JP4329629B2 - エキシマランプ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、半導体ウエハおよび液晶基板などの紫外光洗浄処理において、光源ランプとして好適に用いることができるエキシマランプに関する。
近年、波長200nm以下の真空紫外光を利用することにより、金属、ガラスなどよりなる被処理体の表面に付着した有機汚染物質を除去する洗浄処理技術、または、被処理体の表面に酸化膜を形成する酸化膜形成処理技術などの被処理体の表面処理技術が開発され、実用に供されている。
このような真空紫外光を利用した被処理体の表面処理においては、例えば合成石英ガラスよりなる放電容器により形成された放電空間に、適宜の放電用ガスが充填されてなるエキシマランプが用いられており、放電用ガスとしてキセノンガスを用いることにより、主に、波長172nmにピークを有し、半値幅が20nm程度である真空紫外光が得られることが知られている(例えば特許文献1参照)。
真空紫外光が大気中の酸素分子により吸収されると、波長133.2nm以下の真空紫外光により1S軌道の酸素ラジカルO(1S)が生成され、波長175.0nm以下の真空紫外光により1D軌道の酸素ラジカルO(1D)が生成され、波長242.4nm以下の真空紫外光により3P軌道の酸素ラジカルO(3P)が生成される。そして、1D軌道の酸素ラジカルO(1D)は、1S軌道の酸素ラジカルO(1S)および3P軌道の酸素ラジカルO(3P)に比してきわめて大きい化学反応性を有するものであるため、既述のような被処理体の表面処理においては、当該1D軌道の酸素ラジカルO(1D)を主に生成する波長域の真空紫外光を放射するエキシマランプを用いることが、実用上非常に有効である。
しかしながら、従来のエキシマランプにおいては、175.0nmより長い波長を有する真空紫外光も多く放射されるため、1D軌道の酸素ラジカルO(1D)を高い効率で生成させることができない、という問題がある。
また、放電容器が合成石英ガラスにより形成されている場合には、当該放電容器が、例えば350℃以上の高温状態となった場合には、波長175nm以下の真空紫外光の透過率が大幅に低下するため、放電空間からの当該波長175nm以下の真空紫外光を高い効率で利用することができない、という問題がある。
特開平7−78591号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、外部に放射される放射光において波長175.0nm以下の真空紫外光を高い効率で得られるエキシマランプを提供することにある。
本発明のエキシマランプは、概略円筒状の外側管およびこの外側管と同軸状になるよう配設された概略円筒状の内側管よりなる放電容器と、外側管の外周壁面に沿って設けられた第1の電極と、内側管の内周壁面に沿って設けられた第2の電極とを有してなり、放電容器の円筒状の内部空間にキセノンガスが充填されてなるエキシマランプであって、
放電容器は合成石英ガラスにより形成されてなり、
放電容器における内側管の内周壁面を当該放電容器の外部から加熱するための加熱機構が設けられており、
放電容器における外側管における光透過部分を冷却するための冷却手段が設けられていることを特徴とする。
ここで、加熱機構が、内側管の管軸に沿って伸びるよう配設された、その内部に加熱用熱交換媒体が流通される筒状体により構成されてなることが好ましく、筒状体により第2の電極が形成されていることが好ましい。
本発明のエキシマランプによれば、二重管構造の放電容器における内側管の内周壁面をその外部から加熱するための加熱機構が備えられた構成とされているため、放電空間に充填された放電用ガスを有効に加熱することができるため、加熱機構を備えない構成に比して、当該エキシマランプからの放射光に係るピーク波長を短波長側にシフトさせることができることが判明した。従って、当該放射光における175nm以下の波長の真空紫外光(以下、単に「特定波長の真空紫外光」ともいう。)を高い効率で得ることができ、1D軌道の酸素ラジカルO(1D)をエキシマランプからの放射光により高い効率で生成させることができる。
その結果、高いエネルギー効率をもって、目的とする種々の処理を実行することが可能となる。
また、以上の構成を有するエキシマランプによれば、加熱機構による放電用ガスの温度制御を、高い精度で達成することができる。
そして、加熱機構として、加熱用熱交換媒体を利用するものとすることにより、ランプ温度の制御を、高い精度で達成することができる。
