JP4326490B2 - 加熱炉用の燃焼装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内部を通してガス燃料を通流させる横断面形状が筒状の長尺状の燃料噴出体が、加熱炉横側部の供給口を通して炉内に燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給路内に突入する状態で設けられ、
前記燃料噴出体の側周壁の先端側に形成されたノズル嵌め込み用開口に嵌め込み状態で装着されるノズルに、ガス燃料噴出用の複数の噴出孔が、前記燃料噴出体の長手方向に沿う長手方向視にて、前記ノズルの横幅方向に並び且つ前記ノズル嵌め込み用開口より露出するガス燃料噴出側の前面と前記燃料噴出体の内部に位置する内面とにわたる状態で形成された加熱炉用の燃焼装置に関する。
かかる加熱炉用の燃焼装置(以下、単に燃焼装置と略記する場合がある)は、酸素含有ガス供給路を通じて燃焼用酸素含有ガスを加熱炉横側部の供給口から炉内に供給すると共に、長尺状の燃料噴出体の先端側に備えたノズルの複数の噴出孔から、ガス燃料を酸素含有ガス供給路内を通して炉内に噴出する所謂スルーポート式のものであり、例えば、ガラス原料を溶解させる溶解槽の上方に火炎を形成して、溶解槽を加熱するものである。
ノズルは、燃料噴出体の側周壁の先端側に形成されたノズル嵌め込み用開口に嵌め込み状態で装着し、そのノズルには、ガス燃料噴出用の複数の噴出孔を、燃料噴出体の長手方向に沿う長手方向視にて、ノズルの横幅方向に並び且つノズル嵌め込み用開口より露出するガス燃料噴出側の前面と燃料噴出体の内部に位置する内面との間にわたる状態で形成してある。
このような燃焼装置において、従来は、ノズルの横幅方向に並ぶ複数の噴出孔の全てに対して、燃料噴出体内を通流するガス燃料を供給するように構成していた。
つまり、前記複数の噴出孔全てのガス燃料供給側の開口が燃料噴出体内に開くように構成して、前記複数の噴出孔の全てに対して、燃料噴出体内を通じてガス燃料を供給するように構成していた(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−317116号公報
ところで、このような燃焼装置は、種々の形状の加熱炉の加熱用として用いられる。
例えば、加熱炉横側部の供給口からの炉内に対する燃焼用酸素含有ガスの供給方向(以下、火炎長手方向と称する場合がある)における長さが比較的長いものや、火炎長手方向における長さが比較的短いもの等、種々の形状のものがある。
そして、燃焼装置にて、加熱炉の形状に適合した火炎を形成して、炉内を加熱することが望まれる。
又、加熱炉の形状が同じであっても、加熱対象物が異なる場合があり、この場合は、燃焼装置にて、炉内の温度分布(例えば火炎長手方向での温度分布)を加熱対象物に適合したものにすることが可能な火炎を形成して、炉内を加熱することが望まれる。
しかしながら、従来では、ノズルの横幅方向に並ぶ複数の噴出孔の全てに対して、燃料噴出体内を通流するガス燃料を供給する構成であるので、火炎形状は、ノズルの横幅方向に並ぶ複数の噴出孔の数や噴出方向等(以下、噴出孔形成形態と記載する場合がある)により決まる。
従って、例えば、火炎長手方向における長さが長い形状の加熱炉に適合させるべく、比較的長い形状の火炎を形成するように、噴出孔形成形態を設定すると、火炎長手方向における長さが比較的短い形状の加熱炉に対しては、火炎が長過ぎるという不都合が生じる。
逆に、火炎長手方向における長さが比較的短い形状の加熱炉に適合させるべく、比較的幅広で短い形状の火炎を形成するように、噴出孔形成形態を設定すると、火炎長手方向における長さが長い形状の加熱炉に対しては、火炎が短過ぎるという不都合が生じる。
従って、加熱炉の形状に適合した形状の火炎を形成すべく、加熱炉の形状に応じた火炎の形成が可能なノズルを燃料噴出体に装着する必要があった。
又、炉内の温度分布は、形成される火炎形状により決まるので、従来では、炉内における温度分布を加熱対象物に応じたものにするには、その温度分布となるように炉内を加熱するのに適した形状の火炎の形成が可能なノズルを燃料噴出体に装着する必要があった。
要するに、従来では、加熱炉の形状に適した形状の火炎を形成したり、加熱対象物に適合した温度分布にするのに適した形状の火炎を形成するために、噴出孔形成形態が異なることにより仕様が異なる種々のノズルを用意する必要があり、燃焼装置が高騰化する要因となっていた。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、燃料噴出体に装着するノズルの仕様を異ならせることなく、形成する火炎の形状を変化させることが可能な加熱炉用の燃焼装置を提供することにある。
本発明の加熱炉用の燃焼装置は、内部を通してガス燃料を通流させる横断面形状が筒状の長尺状の燃料噴出体が、加熱炉横側部の供給口を通して炉内に燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給路内に突入する状態で設けられ、
前記燃料噴出体の側周壁の先端側に形成されたノズル嵌め込み用開口に嵌め込み状態で装着されるノズルに、ガス燃料噴出用の複数の噴出孔が、前記燃料噴出体の長手方向に沿う長手方向視にて、前記ノズルの横幅方向に並び且つ前記ノズル嵌め込み用開口より露出するガス燃料噴出側の前面と前記燃料噴出体の内部に位置する内面とにわたる状態で形成されたものであって、
