JP4330914B2 - 動物体検出装置および動物体検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像から動物体を検出する動物体検出装置および動物体検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
映像メディアの普及に伴い、大量の映像から必要な情報を効率的に検索する技術の重要性が高まっている。特に、映像中に現れる物体について、その名称、行動、色、外形などの情報をキーワードにして検索ができれば、その利便性は大きく向上する。このようなキーワード検索を実現するためには、予め映像中に現れる物体について、名称、行動などを言語により記述しておく必要がある。そのためには、映像中の物体を背景から分離する必要があるが、その技術のうち、動いている物体を検出する技術が従来提案されている。
【0003】
ここで、動物体を検出する技術では、水面や草原など背景が変化している映像からの動物体の検出及び、カメラワークがある映像からの動物体の検出が大きな課題となっている。これは、背景が変化している場合やカメラワークがある場合は、映像のフレーム間で動物体以外の背景にあたる領域も変化しているので、動物体のみの分離が難しい為である。これを解決する手法として特許文献1が公開されている。なお、特許文献1は画像の動きベクトル量を計測することで動きのある移動領域を検出して動物体を検出する技術について記載されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−27449号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特許文献1の技術による動物体の検出手法では、撮影したカメラから直接得られるパラメータを利用しているため、既に撮影された映像など、カメラのパラメータを取得できない映像には適用できない。さらに、水面や草原など時間とともに変化する背景について考慮がされていない。
【0006】
この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、カメラワークの有無、および背景の状況に関係なく、1つのアルゴリズムで動物体を検出することができる動物体検出方法および動物体検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した問題点を解決するために、請求項1に記載の発明では、フレームを複数のマクロブロックに分割し、隣接フレーム間で同位置のマクロブロック毎に所定の映像情報の差分を求め、該差分値に基づいて、マクロブロックが背景の候補領域と動物体の候補領域とのうちのいずれの候補領域に属するかを判定するフレーム差分処理手段と、前記フレーム差分処理手段により動物体の候補領域に属すると判定されたマクロブロックに対して、隣接フレーム間における第1の動きベクトルと、当該フレームと1フレーム飛ばした次のフレームとの間における第2の動きベクトルとを探索する動きベクトル探索手段と、前記フレームの最外周のマクロブロックと当該最外周のマクロブロックの内側となるマクロブロックとにおける第1の動きベクトルの方向に基づいて、カメラワークの方向を検出するカメラワーク有無判定手段と、前記カメラワーク有無判定手段により検出されたカメラワークの方向と、前記動きベクトル探索手段により探索された前記第1の動きベクトルの方向および前記第2の動きベクトルの方向とに基づいて、動物体を構成するマクロブロックを特定する動物体領域判定手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明では、請求項1記載の動物体検出装置において、前記カメラワーク有無判定手段は、前記フレームの最外周のマクロブロックと当該最外周のマクロブロックの内側となるマクロブロックとにおける第1の動きベクトルの方向についてヒストグラムを作成し、当該作成したヒストグラムにおいて最も大きい値をとる方向を前記カメラワークの方向として検出することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の動物体検出装置において、前記動物体領域判定手段は、隣接フレーム間における第1の動きベクトルの方向が、前記カメラワーク有無判定手段により判定されたカメラワークの方向と一致せず、かつ、上下左右のいずれかのマクロブロックの第1の動きベクトルとの角度が小さく、かつ、前記1フレーム飛ばした次のフレームにおける第2の動きベクトルとの角度が小さい場合、該当マクロブロックを、前記動物体を構成するマクロブロックであると判定することを特徴とする。
【0010】