更に、放電容器の外側管における光透過部分を冷却手段によって冷却することにより、既述のような加熱機構が設けられた構成であって、当該放電容器が石英ガラスにより形成されている場合においても、当該光透過部分において、高い特定波長の真空紫外光の透過率を得ることができる。
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係るエキシマランプの一例における構成を、管軸に沿った断面で示す説明用断面図、図2は、図1に示すエキシマランプを、管軸に垂直な断面で示す説明用断面図である。
このエキシマランプ10は、例えば合成石英ガラスなどの誘電体よりなる概略円筒状の外側管11と、この外側管11内において同軸状となるよう配設された、当該外側管11の内径より小さい外径を有する、例えば合成石英ガラスなどの誘電体よりなる概略円筒状の内側管12と、この外側管11および内側管12により形成された円筒状の空間の両端部を気密に閉塞する封止部材131、132とよりなる二重管構造を有する密閉型の放電容器14を有してなり、この放電容器14の内部空間により、円筒状の放電空間Sが形成され、この放電空間Sにはキセノンガスが充填されている。
放電容器14を形成する外側管11には、その外周壁面に沿って密接した状態で、例えば網状の導電性材料よりなる、光透過性を有する第1の電極15が設けられていると共に、内側管12には、その内周壁面に沿って密接した状態で、例えば導電性材料よりなる円筒状の第2の電極16が設けられた構成とされており、この第1の電極15および第2の電極16は、エキシマランプ10に高周波電力を供給する、例えば30〜7000Wの点灯用電源装置(図示せず)に接続されている。
第2の電極16内には、当該第2の電極16を介して内側管12の内周壁面を加熱するための加熱機構であるヒーター17が設けられており、このヒーター17は加熱用電源装置(図示せず)に接続されている。
また、このエキシマランプ10には、外側管11の外周壁面の一部に管軸方向全長にわたって接近して対向し、エキシマランプ10が過度に高温となることを防止する、例えばアルミニウムなどの高熱電導性の金属よりなる冷却ブロック18が設けられている。
そして、冷却風通路181が、エキシマランプ10の両脇の近接した領域において管軸方向に並ぶよう適宜の間隔で設けられた複数(例えば14個)の開口部181aに連通するよう冷却ブロック18の内部を貫通して伸びて形成されており、これらの開口部181aにはそれぞれ、冷却用ノズル182が、冷却ブロック18から突出した外側管11の外周壁面における放電空間Sからの放射光を透過する光透過部分に対向するよう設けられており、これにより後述するように光透過部分を冷却する冷却手段が構成されている。
以上のエキシマランプ10において、外側管11を形成する誘電体としては、放電容器Sからの放射光を透過するための光透過部分を形成することができるものであれば、合成石英ガラスに制限されるものではなく、例えばフッ化マグネシウム(MgF2 )などの透光性を有するものを用いることができるが、通常、合成石英ガラスが用いられる。
また、ヒーター17としては、エキシマランプ10に係るランプ温度を、例えば100〜200℃に制御することができるものであればよく、適宜のものを利用することができるが、第2の電極16に密接して設けられるものであるため外部との絶縁性に優れているものであることが好ましい。このようなヒーターとしては、例えば入力電力が300〜2000Wのセラミックスヒーター、または、例えばミクスプリン(Mycusprine)様アミノ酸誘導体などの紫外線吸収体による熱変換物質などを利用することができる。
ここで、エキシマランプに係るランプ温度とは、本願の効果を考えればエキシマランプ中のガス温度を示すべきであるが、その測定は困難であるため、ここでは放電容器の外周壁面のもっとも高い温度をいう。
冷却手段としては、放電容器14における光透過部分の温度を、適宜の冷却用媒体を当該光透過部分に接触させることにより、当該光透過部分の温度を、例えば0〜200℃に制御することができるものであればよく、冷却用媒体としては、特定波長の真空紫外光に吸収特性を有するものでなければ特に限定されるものではないが、例えば窒素ガスなどの不活性ガスを好ましく用いることができる。冷却用媒体の種類、温度、供給量およびその他の条件は、既述の態様による温度制御が達成されるよう適宜選択される。
