JP4332937B2 - 自動車の制動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の制動時に前輪側への荷重移動に対応するように制動力を分配する電子式制動力配分装置(Electronic Brakeforce Distribution:以下、EBD装置という)と、各車輪がロック状態にならないように制動力を制御するアンチスキッドブレーキ装置(Antiskid Brake System:以下、ABS装置という)とを備えた自動車の制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開平4−218453号公報に開示されるように、車両の各車輪のブレーキロックを防止するためのアンチスキッド制御と、前後輪のブレーキバランスを適切なものに制御するための後輪制動制御とを行うようにした自動車の制動装置は知られている。前記アンチスキッド制御では、一般的に、予め車輪が最大の制動力を発揮するような車輪スリップ量を目標値として設定し、車両の制動時に各車輪のスリップ量が所定の開始しきい値以上に大きくなったときに制御を開始して、該各車輪毎のホイールシリンダ内のブレーキ液圧を増圧状態、保持状態又は減圧状態に切り換えて制御することで、車輪スリップ量を前記目標値に収束させるようにしている。
【0003】
また、前記後輪制動制御は、後輪側の制動圧の増大を機械的に抑制するプロポーショニングバルブを代替するものであり、例えば、車両の制動時に車体減速度が設定値になったときに、ホイールシリンダへのブレーキ液の給排を一時的に遮断して、制動力の増大を規制することにより、制動に伴い軽荷重になり易い後輪側のブレーキ液圧を前輪よりも低く抑えて、ブレーキバランスの適正化を図るようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来例のようなアンチスキッド制御においては、各車輪の制動性能を最大限に発揮させるために、ホイールシリンダ内のブレーキ液圧を極めて高応答に制御する必要がある。このため、一般的に、前記ホイールシリンダに接続されたハイドロリックユニットに専用の還流ポンプを設けて、このポンプをアンチスキッド制御の開始と同時に運転するようにしている。
【0005】
一方、前記後輪制動制御においては、左右の後輪の接地性を高めて制動時の直進安定性を確保しながら、それらの制動性能をさらに高めたいという要請がある。そして、そのために、左右の後輪に付与するブレーキ液圧を単に保持するだけでなく、アンチスキッド制御のように増圧状態や減圧状態にも切り換えて制御することが考えられ、このような制御を応答性良く行うためには、後輪制動制御を行うときにも前記の還流ポンプを運転する必要がある。
【0006】
しかしながら、前記還流ポンプを運転すると、そのポンプ脈動等に起因してブレーキ液圧系統が加振されて、ブレーキペダルに不快な振動が伝わることは避けられず、しかも、ポンプの運転音が車両の乗員にとって耳障りに感じられるという不具合も生じる。そして、このようなポンプ運転音や振動は、前記アンチスキッド制御が行われるような希な急制動時にのみ発生するのであれば、あまり問題にはならないが、前記後輪制動制御のように日常的に行われる制御に伴って発生すると、乗員は極めて強い違和感を感じることになる。
【0007】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、後輪制動制御を行うときのポンプの運転条件に工夫を凝らすことで、車両の後輪側ブレーキ装置を十分に活用して制動性能を高めるとともに、そのことと乗員の快適性の向上とを高い次元で両立させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の解決手段では、車両の制動時に後輪制動制御手段による制動手段の制御(以下、単に後輪制動制御ともいう)に対応してポンプを運転させるポンプ制御手段を設けるとともに、該後輪制動制御が開始されたとき、所定期間は前記ポンプの運転開始を遅延させるようにした。
【0009】
具体的には、請求項1記載の発明では、図1に例示するように、車両の各車輪に制動力を付加する液圧式制動手段6,7FR,7FL,7RR,7RLと、車両の制動時に、各車輪に付加する制動力により該各車輪のスリップ状態が所定の目標状態に収束するように前記制動手段を作動制御するアンチスキッド制御手段20aと、車両の制動時に後輪の荷重の減少に応じて該後輪の制動力増大を規制するように前記制動手段を作動制御する後輪制動制御手段20bとを備えた自動車の制動装置Aを前提とする。そして、前記制動手段にブレーキ液圧を供給するための還流ポンプ12と、前記アンチスキッド制御手段20aにより制動手段の制御を行うとき、及び後輪制動制御手段20bにより制動手段の制御を行うときに、それぞれ前記還流ポンプ12を運転制御するポンプ制御手段20cとを備え、該ポンプ制御手段20cは、前記アンチスキッド制御手段20aにより制動手段の制御が開始されたとき、直ちに前記還流ポンプ12の運転を開始する一方、前記後輪制動制御手段20bにより制動手段の制御が開始されたときには、それから設定時間が経過するまで、前記還流ポンプ12の運転開始を遅延させる構成とする。