第1特徴構成は、前記燃料噴出体の内部に、前記ノズルの横幅方向に並ぶ複数の噴出孔のうちの中央側に位置する中央側噴出孔にガス燃料を供給する内筒状体が設けられ、
前記燃料噴出体内を通流するガス燃料を、前記ノズルの横幅方向に並ぶ複数の噴出孔のうちの前記中央側噴出孔の両横側方に位置する側方側噴出孔に供給するように構成され
前記燃料噴出体内へのガス燃料の供給量と前記内筒状体内へのガス燃料の供給量との比率を調節する燃料供給比率調節手段が設けられている点を特徴とする。
即ち、ノズルの横幅方向に並ぶ複数の噴出孔のうちの中央側に位置する中央側噴出孔には、燃料噴出体内に設けた内筒状体を通じてガス燃料が供給され、ノズルの横幅方向に並ぶ複数の噴出孔のうちの中央側噴出孔の両横側方に位置する側方側噴出孔には、燃料噴出体内を通じてガス燃料が供給される構成であるので、内筒状体へのガス燃料の供給量及び燃料噴出体内へのガス燃料の供給量を各別に設定することにより、中央側噴出孔から噴出されるガス燃料の噴出量及び側方側噴出孔から噴出されるガス燃料の噴出量を夫々所要の噴出量に設定することが可能となる。
そして、中央側噴出孔からのガス燃料の噴出量を多くするほど、形成される火炎の長さを長くすると共に幅を狭くすることが可能となり、逆に、側方側噴出孔からのガス燃料の噴出量を多くするほど、形成される火炎の長さを短くすると共に幅を広くすることが可能となる。
そこで、中央側噴出孔からのガス燃料の噴出量及び側方側噴出孔からのガス燃料の噴出量夫々を所要の噴出量に設定すべく、内筒状体へのガス燃料の供給量及び燃料噴出体内へのガス燃料の供給量を夫々設定することにより、加熱炉の形状に応じた長さや幅を有する形状の火炎を形成することが可能となり、又、加熱対象物に応じた温度分布となるように炉内を加熱するのに適した形状の火炎を形成することが可能となる。
従って、燃料噴出体に装着するノズルの仕様を異ならせることなく、形成する火炎の形状を変化させることが可能な加熱炉用の燃焼装置を提供することができるようになった。
また、第1特徴構成によれば、燃料噴出体内へのガス燃料の供給量と内筒状体内へのガス燃料の供給量との比率を調節する燃料供給比率調節手段が設けられているので、ノズルを燃焼噴出体に装着した状態で、燃料供給比率調節手段により、燃料噴出体内へのガス燃料の供給量と内筒状体内へのガス燃料の供給量との比率を変更調節して、側方側噴出孔からのガス燃料の噴出量と中央側噴出孔からのガス燃料の噴出量との比率を変更調節することにより、火炎の形状を変更することが可能となる。
例えば、ノズル全体からのガス燃料の噴出量を変更する、即ち、燃焼量を変更する場合に、燃焼量を小さくするほど、中央側噴出孔からのガス燃料の噴出量に対する側方側噴出孔からのガス燃料の噴出量の比率が大きくなるように、燃料供給比率調節手段により燃料噴出体内へのガス燃料の供給量と内筒状体内へのガス燃料の供給量との比率を変更調節すると、燃焼量の変更に拘らず、炉内における火炎長手方向に直交する方向(以下、火炎幅方向と記載する場合がある)での温度分布を小さくすることが可能となる。
つまり、ノズルの噴出孔形成形態は、通常、燃焼量が最大のときに、加熱炉の形状に適合した形状の火炎を形成することができるように設定するものである。
従って、従来のように、ノズルの横幅方向に並ぶ複数の噴出孔の全てに対して、燃料噴出体内を通流するガス燃料を供給する構成では、燃焼量を変化させても、ノズルの横幅方向に並ぶ複数の噴出孔から噴出されるガス燃料の噴出量の比率は殆ど変化しないので、燃焼量を小さくするほど、火炎の長さが短くなるのに合わせて火炎の幅も狭くなるので、炉内における火炎幅方向での温度分布が悪くなる。
これに対して、上述の如き燃料供給比率調節手段を設けて、燃焼量を小さくするほど、中央側噴出孔からのガス燃料の噴出量に対する側方側噴出孔からのガス燃料の噴出量の比率が大きくなるように、燃料供給比率調節手段により燃料噴出体内へのガス燃料の供給量と内筒状体内へのガス燃料の供給量との比率を変更調節すると、燃焼量を小さくしても、火炎の幅が狭くなるのを抑制することができる、又は、火炎の幅を広くすることが可能となるので、炉内における火炎幅方向での温度分布を小さくすることが可能となるのである。
従って、ノズルを燃焼噴出体に装着した状態で、火炎形状を変更することが可能となるので、使い勝手を向上することができるようになった。
特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記中央側噴出孔及び前記複数の側方側噴出孔の夫々が、孔の長さが孔の直径の2倍以上になるように形成されている点を特徴とする。
即ち、中央側噴出孔及び複数の側方側噴出孔の夫々が、孔の長さが孔の直径の2倍以上になるように形成されているので、中央側噴出孔及び複数の側方側噴出孔の夫々から噴出されるガス燃料の直進性を向上させて、ガス燃料の拡散を抑制することが可能となる。
そして、央側噴出孔及び複数の側方側噴出孔の夫々から噴出されるガス燃料の拡散を抑制することが可能となることにより、形成される火炎の形状を安定化させることができる。
従って、火炎の形状を安定化させることができるので、炉内の加熱対象物の加熱を安定化させることができるようになった。
