JP4333074B2 - 塗布装置および塗布方法ならびにプラズマディスプレイ部材の製造装置および製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ペーストを塗布する場所が予め溝などにより規定されたガラスなどの基板に、ペーストを塗布する装置および方法に関し、特にプラズマディスプレイパネル背面板などの大型高精度が要求される塗布装置および塗布方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、基板上に形成された溝にペーストを塗布するためには、溝の中心にノズルの吐出孔を位置合わせした後、リブに平行して相対移動させながらペーストを吐出していた。こうした装置において、複数の吐出孔を有したノズルにより塗布する装置が、特開平10−27543に記載されている。
【0003】
かかる装置では、溝と吐出孔の位置合わせにおいて、溝の位置は基板に設けた位置決めマークまたはリブの先端により判断されるが、吐出孔の位置は直接判断されず、取り付けられたノズルの位置情報に基づき位置合わせされる。従って、多数の吐出孔を有するノズルを使用した場合は、ノズルの加工精度の限界による吐出孔のピッチバラツキや、基板のリブパターンの歪みなどが影響して、ノズルの孔と溝の位置が正確に合わせられないという問題があった。
【0004】
またこの結果、ノズルは大型化できず、1枚の基板を塗布するには複数回の塗布動作が必要となり、時間がかかり量産装置としては不十分であった。
【0005】
また、基板の位置決めは、基板の端面を位置決めピンに押し当てる方法で行われているため、端面と溝の平行精度のバラツキや基板歪みなどが影響して、ノズルと基板を相対移動したときに基板の溝に平行走査できず、溝の頂部や隣接する溝に塗布してしまう問題もあった。
【0006】
さらに、異なるサイズの基板に塗布する場合に、位置決め用のカメラを基板のマークに合わせて移動すると、カメラの移動による位置の精度が影響して、溝とノズルとの位置合わせ精度を低下させる問題があった。
【0007】
ここで、塗布基板の量産化、製造コストの低減を図るにはタクトの短縮が必要である。タクトの短縮には、ノズルを基板幅のマルチ型として、1回の塗布動作で基板の全幅に渡り一括塗布することが望まれる。しかし、基板サイズの大型化や溝の狭幅化に伴って、ノズルの加工精度には限界があり、基板の全幅に渡ってリブの間に正確に蛍光体ペーストを塗布することが困難になっている。また一方では、異なる基板サイズにも容易に対応でき、精度良く塗布できる装置が要求されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術における上記した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、基板の傾き調整と位置決めを精度良く行い、基板幅のノズルに対して少ない動作で位置合わせを行い、全幅一括の塗布を可能としてタクトを短縮するとともに、異なったサイズの基板にも容易に切り替え対応できる装置を提供することにある。さらに、塗布する基板のロット毎の歪みによる誤差を吸収し、塗布不良となる問題を低減する装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため、本発明の塗布装置は、以下の構成を有する。すなわち、ノズル内のペーストを吐出孔から基板上の溝へ吐出させながら、ノズルと基板を相対移動させて、基板上の溝にペーストを塗布する塗布装置において、基板の位置を計測する第1の手段、基板の基準溝の位置を計測する第2の手段、およびノズルの基準孔の位置を計測する第3の手段とを有し、該第1の手段が、基板に設けられた複数カ所の位置決めマークを同時に計測する複数台の位置センサを備え、基板面に対向して塗布動作中の基板の相対移動方向と直交する方向に配置されており、第1、第2の手段が、基板の相対移動方向と直交する方向に各々独立して移動可能であり、第3の手段と位置合わせした基準マーク付き治具に、第1、第2の手段を位置合わせしたときの位置データを記憶する手段を設け、その位置情報を基準として基板またはノズルの位置を計測し、2台の位置センサに生じる相対移動方向のずれ量を計測して記憶する手段を設け、基板の位置を計測したときにそのずれ量に応じて位置情報を補正し、第1の手段で得られた基板の位置情報に基づき基板の角度を調整するとともに基板を所定位置に位置決めし、かつ、第2の手段で得られた基板の基準溝の位置情報と第3の手段で得られたノズルの基準孔の位置情報により基板とノズルの位置を相対的に位置合わせすることを特徴とする塗布装置である。
【0010】
