JP4329257B2 - ロボット装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロボット装置に係り、特に、ビジュアルサーボを用いてロボットアームを制御するロボット装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビジュアルサーボによりロボットアームを制御する方法として、文献 Bernard Espiau,rancois Chaumette and Patrick Rives,A New Approach to Visual Servoing in Robotics,IEEE Trans.Robotics and Automation,8(3),313-326,1992に記載されているように、目標位置のn個の画像特徴量F*=[F* i](i=1,2,・・・,N)を予め定義しておき、現在位置での画像特徴量FがF*に一致するように制御する方法が知られている。具体的には、画像特徴量とロボット手先位置の速度の関係を線形に表した画像ヤコビアンという行列を用いて、手先速度を生成している。
【0003】
ここで、手先速度をT=(txyzωxωyωzTと表し、画像特徴量をFi(uiiTと表すと、速度Tは、以下の式(1)により求められる。
【0004】
T=−λLT+e (1)
ここで、λはゲインであり、eは以下の式(2)で表されるベクトルである。
【0005】
【数1】
Figure 0004329257
【0006】
また、LT+は画像ヤコビアン行列LTの擬似逆行列であり、LT+は以下の式(3)で表される。
【0007】
【数2】
Figure 0004329257
【0008】
なお、ziは、カメラからみた画像特徴量Fiまでの距離である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、目標位置での画像特徴量F*と現在位置での画像特徴量Fとの差eとヤコビアン行列LTの擬似逆行列との積に基づいて、6次元の手先速度Tを一度に求めている。このため、例えば現在位置が目標位置に対してz軸回りの回転だけがずれていた場合、z軸回りの回転速度だけでなく、z軸方向の速度成分も生成される。
【0010】
また、式(1)で計算される手先速度Tの各成分がどのような値になるのかをe,LT+から推測するのは困難である。そのため、対象物が画像周縁部で観測される場合には、対象物が視野から外れてしまうなどの問題が生じる。
【0011】
さらに、例えば図16に示すように、目標位置において対象物の全体を撮像して、すべての画像特徴量を抽出することができる場合でなければ、ロボットアームを精度よく制御することができないという問題もあった。
【0012】
また、例えば図17に示すように、画像特徴量が撮像画像のある領域に偏在している場合では、xy軸方向の位置精度と比較して、奥行きの位置精度が顕著に低下してしまうことがあった。さらに、図18に示すように、画像特徴量が直線状に並んでいる場合では、xz軸回りの姿勢精度と比較して、y軸回りの姿勢精度が低下してしまうことがあった。したがって、このような場合であっても、ロボットアームを精度よく制御することが要求されていた。
【0013】
本発明は、上述した課題を解決するために提案されたものであり、ある速度成分だけに変化が生じた場合や、画像特徴量の抽出に偏りが生じていても、精度よくロボットアームを制御することができるロボット装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、所定の作業を行うロボットアームと、前記ロボットアームの手先の近傍に固定された状態で対象物を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像された対象物の画像に基づいて、前記対象物の特徴部分の座標を画像特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、前記ロボットアームの手先が前記対象物に対して相対的な目標位置にあったときに、前記特徴量抽出手段によって予め抽出された画像特徴量を記憶する特徴量記憶手段と、前記特徴量記憶手段に記憶されている画像特徴量と、前記手先が現在位置にあるときに前記特徴量抽出手段で抽出された画像特徴量とに基づいて、複数の軸方向の並進速度と各軸回りの回転速度を算出するにあたり、少なくとも所定の軸方向の並進速度を第1の速度成分に振り分け、その他の軸方向の並進速度を第2の速度成分に振り分け、(1)各軸回りの回転速度の全部第1の速度成分に振り分け、又は、(2)各軸回りの回転速度の全部を第1及び第2の速度成分と異なる他の速度成分に振り分け、又は、(3)各軸回りの回転速度の一部を第1の速度成分に振り分け、残りの回転速度を第1及び第2の速度成分と異なる他の速度成分に振り分け、各速度成分を他の速度成分を用いることなく算出する速度算出手段と、前記速度算出手段で算出された各速度成分に含まれる並進速度及び回転速度に基づいて、前記ロボットアームの手先を前記対象物に対して相対的な目標位置に移動させる制御を行うアーム制御手段と、を備えて構成されている。
【0015】
この発明は、対象物に対して相対的な目標位置において抽出された画像特徴量と、現在位置において抽出された画像特徴量とを略一致させるために、ロボットアームのアーム手先の速度を算出する。アーム手先の速度は、一般に、複数の軸方向の並進速度及びこれらの軸回りの回転速度から構成される。ここで、アーム手先の速度を算出の仕方によっては、所定の軸方向の並進速度に変化が生じると、所定軸回りの回転速度に変化が生じることがあり、またその逆もある。そこで、少なくとも所定の軸方向の並進速度を第1の速度成分に振り分け、その他の軸方向の並進速度を第2の速度成分に振り分け、(1)各軸回りの回転速度の全部第1の速度成分に振り分け、又は、(2)各軸回りの回転速度の全部を第1及び第2の速度成分と異なる他の速度成分に振り分け、又は、(3)各軸回りの回転速度の一部を第1の速度成分に振り分け、残りの回転速度を第1及び第2の速度成分と異なる他の速度成分に振り分け、各速度成分を他の速度成分を用いることなく算出する。これにより、上述した影響を回避して、アーム手先の位置決めを精密に行うことができる。
