JP4325913B2 - 血液処理用中空糸膜 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液処理用中空糸膜に関するものである。さらに詳しくは、膜内表面が改質された血液処理用中空糸膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
種々の素材の中空糸膜が、血液透析や血液ろ過などの医療用途、医薬品工業および食品工業等の選択分離膜として広く使用されている。このような用途では、機械的強度や化学的安定性に優れ、透過性の制御が容易なだけでなく、溶出物が少なく、生体成分との相互作用が少なく、生体に対して安全であることが求められているが、これを完全に満足する中空糸膜は未だ提供されていない。
【0003】
素材が合成高分子の場合、得られた膜は一般に疎水性であり膜表面の親水性が著しく不足するため血液適合性が悪く、血液成分との相互作用が引き起こされ、血液の凝固が起こりやすく、さらには蛋白成分の吸着により、透過性能が劣化しやすい。そこで、これらの合成高分子中空糸膜に親水性のポリマーを含有させることで血液適合性を付与する検討がなされている。例えば、ポリスルホン系ポリマーに親水性ポリマーを含有させた選択透過性分離膜が提案されている。
【0004】
しかしながら、この場合にも、親水性ポリマーの含有量が少ないと水濡れ性が悪くなり、血液適合性が低下して血液凝固を引き起こしやすく、反対に親水性ポリマーの含有量が多いと、血液凝固は幾分抑制される反面、膜からの親水性ポリマーの溶出量が多くなり、生体的副作用を誘発するという問題がある。
【0005】
特許文献1及び特許文献2には、ポリスルホン系ポリマー、親水性ポリマーおよび該ポリスルホン系ポリマーに対して非溶媒もしくは膨潤剤となる添加剤とから構成される系を製膜原液として用いたポリスルホン系分離膜の製造方法が開示されているが、親水性ポリマーとしてポリビニルピロリドンのようなホモポリマーを使用しているためアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントとポリスルホン系ポリマー由来のセグメントとの共重合体により構成される散漫層は形成されない。また、膜内表面への偏在化が十分でなく、該ポリスルホン系分離膜は血液適合性を十分に発現させることができない。十分な血液適合性を発現させるためには、ドープ中の該親水化ポリマーの含有量を大幅に増加させることになるが、大幅に増加させると該膜の機械的性能の低下および大量の親水性ポリマー溶出が起こる。
【0006】
そこで、特許文献3、特許文献4及び特許文献5には、上記方法で製造されたポリスルホン系分離膜を放射線処理および/または熱処理を施すことによって、親水性ポリマーを不溶化し、親水性ポリマーの溶出を低減させる方法が開示されているが、本質的な解決策ではないばかりか、この方法では、親水性ポリマーが変成し、当初の性能を有さなくなり血液適合性が低下するという問題があり、血液処理用中空糸膜としては好ましくない。
【0007】
したがって、溶出物を抑え、かつ中空糸の膜内表面と血液との相互作用が少ない、蛋白非吸着性で経時的な性能劣化が起こりにくい、生体適合性に優れた中空糸膜が求められている。
さらにまた、近年は膜の高機能化が求められてきており、例えば、人工透析分野では、膜の高性能化に伴い、熱っぽさ、指、唇などの知覚麻酔などのいわゆるアナフィラキシー様反応などの望ましくない生体反応を惹起しない高い生体適合性機能を有する血液処理膜が求められる。
【0008】
【特許文献1】
特開昭61−238306号公報
【特許文献2】
特開昭63−97666号公報
【特許文献3】
特開昭63−97205号公報
【特許文献4】
特開昭63−97634号公報
【特許文献5】
特開平4−300636号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、溶出物を増加させることなく、中空糸の膜内表面と血液との相互作用が少なく、蛋白非吸着性で経時的な性能劣化が起こりにくい、血液適合性に優れた中空糸膜を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、ポリスルホン系ポリマーを主成分とする中空糸膜が、該膜内表面にポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントとポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を主成分とする散漫層を有すると、優れた血液適合性を付与できること、一方、該共重合体の溶出量は、血液適合性が優れるにも拘わらず少ないことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、
[1]繰り返し単位が下記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーからなる中空糸基材膜、または繰り返し単位が下記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーの他に、ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントと繰り返し単位が下記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を0.01wt%以上50wt%未満含有する中空糸基材膜、または繰り返し単位が下記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーの他に、ポリビニルピロリドンおよび/又はポリビニルピロリドン由来のセグメントと繰り返し単位が下記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を0.01wt%以上50wt%未満含有する中空糸基材膜、の内表面に、ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントと繰り返し単位が下記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を主成分とする、厚みが5nm〜30nmである散漫層を有することを特徴とする血液処理用中空糸膜。
【化1】
Figure 0004325913
[2]ポリスルホン系ポリマー由来のセグメントを形成するポリスルホン系ポリマーの重量平均分子量が2000以上100000以下であることを特徴とする[1]に記載の血液処理用中空糸膜。
[3]ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントを形成するポリアルキレンオキサイド系ポリマーの重量平均分子量が2000以上80000以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載の血液処理用中空糸膜。