また、ノズル内のペーストを吐出孔から基板上の溝へ吐出させながら、ノズルと基板を相対移動させることによって、基板上の溝にペーストを塗布する塗布方法において、塗布動作中の基板の相対移動方向と直交する方向に配置された基板の位置を計測する複数台の位置センサによって基板に設けられた複数カ所の位置決めマークを同時に計測し、第1、第2の手段が、基板の相対移動方向と直交する方向に各々独立して移動可能であり、第3の手段と位置合わせした基準マーク付き治具に、第1、第2の手段を位置合わせしたときの位置データを記憶する手段を設け、その位置情報を基準として基板またはノズルの位置を計測し、2台の位置センサに生じる相対移動方向のずれ量を計測して記憶する手段を設け、基板の位置を計測したときにそのずれ量に応じて位置情報を補正し、その結果得られた基板の位置情報に基づき、基板の相対移動方向と溝の方向が平行となるよう基板の角度を調整するとともに基板を所定位置に位置決めし、基板の基準溝の位置情報とノズルの基準孔の位置情報により、基板とノズルの位置を相対的に位置合わせして、基板とノズルを相対移動させながら塗布することを特徴とする塗布方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明に係るペースト塗布装置の一例の概略斜視図である。図1において、基板1はテーブル2の上に載置され、テーブル2に設けた吸着装置(図示しない)により吸着して固定される。テーブル2はその中心を軸として、回転を可能とするθ軸3(破線で示す)により支持されている。このθ軸3はY軸搬送部4に搭載され、Y軸搬送部4はX軸搬送部5に設けられたリニアガイド4a,4bに沿って機台6のY軸方向に移動する。X軸搬送部5は、機台6に設けられたリニアガイド5a,5bに沿って機台6のX軸方向に移動する。このX、Y軸搬送部は直交するように調整されている。X軸搬送部5は基板にペーストを塗布するための相対移動手段であって、塗布動作においてテーブル2をX軸移動させる。
【0012】
機台6の中央部上方には、X軸搬送部5によって移動されるテーブル2が通過するように門型の支持台7が、X軸と直交する形で設けられている。支持台7の奥側(以下、下流側と称する)側面の両サイドには、テーブル2の面に対して垂直方向に移動するZ軸搬送部8a,8bが設けられ、Z軸搬送部にはペーストを吐出するノズル9が機台6のY軸方向中央を基準にして取り付けられる。ノズル9は着脱式で、Z軸搬送部に取り付けたときに、テーブル2のX軸移動方向に直交して、Z軸搬送部に設けたチャック(図示しない)により固定される。
【0013】
このノズルは、塗布する基板のサイズに合わせて選択され、その基板に形成された所望の全ての溝に対して1回の塗布動作で塗布を完了するための吐出孔が略一直線状に配列して設けられていることが好ましい。例えば、塗布する基板がプラズマディスプレイの背面板の場合は、R,G,B何れか1色の蛍光体を含んだペーストを塗布する。従って、ノズルにはその塗布する溝に対応したピッチで吐出孔が設けられる。
【0014】
ノズル9は内部にペースト溜まり部を有し、ペーストを供給するための配管が接続され、この配管の反対側先にはペーストの供給をコントロールする開閉バルブ10を介して、ペーストタンク12が接続される。ペーストタンクには所望圧力の気体圧力源13が配管を介して接続されている。また、ノズル9には、吐出孔からペーストを吐出させるための気体圧力を供給する配管が接続され、この配管の反対側先は気体圧力の切換バルブ11を介して、一方は所望圧力の気体圧力源13に接続され、他の一方は大気に開放されている。
【0015】
ノズル9へのペースト供給は、切換バルブ11を大気開放にした状態で開閉バルブ10を開くことにより行われる。このときペーストは、例えば液面高さを検出するセンサを設けておき、ペーストの溜まり部上部に空間を残す形で所定量が蓄えられる。ペーストの吐出は切換バルブを気体圧力源13に切り換えて、この空間に気体圧力を供給することにより行われる。
【0016】
支持台7の手前側(以下、上流側と称する)側面には、基板の位置を計測する第1の手段の位置センサとしてカメラ17,19が取り付けられ、基板の基準溝の位置を計測する第2の手段の位置センサとしてカメラ18が取り付けられている。また、これらの手段は複数のカメラを有していても良い。これらのカメラは、各々XおよびZ軸方向の微調整機構を介して、支持台7のY軸方向に独立して移動可能なY1搬送部14、Y3搬送部16、Y2搬送部15に取り付けられている。このY1〜Y3搬送部はリニアガイド7a,7bによって、Y軸方向に移動した場合においてもテーブル面からの高さが一定になるよう調整されている。なお、これら搬送部のX、Z軸方向の微調整機構は、後で述べるカメラの基準位置合わせにおいて用いる。
【0017】
以上これまでに述べた全ての軸は、図示されないサーボモータにより駆動され、サーボモータは制御部からの制御信号によりコントロールされることが一般的である。また、制御部はマイクロコンピュータやRAM、ハードディスクなどにて構成され、基板やノズルの位置計測、ノズルへのペースト供給および吐出口からの吐出制御を行うとともに、塗布条件を入力表示するタッチパネル部を有している。また、通常、各カメラはモニタテレビに接続され視野の画像を表示できるように構成される。
【0018】
図2は基板1を上から見た一例の図である。パターン領域には基板の長手方向に直交して、図示しない直線状のリブが全面に渡り所定間隔で形成され、リブの間に溝を構成している。さらに、リブ間に溝を分断するための横リブを形成したものもある。基板の四隅付近には、基板面に形成されたリブパターンとの位置関係を示すアライメントマークA1〜A4が設けられている。このアライメントマークはリブパターンを形成するときに一緒に作成される。こうすることによりパターンとの位置関係が精度良く形成される。
【0019】
