JP4326689B2 - プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤およびそれを配合した皮膚外用剤 - Google Patents

プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤およびそれを配合した皮膚外用剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤、それを配合した皮膚外用剤およびそれを用いた肌荒れ改善方法、特に無機有効成分の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、皮膚疾患や肌荒れ、ニキビ等に対して改善・予防効果を有するものとして種々の治療薬、皮膚外用剤、化粧料等が知られている。これら従来の薬剤や化粧料等における有効成分としては、消炎剤や抗炎症作用を有するとされる動植物の抽出エキス、あるいは保湿・保水作用の高いアミノ酸や多糖、脂質、天然高分子等が、皮膚(患部)の炎症や角質層の水分の消失を防ぐ能力に優れているために用いられてきた。
【0003】
一方、例えばアトピー性皮膚炎あるいは重度のニキビ肌等の病的皮膚炎の場合には、各種の成分に対して過敏症状や刺激感などが出る場合があり、特に慎重な有効成分の選択が要求される。
【0004】
また、肌荒れ改善を目的とする有効成分として従来検討されてきた有機高分子等の分子状薬剤は、皮膚に対する浸透性を有し、皮膚内部にまで経皮吸収されるため場合によっては皮膚に他の影響を与える可能性がある一方で、粉体のような皮膚内部へ浸透しない固形物を有効成分として肌荒れ改善に用いることができればより安全性を高めることができる。しかしこのような技術は従来知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来はいずれにおいてもその改善・予防効果は必ずしも十分ではなかった。またこれらの有効成分が治療の対象とする皮膚、特にアトピー性皮膚炎などの病的な皮膚炎は、炎症やバリアー機能の低下を伴っているため、優れた効果を有すると共に、刺激等のない、より安全性の高い薬効剤の開発が期待されている。
【0006】
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は肌荒れ改善効果を発揮するプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤およびそれを配合した皮膚外用剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明者らが鋭意検討を行ったところ、特定の酸化亜鉛がプラスミノーゲンアクチベーター阻害作用を有し、しかもこれに優れた肌荒れ改善作用があることを見出し、本発明を完成するに至った。
さらに肌荒れ改善作用を有する有効成分として安全性の高い粉体を用いることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明にかかるプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤は、プラスミノーゲンアクチベーターを吸着し、且つその活性を阻害する酸化亜鉛を一種又は二種以上含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかる阻害剤において、プラスミノーゲンアクチベーターの吸着率は60%以上、阻害率は60%以上であることが好適である。
なお、プラスミノーゲンアクチベーターの吸着率および阻害率は以下の方法により測定する。
プラスミノーゲンアクチベーター吸着作用の測定
緩衝液中で0.1%の被検試料と一本鎖ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター(1μg/mL)を一定時間混合した後、被検試料を除去し、緩衝液中に残った一本鎖ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーターをELISA法にて定量することにより評価した。
【0009】
プラスミノーゲンアクチベーター活性阻害作用の測定
0.1%の被検試料と二本鎖ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター(100U/mL)を含む緩衝液の、合成基質分解活性により評価した。
また、本発明にかかる阻害剤において、プラスミノーゲンアクチベーター吸着率および阻害率が70%以上である酸化亜鉛であることが特に好適である。
また、本発明にかかる阻害剤において、酸化亜鉛は、0.1〜70重量%のシリカゲルで表面を被覆した酸化亜鉛であることが好適である。
【0010】
また、本発明にかかる肌荒れ改善用皮膚外用剤は、プラスミノーゲンアクチベーターを吸着し、且つその活性を阻害する粉体を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる肌荒れ改善用皮膚外用剤は、前記プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤を一種または二種以上含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる病的皮膚炎改善用皮膚外用剤は、前記シリカゲル被覆酸化亜鉛からなるプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤を一種または二種以上含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかるプラスミノーゲン活性化抑制方法は、プラスミノーゲンアクチベーターを粉体に吸着し、且つその活性を阻害することを特徴とする。