[4]ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントを形成するポリアルキレンオキサイド系ポリマーの重量平均分子量とポリスルホン系ポリマー由来のセグメントを形成するポリスルホン系ポリマーの重量平均分子量の比(ポリアルキレンオキサイド系ポリマーの重量平均分子量/ポリスルホン系ポリマーの重量平均分子量)が1〜10であること特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の血液処理用中空糸膜。
[5]中空糸基材膜の主成分であるポリスルホン系ポリマーの繰返し構造単位と、散漫層の主成分である共重合体の構成成分であるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントの繰返し構造単位が同じであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の血液処理用中空糸膜。
]散漫層及び/または中空糸基材膜のポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体が、ポリエチレンオキサイド由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体であることを特徴とする請求項[1]〜[]のいずれかに記載の血液処理用中空糸膜。
]繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー溶液、または繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーの他に、ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を0.01wt%以上50wt%未満含有するポリマー溶液、または繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーの他に、ポリビニルピロリドンおよび/又はポリビニルピロリドン由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を0.01wt%以上50wt%未満含有するポリマー溶液、を2重円筒紡口の外筒より吐出させ、紡口の内筒からポリスルホン系ポリマーに対して凝固作用を有する溶液を吐出させ、紡口下部に設置した凝固浴に浸漬させて紡糸する乾湿式紡糸法によって中空糸を形成させた後、該中空糸基材膜の内表面にアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントとの共重合体を含む溶液を接触させることを特徴とする[1]〜[]のいずれかに記載の血液処理用中空糸膜の製造方法。
]繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー溶液、または繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーの他に、ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を0.01wt%以上50wt%未満含有するポリマー溶液、または繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーの他に、ポリビニルピロリドンおよび/又はポリビニルピロリドン由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を0.01wt%以上50wt%未満含有するポリマー溶液、を2重円筒紡口の外筒より吐出し、紡口の内筒からアルキレンオキサイド系ポリマーと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーとの共重合体を含み、かつ上記ポリスルホン系ポリマーに対して凝固作用を有する溶液を吐出させ、紡口下部に設置した凝固浴に浸漬させて中空糸を形成させることを特徴とする[1]〜[]のいずれかに記載の血液処理用中空糸膜の製造方法。
]3重円筒状紡口を用い、該3重円筒紡口の外筒から、繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー溶液、または繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーの他に、ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を0.01wt%以上50wt%未満含有するポリマー溶液、または繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーの他に、ポリビニルピロリドンおよび/又はポリビニルピロリドン由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を0.01wt%以上50wt%未満含有するポリマー溶液、を吐出し、中間筒からアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントとの共重合体を含むポリマー溶液を吐出し、更に内筒から前記繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー及び前記アルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントとの共重合体に対して凝固作用を有する溶剤を吐出させ、紡口下部に設置した凝固浴に浸漬させて中空糸を形成させることを特徴とする[1]〜[]のいずれかに記載の血液処理用中空糸膜の製造方法。
である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の中空糸基材膜は、主としてポリスルホン系ポリマーからなるもので、血液接触面側に緻密層を有し、かつ内部は該緻密層よりも孔径が大きく、血液接触面側と反対方向に向かうほど平均孔径が増大する傾斜構造を有する支持層から形成される非対称構造の膜が好ましい。
【0013】
本発明において中空糸基材膜が主としてポリスルホン系ポリマーからなるとは、中空糸基材膜を構成するポリマーの少なくとも50wt%以上がポリスルホン系ポリマーからなることを言う。
本発明の中空糸基材膜の主たる成分として用いられるポリスルホン系ポリマーとしては、例えば、繰返し単位が下記式(1)、式(2)、式(3)、式(4)および式(5)で示されるポリスルホン系ポリマーが挙げられるが、工業的に入手し易い、繰返し単位が式(1)、式(2)および式(3)で示される芳香族ポリスルホン系ポリマーが好ましい。
【0014】
【化3】
