延びた光軸AX2を有し、この光軸AX2は基準光軸AXと直交するように設定されている。さらに、第1光路折り曲げ鏡M1および第2光路折り曲げ鏡M2はともに平面状の反射面を有し、2つの反射面を有する1つの光学部材(1つの光路折り曲げ鏡)として一体的に構成されている。この2つの反射面の交線(厳密にはその仮想延長面の交線)が第1結像光学系G1のAX1、第2結像光学系G2のAX2、および第3結像光学系G3のAX3と一点で交わるように設定されている。実施例では第1光路折り曲げ鏡M1および第2光路折り曲げ鏡M2がともに表面反射鏡として構成されている。
【0091】
実施例において、投影光学系PLを構成するすべての屈折光学部材(レンズ成分)には蛍石(CaF2 結晶)を使用している。また、露光光であるF2 レーザー光の発振中心波長は157.6244nmであり、157.6244nm付近においてCaF2 の屈折率は、+1pmの波長変化あたり−2.6×10-6の割合で変化し、−1pmの波長変化あたり+2.6×10-6の割合で変化する。
【0092】
換言すると、157.6244nm付近において、CaF2 の屈折率の分散(dn/dλ)は、2.6×10-6/pmである。
したがって、実施例において、中心波長157.6244nmに対するCaF2 の屈折率は1.55930666であり、157.6244nm+1pm=157.6254nmに対するCaF2 の屈折率は1.55930406であり、157.6244nm−1pm=157.6234nmに対するCaF2 の屈折率は1.55930926である。
【0093】
また、実施例において、非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をzとし、頂点曲率半径をrとし、円錐係数をκとし、n次の非球面係数をCnとしたとき、以下の数式(a)で表される。実施例において、非球面形状に形成されたレンズ面には面番号の右側に*印を付している。
【0094】
【数1】
z=(y2 /r)/[1+{1−(1+κ)・y2 /r2 }1/2 ]
+C4 ・y4 +C6 ・y6 +C8 ・y8 +C10・y10
+C12・y12+C14・y14 (a)
図12は、本実施形態の実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。図12を参照すると、実施例にかかる投影光学系PLにおいて第1結像光学系G1は、レチクル側から順に、両凸レンズL11と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL12と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL13と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL14と、レチクル側に凹面を向けた負メニスカスレンズL15と、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL16と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL17と、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL18と、両凸レンズL19と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL110とから構成されている。
【0095】
また、第2結像光学系G2は、光の進行往路に沿ってレチクル側(すなわち入射側)から順に、レチクル側に非球面形状の凸面を向けた負メニスカスレンズL21と、レチクル側に凹面を向けた負メニスカスレンズL22と、凹面反射鏡CMとから構成されている。
【0096】
さらに、第3結像光学系G3は、光の進行方向に沿ってレチクル側から順に、レチクル側に凹面を向けた正メニスカスレンズL31と、両凸レンズL32と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL33と、両凹レンズL34と、レチクル側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL35と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL36と、開口絞りASと、両凸レンズL37と、レチクル側に凹面を向けた負メニスカスレンズL38と、両凸レンズL39と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL310と、ウェハ側に非球面形状の凹面を向けた正メニスカスレンズL311と、レチクル側に凸面を向けた正メニスカスレンズL312と、ウェハ側に平面を向けた平凸レンズL313とから構成されている。
【0097】
次の表(1)に、実施例にかかる投影光学系PLの諸元の値を掲げる。表(1)において、λは露光光の中心波長を、βは投影倍率(全系の結像倍率)を、NAは像側(ウェハ側)開口数を、BはウェハW上でのイメージサークルIFの半径を、Aは実効露光領域ERの軸外し量を、LXは実効露光領域ERのX方向に沿った寸法(長辺の寸法)を、LYは実効露光領域ERのY方向に沿った寸法(短辺の寸法)をそれぞれ表している。