上記の構成を有するエキシマランプ10における寸法例を挙げると、例えば放電容器14の外径が10〜50mm、内径が2〜40mm、管軸に沿った長さが120〜3100mmであり、ヒーター17の外径が1.5〜39.5mm、管軸に沿った全長が100〜3000mm、であって、キセノンガスが10〜133kPaで封入されているものである。
以上のエキシマランプ10においては、点灯に際してヒーター17が動作状態とされることにより、放電用ガスであるキセノンガスが放電空間に露出した放電容器の内周壁面に比較的広い面積で有効に接触しているために、内側管12の内周壁面が加熱されると当該内側管12の外周壁面に接触しているキセノンガスが高い効率をもって加熱されて、エキシマランプ10に係るランプ温度が高くなり、その結果、後述する実験例の結果からも明白なように、当該エキシマランプ10より、波長ピークが短波長側にシフトした放射光を得ることができ、従って、特定波長の真空紫外光を高い効率で得ることができる。
また、前記ヒーター17と共に冷却手段が動作状態とされて、冷却用ノズル182からの冷却風が外側管11に係る光透過部分に吹きつけられる。これにより、上記加熱機構によってエキシマランプ10のランプ温度が相当に高くなっても、当該光透過部分を形成する合成石英ガラスの温度が所定の温度範囲に制御されることとなる。その結果、当該光透過部分に係る高い特定波長の真空紫外光の透過率が確実に維持されることとなる。
従って、本発明のエキシマランプによれば、高いランプ温度によって放電空間において得られた特定波長の真空紫外光を、確実に放電容器の外部に放射することが可能である。そして、このようなエキシマランプを光源ランプとして種々の被処理体の表面処理工程に利用することにより、当該処理を高い効率で実行することが可能となる。
以上、本発明のエキシマランプの一実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、加熱機構は、外側管の外周壁面を加熱するものであってもよく、内側管の内周壁面および外側管の外周壁面の両方を加熱するものであってもよい。
ここで、外側管の外周壁面を加熱する加熱機構が設けられてなるエキシマランプとしては、外側管の外周壁面の一部に管軸方向全長にわたって接近して対向する、例えばアルミニウムなどの高熱電導性の金属よりなる加熱ブロック18が設けられた構成のものを挙げることができる。このような構成においては、冷却手段は、例えば独立した冷却風通路用ダクトなどにより構成されているものとすることができる。
更に、エキシマランプとしては、光透過部分が封止部材により形成されている構成のものであってもよい。
図3は、本発明に係るエキシマランプの他の構成であって、加熱機構一体型電極を備えてなる構成を、管軸に沿った断面で示す説明用図面である。
図示するエキシマランプ10において、加熱機構一体型電極は、内側管12の管軸に沿って伸び、その一端(図3において左方)が気密に封止されている、例えばステンレスなどの導電性の金属よりなる筒状体171、および、この筒状体171の内部に配設されて、当該筒状体171との間に加熱用熱交換媒体Fが流通する送入用流通路173を形成すると共に、その内部に排出用流通路174を形成する、例えばステンレスなどの導電性の金属よりなる流通路形成管172よりなる構成とされており、この筒状体171が第2の電極16として機能する構成とされている。
図3において、エキシマランプ10は、上記の構成以外は、基本的に図1に示すエキシマランプと同様の構成を有するものである。
この例の加熱機構においては、供給された加熱用熱交換媒体Fが、筒状体171と流通路形成管172との間に形成された送入用流通路173を流通することにより筒状体171を加熱し、その後、流通路形成管172の内部に形成された排出用流通路174を通じて外部に排出されることとなる。
ここで、加熱用熱交換媒体Fとしては、筒状体171が第2の電極16を形成するものであることから高い絶縁性を有するものであることが必要であり、例えばフッ素系不活性液体(フロリナート)を好ましく用いることができる。加熱用熱交換媒体Fとしてフロリナートが用いられた場合においては、その温度は例えば100〜200℃、流通量は、例えば500〜2000ml/分とされる。
以上の構成において、筒状体171は外径が、例えば1.5〜39.5mmであり、流通路形成管は外径が、例えば1.0〜30mmである。
