JP4329032B2 - 信号間振幅差調整回路およびトラッキング誤差検出器 - Google Patents

信号間振幅差調整回路およびトラッキング誤差検出器 Download PDF

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Description

本発明は、位相差比較対象となる信号間の振幅差を効率よく検出する信号間振幅差調整回路、および、この信号間振幅差調整回路を用いたトラッキング誤差検出器に関する。
従来のDVD−ROMなどの光記録再生ディスク装置において、レーザを精度良くpit列に照射させるトラッキングサーボ回路の方式としてDifferential Phase Detector(以下、DPDという)方式がある。
このDPD方式は、ディスク表面上から反射したレーザ光を分割された受光素子で受けると、トラッキング誤差量に応じてそれらの分割された素子から出力される信号間に位相差が生じることを利用し、その位相差情報をフィードバックすることでトラッキング制御する方式である。
このDPD方式のトラッキング誤差検出回路(以下、DPD回路という)ブロックは、この位相差情報を読み取って、あるアナログ量(例えば電圧値)に変換し、後段のDSPに渡すまでの役割を担うものである。
この従来のDPD回路ブロックの基本的な構成のブロック図を図1に示す。
図1に示すように、このDPD回路ブロックの前段には、ディスク面上から反射されたレーザ光を受光する4分割されたフォトダイオードなどの受光素子101があり、それぞれの素子がディスク面上に記録されたデータ波形を出力する。
このDPD回路ブロックは、これら信号波形がフォトダイオードやディスクの品質ばらつきによって非常に小さい場合や大きい場合、適切なレベルまで信号振幅を増減幅するゲインコントロールアンプ102a,102b,102c,102dと、データ波形列に含まれる高周波信号成分を高域強調するイコライザー回路103a,103b,103c,103dと、信号からDCオフセットなどの低域成分を除去するハイパスフィルタ104a,104b,104c,104dと、アナログ信号を2値化する2値化回路105a,105b,105c,105dと、2値化された信号間の位相差を検出し、その検出位相誤差に応じた信号を出力する位相差検出器106a,106bと、検出結果波形を加算する加算回路107と、その加算結果を積分するローパスフィルタ108とを備えている。
4分割された受光素子101から出力される信号は、図1に示す例では、フォトダイオード素子Aとフォトダイオード素子C、また、フォトダイオード素子Bとフォトダイオード素子Dが同位相であり、よってフォトダイオード素子Aとフォトダイオード素子Bとの間、フォトダイオード素子Cとフォトダイオード素子Dとの間において位相差を検出し、ローパスフィルタ108の手前でそれらを加算する方式と、予め各々のフォトダイオード素子から出力される信号をフォトダイオード素子A+フォトダイオード素子C、フォトダイオード素子B+フォトダイオード素子Dというように加算しておき、それらの間の位相差を検出する方式の2通りある。
図1は前者の例であり、フォトダイオード素子Aとフォトダイオード素子Bとの間の位相差を検出する回路と、フォトダイオード素子Cとフォトダイオード素子Dとの間の位相差を検出する回路の構成は基本的に同一であるので以降は、受光素子Aと受光素子Bとの間において位相差を検出する回路について説明するが、当然ながらフォトダイオード素子Aとフォトダイオード素子Bをフォトダイオード素子Cとフォトダイオード素子Dへ置き換えればそのままフォトダイオード素子Cとフォトダイオード素子Dとの間の位相差を検出する回路として流用可能である。
将来的に、光ディスク読出し速度の高倍速化や次世代光ディスクの導入に伴い、入力される信号の帯域がますます高域へとシフトしていくことが予想されるが、このDPD回路、とりわけバイポーラトランジスタに比べて速度が遅くトランスコンダクタGm値も小さいMOSトランジスタにより構成されたDPD回路においては、入力信号帯域が個別回路の使用帯域を超えてしまい、その結果、回路の位相特性が問題となってくると考えられる。
ここで、この位相特性がどのように問題となってくるのかを詳細に述べる。
例えば図1の2値化回路105a,105b、すなわち高ゲインコンパレータでは、後段の位相差検出回路106aにおいて検出を容易にするため急峻なスルーレートを持つ波形を出力する必要がある。前述したようにMOSトランジスタのトランスコンダクタGm値はバイポーラトランジスタよりも小さいために、急峻なスルーレートを実現する高いゲインを得るためには多段のアンプを縦続接続する構成が必要になってくる。
図2は、この多段のアンプを縦続接続した構成を有する2値化回路の動作を示す説明図である。
入力されたアナログ信号はこれら多段のアンプを経る間に図2に示すように徐々に電源電圧のレベルでクリップされていき、最終的にディジタル的な2値化信号へと変化していくが、振幅がクリップされた信号には歪みが生じており、基の信号周波数成分の高調波成分が発生してしまう。そして当然ながら各アンプには有限の帯域が存在し、さらに後段アンプには電源電圧レベルまで出力信号をフルスイングさせられる能力が求められるためにインバータ回路などを用いる必要があり、よって一般的に多段アンプの段数を経る毎に群遅延は一定値を取る領域が狭くなってくる。
図3は、この多段のアンプを縦続接続した構成を有する2値化回路の各アンプ出力における群遅延特性図である。
この群遅延変動が始まる帯域と同等もしくはそれ以上の信号成分が入力されると、出力信号にはその周波数成分によって異なる遅延時間量が発生してしまう。そしてこれら周波数毎に異なる遅延時間量を持つ基本波成分と前記歪みによって生じた高調波成分が合成されたアンプ出力波形には、予測困難な位相シフトが生じることとなる。例えばDVDの8倍速読み取り時における入力信号最高域は約35MHzであり、図3の3rd出力群遅延特性においてその変動がすでに発生している領域に入っている。
この位相シフトは、例えば光ピックアップ内において、「視野振り」と呼ばれる動作によって対物レンズとフォトダイオードとの相対位置関係にずれが生じた時など位相比較対象となる2つの信号間に大きい振幅差(ワーストケースでは4倍〜5倍程度)が発生した場合、このDPD回路ブロックにとっては大きな問題を引き起こす。
図4は、位相比較対象となる2つの信号間に大きい振幅差が発生した場合の問題点を示す説明図である。