上述した問題点を解決するために、請求項4に記載の発明では、フレームを複数のマクロブロックに分割し、隣接フレーム間で同位置のマクロブロック毎に所定の映像情報の差分を求め、該差分値に基づいて、マクロブロックが背景の候補領域と動物体の候補領域とのうちのいずれの候補領域に属するかを判定するフレーム差分処理手順と、前記フレーム差分処理手順により動物体の候補領域に属すると判定されたマクロブロックに対して、隣接フレーム間における第1の動きベクトルと、当該フレームと1フレーム飛ばした次のフレームとの間における第2の動きベクトルとを探索する動きベクトル探索手順と、前記フレームの最外周のマクロブロックと当該最外周のマクロブロックの内側となるマクロブロックとにおける第1の動きベクトルの方向に基づいて、カメラワークの方向を検出するカメラワーク有無判定手順と、前記カメラワーク有無判定手順により検出されたカメラワークの方向と、前記動きベクトル探索手順により探索された前記第1の動きベクトルの方向および前記第2の動きベクトルの方向とに基づいて、動物体を構成するマクロブロックを特定する動物体領域判定手順とを具備することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明では、請求項4記載の動物体検出方法において、前記カメラワーク有無判定手順において、前記フレームの最外周のマクロブロックと当該最外周のマクロブロックの内側となるマクロブロックとにおける第1の動きベクトルの方向についてヒストグラムを作成し、当該作成したヒストグラムにおいて最も大きい値をとる方向を前記カメラワークの方向として検出することを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の発明では、請求項4または5に記載の動物体検出方法において、前記動物体領域判定手順において、隣接フレーム間における第1の動きベクトルの方向が、前記カメラワーク有無判定手順により判定されたカメラワークの方向と一致せず、かつ、上下左右のいずれかのマクロブロックの第1の動きベクトルとの角度が小さく、かつ、前記1フレーム飛ばした次のフレームにおける第2の動きベクトルとの角度が小さい場合、該当マクロブロックを、前記動物体を構成するマクロブロックであると判定することを特徴とする。
【0013】
この発明では、フレーム差分処理手段により、フレームを複数のブロックに分割し、隣接フレーム間で同位置のブロック毎に所定の映像情報の差分を求め、該差分値に基づいて、背景の候補領域と動物体の候補領域とを分離し、動きベクトル探索手段により、動物体に属する可能性があると判断されたマクロブロックに対して、隣接フレーム間における第1の動きベクトルと、1フレーム飛ばした次のフレームとの間における第2の動きベクトルとを探索し、カメラワーク有無判定手段により、フレームの最外周のブロックとその内側のブロックとにおける第1の動きベクトルの方向に基づいて、カメラワークの有無を判定し、動物体領域判定手段により、前記カメラワーク有無判定手段による判定結果と、前記第1の動きベクトルの方向と、前記第2の動きベクトルの方向とに基づいて、動物体を構成するブロックを特定する。したがって、カメラワークの有無、および背景の状況に関係なく、1つのアルゴリズムで動物体を検出することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
A.実施形態の構成
図1は、本発明による動物体検出方法を適用した動物体検出装置の構成を示すブロック図である。図において、フレーム差分処理部10は、フレーム差分により、背景の候補領域と動物体の候補領域との分離を行なう。動きベクトル探索部11は、フレーム差分処理部10により、動物体に属する可能性があると判断されたマクロブロックに対して、隣接フレーム間における動きベクトル、および1フレーム飛ばした次のフレームとの間における2つの動きベクトルの探索を行なう。カメラワーク有無判定部12は、フレームの最外周とその内側の動きベクトルについて局所的な動き方向ヒストグラムを作成し、該ヒストグラムに従って、カメラワーク(パン、チルト)があるかどうかの判定を行なう。動物体領域判定部13は、動きベクトル探索部11により求められた隣接フレーム間における動きベクトルに基づいて、動物体を構成するマクロブロックを特定する。動物体領域整形部14は、一連の上述した処理で動物体として判定されたマクロブロックについて、その周囲にマクロブロックの判定結果(動物体か、背景か)を参照し、動物体として確定する。
【0016】
B.基本アルゴリズム
次に、本発明による動物体検出方法の基本アルゴリズムについて説明する。ここで、図2は、本発明による動物体検出方法の基本アルゴリズムを説明するための概念図である。
【0017】
検出対象となる動物体が登場する状況として、カメラワークの有無や背景の変動など、様々な状況が考えられる。これらの状況を整理すると、
(1)カメラワーク無し、背景が一様、
(2)カメラワーク無し、背景が変動しない、
(3)カメラワーク無し、背景が変動する、
(4)カメラワーク有り、背景が一様、
(5)カメラワーク有り、背景が変動しない、