【0098】
また、面番号は物体面(第1面)であるレチクル面から像面(第2面)であるウェハ面への光線の進行する方向に沿ったレチクル側からの面の順序を、rは各面の曲率半径(非球面の場合には頂点曲率半径:mm)を、dは各面の軸上間隔すなわち面間隔(mm)を、(C・D)は各蛍石レンズにおいてその光軸と一致する結晶軸Cおよびその他の特定結晶軸の角度位置Dを、EDは各面の有効直径(mm)を、LDは各面の外径(mm)を、ETは各レンズの縁厚を、nは中心波長に対する屈折率をそれぞれ示している。
【0099】
なお、面間隔dは、反射される度にその符号を変えるものとする。したがって、面間隔dの符号は、第1光路折り曲げ鏡M1の反射面から凹面反射鏡CMまでの光路中および第2光路折り曲げ鏡M2の反射面から像面までの光路中では負とし、その他の光路中では正としている。そして、第1結像光学系G1では、レチクル側に向かって凸面の曲率半径を正とし、凹面の曲率半径を負としている。一方、第3結像光学系G3では、レチクル側に向かって凹面の曲率半径を正とし、凸面の曲率半径を負としている。さらに、第2結像光学系G2では、光の進行往路に沿ってレチクル側(すなわち入射側)に向かって凹面の曲率半径を正とし、凸面の曲率半径を負としている。
【0100】
また、角度位置Dは、結晶軸Cが結晶軸[111]であるとき、たとえば結晶軸[−111]の基準方位に対する角度であり、結晶軸Cが結晶軸[100]であるとき、たとえば結晶軸[010]の基準方位に対する角度である。ここで、基準方位とは、たとえばレチクル面において光軸AX1を通るように任意に設定された方位に対して光学的に対応するように定義されるものである。具体的には、レチクル面において+Y方向に基準方位を設定した場合、第1結像光学系G1における基準方位は+Y方向であり、第2結像光学系G2における基準方位は+Z方向(レチクル面における+Y方向に光学的に対応する方向)であり、第3結像光学系G3における基準方位は−Y方向(レチクル面における+Y方向に光学的に対応する方向)である。
【0101】
したがって、たとえば(C・D)=(100・0)は、光軸と結晶軸[100]とが一致する蛍石レンズにおいて、その結晶軸[010]が基準方位に沿って配置されていることを意味する。また、(C・D)=(100・45)は、光軸と結晶軸[100]とが一致する蛍石レンズにおいて、その結晶軸[010]が基準方位に対して45度をなすように配置されていることを意味する。すなわち、(C・D)=(100・0)の蛍石レンズと(C・D)=(100・45)の蛍石レンズとは、結晶軸[100]のレンズペアを構成していることになる。
【0102】
また、たとえば(C・D)=(111・0)は、光軸と結晶軸[111]とが一致する蛍石レンズにおいて、その結晶軸[−111]が基準方位に沿って配置されていることを意味する。また、(C・D)=(111・60)は、光軸と結晶軸[111]とが一致する蛍石レンズにおいて、その結晶軸[−111]が基準方位に対して60度をなすように配置されていることを意味する。すなわち、(C・D)=(111・0)の蛍石レンズと(C・D)=(111・60)の蛍石レンズとは、結晶軸[111]のレンズペアを構成していることになる。
【0103】
なお、上述の角度位置Dの説明において、基準方位の設定はすべてのレンズに対して共通である必要はなく、たとえば各レンズペアの単位で共通であればよい。また、基準方位に対する角度計測の対象となる特定結晶軸は、結晶軸[100]のレンズペアの場合に結晶軸[010]に限定されることなく、結晶軸[111]のレンズペアの場合に結晶軸[−111]に限定されることなく、たとえば各レンズペアの単位で適当に設定可能である。なお、表(1)における表記は、以降の表(2)においても同様である。
【0104】
【表1】
図13は、上記実施例における横収差を示す図である。収差図において、Yは像高を、実線は中心波長157.6244nmを、破線は157.6244nm+1pm=157.6254nmを、一点鎖線は157.6244nm−1pm=157.6234nmをそれぞれ示している。図13の収差図から明らかなように、本実施例では、比較的大きな像側開口数(NA=0.85)および投影視野(有効直径=28.8mm)を確保しているにもかかわらず、波長幅が157.6244nm±1pmの露光光に対して色収差が良好に補正されていることがわかる。
【0105】
以上のように、本実施例では、中心波長が157.6244nmのF2 レーザー光に対して、0.85の像側NAを確保するとともに、ウェハW上において色収差をはじめとする諸収差が十分に補正された有効直径が28.8mmのイメージサークルを確保することができる。したがって、25mm×4mmと十分に大きな矩形状の実効露光領域を確保した上で、0.1μm以下の高解像を達成することができる。
【0106】
また、本実施例では、投影光学系中のレンズ成分の外径に対する有効径を適切な範囲に規定しているため、投影光学系の結像性能を向上させることとコスト低減とを両立することが可能である。
【0107】
上述の実施形態の露光装置では、照明装置によってレチクル(マスク)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、本実施形態の露光装置を用いて感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図14のフローチャートを参照して説明する。