また、本発明にかかる肌荒れ改善方法は、プラスミノーゲンアクチベーターを吸着し、且つその活性を阻害する粉体を皮膚に適用することを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかる肌荒れ改善用皮膚外用剤は、酸化亜鉛を含むことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明にかかるプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤およびそれを配合した皮膚外用剤は、以下のような経緯によりなされたものである。
すなわち、近年肌荒れや角化異常を伴う種々の皮膚疾患の病像形成には、プロテアーゼ、特にプラスミンやプラスミノーゲンアクチベーターといった線溶系酵素(プラスミノーゲン活性化系酵素)の活性変化が深く関与していることが明らかにされつつある。
【0014】
例えば実験的に肌荒れを起こした表皮細胞層ではプラスミンの分布に変化が認められ、肌荒れの改善・予防に抗プラスミン剤が有効であることが報告されている(Kenji kitamura:J.Soc.Cosmet.Chem.Jpn;29(2),1995 )。また、アトピー性皮膚炎においても表皮中に高い線溶活性が認められている(T.Lotti:Department of Dermatology;28(7),1989)。さらに、炎症性異常角化性疾患の代表である乾癬では、その患部表皮の錯角化部位に強いプラスミノーゲンアクチベーター活性が存在すること(Haustein:Arch.Klin.Exp.Dermatol;234,1969)や、乾癬鱗屑から高濃度の塩溶液を用いてプラスミノーゲンアクチベーターを抽出したという報告(Fraki,Hopsu-Havu:Arch.Dermatol.Res;256,1976)がなされている。
【0015】
プラスミノーゲンアクチベーターはプラスミンの前駆体であるプラスミノーゲンに特異的に働いて、それを活性なプラスミンに変換するプロテアーゼである。上述のような現況に鑑み、本発明者らは新しい薬効剤の開発に際し、プラスミノーゲンを活性化するプラスミノーゲンアクチベーターが乾癬鱗屑等の肌荒れした角層中に存在することに注目した。すなわち、経皮吸収されずに皮膚表面でプラスミノーゲンアクチベーターを吸着しそれを不活化する物質は安全性が高く、プラスミノーゲン活性化系酵素の活性変化を伴う種々の皮膚疾患、肌荒れ等に対し改善・予防効果を示すのではないかと考え、広く種々の無機粉末物質について当該作用を調べた。その結果、特定の酸化亜鉛、特に0.1〜70重量%のシリカゲルで表面を被覆した酸化亜鉛が優れたプラスミノーゲンアクチベーター吸着・阻害作用を有し、さらにこれを配合した皮膚外用剤が、優れた肌改善効果を有していることを見い出し、本発明を完成するに至ったのである。
【0016】
以下、本発明の実施形態についてさらに詳細に説明する。 本発明では、プラスミノーゲンアクチベーターを吸着し、且つその活性を阻害する酸化亜鉛として、0.1〜70重量%のシリカゲルで表面を被覆した酸化亜鉛が特に好適に用いられる。なお、本明細書においては、シリカゲルは無水のものも含まれる。
【0017】
酸化亜鉛は主に化粧料等の外用剤に、紫外線散乱剤あるいは白色顔料として古くから利用されてきた。しかしながら、その紫外線防止効果は必ずしも十分ではなく、また触媒活性を有していることから配合した製剤系の安定性を損ねるといった問題点を抱えていた。そこで紫外線防止効果や透明性の向上、あるいは紫外線散乱剤としての機能を維持しつつ、製剤系での安定性や使用性を改善する目的で、より粒子の細かい酸化亜鉛(特公昭60−33766、特公平5−77644)や、他の無機もしくは有機化合物との複合体等が数多く開発されてきた(特開平1−190625、特開平3−183620、特開平7−277914、特開平10−87434、特開平10−87467、特開平10−87468)。
【0018】
一方、酸化亜鉛は日本薬局方にも収載されており、その薬理作用として皮膚のタンパク質と結合して被膜を形成し、収斂、消炎、保護作用を有することが知られている。これらの薬理作用に基づき、酸化亜鉛は亜鉛華軟膏(酸化亜鉛とラノリンと白色軟膏の混合物)や、タルク、澱粉、滑石等と混ぜ合わせた粉末剤として古くから皮膚疾患やおむつかぶれ等に用いられてきた。さらに、薬効を高めたり、他の物質に酸化亜鉛の薬効を付加する目的で、酸化亜鉛と他の消炎剤や抗菌剤(特公平4−63046、特公平6−76330、特開平2−23361、特開平6−157277、特開平8−217616、特開昭57−62220)、抗酸化剤(特開平7−304665)、プロテアーゼ阻害剤(特開平3−169822)等を混ぜ合わせたり、あるいは複合体を作成して皮膚に適用する例が知られている。
【0019】
しかしながら、これまで薬理効果を目的として用いるのに適した酸化亜鉛の特徴(粒子径、製造法等の制限)に関する報告、記述はほとんどなく、唯一、特開平6−239728において超微粒子酸化亜鉛が従来の酸化亜鉛に比べ、収斂作用等の薬剤効果が大きくなるという記述があるのみであるが、そこに具体例は記されていない。
【0020】