特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記側方側噴出孔の噴出方向が、前記中央側噴出孔の噴出方向に対して、45°以下の傾斜角度にて外側に傾斜している点を特徴とする。
即ち、側方側噴出孔の噴出方向が、中央側噴出孔の噴出方向に対して、45°以下の傾斜角度にて外側に傾斜しているので、火炎に隙間が生じるのを抑制しながら、幅広の火炎を形成することが可能となる。
つまり、中央側噴出孔と複数の側方側噴出孔とにより、ガス燃料を広げるように噴出することができるので、幅広の火炎を形成することができる。
一方、中央側噴出孔と複数の側方側噴出孔とにより、ガス燃料を広げて噴出するにしても、広げ過ぎると、火炎に隙間が形成されて温度分布が悪くなるので好ましくない。
そこで、中央側噴出孔の噴出方向に対する側方側噴出孔の噴出方向の傾斜角度を、45°以下に設定することにより、火炎に隙間が形成されるのを防止することが可能となるのである。
従って、幅広の火炎を隙間が生じることなく適切に形成することが可能となるので、中央側噴出孔及び側方側噴出孔夫々からのガス燃料の噴出量を夫々所要の噴出量に設定することにより火炎形状を変更するに当たって、その火炎形状の変更可能範囲を、火炎に隙間が形成されるのを防止できながら、より一層大きくすることが可能となった。
特徴構成は、上記第1〜第特徴構成のいずれかに加えて、
前記燃料噴出体が円筒状に形成され、
前記ノズルの前記ガス燃料噴出側の前面が、前記燃料噴出体の長手方向に沿う長手方向視にて、前記燃料噴出体の側周面に沿う円弧状に形成されている点を特徴とする。
即ち、ノズルのガス燃料噴出側の前面が、燃料噴出体の長手方向に沿う長手方向視にて、燃料噴出体の側周面に沿う円弧状に形成されているので、ノズルを、燃料噴出体の外周面からの突出量を極力少なくするように又は燃料噴出体の外周面から突出しないように、燃料噴出体のノズル嵌め込み用開口に装着することが可能となる。
つまり、ノズルを燃料噴出体のノズル嵌め込み用開口に装着したときに、燃料噴出体の外周面からの突出量が多くなると、ノズルが過熱され易くなって、耐久性が低下する虞がある。
そこで、上述のように、ノズルの前面を燃料噴出体の側周面に沿う円弧状に形成することにより、ノズルの横幅方向での長さを長くしながらも、ノズルを燃料噴出体のノズル嵌め込み用開口に装着したときに、燃料噴出体の外周面からの突出量を極力少なくするように、又は、燃料噴出体の外周面から突出しないようにすることが可能となるので、ノズルの過熱を防止してノズルの耐久性を向上することが可能となる。
そして、ノズルの横幅方向での長さを長くすることにより、中央側噴出孔及び側方側噴出孔を幅広く設けることができ、又、側方側噴出孔の噴出方向を、中央側噴出孔の噴出方向に対して、傾斜角度を例えば45°以下にする条件で外側に極力大きく傾斜させることが可能となり、幅広の火炎を隙間が生じることなく適切に形成することが可能となる。
そして、幅広の火炎を隙間が生じることなく適切に形成することが可能となることにより、中央側噴出孔及び側方側噴出孔夫々からのガス燃料の噴出量を夫々所要の噴出量に設定することにより火炎形状を変更するに当たって、その火炎形状の変更可能範囲を、火炎に隙間が形成されるのを防止できながら、より一層大きくすることが可能となる。
従って、ノズルの耐久性を向上しながら、火炎形状の変更可能範囲をより一層大きくすることができるようになった。
特徴構成は、上記第1〜第特徴構成のいずれかに加えて、
前記中央側噴出孔の横断面積が前記内筒状体の横断面積よりも小さくなり、且つ、前記複数の側方側噴出孔の横断面積の総和が、前記燃料噴出体内に前記内筒状体により区画されて形成される流路の横断面積よりも小さくなるように構成されている点を特徴とする。
即ち、中央側噴出孔の横断面積が内筒状体の横断面積よりも小さいことから、ガス燃料が中央側噴出孔に対して圧力がかかる状態で供給されるので、ガス燃料が中央側噴出孔から拡散が抑制される状態で噴出され、並びに、複数の側方側噴出孔の横断面積の総和が、燃料噴出体内に内筒状体により区画されて形成される流路の横断面積よりも小さいことから、ガス燃料が複数の側方側噴出孔に対して圧力がかかる状態で供給されるので、ガス燃料が複数の側方側噴出孔から拡散が抑制される状態で噴出される。
そして、中央側噴出孔及び複数の側方側噴出孔のいずれからもガス燃料がその拡散が抑制される状態で噴出されることにより、炉内においてガス燃料と酸素含有ガスとの混合をより一層緩やかに行わせることが可能となるので、ガス燃料を良好に緩慢燃焼させることが可能となる。
そして、ガス燃料を良好に緩慢燃焼させることにより、火炎の形成範囲を広くすることができるので、炉内の温度分布を小さくすることが可能となり、又、火炎の最高温度を低くすることができるので、低NOx化を図ることができる。
従って、炉内の温度分布を小さくし、且つ、低NOx化を図ることができるようになった。
以下、図面に基づいて、本発明を加熱炉の一例であるガラス溶解炉用の燃焼装置に適用した場合の実施形態を説明する。
先ず、燃焼装置を設けたガラス溶解炉について説明する。