【0010】
前記の構成により、車両の制動時にアンチスキッド制御手段20a後輪制動制御手段20bにより制動手段の制御が行われるときには、これに対応するようにポンプ制御手段20cにより還流ポンプ12が運転されて、制動手段に供給されるブレーキ液圧が高められ、これにより、制動性能や制御応答性の向上が図られる。しかも、前記後輪制動制御が開始されたときには所定期間、還流ポンプ12の運転開始を遅延させるようにしているので、日常的に行われる後輪制動制御において還流ポンプ12の運転に伴う異音や振動の発生を減らすことができ、これにより、快適性の向上が図られる。尚、後輪制動制御は基本的には左右の後輪の制動力増大を規制するものであり、その制御の開始と同時にブレーキ液圧を増大させる必要はないので、還流ポンプ12の運転開始を遅延させても問題は生じない。
【0011】
一方で、アンチスキッド制御が開始されれば直ちに還流ポンプが運転され、制動手段へ供給されるブレーキ液圧が高められるので、アンチスキッド制御の応答性を向上させて、車輪のブレーキロックを確実に防止しながら十分に高い制動性能を得ることができる。
【0012】
そして、前記の構成によれば、前記所定期間は、後輪制動制御手段による制御が開始されてから設定時間が経過するまでとされている
【0013】
すなわち、一般的に、車両の制動時に後輪制動制御が行われるのは、該車両にある程度以上、大きな制動力が作用したときであるから、このようなときには続いてアンチスキッド制御が開始されると考えられる。そこで、後輪制動制御が開始されてから設定時間が経過したときに、見込みで還流ポンプを作動させることにより、アンチスキッド制御の開始に対応するように制動手段へ供給するブレーキ液圧を高めることができ、これによりアンチスキッド制御の応答性を向上させることができる。
【0014】
請求項の発明では、制動手段は、各車輪毎に配設されたホイールシリンダを有する液圧式ブレーキ装置と、該ブレーキ装置の制動力を低下させるときにホイールシリンダから排出されるブレーキ液を一時的に蓄えるリザーバタンクとを有するものとし、還流ポンプは、前記リザーバタンク内のブレーキ液を吸入して前記ホイールシリンダ側に供給可能に配設する。そして、ポンプ制御手段は、左右の後輪の制動力が後輪制動制御手段の制御によって低下させられるときであって、かつその制動力の低下幅が設定値よりも大きいとき、直ちに前記還流ポンプの運転を開始させる構成とする。
【0015】
この構成では、後輪制動制御によっていずれかのブレーキ装置の制動力を低下させるときに、該ブレーキ装置のホイールシリンダからリザーバタンクにブレーキ液が排出される。このとき、制動力の低下幅が設定値よりも大きければ、その分、多量のブレーキ液がリザーバタンクに排出されるので、該リザーバタンクが一杯になってそれ以上は制動力を低下させることができなくなるという不具合が生じる。そこで、この発明では、制動力の低下幅が設定値よりも大きいときには、直ちに還流ポンプを運転させて、リザーバタンクのブレーキ液を回収させることで、前記の不具合を未然に防止することができる。
【0016】
請求項の発明では、車両に所定以上の減速度が作用する急減速状態であることを検出する急減速状態検出手段と、該急減速状態検出手段により車両の急減速状態が検出されたときに、ポンプ制御手段によるポンプの運転遅延制御を抑制する遅延制御抑制手段とを設ける構成とする。
【0017】
このことで、車両の急減速状態で後輪制動制御が開始されたときには、続いてアンチスキッド制御が開始される可能性が極めて高いので、このような場合には還流ポンプの運転遅延制御を遅延制御抑制手段により抑制する。即ち、例えば遅延期間を縮めたり、或いは遅延させずに還流ポンプを作動させたりして、その後、実際にアンチスキッド制御が開始されるときまでに予め制動手段へ供給するブレーキ液圧を高めることができ、これにより、アンチスキッド制御の応答性を高めかつ制御初期の応答遅れを解消できる。
【0018】
請求項の発明では、車両の走行速度が所定以上の高速走行状態であることを検出する高速走行状態検出手段と、該高速走行状態検出手段により車両の高速走行状態が検出されたときに、ポンプ制御手段による還流ポンプの運転遅延制御を抑制する遅延制御抑制手段とを設ける構成とする。
【0019】
このことで、一般的に、高速走行状態では車両の挙動の乱れが大きくなり易いので、アンチスキッド制御の応答性を高めることが極めて重要である。そこで、車両の高速走行状態で後輪制動制御手段による制御が開始されたときには、請求項の発明と同様に還流ポンプの運転遅延制御を抑制することにより、アンチスキッド制御の応答性を高めかつ制御初期の応答遅れを解消することができる。
【0020】
請求項の発明では、車両が旋回状態であることを検出する旋回状態検出手段と、該旋回状態検出手段により車両の旋回状態が検出されたときに、ポンプ制御手段による還流ポンプの運転遅延制御を抑制する遅延制御抑制手段とを設ける構成とする。
【0021】