【0016】
また、請求項2記載のように、前記速度算出手段は、前記ロボットアームの手先が1つ以上の回転速度の回転方向において制限されている場合に、制限されている回転速度のみを含む第3の速度成分を算出せず、当該第3の速度成分以外の速度成分を算出してもよい。
【0017】
請求項3記載の発明は、所定の作業を行うロボットアームと、前記ロボットアームの手先の周辺に固定された状態で対象物及びその周辺を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像された対象物及びその周辺の画像に基づいて、前記対象物及びその周辺の特徴部分の座標を画像特徴量としてそれぞれ抽出する特徴量抽出手段と、前記ロボットアームの手先が前記対象物に対して相対的な目標位置にあったときに、前記特徴量抽出手段によって予め抽出された対象物及びその周辺の画像特徴量を、第1の対象物特徴量及び第1の周辺特徴量として記憶する特徴量記憶手段と、前記特徴量記憶手段に記憶されている第1の対象物特徴量及び第1の周辺特徴量と、前記ロボットアームの手先が現在位置にあるときに前記特徴量抽出手段で抽出された対象物及びその周辺の画像特徴量である第2の対象物特徴量及び第2の周辺特徴量とに基づいて、前記手先を前記対象物に移動させる速度を算出する速度算出手段と、前記速度算出手段で算出された速度に基づいて、前記ロボットアームの手先を前記対象物に対して相対的な目標位置に移動させる制御を行うアーム制御手段と、を備えて構成されている。
【0018】
特徴量抽出手段は、撮像手段によって撮像された画像に基づいて、対象物の特徴量だけでなく、その周辺の特徴量も抽出する。ここで、第1及び第2の対象物特徴量だけであっても、これらに基づいてアーム手先を対象物に対して相対的な目標位置に制御することは可能である。しかし、撮像された画像中において第1及び第2の対象物特徴量の領域が偏っていたり、それらがどのように配列されていても、常に精度よくアーム手先を位置決めすることが必要である。そこで、さらに、対象物の周辺の画像特徴量である第1及び第2の周辺特徴量を用いて、アーム手先を移動させる速度を正確に算出して、精密に位置決めを行っている。
【0019】
ここで、第1及び第2の対象物特徴量だけでは、所定軸方向の並進速度を正確に算出することが困難な場合は、請求項4記載のようにするのが好ましい。すなわち、前記速度算出手段は、前記第1及び第2の周辺特徴量間の線分の長さを算出し、各線分の長さに基づいて所定軸方向の並進速度を算出すればよい。例えば、第1の周辺特徴量間の線分の長さと第2の周辺特徴量間の線分の長さとの比を算出し、線分の長さの比から所定軸方向の並進速度を算出することができる。さらに、第1の周辺特徴量間の線分の長さから当該線分で囲まれる面積を算出し、同様にして第2の周辺特徴量間の線分の長さから当該線分で囲まれる面積を算出して、2つの面積の比から所定軸方向の並進速度を算出することができる。
【0020】
また、第1及び第2の対象物特徴量だけでは、所定軸回りの回転速度を正確に算出することが困難な場合は、請求項5記載のようにするのが好ましい。すなわち、前記速度算出手段は、前記第1の周辺特徴量の位置から前記第2の周辺特徴量の位置に姿勢を変換する姿勢変換行列に基づいて、所定軸回りの回転速度を算出すればよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
[第1の実施の形態]
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係るロボット装置は、対象物設置台11に置かれた対象物12に対する相対的な目標位置まで移動するように、ロボットアーム1を制御するものである。
【0023】
なお、図1では、対象物12は対象物設置台11上に静止した状態で置かれており、ロボット装置のベース部分は固定されている。しかし、本発明は、このような実施の形態に限定されるものではなく、対象物12がロボット装置に対して相対的に静止している場合や相対的に移動している場合であってもよい。例えば、対象物12とロボット装置が共に同じ速度で移動している場合、対象物12が図示しないコンベアによって搬送されている場合、ロボット装置が台車等に設置されて移動するような場合であっても、適用することができる。なお、第2の実施の形態でも同様である。
【0024】
このロボット装置は、対象物12に所定の作業を行うロボットアーム1と、対象物12を撮像するCCDカメラ2と、CCDカメラ2が撮像した画像から特徴量を抽出するセンサコントローラ3と、座標変換や軌道生成等を行い、図示しないサーボ回路やアンプなどを有し、ロボットアーム1の動作を制御するロボットコントローラ4とを備えている。
【0025】
CCDカメラ2は、ロボットアーム1のアーム手先1Aの近傍に固着されている。なお、カメラ座標系は、図2に示すように、CCDカメラ2の撮像方向をz軸とし、さらに互いに直交するようにx軸及びy軸を設けている。
【0026】
最初に準備作業として、目標位置における対象物12の画像特徴量を取得する。具体的には、ロボットコントローラ4は、図2に示すように、ロボットアーム1のアーム手先1Aを、対象物12に対して相対的な目標位置に配置する。そして、CCDカメラ2は、図3に示すように、対象物12を撮像し、この画像をセンサコントローラ3に供給する。
【0027】