同様に、酸化亜鉛がタンパク質を吸着することは既に知られているが、本発明者が知る限りにおいて、複数の酸化亜鉛について吸着作用を詳細に検討した報告はなく、またプラスミノーゲンアクチベーターが酸化亜鉛に吸着され、且つ活性が阻害されることを示した報告もない。なお、参考としてプラスミノーゲンアクチベーターと同じセリンプロテアーゼに分類されるトリプシンについても検討したところ、トリプシンは酸化亜鉛に吸着されるものの、活性はほとんど失われなかった。すなわち酸化亜鉛は必ずしも非特異的に酵素活性を阻害するものではない。
【0021】
本発明の皮膚外用剤は、プラスミノーゲンアクチベーターを吸着し、且つその活性を阻害する酸化亜鉛、特に好ましくはシリカゲル被覆酸化亜鉛を有効成分として含有する。
一般に、酸化亜鉛の製造法は亜鉛板を適当な炉中で強熱酸化するか、水酸化亜鉛、硝酸亜鉛などを強熱して酸化亜鉛を得る乾式法と、硫酸亜鉛あるいは塩化亜鉛に炭酸ナトリウム溶液を加えて塩基性炭酸亜鉛を沈殿させ、これを洗浄、乾燥後、強熱して酸化亜鉛を得る湿式法とに大別される。両製造方法により得られた酸化亜鉛を比較すると、乾式で製造されたものが優れている傾向にある。
【0022】
また、粒子径あるいは比表面積により、通常の酸化亜鉛から微粒子酸化亜鉛(比表面積が10m2/g<)、さらに超微粒子酸化亜鉛(粒子径が0.1μm>)に分けられる。
【0023】
本発明に関わる酸化亜鉛の作用は、通常の酸化亜鉛に比べ、平均粒子径が0.2μm以下、すなわち微粒子もしくは超微粒子に分類される酸化亜鉛の方がより優れている。ところが、酸化亜鉛をH,COの様な還元雰囲気で焼成すると蛍光を発する酸化亜鉛が得られることが知られているが(特開平5−117127)、これらの蛍光酸化亜鉛にはいずれの方法によって製造されたものであっても、プラスミノーゲンアクチベーター吸着・活性阻害作用、ならび肌改善作用はほとんど認められない。
【0024】
なお、上記酸化亜鉛がプラスミノーゲンアクチベーター吸着・阻害作用に、より優れている理由は現在のところ不明である。
また、主に紫外線防止効果や安全性、安定性、使用性の向上を目的として、酸化亜鉛以外の無機あるいは有機化合物、例えば炭酸塩、硫酸塩(特開平10−87468)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(特開平1−308819)、シリカゲル、アルミナ(特開平3−183620、特開平10−87467)、フッ素変性シリコーン(特開平7−277914)、ポリエステル、ナイロン、セルロース等(特許第2628058号)で酸化亜鉛を被覆、あるいは酸化亜鉛でこれらを被覆した複合粉末が開発されている。
【0025】
本発明では特に、担体として用いる酸化亜鉛のプラスミノーゲンアクチベーター吸着・阻害作用がシリカゲルで被覆することによりさらに向上し、しかも病的皮膚炎などを生じている敏感肌に対しての刺激性も低減することから、シリカゲル被覆酸化亜鉛が好適に用いられる。なお、担体として用いる酸化亜鉛の製造法、粒径等は特に限定しないが、前述の蛍光をもたない平均粒子径が0.2μm以下の酸化亜鉛を用いることが、プラスミノーゲンアクチベーター吸着・阻害作用ならびに肌改善作用がより優れていることから好ましい。
【0026】
また、酸化亜鉛表面に被覆するシリカゲルの割合は、0.1〜70重量%、特には5〜40重量%が好ましい。0.1%未満ではシリカゲルの影響は何ら認められず、70%を超えると逆に作用は低下するので好ましくない。
【0027】
なお、製造方法や被覆構造の異なるシリカゲル被覆酸化亜鉛がいくつか知られているが(特開平3−183620、特願平9−529975、特開平10−87434、特開平11−193354)、本発明に用いられるシリカゲル被覆酸化亜鉛は、酸化亜鉛に対するシリカゲルの重量比が上記範囲内であれば、いずれの製造方法あるいは被覆構造であっても構わない。
【0028】
さらに、本発明の酸化亜鉛を皮膚外用剤に配合するにあたっては、必要に応じシリコーン処理等で疎水化した後、配合してもよい。
以上のような酸化亜鉛を1種または2種以上配合することにより、プラスミノーゲンアクチベーターを吸着し、且つ活性阻害作用に優れ、さらに肌改善作用に優れた安全性の極めて高い皮膚外用剤を提供することができる。
プラスミノーゲンアクチベーターにはウロキナーゼと組織型プラスミノーゲンアクチベーターと呼ばれる2種類があり、前者は健常な表皮で、後者は主に病的な表皮においてその存在が認められている。
【0029】
本発明に関わる酸化亜鉛は、この両方のプラスミノーゲンアクチベーターに対し吸着・阻害作用を有するものである。
そして、酸化亜鉛を高濃度に配合した皮膚外用剤を適用するときに、刺激に対して過敏なアトピー性皮膚炎、重度のニキビ肌などの患者にまれに見られることのある過敏症状や刺激感などは、前記シリカゲル被覆酸化亜鉛にはほとんど認められず、本発明にかかるシリカゲル被覆酸化亜鉛は病的皮膚炎改善用皮膚外用剤として特に有用である。
【0030】
本発明の皮膚外用剤におけるプラスミノーゲンアクチベーターを吸着・阻害する酸化亜鉛の配合量は、全量中0.005〜50.0重量%、好ましくは0.1〜20.0重量%である。0.005重量%未満であると本発明でいう効果が十分に発揮されず、50.0%を越えると製剤化が難しいので好ましくない。
プラスミノーゲンアクチベーターを吸着・阻害する酸化亜鉛を配合した上記皮膚外用剤には、本発明の効果を損なわない範囲内で、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、保湿剤、酸化防止剤、油性成分、紫外線吸収剤、乳化剤、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、粉末成分、色材、水性成分、水、各種皮膚栄養剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0031】