すわなち、一般的に、車両の旋回状態では旋回内輪の荷重が小さくなるので、このときに後輪制動制御が行われるような大きな制動力が作用すれば、旋回内輪側の後輪についてはアンチスキッド制御が開始される可能性が極めて高い。そこで、この発明では、車両の旋回状態で後輪制動制御手段による制御が開始されたときには、請求項の各発明と同様にポンプの運転遅延制御を抑制することにより、アンチスキッド制御の応答性を高めかつ制御初期の応答遅れを解消することができる。
【0022】
請求項の発明では、車両の走行している路面の摩擦係数が実質的に所定値以下の低μ路であることを検出する低μ路検出出手段と、該低μ路検出手段により低μ路であることが検出されたときに、ポンプ制御手段による還流ポンプの運転遅延制御を抑制する遅延制御抑制手段とを設ける構成とする。
【0023】
このことで、摩擦係数の低い低μ路では車輪のブレーキロックが発生し易く、後輪制動制御に続いてアンチスキッド制御が開始されると考えられるので、低μ路で後輪制動制御手段による制御が開始されたときには、請求項の各発明と同様にポンプの運転遅延制御を抑制して、アンチスキッド制御の応答性を高めかつ制御初期の応答遅れを解消することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0025】
図1は本発明の実施形態に係る自動車の制動装置Aの全体構成を示し、同図において、1はブレーキペダル2の踏力圧を増大させるマスタバックである。また、3は該マスタバック1で増大された踏力圧に応じてブレーキ液圧(マスタシリンダ圧)を発生するマスタシリンダであり、このマスタシリンダ3で発生したブレーキ液圧は、2本の液圧供給ライン4,5により従来周知のABS装置の液圧分配供給ユニット6(Hydraulic Unit;以下、HUという)に伝えられ、このHU6により車両の前後左右の4車輪(図示せず)に分配されて、右側前輪のブレーキ装置7FR、左側前輪のブレーキ装置7FL,右側後輪のブレーキ装置7RR及び左側後輪のブレーキ装置7RLにそれぞれ供給されるようになっている。前記HU6及び4つのブレーキ装置7FR,7FL,7RR,7RLにより、車両の各車輪に制動力を付加する液圧式制動手段が構成されている。
【0026】
前記2本の液圧供給ライン4,5のうちの第1の液圧供給ライン4はHU6内で前輪側と後輪側とに分岐し、それぞれ右側前輪のブレーキ装置7FRと左側後輪のブレーキ装置7RLとに接続される一方、第2の液圧供給ライン5は同様に分岐して左側前輪のブレーキ装置7FLと右側後輪のブレーキ装置7RRとに接続されており、ブレーキ液圧配管はいわゆるダイアゴナルスプリット方式の2系統配管とされている。
【0027】
また、前記HU6は、液圧供給ライン4,5の分岐路4a,4b,5a,5bにそれぞれマスタシリンダ3側と各ブレーキ装置7FR,7FL,…側とを個別に連通状態又は遮断状態に切換えるように設けられた4つのインレットバルブ8,8,8,8と、この各インレットバルブ8の下流に設けられ、前記各ブレーキ装置7FR,7FL,…とリザーバタンク10,10とを個別に連通状態又は遮断状態に切換える4つのアウトレットバルブ9,9,9,9とを備えている。前記各インレットバルブ8は2ポート2位置の常開型の電磁弁であり、コントロールユニット20からの信号を受けて開状態と閉状態との間で切換えられて、各ブレーキ装置7FR,7FL,…のホイールシリンダ7aにマスタシリンダ3側から供給されるブレーキ液圧を調整する。また前記各アウトレットバルブ9は2ポート2位置の常閉型の電磁弁であり、コントロールユニット20からの信号を受けて開状態に切換えられ、前記各ホイールシリンダ7aとリザーバタンク10とを連通状態にして、ホイールシリンダ7aのブレーキ液圧(ホイールシリンダ圧)を減圧する。
【0028】
そして、コントロールユニット20から出力される制御信号が入力するまでは、運転者によるブレーキペダル2の踏み操作に応じて、マスタシリンダ3で発生したブレーキ液圧が開状態のインレットバルブ8,8,…を介して各ホイールシリンダ7aに供給され、前記ブレーキペダル2の踏み操作に対応する制動力が各車輪に付加される。また、コントロールユニット20からの制御信号がHU6に入力されると、前記インレットバルブ8,8,…及びアウトレットバルブ9,9,…がそれぞれデューティ制御されて、ブレーキ装置7FR,7FL,…のホイールシリンダ圧が増大又は減少され、各車輪に付加される制動力が個別に調整される。
【0029】
さらに、前記HU6には、リザーバタンク10,10に排出されたブレーキ液を吸入して、それぞれ分岐路よりも上流側の液圧供給ライン4,5に送給する液圧供給ポンプ12,12(還流ポンプ)が設けられている。この各液圧供給ポンプ12は、図示しない電動モータにより駆動されるもので、コントロールユニット20から出力される制御信号が入力するまでは停止状態とされる一方、該制御信号が入力すると運転を開始して、各ホイールシリンダ7aへマスターシリンダ圧よりも高いブレーキ液圧を供給するようになっている。尚、同図において、11,11,11,11は、各インレットバルブ8が閉状態になっているときにホイールシリンダ7a側からマスタシリンダ3側へのブレーキ液の流れを許容するバイパスチェックバルブである。また、13,13はそれぞれ前記各液圧供給ポンプ12から液圧供給ライン4,5へのブレーキ液の流れを許容するチェックバルブであり、14,14はそれぞれ液圧供給ポンプ12の脈動を緩和するためのアキュムレータである。