すなわち、アンプを多段構成した2値化回路105a,105bにおいて、例えば入力振幅が比較的大きい図4(b)の例では、1段目のアンプを通過した時点ですでに電源電圧で波形がクリップし、歪みが生じることで位相シフトが発生する。そして、2段目、3段目・・・と信号がアンプを経るごとに位相シフトが蓄積されていく。次に、入力振幅が比較的小さい図4(a)の例では、1段目だけではクリップせず歪みも位相シフトも発生しない。そして、2段目のアンプ出力でようやくクリップし位相シフトが引き起こされたとすれば、当然ながら最終的な位相シフトの蓄積量は図4(b)の大振幅信号入力側よりも少なくなる。
このようなディスク表面上から反射したレーザ光を分割された受光素子で受け、トラッキング誤差量に応じてそれら分割された素子から出力される信号間に位相差が生じることを利用しトラッキング制御するDPD方式を用いたものとしては、異なる制御動作に対応してトラッキングエラー信号を出力する低域通過手段の特性を切り替え、トラッキングサーボ制御の精度向上を図るものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−162381号公報
かかるトラッキング誤差検出器では、以下の短所が付随している。すなわち、2値化回路105a,105bへの入力信号間に振幅差がある場合、経路毎に異なる位相シフトを発生させ、このDPD回路ブロックの出力にオフセットを生じさせる原因となり、このような現象に対しては対応できず、また、前記入力信号間の振幅差は動作途中で逐次変化していくものであり、よってオフセット量もその時々で変化し、除去するのが容易でないという課題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、分割された受光素子から出力された信号間の振幅差を効率よく調整可能にする信号間振幅差調整回路と、この信号間振幅差調整回路を用いることで精度の高いトラッキング誤差検出を実現するトラッキング誤差検出器を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明にかかる信号間振幅差調整回路は、ディスク表面のトラック上に照射され、そのトラックから反射したレーザ光を分割された受光素子で受けたときのトラッキング誤差量に応じた位相差を含んで前記分割された受光素子から出力される信号間の振幅差をなくす信号間振幅差調整回路であって、前記各信号の振幅平均値を出力する振幅平均値出力手段と、前記振幅平均値出力手段が出力する前記各信号の振幅平均値をもとに、前記各信号間の振幅を比較する振幅比較手段と、前記振幅比較手段による比較結果をもとに選択した、前記振幅平均値出力手段が出力した振幅の大きい方の一方の信号の振幅平均値と所定電圧値との差分出力をもとに、前記一方の信号の振幅平均値を前記所定電圧値へ一致させるとともに、前記一方の信号の振幅平均値を前記所定電圧値へ一致させるのに要した制御量で振幅の小さいほうの他方の信号の振幅を制御する信号振幅制御手段と、前記信号振幅制御手段により振幅平均値が制御された前記一方の信号と前記他方の信号との比率に応じた前記信号間の振幅差をなくすための制御信号を生成する制御信号生成手段とを備えたことを特徴とする。
また、上述の目的を達成するため、本発明にかかるトラッキング誤差検出器は、分割された受光素子から出力される各信号の振幅平均値を出力する振幅平均値出力手段と、前記振幅平均値出力手段が出力する前記各信号の振幅平均値をもとに、前記各信号間の振幅を比較する振幅比較手段と、前記振幅比較手段による比較結果をもとに選択した、前記振幅平均値出力手段が出力した振幅の大きい方の一方の信号の振幅平均値と所定電圧値との差分出力をもとに、前記一方の信号の振幅平均値を前記所定電圧値へ一致させるとともに、前記一方の信号の振幅平均値を前記所定電圧値へ一致させるのに要した制御量で振幅の小さいほうの他方の信号の振幅を制御する信号振幅制御手段と、前記信号振幅制御手段により振幅平均値が制御された前記一方の信号と前記他方の信号との比率に応じた前記信号間の振幅差をなくすための制御信号を生成し、前記各信号を増幅するゲインコントロールアンプのゲインを前記制御信号をもとに調整し、前記信号間の振幅差をなくす制御信号生成手段とを有した前記信号間振幅差調整回路を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、分割された受光素子から出力された各信号の振幅平均値を出力する振幅平均値出力手段と、前記振幅平均値出力手段が出力する前記各信号の振幅平均値をもとに、前記各信号間の振幅を比較する振幅比較手段と、前記振幅比較手段による比較結果をもとに選択した、前記振幅平均値出力手段が出力した振幅の大きい方の一方の信号の振幅平均値と所定電圧値との差分出力をもとに、前記一方の信号の振幅平均値を前記所定電圧値へ一致させるとともに、前記一方の信号の振幅平均値を前記所定電圧値へ一致させるのに要した制御量で振幅の小さいほうの他方の信号の振幅を制御する信号振幅制御手段と、
前記信号振幅制御手段により振幅平均値が制御された前記一方の信号と前記他方の信号との比率に応じた前記信号間の振幅差をなくすための制御信号を生成する制御信号生成手段とを備えるように構成したので、前記振幅比較手段や前記御信号生成手段に用いられる比較を行う回路素子のヒステリシス幅を固定にすることが可能になり、また、前記各信号の振幅範囲を狭めることが可能になり、広ダイナミックレンジかつ高分解能の回路構成を前記制御信号生成手段に用いることが不要になり、信号間の振幅差を効率よく調整可能にする信号間振幅差調整回路を提供できる効果がある。
また、本発明によれば、分割された受光素子から出力される各信号の振幅平均値を出力する振幅平均値出力手段と、前記振幅平均値出力手段が出力する前記各信号の振幅平均値をもとに、前記各信号間の振幅を比較する振幅比較手段と、前記振幅比較手段による比較結果をもとに選択した、前記振幅平均値出力手段が出力した振幅の大きい方の一方の信号の振幅平均値と所定電圧値との差分出力をもとに、前記一方の信号の振幅平均値を前記所定電圧値へ一致させるとともに、前記一方の信号の振幅平均値を前記所定電圧値へ一致させるのに要した制御量で振幅の小さいほうの他方の信号の振幅を制御する信号振幅制御手段と、前記信号振幅制御手段により振幅平均値が制御された前記一方の信号と前記他方の信号との比率に応じた前記信号間の振幅差をなくすための制御信号を生成し、前記各信号を増幅するゲインコントロールアンプのゲインを前記制御信号をもとに調整し、前記信号間の振幅差をなくす制御信号生成手段とを有した前記信号間振幅差調整回路を備えるように構成したので、精度の高いトラッキング誤差検出を実現するトラッキング誤差検出器を提供できる効果がある。
