JP4332302B2 - 光ディスク装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ディスク装置において、安定なフォーカスサーボ性能を得る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、CD(コンパクトディスク)、CD−R(CDレコーダブル)等の光ディスク装置は、著しい普及を遂げている。これらの光ディスク装置はいずれも、光ディスクにレーザ光等の光ビームを照射し、ディスク上のトラックに光ビームの焦点を合わせるフォーカスサーボ、光ビームのスポットがトラック上を追従するように制御するトラッキングサーボ、アクセス時に目的トラックに正確にピックアップを移動させるアクセス制御等を行う。
【0003】
以下、フォーカスサーボについて説明する。図5は、従来の光ディスク装置500の構成を示すブロック図である。光ビームは、ピックアップ8のレーザ照射部(図示せず)から出射され、対物レンズ2を通ってディスク1の信号記録面に照射される。光ビームの反射光は、偏向ビームスプリッタ3により光軸方向が90度変更される。そして信号読み取り用ビームはフォーカスディテクタ4に入射される。
【0004】
フォーカスディテクタ4は、ABCDの4つのセンサ出力を有する。まず、フォーカスサーボ処理部52のフォーカスエラー信号検出部9は、Aセンサ出力とCセンサ出力の和信号と、Bセンサ出力とDセンサ出力の和信号との差を取ってフォーカスエラー信号を出力する。フォーカスエラー信号は、ローパスフィルタ10を経て位相補償部11においてサーボループの位相廻りを補償され、駆動アンプ20で増幅された後、フォーカスアクチュエータコイル7に印加される。フォーカスアクチュエータコイル7は、その信号に基づいて対物レンズ2を光ディスク1の面に垂直な方向に駆動する。このようなフォーカスエラー信号の検出方法は、一般に非点集差法と呼ばれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
光ディスク装置500は、アクセス時および再生時の両場面において安定なフォーカスサーボ性能を両立することはできない。アクセス時の安定したフォーカスサーボ性能を優先すると、再生時に安定したフォーカスサーボ性能が犠牲になるからである。
【0006】
以下より詳しく説明する。光ディスク1の所望の位置へアクセスする際、ピックアップ8は光ディスクのトラックを横切る。このとき、フォーカスエラー信号には、いわゆる溝横断ノイズが混入する。溝横断ノイズはローパスフィルタによっても完全に除去できず、位相補償部11により増幅されてフォーカスサーボループのダイナミックレンジを大きく圧迫するため、フォーカスサーボが外れる原因となる。これは送りモータを使用した場合に特に顕著である。
【0007】
フォーカスサーボが外れるのを回避するために、フォーカスサーボループ内のローパスフィルタ8の帯域を狭くして溝横断ノイズをより完全に除去することもできる。しかしローパスフィルタ8の帯域を狭くしすぎると大きな位相廻りが発生し、高速な再生時に必要な広いフォーカスサーボ帯域を取ることできない。よって再生時のフォーカスサーボ性能が犠牲になる。
【0008】
本発明の目的は、アクセス時および再生時の双方において、安定したフォーカスサーボ性能を得ることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の光ディスク装置は、フォーカスエラー信号に基づいて、照射する光ビームの焦点を光ディスクに合わせる光ディスク装置において、光ディスクに光ビームを照射し、反射光を検出するピックアップと、前記ピックアップが検出した前記反射光に基づいて、溝横断ノイズと同期し、かつ周波数が同じミラー信号を生成するミラー信号生成部と、前記ピックアップが検出した前記反射光に基づいて、溝横断ノイズとフォーカスエラー信号とが重畳されたノイズ混合フォーカスエラー信号を検出するフォーカスエラー信号検出部と、前記ノイズ混合フォーカスエラー信号から前記溝横断ノイズを抽出するハイパスフィルタと、前記ミラー信号を所