アライメントマークは、A1とA3を結ぶ直線がリブのパターンと平行になるように、また、A1とA2を結ぶ直線がリブのパターンと直交するように設けられる。アライメントマークの間隔XA,YAおよび基準溝位置Ysは基板情報として制御部に与える。基準溝位置YsはYAのほぼ中央リブ間の溝中心であって、次に述べるノズル基準孔とのY軸方向の位置合わせを行う位置とし、アライメントマークA1からの距離で与える。
【0020】
図3は装置を上および横から見た一部分の図である。X軸搬送部5の上流側端面には、ノズル9の位置を検出する位置センサとしてカメラ20が、機台のY軸方向中央の位置に取り付けられている。また、ノズル9の下面には、略一線状に並べられた吐出孔の中央近傍に、基板の基準溝と位置あわせする基準孔の位置を示すマークMが付されている。従って、X軸を操作することにより、カメラ20によってノズルの基準孔の位置が計測される。
【0021】
一方、基板においては、機台のY軸方向中央を基準にしてあらかじめ基板情報に基づき位置決めしたカメラ17,19の位置に、テーブルのX軸を操作して下流側2個のアライメントマークA1,A2を移動させ、各々の位置を計測して、カメラ17を基準に位置決めする。さらに、カメラ18により基板の基準溝Y軸方向の位置を測定する。こうして求めたノズルと基板の基準位置情報を基に、各々の相対位置合わせを行う。
【0022】
このように、Y軸方向を基板とノズルの中央を基準に位置合わせすることで、基板の歪みやノズルの加工精度による位置ずれ誤差が半減され、基板に形成された塗布する全ての溝中心に対向して、ノズルの吐出孔が位置合わせできることになる。
【0023】
以下、装置の具体的な調整手順および動作について、図5に示すフローチャートに従って説明する。まず、装置の立ち上げ時に初期調整を行うかを判断する(ステップ100)。初期の立ち上げ時は基板の位置を計測するカメラ17〜19と、ノズルの位置を計測するカメラ20との位置関係が定まっていないため、基板とノズルの位置合わせはできない。従って、これらカメラの基準位置調整(ステップ200)を行う。
【0024】
このステップ200の詳細を図6に従って説明する。図3に示したように、基準マーク付き治具(以下、基準マークと称する)21をカメラ20の上にセットする(ステップ201)。基準マーク21は、例えば透明ガラスの表面にクロスヘアーラインを描いたものを用い、高さはテーブル面に基板を搭載したときの基板面の位置に合わせるものとする。本装置では、基準マークは着脱式であってテーブルに取り付けることができる。この基準マークは、カメラまたはテーブルに可動式として取り付け、カメラの上に移動するようにしても良い。基準マーク21またはカメラ20の位置を調整して、カメラ20の視野中心と基準マーク21の中心を位置合わせする(ステップ202)。このとき、テーブル2のY軸とθ軸は中央ゼロの位置にしておく。
【0025】
次に、基準マーク21をテーブル2に固定した状態で、X軸搬送部5を操作してカメラ18の下に移動する。(ステップ203)。カメラ18のY2軸15とテーブル2のX軸を調整して、基準マーク21の位置にカメラ18の視野中心を合わせる。(ステップ204)。このときのY2軸の座標とテーブル2のX軸座標を記憶し保存する。このY2軸座標は同カメラの基準点とする。X軸座標はアライメント検出カメラ位置(Xa)とする(ステップ205)。
【0026】
次は、カメラ18を基準マーク上から退避し、カメラ17を基準マーク21の上に移動する。(以降、この位置調整が終了するまでテーブルは移動しない)(ステップ206)。カメラ17のY1軸14を調整して、基準マーク21にカメラ17のY軸方向視野中心を合わせる。X軸方向については、カメラ17のX軸微調整機構を調整して、基準マーク21がX軸方向の視野中心になるよう位置合わせする(ステップ207)。カメラ17のY1軸の座標を記憶する。この座標は同カメラの基準点とする(ステップ208)。
【0027】
続けて、カメラ17を基準マーク21の上から退避し、カメラ19を基準マーク21の上に移動する(ステップ209)。同様に、カメラ19のY3軸16を調整して、基準マーク21にカメラ19のY軸方向視野中心を合わせる。X軸方向はカメラ19のX軸微調整機構を調整して、マークがX軸方向視野中心になるよう位置合わせする(ステップ210)。カメラ19のY3軸座標を記憶する。この座標は同カメラの基準点とする(ステップ211)。テーブルおよび各カメラを初期位置に戻し基準マークを外す(ステップ212)。
【0028】
以上の調整によってカメラ20の位置、つまりテーブルのX座標とカメラ17〜19の相対位置関係が決定される。なお、この位置調整において、基準マークとカメラ17〜19の焦点合わせを、各々のZ軸微調整機構を調整して行う。このステップ200の基準位置調整で得られたカメラの位置情報は、制御部に記憶保存しておくことで、装置を立ち上げる度にこの調整を行う必要がなくなる。
【0029】
図5に戻り、次は装置の初期設定(ステップ300)を行う。この初期設定では、塗布する基板情報や塗布条件を設定した後、カメラ17〜19を各々の検出位置に移動する。この基板情報や塗布条件は、基板の型式や品種名などに対応して事前に装置に記憶しておき、その型式や品種名を選択することで呼び出すようにすれば、設定の操作を省略することができる。
【0030】