分割された受光素子から出力される信号間の振幅差を効率よく調整可能にする信号間振幅差調整回路を提供するという目的を、分割された受光素子から出力された各信号の振幅平均値を振幅平均値出力手段から出力させ、前記振幅平均値出力手段が出力した前記各信号の振幅平均値をもとに、前記各信号間の振幅を振幅比較手段により比較させ、前記振幅比較手段による比較結果をもとに選択した、前記振幅平均値出力手段が出力した振幅の大きい方の一方の信号の振幅平均値と所定電圧値との差分出力をもとに、前記一方の信号の振幅平均値を前記所定電圧値へ一致させるとともに、前記一方の信号の振幅平均値を前記所定電圧値へ一致させるのに要した制御量で振幅の小さいほうの他方の信号の振幅を信号振幅制御手段により制御させ、前記信号振幅制御手段により振幅平均値が制御された前記一方の信号と前記他方の信号との比率に応じた前記信号間の振幅差をなくすための制御信号を制御信号生成手段により生成させることで実現した。
また、精度の高いトラッキング誤差検出を実現するトラッキング誤差検出器を提供するという目的を、分割された受光素子から出力される各信号の振幅平均値を振幅平均値出力手段から出力させ、前記振幅平均値出力手段が出力した前記各信号の振幅平均値をもとに、前記各信号間の振幅を振幅比較手段により比較させ、前記振幅比較手段による比較結果をもとに選択した、前記振幅平均値出力手段が出力した振幅の大きい方の一方の信号の振幅平均値と所定電圧値との差分出力をもとに、前記一方の信号の振幅平均値を前記所定電圧値へ一致させるとともに、前記一方の信号の振幅平均値を前記所定電圧値へ一致させるのに要した制御量で振幅の小さいほうの他方の信号の振幅を信号振幅制御手段により制御させ、前記信号振幅制御手段により振幅平均値が制御された前記一方の信号と前記他方の信号との比率に応じた前記信号間の振幅差をなくすための制御信号を制御信号生成手段により生成し、前記各信号を増幅するゲインコントロールアンプのゲインを前記制御信号をもとに調整し、前記信号間の振幅差をなくす信号間振幅差調整回路を備えることで実現した。
図5は、この実施例1のトラッキング誤差検出器の構成を示すブロック図である。
このトラッキング誤差検出器では、2値化回路に入力される2つの信号間の振幅が常に同一となるように、リアルタイムで前記信号間の振幅差を揃える機能を有している。そして、このトラッキング誤差検出器は、図5に示すように、受光素子1と、信号間振幅差調整回路41と、Differential Phase Detector(以下、DPDという)方式のトラッキング誤差検出回路(以下、DPD回路という)ブロック(信号処理回路)51とを備えている。
受光素子1は、ディスク面上から反射されたレーザ光を受光する4分割されたフォトダイオード素子A,B,C,Dから構成され、それぞれの素子がディスク面上に記録されたデータ波形を出力する。
信号間振幅差調整回路41は、振幅差検出回路2,21、およびゲインコントロールアンプ3,4,22,23を備えており、フォトダイオード素子Aから出力される信号とフォトダイオード素子Bから出力される信号との間の振幅差を揃える機能、およびフォトダイオード素子Cから出力される信号とフォトダイオード素子Dから出力される信号との間の振幅差を揃える機能を有している。
ゲインコントロールアンプ3は、フォトダイオード素子Aから出力される信号を増幅するアンプ、ゲインコントロールアンプ4は、フォトダイオード素子Bから出力される信号を増幅するアンプ、ゲインコントロールアンプ22は、フォトダイオード素子Cから出力される信号を増幅するアンプ、ゲインコントロールアンプ23は、フォトダイオード素子Dから出力される信号を増幅するアンプである。
ゲインコントロールアンプ3,4は、そのゲインが振幅差検出回路2から出力されるゲイン個別調整信号をもとにそれぞれ調整可能な構成となっている。また、ゲインコントロールアンプ22,23は振幅差検出回路21から出力されるゲイン個別調整信号をもとにそれぞれ調整可能な構成となっている。
振幅差検出回路2は、フォトダイオード素子Aとフォトダイオード素子Bとからそれぞれ出力される信号間の振幅についての比率を検出し、その検出結果をもとにゲインコントロールアンプ3,4に対するゲイン個別調整信号を出力し、それぞれのゲイン個別調整信号によりゲインコントロールアンプ3,4のゲインを調整し、ゲインコントロールアンプ3,4から出力される信号間の振幅差をなくすように機能する。
また、振幅差検出回路21は、フォトダイオード素子Cとフォトダイオード素子Dとからそれぞれ出力される信号間の振幅についての比率を検出し、その検出結果をもとにゲインコントロールアンプ22,23に対するゲイン個別調整信号を出力し、それぞれのゲイン個別調整信号によりゲインコントロールアンプ22,23のゲインを調整し、ゲインコントロールアンプ22,23から出力される信号間の振幅差をなくすように機能する。
ここで振幅差検出回路2,21の構成について詳しく説明する。なお、振幅差検出回路21の構成は振幅差検出回路2と同一構成であり、以下の説明では振幅差検出回路2について説明する。
前述したように入力信号間に振幅差があることによるオフセット要因を除去するには、コンパレータに入力される入力信号間の振幅が常に同じとなるように、リアルタイムで振幅差を揃えてやればよい。振幅差が存在することで、コンパレータ内の多段アンプステージを経るごとに生じる歪み量、即ち高調波成分量に違いが生じ、その結果、各ステージ出力波形に生じる位相シフト量に差が生じるので、振幅差を揃えてやれば、歪み量が揃い、結果として位相シフト量も同じとなるため、DPD回路出力としても影響を受けずに済む。信号振幅を揃える手段としては、図5に示すように、新たに振幅差検出回路2,21とゲインコントロールアンプ3,4,22,23を設け、振幅差検出回路2による振幅差検出結果をもとにゲインコントロールアンプ3,4のゲインを、また振幅差検出回路21による振幅差検出結果をもとにゲインコントロールアンプ22,23のゲインを個別制御すればよい。
この個別制御の形態は、例えば、A信号入力がB信号入力に対して2倍の振幅があったとすれば、ゲインコントロールアンプ3のゲインは1倍設定のまま、ゲインコントロールアンプ4のゲインを2倍設定にし、次段のゲインコントロールアンプ5,9の入力時点ではA信号入力とB信号入力が同じ振幅を持つ様にする。