さらに、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リンゴ酸等の金属封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸およびその誘導体、甘草、カリン、イチヤクソウ等の各種生薬抽出物、酢酸トコフェロール、グリチルレジン酸、グリチルリチン酸およびその誘導体またはその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の美白剤、アルギニン、リジン等のアミノ酸及びその誘導体、フルクトース、マンノース、エリスリトール、トレハロース、キシリトール等の糖類なども適宜配合することができる。
【0032】
本発明の皮膚外用剤は、例えば軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、ファンデーション、口紅、浴用剤、あぶら取り紙、紙おしろい等、従来皮膚外用剤に用いるものであればいずれの形で適用することもでき、剤型は特に問わない。
【0033】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれら実施例により何らに限定されるものではない。なお、配合量はすべて重量%である。
実施例に先立ち、本発明に用いられる酸化亜鉛のプラスミノーゲンアクチベーター吸着作用、プラスミノーゲンアクチベーター活性阻害作用、及び肌改善作用に関する試験方法ならびにその結果について説明する。
【0034】
1.プラスミノーゲンアクチベーター吸着・阻害作用試験(in vitro)
(1) 試料の調製
タルク、マイカ、カオリン、ゼオライト、セリサイト、メタ珪酸ナトリウムマグネシウム(ノイシリン)、ヒドロキシアパタイト、酸化アルミニウム、シリカゲル、酸化チタン、以上10種類の酸化亜鉛以外の無機粉末、及び製造法、粒子径等の異なる8種類(▲1▼〜▲8▼)の酸化亜鉛を試料とし、各0.1%懸濁水を作製してウロキナーゼに対する吸着作用、及び活性阻害作用を評価した。
【0035】
(2)プラスミノーゲンアクチベーター吸着作用の測定
試料懸濁水20μLにTris-HCl buffer(pH7.4)を加えて全量を180μLとし、ここに10μg/mLの前駆体型ウロキナーゼ20μLを添加して室温で5分間放置した。その後試料粉末をろ過し、ろ液を回収した。さらに一定量のTris-HCl bufferにて粉末を十分に洗浄し、ろ液と洗浄液を合わせ、これを未吸着ウロキナーゼ溶液とした。TintElize uPA(biopool)を用い、ELISA法にて未吸着ウロキナーゼ溶液中のウロキナーゼ濃度を求め、その値から試料粉末に吸着されたウロキナーゼ量を算出した。結果を表1に示す。
【0036】
(3)プラスミノーゲンアクチベーター活性阻害作用の測定
試料懸濁水20μLにTris-HCl buffer(pH7.4)を加えて全量を180μLとし、ここに1000U/mLの活性型ウロキナーゼ20μLを添加して37℃恒温器に放置した。15分後、ウロキナーゼの特異的な合成基質であるS2444(CHROMOGENIX)を20μL添加し、さらに37℃に15分放置した。その後12%のトリクロロ酢酸水溶液20μLを添加して反応を停止させた上で、試料粉末をろ過し、ろ液の405nm吸光度を測定して評価系中のウロキナーゼ活性を求め、さらに試料によるウロキナーゼ活性阻害率を算出した。結果を表1に示す。
【0037】
2.肌荒れ防止効果試験(in vivo)
(1) 試料の調製
in vitroでの試験同様、タルク、マイカ、カオリン、ゼオライト、セリサイト、ノイシリン、ヒドロキシアパタイト、酸化アルミニウム、シリカゲル、酸化チタン、及び8種類の酸化亜鉛の計18品を試料とし、各3%懸濁水を作製して活性剤によって惹起される肌荒れに対する防止効果を評価した。
【0038】
(2)肌荒れ防止効果の判定
54名の男性パネルの前腕内側部2ヵ所に、5%SDS水溶液を浸した脱脂綿(2×2cm)を当て15分間固定し、活性剤を洗い落とした後そこにパネルごとに割り付けた試料懸濁水と、対照として水を0.5mLずつ塗布した(n=3)。この操作を7日間繰り返し、8日目に被験部位を十分に洗浄し、60分放置した後SDSによって惹起される肌荒れの程度を観察し、以下の判定基準にもとづき評点を付けた。さらにパネルごとに対照部位と試料塗布部位の評点差を求め、これを各試料ごとに合計し、以下の肌荒れ防止効果基準にもとづき各試料の効果を判定した。結果をin vitroの結果と合わせて表1に示す。
【0039】
<肌荒れ評点基準>
評点4:明らかな紅斑及び/または落屑が認められる。
評点3:中等度の紅斑及び/または僅かに落屑が認められる。
評点2:僅かな紅斑及び/または角層に亀裂が認められる。
評点1:角層表面が白っぽい、または粉を吹いたように見える。
評点0:症状なし。
【0040】
<肌荒れ防止効果判定基準>
◎=明らかに効果あり :評点差6以上
○=やや効果あり :評点差4または5
△=防止傾向あり :評点差2または3
×=無効 :評点差1以下。
【0041】
【表1】
Figure 0004326689
【0042】