以上の構成を有するエキシマランプによれば、例えば筒状体に送入する加熱用熱交換媒体の温度を変更することにより、エキシマランプに係るランプ温度を、高い温度で確実に制御することが可能である。従って、後述する実験例の結果からも明白なように、当該エキシマランプ10より、波長ピークが所期の態様で短波長側にシフトした放射光を得ることができ、従って、特定波長の真空紫外光を高い効率で得ることができる。
図4は、本発明に係るエキシマランプの他の例における構成を、管軸に沿った断面で示す説明用断面図、図5は、図4に示すエキシマランプを、管軸に垂直な断面で示す説明用断面図である。
具体的には、エキシマランプ30は、例えば合成石英ガラスなどの誘電体よりなる概略円筒状の管31と、この管31により形成された円筒状の空間の両端部を気密に閉塞する封止部材321、322とよりなる密閉型の放電容器33を有する構成とされ、この放電容器33の内部空間により放電空間Sが形成され、この放電空間Sにはキセノンガスが充填されている。
放電容器33には、その外周壁面に沿って密接した状態で、例えば網状の導電性材料よりなる、光透過性を有する外部電極34が設けられていると共に、放電容器33の管軸に沿って、内部加熱機構である、後述する構成を有する加熱機構一体型電極よりなる円筒状の内部電極35が設けられた構成とされており、この外部電極34および内部電極35は、エキシマランプ30に高周波電力を供給する点灯用電源装置(図示せず)に接続されている。
ここで、内部電極35を形成する加熱機構一体型電極は、放電容器33の管軸に沿って伸び、その一端(図3において左方)が気密に封止されている、例えばステンレスなどの導電性の金属よりなる筒状体361、および、この筒状体361の内部に配設されて、当該筒状体361との間に加熱用熱交換媒体Fが流通する送入用流通路363を形成すると共に、その内部に排出用流通路364を形成する、例えばステンレスなどの導電性の金属よりなる流通路形成管362よりなる構成とされており、この筒状体361によって当該内部電極35が形成されている。
エキシマランプ30には、放電容器33の一部に管軸方向全長にわたって接近して対向し、エキシマランプ30が過度に高温となることを防止する、例えばアルミニウムなどの高熱電導性の金属よりなる冷却ブロック37が設けられている。
そして、冷却風通路371が、エキシマランプ30の両脇の近接した領域において管軸方向に並ぶよう適宜の間隔で設けられた複数(例えば14個)の開口部371aに連通するよう冷却ブロック37の内部を貫通して伸びて形成されており、これらの開口部371aにはそれぞれ、冷却用ノズル372が、冷却ブロック37から突出した放電容器33の外周壁面における放電空間Sからの放射光を透過する光透過部分に対向するよう設けられており、これにより光透過部分を冷却する冷却手段が構成されている。
エキシマランプ30は、上述したように、単管構造の放電容器33を有し、加熱機構一体型電極よりなる内部電極35がキセノンガスに露出した態様でこの放電容器33内に同軸状となるよう配設されている他は、図1に示すエキシマランプと同様の構成とされており、当該エキシマランプと基本的に同様の動作条件において点灯される。
以上のように放電空間に露出した内部電極を有するエキシマランプにおいては、当該内部電極が加熱機構一体型電極により形成されてなるものであるため、放電用ガスに直接的に接触する当該内部電極の外周壁面を介して、高い効率で当該放電用ガスを加熱することができると共に、当該温度の制御を確実に実行することができる。従って、後述する実験例の結果からも明白なように、当該エキシマランプ30より、波長ピークが所期の態様で短波長側にシフトした放射光を得ることができ、従って、特定波長の真空紫外光を高い効率で得ることができる。
図6は、本発明に係るエキシマランプの他の例における構成を、管軸に沿った断面で示す説明用断面図である。
図示の構成を有するエキシマランプ30は、下記の点を除いて、上記図4および図5に示すエキシマランプと基本的に同様の構成を有し、同様の動作条件において点灯されるものである。
すなわち、図6に示すエキシマランプ30においては、放電容器33の管軸に沿って、例えばタングステンなどの導電性材料よりなるコイル状の内部電極35が配設されてなり、また、放電容器33の外周壁面の一部に管軸方向全長にわたって接近して対向する、例えばアルミニウムなどの高熱電導性の金属よりなる、外部加熱機構として機能する加熱ブロック38が設けられてなるものであり、光透過部分に係る冷却手段は設けられていない。