ここで、振幅差検出回路2の処理としては、(1)各信号の振幅値を求める。(2)大振幅側振幅値と小振幅側振幅値の比率を求める。(3)その比率に従って、ゲインコントロールアンプにGCA制御信号を出力するといった流れになるが、これらには大きく2つの問題点がある。
先ず、振幅値を求める際の問題点として、入力されるディスク読取り信号は、DVDやCDの場合、基準クロック周期を1Tとすると、3T〜11Tと広帯域であり、またその時々で振幅も変化するため、正確な振幅差を検出するためには信号周期に比べある程度長時間サンプリングし、その平均値を求める必要がある。この振幅平均値を求める作業には、各信号波形を整流器により整流し、LPF(Low Pass Filter)を通して高域信号成分を除去する必要がある。この整流する手段の一つとして、ダイオードとインダクタを用いた全波整流器がよく知られている。図6は、このダイオードとインダクタを用いた全波整流器を示す回路図である。しかしながらこの方式にはインダクタが必要になりこれが大きな占有面積を必要とするなど効率性やコスト面の点で問題がある。
また一方でインダクタが不要な半波整流器もよく知られている。図7は、このインダクタが不要な半波整流器を示す回路図である。しかしながら全波整流器に比べて効率が悪く、また半波出力波形には全波出力波形よりも低周波成分が含まれるため、高周波成分をカットするLPFの時定数を大きくする必要が生じ、大きな容量または抵抗が必要となることでこちらも面積的に不利となり効率性の点で問題がある。
次に振幅比率を求める際の問題点として、入力信号振幅の絶対値そのものは使用する光学ピックアップの特性やディスクの製造ばらつきなどで変動するのだが、これは整流しLPFを通した後の平均値の絶対値が変動することを意味する。図8は、2信号間の振幅比率を論理演算回路によりディジタル的に計算するために整流器により整流した後のLPFの出力平均値をA/D変換する構成する信号間振幅差調整回路の回路構成の一例を示すブロック図である。どの様に振幅比率を求めるかその演算方式にもよるが、図8に示す様に、例えば2信号間の振幅比率を論理演算回路(制御信号生成手段)805によりディジタル的に計算するために整流器701,702により整流した後のLPF801,802の出力平均値をA/D変換する際などに、A/Dコンバータ803,804の入力ダイナミックレンジはLPF出力の平均値が取り得る値のうち、最大となる場合に合わせて設定する必要がある一方で、分解能はLPF出力の平均値が取り得る値のうち、最小となる場合に合わせて設定する必要がある。このため必要以上に広ダイナミックレンジかつ高分解能のA/Dコンバータが必要となるという問題もある。
また、図9は、2信号のうちどちらが大振幅側信号かを判断し、そして大振幅側信号振幅値を常に基準電圧値としてその値から抵抗などを用いて各分圧電圧を作り出し、それらと小振幅側振幅値を比較して振幅比率を求める信号間振幅差調整回路の回路構成の一例を示すブロック図である。図9に示す回路構成、すなわちダイナミックレンジが大振幅側振幅値にて決定されるA/Dコンバータ811に小振幅側振幅値を入力することで振幅比率を演算する回路構成の場合、ノイズなどによって出力がバタつくのを防ぐ目的で、大振幅側判断用に用いるコンパレータ901およびA/Dコンバータ811内に用いる各コンパレータ902にはヒステリシス特性を持たせる必要がある。この場合、さらに、このヒステリシス特性を振幅値の絶対値変動に追従させる必要があり、この制御が難しいという問題がある。
前述したような各問題点に対し、この実施例1では、整流器については、電圧モードではなく電流モードを用いることで解決を図る。
図10は、電流モードで全波整流動作を行う全波整流回路の一例を示す回路図である。〔参考資料:”Current−mode full−wave rectifier and vector summation circuit” Cheng−Chieh Chang; Shen−Iuan Liu; Electronics Letters ,Volume: 36 ,Issue: 19 ,14 Sept. 2000 Pages:1599 − 1600〕。
この全波整流回路は、抵抗素子1001、NchMOSトランジスタ1002,1003,1006およびPchMOSトランジスタ1004,1005を備えている。
そして、NchMOSトランジスタ1002とNchMOSトランジスタ1003のゲートは共通接続され、また、NchMOSトランジスタ1002とNchMOSトランジスタ1003のソースは共に接地されている。また、NchMOSトランジスタ1002のドレインとゲートとは接続されており、NchMOSトランジスタ1002はダイオード接続された構成となっている。そして、NchMOSトランジスタ1002のドレインはNchMOSトランジスタ1006のソースと接続されており、NchMOSトランジスタ1002のドレインとNchMOSトランジスタ1006のソースとの接続点へ前記抵抗素子1001の一端が接続されている。また、NchMOSトランジスタ1006とNchMOSトランジスタ1003のドレインは共通接続されている。
一方、PchMOSトランジスタ1004のソースとPchMOSトランジスタ1005のソースは共に電源ラインへ接続されている。また、PchMOSトランジスタ1004とPchMOSトランジスタ1005のゲートは共通接続され、さらにPchMOSFET1004についてはゲートとドレインとが接続され、PchMOSトランジスタ1004はダイオード接続された構成となっている。そして、PchMOSトランジスタ1004のドレインは前記NchMOSトランジスタ1006,1003のドレインと接続されている構成である。
次に、この全波整流回路の動作を説明する。
先ず、抵抗素子1001にて電圧から電流へと変換された入力信号は、信号がプラス側に振れている場合にはダイオード接続されたNchMOSトランジスタ1002に電流が流れ込み、それがミラーされてNchMOSトランジスタ1003のドレイン電流となって流れる。これはダイオード接続されたPchMOSトランジスタ1004とカレントミラー接続されたPchMOSトランジスタ1005に流れ、出力電流が生じる。
次に信号がマイナス側に振れている場合、抵抗素子1001にて変換された電流はゲート接地接続されているNchMOSトランジスタ1006のソース端子から電流を引き抜く。この電流はPchMOSトランジスタ1004、1005を介してやはり出力電流として流れる。