【0030】
前記コントロールユニット20は、図示しないが、CPU、ROM、RAM等を有するものであり、車両の4車輪に個別に設けられた車輪速センサ21,21,…(図には1つのみ示す)、車両のブレーキペダル2の踏み操作を検出するフットブレーキスイッチ(以下FBSWという)22、車両のステアリング操舵角を検出する操舵角センサ23、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ24、トランスミッションのギアポジションを検出するギアポジションセンサ25及びマスタシリンダ3のブレーキ液圧(マスタシリンダ圧)を検出する液圧センサ26からの出力信号が入力される。一方、前記コントロールユニット20は、HU6のインレットバルブ8,8,…及びアウトレットバルブ9,9,…に制御信号を出力する。
【0031】
すなわち、前記コントロールユニット20は、図2のメインフローに示すように、運転者が車両に乗り込んでイグニッションキーをオンにすると、ステップSA1で、少なくとも、前記車輪速センサ21,21,…、フットブレーキスイッチ22、操舵角センサ23、エンジン回転数センサ24、ギアポジションセンサ25及び液圧センサ26から入力される信号を読み込み、続くステップSA2で車両の4車輪の各車輪速を平均して車体速Vを算出する。尚、この車体速Vの算出の際には従動輪の2輪の重み付けを大きくしてもよく、また、4車輪ではなく従動輪の2輪のみの車体速を平均するようにしてもよい。
【0032】
続いて、ステップSA3では、車両の制動時に各車輪のスリップ状態が所定の目標状態に収束するように、該各車輪に付加する制動力を制御するアンチスキッド制御(以下、ABS制御という)の制御演算を行う。続くステップSA4では、HU6による各車輪へのブレーキ液圧の配分によってプロポーショニングバルブの機能を発揮させる後輪制動制御(以下、EBD制御という)を行う。すなわち、車両の減速度が所定以上になったとき、前記HU6の後輪側のバルブ8,9の作動制御により左右の後輪のブレーキ装置7RR,7RLへのブレーキ液圧を制御して、該後輪の制動力の増大を規制する。そして、ステップSA5において、前記ABS制御及びEBD制御に対応して、HU6の液圧供給ポンプ12、12の運転制御を行い、続くステップSA6において、前記ABS制御及びEBD制御の協調制御を行い、しかる後にリターンする。
【0033】
前記図2のメインフローにおいて、ステップSA3がアンチスキッド制御手段20aに、また、ステップSA4が後輪制動制御手段20bにそれぞれ対応しており、さらに、ステップSA5が、ポンプ制御手段20cに対応している。
【0034】
(ABS制御)
次に、前記ABS制御の詳細について図3に示すフローチャート図に基づいて説明する。同図のステップSB1では、FBSW22からの出力信号に基づいて運転者によるフットブレーキ操作の有無を判定し、ブレーキ操作がなされていないNOと判定されれば、ステップSB2に進んで、ABS制御の実行中か否かを表すABSフラグFslipの値をFslip=0とし、続くステップSB3で各インレットバルブ8を開状態にかつ各アウトレットバルブ9を閉状態にして、しかる後にリターンする。
【0035】
一方、前記ステップSB1でブレーキ操作がなされているYESと判定されれば、ステップSB4に進んで、各車輪毎に車輪速及び車体速Vに基づいて車輪スリップ率を演算する。
【0036】
車輪スリップ率 =(V−車輪速)/V
続いて、ステップSB5では、4車輪のそれぞれの車輪スリップ率とマスタシリンダ圧とに基づいて従来周知の手法により路面摩擦係数μを推定演算し、続くステップSB6では前記路面摩擦係数μの推定演算値に基づいて、車輪スリップ率の制御目標値である目標スリップ率sbと制御開始しきい値saとをそれぞれ演算する。尚、前記車輪スリップ率は、上述の如く演算する他に車両に搭載した前後方向加速度センサにより検出するようにしたり、或いは路面摩擦係数μ等から間接的に求めるようにしてもよい。
【0037】
前記ステップSB6に続いて、ステップSC7〜SC15の各ステップの制御手順は各車輪毎に独立に実行する。すなわち、ステップSB7ではABSフラグFslipの値を判別し、Fslip=1のNOならば既にABS制御中なのでステップSB10に進む一方、Fslip=0のYESならばABS制御中でないのでステップSB8に進み、車輪スリップ率を制御開始しきい値saと比較する。そして、車輪スリップ率が制御開始しきい値sa以下のNOならばリターンする一方、制御開始しきい値saよりも大きいYESならば、ステップSB9に進んでABSフラグFslipの値をFslip=1とした後、後述の如くステップSB11〜SB13に進んで、HU6のインレットバルブ8,8,…及びアウトレットバルブ9,9,…を開閉制御する。