【0108】
先ず、図14のステップ301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、そのlロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、本実施形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。
【0109】
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。なお、ステップ301〜ステップ305では、ウェハ上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、ウェハ上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
【0110】
また、本実施形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図15のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図15において、パターン形成工程401では、本実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
【0111】
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0112】
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0113】
なお、上述の実施形態では、露光装置に搭載される投影光学系に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、他の一般的な投影光学系(結像光学系)に対して本発明を適用することもできる。また、この投影(結像)光学系の倍率は、縮小倍率には限定されず、等倍や拡大倍率であっても良い。
【0114】
また、上述の実施形態では、反射屈折型投影光学系に本発明を適用しているが、本発明を屈折型投影光学系に適用しても良い。
また、上述の実施形態では、F2 レーザー光源を用いているが、これに限定されることなく、たとえば200nm以下の波長光を供給する他の適当な光源を用いることもできる。
【0115】
また、上述の実施形態では、マスクおよび基板を投影光学系に対して相対移動させながら基板の各露光領域に対してマスクパターンをスキャン露光するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に対して本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、マスクと基板とを静止させた状態でマスクのパターンを基板へ一括的に転写し、基板を順次ステップ移動させて各露光領域にマスクパターンを逐次露光するステップ・アンド・リピート方式の露光装置に対して本発明を適用することもできる。
【0116】
さらに、上述の実施形態では、第3結像光学系中に開口絞りを配置しているが、開口絞りを第1結像光学系中に配置してもよい。また、第1結像光学系と第2結像光学系との間の中間像位置および第2結像光学系と第3結像光学系との間の中間像位置の少なくとも一方に視野絞りを配置してもよい。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の投影光学系ではたとえば蛍石のような固有複屈折を持つ光学材料を用いているにもかかわらず、複屈折の影響を実質的に受けることなく良好な光学性能を達成することができる。そして、本発明の露光装置および方法では、複屈折の影響を実質的に受けることなく良好な光学性能を有する本発明の投影光学系を用いて、高解像で高精度な投影露光を行うことができる。また、本発明の投影光学系を搭載した露光装置を用いて、高解像な投影光学系を介した高精度な投影露光により、良好なマイクロデバイスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】蛍石の結晶軸方位について説明する図である。
【図2】 Burnettらの手法を説明する図であって、光線の入射角に対する複屈折率の分布を示している。
【図3】本願出願人が提案した第1手法を説明する図であって、光線の入射角に対する複屈折率の分布を示している。
【図4】本願出願人が提案した第2手法を説明する図であって、光線の入射角に対する複屈折率の分布を示している。
【図5】結晶軸[111]以外の結晶軸を光軸と一致させた結晶透過部材の位相マップを示す図である。
【図6】本発明における外径を説明するための図である。
【図7】本発明における外径を説明するための図である。
【図8】本発明における縁厚を説明するための図である。
【図9】本発明における瞳近傍を説明するための図である。
【図10】本発明の実施形態にかかる投影光学系を備えた露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図11】ウェハ上に形成される矩形状の露光領域(すなわち実効露光領域)と基準光軸との位置関係を示す図である。