センサコントローラ3は、CCDカメラ2からの撮像画像に基づいて、対象物12の特徴量を抽出する。例えば、対象物12の上面に6つのネジ穴が形成されていた場合、これらの穴の中心位置(F* 1〜F* 6)の画像中での座標値(u* i,v* i)を、目標位置での画像特徴量F* i(i=1,・・・,6)として抽出する。ロボットコントローラ4は、センサコントローラ3で抽出された目標位置での画像特徴量F* iを記憶し、これを後述する処理で用いる。
【0028】
なお、CCDカメラ2で撮像された画像からネジ穴の中心位置を計測する方法としては、例えば二値化画像処理やエッジ処理などの公知の手法を適用すればよい。また、ここではネジ穴の中心位置の座標を画像特徴量F* iとしたが、線分の端点、コーナ、二値化画像の孤立領域の面積の重心など、他の画像特徴量を用いてもよい。さらに、画像特徴量F* iである座標値(u,v)は、図3に示すように、画像中心を原点、横方向をx軸、縦方向をy軸とする画像座標系によって定義されているが、その他カメラ座標系によって定義してもよい。
【0029】
このような準備作業が終了すると、ロボットコントローラ4は、現在位置(目標位置とは異なる位置)にあるロボットアーム1のアーム手先1Aを、対象物12に対する目標位置まで移動させる制御を行う。
【0030】
アーム手先1Aの現在位置が例えば図4に示す位置にある場合、CCDカメラ2は、対象物12を撮像して、図5に示すような画像を出力する。そして、図6に示すステップST1以下の処理を実行する。
【0031】
ステップST1において、センサコントローラ3は、目標位置における画像特徴量F* iの抽出と同様にして、現在位置における画像特徴量Fを抽出する。すなわち、対象物12の各穴(F1〜F6)の中心位置の画像中での座標値(ui,vi)を、現在位置における画像特徴量Fi(i=1,・・・,6)として抽出して、ステップST2に進む。
【0032】
ステップST2において、ロボットコントローラ4は、現在位置での画像特徴量Fと目標位置の画像特徴量F*の差から、以下の式(4)に示すベクトルeを求める。
【0033】
【数3】
Figure 0004329257
【0034】
そして、ベクトルeの各要素の平均を基準として、画像特徴量の差residを以下の式(5)から求めて、ステップST3に進む。
【0035】
【数4】
Figure 0004329257
【0036】
なお、Nは画像特徴量F,F* iの個数を示し、ここではN=6である。また、画像特徴量の差residは、例えば現在位置での画像特徴量Fと目標位置の画像特徴量F*の距離の平均値を基準にしてもよい。すなわち、以下の式(6)を求めてもよい。
【0037】
【数5】
Figure 0004329257
【0038】
ステップST3において、ロボットコントローラ4は、画像特徴量の差residが所定の閾値ε以下であるかを判定し、それが閾値ε以下であるときはロボットアーム1のアーム手先1Aが目標位置に制御されたと判定して、処理を終了する。一方、画像特徴量の差residが所定の閾値ε以下でないときは、ステップST4に進む。
【0039】
その他、以下の式(7)が成り立つかを判定してもよい。
【0040】
【数6】
Figure 0004329257
【0041】
このとき、ベクトルeの絶対値の最大が閾値ε以下であれば、目標位置に制御されたと判定することができる。
【0042】
また、現在位置での画像特徴量Fと目標位置の画像特徴量F*から画像特徴量の差residを求めるのではなく、例えば後述するステップST4で得られるアーム手先1Aの速度(以下「アーム手先速度」という。)Tが十分に小さくなった時に目標位置に制御できたと判定してもよい。
【0043】
ステップST4において、ロボットコントローラ4は、画像特徴量F*,Fを用いて、6つのパラメータからなるアーム手先速度Tを算出する。なお、第1の実施の形態では、以下に説明する第1から第3の算出方法を用いて、アーム手先速度Tを算出する。
【0044】
(第1の算出方法)
第1の算出方法では、アーム手先速度Tを、xy方向の並進速度及び各軸回りの回転速度(txyωxωyωz)と、z方向の並進速度(tz)の2組に分けて算出する。
【0045】
xy方向の並進速度と各軸回りの回転速度(txyωxωyωz)については、式(3)における1,2,4,5,6行目の値からなる画像ヤコビアン行列を用いて算出する。その画像ヤコビアン行列をL5 Tとすると、以下の式(8)が成り立つ。
【0046】
【数7】
Figure 0004329257
【0047】
そして、画像ヤコビアン行列をL5 Tの擬似逆行列L5 T+を用いて、式(1)と同様に、xy方向の並進速度及び各軸回りの回転速度(txyωxωyωz)を求める。これにより、以下の式(9)が求められる。
【0048】
【数8】
Figure 0004329257
【0049】
ここで、λ5はxy方向の並進速度及び各軸回りの回転速度(txyωxωyωz)を求めるためのゲインであり、λ5>0である。以下の説明では、ゲインλはすべて正の値をもつものとする。
【0050】
z方向の並進速度(tz)については、以下のように算出する。ここでは、画像特徴量としてFi=(uii)を直接用いるのではなく、各ネジ穴の中心位置を結んだ線分の長さを用いる。ここで、以下の式(10)に示すように、線分の長さdi,jを定義する。
【0051】
【数9】
Figure 0004329257
【0052】
目標位置における画像特徴量FがN個ある場合は、{N(N−1)/2}個の線分の長さdi,jが求められる。本実施の形態では、N=6であるので、
1,2,d1,3,・・・,d5,6
の15個の線分が得られる。
【0053】
一方、現在位置の画像特徴量F*についても同様にして、各ネジ穴の中心位置を結んだ線分の長さをd* i,jと表す。そして、z方向の並進速度(tz)を、d* i,j及びd* i,jを用いて以下の式(11)から求める。
【0054】
【数10】
Figure 0004329257