【0038】
一方、前記ステップSB7でFslip=1のNOと判定されて進んだステップSB10では、車輪スリップ率を目標スリップ率sbと比較し、車輪スリップ率が目標スリップ率sb以下のNOらばステップSB14に進む一方、目標スリップ率sbよりも大きいYESならばステップSB11に進む。このステップSB11では、車輪速を微分演算して求められる車輪加速度を所定の減圧しきい値sk1と比較し、車輪加速度が減圧しきい値sk1よりも大きいYESならばステップSB12に進んで、インレットッバルブ8及びアウトレットバルブ9を両方ともに閉状態にしてホイールシリンダ圧を保持する保持状態とする。また、車輪加速度が減圧しきい値sk1以下のNOならばステップSB13に進んで、インレットッバルブ8を閉状態に、またアウトレットバルブ9を開状態にして、ホイールシリンダ圧を減圧させる減圧状態とする。
【0039】
つまり、車輪スリップ率が目標スリップ率sbよりも大きい間は、ホイールシリンダ圧を車輪加速度に応じて減圧状態と保持状態とに切換えながら減圧し、車輪がロック状態になることを防止するようにしている。また、この減圧状態でアウトレットバルブ9からリザーバタンク10に排出されたブレーキ液は直ちに液圧供給ポンプ12により吸入されて、液圧供給ライン4,5に送給される。
【0040】
これに対し、前記ステップSB10で車輪スリップ率が目標スリップ率sb以下のNOと判定されて進んだステップSB14では、車輪加速度を所定の増圧しきい値sk2と比較し、車輪加速度が増圧しきい値sk2よりも大きいYESならばステップSB15に進んで、インレットッバルブ8を開状態にかつアウトレットバルブ9を閉状態にして、マスタシリンダ3及び液圧供給ポンプ12からの液圧供給によりホイールシリンダ圧を増圧させる増圧状態とする。また、車輪加速度が増圧しきい値sk2以下のNOならばステップSB16に進んで、インレットッバルブ8及びアウトレットバルブ9を両方ともに閉状態にしてホイールシリンダ圧を保持する保持状態とする。
【0041】
つまり、車輪スリップ率が目標スリップ率sb以下で制動力を増大させる余裕があるときには、ホイールシリンダ圧を車輪加速度に応じて保持状態と増圧状態とに切換えながら増圧し、車両の各車輪に最大限の制動力を発揮させるようにしている。
【0042】
(EBD制御)
次に、EBD制御の詳細について図4に示すフローチャート図に基づいて説明すると、同図のステップSC1では、FBSW22からの出力信号に基づいて、運転者によるフットブレーキ操作の有無を判定し、ブレーキ操作がなされていないNOと判定されれば、所定時間の経過後に左右の後輪のインレットバルブ8,8を開状態にかつアウトレットバルブ9,9を閉状態にして(ステップSC2,3)、続くステップSC4で、EBD制御の実行中か否かを表すEBDフラグFEBDの値をFEBD=0とし、しかる後にリターンする。
【0043】
一方、前記ステップSC1でブレーキ操作がなされているYESと判定されれば、ステップSC5に進んで一旦、左右の後輪のインレットバルブ8,8を開状態に、かつアウトレットバルブ9,9を閉状態にする。続いて、ステップSC6において、車体速Vの前回値から今回値を減算して車体減速度を求め、この車体減速度を減速度設定値Bと比較して、車体減速度が減速度設定値B以下のNOならばステップSC9に進む一方、車体減速度が減速度設定値Bよりも大きいYESならばステップSC7に進む。
【0044】
このステップSC7では、まず、左右の後輪のインレットバルブ8,8及びアウトレットバルブ9,9を共に閉状態にして、基本的にホイールシリンダ圧を保持することで後輪の制動力の増大を阻止する。そして、その上で、左右の後輪の接地性を高めて制動時の直進安定性を確保しながら制動性能を高めるために、上述のABS制御と同じように車輪スリップ率や車輪加速度に応じて、インレットバルブ8,8及びアウトレットバルブ9,9を小さく開閉作動させて、ホイールシリンダ圧を少しずつ増圧又は減圧させる。そして、ステップSC8に進んで、EBDフラグFEBDの値をFEBD=1として、しかる後にリターンする。
【0045】
また、前記ステップSC6でNOと判定されて進んだステップSC9では、EBDフラグFEBDの値を判別し、FEBD=0のYESならば、車体減速度が未だ設定減速度B以下の状態であるか或るいは運転者がフットブレーキ操作を中止したと判定してリターンする一方、FEBD=1のNOならば前記ステップSC7に進んで、ホイールシリンダ圧の保持制御を行い、しかる後にリターンする。
【0046】
すなわち、前記EBD制御によれば、例えば図5に実線aとして示すように、まず、左右の後輪の制動力を前輪と同様に直線的に増加させる一方、同図に一点鎖線bで示す理想的な制動力配分曲線を超えたあたりで(折れ点S)、基本的にブレーキ液圧を保持することで、前後4輪の制動力配分を略理想的なものとして、車両の制動性能を高めるようにしている。また、このものでは、前記のようにブレーキ液圧を基本的には保持しながらも、各車輪のスリップ率に応じて少しずつ増圧又は減圧補正することで、同図に破線cで示すプロポーショニングバルブと比べて、車輪のブレーキロックを招くことなく、後輪側の制動力を大幅に高めることができる。