表1から明らかなように、評価した無機粉末の多くはプラスミノーゲンアクチベーター(ウロキナーゼ)吸着作用を有しているが、活性阻害作用を有する粉末は酸化亜鉛のみであった。一方、酸化亜鉛はいずれも比較的高い活性阻害作用を有しているが、蛍光酸化亜鉛である▲4▼のように吸着作用の極端に低いものもあり、酸化亜鉛に限って見た場合、肌荒れに対する効果はプラスミノーゲンアクチベーター吸着作用にほぼ比例している。このことから、肌に対する有効性にはプラスミノーゲンアクチベーターの吸着と活性阻害の両方の作用が重要であり、両作用ともに上記基準で60%以上のものは高い肌荒れ防止効果を有し、特に両者とも70%以上のものは著効を有することが理解される。そして、同じ酸化亜鉛でもシリカの被覆を行うことによりプラスミノーゲンアクチベーター吸着作用、阻害作用、および肌荒れ防止効果が改善することが認められた。
【0043】
次の表2には前記酸化亜鉛▲5▼、シリカ被覆酸化亜鉛▲8▼と、酸化亜鉛▲5▼とシリカゲルを混合した系等との比較結果を示す。
【表2】
Figure 0004326689
【0044】
上記表2より明らかなように、酸化亜鉛とシリカゲルを混合しただけのものは、吸着率に改善は見られるものの阻害率で大幅な改善は認められない。これに対してシリカゲル被覆酸化亜鉛は阻害率に大幅な改善が認められ、また肌荒れ防止効果も極めて高いものになることが理解される。
【0045】
また、シリカゲル被覆量が10%の場合(▲9▼)には、30重量%の場合(▲8▼)の場合よりも若干効果は劣ったが、十分な効果が確認された。なお、シリカゲル被覆効果としては、単に肌荒れ改善効果の増強作用のみならず、後述する病的皮膚炎を起こしている敏感肌における刺激軽減作用も認められ、これらの効果はシリカゲル被覆量が0.1〜70重量%で観察され、特に5〜40重量%で顕著に発現する。
【0046】
一方、顕著な効果を有するシリカ被覆酸化亜鉛▲8▼に対して3%シリコン処理を施し、撥水性を付与した場合((10))には、試料が疎水性のため評価系に分散せず吸着率、阻害率は測定できなかった(N.D.)が、実使用の結果では未処理シリカ被覆酸化亜鉛▲8▼よりも劣るものの、十分な肌荒れ防止効果が観察された。
【0047】
3.肌改善効果実使用試験
(1) アトピー性皮膚炎に対する有効性試験
試料として、平均粒子径0.04μmの乾式酸化亜鉛のシリカ被覆体(堺化学製FINEX-25の20%シリカ被覆体)を含む表3に示すような本発明のローションと、比較用としてシリカ被覆酸化亜鉛の代わりに平均粒子径0.5μmの乾式酸化亜鉛(堺化学製日本薬局方酸化亜鉛)を配合したローション(比較品1)、及び酸化亜鉛を含まないローション(比較品2)を用いて、アトピー性皮膚炎に対する改善効果を評価した。
【0048】
即ち、軽症もしくは中等症と診断されるアトピー性皮膚炎患者40名を20名ずつ2群に分け、典型的な同程度の皮疹が左右対称性に認められる部位を被験部位として、1群には本発明品と比較品2のローションを、もう1群には比較品1と比較品2のローションを、左右無作為に割り付け各々の被験部位に1日朝晩2回、4週間連用塗布させた。4週間後、潮紅、乾燥(落屑)、掻痒感について観察及び問診を行ない、以下の基準に従い評点を付けた。さらに比較品2と本発明品、もしくは比較品2と比較品1の評点差を求め、以下の判定基準にもとづき改善効果を判定した。結果を表4に示す。
【0049】
<評点基準>
評点4:高度
評点3:中等度
評点2:軽度
評点1:軽微
評点0:症状なし
【0050】
<改善効果判定基準>
著しく改善:評点差3以上
改善 :評点差2
やや改善 :評点差1
不変 :評点差0
悪化 :評点差−1以下
【0051】
【表3】
Figure 0004326689
【0052】
【表4】
Figure 0004326689
【0053】
表4から明らかなように、本発明のローションには、一般に医薬品に用いられている他の酸化亜鉛を配合した比較品のローションに比し、アトピー性皮膚炎に対するより優れた改善効果が認められた。また一般の酸化亜鉛(比較例1)では、若干の症状悪化例が見られ、病的皮膚炎に対する酸化亜鉛の刺激作用が見とめられる場合もあったが、本発明品では症状の悪化は認められず、特にシリカゲル被覆酸化亜鉛の病的皮膚炎改善用外用剤への優れた適性が示された。
【0054】
(2) ニキビ肌に対する有効性試験
試料として、平均粒子径0.03μmの湿式酸化亜鉛のシリカ被覆体(HARCROS製ACTIVOXの20重量%シリカ被覆体)を含む表5に示すような本発明のファンデーションと、比較用としてシリカ被覆酸化亜鉛の代わりに平均粒子径0.04μmの湿式酸化亜鉛(正同化学製AZO-BS)を配合したファンデーション(比較品3)を用いて、ニキビ肌に対する改善効果を評価した。
【0055】
即ち、ニキビに悩む16〜24歳の女性パネル40名を20名ずつ2群に分け、顔面を被験部位として1群には本発明品のファンデーションを、もう1群には比較品3のファンデーションを4週間連用させた。4週間後、試験前とのニキビの状態をパネル自身が評価し、症状が改善された場合は{A}、症状が不変または悪化した場合は{B}と申告させ、以下の基準をもとに改善効果を判定した。結果を表5に示す。
【0056】
<改善効果判定基準>
◎=高い改善効果あり :20名中15名以上が{A}と評価
○=改善効果あり :20名中10〜14名が{A}と評価
△=改善傾向あり :20名中5〜9名が{A}と評価
×=無効 :20名中{A}の評価が5名未満
【0057】
【表5】
Figure 0004326689
表5から判るように、本発明のファンデーションには比較品のファンデーションに比べ、ニキビ肌に対するより優れた改善効果が認められた。
【0058】
処方例1 クリーム
(処方) 重量%
1)ステアリン酸モノグリセリド 2.0
2)ステアリルアルコール 4.0
3)ミツロウ 3.0
4)ラノリン 5.0
5)エチルパラベン 0.3
6)P.O.E(20モル)ソルビタン
モノオレイン酸エステル 2.0