定の倍率逓倍して逓倍クロックを生成する逓倍回路と、前記ハイパスフィルタが抽出した前記溝横断ノイズ、前記ミラー信号、および、前記逓倍クロックに基づいて、前記擬似溝横断ノイズのノイズクロックを生成するノイズクロック生成部とを有し、前記ノイズ混合フォーカスエラー信号から前記溝横断ノイズを抽出し、前記溝横断ノイズと周波数が同じで、前記溝横断ノイズと実質的に同じ大きさの振幅を有し、かつ前記溝横断ノイズに同期した擬似溝横断ノイズを生成する擬似溝横断ノイズ生成部と、前記擬似溝横断ノイズ生成部が出力した前記擬似溝横断ノイズの位相を反転し、前記ノイズ混合フォーカスエラー信号に加算してフォーカスエラー信号を出力するノイズキャンセル部とを備えたことを特徴とする光ディスク装置であり、これにより上記目的が達成される。
【0011】
前記所定の振幅は、前記溝横断ノイズを複数回抽出したときの各溝横断ノイズの最大振幅を平均した振幅であってもよい。
【0012】
擬似溝横断ノイズ生成部は、前記溝横断ノイズの周波数を監視し、所定の周波数以上になった場合に、前記擬似溝横断ノイズの出力を許可する周波数監視部をさらに備えていてもよい。
【0013】
擬似溝横断ノイズ生成部は、フォーカスエラー検出部の位相振幅特性と同じローパスフィルタを備え、ノイズクロック生成部が生成した前記ノイズクロックをローパスフィルタによりフィルタリングして出力してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1は、光ディスク装置100の構成を示すブロック図である。光ディスク装置100は、光ディスク1とともに、光ディスク1を再生する光ディスク再生システムを構成する。光ディスク装置100は、ピックアップ8と、フォーカスサーボ処理部50と、ピックアップ移動制御部60と、駆動アンプ19、20、21と、駆動部22と、ディスク回転部23と、信号処理部(図示せず)とを含む。
【0016】
本発明の主たる特徴は、ピックアップ8の移動時に発生する溝横断ノイズを検出し、溝横断ノイズに同期した擬似溝横断ノイズを生成して、溝横断ノイズが重畳されたフォーカスエラー信号に反転して加算する。これにより溝横断ノイズが実質的に除去されたフォーカスエラー信号のみを得ることができる。
【0017】
以下、光ディスク装置100の構成要素を説明する。なお、本発明は、光ディスク装置100に安定したフォーカスサーボを行わせることを目的としているので、読み取った後の情報の再生処理の説明、および、その処理を行う信号処理部の構成および説明は省略する。
【0018】
ピックアップ8は、ディスク回転部23により回転している光ディスク1にレーザー光等の光ビームを照射する。光ディスク1には、光ビームをそのまま反射するランドと、乱反射するピットとを含むトラックが存在する。ピックアップ8は、光ビームの反射光の強弱に基づいてピットとランドを検出する。
【0019】
フォーカスサーボ処理部50は、光ビームの焦点位置誤差を検出し、光ビームの焦点が常に光ディスク1の信号記録面に合到するように、光ディスク1に対して垂直な方向に対物レンズ2を移動させる。この動作は、一般にフォーカスサーボと呼ばれている。
【0020】
ピックアップ移動制御部60は、光ディスク1へのアクセス時に、目的トラックへの正確なピックアップを移動させるアクセス制御を行う。またピックアップ移動制御部60は、光ディスク1の再生時に光ビームのスポットがディスク1上のトラックを追従するよう、ピックアップ8の対物レンズ2をディスク半径方向に駆動する。この動作は、一般にトラッキングサーボと呼ばれる。駆動部22は、光ディスク1へのアクセス時等に、ピックアップ8を半径方向に移送する。ピックアップ8の移動はトラッキングアクチュエーター6によっても行われるが、駆動部22は、トラッキングアクチュエーター6の可動範囲を超えた距離までピックアップ8を移送する際に動作する。駆動アンプ19、20、21は、フォーカスサーボ処理部50およびピックアップ移動制御部60の出力を増幅する。
【0021】