【0047】
尚、前記ステップSC6においては車体減速度を車体速Vに基づいて求めるようにしているが、これに限らず車輪速から求めるようにしてもよく、また、車両に前後方向加速度センサを搭載して直接検出するようにしてもよい。さらに、このようにして求めた値を路面摩擦係数μや各車輪の車輪荷重等に基づいて補正するようにしてもよい。
【0048】
(ポンプ制御)
次に、本発明の特徴部分であるが、前記ABS制御及びEBD制御と共に行う液圧供給ポンプ12,12の運転制御について、図6に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0049】
まず、同図のステップSD1では、前記図4のフローに示すEBD制御を行うか否か判定する。すなわち、EBDフラグFEBD=0でEBD制御を行わないNOと判定すれば、ステップSD9に進む一方、FEBD=1でEBD制御を行うYESと判定すれば、ステップSD2に進んで、今度は、車体速Vが設定車体速V0よりも大きいか否か判別する。そして、V>V0でYESであれば、車両が高速走行状態であると判定してステップSD10に進む一方、V≦V0でNOであれば、車両は高速走行状態でないと判定してステップSD3に進む。このステップSD3では、操舵角センサ23からの信号に基づいて車両が旋回状態にあるか否か判定し、車両が旋回状態でYESであればステップSD10に進む一方、車両は旋回状態でないNOと判定すればステップSD4に進む。
【0050】
続いて、ステップSD4では、前記図3に示すABS制御で用いた路面摩擦係数μの推定値に基づいて、低μ路であるか否かを判定し、低μ路であるYESと判定すればステップSD10に進む一方、低μ路でないNOと判定すればステップSD5に進んで、液圧供給ポンプ12を停止状態のままとする(運転開始を遅延させる)。続いて、ステップSD6では、今度は左右の前輪のいずれかについてABS制御を行うか否か判定し、左右の前輪の少なくとも一方でABS制御の実行中であるYESと判定されればステップSD10に進む一方、ABS制御の実行中でないNOと判定されればステップSD7に進む。
【0051】
このステップSD7では、前記EBD制御において後輪側ブレーキ圧を減圧するためにアウトレットバルブ9,9を開くときのその減圧量を求め、この減圧量が予め設定した設定量以上かどうか判別する。そして、減圧量が設定量以上でYESであればステップSD10に進む一方、減圧量が設定量よりも小さくNOであればステップSD8に進む。このステップSD8では、EBD制御の開始から設定時間が経過したか否か判定し、設定時間が経過していないNOであればリターンする一方、設定時間が経過すればステップSD10に進んで、液圧供給ポンプ12,12の運転を開始させ、しかる後にリターンする。
【0052】
つまり、車両の制動時にEBD制御が開始されるときには、車両が高速走行状態でも旋回状態でもなく、かつ比較的路面摩擦係数μの高い良路を走行しているときには、設定時間が経過するまでHU6の液圧供給ポンプ12,12の運転開始を遅延させて、該液圧供給ポンプ12の運転に伴う異音や振動の発生を減らすようにしている。また、その間に左右の前輪について実際にABS制御が開始されるか、或いはEBD制御による後輪側の減圧量がかなり大きいときには、直ちに液圧供給ポンプ12の運転を開始するようにしている。
【0053】
一方、前記ステップSD1においてEBD制御を行わないNOと判定して進んだステップSD9では、前記図3のフローに示すABS制御を実行するか否か判定する。すなわち、ABSフラグFslip=0でABS制御を行わないNOと判定すればリターンする一方、Fslip=1でABS制御を行うYESと判定すれば、ステップSD10に進んで、液圧供給ポンプ12,12を運転させて、しかる後にリターンする。
【0054】
前記図6に示すポンプ制御のフローにおいて、ステップSD5が液圧供給ポンプ12の運転開始を遅延させる運転遅延制御に対応している。また、ステップSD2により、車両の走行速度が所定以上の高速走行状態であることを検出する高速走行状態検出手段20dが、また、ステップSD3により、車両が旋回状態であることを検出する旋回状態検出手段20eが、さらに、ステップSD3により、車両の走行している路面の摩擦係数が実質的に所定値以下の低μ路であることを検出する低μ路検出手段20fがそれぞれ構成されている。そして、前記ステップSD2〜SD4の各ステップにおいてそれぞれYESと判定してステップSD10に進むという制御手順により、前記運転遅延制御を中止する遅延制御抑制手段20gが構成されている。
【0055】