ステップ300の詳細を図7に従って説明する。基板サイズ、アライメントマークの間隔、基準溝位置などの基板情報を制御部に設定する(ステップ301)。これらの情報は、カメラ17および19の位置を決める情報として使用する。塗布開始位置や終了位置、ペースト吐出圧力などの塗布条件を設定する(ステップ302)。塗布開始および終了位置は、アライメントマークからのX軸方向の距離で設定する。基板はアライメントマークをカメラ17の位置を基準にして位置決めするので、この塗布位置はテーブルの位置(X軸座標)に相対設定することになる。さらに、後で説明するステップ800のノズル位置計測で測定記憶した基板位置決めカメラからノズル孔までの距離を加えることで、ノズルの位置に対して塗布位置を相対設定が可能となる。
【0031】
カメラ18をステップ205で記憶した同カメラの基準点に位置決めする(ステップ303)。次に、カメラ17を同カメラの基準点からプラス方向に、基準溝位置Ysの値だけ移動する。なお、カメラのY軸は基準点をゼロとして、ノズルに向かって左方向をプラス、右方向をマイナスとする(ステップ304)。さらに、カメラ19を同カメラの基準点からマイナス方向に、アライメント間隔YAから基準溝位置Ysを減じた値だけ移動する(ステップ305)。以上で機台6のY軸方向中央を基準にして、基板の基準溝とアライメント位置に対応した位置検出カメラの位置が定まる。
【0032】
再び図5に戻って、前記の初期設定で基板サイズを変え、基板の検出位置が変更されたかを判断(ステップ400)し、変更された場合は次の補正量測定(ステップ500)を行う。なお、初めて初期設定を行った場合もこの補正量測定を行う。
【0033】
前記の初期設定にて、基板のアライメント間隔YAが変わると、YAに対応してカメラ17,19の位置がY軸方向に移動される。これらカメラのY軸はX軸と直交するよう構成されているが、機械精度の限界によりY軸の位置によってX軸方向に、例えば20μm程度の僅かなずれが生じる。基板の位置はこのカメラを基準に測定するため、ずれがあると基板の傾きを求めたときに誤差を生じ、その結果により傾きを調整してもテーブルのX軸と基板のリブ方向が平行にならず、リブに沿って塗布できなくなる。リブのピッチが狭くこのずれ量が大きいと隣接する溝に斜め塗布することにもなる。補正量測定ではこうした問題をなくすため、カメラのX軸方向の位置ずれ量を求めておき、位置ずれした位置においても、正確に基板の位置を測定できるようにする。
【0034】
ところで、基板はサイズが大きくなると、パターンのマスク精度や基板の歪みが原因で、リブ方向とアライメントマークのY軸方向の直交精度が無視できなくなる。この問題は、カメラのX軸ずれと同じ問題となって現れる。従って、この補正量測定においては塗布する品種のロットの代表基板を用い、その基板のアライメントマークを利用することでパターンの歪みによる誤差も吸収するように調整する。この代表基板は、例えば品種を切り替えたときや、同じ品種でもパターンのマスクを更新した場合、パターンを焼き付ける温度などの製造条件を変更した場合に、その製造ロットの初期の安定した基板を用いる。
【0035】
次に、この補正量測定のステップ500について、図8を用いて詳細説明する。カメラ17〜19はステップ300の初期設定において、アライメントマークの位置に対応して位置決めされている状態とする。
【0036】
テーブル2を上流側端部に移動し、Y軸およびθ軸は中央ゼロの位置でテーブル面のほぼ中央に塗布する代表基板を搭載し、リブがテーブルのX軸方向とほぼ平行となる状態にして吸着固定する(ステップ501)。基板をテーブルの中央に、かつリブとテーブルのX軸方向をほぼ平行状態にするには、例えばテーブル2の両サイドおよび上流側に、基板の端面をサイズに対応して押し出しする機構(以下、センタリング装置と称する)を設けて位置寄せする方法などにより行う。テーブル2のX,Y軸を操作して、基板のアライメントマークA1をカメラ17の視野中心に位置合わせする。なお、このときのX,Y軸座標をアライメント検出位置X,Yとして記憶しておく(ステップ502)。
【0037】
次に、図4に示すように、テーブル2を下流方向にアライメントマーク間隔XAだけX軸移動して、基板のアライメントマークA3をカメラ17の視野に入れる(ステップ503)。カメラ17の視野中心からA3(図ではA3´)のY軸方向位置を測定する(ステップ504)。この位置がカメラ視野のY軸中心にあれば、テーブル2のX軸走査方向と基板のリブが平行状態にあると判断(ステップ505)されるのでステップ506に移る。
【0038】
Y軸方向位置にずれがあると判断(ステップ505)される場合、例えば5μm以上ある場合は、そのずれ量とテーブルの移動量XAから基板の傾きθ´を計算し、その角度に応じてテーブルのθ軸を回転(ステップ506)した後、再び前項のステップ502の動作に戻りY軸方向のずれが無いと判断されるまで繰り返す。
【0039】
Y軸方向の位置にずれがない場合は、図4に示したようにカメラ19の視野にはアライメントマークA2が確認されるので、視野中心からのX軸方向ずれ量を測定し補正値dXAとして記憶保存する(ステップ507)。このアライメントマークA2の位置は、X軸とリブが平行となる位置なので、基板の位置を測定するときは、この位置を基準にする。つまり、カメラの視野中心からアライメントマークA2の位置を求め、補正値dXAを減算することで、基板の正確な位置が測定できることになる。ところで、このA2の位置がカメラ視野のY軸方向中心からずれることがある。このずれは、カメラの位置決め精度や基板の歪みなどが原因して発生するが、基板の傾きを求める場合において無視できるものである。つまり、基板の位置測定における基板の傾きθは、アライメントマークA1とA2のX軸方向のずれ量(図4においてはdX)と、アライメントマーク間隔YAにより求められ、Y軸方向のずれはYAに比べて十分小さいためである。