以下、ピックアップ8、フォーカスサーボ処理部50、および、ピックアップ移動制御部60のより詳しい構成を、その動作とともに説明する。まず、ピックアップ8において、ビーム照射部(図示せず)は光ビームを出射する。出射された光ビームは対物レンズ2を通ってディスク1の信号記録面に照射される。この光ビームは、信号読み取り用の1本のビームと、トラッキングサーボ用の2本のビームとを含む。光ビームの反射光は、偏向ビームスプリッタ3により光軸方向が90度変えられる。そして信号読み取り用ビームはフォーカスディテクタ4に、トラッキングサーボ用の2本のビームはトラッキングディテクタ5にそれぞれ入射する。フォーカスディテクタ4は、4つのセンサ(Aセンサ、Bセンサ、Cセンサ、Dセンサ)からなり、それぞれの検出結果をフォーカスサーボ処理部50およびピックアップ移動制御部60に出力する。トラッキングディテクタ5は、2つのセンサ(Eセンサ、Fセンサ)からなり、それぞれの検出結果をピックアップ移動制御部60に出力する。
【0022】
ここで留意すべきは、反射光の断面形状は、光ビームの焦点がピットに合っている場合には正円となり、焦点がピットに合っていない場合には楕円となることである。フォーカスディテクタ4の4つのセンサは、反射光が正円のときには同じ検出信号を出力し、楕円のときは異なる検出信号を出力する。一方、トラッキングディテクタ5の2つのセンサも、反射光が正円のときには同じ検出信号を出力し、楕円のときは異なる検出信号を出力する。
【0023】
次にピックアップ移動制御部60の構成および動作を説明する。ピックアップ移動制御部60は、RF信号検出部12、ミラー信号生成部13、アクセス制御部14、トラッキングエラー信号検出部15、トラッククロス信号検出部16、ローパスフィルタ17、位相補償部18を含む。まずフォーカスディテクタ4(図1)からの各センサ出力は、RF信号検出部12に入力される。RF信号検出部12は、フォーカスディテクタ4からのABCDの各センサ出力を全加算して、RF信号を出力する。ミラー信号生成部13は、RF信号検出部12からRF信号を受け取り、ピックアップ8のメイン光ビームがデータ列を横切る際に生じるRF信号波形のボトム変化を、HとLのロジックレベルで表されるパルス信号(ミラー信号)に変換する。図2は、ピックアップ8を光ディスク1の外周および内周シークさせたときの各種信号を示す。ミラー信号は、RF信号波形のボトム変化に基づいて生成されていることが理解される。
【0024】
再び図1を参照して、トラッキングエラー信号検出部15は、ピックアップ8のトラッキングディテクタ5から出力された信号を受け取りトラッキングサーボ用の2本のビームのずれに基づいて、トラックを横切る際に生じるトラッキングエラー信号を生成する。トラッククロス信号検出部16は、トラッキングエラー信号検出部15からトラッキングエラー信号を受け取り、その変化をパルス信号(トラッククロス信号)に変換する。変換は、例えば一定の閾値を設け、その閾値よりも大きいか否かにより2値化することにより行われる。図2は、トラッキングエラー信号とトラッククロス信号とをさらに示す。
【0025】
ミラー信号およびトラッククロス信号は、次のような特徴を持つ。第1は、そのパルス変化をカウントすることによって、ピックアップ8のトラック移動本数を求められることである。図2の(a)に示すミラー信号には、カウントの仕方を明確にするための数字1〜4が付されている。第2は、ピックアップ8の移動速度に比例して、各信号の周波数が変化することである。第3は、互いに90度遅れあるいは、90度進みの位相関係を有することである。遅れ位相関係にあるか、進み位相関係にあるかは、ピックアップ8がディスク1の内周、または、外周いずれの方向に移動するかで定まる。この特徴も、図2の(a)および(b)のミラー信号とトラッククロス信号から明らかである。
【0026】