【図12】本実施形態の第1実施例にかかる投影光学系のレンズ構成を示す図である。
【図13】第1実施例における横収差を示す図である。
【図14】マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法のフローチャートである。
【図15】マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得る際の手法のフローチャートである。
【符号の説明】
G1 第1結像光学系
G2 第2結像光学系
G3 第3結像光学系
CM 凹面反射鏡
M1 第1光路折り曲げ鏡
M2 第2光路折り曲げ鏡
100 レーザー光源
IL 照明光学系
R レチクル
RS レチクルステージ
PL 投影光学系
W ウェハ
WS ウェハステージ
Claims (12)
- 複数の透過部材を含み、第1面の像を第2面に投影する投影光学系において、
結晶材料からなる結晶透過部材を含み、
該結晶透過部材の有効直径をEDとし、前記結晶透過部材の外径をLDとするとき、前記結晶透過部材のうちの少なくとも1つは、
0.3 < ED/LD < 0.95
を満足し、
前記結晶透過部材は、立方晶系に属する結晶材料から形成され、かつ前記結晶透過部材の光軸と結晶軸[100]または[110]とがほぼ一致するように形成されることを特徴とする投影光学系。 - 前記結晶透過部材は、蛍石から形成され、かつ前記結晶透過部材の光軸と結晶軸[100]とがほぼ一致するように形成されることを特徴とする請求項1に記載の投影光学系。
- 前記結晶透過部材の前記外径における縁厚は5mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の投影光学系。
- 複数の透過部材を含み、第1面の像を第2面に投影する投影光学系において、
蛍石からなり、その光軸と結晶軸[100]とがほぼ一致するように形成された蛍石部材を含み、
前記投影光学系中に含まれる全ての透過部材のうち、最大の外径を有する透過部材の外径をXDとし、前記蛍石部材のうち、最大の外径を有する蛍石部材の外径をD1とするとき、
0.1 < D1/XD < 0.8
を満足することを特徴とする投影光学系。 - 複数の透過部材を含み、第1面の像を第2面に投影する投影光学系において、
蛍石からなり、その光軸と結晶軸[110]とがほぼ一致するように形成された蛍石部材を含み、
前記投影光学系中に含まれる全ての透過部材のうち、最大の外径を有する透過部材の外径をXDとし、前記蛍石部材のうち、最大の外径を有する蛍石部材の外径をD2とするとき、
0.1 < D2/XD < 0.8
を満足することを特徴とする投影光学系。 - 複数の透過部材を含み、第1面の像を第2面に投影する投影光学系において、
蛍石からなり、その光軸と結晶軸[100]とがほぼ一致するように形成された蛍石部材を含み、
該蛍石部材のうち、前記蛍石部材の総数の70%以上の蛍石部材は前記投影光学系の瞳位置近傍に配置されることを特徴とする投影光学系。 - 前記蛍石部材は、その光軸と結晶軸[100]とがほぼ一致するように形成された第1の蛍石部材と、その光軸と結晶軸[100]とがほぼ一致するように形成された第2の蛍石部材とを含み、
前記第1の蛍石部材と前記第2の蛍石部材とは結晶軸[100]とは異なる結晶軸が前記光軸を中心として相対的に45度だけ回転するように位置決めされることを特徴とする請求項6に記載の投影光学系。 - 複数の透過部材を含み、第1面の像を第2面に投影する投影光学系において、
蛍石からなり、その光軸と結晶軸[110]とがほぼ一致するように形成された蛍石部材を含み、
該蛍石部材のうち、前記蛍石部材の総数の70%以上の蛍石部材は前記投影光学系の瞳位置近傍に配置され、
前記蛍石部材は、その光軸と結晶軸[110]とがほぼ一致するように形成された第1の蛍石部材と、その光軸と結晶軸[110]とがほぼ一致するように形成された第2の蛍石部材とを含み、
前記第1の蛍石部材と前記第2の蛍石部材とは結晶軸[110]とは異なる結晶軸が前記光軸を中心として相対的に90度だけ回転するように位置決めされることを特徴とする投影光学系。 - 前記投影光学系は、第1面の第1中間像を形成する第1結像光学系と、第1中間像の像である第2中間像を形成する第2結像光学系と、第2中間像の像を第2面上に形成する第3結像光学系とを備えていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の投影光学系。
- 前記第1面に設定されたパターンを照明するための照明系と、
前記パターンの像を前記第2面に設定された感光性基板上に形成するための請求項1乃至9の何れか一項に記載の投影光学系とを備えていることを特徴とする露光装置。 - 前記第1面に設定されたパターンを照明し、請求項1乃至9の何れか一項に記載の投影光学系を介して前記マスクに形成されたパターンの像を前記第2面に設定された感光性基板上に投影露光することを特徴とする露光方法。
- 前記第1面に設定されたパターンを照明し、請求項1乃至9の何れか一項に記載の投影光学系を介して前記マスクに形成されたパターンの像を前記第2面に設定された感光性基板上に投影露光し、該感光性基板を現像することを特徴とするデバイス製造方法。
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