7)スクワラン 20.0
8)酸化亜鉛(シリカ被覆FINEX-25) 5.0
9)香料 0.2
10)1,3−ブチレングリコール 5.0
11)グリセリン 5.0
12)精製水 残余
(製法)
1)〜7)及び9)を加熱して75℃に保つ(油相)。12)に10)11)を溶解した後、8)を加え、分散して75℃に加温する(水相)。水相を油相に添加しホモミキサーで均一に乳化し、よくかきまぜながら30℃まで冷却する。
【0059】
処方例2 粉末状外用剤
(処方) 重量%
1)タルク 49.95
2)酸化亜鉛(シリカ被覆FINEX-50) 50.0
3)香料 0.05
(製法)
1)と2)をブレンダーで十分に攪拌混合しながら3)を均一に噴霧する。
【0060】
処方例3 ベビーパウダー
(処方) 重量%
1)タルク 77.0
2)炭酸カルシウム 17.0
3)澱粉 0.5
4)酸化亜鉛(シリカ被覆FINEX-75) 5.0
5)殺菌剤 0.3
6)防腐剤 0.2
(製法)
1)〜6)をブレンダーでよく攪拌混合する。
【0061】
処方例4 口紅
(処方) 重量%
1)炭化水素ワックス 3.0
2)キャンデリラワックス 1.0
3)グリセリルイソステアート 40.0
4)流動パラフィン 46.448
5)赤色202号 0.5
6)赤色204号 2.0
7)赤色223号 0.05
8)酸化亜鉛(シリカ被覆ACTIVOX) 3.0
9)二酸化チタン 4.0
10)香料 0.002
(製法)
1)〜4)を85℃に加熱溶解し、これに5)〜9)を加え攪拌混合した後10)を攪拌混合し、容器に充填して冷却する。
【0062】
処方例5 乳化ファンデーション
(処方) 重量%
1)ステアリン酸 0.4
2)イソステアリン酸 0.3
3)セチル2-エチルヘキサノエート 4.0
4)流動パラフィン 11.0
5)P.O.E(10)ステアリルエーテル 2.0
6)タルク 15.0
7)赤色酸化鉄 0.01
8)黄色酸化鉄 0.001
9)黒色酸化鉄 0.05
10)セチルアルコール 0.3
11)防腐剤 0.07
12)酸化亜鉛(シリコン処理シリカ被覆FINEX-25) 5.0
13)トリエタノールアミン 0.4
14)プロピレングリコール 5.0
15)香料 0.01
16)精製水 残余
(製法)
1)〜11)を85℃に加熱溶解した後、12)を添加し均一に分散する。これに13)14)16)を85℃に加熱溶解混合したものを徐々に添加し乳化する。乳化時温度を10分間保持して攪拌した後、攪拌冷却して45℃とする。これに15)を加え35℃まで攪拌冷却を続け、容器に充填する。
【0063】
処方例6 パック
(処方) 重量%
1)ポリビニルアルコール 15.0
2)ポリエチレングリコール 3.0
3)プロピレングリコール 7.0
4)エタノール 10.0
5)酸化亜鉛(シリカ被覆正同) 10.0
6)メチルパラベン 0.05
7)香料 0.1
8)精製水 残余
(製法)
8)に2)3)6)を加え溶解する。次いで1)を加え加熱溶解した後5)を分散する。これに4)7)を添加し攪拌溶解する。
【0064】
処方例7 スティックファンデーション
(処方) 重量%
1)ニ酸化チタン 13.0
2)カオリン 12.0
3)酸化亜鉛(シリカ被覆ACTIVOX) 13.7
4)赤色酸化鉄 1.0
5)黄色酸化鉄 0.7
6)黒色酸化鉄 0.1
7)スクワラン 37.0
8)セチル2-エチルヘキサノエート 16.0
9)ソルビタンセスキオレート 1.0
10)マイクロクリスタリンワックス 4.0
11)カルバナロウ 1.3
12)香料 0.2
(製法)
7)〜9)を80℃で混合し、これに1)〜6)を添加しディスバーで混合した後TKミル処理する。さらにこれに加熱溶解した10)と11)を添加し、混合後脱気する。12)を緩やかに混合した後、80℃で容器に充填し、冷却する。
【0065】
処方例8 固形粉末ファンデーション
(処方)
1)セリサイト 22.0
2)合成マイカ 15.0
3)タルク 残余
4)無水ケイ酸被覆酸化亜鉛 7.0
(無水ケイ酸20重量% 平均粒子径0.03μm)
5)ベンガラ 0.8
6)黄酸化鉄 2.0
7)黒酸化鉄 0.1
8)亜鉛華 2.0
9)シリコーン弾性粉末 2.0
10)球状ポリエチレン 4.0
11)ジメチルポリシロキサン 3.0
12)流動パラフィン 5.0
13)ワセリン 5.0
14)ソルビタンセスキイソステアレート 1.0
15)パラベン 適量
16)酸化防止剤 適量
17)香料 適量
(製法)
1)〜17)をブレンダーでよく攪拌混合する。
【0066】
処方例9 W/O型乳化化粧下地
(処方)
1)シクロメチコン 30.0
2)ジメチコン 2.0
3)シリコーンレジン 1.0
4)抗酸化剤 適量
5)オクチルメトキシシンナメート 3.0
6)4-tertブチル-4'-メトキシベンゾイルメタン 1.0
7)イソステアリン酸 1.0
8)シリコーン処理アルミナ 8.0
9)カチオン変性ベントナイト 2.0
10)無水ケイ酸複合化酸化亜鉛 5.0
(無水ケイ酸30重量% 酸化亜鉛平均粒子径0.1μm)
11)タルク 5.0
12)球状PMMA樹脂粉末 5.0
13)イオン交換水 残部
14)グリセリン 4.0
15)ポリエチレングリコール 1.0
16)防腐剤 適量
17)安定化剤 適量
18)香料 適量
(製法)
1)〜9),12),16)〜18)を85℃に加熱溶解し、10),11)を加え、分散する(油相)。13)に14),15)を添加し均一に分散する(水相)。水相中に油相を添加し、85℃で100分間保持して攪拌した後、攪拌冷却して45℃とする。
【0067】