【0040】
さらにこの時点で、カメラ18の視野内ほぼ中央に基準溝の画像が確認されるので、溝の中心を基準にして画像登録する(ステップ508)。但し、リブはアライメントマークA1とA2を結ぶ直線の位置まで形成されているものとする。この場合も、カメラの視野中心から少しずれた位置に基準溝がくる場合が多い。原因は前記の基板歪みなどによるものであるが、ずれ量は溝幅より十分小さいため視野の中央に位置する溝を基準溝と判断して差し支えない。ここで画像を登録するのは、基準溝の位置を測定するときに、パターンマッチング法により判断するためであって、画像処理により溝幅を測定しその中心位置を求める方法で行っても良い。
【0041】
この補正量測定が終わると図5に戻って、ノズル交換を行うかの判断(ステップ600)をする。基板サイズを変えた場合やペーストを交換する場合はノズルの交換を行う。ノズルがまだ取り付けられていない場合は取り付ける。ノズルを取り付けたあとはノズル位置計測を行う。一度ノズルを取り付けて位置計測を行えば、次にノズルを交換するまで位置計測の必要はなく、塗布を開始するかの判断(ステップ900)に移る。
【0042】
ノズルの交換作業(ステップ700)は先に述べたようにZ軸搬送部に設けたチャックを開閉することにより行う。ノズルはチャックにより固定すると、中央基準孔のX・Y軸方向の位置が機台6の所定位置に所定範囲内(例えば±0.5mm以内)で取り付けられる。ノズルを取り付けた後は、ノズルの吐出面がテーブル面に対して平行で所望の高さになるようZ軸搬送部により調整する。なお、ノズルの交換は、ペーストを供給する配管部を外してノズルだけ交換する場合や、タンクごと交換を行う場合がある。
【0043】
ノズルを交換した後は、ノズルの位置計測(ステップ800)を行う。ノズルを交換すると基準孔の位置は、前記の所定範囲内でバラツキを生じる。この精度では基板の基準溝と位置合わせができないので、ノズルの基準孔の正確な位置を測定する。
【0044】
このステップ800の詳細を図9に従って説明する。図3の破線で示したように、X軸搬送部5を移動して、カメラ20をノズル検出位置(Xn)に移動する(ステップ801)。Z軸を操作してノズルの基準孔がカメラ焦点に合うようノズル高さを調整する(ステップ802)。カメラで撮影した画像を画像処理することにより、基準孔のマークを判断して基準孔を認識する(ステップ803)。マークの判断は、例えば事前にその画像を登録しておき、パターンマッチング法により判断する。なお、マークは基準孔から所定位置に刻んでおくものとし、マークから所定の位置にある孔を基準孔として判断するものとする。カメラ20の視野中心からの、基準孔の中心位置ΔX、ΔYを測定する(ステップ804)。
【0045】
この結果より、ノズルの位置データは次のように記憶する。ΔYについては、そのままノズルY軸位置ΔYとして記憶し、カメラ18により基板の基準溝Y軸方向を位置合わせするときに用いる。つまり、カメラ18と20のY軸方向の位置は、ステップ200の基準位置調整にて同じ位置に合わせているので、カメラ18の視野中心からΔYずらせた位置に基準溝の位置を合わせることでノズルの基準孔とのY軸方向位置合わせが行える。なお、この位置合わせについては、カメラ18の位置に基板を位置合わせした後に基板をΔYだけ移動させる方法や、カメラ18をΔY移動してカメラの視野中心に基板を位置合わせする方法などがあり、いずれの方法によってΔYの位置に基板を移動しても差し支えない。
【0046】
一方、ΔXは、ノズル検出位置(Xn)からステップ205で記憶したアライメント検出カメラ位置(Xa)を減じた値Xanと加算して、基板位置決めカメラとノズル間距離XOとして記憶する(ステップ805)。この距離XOは、後で説明するステップ1200の中で、基板に塗布するときのペーストの吐出開始位置および停止位置に反映する。
【0047】
なお、これまでに記憶した全てのデータは装置の電源をOFFしても消えないものとする。
【0048】
再び図5に戻り、次に塗布を開始するかの判断(ステップ900)をする。この時点で塗布を行わず一旦終了し、装置を立ち上げ直し全く同じ条件で塗布する場合は、ステップ200の基準位置調整はもちろん、ステップ500のカメラ位置補正、ステップ700のノズル交換、ステップ800のノズル位置計測の全てを省略して基板搭載から開始することが可能である。
【0049】
以上のこれまで記載した動作については、主に手動の操作で行う。以下に記載する動作は、制御部にあらかじめプログラムしておき、自動で動作させるものである。
【0050】
塗布を開始する場合はまず、ノズル内にペーストを供給する(ステップ1000)。ペーストの供給は前述したように図1の切換バルブ11を大気開放にした状態で開閉バルブ10を開いて、所定の量に達するまで供給する。
【0051】
