JP4328549B2 - 車両用シートカバー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両用シートカバーの裏基布に経編地(Warp knitting fabric)を用いた車両用シートカバーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両のシートに被覆装着される車両用シートカバーは、ファブリック材等よりなる表皮材と、ウレタンフォームからなるパッド材と、裏基布とをフレームラミネート等により、3層ラミネートした構造になっている。前記パッド材は摩擦係数が高いため、滑りにくく、そのパッド材が車両用シートカバーの表面に直接露出していると、ミシン縫製等に際して、その作業を円滑に行い得ない。このため、前記裏基布は、車両用シートカバーを滑りやすくするために表皮材と反対側のパッドの表面に接着されるものであり、車両用シートカバーを補強する機能も有する。
【0003】
ところで、この車両用シートカバーを車両のシートに被覆装着した場合、前記裏基布が伸縮性に乏しいものであると、表皮材側の表面が凹状に湾曲している部分では、表皮材の表面に現出する折れシワが発生しやすい。このような折れシワは、シートの商品価値を低減させる。この折れシワが発生する原因は、裏基布側が膨らむように、すなわち裏基布側が伸びるようにシートカバーが湾曲した場合、裏基布の伸縮性が乏しいと、裏基布が伸びに追従できず、結果として表皮材側が圧縮されてしまうことにある。
【0004】
このため、裏基布として十分な伸縮性を有する材料を使用して、表皮材側に折れシワが発生するのを抑制する必要があった。そこで、従来では裏基布として、例えば図10に示すように、緯編の組織構造よりなる編地31を使用したり、図11及び図12に示すように、経編(ハーフ編)の組織構造よりなる編地41を使用したりしていた。
【0005】
ところが、緯編地31では、図10から明らかなように、緯糸である1本の編糸32により経方向に膨らむ編目33が形成されているため、緯方向及び経方向に優れた伸縮性を有するものの、編地31全体がカールし易かったり、編目33が解れ易かったりするという問題があった。また、この緯編地31では、1本の緯糸を蛇行させながら編目33を形成しているため、編成速度が遅くて生産性が悪いという問題もあった。
【0006】
これに対して、経編(ハーフ編)の編地41では、図11及び図12に示すように、編針とそれぞれ対応した多数本のフロント糸42aとバック糸42bとの2種類の経糸42により、編目43が形成されているため、編地41全体がカールし難いとともに、編目43が解れ難くなる。また、多数本の経糸42に対して各編針ごとに同時に編成を施すため、編成速度が速くて生産性を上げることができる。しかしながら、この経編地41では、編目43が経糸42の延長方向である経方向に並ぶ傾向がある。このため、経編地41では、前記緯編の編地31に比較して特に経方向において伸縮性が低下することは避けられず、車両用シートカバーの裏基布として用いた場合、表皮材側に前述した折れシワが発生し易くなるという問題があった。
【0007】
これらの問題を解決するために、裏基布として、特許文献1に示すような経編地が提案された。
【0008】
【特許文献1】
特開平8−337949号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この経編地44は、図13及び図14に示すように、前記図11及び図12の経編地41と同様に、フロント糸42aとバック糸42bとの2種類の経糸を用いている。そして、この経編地44は、同一のウェールにおいては一方の経糸42aまたは42bと他の経糸42bまたは42aの編目を交互に形成し、同一コースにおいては他方の経糸42bまたは42aと一方の経糸42aまたは42bの編目を形成するものである。
【0010】
従って、この経編地44は、同一ウェールにおいて一方の経糸42aまたは42bと他方の経糸42bまたは42aとの編目が交互に形成されて重複しないため、編目どうしが拘束することは少ない。これがために、経緯の伸縮性が前述の図11及び図12のものより優れている。
【0011】
しかしながら、図14から明らかなように、両経糸42a,42bとも編目が小さくなる傾向にあり、しかもその編目が経方向に1コースおきに形成されている。このため、経方向における伸縮性が十分とは言えず、未だ経編地の欠点である経方向における伸縮性の問題を解決していない。従って、前述した折りシワの問題が依然として残るものであった。