処方例10 W/O型乳化ファンデーション
1)シリコーン処理合成マイカ 15.0
2)シリコーン処理セリサイト 7.0
3)シリコーン処理酸化チタン 12.0
4)シリコーン処理ベンガラ 1.2
5)シリコーン処理黄酸化鉄 2.3
6)シリコーン処理黒酸化鉄 0.6
7)無水ケイ酸被覆微粒子酸化亜鉛 12.0
(無水ケイ酸10重量%、酸化亜鉛平均粒子径0.02μm)
8)球状PMMA粉末 4.0
9)シクロメチコン 残余
10)ジメチルポリシロキサン 4.0
11)スクワラン 3.0
12)ポリエーテル変性シリコーン 2.0
13)ソルビタンセスキイソステアレート 1.0
14)分散助剤 適量
15)ジプロピレングリコール 2.0
16)イオン交換水 20.0
17)パラベン 適量
18)抗酸化剤 適量
19)香料 適量
(製法)
1)〜14)を85℃に加熱溶解する(油相)。16)に15)を添加し均一に分散する(水相)。水相中に油相を添加し、85℃で100分間保持して攪拌した後、17)〜19)を加え、攪拌冷却して45℃とする。
【0068】
処方例11 白粉
1)タルク 残余
2)合成マイカ 22.0
3)無水ケイ酸被覆微粒子酸化亜鉛 13.0
(無水ケイ酸20重量%、粒子径約0.03μm)
4)球状シリコーン粉末 4.0
5)スクワラン 3.0
6)パラベン 適量
7)香料 適量
(製法)
1)〜6)をブレンダーで十分に攪拌混合しながら7)を均一に噴霧する。
【0069】
処方例12 O/W型乳化ファンデーション
1)セリサイト 17.0
2)マイカ 20.0
3)無水ケイ酸被覆酸化亜鉛 8.0
(無水ケイ酸10重量%、酸化亜鉛平均粒子径0.03μm)
4)ベンガラ 0.3
5)黄酸化鉄 1.2
6)黒酸化鉄 0.6
7)球状ポリエチレン粉末 6.0
8)スクワラン 10.0
9)オリーブ油 10.0
10)ステアリン酸 2.0
11)グリセリルモノステアレート 2.0
12)POE(40)モノステアリン酸ソルビタン 2.0
13)グリセリン 5.0
14)トリエタノールアミン 0.8
15)pH調整剤 適量
16)防腐剤 適量
17)イオン交換水 残部
(製法)
1)〜12)を85℃に加熱溶解する(油相)。17)に13)〜15)を添加し均一に分散する(水相)。水相中に油相を添加し、85℃で100分間保持して攪拌した後、16)を加え、攪拌冷却して45℃とする。
【0070】
処方例13 O/W型乳化化粧下地
1)イオン交換水 残部
2)グリセリン 20.0
3)1,2−ペンタンジオール 3.0
4)1,3−ブチレングリコール 1.0
5)流動パラフィン 7.5
6)イソステアリン酸 0.5
7)アスコルビン酸(美白剤) 0.2
8)カミツレエキス(美白剤) 0.1
9)ユキノシタエキス(美白剤) 0.3
10)フタル酸ジ2−エチルヘキシル 0.3
11)球状シリカ 4.0
12)無水ケイ酸複合化酸化亜鉛 5.0
(無水ケイ酸40重量%、酸化亜鉛平均粒子径0.03μm)
13)タルク 5.0
14)安定化剤 適量
15)香料 適量
(製法)
5)〜14)を85℃に加熱溶解する(油相)。1)に2)〜4)を添加し均一に分散する(水相)。水相中に油相を添加し、85℃で100分間保持して攪拌した後、15)を加え、攪拌冷却して45℃とする。
【0071】
処方例14 油性アイシャドー
1)ジメチコーン 10.0
2)エステル油 10.0
3)流動パラフィン 残部
4)スクワラン 10.0
5)ソルビタンセスキイソステアレート 1.0
6)ポリエチレンワックス 8.0
7)セレシンワックス 3.0
8)マイカ 7.0
9)球状セルロース粉末(約6μm) 5.0
10)干渉系雲母チタン 8.0
11)無水ケイ酸複合酸化亜鉛 7.0
(無水ケイ酸35重量%、酸化亜鉛平均粒子径0.01μm)
12)カオリン 10.0
13)酸化防止剤 適量
14)香料 適量
(製法)
1)〜7)を85℃に加熱溶解し、これに8)〜12)を加え攪拌混合した後13),14)を攪拌混合し、容器に充填して冷却する。
【0072】
処方例15 口紅
1)ポリエチレンワックス 10.0
2)セレシンワックス 3.0
3)ラノリン 20.0
4)ポリブテン 20.0
5)オクチルメトキシシンナメート 5.0
6)ジメチコーン 12.0
7)エステル油 残部
8)酸化チタン 4.5
9)赤色201号 0.5
10)赤色202号 1.1
11)赤色223号 0.3
12)球状ポリエチレン粉末(約5μm) 3.0
13)ベンガラ被覆干渉系雲母チタン 12.0
14)無水ケイ酸被覆酸化亜鉛 5.0
(無水ケイ酸20重量%、酸化亜鉛平均粒子径0.03μm)
15)窒化ホウ素粉末(平均粒子径15μm) 5.0
16)酸化防止剤 適量
17)香料 適量
(製法)
1)〜7)を85℃に加熱溶解し、これに8)〜15)を加え攪拌混合した後16),17)を攪拌混合し、容器に充填して冷却する。
【0073】
処方例16 両用パウダーファンデーション
1)シリコーン処理セリサイト 13.0
2)シリコーン処理マイカ 残量
3)シリコーン処理タルク 15.0
4)無水ケイ酸被覆酸化亜鉛 5.0
(無水ケイ酸20%重量、平均粒子径0.03μm)
5)ステアリン酸アルミ処理微粒子酸化チタン 6.0
6)シリコーン処理酸化チタン 9.0
7)シリコーン処理ベンガラ 1.2
8)シリコーン処理黄酸化鉄 2.5
9)シリコーン処理黒酸化鉄 0.9
10)硫酸バリウム粉末 7.0
11)ポリウレタン粉末 1.0
12)シリコーン弾性粉末 5.0
13)ポリエチレン粉末 2.0
14)干渉系雲母チタン 4.0
15)パラベン 適量
16)ジメチルポリシロキサン 3.0