図5及び図6に示すように、ガラス溶解炉は、溶解槽2を下部に備えると共にアーチ型の天井を備えた炉本体1を中央に設け、溶解槽2の一端からガラス原料を投入し、他端から溶融ガラスを取り出すように構成し、ガラス原料の移送方向Tに対して、炉本体1の左右夫々に、蓄熱室3を原料移送方向Tに沿って延設し、炉本体1の左右の炉壁4の上部に、複数の空気口(所謂ポート)5を原料移送方向Tに沿って並設し、蓄熱室3と各空気口5とを空気供給路6にて連通させて、所謂サイドポート式に構成してある。
つまり、空気供給路6は、溶解炉横側部の空気口5(供給口に相当する)を通して炉内7に空気を燃焼用酸素含有ガスとして供給するように構成してあり、酸素含有ガス供給路に相当する。
炉本体1の炉壁4に投入口4iを形成し、投入口4iを形成した炉壁4と対面する炉壁4の外部に作業槽8を設けると共に、その作業槽8を溶解槽2に連通させる取り出し孔4eを炉壁4に形成して、投入口4iから投入したガラス原料を、溶解槽2にて溶融させて作業槽8に向かって流動させ、取り出し孔4eを通じて、清浄な溶融ガラスを作業槽8に導くように構成してある。
図7にも示すように、炉内7にガス燃料を噴出するノズル9を先端側に備えた横断面形状が円筒状の長尺状の燃料噴出体Bを、炉本体1の左右夫々の前記複数の空気供給路6夫々に対して、夫々の内部に下方側から上方に向かって突入する状態で設けてある。
左右の燃料噴出体Bは、一定時間(例えば、約15〜30分)毎に交互に、ガス燃料Gの噴出と噴出停止を繰り返し、ガス燃料Gを噴出している燃料噴出体Bの側の空気口5からは、蓄熱室3を通って高温(1000〜1200°C程度)に予熱された燃焼用空気Aが炉内7に供給され、ガス燃料Gの噴出を停止している燃料噴出体Bの側の空気口5からは炉内7の燃焼ガスEを排出させるようにして、左右の燃料噴出体Bにて交互に燃焼させる、所謂交番燃焼を行わせるようにしてある。尚、図5及び図6は、左側の燃料噴出体Bにて燃焼させている状態を示している。
燃料噴出体Bのノズル9から噴出されたガス燃料Gの周囲に、その噴出方向に沿って、そのガス燃料Gを噴出している燃料噴出体Bが設けられている空気口5から燃焼用空気Aが供給されて、ガス燃料Gと燃焼用空気Aとが接触して拡散燃焼して、所謂、緩慢燃焼し、高輝度の燃焼炎(輝炎)Fが形成され、その燃焼炎の輻射熱により、溶解槽2内のガラス原料を溶解する。炉本体1のアーチ状の天井は、燃焼炎の輻射熱を反射させる。
炉内7の燃焼ガスEは、ガス燃料Gの噴出を停止している燃料噴出体Bの側の空気口5から、蓄熱室3に流入し、蓄熱材を通過して、蓄熱材に排熱が回収された後、排気される。
蓄熱室3においては、燃焼ガスEを排出させる状態のときに、燃焼ガスEから排熱を蓄熱材に回収して蓄熱し、燃焼用空気Aを供給する状態のときには、蓄熱材の蓄熱により燃焼用空気Aを予熱する。そして、そのように予熱された燃焼用空気Aが、空気供給路6を通流して空気口5から炉内7に供給されるのである。
以下、図1ないし図4に基づいて、燃焼装置について説明を加える。
前述のように前記空気供給路6に設ける前記燃料噴出体Bは、基端側から先端側に向けてガス燃料を通流させるガス燃料流路20を内部に備えた横断面形状が円筒状の長尺状に形成してある。
燃料噴出体Bの側周壁の先端側に形成したノズル嵌め込み用開口10に嵌め込み状態で装着するノズル9に、ガス燃料噴出用の複数の噴出孔9a,9bを、前記燃料噴出体Bの長手方向に沿う長手方向視にて、前記ノズル9の横幅方向に並び且つノズル嵌め込み用開口10より露出するガス燃料噴出側の前面9cと燃料噴出体Bの内部に位置する内面における後面9dとの間に亘る状態で形成してある。
そして、本発明においては、燃料噴出体Bの内部に、ノズル9の横幅方向に並ぶ複数の噴出孔9a,9bのうちの中央側に位置する中央側噴出孔9aにガス燃料を供給する内筒状体としての内側燃料供給筒26を設け、燃料噴出体B内を通流するガス燃料を、ノズル9の横幅方向に並ぶ複数の噴出孔9a,9bのうちの中央側噴出孔9aの両横側方に位置する側方側噴出孔9bに供給するように構成してある。
燃料噴出体Bについて、説明を加える。
図1ないし図4に示すように、燃料噴出体Bは、それぞれ円筒状の外筒体11と内筒体12とを略同軸芯状に配置して、外筒体11及び内筒体12の基端部を、底板13にて閉塞し、内筒体12の先端は外筒体11の先端よりも引退させて、その外筒体11の先端部をキャップ14にて閉塞して構成してある。つまり、横断面形状が円筒状の燃料噴出体Bの側周壁は、外筒体11及び内筒体12から構成されている。
そして、燃料噴出体Bの先端側において、外筒体11及び内筒体12を夫々の周方向における略半分にわたる範囲で切り欠いて、その切り欠き部分における外筒体11と内筒体12との間を、その切り欠き部分の上部に位置する上部閉じ板15、切り欠き部分の下部に位置する下部閉じ板16、切り欠き部分の左右両側に夫々位置する一対の側方閉じ板17により閉じることにより、燃料噴出体Bの側周壁の先端側に略半周にわたって凹入する凹入部を形成して、その凹入部をノズル嵌め込み用開口10としてある。
前記上部閉じ板15は、外径が外筒体11の外径と略同一の半円状部と、外径が内筒体12の外径と略同一の半円状部を備えた形状に形成して、その上部閉じ板15により、内筒体12の上端開口の全体、及び、前記切り欠き部分における上部部分の内筒体12と外筒体11との間を閉塞してある。