次に、ステップ1100の基板搭載に移る。この動作はノズル内へのペースト供給と並行して行うことが可能で、ペースト供給の待ち時間を少なくすることができる。
【0052】
テーブル2を上流側端部に移動する。Y軸およびθ軸は中央ゼロの位置でテーブル面のほぼ中央に外部移載機により塗布する基板を搭載し、リブがテーブルのX軸方向とほぼ平行となる状態にして吸着固定する。外部移載機は例えば多軸のロボットを用い、ロボットのアームで基板をテーブル上部に横持ちする。テーブルには複数の昇降可能なピンを設け、このピンを上昇して基板を受け取り、アームを退避させてピンを下降することにより基板をテーブル面に受け取る。なお、リブとテーブルの平行出しはステップ500の補正量測定の中で述べたセンタリング装置により行う。
【0053】
次にステップ1200の基板位置決めを行う。この詳細を図10に従って説明する。テーブル2をステップ502で記憶したアライメント検出位置X,Yの位置に移動して、基板のアライメントマークA1,A2をカメラ17,19の視野に入れる(ステップ1201)。
【0054】
次に、カメラ17の視野中心を基準にアライメントマークA1のX,Y方向のずれ量を求める。また、カメラ19の視野中心からアライメントマークA2のX,Y方向のずれ量を求める。このX軸方向のずれについては、ステップ507で記憶したX軸方向ずれ量の補正値dXAを減じた値をずれ量とする。このずれ量は、図4において、アライメントマークA2がA2´の位置にあったとするとdXとなる(ステップ1202)。この2つのX軸方向のずれ量とアライメントマークの間隔YAから基板の傾きと、傾きを修正したときのアライメントマークA1の移動量を求める(ステップ1203)。算出した結果に応じ、テーブルのθ軸を回転して基板の傾きを修正し、X,Y軸を移動してカメラ17の視野中心にアライメントマークA1を位置合わせする(ステップ1204)。
【0055】
この時点で、カメラ18の視野内には基板の基準溝が観測されるので、ステップ508で登録した基準溝の画像と一致する溝の中心位置を判断し、カメラ視野中心からのY軸方向の位置ΔYSを測定する。(ステップ1205)。そして、ステップ804で測定記憶したノズルY軸位置ΔYからこのΔYSを減じた値だけテーブル2のY軸を移動することで、ノズルの基準孔と基板の基準溝中心とのY軸方向の位置を合わせる(ステップ1206)。
【0056】
次にX軸方向の位置、つまり塗布開始位置および終了位置に対応するテーブル2のX軸座標を計算する。ステップ302で設定した塗布開始位置および終了位置の各々に、ステップ805で記憶保存した基板位置決めカメラとノズル間距離XOと現在のX軸座標値を加算して、ペースト吐出位置および停止位置として一時記憶する(ステップ1207)。一時記憶とするのは、基板位置決め毎にX軸座標が変化するため、ペーストの吐出および停止位置の計算データを更新するからである。
【0057】
基板位置決めが終わるとペースト塗布(ステップ1300)の動作に移る。ノズル内へのペースト供給が完了していることを確認し(未完の場合は待ち)、テーブルのX軸を基板の位置決め位置から下流方向に予めプログラムした速度で移動させる。X軸座標が前記の一時記憶したペースト吐出位置になったらノズルからペーストを吐出し、吐出停止位置になれば吐出を停止する。ペーストの吐出および停止は、図1に示した切換バルブ11により行う。なお、ここで予めプログラムした速度とは、例えば、ペースト吐出位置の少し手前までは高速移動、吐出位置および吐出停止位置付近では低速移動、吐出中は中速での定速移動として、塗布開始までの時間短縮をはかるとともに、ペーストの塗布開始端から終了端までの塗布状態を均一に仕上げるように動作させる。各速度および速度の切り替え位置を制御部入力から設定できるようにすれば、塗布状態を容易に調整することが可能となる。
【0058】
ところで、ペーストの吐出中はノズルと基板間の距離を所定の範囲に保つことで、より均一な塗布状態を得られることが知られている。本実施の形態においても基板面の変位を検出するセンサをノズルの上流側に設け、この信号によりZ軸搬送部を制御して基板面とノズル間の距離を一定に保つようにすることは容易に達成可能である。
【0059】
塗布を終了すると、基板排出(ステップ1400)に移る。基板の排出はテーブルを下流端に移動し、吸着した基板を解除し、ピンを上昇して移載機により取り出す。移載機は上流側の基板搬入と下流側の排出専用に各1台配置することで、基板排出中に次に塗布する基板が準備できるので、基板搬入から排出までのタクトを短縮することができる。基板を排出した時点で一連の動作が終了となり、動作を停止するかの判断をする(ステップ1500)。停止の判断は、例えば制御部にあらかじめ塗布する基板の枚数を設定しておき、1枚塗布する毎に減算してゼロとなった時点で終了とする。連続して同じ仕様の基板に塗布する場合は、ステップ1000のペースト供給から開始する。
【0060】
【実施例】
次に、本発明の実施の形態に従って、プラズマディスプレイ背面板にペーストを塗布した場合の実施例を示す。
【0061】