【0012】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、高い伸縮性を有して、表皮材側に折れシワが発生するのを抑制することができる経編地を裏基布に用いる車両用シートカバーを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、経糸による1コースの編成ごとに、経糸の供給位置を緯方向において異なる2位置に交互に変移させ、その各コースの編目を隣接する2本の編針間に形成した経編地よりなる裏基布を備え、該裏基布と、ファブリック材等よりなる表皮材と、ウレタンフォームよりなるパッド材とにより、3層ラミネートした構造を備えた車両用シートカバーにおいて、前記経編地は、1コースの編針に対する前記経糸の供給位置を0,1,2,3,4としたとき、1つのコースでは、経糸の供給位置を2,0とし、次のコースでは、経糸の供給位置を2,4としたものであり、前記経編地は、前記経糸がコース方向に対して傾斜状態で露出延長されている面を接着面として前記パッド材に接着したことを特徴とするものである。
【0014】
従って、この請求項1に記載の発明によれば、各コースで複数本の編針間にわたって緯方向に延長する大きめの編目が形成されているため、経方向に高い伸縮性を有する。このため、経編地本来の緯方向への高い伸縮性と相俟って経緯のバイアス方向へも高い伸縮性を得ることができる。よって、この編地を車両用シートカバーの裏基布として用いた場合、表皮材側の表面が凹状に湾曲された箇所において、表皮材側に折れシワが発生するのを抑制することができる。
また、緯方向に延長形成された大きめの編目を形成でき、経方向における十分な伸縮性を確保できる。
さらに、トリコット編機等により、同一のコース中で編目を緯方向に連続して形成する際に、編成の速度を低下させなくても、隣接する編針に無理な力が作用することなく編成を行うことができて、高い生産性を確保することができる。
加えて、傾斜状態で露出している経糸によって経編地とパッド材との接着面積を広く確保することができる。従って、裏基布とパッド材との接着強度を維持できるとともに、ミシン縫製作業面等に対する滑り特性を向上できる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、経糸としてモノフィラメントを使用したことを特徴とするものである。
従って、請求項2に記載の発明によれば、経糸の摩擦係数が少なく、速い編成速度で編成を行うことができて、高い生産性を確保することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項に記載の発明において、経糸として合成繊維または再生繊維を使用したことを特徴としたものである。
従って、請求項3に記載の発明によれば、摩擦係数の小さな経糸を使用することが可能になる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、経糸として太さが7〜30デシテックスの範囲内のものを使用したことを特徴とするものである。
【0018】
従って、請求項4に記載の発明によれば、経糸の編成時における取り扱いが容易で、編成を効率的に遂行できるとともに、強度も十分であり、重量面での要求も満足できる。
【0019】
請求項5に記載の発明においては、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、経糸として太さが10〜20デシテックスの範囲内のものを使用したことを特徴とするものである。
【0020】
従って、請求項5に記載の発明によれば、効率的な編成、強度も、重量面においてさらに有効である
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の一実施形態を、図1〜図6に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施形態の経編地21は、トリコット編機(図示しない)の多数の編針に対してそれぞれ経糸22を各別に供給することにより編成されている。この経糸22としては、例えばポリアミド系であるナイロンのモノフィラメントで、太さが15d(デシテックス:長さ10,000m当たりのグラム数をいい、糸の太さを示す)程度の細いものが用いられている。従って、この経糸22は、その外周面が平滑であるため、摩擦係数が低く、滑り特性が良好である。この経糸22は、7d〜30dの範囲内の太さのものを用いることができ、10d〜20d程度の太さのものが望ましい。また、前記経編地21は、目付(1m編成するのに必要な経糸の重量(g))として20〜35程度となるように編成されている。
【0026】
この経編地21の編成に際しては、前記トリコット編機の糸ガイド(図示しない)の動作を制御することにより、図2に示すように、各コースの編成ごとに、前コースとは緯方向の異なった位置に経糸22の供給、いわゆる給糸が行われる。すなわち、1コースの編成が終了するごとに、編針に対する経糸22の供給位置が、2位置P1またはP2において緯方向に隣接する2本の編針に対応するように交互に変移される。そして、経糸22の各供給位置P1,P2において、2本の編針間に閉じ目よりなる編目23が形成される。