したがって、この実施形態に係る自動車の制動装置Aによれば、車両の制動時に前輪側へ荷重が移動し、これに対応するようにEBD制御が開始されて、後輪側ブレーキ液圧の保持状態になったとき、設定時間が経過するまでの間、HU6の液圧供給ポンプ12,12の運転の開始を遅延させることにより、ポンプ運転音や振動による運転者の不快感を軽減することができる。このEBD制御は基本的にはブレーキ液圧を保持するものなので、液圧供給ポンプ12の運転開始を遅延させても、制御性の低下を招くことはない。そして、前記設定時間が経過すれば、ABS制御の開始を予想して見込みで液圧供給ポンプ12を作動させることで、液圧供給路4,5のブレーキ液圧を高めて、ABS制御の応答性を向上させることができる。つまり、乗員の快適性の向上と車両の制動性能の向上とを高い次元で両立させることができる。
【0056】
しかも、前記のように液圧供給ポンプ12の運転を遅延しているときであっても、実際にABS制御が開始されるか、或いはEBD制御におけるブレーキ液圧の減圧量が所定以上に大きいときには、直ちに液圧供給ポンプ12を作動させるようにしており、これにより、ABS制御の応答性の向上が図られるとともに、リザーバタンク10内のブレーキ液の貯留量が多くなってそれ以上の減圧が阻害されることを、未然に防止できる。
【0057】
また、この実施形態では、車両が高速走行状態又は旋回状態になっているとき、或いは低μ路を走行しているときに、前記の液圧供給ポンプ12の運転遅延制御は行わないようにしている。すなわち、まず、高速走行状態では、車両の挙動の乱れが大きくなり易いので、アンチスキッド制御の応答性を高めることが極めて重要である。また、車両が旋回状態のときや低μ路を走行しているときには、特に車輪がブレーキロックを起こしやすい状態なので、このときにEBD制御が開始されるような比較的大きな制動力が作用すれば、続いてABS制御が開始される可能性が極めて高い。従って、それらの場合には、EBD制御の開始と共に液圧供給ポンプ12を運転させて、予め液圧供給ライン4,5のブレーキ液圧を高めることにより、その後のABS制御の応答性を高めるとともに、ABS制御の初期の応答遅れをも解消することができる。
【0058】
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、車両が低μ路を走行しているときや高速走行状態又は旋回状態のときに液圧供給ポンプ12の運転遅延制御を中止するようにしているが、これに限らず、例えばポンプの運転遅延時間を縮めることで、該運転遅延制御を抑制するようにしてもよい。
【0059】
また、車両の減速度が所定以上の急減速状態で前記運転遅延制御を中止又は抑制するようにしてもよい。すなわち、車両の急減速状態ではABS制御が開始される可能性が極めて高いので、例えばEBD制御の開始と同時に液圧供給ポンプ12を作動させることで、ABS制御の応答性を高めかつ制御初期の応答遅れを解消することができる。
【0060】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に係る自動車の制動装置によると、車両の制動時にアンチスキッド制御手段後輪制動制御手段により制動手段の制御が行われるとき、ポンプ制御手段により液圧供給ポンプを運転して、制動手段へ供給するブレーキ液圧を高めることで、制動性能や制御応答性を向上させることができる一方、前記後輪制動制御の開始から所定期間は液圧供給ポンプの運転開始を遅延させることで、日常的には液圧供給ポンプの運転に伴う異音や振動の発生を減らして、乗員の快適性を向上させることができる。つまり、車両の制動性能の向上と乗員の快適性向上とを高い次元で両立できる。
【0061】
また、アンチスキッド制御の開始時には直ちに液圧供給ポンプを運転することにより、該アンチスキッド制御の応答性の向上によって、車輪のブレーキロックを確実に防止しながら十分に高い制動性能を得ることができる。
【0062】
さらに、後輪制動制御の開始から設定時間が経過したときに、見込みで液圧供給ポンプを作動させることで、アンチスキッド制御の応答性を十分に向上できる。
【0063】
請求項の発明によると、後輪制動制御により制動手段の制動力を低下させるときであってかつ制動力の低下幅が設定値よりも大きいときに、直ちに液圧供給ポンプを運転させることで、リザーバタンクのブレーキ液を速やかに回収して、後輪制動制御が阻害されることを未然に防止できる。
【0064】
請求項の発明によると、車両に所定以上の減速度が作用する急減速状態では、後輪制動制御に続いてアンチスキッド制御が開始される可能性が極めて高いので、このような場合には液圧供給ポンプの運転遅延制御を遅延制御抑制手段により抑制して、アンチスキッド制御の初期の応答遅れを解消しかつ制御応答性を高めることで、急減速時の走行安定性を向上できる。
【0065】
請求項の発明によると、車両の走行速度が所定以上の高速走行状態では、車両の挙動の乱れを防止するためにアンチスキッド制御の応答性を高めることが極めて重要なので、請求項の発明と同様に液圧供給ポンプの運転遅延制御を抑制して、アンチスキッド制御の初期の応答遅れを解消しかつ制御応答性を高めることで、高速走行時の車両の挙動の乱れを防止できる。
【0066】