前記下部閉じ板16は、厚み方向視で円弧状に形成して、その下部閉じ板16により、前記切り欠き部分における下部部分の内筒体12と外筒体11との間を閉塞してある。
前記側方閉じ板17は、夫々長方形状に形成して、前記切り欠き部分における左右夫々の側の部分の内筒体12と外筒体11との間を閉塞してある。
更に、左右夫々の側方閉じ板17の板面には、ノズル装着用柱18を取り付けてある。
各ノズル装着用柱18には、外側から内側に貫通するようにネジ挿通孔18bを形成してある。
そして、前記上部閉じ板15、前記下部閉じ板16及び前記一対のノズル装着用柱18により、後述するノズル9の装着部Bn(以下、ノズル装着部と記載する場合がある)を構成してある。
図3及び図4に示すように、内筒体12内に前記内側燃料供給筒26により区画されて形成される流路を、基端側から先端側に向けてガス燃料を通流させるガス燃料流路20とし、前記底板13に、そのガス燃料流路20にガス燃料を供給する側方側ガス燃料供給口19を設けてある。
前記内側燃料供給筒26は、先端側を略直角に屈曲させるとともに、先端を後述するノズル9の後面9dに当接可能なように湾曲状に形成してある。
そして、その内側燃料供給筒26を、先端を燃料噴出体Bのノズル嵌め込み用開口10に向けた状態で、長手方向を燃料噴出体Bの長手方向に沿わせた姿勢で、内筒体12の内部に設け、その基端側に燃料噴出筒Bの外部から中央側ガス燃料供給口32を連通接続してある。
又、外筒体11及びキャップ14と、内筒体12及び上部閉じ板15との間に、底板13、下部閉じ板16及び左右の側方閉じ板17にて閉じられる状態で形成される閉塞空間を、冷却水を通流させる冷却ジャケット21に構成し、その冷却ジャケット21には、外筒体11の下端を介して連通接続した冷却水供給22にて冷却水が供給され、キャップ14を介して連通接続した冷却水排出管23にて冷却水が排出されるように構成してある。
次に、図1ないし図4に基づいて、前記ノズル9について説明を加える。
この実施形態では、燃料噴出体Bの長手方向視にて、ノズル9の前記前面9cを燃料噴出体Bの側周面に沿う円弧状に形成し、ノズル9のガス燃料受入側の後面9dを、前面9cの側に凹入する凹入状に前記前面9cに平行状に形成し、燃料噴出体Bの長手方向に並ぶ上面9e及び下面9fを互いに平行で且つ前記前面9cに直交する平面状に形成してある。
又、ノズル9は、その前面9cを燃料噴出体Bの周方向の略半周にわたるように形成し、且つ、その後面9cを燃料噴出体Bの長手方向視にて中心角が略180°の円弧状に形成して構成してある。
又、ノズル9の周方向の両端部夫々には、取付板24をノズル9の内周面から延びる状態で突設してある。
そして、ノズル9には、前記複数の噴出孔9a,9bを、燃料噴出体Bの長手方向に沿う長手方向視にて、ノズル9のガス燃料噴出側の前面9cの周方向において異なる位置に開口する状態で形成してある。
具体的には、10個の噴出孔9a,9bを、燃料噴出体Bの周方向に5個並ぶ列が燃料噴出体Bの長手方向に2列になるように形成してある。
又、各列の5個の噴出孔9a,9bは、燃料噴出体Bの長手方向視にて、内方側の3個の噴出孔9aの噴出方向が互いに平行となり、両端夫々の噴出孔3bの噴出方向が内方側の噴出孔9aの噴出方向に対して外側に傾斜するように形成して、内方側の3個の噴出孔9aを中央側噴出孔9aとし、両端夫々の噴出孔9bを側方側噴出孔9bとするように構成してある。
そして、側方側噴出孔9bの噴出方向が中央側噴出孔9aの噴出方向に対して外側に傾斜する傾斜角度を45°以下になるように構成してある。
又、燃料噴出体Bの径方向に沿う径方向視にて、各噴出孔9a,9bの噴出方向は燃料噴出体Bの軸心に直交する方向になるように構成してある。
又、この実施形態では、各中央側噴出孔9a及び各側方側噴出孔9bは、孔の長さが孔の直径の2倍以上になるように形成してある。
図1ないし図4に示すように、ノズル9をノズル嵌め込み用開口10に挿入して、前記ガス燃料流路20のガス燃料通流方向において上手側に位置する下面9fの前記前面9c側に隣接する部分を前記下部閉じ板16に接触させ、前記ガス燃料通流方向において下手側に位置する上面9eを前記上部閉じ板15に接触させ、前記燃料噴出体Bの長手方向視にて両端側に位置する両端側部分夫々を各ノズル装着用柱18に接触させた状態で、燃料噴出体Bに嵌め込み状態で装着するように構成してある。
更に、各ノズル装着用柱18のネジ挿通孔18bに外れ止め用ネジ25を挿通してノズル9の取付板24に螺入することにより、ノズル9の外れを止めるように構成してある。
つまり、ノズル9は、そのガス燃料流路20のガス燃料通流方向において下手側に位置する上面9eを、燃料噴出体Bの先端を閉塞する部材、即ち、上部閉じ板15に接触させて支持するので、ノズル9における燃料噴出体Bの内部に位置する内面とは、ノズル9の外周面のうち、前記下面9f及び後面9dの夫々における燃料噴出体Bのノズル嵌め込み用開口10の開口縁部よりも燃料噴出体内側に位置する部分である。
そして、燃料噴出体Bの前記ノズル装着部Bnを、ノズル9を、燃料噴出体Bの内部に位置する内面の全体をガス燃料流路20に露呈させる状態で支持するように構成してある。