よって、この回路は電流モードの全波整流器として働く。全波整流された電流信号は、後段のLPFにて高域信号成分が除去されるとともに電圧信号へと変換され、振幅平均値がこれによりあるアナログ電圧値として求まる。
この回路によりインダクタを必要とせず、より省面積かつ簡便な回路構成で全波整流器が実現できる。そして、電流モードを使用することにより、入力電圧信号を電流信号へと変換する作業が発生するが、このV−I変換回路(図10においては抵抗素子1001が該当する)において、その変換ゲインを可変とすることで振幅値を平均化したLPF出力値を所望のレンジへと持っていくことが可能となる。
図11は、図9に示した整流器701,702として図10に示した電流モードの全波整流器1112,1113を用いると共に、可変抵抗制御を追加した振幅差検出回路2,21の構成を示す概念図である。
この例では大振幅側振幅平均値が常に任意の値(Vref)になるようオペアンプ1102を用いて帰還をかけて制御する構成である。こうすることで、どちらが大振幅側かを判断するコンパレータ1101を含めて、全コンパレータに設定するヒステリシス特性は固定でよいことになる。
これは振幅平均値をA/Dコンバータを用いて得られた結果をディジタル的に演算する際のみならず、アナログ的に演算するような場合においても、入力ダイナミックレンジを一定に出来ることによって効果が得られる方式には有効である。
可変抵抗については数々の実現方法がある。最も簡単なのはMOSトランジスタの3極管領域を使うものである。良く知られているように、MOSトランジスタは|Vds| < |Vgs−Vth|が成立する場合に、Ids = K(Vgs−Vth)VdsというVgs−Ids特性となる。ここでVdsはトランジスタのドレインソース端子間電圧、Vgsはゲート-ソース端子間電圧、Idsはドレイン電流、Vthはしきい値電圧、Kはトランジスタ固有の係数を表す。これはすなわちRds=1/{K(Vgs−Vth)}という抵抗値がVgsにより制御できることを示している。
図12は、可変抵抗としてこのMOSトランジスタの3極管領域を使用した振幅差検出回路2,21の回路構成の一例を示すブロック図である。この例では可変抵抗としてNchMOSトランジスタ1114,1115を用いているが、バイアス電圧条件によっては当然ながらPchMOSトランジスタでも実現可能であることは明らかである。
前述の単体MOSトランジスタで可変抵抗を実現する例においては、トランジスタが抵抗素子として動作するには前述の式|Vds| < |Vgs − Vth|を常に満たす必要がある。言い換えればこの式から外れるようなVdsがトランジスタのドレイン、ソース端子間にかかる場合、すなわち入力振幅絶対値が大きい場合には、V−I変換後の電流信号に歪みが生じ、正確な振幅差検出が出来なくなる恐れがある。そのため、リニアリティの高いトランスコンダクタンス回路を適用すれば、より広い入力ダイナミックレンジを得ることが可能となる。図13は、このリニアリティの高いトランスコンダクタンス回路の一例を示す回路図である。回路の詳細動作については良く知られているので割愛する。この回路のトランスコンダクタンス値(Gm)はGm =4K (√I )/{(K +4K )(√K )}と表すことが出来る。
ここで、K は M1,M2の固有係数、K3 はM3,M4の固有係数、I はM1,M2のIdsである。この回路もI を外部から制御すればトランスコンダクタンス値を変更できるので、一種の可変抵抗とみなすことが可能である。適用例を図14に示す。無論、この他にも数多くの可変抵抗および可変トランスコンダクタンスを実現する回路が存在するが、どれを用いても良いことは明らかである。
以上のことから、前述した各問題点を解消したこの実施例1の振幅差検出回路2,21の構成を図14に示す。
この振幅差検出回路は、一例として図13に示す可変トランスコンダクタンス回路(信号振幅制御手段)201,202、図10に示す電流モード全波整流器(全波整流回路、振幅平均値出力手段)203,204、LPF(振幅平均値出力手段)205,206、ヒステリシス幅が固定であるヒステリシス特性を備えたコンパレータ(振幅比較手段)207、スイッチ回路208,209,211,212、A/Dコンバータ(制御信号生成手段)220および差動増幅回路(信号振幅制御手段)221を備えている。また、A/Dコンバータ220は、電圧フォロワ251、抵抗ラダー回路252、ヒステリシス幅が固定であるヒステリシスコンパレータ261,262,263,264を備えた構成である。
可変トランスコンダクタンス回路201,202は図13に示す構成を有し、リニアリティの高いトランスコンダクタンス回路であり、可変抵抗として用いられる。そして、LPF205の出力の振幅平均値とLPF206の出力の振幅平均値との内でレベルが大きい方の出力の振幅平均値がある一定の値(Vref)になるように、そのレベルが大きい方の出力に対応した可変トランスコンダクタンス回路201または可変トランスコンダクタンス回路202のうちの一方の可変トランスコンダクタンス回路の抵抗値が、差動増幅器221から出力される制御信号により制御される。また、このとき他方の可変トランスコンダクタンス回路の抵抗値については、前記一方の可変トランスコンダクタンス回路の抵抗値の制御に用いた制御量で制御される。
電流モード全波整流器203,204は図10に示す構成を有している。
LPF205,206は、電流モード全波整流器203,204の出力の低域周波成分を通過させ、直流レベル信号を出力するフィルタである。
コンパレータ207は、一定のヒステリシス幅のヒステリシス特性を有し、LPF205から出力される直流レベル信号と、LPF206から出力される直流レベル信号とを比較し、その比較結果に応じた信号をそれぞれ出力する。
スイッチ回路208,209,211,212は、制御端子を備えたアナログスイッチで構成されている。そして、LPF205から出力される直流レベル信号が、LPF206から出力される直流レベル信号より大きい場合、コンパレータ207が出力する前記比較結果に応じた信号により、スイッチ回路208とスイッチ回路211が導通状態に制御されるとともに、スイッチ回路209とスイッチ回路212が非導通状態に制御される。また、LPF206から出力される直流レベル信号が、LPF205から出力される直流レベル信号より大きい場合、コンパレータ207が出力する前記比較結果に応じた信号により、スイッチ回路208とスイッチ回路211が非導通状態に制御されるとともに、スイッチ回路209とスイッチ回路212が導通状態に制御される。