【0027】
さらに詳細に説明すると、図2に示すように、例えば複数の各編針a〜dに対する経糸22の供給位置を右側から0,1,2,3,4としたとき、例えば、1つのコースC1の編成時には、経糸22の供給位置P1が2,0であり、次のコースC2の編成時には、経糸22の供給位置P2が2,4である。そして、この2,0/2,4の各位置への給糸動作が繰り返し行われることにより、図1に示すように、経編地21の各コースにおいて、隣り合った2つのウェール位置を含む編目23が緯方向に並んで形成されている。
【0028】
なお、図2においては理解を容易にするために、各編目23を経糸22の一重構造(1本取り構造)として記載している。しかし、実際には全編針に対して経糸22を各別に供給して、隣り合う2本の編針間に閉じ目の編目を形成することによって、各編目23が経糸22の二重構造(2本取り構造)になっている。これは、図1において、前コース(下段)の各編目23に2本ずつ経糸22が出入りして、次コースの編目23が形成されていることからも理解される。
【0029】
以上のように、この経編地21は、1本の経糸22の各コースに編針2本分の大きい編目が緯方向に延長するように形成されるとともに、経編地21の各コースに編目23が2個ずつ緯方向に並んで形成されているため、それらの編目23部分において、経方向に高い伸縮性を得ることができる。本来、通常の経編は経方向の伸縮度合いが少ないが、この実施形態の経編地21においては、編目が緯方向に張り出しているため、経方向において十分な伸縮性を得ることができる。このため、結果として、経緯双方向及びそれらの間のバイアス方向に十分な伸縮性を得ることができる。
【0030】
そして、このような経編地21は、図3に示すように、車両用シートカバー25の裏基布として使用される。すなわち、このシートカバー25は、ファブリック材等よりなる表皮材26と、ウレタンフォームからなるパッド材27と、前記経編地21よりなる裏基布28とをフレームラミネート等により、3層ラミネートした構造になっている。従って、これらの表皮材26、パッド材27及び裏基布28は、隣接するものどうしが相互に接着されている。
【0031】
また、このシートカバー25の3層ラミネート時には、経編地21の図1において紙面表側の表面21aがパッド材27に対する接着面となるようにラミネートされている。これは、経編地21の表面21a側に経糸22が傾斜状態で露出延長されているので、この表面21a側を接着面にすると、接着面積を広く確保することができるためである。
【0032】
従って、実施形態の経編地21を車両用シートカバー25の裏基布28として使用した場合には、車両用シートカバー25として経緯双方向及びバイアス方向に十分な伸縮度合いを得ることができる。
【0033】
そこで、この実施形態の経編地21を、密度20kg/mで厚さ5mmのウレタンフォームのパッド材27にラミネートした2層構造の実施例1と、従来の経編地を同じパッド材にラミネートした2層構造の比較例1〜3とについて、伸び特性を比較測定したところ、図4に示すような結果が得られた。この図4は、経編地をそれぞれ5%,10%,15%,20%,25%ずつ引き延ばすのに必要な力(ニュートン:N)、すなわちモジュラスをN/25mmに換算して表したものである。
【0034】
ここで、比較例1では、太さが15dのナイロン糸をフロント糸及びバック糸として使用するとともに、目付を22として、図11及び図12に示すように、経編(ハーフ編)を行った編地を、実施例1と同様のパッド材27にラミネートした2層構造になっている。比較例2では、太さが5d程度のナイロンステープルを使用するとともに、目付を22とした不織布を、同様なパッド材27にラミネートした2層構造になっている。比較例3では、太さ75dのストレッチエステル糸により、目付70で図10に示すように緯編を行った緯編地を、同様なパッド材27にラミネートした2層構造になっている。
【0035】
この測定結果から明らかなように、実施形態の経編地21を裏基布28として使用した実施例1の構造では、従来の経編(ハーフ編)の編地を使用した比較例1や、不織布を使用した比較例2に比較して、経方向のモジュラスが小さくなっている。これは、経方向に伸びやすいことを示している。
【0036】
また、この実施形態の経編地21を裏基布28として使用した車両用シートカバー25においては、裏基布28の伸縮性が高くなるため、図5に示すように、表皮材26側が凹状となるように湾曲させた場合にも、その表皮材26側の表面に折りシワ29が発生し難くなる。そこで、実施形態の経編地21を裏基布28として使用した3層ラミネート構造のシートカバー25と、従来の経編(ハーフ編)の編地を使用した3層ラミネート構造のシートカバーとについて、シワの発生状況を比較試験したところ、図6に示すような結果が得られた。ここで、裏基布28の経糸は、各実施例及び各比較例とも、ナイロンモノフィラメントで、15dの太さである。