【0055】
* i,jに対してdi,jが小さい場合、つまり、(d* i,j−di,j)>0の場合、CCDカメラ2は対象物12に対して近付かなければならない。例えば図2に示す座標系においては、CCDカメラ2はz軸の正方向に動かなければならない。そこで、(d* i,j−di,j)をd* i,jで正規化した値にゲインλtzを乗じた値をz方向の速度成分としている。なお、式(11)では、{N(N−1)/2}個の線分に対する平均値からz方向の速度を求めている。
【0056】
(第2の算出方法)
第2の算出方法では、アーム手先速度Tを、xy方向の並進速度(txy)、Z方向の並進速度(tz)、および各軸回りの回転速度(ωxωyωz)の3組のパラメータに分けて算出する。なお、z方向の並進速度(tz)については、第1の算出方法と同様にして求めればよい。
【0057】
最初に、xy方向の並進速度(txy)については、式(3)における第1行目及び第2行目の値からなる画像ヤコビアン行列を用いて求める。まず、xy方向の並進速度(txy)を求めるための画像ヤコビアン行列を、以下の式(12)で表す。
【0058】
【数11】
Figure 0004329257
【0059】
そして、これの擬似逆行列を用いて、式(1)と同様の方法で、xy方向の並進速度(txy)を求める。すなわち、式(13)を求める。
【0060】
【数12】
Figure 0004329257
【0061】
ここでは、λtx,tyはxy方向の並進速度(txy)を求めるためのゲインである。
【0062】
また、各軸回りの回転速度(ωxωyωz)については、以下のようにして求める。ここで、目標位置におけるアーム手先1Aの位置を示す行列をP*、現在位置におけるアーム手先1Aの位置を示す行列をPとする。目標位置行列Pは、回転行列Rと並進ベクトルtとを用いて、以下の式(14)で表される。
【0063】
【数13】
Figure 0004329257
【0064】
このとき、現在位置での姿勢Rから目標位置での姿勢R*への姿勢変換行列をΔRとすると、ΔR=R-1*の関係が成り立つ。
【0065】
画像から解析する手法として知られているように、位置Pでの画像特徴量Fと位置P*での画像特徴量F*とから、姿勢変換行列ΔRを求めることができる。例えば” 金谷健一著 画像理解(森北出版)1990”の第4章において、空間上の4点以上の点を観測したカメラ移動前と移動後の画像からカメラの移動量を算出する手法が記載されている。なお、姿勢変換行列ΔRの算出は、前記文献に記載された手法に限らず、他の公知の手法を用いてもよい。
【0066】
そして、姿勢変換行列ΔRからxyz軸回りの回転角度ψ,θ,φを算出することについては、よく知られているように等価回転角及び等価回転軸を求める方法に基づいて行えばよい。例えば”R.P.Paul著、吉川恒夫訳、ロボットマニピュレータ(コロナ社)1984”の第30ページに記載されている方法を用いればよい。つまり、等価回転角Θ、等価回転軸a=(axyzTとすれば、xyz軸回りの回転角度ψ,θ,φは、それぞれaxΘ,ayΘ,azΘで求められる。
【0067】
このように、画像特徴量F,F*とから姿勢変換行列ΔRを求め、さらに、姿勢変換行列ΔRから各軸回りの回転角度ψ,θ,φを算出する。そして、各軸回りの回転速度(ωxωyωz)を、算出された回転角度ψ,θ,φを用いて以下の式(15)から求める。
【0068】
【数14】
Figure 0004329257
【0069】
ここで、λωは、回転速度のためのゲインである。
【0070】
(第3の算出方法)
第3の算出方法では、アーム手先速度Tを、xy方向の並進速度(txy)、Z方向の並進速度(tz)、z軸回りの回転速度(ωz)、xy軸回りの回転速度(ωxωy)の4組に分ける。なお、xy方向の並進速度(txy)及びz方向の並進速度(tz)については、第1又は第2の算出方法と同様にして求めればよい。
【0071】
最初に、z軸回りの回転速度(ωz)の算出方法について説明する。ここでは、画像特徴量Fの重心位置Cを求める。ここで重心位置Cは、以下の式(16)により求められる。
【0072】
【数15】
Figure 0004329257
【0073】
重心位置Cから各画像特徴量Fへ向かう単位ベクトルf=(ufi vfiTを求める。単位ベクトルfは、以下の式(17)より求められる。
【0074】
【数16】
Figure 0004329257
【0075】
同様に、目標位置での画像特徴量F*についても、その重心位置C*から各画像特徴量F*へ向かう単位ベクトルf*を求める。そして、単位ベクトルfから単位ベクトルf*への回転角度φを最小2乗法により求める。
【0076】
つまり、c=cosφ、s=sinφと表すと、f=(uf vf)Tとf=(uf* vf*Tの間には、以下の式(18)が成り立つと推定される。
【0077】
【数17】
Figure 0004329257
【0078】
そこで、すべてのf及びf*について、以下の式(19)のようにおく。
【0079】
【数18】
Figure 0004329257
【0080】
そして、式(19)の左辺を行列B、その右辺を行列Aとおくと、以下の式(20)により(c,s)が求められる。
【0081】
【数19】
Figure 0004329257
【0082】
ただし、c2+s2=1の拘束条件を用いない。すなわち、単純に最小2乗法により(c,s)を求めたため、必ずしもc2+s2=1は保証されない。このため、φ=cos-1cまたはφ=sin-1sから回転角度φを求めればよい。
【0083】
また、図7に示すように、目標位置に対して現在位置がxy軸回りの回転を含んでいる場合は、前記方法では正確なz軸回りの回転角度φを求めることができない。しかし、得られた回転角度φ及び後述の方法で求められるxy軸回りの回転角度に基づいて逐次姿勢制御することで、最終的に目標位置に制御することができる。