(6)カメラワーク有り、背景が変動する、
の6通りが挙げられる。
【0018】
上記6通り全てに対応した動物体検出の実現方法を探るために、それぞれのフレーム間で変化する部分に着目すると、(1)と(2)、(4)については、フレーム間で変化するのは、動物体がある領域だけであると考えられるため、フレーム差分を取ることで動物体の領域を抽出することができる。しかしながら、(3)と(5)、(6)については、フレーム間で動物体以外の領域も変化するため、フレーム差分では、動物体の領域を抽出するのは難しい。
【0019】
そこで、動物体とカメラワークがある場合の変動しない背景、変動する背景、それぞれにおけるフレーム間の動きベクトルの向きに着目すると、それぞれで動きベクトルの向きに違いがあると推測することができる。
【0020】
すなわち、図2(a)に示すように、動物体の領域では、その動物体が急激な形の変動がない限りは、フレーム間で動きベクトルが見つかる。そのため、動物体の領域の動きベクトルの方向は比較的、揃っていると考えられる。
【0021】
次に、図2(b)に示すように、カメラワークがある場合の変動しない背景では、動物体の領域と同様に、急激な形の変動がない限りは、フレーム間で動きベクトルが見つかる。そのため、動きベクトルの方向は、比較的揃っていると考えられる。但し、カメラワークで動物体を追跡しているため、背景の領域と動物体の領域とでは、動きベクトルの向きは一致しないと考えられる。
【0022】
次に、図2(c)に示すように、変動のある背景領域の場合、フレーム間で領域の状態が変化しているため、対応点が存在しない。したがって、求められた動きベクトルは偶然に誤差が最小となったブロックへの動きベクトルでしかない。そのため、変動のある背景領域にある動きベクトルの方向は、動物体領域のように揃うことはなく、乱れると考えられる。
【0023】
上述した性質に着目し、本実施形態では、変動のある背景の除去のためにフレームを飛ばした動きベクトルとの向きの比較、および、カメラワーク検出のためにフレームの最外周およびその内側の動きベクトルについて局所的な動き方向ヒストグラムの導入、以上の2つにより、上記(3)と(5)、(6)の状況における動物体の検出を実現している。以下、詳細に説明する。
【0024】
C.背景の除去方法
次に、本実施形態による背景の除去方法について説明する。本実施形態では、2本の動きベクトルを用いて、変動する背景を除去する。なお、本実施形態では、1フレームを16ピクセル×16ピクセルからなる複数のマクロブロックに分割し、各マクロブロックと、対象とするフレームの同位置にあるマクロブロックの周囲、32ピクセル×32ピクセルに対してブロックマッチングを行ない、絶対値誤差が最小となったブロックを動きベクトルの到達ブロックとして求める。
【0025】
前述したように、動物体と変動のある背景では、動きベクトルの向きに違いがあると推測される。図3に示すように、隣接フレーム間で求められた動きベクトル1本毎に、周囲のマクロブロックに向きが類似した動きベクトルがあるかどうか調べることで、動物体と変動のある背景とを分離することができる可能性がある。しかしながら、隣接フレームだけで、変動する背景の領域にある全ての動きベクトルの向きが乱れるとは限らず、また、フレーム間隔を離すと、動物体の早い動きに追従できなくなるため、周囲のマクロブロックの動きベクトルだけで判定するのは正確さに不安が残る。
【0026】
そこで、動物体と変動する背景との分離を、より正確に行なうために、1つのマクロブロックについて2つの動きベクトルを用いる。その2つの動きベクトルとは、図4に示すように、1本が隣接フレーム間における動きベクトル、他の1本が1フレーム飛ばした次のフレームとの間における動きベクトルである。図示するように、例えば、飛行機のような動物体の運動は、フレーム単位で考えれば、等速直線運動に近似できるため、動物体内であれば、対象ブロック(斜線)における2本の動きベクトルの向きが大きく変動することはない。これに対して、図5に示すように、変動する背景であれば、フレームを飛ばした場合に、隣接フレームよりも、さらに変動が大きくなることが考えられるため、対象ブロック(斜線)における2本の動きベクトルの向きに違いが出てくる。
【0027】
このように、周囲の動きベクトルとの類似性に加えて、さらに、先のフレームとの動きベクトルも判定に加えることで、より正確に動物体と背景領域との分離ができるようになる。
【0028】
D.カメラワークの検出方法
前述したように、カメラワークが有り、変動しない背景の場合、パン(水平方向への動き)、またはチルト(垂直方向への動き)により動物体を追跡しているカメラワークであれば、背景領域の動きベクトルの向きは追跡している動物体の進行方向と一致しないと推測される。したがって、背景領域の動きベクトルの向きを把握できれば、カメラワークを検出することができると考えられる。
【0029】