【0037】
すなわち、図6(a)の実施例2及び比較例4では、不織布系の表皮材26と、密度20kg/mで厚さ5mmのウレタンフォームのパッド材27と、実施形態の経編地21または従来の経編(ハーフ編)の編地よりなる裏基布28とをラミネートした3層構造になっている。図6(b)の実施例3及び比較例5では、織物系の表皮材26と、前記と同様のパッド材27と、実施形態の経編地21または従来の編地よりなる裏基布28とをラミネートした3層構造になっている。図6(c)の実施例4及び比較例6では、表皮材26がモケット系に変更されて、前記と同様の3層構造になっている。図6(d)の実施例5及び比較例7では、表皮材26がトリコット系に変更されて、前記と同様の3層構造になっている。
【0038】
また、この比較試験に際しては、前記実施例2〜5及び比較例4〜7について、5mm×100mm×350mmの試験片を、表皮材26が経方向及び緯方向になった状態でそれぞれ用意した。また、試験治具として、半径が10mm〜150mmの複数の円筒を準備した。そして、この円筒を半径の大きいものから順に使用し、各実施例及び比較例の試験片を、表皮材26側が内側となるように円筒の外周面に沿わせて、表皮材26側が凹状(逆R状)となるように湾曲させ、折りシワが発生したときの円筒の半径を記録した。
【0039】
この試験結果から明らかなように、いずれの実施例2〜5においても、比較例4〜7に比較して、試験片を小さな半径まで凹状(逆R状)に湾曲させた時点で、表皮材26側の表面に折りシワが発生した。特に、表皮材26として柔軟性の劣るモケット系を使用した実施例4と比較例6との間で、その差が顕著に現れた。
【0040】
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) この経編組織の構造においては、1コースの編成ごとに、2本の編針に対する経糸22の供給位置が緯方向に隣接する異なった2位置P1,P2に交互に変移される。このため、その経糸22の各供給位置P1,P2において、同一の経糸22により同一のコース中で大きくかつ緯方向に延長された編目23が連続して形成されている。
【0041】
このため、経編本来の緯方向における良好な伸縮性と相俟って、それらの編目23部分において、緯編の組織構造と同様な径方向の高い伸縮性を得ることができ、結果として経緯のバイアス方向にも高い伸縮性を得ることができる。よって、この組織構造の経編地21を車両用シートカバー25の裏基布28として用いた場合、表皮材26側の表面が凹状に湾曲される箇所において、表皮材26側に折れシワ29が発生するのを抑制することができる。このシワ抑制効果は、表皮材26としてモケットのような伸縮性の乏しいものを用いた場合に顕著である。
【0042】
(2) 経糸22としてナイロンよりなるモノフィラメントを経糸22に使用しているため、摩擦係数が少なく、速い編成速度で編成を行うことができて、ミシン縫製等においても高い生産性を確保することができる。
【0043】
(3) 経糸22として太さ15dのものを用いているため、編成に好適で、生産性を向上できるとともに、強度も十分で、裏基布全体の軽量化も達成できる。この経糸22の太さは、7d〜30dの範囲内であれば、これらの効果を得ることができる。
【0044】
(4) この経編組織の構造においては、前記経糸22の各供給位置P1,P2において、編目23が2個ずつ連続して形成されている。すなわち、複数の編針に対する経糸22の供給位置を右側から0,1,2,3,4としたとき、1つのコースC1では、経糸22の供給位置が2,0に変移され、次のコースC2では、経糸22の供給位置が2,4に変移されるようになっている。このため、トリコット編機等により、同一のコース中で編目23を緯方向に連続して形成する際に、編成の速度を低下させなくても、隣接する編針に無理な力が作用することなく編成を行うことができて、高い生産性を確保することができる。
【0045】
(5) 表面21a側に経糸22が傾斜状態で露出延長されている側において経編地21をパッド材27に対する接着面としているため、接着面積を広く確保することができる。従って、裏基布とパッド材との接着強度を維持できるとともに、ミシン縫製作業面等に対する滑り特性を向上できる。
【0046】
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 図7に示すように、トリコット編機を使用して、前記実施形態の経編組織の経編地21を編成する際に、複数の編針に対して経糸22を各別に供給することなく、1本おきに供給すること。このようにした場合には、同図に示すように、経編地21の各編目23が経糸22の一重構造(1本取り構造)となって、編目の密度が低くなり、経編地21の厚みも薄くなる。
【0047】