【0084】
このようにして、z軸回りの回転速度ωzは、以下の式(21)により算出する。
【0085】
【数20】
Figure 0004329257
【0086】
最後に、z軸回りの回転速度ωz及びωyは、第1及び第2の算出方法と同様にして、姿勢変換行列ΔRからxy軸回りの回転角度ψ,θを求める。つまり、式(15)と同様にして、以下の式(22)によって求められる。
【0087】
【数21】
Figure 0004329257
【0088】
このように、ロボットコントローラ4は、第1から第3の算出方法のいずれか1つに従ってアーム手先速度T=(txyzωxωyωz)を算出して、ステップST5に進む。
【0089】
なお、同様にして、アーム手先速度Tを、(txyωxωyωz)及び(tz)に分けて算出してもよい。さらに、(txyωxωy)、(tz)、(ωz)に分けて算出してもよい。
【0090】
ステップST5において、ロボットコントローラ4は、算出されたアーム手先速度Tになるようにアーム手先1Aを制御して、再びステップST1に戻る。
【0091】
以上のように、ロボット装置は、アーム手先速度Tをいくつかの速度成分に分解し、その速度成分毎に独立して画像特徴量F,F*を用いることによって、ロボットアーム1の制御に好適なアーム手先速度Tを算出することができる。特に、第1の算出方法では、アーム手先速度Tの速度成分tzを独立して求めているので、他の速度成分の影響を受けることなく、より正確に速度成分tzを算出することができる。また、この方法では、各速度成分の組毎にゲインを調整できるため、対象物12に対するロボットアーム1の動きを細かく制御することができる。例えば図3に示すように、対象物12に対する目標位置において対象物12が画像中心に観測され、一方現在位置では対象物12が画像周縁部に観測されている場合、第2及び第3の算出方法における(tx,ty)の速度ゲインλtx,tyを大きな値にすることで、アーム制御時には、対象物12をすばやく画像中心位置で観測できるように制御可能である。
【0092】
本実施の形態ではアーム手先速度Tを構成する6つの速度成分を求めていたが、ロボットアーム1の制御に制限を加える場合は、その制限に応じて一部の速度成分だけを求めてもよい。
【0093】
例えば図8に示すように、現在位置から目標位置への姿勢変換行列ΔRにおいてxy軸回り回転速度が零であり、かつアーム手先1Aの座標系に対してxy軸回りに姿勢の変換をしない対象物12に対しては、アーム手先1Aのxyz方向の並進及びz軸回りの回転の4自由度の制御のみによって目標位置への制御が可能なこともある。この場合、必ずしもロボットアーム1の6自由度を制御する必要はなく、作業内容によっては制御すべき自由度に制限を加えてもよい。
【0094】
これは、例えば図9に示すように、パレット21から部品22を取り出す場合に適用することができる。ここで、部品22底面は平面であり、アーム手先1Aのxy平面に対してパレット21、部品22の底面は平行であるものとする。一方、パレット21は2段積み重ねで供給されるか、あるいは1段のみで供給されるかは不明であるものとする。さらに、上段の部品22を取り出した後、下段の部品22も続けて取り出す作業を実施するものとする。
【0095】
この場合、アーム手先1Aの制御すべき自由度は、アーム手先座標系におけるxyz方向の並進成分とz軸回りの回転成分の4自由度である。したがって、上述したように、その他の方向の制御に制限を加えることによって、制御内容を簡単にすることができる。この場合では、ロボットコントローラ4は、xy軸回りの回転速度(ωxωy)を算出する必要がないので、簡易にロボットアーム1を制御することができる。
【0096】
[第2の実施の形態]
つぎに、本発明の第2の実施の形態について説明する。上述した第1の実施の形態と同一の部位には同一の符号を付し、また重複する部分の説明は省略する。
【0097】
第2の実施の形態に係るロボット装置は、図1と同様に構成されているが、対象物12の画像特徴量だけでなく、対象物12以外から観測される画像特徴量も用いてロボットアーム1を制御する。
【0098】
最初に準備作業として、第1の実施の形態と同様に、目標位置における対象物12の画像特徴量を取得する。ロボットコントローラ4は、図10に示すように、ロボットアーム1のアーム手先1Aを、対象物12に対して相対的な目標位置に配置する。そして、CCDカメラ2は、図11に示すように、対象物12を撮像し、この画像をセンサコントローラ3に供給する。
【0099】
センサコントローラ3は、第1の実施の形態と同様にして、CCDカメラ2からの撮像画像に基づいて対象物12の画像特徴量を抽出する。例えば、対象物12の上面に6つのネジ穴が形成されていた場合、目標位置での画像特徴量F* i(i=1,・・・,6)を抽出する。
【0100】
さらに、センサコントローラ3は、対象物12以外についても画像特徴量X*を抽出する。例えば図11に示すように、対象物設置台11の表面の4つの十字図形の各交点について、画像中の座標値(u' i,v' i)を画像特徴量X* i(i=1,・・・,4)として抽出する。ロボットコントローラ4は、センサコントローラ3で抽出された目標位置での画像特徴量F*,X*を記憶し、これを後述する処理で用いる。
【0101】
なお、十字図形の各線分の交点は、従来から用いられているエッジ検出や線分当てはめ等の手法を用いればよい。また、本実施の形態では、対象物設置台11の表面にある十字画像の交点を画像特徴量X*としたが、その他、線分端点、コーナ、二値化画像の孤立領域の面積の重心など、他の画像特徴量を用いてもよい。さらに、画像特徴量X*を示す座標値(u,v)は、画像の中心を原点とし、その画像の横方向をx軸、その縦方向をy軸とする画像座標系で定義されたものであるが、その他、例えばカメラ座標系で定義したものでもよい。
【0102】