そこで、カメラワークによる背景の動きベクトルの向きを、フレーム内の最外周や、その内側の周にあるマクロブロックの動きベクトルの向きから取得する。一般に、カメラワークにより動物体を追跡する場合、図6に示すように、画面の中心部に追跡対象の動物体(図示の例では自動車)がくるようにカメラを動かしていることが多い。そのため、フレーム内の最外周やその内側の周にあるマクロブロックは、背景領域になっている可能性が高い。したがって、最外周のマクロブロックとその1ブロック内側にあるマイクロブロックとの動きベクトルの向きにより、カメラワークの有無を判定することができる。
【0030】
E.実施形態の動作
次に、本実施形態による動物体検出アルゴリズムを用いた動物体検出方法について説明する。ここで、図7は、本実施形態による動物体検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【0031】
まず、ステップS10で、フレーム差分により、背景の候補領域と動物体の候補領域との分離を行なうフレーム差分処理を行なう。該フレーム差分処理では、隣接フレーム間で、同じ位置のマクロブロック毎に、輝度の差分を求め(輝度分布差分)、閾値判定により、背景に属するマクロブロックであるのか、あるいは動物体に属する可能性のあるマクロブロックであるのかを判定する。ここで、背景と判定されたマクロブロックは動物体の検出対象から外す。
【0032】
ここで、上記閾値判定について詳細に説明する。まず、輝度は、輝度=0.299×R+0.587×G+0.114×G(R,G,Bはそれぞれ0〜255の値)で求めることができる(”コンピュータ画像処理”、田村秀行 編著、オーム社、ISBN4−274−13264−1参照)。閾値は、実験的に求めたもので、1つのブロックが16ピクセル×16ピクセル=256ピクセルであるので、1ピクセル当たり「3」の誤差を許容するとし、256×3=768から、実験的に最もよい結果が得られた「750」としている。
【0033】
閾値判定は、以下のようにして行なわれる。
(1)隣接した2つのフレームそれぞれから、同位置にあるマクロブロックを取り出す。
(2)マクロブロック内の同位置になるピクセル同士で、輝度の絶対値差分値を求めて合計する。
(3)上記(2)で求めた絶対値差分値の合計が、閾値(750)以上であれば、フレーム間で変化があったマクロブロックとして、動物体の領域と判定する。一方、閾値以下であれば、フレーム間で変化がなかったとして背景の領域と判定する。
【0034】
但し、動物体の動きが遅い場合や、均一な輝度(あるいは色)を有する動物体の場合には、フレーム間における輝度変化がほとんど生じないケースがあり得る。この場合、この差分処理により、背景と判定される。そこで、前のフレームで動物体に判定されたマクロブロックについては、閾値判定の結果に関係なく、動物体の検出対象に含める。
【0035】
次に、ステップS12で、フレーム差分処理により、動物体に属する可能性があると判断されたマクロブロックに対して、隣接フレーム間における動きベクトル、および1フレーム飛ばした次のフレームとの間における2つの動きベクトルの探索を行なう(動きベクトル探索)。
【0036】
ここで、動きベクトルの探索について詳細に説明する。動きベクトルとは、N番目のフレームのマクロブロックが、N+1番目のどこに対応しているかを表すベクトルのことである。このため、動きベクトルを求める際の比較対象は、マクロブロック単位で行なっている。すなわち、N番目のフレームの各マクロブロック毎に、N+1番目のフレームの同位置のマクロブロックの一定範囲の周囲について、色(または輝度)の誤差が最も小さいブロックを1ピクセルずつずらしながら探索する。色(または輝度)の誤差が小さいとは、16ピクセル×16ピクセルのマクロブロック単位で比較し、R,G,Bのそれぞれの値の絶対値差分和が小さいことを示す。N+1番目のフレームに正確に一致すれば、そのマクロブロックの絶対値差分和は、「0」になる。
【0037】
次に、ステップS14で、カメラワーク(パン、チルト)があるかどうかの判定を行なう(カメラワークの有無判定)。判定手順は、まず、最外周のマクロブロックとその1ブロック内側の周にあるマクロブロックとについて、動きベクトルの有無を調べ、有った場合には、その向きについてヒストグラムを作成する。
【0038】
すなわち、動きベクトルの角度について、水平方向で右向きを0°として、8段階のヒストグラムを作成する。この角度が、0°〜45°、45°〜90°、90°〜135°、135°〜180°、180°〜225°、225°〜270°、270°〜315°、315°〜360°のどこに当てはまるかを見て、度数分布にカウントしていく。最終的に動きベクトルの本数について、例えば、次のようなヒストグラムが得られる。
【0039】
0°〜45° 0本
45°〜90° 10本
90°〜135° 33本
135°〜180° 22本