ミラー信号およびトラッククロス信号の特徴を用いることで、図1のアクセス制御部14は、アクセス時のピックアップの移動本数、速度制御、移動方向を計算できる。なおトラッキングエラー信号検出部15から出力されたトラッキングエラー信号は、ローパスフィルタ17にも入力され、高周波成分が除去された後、位相補償部18に入る。位相補償部18は、サーボループの位相廻りを補償する。アクセス制御部14および位相補償部18が出力する制御信号は、光ビームのスポットがディスク1上のトラックを追従させる信号である。制御信号は駆動アンプ19および21を介して、それぞれトラッキングアクチュエーター6及び駆動手段22に印加される。これによりアクセス時の最適なピックアップ移動制御が実現される。
【0027】
次に、フォーカスサーボ処理部50を説明する。フォーカスサーボ処理部50は、ピックアップ8のフォーカスディテクタ4の4つのセンサ出力を利用して、反射光の断面形状が正円になるようにピックアップ8の対物レンズ2の焦点位置を制御する。この制御は、フォーカスエラー信号を利用して行うことができる。フォーカスサーボ処理部50のフォーカスエラー信号検出部9は、ピックアップ8のフォーカスディテクタ4から出力された信号を受け取り、その信号からフォーカスエラー信号を検出する。フォーカスエラー信号は、Aセンサ出力とCセンサ出力の和信号と、Bセンサ出力とDセンサ出力の和信号との差を取った信号である。
【0028】
ただし、フォーカスエラー信号検出部9が出力するのは、対物レンズ2の焦点位置制御に必要なフォーカスエラー信号のみではない。すなわち、フォーカスエラー信号検出部9は、溝横断ノイズも出力する。溝横断ノイズとは、ピックアップ8が光ディスクのトラックを横切ることにより混入するノイズである。図3の(a)は、フォーカスエラー信号および溝横断ノイズを示す。この図では、両方の信号が個別に示されているが、フォーカスエラー信号検出部9(図1)は、実際には重畳された1つの信号(以下、「ノイズ混合フォーカスエラー信号」という)を出力する。
【0029】
ノイズ混合フォーカスエラー信号から溝横断ノイズを実質的に除去して、本来必要なフォーカスエラー信号のみを得るため、フォーカスサーボ処理部50は新たに擬似溝横断ノイズ生成部32と、反転アンプ28と、信号加算部29とを備える。擬似溝横断ノイズ生成部32は、溝横断ノイズと周波数が同じで、実質的に同じ振幅を有し、かつ溝横断ノイズに同期した擬似溝横断ノイズを生成する。「実質的に同じ振幅」とは、具体的には複数の溝横断ノイズの最大振幅を平均した振幅である。そして反転アンプ28および信号加算部29により、ノイズ混合フォーカスエラー信号から擬似溝横断ノイズを減算する。すなわち溝横断ノイズをキャンセルする処理を行うノイズキャンセル部である。具体的な処理は、反転アンプ28が擬似溝横断ノイズの位相を反転し、信号加算部29がその反転信号をノイズ混合フォーカスエラー信号に加算する。これによりノイズ混合フォーカスエラー信号からフォーカスエラー信号を得ることができる。
【0030】
以下、擬似溝横断ノイズ生成部32の具体的な構成を説明する。擬似溝横断ノイズ生成部32は、ハイパスフィルタ24、ノイズクロック生成部25、ローパスフィルタ26、スイッチング部27、周波数監視部30、および、逓倍回路31を備える。ハイパスフィルタ24は、フォーカスエラー信号検出部9から出力されたノイズ混合フォーカスエラー信号中の溝横断ノイズ信号を抽出する。このハイパスフィルタ24の帯域は、比較的広く設定できる。比較的低周波のフォーカスエラー信号を除去できるフィルタであればよいからである。よって、溝横断ノイズは確実に抽出される。ノイズクロック生成部25は、ハイパスフィルタ24の出力、ピックアップ移動制御部60のミラー信号生成部13が生成し出力したミラー信号、および、逓倍回路31の出力に基づいて、溝横断ノイズに同期した擬似溝横断ノイズクロックを生成する。ローパスフィルタは、入力信号を所定の遮断周波数以下の信号にフィルタリングする。
【0031】