又、上述したように、燃料噴出体Bにおける前記ノズル装着部Bnを、前記上部閉じ板15、前記下部閉じ板16及び前記一対のノズル装着用柱18により構成して、そのノズル装着部Bnを、前記ノズル9における、前記ガス燃料流路20のガス燃料通流方向において上手側に位置する下面9fの前記前面9c側に隣接する部分、前記ガス燃料通流方向において下手側に位置する上面9e、及び、前記燃料噴出体Bの長手方向視にて両端側に位置する両端側部分を接触支持するように構成してある。
尚、この実施形態では、ノズル9のガス燃料受入側の後面9dを前面9cの側に凹入する凹入状に前記前面9cに平行状に形成して、ノズル9における燃料噴出体Bの径方向に沿う方向の幅を前記下部閉じ板16の幅よりもやや大きい程度に形成してあるので、下面9fにおいて前記ノズル装着部Bnにて接触支持する前記前面9c側に隣接する部分は、下面9fの略全面に相当することになる。
又、前記一対の外れ止め用ネジ25が、ノズル嵌め込み用開口10を通して挿入して燃料噴出体Bに嵌め込んだ状態のノズル9の外れを止める止め具に相当し、その止め具25を、燃料噴出体Bの長手方向に沿う長手方向視にて、燃料噴射体Bの外周部のうちで空気供給路6の壁部に近い位相に位置する両側部に、燃料噴出体Bの外部より操作自在に設けてある。
図2ないし図4に示すように、ノズル9をノズル嵌め込み用開口10に挿入して燃料噴出体Bに嵌め込み状態で装着した状態では、ノズル9のガス燃料噴出側の前面9cが燃料噴出体Bの側周面からやや突出する状態となるように構成してある。
前記内側燃料供給筒26の先端は、ノズル9をノズル嵌め込み用開口10に嵌め込み状態で装着したときに、6個の中央側噴出孔9aの基端側の開口部を覆う状態で後面9dに当接可能なように、後面9dの凹入面に沿わせた湾曲状に形成してある。
そして、内側燃料供給筒26を通して、ガス燃料を複数の中央側噴出孔9aに供給し、燃料噴出体B内に内側燃料供給筒26にて区画されて形成されるガス燃料流路20を通して、ガス燃料を複数の側方側噴出孔9bに供給するように構成してある。
又、前記複数の中央側噴出孔9aの横断面積の総和が内側燃料供給筒26の横断面積よりも小さくなり、且つ、前記複数の側方側噴出孔9bの横断面積の総和が前記ガス燃料流路20の横断面積よりも小さくなるように構成してある。
図3に示すように、ノズル9から噴出させるためのガス燃料を供給するガス供給路27を、中央側噴出孔供給用分岐路27cと側方側噴出孔供給用分岐路27sとに分岐させて、中央側噴出孔供給用分岐路27cを前記中央側ガス燃料供給口32に接続し、側方側噴出孔供給用分岐路27sを前記側方側ガス燃料供給口19に接続してある。
そして、ガス供給路27には、ガス燃料流路20及び内側燃料供給筒26へのガス燃料の供給を断続する燃料断続弁28、ガス燃料流路20及び内側燃料供給筒26へのガス燃料の供給量を調節する燃料供給量調節弁29を設け、中央側噴出孔供給用分岐路27cには、中央側供給比率調節弁30を設け、側方側噴出孔供給用分岐路27sには、側方側供給比率調節弁31を設けてある。
つまり、噴出量調節弁29の開度を調節することにより、ノズル9へのガス燃料の供給量、つまり、燃焼量を調節し、中央側噴出比率調節弁30及び側方側噴出比率調節弁31夫々の開度を調節することにより、燃料噴出体B内のガス燃料流路20へのガス燃料の供給量と前記内側燃料供給筒26へのガス燃料の供給量との比率を調節することになり、中央側噴出比率調節弁30及び側方側噴出比率調節弁31により、燃料供給比率調節手段を構成してある。
そして、中央側噴出比率調節弁30及び側方側噴出比率調節弁31夫々の開度を調節して、燃料噴出体B内のガス燃料流路20へのガス燃料の供給量と内側燃料供給筒26へのガス燃料の供給量との比率を調節することにより、複数の側方側噴出孔9bからのガス燃料の噴出量(以下、側方ガス燃料噴出量と記載する場合がある)と複数の中央側噴出孔9aからのガス燃料の噴出量(以下、中央ガス燃料噴出量と記載する場合がある)との比率を変更調節して、火炎形状を変更することができる。
例えば、燃焼量の調節範囲において、側方ガス燃料噴出量と中央ガス燃料噴出量との比を、燃焼量が最大のときの1:9から燃焼量が最小のときの5:5の範囲で変更調節するように構成してある。
そして、図6において実線にて示すように、燃焼量が最大のときは、溶解槽2の上方における火炎長手方向の略全長にわたる状態で、細長状の火炎Fが形成される。
又、燃焼量が小さくなるに伴って、中央側噴出孔9aからのガス燃料の噴出量に対する側方側噴出孔9bからのガス燃料の噴出量の比率が大きくなるので、火炎Fの長さは短くなるものの、幅が狭くなるのが抑制され、燃焼量が最小のときは、図6において一点差線にて示すように、長さは短いものの幅が広い幅広状の火炎Fが形成され、炉内7における火炎幅方向での温度分布を小さくすることできる。
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) ノズル9の外形形状は上記の実施形態において例示した形状に限定されるものではない。
例えば、上記の実施形態では、ノズル9のガス燃料受入側の後面9dを、ガス燃料噴出側の前面9cの側に凹入する凹入状に形成したが、燃料噴出体Bの長手方向視にて、ノズル9の前面9cを燃料噴出体Bの側周面に沿う円弧状に形成しても、後面9dは、直線状、即ち平面状に形成しても良い。