180°〜225° 4本
225°〜270° 0本
270°〜315° 0本
315°〜360° 0本
【0040】
次に、最外周とその内側の全マクロブロックのうち、閾値以上の数のマクロブロックで動きベクトルが見つかっているかどうかを判定する。なお、上記閾値についても、実験により決定している。最後に、動きベクトルが見つかったマクロブロックのうち、閾値以上の数のマクロブロックが同一のヒストグラムにカウントされている場合、カメラワーク有りと判定する。ここで、最も大きいヒストグラムの値がカメラワークによる背景の動きの向きを示している。
【0041】
次に、ステップS16で、上記ステップS12で求めた隣接フレーム間における動きベクトルについて、1つずつ以下の3つの条件を満たすかどうかを判定し、動物体を構成するマクロブロックを特定する(動物体領域の判定)。
(1)動きベクトルの向きが、カメラワークによる背景の動きの向きと一致しないこと、
(2)上下左右のいずれかのマクロブロックに類似した向きの動きベクトルがある、
(3)1フレーム空けた次のフレームとの動きベクトルと向きが類似している。
【0042】
上述した3つの条件を満たした場合、その動きベクトルが存在するマクロブロックを、動物体を構成するマクロブロックと判定する。そうでない場合には、背景とする。
【0043】
次に、ステップS18で、一連の上述した処理で動物体として判定された領域に対して、以下の方法で整形して動物体として確定させる(動物体領域の整形)。まず、これまでの処理で背景と判定されたマクロブロックについて、その上下にあるマクロブロックのいずれかが動物体のマクロブロックであり、かつ、その左右にあるマクロブロックのいずれかが動物体のマクロブロックであった場合、そのマクロブロックも動物体の一部として判定する。
【0044】
次に、動物体として残ったマクロブロックのうち、その周囲にある全てのマクロブロックに動物体と判定されているマクロブロックが存在しない場合には、孤立した背景領域と考えて除去する。
【0045】
最後に、前のフレームで動物体と判定された領域と比較を行ない、動物体の一部であるにも拘わらず、これまでの整形処理で埋めきれなかったマクロブロックを救済する。ここでの判定方法では、基本的に、前のフレーム間で動物体の領域であったマクロブロックが、次のフレームになって突然、消滅することはないということを前提として、前のフレーム間(N−1番目とN番目のフレーム間)で動物体の領域であると判定された領域を記憶しておいたものと比較している。
【0046】
上述した実施形態によれば、カメラワークの有無、および背景の状況に関係なく、1つのアルゴリズムで動物体の検出ができる。今後、情報機器とネットワーク技術の進歩により、コンテンツ流通システムが重要となってくる。この中で映像アーカイブシステムは、中心となるシステムであり、その利便性を高めるためには、言語情報による映像の検索技術が欠かせない。現在のところ、人手により映像情報を言語により記述するしかないため、このような動物体検出技術を確立しておくと、こうした映像情報の記述の支援に役立つ。また、映像の中に登場する動物体を自動で認識することによる映像の内容情報の自動記述に応用できるため、今後の技術開発を行なっていく上でベースとなる重要な技術である。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フレーム差分処理手段により、フレームを複数のブロックに分割し、隣接フレーム間で同位置のブロック毎に所定の映像情報の差分を求め、該差分値に基づいて、背景の候補領域と動物体の候補領域とを分離し、動きベクトル探索手段により、動物体に属する可能性があると判断されたマクロブロックに対して、隣接フレーム間における第1の動きベクトルと、1フレーム飛ばした次のフレームとの間における第2の動きベクトルとを探索し、カメラワーク有無判定手段により、フレームの最外周のブロックとその内側のブロックとにおける第1の動きベクトルの方向に基づいて、カメラワークの有無を判定し、動物体領域判定手段により、前記カメラワーク有無判定手段による判定結果と、前記第1の動きベクトルの方向と、前記第2の動きベクトルの方向とに基づいて、動物体を構成するブロックを特定するようにしたので、カメラワークの有無、および背景の状況に関係なく、1つのアルゴリズムで動物体を検出することができるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による動物体検出方法を適用した動物体検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明による動物体検出方法の基本アルゴリズムを説明するための概念図である。
【図3】 動きベクトルを用いて変動する背景の除去方法を説明するための概念図である。
【図4】 フレーム間における動きベクトルを用いて動物体と変動する背景とを分離する方法を説明するための概念図である。