・ 図8に示すように、複数の編針a〜fに対する経糸22の供給位置を右側から0,1,2,3,4,5,6としたとき、1つのコースC1の編成時には、経糸22の供給位置P1を3,0に変移させ、次のコースC2の編成時には、経糸22の供給位置P2を3,6に変移させる。そして、この3,0/3,6の給糸動作を繰り返し行うことにより、同図に示すように、経編地21の各コースにおいて、隣り合った3本の編針よりなるウェール位置で、編目23を緯方向に形成すること。
【0048】
・ 図9に示すように、複数の編針a〜fに対する経糸22の供給位置を右側から0,1,2,3,4,5,としたとき、1つのコースC1の編成時には、経糸22の供給位置P1を2,0に変移させ、次のコースC2の編成時には、経糸22の供給位置P2を3,5に変移させる。そして、この2,0/3,5の給糸動作を繰り返し行うことにより、同図に示すように、経編地21の各コースにおいて、1つのウェールを挟んだ隣り合う2本の編針よりなるウェール位置で、編目23を緯方向に形成すること。
【0049】
・ 前記実施形態では、経編地21を図1の表面側においてパッド材27に接着したが、図1の裏面側においてパッド材27に接着すること。
・ 前記実施形態では、経糸22としてモノフィラメントを用いたが、マルチフィラメントを用いること。この場合、マルチフィラメントを撚糸する場合と、しない場合との双方のものを使用可能である。
【0050】
・ 前記実施形態では、経糸22としてナイロン等のポリアミド系合成繊維を用いたが、それ以外のレーヨン等のセルロース系再生繊維を用いたり、ポリエステル系、ポリプロピレン系等の他の種類の合成樹脂繊維を用いること。
【0051】
・ 前記実施形態では、各編針に対して経糸を一本ずつ供給したが、各編針に対して2本等の複数本ずつ供給すること。このようにすると、経糸が細い場合に都合がよい。
【0052】
【発明の効果】
以上、実施形態で例示したように、この発明においては、高い伸縮性を有するとともに高い生産性を有する編地を用いる車両用シートカバーを得ることができる。そして、表皮材側に折れシワが発生するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施形態の編地を拡大して示す部分表面図。
【図2】 図1の編地の組織構造を示す組織図。
【図3】 図1の編地を裏基布に使用した車両用シートカバーを示す部分断面図。
【図4】 図1の編地と他の編地等との伸び特性の比較測定結果を示す説明図。
【図5】 図3の車両用シートカバーを凹状に湾曲させた状態を示す部分断面図。
【図6】 (a)〜(d)は、それぞれ図5の湾曲状態におけるシワの発生状況の試験結果を示す説明図。
【図7】 実施形態の編地の変更例を示す部分表面図。
【図8】 編地の別の変更例の組織構造を示す組織図。
【図9】 編地のさらに別の変更例の組織構造を示す組織図。
【図10】 周知の緯編の編地を拡大して示す部分表面図。
【図11】 周知の経編の編地の部分拡大表面図。
【図12】 図11の経編の組織構造を示す組織図。
【図13】 従来の経編の編地の部分拡大表面図。
【図14】 図13の経編の組織構造を示す組織図。
【符号の説明】
21…経編地、22…経糸、23…編目、25…車両用シートカバー、26…表皮材、27…パッド材、28…裏基布、29…折りシワ、a〜f…編針、C1,C2…コース、P1,P2…経糸の供給位置。

Claims (5)

  1. 経糸による1コースの編成ごとに、経糸の供給位置を緯方向において異なる2位置に交互に変移させ、その各コースの編目を隣接する2本の編針間に形成した経編地よりなる裏基布を備え、該裏基布と、ファブリック材等よりなる表皮材と、ウレタンフォームよりなるパッド材とにより、3層ラミネートした構造を備えた車両用シートカバーにおいて、
    前記経編地は、1コースの編針に対する前記経糸の供給位置を0,1,2,3,4としたとき、1つのコースでは、経糸の供給位置を2,0とし、次のコースでは、経糸の供給位置を2,4としたものであり、
    前記経編地は、前記経糸がコース方向に対して傾斜状態で露出延長されている面を接着面として前記パッド材に接着したことを特徴とする車両用シートカバー。
  2. 経糸としてモノフィラメントを使用したことを特徴とする請求項1に記載の車両用シートカバー。
  3. 経糸として合成繊維または再生繊維を使用したことを特徴とした請求項2に記載の車両用シートカバー。
  4. 経糸として太さが7〜30デシテックスの範囲内のものを使用したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用シートカバー。
  5. 経糸として太さが10〜20デシテックスの範囲内のものを使用したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用シートカバー。
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