17)メチルフェニルポリシロキサン 2.0
18)ワセリン 2.0
19)オクチルメトキシシナメート 3.0
20)ソルビタンセスキイソステアレート 1.0
21)ポリエーテルシリコーン 1.0
22)酸化防止剤 適量
23)香料 適量
(製法)
1)〜22)を85℃にて加熱混合した後、23)を均一に噴霧する。
【0074】
処方例17 両用パウダーファンデーション
1)フッ素変性シリコーン処理セリサイト 22.0
2)フッ素変性シリコーン処理マイカ 残量
3)フッ素変性シリコーン処理カオリン 10.0
4)無水ケイ酸被覆酸化亜鉛 7.0
(無水ケイ酸10%重量、平均粒子径0.3μm)
5)シリコーン処理微粒子酸化チタン 8.0
6)フッ素変性シリコーン処理酸化チタン 9.0
7)フッ素変性シリコーン処理ベンガラ 1.2
8)フッ素変性シリコーン処理黄酸化鉄 2.5
9)フッ素変性シリコーン処理黒酸化鉄 0.9
10)球状シリコーン粉末 8.0
11)ラウロイルリジン皮膜酸化チタン 4.0
12)パラベン 適量
13)ジメチルポリシロキサン 4.0
14)ポリエチレングリコール 2.0
15)フルオロポリエーテル 2.0
16)オクチルメトキシシナメート 2.0
17)ソルビタンセスキイソステアレート 1.0
18)酸化防止剤 適量
19)香料 適量
(製法)
1)〜18)を85℃にて加熱混合した後19)を均一に噴霧する。
【0075】
処方例18 清浄用拭取剤
1)イオン交換水 91.945
2)食塩(日本薬局方収載) 0.35
3)ジプロピレングリコール 2.0
4)ヘキサメタリン酸ソーダ 0.005
5)無水ケイ酸被覆酸化亜鉛 5.0
6)ベントナイト 0.5
7)メチルパラベン 0.1
8)POE(20)オクチルドデシルエーテル 0.1
(製法)
1)に2)〜8)をよく攪拌しながら溶解・分散し、それを不織布に含浸させる。
【0076】
処方例19 紙おしろい
1)着色剤 25
2)無水ケイ酸被覆酸化亜鉛 3
3)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
4)デヒドロ酢酸ナトリウム 0.1
5)メタリン酸ナトリウム 0.2
6)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.2
(20E.O.)
7)香料 0.1
8)常水 適量
計100重量%
(製法)
8)に1)〜7)を混合した塗工液を紙面に塗工した後、乾燥させる。
【0077】
処方例1〜19の皮膚外用剤は、いずれもプラスミノーゲンアクチベーター吸着・阻害作用を有し、接触性皮膚炎、乾癬、アトピー性皮膚炎の他、健常人が経験する肌荒れ、あるいはニキビに対して優れた改善・予防効果を示す。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤として特定の酸化亜鉛を用いることとしたので、高い安全性とともに優れた阻害効果を発揮することができる。
また、本発明において特にシリカゲル被覆酸化亜鉛をプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤として用いることにより、アトピー性皮膚炎などの病的皮膚炎に対しても過敏症を呈することなく、高い予防・改善作用を発揮することができる。

Claims (5)

  1. プラスミノーゲンアクチベーターを吸着し、且つその活性を阻害する5〜40重量%のシリカゲルで表面を被覆した、平均粒子径0.2μm以下の酸化亜鉛からなるプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤。
  2. 請求項1記載の阻害剤において、プラスミノーゲンアクチベーターの吸着率は60%以上、阻害率は60%以上であることを特徴とするプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤。
    なお、プラスミノーゲンアクチベーターの吸着率および阻害率は以下の方法により測定する。
    プラスミノーゲンアクチベーター吸着作用の測定
    緩衝液中で0.1%の被検試料と一本鎖ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター(1μg/mL)を一定時間混合した後、被検試料を除去し、緩衝液中に残った一本鎖ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーターをELISA法にて定量することにより評価した。
    プラスミノーゲンアクチベーター活性阻害作用の測定
    0.1%の被検試料と二本鎖ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター(100U/mL)を含む緩衝液の、合成基質分解活性により評価した。
  3. 請求項2記載の阻害剤において、プラスミノーゲンアクチベーター吸着率および阻害率が70%以上である酸化亜鉛であることを特徴とするプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のプラスミノーゲンアクチベータ阻害剤を含むことを特徴とする病的皮膚炎改善用皮膚外用剤。
  5. プラスミノーゲンアクチベーターを吸着し、且つその活性を阻害する5〜40重量%のシリカゲルで表面を被覆した、平均粒子径0.2μm以下の酸化亜鉛を含むことを特徴とするアトピー性皮膚炎患者用またはニキビ肌用化粧料。
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