A/Dコンバータ220は、LPF205とLPF206とからそれぞれ出力された直流レベル信号のうち、レベルが大きいほうの信号を電圧フォロワ251で受け、電圧フォロワ251の出力を抵抗ラダー回路252へ出力する。そして、抵抗ラダー回路252により抵抗分圧された各出力を、ヒステリシスコンパレータ261,262,263,264により、LPF205とLPF206とからそれぞれ出力された直流レベル信号のうち、レベルが小さいほうの信号と比較し、このときヒステリシスコンパレータ261,262,263…264からの出力によりNビットの制御信号を生成し、これをGCA制御信号として出力する。このGCA制御信号は、LPF205とLPF206とからそれぞれ出力された直流レベル信号のうち、レベルが大きいほうの信号振幅値(Vref)に対する、前記レベルが小さいほうの信号振幅値の比率を示している。
差動増幅回路221は、LPF205とLPF206とからそれぞれ出力された信号のうち、レベルが大きいほうの信号の振幅平均値を、基準電圧Vrefと比較し、その比較結果(差分)に応じた制御信号を前記可変トランスコンダクタンス回路201,202へ出力する。可変トランスコンダクタンス回路201,202では、受光素子1から入力される各信号に対し前記制御信号をもとに可変抵抗制御が行われる。
次に、DPD回路ブロック51について説明する。
このDPD回路ブロック51は、ゲインコントロールアンプ3,4,22,23から出力される信号波形がフォトダイオードやディスクの品質ばらつきによって非常に小さい場合や大きい場合、適切なレベルまで信号振幅を増減幅するゲインコントロールアンプ5,9,25,29と、データ波形列に含まれる高周波信号成分を高域強調するイコライザー回路6,11,26,31と、信号からDCオフセットなどの低域成分を除去するハイパスフィルタ7,12,27,32と、アナログ信号を2値化する2値化回路8,13,28,33と、2値化された信号間の位相差を検出し、その検出位相誤差に応じた信号を出力する位相差検出器14,34と、検出結果波形を加算する加算回路35と、その加算結果を積分するローパスフィルタ36とを備えている。
このDPD回路ブロック51は、4分割された受光素子1から出力される信号がフォトダイオード素子Aとフォトダイオード素子C、また、フォトダイオード素子Bとフォトダイオード素子Dが同位相であり、フォトダイオード素子Aとフォトダイオード素子Bとの間、フォトダイオード素子Cとフォトダイオード素子Dとの間において位相差を検出し、ローパスフィルタ36の手前でそれらを加算する方式である。
なお、信号間振幅差調整回路41およびDPD回路ブロック51において、フォトダイオード素子Aとフォトダイオード素子Bとの間の位相差を検出する回路と、フォトダイオード素子Cとフォトダイオード素子Dとの間の位相差を検出する回路の構成は基本的に同一であるので、フォトダイオード素子Aとフォトダイオード素子Bとの間において位相差を検出する回路について説明するが、当然ながらフォトダイオード素子Aとフォトダイオード素子Bをフォトダイオード素子Cとフォトダイオード素子Dへ置き換えればそのままフォトダイオード素子Cとフォトダイオード素子Dとの間の位相差を検出する回路として流用可能である。
次に動作について説明する。
この実施例1のトラッキング誤差検出器では、2値化回路8と2値化回路13へ入力される各信号間の振幅が常に同一になるようにリアルタイムで前記信号間の振幅差を略同一に調整する。これは、前記信号間に振幅差が存在すると、2値化回路8,13内の多段アンプステージを経るごとに生じる歪み量、即ち高調波成分量に違いが生じ、その結果、各ステージ出力波形に生じる位相シフト量に差が生じるため、振幅差を揃えることで、歪み量を同一にして結果として位相シフト量も同一にすることで、前記位相シフト量の差がDPD回路ブロック51の出力へ与える悪影響を抑制するものである。
信号振幅を揃える手段として信号間振幅差調整回路41を設け、振幅差検出回路2による振幅差検出結果に応じてゲインコントロールアンプ3,4のゲインを個別に制御し、また、振幅差検出回路21による振幅差検出結果に応じてゲインコントロールアンプ22,23のゲインを個別に制御する。
ここで、信号間振幅差調整回路41における振幅差検出回路2の動作について説明する。
先ず、LPF205から出力されている信号をS1、LPF206から出力されている信号をS2とし、信号S1の振幅平均値と信号S2の振幅平均値と基準電圧Vrefとについての相対的な大小関係はS1<S2<Vrefと仮定する。このような信号S1と信号S2とがLPF205とLPF206とからそれぞれ出力されている状態では、コンパレータ207は第1の出力端子(+)からの出力によりスイッチ回路208,211を非導通状態に制御するとともに、第2の出力端子(−)からの出力によりスイッチ回路209,212を導通状態に制御する。この結果、信号S2の振幅平均値が差動増幅回路221の反転端子と電圧フォロワ251の非反転端子へ供給され、また信号S1の振幅平均値はA/Dコンバータ220のヒステリシスコンパレータ261,262,263,264の一方の入力端子へ供給される。
差動増幅回路221は、信号S2の振幅平均値が反転端子へ供給されているとともに、基準電圧Vrefが非反転端子へ供給されており、信号S2の振幅平均値が基準電圧Vrefより小さいため、信号S2の振幅平均値と基準電圧Vrefとの差分に応じた制御量で可変トランスコンダクタンス回路201,202の抵抗値を制御する制御信号を可変トランスコンダクタンス回路201,202へ出力する。
可変トランスコンダクタンス回路202では、差動増幅回路221から供給された前記制御信号により、その抵抗値が信号S2の振幅平均値と基準電圧Vrefとの差分に応じた制御量で制御される。すなわち可変トランスコンダクタンス回路202による可変抵抗値が小さくなる方向へ制御され、LPF206の出力である信号S2の振幅平均値がある一定の値(基準電圧Vref)になるように、差動増幅器221から出力された前記制御信号により制御される。
また、可変トランスコンダクタンス回路201では、差動増幅回路221から可変トランスコンダクタンス回路202へ供給された前記制御信号による制御量でその抵抗値が制御される。