基板は、サイズ990×600mm、アライメント間隔970×580mm、基板面には高さ100μmで頂部の幅70μmのリブが、ピッチ250μm(溝幅180μm)で3840本形成されたものを用いた。またノズルは、吐出孔が径100μm、ピッチ750μm、ピッチバラツキ12μmの精度で1282個設けられたものを用いた。一方、装置の各軸位置決め精度は±5μm(θ軸の場合はR500mmの位置における精度)、各カメラの位置測定精度は±1μm、各カメラY軸のX軸方向振れ幅は最大18μm、テーブルの塗布相対移動時における直交方向の振れ幅は最大8μmの性能のものを用いた。この条件において、以下のような結果を得た。なお、ノズルの孔の位置は、溝を中心として±40μmの範囲に入らないと、リブの頂部に塗布してしまうことになる。
【0062】
初期設定にて基板情報を設定し、検出位置の変更に伴って補正量の測定を行った。代表基板を用いてアライメントA1,A2のX軸方向ずれを確認したところ、カメラの位置ずれ分を含んで35μm認められた。この補正量を0μmとして記憶し、図4のフローに従ってノズルを交換して、10枚の基板に塗布を行った。その結果7枚の基板に、基板全体の塗布終了位置付近のリブ頂上にペーストの付着が認められた。次に、この補正量をカメラY軸のX軸方向振れ幅の18μmと記憶して、10枚の基板に塗布を行ったところ、2枚の基板で一部の塗布終了位置付近のリブ頂上にペーストの付着が認められた。
【0063】
そこでこの補正量を測定結果の35μmに記憶して、再び10枚の基板に塗布を行ったところ、ペーストのリブ頂部への付着は皆無となった。このことから、アライメントA1,A2によるX軸方向のずれ補正によって、テーブルのX軸とリブの平行出しが精度良く行われたことが証明された。
【0064】
また、前記の良好な塗布が行える状態から、塗布前の基板位置決め動作において、アライメントマークにより基板を位置決めした後に基準溝の位置を測定せず、ノズルと基板の位置合わせは、単にノズルのY軸位置のずれ量だけ基板をY軸移動するように変更した。このように基板を位置決めして塗布した場合は、基板面の多くの箇所でリブの頂部にペーストの付着が認められた。さらにこの後、基準溝の位置を測定するように戻し、その位置データを確認できるようにして10枚の基板のデータを採ったところ26〜34μmであった。この結果から、ノズルの孔が溝の中心に合わされていないため、ノズル孔のピッチ精度や基板の歪み、さらにはテーブルX軸のヨーイングなどが影響して、リブの頂部にペーストの付着が発生したものと判断される。従って、基準溝の中心をノズルの基準孔に位置合わせすることで、基板全体の所望の溝にノズルの全孔が位置合わせされていると言える。
【0065】
また、基板の位置決めは3台の固定のカメラにより5秒程度の1回で完了し、塗布は基板幅のノズルによって約20秒の1回塗布で終了した。従来技術においては、複数回の塗布動作で塗布をおこなうため、例えば4回で塗布する場合は、少なくとも3回の塗布開始位置への移動と3回の塗布動作が余分に必要となる。従来技術の装置において、塗布開始位置への移動および塗布動作の時間が、本実施例の装置と同じ時間であれば、本発明により約70秒の時間短縮ができたことになる。
【0066】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、2台の移動可能な位置検出カメラによって、異なるサイズの基板に対しても容易に切り替え可能で、精度良く基板の位置を測定でき、角度の調整が正確に行える。さらに、別に設けた1台の位置検出カメラで、ノズルとの位置合わせを行う基板の基準溝の位置を測定し、ノズルとの正確な位置合わせを可能として、基板の全幅に渡り一括塗布できるノズルを用いることが可能となる。その結果、ノズルと基板の位置合わせを1回の動作で済ませ、所望の溝に1回の塗布動作でペーストを塗布することができ、タクトを短縮することができる。
【0067】
また、位置検出カメラの位置補正に、塗布する品種のロット毎の代表基板を用いることにより、そのロットのパターンの歪みによる誤差も吸収して調整され、より正確な角度の調整を行うことができ、リブ頂部にペーストが塗布されるなどの塗布不良の問題が低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係わる塗布装置全体の概略斜視図である。
【図2】ペーストを塗布する基板の一例を示す概略図である。
【図3】図1に示した装置の一部を上からと横から見た模式図である。
【図4】図8の補正量測定ステップにおける測定位置ずれ量の測定方法を説明するための図である。
【図5】図1に示した装置の調整および塗布動作の全体を示すフローチャートである。
【図6】図5における基準位置調整ステップの詳細を示すフローチャートである。
【図7】図5における初期設定ステップの詳細を示すフローチャートである。
【図8】図5における補正量測定ステップの詳細を示すフローチャートである。
【図9】図5におけるノズル位置計測ステップの詳細を示すフローチャートである。
【図10】図5における基板位置決めステップの詳細を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 基板
2 テーブル
3 θ軸
4 Y軸搬送部
4a,4b リニアガイド
5 X軸搬送部
5a,5b リニアガイド
6 機台
7 支持台
7a,7b リニアガイド
8a,8b Z軸搬送部
9 ノズル
10 開閉バルブ
11 切換バルブ
12 ペーストタンク
13 気体圧力源
14 Y1搬送部
15 Y2搬送部
16 Y3搬送部
17 カメラ(基板の位置を計測する第1の手段)