以下、擬似溝横断ノイズ生成部32が擬似溝横断ノイズを生成する処理を説明する。図4は、擬似溝横断ノイズの生成処理を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、光ディスク装置100(図1)全体の動作を制御する中央制御部(図示せず)の指示の下で行われる。まずディスク回転部23(図1)はディスクを回転させ、光ディスク装置100は動作を開始する(ステップS1)。このとき中央制御部(図示せず)はフォーカスサーボをON、トラッキングサーボをOFFし(ステップS2)、溝横断ノイズの振幅を測定するための測定回数パラメータXを初期値0にセットする(ステップS3)。測定が開始されるとパラメータXは1増加される(ステップS4)。続いて、ピックアップ8(図1)がディスク外周方向にトラックN本分レンズシークすると、フォーカスエラー信号検出部9(図1)はノイズ混合フォーカスエラー信号を出力する(ステップS5)。ノイズ混合フォーカスエラー信号をハイパスフィルタ24(図1)でフィルタリングすると、溝横断ノイズが抽出されるので、ノイズクロック生成部25(図1)は溝横断ノイズの振幅の最大値Vを計測する(ステップS6)。ステップS4〜S6までの処理はM回繰り返され(ステップS7)、各回ごとに溝横断ノイズの振幅の最大値V,V,…,Vを得る。Mの値が大きいほど、次に述べる平均値Vmeanの精度が高くなる。
【0032】
次にノイズクロック生成部25は、これらの測定値V(n=1〜M)のM回平均値Vmeanを計算する(ステップS8)。すなわちVmean=ΣV/Mを計算する。このようにして計算された平均値Vmeanを用いて、下記の数1に示す正弦波信号Vを得ることができる(ステップS9)。
(数1)
Figure 0004332302
【0033】
ここで、fは周波数、tは時間を表す。
【0034】
続いて逓倍回路31(図1)は、ミラー信号をS倍に逓倍したクロックを生成する(ステップS10)。逓倍回路31(図1)は周知の周波数逓倍器であるので、その具体的な構成の説明は省略する。図3の(b)は、ミラー信号生成部13(図1)により得られたミラー信号を示し、図3の(c)は、逓倍回路31(図1)がミラー信号をS倍に逓倍したクロックを示す(図3では、逓倍数S=6)。ここで重要なのは、溝横断ノイズはミラー信号と周波数が同じで、しかも同期関係にあることである。これは、溝横断ノイズがトラックを横切る際のノイズであること、および、ミラー信号もメイン光ビームがトラックを横切る際に生じるRF信号に基づいて得られているからである。この性質を利用すると、溝横断ノイズと同じ周波数の信号を得ることができる。
【0035】
ノイズクロック生成部25(図1)は、逓倍回路31(図1)から得られた逓倍クロックに応じて、正弦波信号Vのクロックパルスを生成する(ステップS11)。図3の(d)は、正弦波信号Vのクロックパルスの出力タイミング、すなわち、ノイズクロック生成部25(図1)の出力状態を示す。図中の黒点がノイズクロック出力値である。正弦波信号Vは点線で示す。このノイズクロックが擬似溝横断ノイズの離散出力である。図3の(d)に示すように、ノイズクロック生成部25(図1)は、逓倍クロック毎に擬似溝横断ノイズのクロックパルスを出力する。
【0036】
ノイズクロック生成部25(図1)が出力するデータの数はミラー信号1クロックに対してS個である。逓倍クロックを利用したクロック出力がミラー信号(図3の(b))の直前の立ち上がりエッジからK個目であるとき、変数KとSを用いると、sin(2πft)と、sin(2πK/S)とは等しい値となる。理解の容易のため、図3の(b)では、ミラー信号の立ち上がりエッジを矢印で示している。したがって図3(d)によれば、数式1は数2のように置き換えることができる。
【0037】
(数2)
Figure 0004332302
【0038】
上述のように、Kは、直前の立ち上がりエッジからの溝横断ノイズのノイズクロック出力数を表すので、Kは1からSまでの整数である(図3の例では、S=6)。したがって、Kは、ミラー信号の立ち上がりエッジ毎にクリアされるカウンタでカウントできる。換言すれば、KはS(=6)毎にクリアされるカウンタでカウントできる。これにより、溝横断ノイズと擬似溝横断ノイズ相互の時間管理を行うことができる。よって、後述のようにノイズ混合フォーカスエラー信号中の溝横断ノイズを正確に除去できる。
【0039】