又、燃料噴出体Bの長手方向視にて、ノズル9の前面9cを燃料噴出体Bの側周面に沿う円弧状に形成し、後面9dを前面9cの側に凹入する円弧状に形成する場合、前面9c及び後面9dのいずれも中心角が180°よりも小さい円弧状に形成しても良い。
又、その場合、燃料噴出体Bの長手方向視にて円弧状の前面9c及び後面9d夫々の中心角を互いに異ならせても良い。
又、ノズル9の前面9cは、燃料噴出体Bの長手方向視にて燃料噴出体Bの側周面に沿う円弧状に形成する場合に限定されるものではなく、例えば、料噴出体Bの長手方向視にて、多角形状や直線状に形成しても良い。
例えば、図8に示すように、ノズル9を、燃料噴出体Bの長手方向視にて、矩形状になるように形成して、ノズル9の前面9c及び後面9dを夫々平面状に形成しても良い。
(ロ) 上記の実施形態においては、筒状の長尺状の燃料噴出体Bの形状は、上記の実施形態において例示した如き横断面形状が円筒状となる形状に限定されるものではなく、例えば、横断面形状が四角筒状となる形状に形成しても良い。
(ハ) ノズル9に形成する中央側噴出孔9a及び側方側噴出孔9bの個数及び形成形態は、上記の実施形態において例示した個数及び形成形態に限定されるものではない。
例えば、ノズル9の横幅方向に並ぶ噴出孔9a,9bの列における噴出孔9a,9bの個数は、上記の実施形態の如き5個よりも多くしても良いし、少なくしても良い。
例えば、図8に示すように、ノズル9の横幅方向に噴出孔9a,9bを3個形成する場合は、中央側噴出孔9aは1個になる。
又、中央側噴出孔9bの両横側方夫々に、複数の側方側噴出孔9bを形成しても良い。
又、ノズル9の横幅方向に並ぶ噴出孔9a,9bの列が燃料噴出体Bの長手方向に並ぶ列数は、上記の実施形態の如き2列に限定されるものではなく、3列以上でも良く、又、図9に示すように1列でも良い。
(ニ) 上記の実施形態のように、側方側噴出孔9bの噴出方向を中央側噴出孔9aの噴出方向に対して外側に傾斜させる場合、その傾斜角度を45°よりも大きくしてもよいが、大きくし過ぎると、形成される火炎に隙間が生じる場合があり、好ましくない。
又、上記の実施形態のように、側方側噴出孔9bの噴出方向を中央側噴出孔9aの噴出方向に対して外側に傾斜させる場合に限定されるものではなく、図10に示すように、側方側噴出孔9bの噴出方向を中央側噴出孔9aの噴出方向と平行にしても良い。
) 本発明の燃焼装置は、上記の実施形態に例示したサイドポート式のガラス溶解炉以外に、図11及び図12に示すように、所謂エンドポート式のガラス溶解炉の燃焼装置にも適用することができる。
以下、エンドポート式のガラス溶解炉について説明する。
炉体1の一側面を形成する炉壁4の外側に、2室の蓄熱室3を設けると共に、その炉壁4に、各蓄熱室3に対応させて空気口5を形成し、各蓄熱室3と各空気口5とを空気供給路6にて連通させて、各空気供給路6に対して、第1実施形態と同様の燃料噴出体Bを第1実施形態と同様に設けて、左右の燃料噴出体Bを用いて交番燃焼を行わせるように構成してある。
燃料噴出体Bを設けた側面に隣接する側面を形成する炉壁4における燃料噴出体Bの側の端部に、ガラス原料の投入口4iを設け、燃料噴出体Bを設けた側面に対向する側面を形成する炉壁4の外部に作業槽8を設けると共に、その作業槽8と溶解槽2との間の炉壁4には、溶解槽2と作業槽8とを連通させる取り出し孔4e形成してある。
つまり、投入口4iからガラス原料を溶解槽2に投入して、そのガラス原料を、燃料噴出体Bを設けた側面側からそれに対向する側面側の取り出し孔4eに向けて、火炎Fの長手方向に沿って流動させながら溶融させ、取り出し孔4eを通じて、清浄な溶融ガラスを作業槽8に導くように構成してある。
以下、上述の如きエンドポート式のガラス溶解炉を用いてガラス原料を溶融させる場合において、燃料噴出体Bにて形成する火炎の形状について説明を加える。
透明ガラス用のガラス原料を溶解させる場合は、泡抜きを十分に行う必要があるので、ガラス原料を流動させながら加熱するに当たって、その流動経路の下手側において、即ち、炉内7における火炎長手方向の先側(取り出し孔4e側)おいて、十分に加熱する必要がある。
従って、炉内7における火炎長手方向での温度分布として、流動経路の上手側よりも下手側、即ち、炉内7における火炎長手方向の手前側よりも先側が高くなる温度分布が要求される。
一方、茶色や黒等の色付きガラス用のガラス原料を溶解させる場合は、カーボンが抜けることによる色落ちを防止するため、ガラス原料を流動させながら加熱するに当たって、その流動経路の上手側において、即ち、炉内7における火炎長手方向の手前側(燃料噴出体Bを設けた側面の側)において、十分に加熱する必要がある。
従って、炉内7における火炎長手方向での温度分布として、流動経路の下手側よりも上手側、即ち、炉内7における火炎長手方向の先側よりも手前側が高くなる温度分布が要求される。
従って、透明ガラス用のガラス原料を溶解させる場合と、色付きガラス用のガラス原料を溶解させる場合とでは、燃焼量が同一でも、側方ガス燃料噴出量と中央ガス燃料噴出量との比を異ならせることにより、火炎形状を異ならせて、夫々の原料に適合した温度分布とするように構成されている。
つまり、透明ガラス用のガラス原料を溶解させる場合は、例えば、側方ガス燃料噴出量と中央側ガス燃料噴出量との比を1:9として、図12において実線にて示すように、溶解槽2の上方における火炎長手方向の略全長にわたる状態で、細長状の火炎Fを形成する。