この結果、電圧フォロワ251の出力電圧は基準電圧Vrefとなり、LPF205から出力される信号S1の振幅平均値は、信号S2の振幅平均値を基準電圧Vrefまで上昇させるのに必要な制御量で増幅されたレベルとなり、A/Dコンバータ220のヒステリシスコンパレータ261,262,263,264の各一方の入力端子へ供給される。
A/Dコンバータ220では、電圧フォロワ251の出力電圧である基準電圧Vrefが抵抗ラダー回路252により分圧され、各分圧電圧がヒステリシスコンパレータ261,262,263,264の各他方の入力端子へ供給される。ヒステリシスコンパレータ261,262,263,264では、前記各分圧電圧と、前記制御量で増幅された振幅平均値の信号S1とがそれぞれのヒステリシスコンパレータで比較され、この比較結果が各ヒステリシスコンパレータから出力される。ヒステリシスコンパレータ261,262,263,264の出力は、ヒステリシスコンパレータの数に応じたビット数のGCA制御信号として出力され、このGCA制御信号をもとに生成されたゲイン個別調整信号によりゲインコントロールアンプ3,4のゲインが個別に制御される。
ヒステリシスコンパレータ261,262,263,264の出力は、信号S1と信号S2との内で振幅平均値が大きい方の一方の信号をVrefのレベルまで増幅したときの制御量で、振幅平均値が小さい方の他方の信号を増幅したときの、前記一方の信号の振幅または振幅平均値と、前記他方の信号の振幅または振幅平均値との比率を示している。
例えば、フォトダイオード素子Aからの信号S1の振幅がフォトダイオード素子Bからの信号S2の振幅に対して2倍であったとすると、ゲインコントロールアンプ3のゲインは1倍のまま、ゲインコントロールアンプ4のゲインを2倍にし、ゲインコントロールアンプ5とゲインコントロールアンプ9へ入力されるフォトダイオード素子Aからの入力信号およびフォトダイオード素子Bからの入力信号が同じ振幅を持つようにする。
なお、ヒステリシスコンパレータ261,262,263,264から出力されるGCA制御信号をもとに、ゲインコントロールアンプ3,4のゲインをそれぞれ制御するためのゲイン個別調整信号は、例えば図8に示す論理演算回路805などのゲイン個別調整信号生成回路により生成可能である。
もしくは、ゲインコントロールアンプ5およびゲインコントロールアンプ9を個別にゲイン調整可能なアンプとし、前記ゲイン個別調整信号生成回路が出力するゲイン個別調整信号を前記ゲインコントロールアンプ5,9へ出力するように構成し、ゲインコントロールアンプ5,9に対し、受光素子1の製造および設計起因による出力信号の全体ゲインのばらつきを補正するため同じゲイン設定にするという前提に加え、フォトダイオード素子Aおよびフォトダイオード素子Bからそれぞれ出力される信号間の振幅補正の機能も担わせ、振幅差検出回路2の検出結果をもとに経路別にゲインコントロールアンプ5とゲインコントロールアンプ9とをそれぞれゲイン制御する。この場合、ゲインコントロールアンプ3およびゲインコントロールアンプ4は不要となる。
なお、ゲインコントロールアンプ25およびゲインコントロールアンプ29についても同様であり、ゲインコントロールアンプ25およびゲインコントロールアンプ29をゲイン調整可能なアンプとし、前記ゲイン個別調整信号生成回路が出力するゲイン個別調整信号を前記ゲインコントロールアンプ25,29へ出力するように構成し、ゲインコントロールアンプ25,29に対し、受光素子1の製造および設計起因による出力信号の全体ゲインのばらつきを補正するため同じゲイン設定にするという前提に加え、フォトダイオード素子Cおよびフォトダイオード素子Dからそれぞれ出力される信号間の振幅補正の機能も担わせ、振幅差検出回路21の検出結果をもとに経路別にゲインコントロールアンプ25とゲインコントロールアンプ29とをそれぞれゲイン制御する。この場合、ゲインコントロールアンプ22およびゲインコントロールアンプ23は不要となる。
この結果、DVDなどの光ディスクのDPD方式トラッキングサーボにおいて、今後の高倍速化や次世代光ディスクなどにおける読み取りスピードの高速化に伴い顕在化してくる光ピックアップ視野振り動作による入力信号間の振幅差が原因で生じる出力のオフセット要因を除去する目的で、その振幅差を検出する際に電流モードにて信号を扱うことにより、インダクタを用いずとも高効率で全波整流可能な回路が実現でき、振幅平均値を得る際のLPFの時定数を減らすことが可能となり省面積化が実現できる。
また、入力電圧信号を電流モードへ変換する際に振幅平均値が常に一定となるよう電圧−電流変換回路ゲインを帰還をかけて制御することで、振幅差を演算する際に必要な各動作回路の条件、例えばA/Dコンバータのダイナミックレンジやヒステリシスコンパレータのヒステリシス特性の設計が容易になる効果がある。
なお、この回路ではゲイン設定はディジタル的にしか切り替えることが出来ないため、量子化誤差によってある程度の振幅差は取れ残ってしまう。ただし、常に正確に振幅を合わせなくとも、ある範囲内でさえ振幅が一致していればDPD回路ブロック51の最終出力に発生するオフセットは充分小さく出来る。
以上のように、この実施例1によれば、受光素子1のフォトダイオード素子Aとフォトダイオード素子Bとから出力された信号間の振幅についての比率を検出し、2値化回路8,13により2値化される前記信号間の振幅差を前記検出結果をもとに調整し、前記信号間の振幅差を無くすことが出来るため、2値化回路8,13において前記各信号に生じる波形歪みにもとづく前記各信号の位相オフセット量を等量にすることが出来、この結果、前記信号間の位相差をもとに出力されるトラッキングエラー信号に含まれる位相オフセットを相殺でき、位相差比較対象となる信号間の振幅差によりトラッキングエラー信号に生じる位相オフセットが抑制でき、精度の高いトラッキング誤差検出を実現するトラッキング誤差検出器を提供できる効果がある。
また、DVDなどの光ディスクのDPD方式トラッキングサーボにおいて、高倍速化や次世代光ディスクなどにおける読み取りスピードの高速化に伴い顕在化してくる光ピックアップ視野振り動作による入力信号間の振幅差が原因となる出力のオフセット要因を除去するトラッキング誤差検出器を提供できる効果がある。
また、バイポーラトランジスタに限らずCMOSによる回路においてより高い効果が期待できるため、現在、バイポーラトランジスタで実現されているためフロントエンドチップとして分離されているDPD回路を、後段のCMOSで実現されている信号処理チップと統合させることが可能になる効果もある。