このような準備作業が終了すると、次にロボットコントローラ4は、現在位置にあるアーム手先1Aを、対象物12に対する目標位置に移動させる制御を行う。
【0103】
アーム手先1Aの現在位置が例えば図12に示す位置にある場合、CCDカメラ2は、対象物12を撮像して、図13に示すような画像を出力する。そして、図14に示すステップST11以下の処理を実行する。
【0104】
ステップST11において、センサコントローラ3は、第1の実施の形態と同様にして、現在位置における画像特徴量Fi(i=1,・・・,6)を抽出する。さらに、センサコントローラ3は、対象物設置台11の表面にある各十字図形の交点画像中での座標値(ui,vi)を、現在位置における画像特徴量Fi(i=1,・・・,6)として抽出して、ステップST12に進む。
【0105】
ステップST12において、ロボットコントローラ4は、現在位置での画像特徴量Fと目標位置の画像特徴量F*の差、つまり上述した式(4)に示すベクトルeを求める。さらに、ロボットコントローラ4は、画像特徴量X*,Xについて、各点間を結んだ線分の長さを以下の式(23)及び式(24)により求める。
【0106】
【数22】
Figure 0004329257
【0107】
そして、e、di,j,d* i,jを用いて、画像特徴量の差residを以下の式(25)から求める。
【0108】
【数23】
Figure 0004329257
【0109】
ここで、Nは対象物12から観測された画像特徴量F,F*の個数であり、ここではN=6である。また、Mは対象物12以外から観測された画像特徴量X,X*の個数であり、ここではM=4である。
【0110】
なお、式(25)の右辺第1項では、判定基準としてベクトルeの各要素の大きさの平均を用いたが、例えば画像特徴量Fiと画像特徴量Fi *の距離の平均を用いてもよい。すなわち、ロボットコントローラ4は、画像特徴量の差residとして以下の式(26)を求めてもよい。
【0111】
【数24】
Figure 0004329257
【0112】
なお、式(25)及び式(26)の右辺第2項は、画像特徴量X,X*の各点を結んだ線分の長さを用いている。これにより、第1の実施の形態に比べて、より精密にアーム手先1Aの位置決めをすることができる。ロボットコントローラ4は、以上のようにして画像特徴量の差residを求めると、ステップST13に進む。
【0113】
ステップST13において、ロボットコントローラ4は、画像特徴量の差residが所定の閾値ε以下であるかを判定し、それが閾値ε以下であるときはアーム手先1Aが目標位置に制御されたと判定して、処理を終了する。一方、画像特徴量の差residが所定の閾値ε以下でないときは、ステップST14に進む。
【0114】
ステップST14において、ロボットコントローラ4は、画像特徴量F*,X*,F,Xに基づいてアーム手先速度Tを算出する。なお、第2の実施の形態では、以下に説明する第1又は第2の算出方法を用いて、アーム手先速度Tを算出する。
【0115】
(第1の算出方法)
第1の算出方法では、アーム手先速度Tを、xy方向の並進速度及びz軸回りの回転速度の(txyωz)、z方向の並進速度(tz)、xy軸回りの回転速度(ωxωy)の3組に分けて算出する。
【0116】
最初に、xy方向の並進速度及びz軸回りの回転速度の(txyωz)の算出方法について説明する。まず、上述した式(3)に示す行列の1,2,6行目の値を用いて、以下の式(27)に示す画像ヤコビアン行列を求める。
【0117】
【数25】
Figure 0004329257
【0118】
上記式(27)の擬似逆行列を用いて、式(1)と同様にして速度(txyωz)を求める。具体的には、以下の式(28)を演算して速度(txyωz)を求める。
【0119】
【数26】
Figure 0004329257
【0120】
ここで、eは式(4)で定義したベクトル、λtx,ty,ωzは速度(txyωz)を求めるためのゲインであり、λtx,ty,ωz>0である。
【0121】
つぎに、z方向の並進速度(tz)の算出方法について説明する。ここでは、画像特徴量X*,Xを用いて、各特徴点を結んだ直線の長さを求める。
【0122】
対象物12と対象物設置台11の十字図形の位置関係は、図10に示す目標位置の場合と、図12に示す現在位置の場合とでは、それぞれ異なっている。したがって、アーム手先1Aを対象物12に対する目標位置に制御するためには、対象物設置台11の画像特徴量X*,Xを直接用いることはできない。
【0123】
そこで、上述した式(23)で定義された線分の長さdi,jを求めている。なお、M個の画像特徴量Xがある場合は、[M(M−1)/2]個のdi,jが得られる。ここでは、M=4であるので、d1,2,d1,3,・・・,d3,4の6個の線分が得られる。式(24)に示した画像特徴量X*から求められた線分の長さをd* i,jとおくと、z方向の並進速度(tz)は、di,jとd* i,jから、式(29)によって求められる。
【0124】
【数27】
Figure 0004329257
【0125】
* i,jに対してdi,jが小さい場合、すなわち[(d* i,j−di,j)>0]の場合、CCDカメラ2は対象物12に近付かなければならない。つまり、図10に示す手先の座標系において、CCDカメラ2はz軸の正方向に動かなければならない。よって、(d* i,j−di,j)をd* i,jで正規化した値に、ゲインλtzを乗じた値をz方向の速度としている。なお、式(29)では、[M(M−1)/2]個の線分に対する平均値からz方向の速度を求めている。
【0126】
このように、画像特徴量X,X*の線分の長さの比を用いることによって、奥行きの速度成分であるz方向の並進速度(tz)を求めている。これにより、上述した図17に示すような場合は画像特徴量F,F*だけではz方向の並進速度を正確に求めることが困難であるが、対象物12の周囲にある対象物設置台11の画像特徴量X,X*を用いることによってより正確に求めることができる。