【図5】 フレーム間における変動する背景での動きベクトルの向きの違いを説明するための概念図である。
【図6】 カメラワークの有無判定を説明するための概念図である。
【図7】 本実施形態による動物体検出方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
10 フレーム差分処理部(フレーム差分処理手段)
11 動きベクトル探索部(動きベクトル探索手段)
12 カメラワーク有無判定部(カメラワーク有無判定手段)
13 動物体領域判定部(動物体領域判定手段)
14 動物体領域整形部
Claims (6)
- フレームを複数のマクロブロックに分割し、隣接フレーム間で同位置のマクロブロック毎に所定の映像情報の差分を求め、該差分値に基づいて、マクロブロックが背景の候補領域と動物体の候補領域とのうちのいずれの候補領域に属するかを判定するフレーム差分処理手段と、
前記フレーム差分処理手段により動物体の候補領域に属すると判定されたマクロブロックに対して、隣接フレーム間における第1の動きベクトルと、当該フレームと1フレーム飛ばした次のフレームとの間における第2の動きベクトルとを探索する動きベクトル探索手段と、
前記フレームの最外周のマクロブロックと当該最外周のマクロブロックの内側となるマクロブロックとにおける第1の動きベクトルの方向に基づいて、カメラワークの方向を検出するカメラワーク有無判定手段と、
前記カメラワーク有無判定手段により検出されたカメラワークの方向と、前記動きベクトル探索手段により探索された前記第1の動きベクトルの方向および前記第2の動きベクトルの方向とに基づいて、動物体を構成するマクロブロックを特定する動物体領域判定手段と
を具備することを特徴とする動物体検出装置。 - 前記カメラワーク有無判定手段は、
前記フレームの最外周のマクロブロックと当該最外周のマクロブロックの内側となるマクロブロックとにおける第1の動きベクトルの方向についてヒストグラムを作成し、当該作成したヒストグラムにおいて最も大きい値をとる方向を前記カメラワークの方向として検出することを特徴とする請求項1記載の動物体検出装置。 - 前記動物体領域判定手段は、
隣接フレーム間における第1の動きベクトルの方向が、前記カメラワーク有無判定手段により判定されたカメラワークの方向と一致せず、かつ、上下左右のいずれかのマクロブロックの第1の動きベクトルとの角度が小さく、かつ、前記1フレーム飛ばした次のフレームにおける第2の動きベクトルとの角度が小さい場合、該当マクロブロックを、前記動物体を構成するマクロブロックであると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の動物体検出装置。 - フレームを複数のマクロブロックに分割し、隣接フレーム間で同位置のマクロブロック毎に所定の映像情報の差分を求め、該差分値に基づいて、マクロブロックが背景の候補領域と動物体の候補領域とのうちのいずれの候補領域に属するかを判定するフレーム差分処理手順と、
前記フレーム差分処理手順により動物体の候補領域に属すると判定されたマクロブロックに対して、隣接フレーム間における第1の動きベクトルと、当該フレームと1フレーム飛ばした次のフレームとの間における第2の動きベクトルとを探索する動きベクトル探索手順と、
前記フレームの最外周のマクロブロックと当該最外周のマクロブロックの内側となるマクロブロックとにおける第1の動きベクトルの方向に基づいて、カメラワークの方向を検出するカメラワーク有無判定手順と、
前記カメラワーク有無判定手順により検出されたカメラワークの方向と、前記動きベクトル探索手順により探索された前記第1の動きベクトルの方向および前記第2の動きベクトルの方向とに基づいて、動物体を構成するマクロブロックを特定する動物体領域判定手順と
を具備することを特徴とする動物体検出方法。 - 前記カメラワーク有無判定手順において、
前記フレームの最外周のマクロブロックと当該最外周のマクロブロックの内側となるマクロブロックとにおける第1の動きベクトルの方向についてヒストグラムを作成し、当該作成したヒストグラムにおいて最も大きい値をとる方向を前記カメラワークの方向として検出することを特徴とする請求項4記載の動物体検出方法。 - 前記動物体領域判定手順において、
隣接フレーム間における第1の動きベクトルの方向が、前記カメラワーク有無判定手順により判定されたカメラワークの方向と一致せず、かつ、上下左右のいずれかのマクロブロックの第1の動きベクトルとの角度が小さく、かつ、前記1フレーム飛ばした次のフレームにおける第2の動きベクトルとの角度が小さい場合、該当マクロブロックを、前記動物体を構成するマクロブロックであると判定することを特徴とする請求項4または5に記載の動物体検出方法。
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