18 カメラ(基板の位置を計測する第2の手段)
19 カメラ(基板の位置を計測する第1の手段))
20 カメラ(ノズルの位置を計測する第3の手段)
21 基準マーク付き治具
Claims (13)
- ノズル内のペーストを吐出孔から基板上の溝へ吐出させながら、ノズルと基板を相対移動させて、基板上の溝にペーストを塗布する塗布装置において、基板の位置を計測する第1の手段、基板の基準溝の位置を計測する第2の手段、およびノズルの基準孔の位置を計測する第3の手段とを有し、該第1の手段が、基板に設けられた複数カ所の位置決めマークを同時に計測する複数台の位置センサを備え、基板面に対向して塗布動作中の基板の相対移動方向と直交する方向に配置されており、第1、第2の手段を、基板の相対移動方向と直交する方向に各々独立して移動可能とし、2台の位置センサに生じる相対移動方向のずれ量を計測して記憶する手段を設け、基板の位置を計測したときにそのずれ量に応じて位置情報を補正し、第1の手段で得られた基板の位置情報に基づき基板の角度を調整するとともに基板を所定位置に位置決めし、かつ、第2の手段で得られた基板の基準溝の位置情報と第3の手段で得られたノズルの基準孔の位置情報により基板とノズルの位置を相対的に位置合わせすることを特徴とする塗布装置。
- 第2の手段が、ノズルの基準孔と位置合わせをする基板のパターン画像を判断して位置を計測する手段であって、第1の手段で配置した2つの位置センサの中間位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
- ノズルが、長手方向に吐出孔が略一線状に設けられ、中央の吐出孔の近傍に基板と位置合わせする基準孔を示すマークが設けられ、かつ、長手方向が、基板の溝と直交する方向に配置されることを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
- 第3の手段が、ノズルの基準孔の画像により位置を計測するセンサを備え、テーブルの相対移動方向と直交する方向のノズルの中央に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
- 第1の手段により基板の2カ所の位置決めマークを計測し、計測位置からの相対移動方向およびその直交方向のずれ量により基板のθ方向のずれ量を求め、搭載するテーブルにより基板の角度および位置の調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
- ノズルの基準孔の相対移動方向の位置情報をペーストの吐出開始および停止位置に反映させる情報として記憶する手段と、ノズルの基準孔の直交方向の位置情報を基板とノズルの相対位置に反映する情報として記憶する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
- 第3の手段と位置合わせした基準マーク付き治具に、第1、第2の手段を位置合わせしたときの位置データを記憶する手段を設け、その位置情報を基準として基板またはノズルの位置を計測することを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
- 2台の位置センサにおける相対移動方向のずれ量が、塗布する品種の代表基板を用いて測定されることを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
- 蛍光体粉末を含むペーストを用いてプラズマディスプレイを製造する装置であって、請求項1〜8記載の塗布装置を用いることを特徴とするプラズマディスプレイ部材の製造装置。
- ノズル内のペーストを吐出孔から基板上の溝へ吐出させながら、ノズルと基板を相対移動させることによって、基板上の溝にペーストを塗布する塗布方法において、塗布動作中の基板の相対移動方向と直交する方向に配置された基板の位置を計測する複数台の位置センサによって基板に設けられた複数カ所の位置決めマークを同時に計測し、基板の位置を計測する位置センサおよび基板の基準溝の位置を計測する手段を基板の相対移動方向と直交する方向に各々独立して移動可能とし、2台の位置センサに生じる相対移動方向のずれ量を計測して記憶し、基板の位置を計測したときにそのずれ量に応じて位置情報を補正した上で、その結果得られた基板の位置情報に基づき、基板の相対移動方向と溝の方向が平行となるよう基板の角度を調整するとともに基板を所定位置に位置決めし、基板の基準溝の位置情報とノズルの基準孔の位置情報により、基板とノズルの位置を相対的に位置合わせして、基板とノズルを相対移動させながら塗布することを特徴とする塗布方法。
- ノズルは、吐出孔が略一線状に設けられ、リブと直交する方向に配置され、1回の相対移動で基板上に形成された所望の全ての溝に塗布することを特徴とする請求項10に記載の塗布方法。
- ノズルの基準孔の相対移動方向位置情報により、ペースト吐出の開始および停止位置を算出し、相対移動中におけるペーストの吐出制御を行うことを特徴とする請求項10に記載の塗布方法。
- 蛍光体粉末を含むペーストを用いてプラズマディスプレイを製造する方法であって、請求項10〜13のいずれかの塗布方法を用いることを特徴とするプラズマディスプレイ部材の製造方法。
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