【0127】
なお、式(29)において、画像特徴量X,X*の線分の長さの比だけでなく、画像特徴量F,F*の線分の長さの比も混在させてz方向の並進速度を求めてもよい。また、抽出された画像特徴量F,F*が画像の一部分に偏在していなければ、画像特徴量F,F*の線分の長さの比だけを用いてもよい。
【0128】
最後に、xy軸回りの回転速度(ωxωy)の算出方法については、第1の実施の形態で説明した式(14)及び式(15)と同様にすればよい。すなわち、第1の実施の形態と同様に公知の手法を用いて、位置Pでの画像特徴量Xと、位置P*での画像特徴量X*とから、姿勢変換行列ΔRを求める。そして、例えばロール、ピッチ、ヨー変換の解法に基づいて、姿勢変換行列ΔRからx,y軸回りの回転角度ψ,φを算出する。この結果、式(15)より、x,y軸回りの回転速度(ωxωy)を算出することができる。なお、本実施の形態では、式(15)におけるωzは考慮しなくてよい。
【0129】
(第2の算出方法)
第2の算出方法では、アーム手先速度Tを、xy方向の並進速度(txy)、z方向の並進速度(tz)、z軸回りの回転速度(ωz)、xy軸回りの回転速度(ωxωy)の4組に分けて算出する。
【0130】
z方向の並進速度(tz)及びxy軸回りの回転速度(ωxωy)については、本実施の形態の第1の算出方法と同様にして算出すればよい。また、xy方向の並進速度(txy)については、第1の実施の形態の第2の算出方法で説明した式(12)及び式(13)を用いて算出すればよい。z軸回りの回転速度(ωz)については、第1の実施の形態の第3の算出方法で説明した式(16)から式(21)を用いて算出すればよい。
【0131】
ロボットコントローラ4は、このように第1又は第2の算出方法に従ってアーム手先速度Tを算出するとステップST25に進み、アーム手先速度Tになるようにアーム手先1Aを制御して、ステップST21に戻る。
【0132】
このように、このロボット装置は、対象物12の画像特徴量F*,Fと、対象物12の周辺、例えば対象物設置台11の画像特徴量X*,Xとを用いて、アーム手先速度Tを算出する。すなわち、図15に示すように、画面全体にわたって分布している対象物12以外の画像特徴量X,X*を用いて、その画像特徴量X,X*から得られる線分長さの比及び姿勢変換行列ΔRを求めることによって、正確にz方向の並進速度及びxy軸回りの回転速度を求めることができる。
【0133】
なお、本実施の形態の第1及び第2の算出方法において、z方向の並進速度tzを画像特徴量を結ぶ線分の比によって式(29)から求めているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば画像特徴量X*,Xによって構成される凸包図形の面積を用いて並進速度tzを求めてもよい。図11に示す目標位置での画像特徴量X*1〜X*4で構成される四角形の面積をS*、図13に示す現在位置での画像特徴量X1〜X4で構成される四角形の面積をSとすると、
z=λz(S*−S)/S*
から並進速度tzを求めることができる。
【0134】
この結果、上述した図17に示すように、対象物12から得られる画像特徴量F,F*が画像中のある領域に偏在している場合であっても、従来に比べて、ロボットアーム1のアーム手先1Aのz方向の奥行き位置、xy軸回りの姿勢を精度よく制御することができる。また、上述した図18に示すように、画像特徴量がy軸方向に沿って直線状に並んでいる場合であっても、x軸回りだけでなくy軸回りの姿勢も精度よく制御することができる。
【0135】
なお、本発明は、上述した図9に示すように、パレット21が図示しないフォークリフトやAGV(移動台車)によって保持されている状態において、ロボットアーム1が対象物12として部品22を取り出す場合にも適用することができる。
【0136】
この場合、フォークリフトの傾きなどにより、アーム手先1Aのxy平面に対して、パレット21や部品22の底面は必ずしも平行ではない。そのため、アーム手先1Aのxy軸回りの姿勢については、パレット21のコーナを用いて制御する。すなわち、パレット21のコーナから画像特徴量X,X*を抽出すればよい。
【0137】
このとき、ロボットコントローラ4は、対象物12から得られる画像特徴量F,F*を用いて(tx,ty,ωz)を算出し、パレット21コーナの画像特徴量X,X*から得られる線分の長さを用いて(tz)を求め、さらに、この画像特徴量X,X*を用いてxy軸回りの回転速度(ωx,ωy)を算出すればよい。
【0138】
また、第2の実施の形態では、ロボットアーム1を6自由度で制御するために、アーム手先速度Tとして6つのパラメータを求めていた。しかし、第1の実施の形態と同様に4自由度で制御する場合は、アーム手先速度Tとして4つのパラメータだけを求めてもよい。
【0139】
【発明の効果】
本発明は、少なくとも所定の軸方向の並進速度を第1の速度成分に振り分け、その他の軸方向の並進速度を第2の速度成分に振り分け、(1)各軸回りの回転速度の全部第1の速度成分に振り分け、又は、(2)各軸回りの回転速度の全部を第1及び第2の速度成分と異なる他の速度成分に振り分け、又は、(3)各軸回りの回転速度の一部を第1の速度成分に振り分け、残りの回転速度を第1及び第2の速度成分と異なる他の速度成分に振り分け、各速度成分を他の速度成分を用いることなく算出することによって、アーム手先の各速度成分の影響を回避して、精密にアーム手先の位置決めをすることができる。
【0140】