ここで、加熱ブロック38は、例えばその内部に、図示しないセラミックヒーター、または加熱用熱交換媒体が流通するための流通路などが形成されてなるものである。
以上のエキシマランプによれば、点灯に際して加熱ブロックが動作状態とされることにより、放電用ガスであるキセノンガスが放電空間に露出した放電容器の内周壁面に比較的広い面積で有効に接触しているために、放電容器の外周壁面が加熱されると当該放電容器332の内周壁面に接触しているキセノンガスが高い効率をもって加熱されて、エキシマランプ10に係るランプ温度が高くなり、その結果、後述する実験例の結果からも明白なように、当該エキシマランプ10より、波長ピークが短波長側にシフトした放射光を得ることができ、従って、特定波長の真空紫外光を高い効率で得ることができる。
以下、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔実験用エキシマランプの作成例1〕
図7に示す構成に従って、実験用エキシマランプを作製した。この実験用エキシマランプ40において、放電容器41は、基本的に二重管構造の領域411を有してなるものである。
具体的には、放電容器41は、概略円筒状の誘電体よりなる外側管42と、この外側管42内において同軸状となるよう配設された、当該外側管42の内径より小さい外径および短い全長を有する、誘電体よりなる概略円筒状の内側管43とよりなり、この外側管42および内側管43は、各々の一端部が揃うよう偏位して配設されることにより、図示するように、その一端側(図7において左方)が単管構造とされると共に、他端側(図7において右方)が二重管構造とされている。
そして、外側管42の一端が、円盤状の光透過窓部材441により気密に閉塞され、外側管42および内側管43により区画される円筒状の空間が、当該外側管42の他端側において、リング状の封止部材442により気密に封止され、外側管42の内部の空間において内側管43の一端が、封止部材443により気密に閉塞されて、密閉型の放電空間Sが形成されている。ここで、内側管43の内部空間は、放電容器41の外部空間と連通した構成とされている。
外側管42の二重管構造の領域411には、その外周壁面に沿って密接した状態で、網状の第1の電極44が設けられていると共に、内側管43には、その内周壁面に密接した状態で、図3に示す構成を有する、第2の電極を形成する加熱機構一体型電極が設けられている。ここで、加熱用熱交換媒体としてフロリナートを用いた。
外側管42の単管構造の領域には、その外周壁面の一部において、全周方向にわたって密接して実験用エキシマランプ40が過度に高温になることを防止する、例えばアルミニウムよりなる冷却ブロック46が設けられている。
図7において、451は、内部電極としても機能する筒状体、452は、加熱用熱交換媒体の流通路を形成する流通路形成管、47は、ランプ温度を計測するための熱電対である。
実験用エキシマランプ40の具体的な仕様を以下に示す。
放電容器(41)
外側管(42) :外径;26mm、全長;300mm
内側管(43) :外径;16mm、全長;100mm
光透過窓部材(441):材質;フッ化マグネシウム
加熱機構
筒状体(451) :外径;14mm、材質;ステンレス
流通路形成管(452):外径;6mm、材質;ステンレス
第1の電極(44) :長さ(管軸方向);100mm、材質;ステンレス
第2の電極 :長さ(管軸方向);100mm、材質;ステンレス
入力電力 :電力;30W
放電用ガス :キセノンガス、封入ガス圧;70kPa
実験用エキシマランプ40を用いて、点灯条件を一定に維持した状態で加熱機構において加熱用熱交換媒体の温度および流量を変化させることにより当該ランプ温度を変化させることにより、異なる温度状態で得られる光透過窓部材(441)からの透過光の発光スペクトルを観測した。結果を図8に示す。光透過窓部材(441)は、フッ化マグネシウムよりなり、これは、その温度状態によって真空紫外光の透過波長特性が変化しないものである。
図8に示すとおり、ランプ温度が高い状態においては、ピーク波長の短い真空紫外光を得ることができることが明らかである。
〔実験用エキシマランプの作成例2〕
図1および図2に示す構成に従って、本発明に係るエキシマランプを作成した。
このエキシマランプの具体的な構成および使用は以下に示すとおりである。
放電容器(14)
外側管(11) :外径;26mm、全長;300mm、材質;合成石英ガラス
内側管(12) :外径;16mm、全長;300mm、材質;合成石英ガラス