このようにノイズクロック生成部25(図1)は、ミラー信号生成部13(図1)からのミラー信号と、逓倍回路31(図1)からの、ミラー信号の逓倍クロックとに基づいて擬似溝横断ノイズのクロックパルスを出力する。擬似溝横断ノイズのクロックパルスは、ローパスフィルタ26(図1)に入力される。
【0040】
ローパスフィルタ26(図1)は、擬似溝横断ノイズのクロックパルスから、その遮断周波数以下の低周波成分を有する連続信号として擬似溝横断ノイズを出力する(ステップS12)。ローパスフィルタ26(図1)は、フォーカスエラー信号検出部9(図1)の位相振幅特性と同じ位相振幅特性を有する。したがって精度の高い、すなわち溝横断ノイズと周期および振幅が同じでかつ溝横断ノイズに同期した擬似溝横断ノイズを出力できる。ミラー信号の逓倍クロックと、ローパスフィルタ26(図1)を利用するようにしたので、上述の関数Vとして正弦波関数を用いても特に問題は生じない。
【0041】
なお上述の説明では、複数の溝横断ノイズの最大振幅を平均した振幅を擬似溝横断ノイズの振幅として利用しているため、擬似溝横断ノイズの振幅は溝横断ノイズの振幅とは厳密には同じではない。しかし、溝横断ノイズの関数をA、擬似溝横断ノイズの関数をA、a=A−Aとしたとき、aの絶対値|a|とAの絶対値|A|とが|a|<|A|の関係を満たせば、擬似溝横断ノイズによるノイズ低減効果が得らているといえる。したがって、ノイズ低減効果が得られることにより最終的に得られるフォーカスエラー信号でフォーカスサーボが問題なく実行できるのであれば、擬似溝横断ノイズの振幅の大きさと溝横断ノイズの振幅の大きさとは厳密に同じでなくともよい。|a|<|A|の関係を満たすような、実質的に同じ大きさであればよい。なお、擬似溝横断ノイズによるノイズ低減効果をより期待するのであれば、|a|≦|A|/2 が好ましい。以上のようにして擬似溝横断ノイズが生成される。
【0042】
生成された擬似溝横断ノイズを用いて、さらに以下のようにしてノイズ混合フォーカスエラー信号から溝横断ノイズが除去される。すなわちスイッチング部27(図1)がONされている間、反転アンプ28(図1)は出力された擬似溝横断ノイズの位相を反転する。スイッチング部27(図1)をONする期間は、周波数監視部30(図1)により設定できる。
【0043】
周波数監視部30(図1)は、溝横断ノイズの周波数が所定の周波数帯域以上になれば、溝横断ノイズのキャンセルが有効となるようにスイッチング部27(図1)のONおよびOFFを制御する。溝横断ノイズのキャンセルを有効とする周波数帯域を任意に設定できるので、必要な周波数帯域で溝横断ノイズのキャンセルを有効に機能させることができる。よってフォーカスサーボループの周波数帯域と、サーボループが溝横断ノイズの影響を受ける周波数帯域を区別できる。なお周波数帯域の設定の目安は、フォーカスサーボループにおいて溝横断ノイズの影響が大きくなる周波数帯域と、必要なフォーカスサーボループの周波数帯域で決定すればよい。実験的には、10kHz〜30kHz程度とすればよいことがわかっている。
【0044】
信号加算部29(図1)は、フォーカスエラー信号検出部9(図1)の出力をローパスフィルタ10(図1)でフィルタリングした信号と、反転アンプ28(図1)により反転された擬似溝横断ノイズを加算する。前者の信号は、フィルタリングにより光ディスク1の傷等の影響による周波数成分が除去されたノイズ混合フォーカスエラー信号である。加算の結果、ノイズ混合フォーカスエラー信号中の擬似溝横断ノイズがキャンセルされ、フォーカスエラー信号を得ることができる。図3の(e)は、擬似溝横断ノイズがキャンセルされたフォーカスエラー信号を示す。このようにして得られたフォーカスエラー信号は位相補償部11(図1)に入力されるので、フォーカスサーボループにおける溝横断ノイズの影響は皆無になる。位相補償部11(図1)は、フォーカスエラー信号の位相廻りを補償する。位相補償部11(図1)から出力された信号は、制御信号として駆動アンプ20で増幅されフォーカスアクチュエータコイル7に印加される。フォーカスアクチュエータコイル7は、その信号に基づいて対物レンズ2を光ディスク1の面に垂直な方向に駆動する。