また、本発明は、第1の対象物特徴量及び第1の周辺特徴量と、ロボットアームの手先が現在位置にあるときに抽出された第2の対象物特徴量及び第2の周辺特徴量とに基づいて、手先を対象物に移動させる速度を算出することによって、より正確にアーム手先の速度を算出して、精密にアーム手先の位置決めをすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るロボット装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ロボットアームのアーム手先が対象物に対する目標位置にあるときの状態を説明する図である。
【図3】目標位置で撮像された対象物の画像特徴量を示す図である。
【図4】ロボットアームのアーム手先が現在位置にあるときの状態を説明する図である。
【図5】現在位置で撮像された対象物の画像を示す図である。
【図6】ロボット装置の動作内容を説明するフローチャートである。
【図7】目標位置に対して現在位置がxy軸回りの回転を含んでいる状態を説明する図である。
【図8】アーム手先のxyz方向の並進及びz軸回りの回転の4自由度で制御する状態を説明する図である。
【図9】2段積みのパレットに部品が入っている場合のアプリケーションに適用した場合を説明する図である。
【図10】第4の実施の形態において、ロボットアームのアーム手先が対象物に対する目標位置にあるときの状態を説明する図である。
【図11】目標位置で撮像された対象物及び対象物設置台の画像特徴量を示す図である。
【図12】ロボットアームのアーム手先が現在位置にあるときの状態を説明する図である。
【図13】現在位置で撮像された対象物の画像を示す図である。
【図14】ロボット装置の動作内容を説明するフローチャートである。
【図15】画面全体にわたって分布している対象物以外の画像特徴量を用いて、アーム手先速度を算出することを説明する図である。
【図16】目標位置において対象物の全体を撮像して、すべての画像特徴量を抽出する状態を説明する図である。
【図17】画像特徴量が撮像画像のある領域に偏在している状態を説明する図である。
【図18】画像特徴量が直線状に並んでいる状態を説明する図である。
【符号の説明】
1 ロボットアーム
1A アーム手先
2 CCDカメラ
3 センサコントローラ
4 ロボットコントローラ

Claims (5)

  1. 所定の作業を行うロボットアームと、
    前記ロボットアームの手先の近傍に固定された状態で対象物を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段で撮像された対象物の画像に基づいて、前記対象物の特徴部分の座標を画像特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、
    前記ロボットアームの手先が前記対象物に対して相対的な目標位置にあったときに、前記特徴量抽出手段によって予め抽出された画像特徴量を記憶する特徴量記憶手段と、
    前記特徴量記憶手段に記憶されている画像特徴量と、前記手先が現在位置にあるときに前記特徴量抽出手段で抽出された画像特徴量とに基づいて、複数の軸方向の並進速度と各軸回りの回転速度を算出するにあたり、少なくとも所定の軸方向の並進速度を第1の速度成分に振り分け、その他の軸方向の並進速度を第2の速度成分に振り分け、
    (1)各軸回りの回転速度の全部第1の速度成分に振り分け、又は、
    (2)各軸回りの回転速度の全部を第1及び第2の速度成分と異なる他の速度成分に振り分け、又は、
    (3)各軸回りの回転速度の一部を第1の速度成分に振り分け、残りの回転速度を第1及び第2の速度成分と異なる他の速度成分に振り分け、
    各速度成分を他の速度成分を用いることなく算出する速度算出手段と、
    前記速度算出手段で算出された各速度成分に含まれる並進速度及び回転速度に基づいて、前記ロボットアームの手先を前記対象物に対して相対的な目標位置に移動させる制御を行うアーム制御手段と、
    を備えたロボット装置。
  2. 前記速度算出手段は、前記ロボットアームの手先が1つ以上の回転速度の回転方向において制限されている場合に、制限されている回転速度のみを含む第3の速度成分を算出せず、当該第3の速度成分以外の速度成分を算出する請求項1記載のロボット装置。
  3. 所定の作業を行うロボットアームと、
    前記ロボットアームの手先の周辺に固定された状態で対象物及びその周辺を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段で撮像された対象物及びその周辺の画像に基づいて、前記対象物及びその周辺の特徴部分の座標を画像特徴量としてそれぞれ抽出する特徴量抽出手段と、
    前記ロボットアームの手先が前記対象物に対して相対的な目標位置にあったときに、前記特徴量抽出手段によって予め抽出された対象物及びその周辺の画像特徴量を、第1の対象物特徴量及び第1の周辺特徴量として記憶する特徴量記憶手段と、
    前記特徴量記憶手段に記憶されている第1の対象物特徴量及び第1の周辺特徴量と、前記ロボットアームの手先が現在位置にあるときに前記特徴量抽出手段で抽出された対象物及びその周辺の画像特徴量である第2の対象物特徴量及び第2の周辺特徴量とに基づいて、前記手先を前記対象物に移動させる速度を算出する速度算出手段と、
    前記速度算出手段で算出された速度に基づいて、前記ロボットアームの手先を前記対象物に対して相対的な目標位置に移動させる制御を行うアーム制御手段と、
    を備えたロボット装置。
  4. 前記速度算出手段は、前記第1及び第2の周辺特徴量間の線分の長さを算出し、各線分の長さに基づいて所定軸方向の並進速度を算出する請求項3記載のロボット装置。
  5. 前記速度算出手段は、前記第1の周辺特徴量の位置から前記第2の周辺特徴量の位置に姿勢を変換する姿勢変換行列に基づいて、所定軸回りの回転速度を算出する請求項3または4記載のロボット装置。
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