請求項の発明によると、車両の旋回状態では後輪制動制御に続いてアンチスキッド制御が開始される可能性が極めて高いので、請求項又は請求項の発明と同様に液圧供給ポンプの運転遅延制御を抑制して、アンチスキッド制御の初期の応答遅れを解消しかつ制御応答性を高めることで、旋回時における車両の姿勢の安定化が図られる。
【0067】
請求項の発明によると、車両が低μ路を走行しているときには車輪のブレーキロックが発生し易く、後輪制動制御に続いてアンチスキッド制御が開始される可能性が極めて高いので、請求項の各発明と同様に液圧供給ポンプの運転遅延制御を抑制して、アンチスキッド制御の初期の応答遅れを解消しかつ制御応答性を高めることで、低μ路でも車両の走行安定性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る自動車の制動装置の全体構成を示す図である。
【図2】 基本制御の流れを示すフローチャート図である。
【図3】 ABS制御の処理手順を示すフローチャート図である。
【図4】 EBD制御の処理手順を示すフローチャート図である。
【図5】 EBD制御における後輪側制動力の前輪側制動力に対する配分状態を、プロポーショナルバルブによる配分状態や理想的な制動力配分曲線と対比して示した説明図である。
【図6】 液圧供給ポンプの制御手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
A 制動装置
6 液圧供給ユニット(制動手段)
7FR,7FL,7RR,7RL ブレーキ装置(制動手段)
7a ホイールシリンダ
10 リザーバタンク
12 液圧供給ポンプ(還流ポンプ)
20a アンチスキッド制御手段
20b 後輪制動制御手段
20c ポンプ制御手段
20d 高速走行状態検出手段
20e 旋回状態検出手段
20f 低μ路検出手段
20g 遅延制御抑制手段

Claims (6)

  1. 車両の各車輪に制動力を付加する液圧式制動手段と、
    車両の制動時に、各車輪に付加する制動力により該各車輪のスリップ状態が所定の目標状態に収束するように前記制動手段を作動制御するアンチスキッド制御手段と、
    車両の制動時に後輪の荷重の減少に応じて、該後輪の制動力増大を規制するように前記制動手段を作動制御する後輪制動制御手段とを備えた自動車の制動装置において、
    前記制動手段にブレーキ液圧を供給するための還流ポンプと、
    前記アンチスキッド制御手段により制動手段の制御を行うとき、及び後輪制動制御手段により制動手段の制御を行うときに、それぞれ前記還流ポンプを運転制御するポンプ制御手段とを備え、
    前記ポンプ制御手段は、前記アンチスキッド制御手段により制動手段の制御が開始されたとき、直ちに前記還流ポンプの運転を開始する一方、前記後輪制動制御手段により制動手段の制御が開始されたときには、それから設定時間が経過するまで前記還流ポンプの運転開始を遅延させる
    ように構成されていることを特徴とする自動車の制動装置。
  2. 請求項1において、
    制動手段は、各車輪毎に配設されたホイールシリンダを有する液圧式ブレーキ装置と、該ブレーキ装置の制動力を低下させるときにホイールシリンダから排出されるブレーキ液を一時的に蓄えるリザーバタンクとを有し、
    還流ポンプは、前記リザーバタンク内のブレーキ液を吸入して前記ホイールシリンダに対し供給可能に配設され、
    ポンプ制御手段は、左右の後輪の制動力が後輪制動制御手段の制御によって低下させられるときであって、かつその制動力の低下幅が設定値よりも大きいときには、直ちに前記還流ポンプの運転を開始させるように構成されていることを特徴とする自動車の制動装置。
  3. 請求項1において、
    車両に所定以上の減速度が作用する急減速状態であることを検出する急減速状態検出手段と、
    前記急減速状態検出手段により車両の急減速状態が検出されたときに、ポンプ制御手段による還流ポンプの運転遅延制御を抑制する遅延制御抑制手段とが設けられていることを特徴とする自動車の制動装置。。
  4. 請求項1において、
    車両の走行速度が所定以上の高速走行状態であることを検出する高速走行状態検出手段と、
    前記高速走行状態検出手段により車両の高速走行状態が検出されたときに、ポンプ制御手段による還流ポンプの運転遅延制御を抑制する遅延制御抑制手段とが設けられていることを特徴とする自動車の制動装置。
  5. 請求項1において、
    車両が旋回状態であることを検出する旋回状態検出手段と、
    前記旋回状態検出手段により車両の旋回状態が検出されたときに、ポンプ制御手段による還流ポンプの運転遅延制御を抑制する遅延制御抑制手段とが設けられていることを特徴とする自動車の制動装置。
  6. 請求項1において、
    車両の走行している路面の摩擦係数が実質的に所定値以下の低μ路であることを検出する低μ路検出出手段と、
    前記低μ路検出手段により低μ路であることが検出されたときに、ポンプ制御手段による還流ポンプの運転遅延制御を抑制する遅延制御抑制手段とが設けられていることを特徴とする自動車の制動装置
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