従来のDPD回路ブロックの基本的な構成を示すブロック図である。 従来のDPD回路ブロックにおける多段のアンプを縦続接続した構成を有する2値化回路の動作を示す説明図である。 従来のDPD回路ブロックの多段のアンプを縦続接続した構成を有する2値化回路の各アンプ出力における群遅延特性図である。 従来のDPD回路ブロックにおいて位相比較対象となる2つの信号間に大きい振幅差が発生した場合の問題点を示す説明図である。 本発明の実施例1のトラッキング誤差検出器の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1の信号間振幅差調整回路を説明するためのダイオードとインダクタを用いた全波整流器を示す回路図である。 本発明の実施例1の信号間振幅差調整回路を説明するためのインダクタが不要な半波整流器を示す回路図である。 本発明の実施例1の信号間振幅差調整回路を説明するための回路構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施例1の信号間振幅差調整回路を説明するための回路構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施例1の信号間振幅差調整回路に用いられる、電流モードで全波整流動作を行う全波整流回路の一例を示す回路図である。 本発明の実施例1において電流モードの全波整流器を用いると共に、可変抵抗制御を追加した振幅差検出回路の構成を示す概念図である。 本発明の実施例1における可変抵抗としてMOSトランジスタの3極管領域を使用した振幅差検出回路の回路構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施例1の信号間振幅差調整回路に用いられる可変トランスコンダクタンス回路の一例を示す回路図である。 本発明の実施例1の信号間振幅差調整回路を示すブロック図である。
符号の説明
1……受光素子、2,21……振幅差検出回路、3,4,22,23……ゲインコントロールアンプ、41……信号間振幅差調整回路、201,202……可変トランスコンダクタンス回路(信号振幅制御手段)、203,204……電流モード全波整流器(全波整流回路(振幅平均値出力手段)、205,206……LPF(振幅平均値出力手段)、207……コンパレータ(振幅比較手段)、208,209,211,212……スイッチ回路(信号振幅制御手段)、220……A/Dコンバータ(制御信号生成手段)、221……差動増幅回路(信号振幅制御手段)、251……電圧フォロワ(制御信号生成手段)、252……抵抗ラダー回路(制御信号生成手段)、261,262,263,264…ヒステリシスコンパレータ(制御信号生成手段)、805……論理演算回路(制御信号生成手段)。

Claims (5)

  1. ディスク表面のトラック上に照射され、そのトラックから反射したレーザ光を分割された受光素子で受けたときのトラッキング誤差量に応じた位相差を含んで前記分割された受光素子から出力される信号間の振幅差をなくす信号間振幅差調整回路であって、
    前記各信号の振幅平均値を出力する振幅平均値出力手段と、
    前記振幅平均値出力手段が出力する前記各信号の振幅平均値をもとに、前記各信号間の振幅を比較する振幅比較手段と、
    前記振幅比較手段による比較結果をもとに選択した、前記振幅平均値出力手段が出力した振幅の大きい方の一方の信号の振幅平均値と所定電圧値との差分出力をもとに、前記一方の信号の振幅平均値を前記所定電圧値へ一致させるとともに、前記一方の信号の振幅平均値を前記所定電圧値へ一致させるのに要した制御量で振幅の小さいほうの他方の信号の振幅を制御する信号振幅制御手段と、
    前記信号振幅制御手段により振幅平均値が制御された前記一方の信号と前記他方の信号
    との比率に応じた前記信号間の振幅差をなくすための制御信号を生成する制御信号生成手段と、
    を備えたことを特徴とする信号間振幅差調整回路。
  2. 前記制御信号生成手段は、前記所定電圧値へ一致させた前記一方の信号の振幅平均値の分圧電圧を生成し、前記分圧電圧と前記制御量で制御された前記他方の信号の振幅平均値とを比較し、その比較結果をもとに、前記一方の信号と前記他方の信号との比率に応じた前記信号間の振幅差をなくすための制御信号を生成することを特徴とする請求項1記載の信号間振幅差調整回路。
  3. 前記振幅平均値出力手段は、電流モードで前記各信号の全波整流動作を行う全波整流回路と、前記全波整流回路の出力に対しフィルタ処理を行い、前記各信号の振幅平均値を出力するLPFを含むことを特徴とする請求項1記載の信号間振幅差調整回路。
  4. 前記信号振幅制御手段は、前記一方の信号の振幅平均値と前記所定電圧値との差分出力をもとに、前記各信号に対する可変抵抗制御を行い、前記各信号の振幅を制御する可変トランスコンダクタンス回路を含むことを特徴とする請求項1記載の信号間振幅差調整回路。
  5. ディスク表面のトラック上に照射され、そのトラックから反射したレーザ光を分割された受光素子で受け、トラッキング誤差量に応じた位相差を含んで前記分割された受光素子から出力される信号を2値化回路を含む信号処理回路により2値化し、前記2値化した信号間の位相差をもとにトラッキング制御のためのトラッキングエラー信号を出力するトラッキング誤差検出器であって、
    前記分割された受光素子から出力される前記各信号の振幅平均値を出力する振幅平均値出力手段と、前記振幅平均値出力手段が出力する前記各信号の振幅平均値をもとに、前記各信号間の振幅を比較する振幅比較手段と、前記振幅比較手段による比較結果をもとに選択した、前記振幅平均値出力手段が出力した振幅の大きい方の一方の信号の振幅平均値と所定電圧値との差分出力をもとに、前記一方の信号の振幅平均値を前記所定電圧値へ一致させるとともに、前記一方の信号の振幅平均値を前記所定電圧値へ一致させるのに要した制御量で振幅の小さいほうの他方の信号の振幅を制御する信号振幅制御手段と、前記信号振幅制御手段により振幅平均値が制御された前記一方の信号と前記他方の信号との比率に応じた前記信号間の振幅差をなくすための制御信号を生成し、前記各信号を増幅するゲインコントロールアンプのゲインを前記制御信号をもとに調整し、前記信号間の振幅差をなくす制御信号生成手段とを有した信号間振幅差調整回路を、
    備えたことを特徴とするトラッキング誤差検出器。
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