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、フォーカスサーボループの周波数帯域を制限することなく、溝横断ノイズに同期した、溝横断ノイズと周波数が同じで、かつ所定の振幅を有する擬似溝横断ノイズを生成する。擬似溝横断ノイズは反転されて、溝横断ノイズとフォーカスエラー信号とが重畳されたノイズ混合フォーカスエラー信号に重畳されるので、有効に溝横断ノイズをキャンセルできる。したがって、アクセス時および再生時にかかわらず、溝横断ノイズの影響を受けない安定なフォーカスサーボを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 ピックアップを光ディスクの外周および内周シークさせたときの各種信号を示す図である。
【図3】 本発明による擬似溝横断ノイズの生成に関係する信号を示す図である。
【図4】 擬似溝横断ノイズの生成処理を示すフローチャートである。
【図5】 従来の光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
4 フォーカスディテクタ
8 ピックアップ
9 フォーカスエラー信号検出部9
10 ローパスフィルタ
11 位相補償部
13 ミラー信号生成部
24 ハイパスフィルタ
25 ノイズクロック生成部
26 ローパスフィルタ
27 スイッチング部
28 反転アンプ
29 信号加算部
30 周波数監視部
31 逓倍回路
32 擬似溝横断ノイズ生成部
50 フォーカスサーボ処理部
60 ピックアップ移動制御部
100 光ディスク装置

Claims (4)

  1. フォーカスエラー信号に基づいて、照射する光ビームの焦点を光ディスクに合わせる光ディスク装置において、
    光ディスクに光ビームを照射し、反射光を検出するピックアップと、
    前記ピックアップが検出した前記反射光に基づいて、溝横断ノイズと同期し、かつ周波数が同じミラー信号を生成するミラー信号生成部と、
    前記ピックアップが検出した前記反射光に基づいて、溝横断ノイズとフォーカスエラー信号とが重畳されたノイズ混合フォーカスエラー信号を検出するフォーカスエラー信号検出部と、
    前記ノイズ混合フォーカスエラー信号から前記溝横断ノイズを抽出するハイパスフィルタと、前記ミラー信号を所定の倍率逓倍して逓倍クロックを生成する逓倍回路と、前記ハイパスフィルタが抽出した前記溝横断ノイズ、前記ミラー信号、および、前記逓倍クロックに基づいて、前記擬似溝横断ノイズのノイズクロックを生成するノイズクロック生成部とを有し、前記ノイズ混合フォーカスエラー信号から前記溝横断ノイズを抽出し、前記溝横断ノイズと周波数が同じで、前記溝横断ノイズと実質的に同じ大きさの振幅を有し、かつ前記溝横断ノイズに同期した擬似溝横断ノイズを生成する擬似溝横断ノイズ生成部と、
    前記擬似溝横断ノイズ生成部が出力した前記擬似溝横断ノイズの位相を反転し、前記ノイズ混合フォーカスエラー信号に加算してフォーカスエラー信号を出力するノイズキャンセル部と
    を備えたことを特徴とする光ディスク装置。
  2. 請求項1記載の光ディスク装置において、
    前記所定の振幅は、前記溝横断ノイズを複数回抽出したときの各溝横断ノイズの最大振幅を平均した振幅であることを特徴とする光ディスク装置。
  3. 請求項1および請求項2のいずれか1つに記載の光ディスク装置において、
    前記擬似溝横断ノイズ生成部は、前記溝横断ノイズの周波数を監視し、所定の周波数以上になった場合に、前記擬似溝横断ノイズの出力を許可する周波数監視部をさらに備えたことを特徴とする光ディスク装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の光ディスク装置において、
    前記擬似溝横断ノイズ生成部は、前記フォーカスエラー信号検出部の位相振幅特性と同じローパスフィルタを備え、ノイズクロック生成部が生成した前記ノイズクロックをローパスフィルタによりフィルタリングして出力することを特徴とする光ディスク装置。
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