一方、色付きガラス用のガラス原料を溶解させる場合は、例えば、側方ガス燃料噴出量と中央ガス燃料噴出量との比を4:6として、図12において一点鎖線にて示すように、透明ガラス用のガラス原料を溶解させる場合の火炎Fと比較して、長さは短いが幅が広い幅広状の火炎Fを形成する。
) 中央側噴出孔9a及び側方側噴出孔9b夫々の直径に対する長さの比率は、上記の実施形態において例示した2以上に限定されるものではなく、2より小さくても良いが、小さくする程ガス燃料噴出の直進性が劣るので、極力大きくする方が良い。
) 上記の実施形態においては、ノズル9をノズル嵌め込み用開口10に挿入して燃料噴出体Bに嵌め込み状態で装着した状態で、ノズル9のガス燃料噴出側の前面9cが燃料噴出体Bの側周面からやや突出する状態となるように構成する場合について例示したが、ノズル9の前面9cが燃料噴出体Bの側周面と同一面となるように構成したり、ノズル9の前面9cが燃料噴出体Bの側周面から引退するように構成しても良い。
) 上記の実施形態では、燃料噴出体Bを縦姿勢で設けて、扁平状の火炎をその横幅方向を水平方向に向けて形成する場合について例示したが、扁平状の火炎を形成する向きは燃焼装置を設置する対象の加熱炉に応じて変更可能であり、例えば、燃料噴出体Bをその長手方向を水平方向に向けた横向き姿勢で設けて、扁平状の炎をその横幅方向を縦向きに向けて形成することが可能である。
) 空気口5から炉内7に供給する燃焼用酸素含有ガスとしては、上記の実施形態において例示した空気以外に、空気に炉内7から排出した燃焼排ガスを混合したものや、酸素含有率を高くした酸素富化空気等、種々のものを用いることができる。
実施形態に係る加熱炉用の燃焼装置における燃料噴出体の要部の分解斜視図 実施形態に係る加熱炉用の燃焼装置における燃料噴出体の要部の斜視図 実施形態に係る加熱炉用の燃焼装置における燃料噴出体の縦断面図 実施形態に係る加熱炉用の燃焼装置における燃料噴出体の横断面図 実施形態に係る加熱炉用の燃焼装置を備えたガラス溶解炉の縦断面図 図5のイ−イ矢視図 実施形態に係る加熱炉用の燃焼装置を備えたガラス溶解炉の空気口付近の図 別実施形態に係る加熱炉用の燃焼装置における燃料噴出体の横断面図 別実施形態に係る加熱炉用の燃焼装置における燃料噴出体の要部の分解斜視図 別実施形態に係る加熱炉用の燃焼装置における燃料噴出体の横断面図 別実施形態に係る加熱炉用の燃焼装置を備えたガラス溶解炉の縦断面図 図11のロ−ロ矢視図
符号の説明
5 供給口
6 酸素含有ガス供給路
7 炉内
9 ノズル
10 ノズル嵌め込み用開口
B 燃料噴出体
9a 噴出孔、中央側噴出孔
9b 噴出孔、側方側噴出孔
9c 前面
9d 内面、後面
26 内筒状体
30,31 燃料供給比率調節手段

Claims (5)

  1. 内部を通してガス燃料を通流させる横断面形状が筒状の長尺状の燃料噴出体が、加熱炉横側部の供給口を通して炉内に燃焼用酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給路内に突入する状態で設けられ、
    前記燃料噴出体の側周壁の先端側に形成されたノズル嵌め込み用開口に嵌め込み状態で装着されるノズルに、ガス燃料噴出用の複数の噴出孔が、前記燃料噴出体の長手方向に沿う長手方向視にて、前記ノズルの横幅方向に並び且つ前記ノズル嵌め込み用開口より露出するガス燃料噴出側の前面と前記燃料噴出体の内部に位置する内面とにわたる状態で形成された加熱炉用の燃焼装置であって、
    前記燃料噴出体の内部に、前記ノズルの横幅方向に並ぶ複数の噴出孔のうちの中央側に位置する中央側噴出孔にガス燃料を供給する内筒状体が設けられ、
    前記燃料噴出体内を通流するガス燃料を、前記ノズルの横幅方向に並ぶ複数の噴出孔のうちの前記中央側噴出孔の両横側方に位置する側方側噴出孔に供給するように構成され
    前記燃料噴出体内へのガス燃料の供給量と前記内筒状体内へのガス燃料の供給量との比率を調節する燃料供給比率調節手段が設けられている加熱炉用の燃焼装置。
  2. 前記中央側噴出孔及び前記複数の側方側噴出孔の夫々が、孔の長さが孔の直径の2倍以上になるように形成されている請求項1記載の加熱炉用の燃焼装置。
  3. 前記側方側噴出孔の噴出方向が、前記中央側噴出孔の噴出方向に対して、45°以下の傾斜角度にて外側に傾斜している請求項1または2記載の加熱炉用の燃焼装置。
  4. 前記燃料噴出体が円筒状に形成され、
    前記ノズルの前記ガス燃料噴出側の前面が、前記燃料噴出体の長手方向に沿う長手方向視にて、前記燃料噴出体の側周面に沿う円弧状に形成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱炉用の燃焼装置。
  5. 前記中央側噴出孔の横断面積が前記内筒状体の横断面積よりも小さくなり、且つ、前記複数の側方側噴出孔の横断面積の総和が、前記燃料噴出体内に前記内筒状体により区画されて形成される流路の横断面積よりも小さくなるように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱炉用の燃焼装置。
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