ヒーター(17) :外径;13mm、全長220mm、入力電力;50W
放電用ガス :キセノンガス、封入ガス圧;70kPa
冷却ブロック(18):材質;アルミニウム
開口部(181a) :数;管軸方向に50mmの間隔で、エキシマランプの左右に7 個づつ
冷却手段
冷却風 :媒体;窒素ガス、温度;室温(25℃)、流量;10L/分
入力電力 :電力;30W
<実験例>
上記のエキシマランプを、条件(a)加熱機構が作動状態で冷却手段が非作動状態、条件(b)加熱機構および冷却手段が作動状態、の2つの異なる条件で点灯して、得られる放射光における波長165nmの真空紫外光の強度を測定した。各条件で得られた当該波長165nmの真空紫外光の強度の値を、条件(c)加熱機構および冷却手段が非作動状態で得られた値と比較した。
その結果、条件(c)で点灯させた際に得られた波長165nmの真空紫外光の強度を1とした場合において、条件(a)で点灯させた際に得られた当該発光強度は1.3であり、(b)で点灯させた際に得られた当該発光強度は1.5であった。
以上のように、本発明に係るエキシマランプにおいては、加熱機構を利用してランプ温度を制御することにより、特定波長の真空紫外光を高い効率で得ることができると共に、光透過窓を冷却することにより、当該特定波長の真空紫外光を高い効率で、放電容器の外部に透過させることができることが確認された。
本発明に係るエキシマランプの一例における構成を、管軸に沿った断面で示す説明用断面図である。 図1に示すエキシマランプを、管軸に垂直な断面で示す説明用断面図である。 本発明に係るエキシマランプの他の構成であって、加熱機構一体型電極を備えてなる構成を、管軸に沿った断面で示す説明用図面である。 本発明に係るエキシマランプの他の例における構成を、管軸に沿った断面で示す説明用断面図である。 図4に示すエキシマランプを、管軸に垂直な断面で示す説明用断面図である。 本発明に係るエキシマランプの他の例における構成を、管軸に沿った断面で示す説明用断面図である。 本発明の効果を確認するため実験用エキシマランプの構成を、管軸に沿った断面で示す説明用断面図である。 実験例に係るエキシマランプにおいて、異なる温度状態で得られる光透過窓部材からの透過光の発光スペクトルを示すスペクトル図である。
符号の説明
10 エキシマランプ
11 外側管
12 内側管
131、132 封止部材
14 放電容器
15 第1の電極
16 第2の電極
17 ヒーター
171 筒状体
172 流通路形成管
173 送入用流通路
174 排出用流通路
18 冷却ブロック
181 冷却風通路
181a 開口部
182 冷却用ノズル
30 エキシマランプ
31 管
321、322 封止部材
33 放電容器
34 外部電極
35 内部電極
361 筒状体
362 流通路形成管
363 送入用流通路
364 排出用流通路
37 冷却ブロック
371 冷却風通路
371a 開口部
372 冷却用ノズル
38 加熱ブロック
40 実験用エキシマランプ
41 放電容器
411 領域
42 外側管
43 内側管
44 第1の電極
441 光透過窓部材
442 封止部材
443 封止部材
451 筒状体
452 流通路形成管
46 冷却ブロック
47 熱電対

Claims (3)

  1. 概略円筒状の外側管およびこの外側管と同軸状になるよう配設された概略円筒状の内側管よりなる放電容器と、外側管の外周壁面に沿って設けられた第1の電極と、内側管の内周壁面に沿って設けられた第2の電極とを有してなり、放電容器の円筒状の内部空間にキセノンガスが充填されてなるエキシマランプであって、
    放電容器は合成石英ガラスにより形成されてなり、
    放電容器における内側管の内周壁面を当該放電容器の外部から加熱するための加熱機構が設けられており、
    放電容器の外側管における光透過部分を冷却するための冷却手段が設けられていることを特徴とするエキシマランプ。
  2. 加熱機構が、内側管の管軸に沿って伸びるよう配設された、その内部に加熱用熱交換媒体が流通される筒状体により構成されてなることを特徴とする請求項1に記載のエキシマランプ。
  3. 筒状体により第2の電極が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のエキシマランプ。
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