Figure 0004325913
【0015】
また、該繰返し単位の重合度については特に限定するものではないが、ポリスルホン系ポリマーの重量平均分子量として1000〜100万が好ましく、より好ましくは10000〜20万である。
【0016】
本発明の中空糸基材膜は上記の主成分であるポリスルホン系ポリマーの他に、ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントとポリスルホン系ポリマー由来のセグメントとからなる共重合体(以下、ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体と称する。)を含有することが好ましい。該ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体は中空糸基材膜を構成する緻密層及び/又は支持層の構成成分として含まれていることが好ましい。該ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体は本発明の中空糸基材膜の内表面に存在する散漫層の主成分であるポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体であることがより好ましい。
【0017】
本発明の中空糸基材膜は主成分であるポリスルホン系ポリマーや上記のポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体の他に、ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体以外の親水性ポリマーを含有することもできる。例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンとポリスルホン系ポリマーを共重合してなる共重合体、ポリエチレングリコール等を含有することができる。中でもポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンとポリスルホン系ポリマーを共重合してなる共重合体を含有することが好ましい。
本発明の中空糸基材膜に含有することができる該親水性ポリマーの含有量は0.01〜50wt%含有することが好ましく、0.05〜40wt%含有することがより好ましい。
【0018】
本発明の中空糸膜は、ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を主成分とする散漫層を該中空糸膜の少なくとも内表面に有することが必要であり、好ましくは該中空糸膜の少なくとも内表面に、厚み5nm〜30nmの散漫層を有することである。さらに中空糸膜の少なくとも内表面に存在する散漫層が、ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体から主としてなることがより好ましい。
【0019】
散漫層とは、膜表面に形成されたポリマーが比較的自由な運動性を有する領域のことである。
本発明において散漫層を中空糸膜の内表面に有するとは、試料を凍結乾燥した後、RuO染色を施してエポキシ樹脂に包埋し、その後Reichert社製ULTRACUT-Nにて超薄切片を作製し、メッシュ上の超薄切片を再度RuO染色し観察用試料とし、透過型電子顕微鏡(以下、TEMと称す。)(HITACHI社製 H-7100)を用い加速電圧125kV、倍率10から20万倍で観察した際にその存在が、中空糸断面の血液が接する内表面側に確認できることを言う。
本発明の中空糸膜においては、該散漫層の厚みは、5nm〜30nmであることが好ましく、8nm〜25nmあることがより好ましく、特に好ましくは12nm〜20nmである。
【0020】
本発明におけるポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントを構成する繰返し単位(以下、ポリアルキレンオキサイド繰返し単位と称す。)の内表面近傍における存在量は、中空糸膜の内表面をX線光電子分光法(X−ray photoelectron spectroscopy)(以下、XPSと称す。)で解析することにより求められる。XPSでは、内表面近傍に存在する元素の比が求められるので、ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントを構成する繰返し単位の化学式と中空糸膜の主成分であるポリスルホン系ポリマーを構成する繰返し単位の化学式から、測定される内表面近傍のポリアルキレンオキサイド繰返し単位の濃度指数が算出できる。この濃度指数は中空糸膜の内表面近傍の濃度指数であるので、本発明では、これを以下ポリアルキレンオキサイド繰返し単位の膜表面濃度指数と称す。
本発明において、中空糸膜の少なくとも内表面に存在する散漫層が、ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体から主としてなるか否かは、中空糸膜の内表面をXPSで解析することにより確認する。
【0021】
本発明において中空糸膜の内表面に存在する散漫層が、ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体から主としてなるとは、このように測定される中空糸膜内表面におけるポリアルキレンオキサイド繰返し単位の膜表面濃度指数である硫黄原子に対する酸素原子の比率が[O]/[S]>6であることである。
中空糸膜の内表面の血液適合性は、ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体のポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントの繰返し単位がどれだけ中空糸膜の内表面近傍に存在するかに最も影響を受け、上記記載の如く[O]/[S]>6が好ましく、より好ましくは[O]/[S]>7である。
【0022】
中空糸膜表面をX線光電子分光法で測定する方法を以下に記載する。中空糸膜を切り開いて内側を出し、測定視野に入る程度に数本並べ、これをXPS(Physical Electronics, Inc製 PHI−5400)装置にて下記の条件で測定する。励起源MgKα(15kV/26.7mA)、分析面積3.5mm×1mm、取込領域はSurvey Scan(定性分析用)1100〜0eV、Narrow Scan(定量分析、化学分析用)Cls、Ols、S2p、N1s、Pass EnergyはSurvey Scan:178.9eV、Narrow Scan:35.75eV。得られたNarrow Scanスペクトルの面積強度から装置のライブラリ相対感度係数を用いて元素濃度を求め定量計算した。用いた相対感度係数は、Cls:0.296、Ols:0.711、S2p:0.666、N1s:0.477である。
【0023】
本発明の中空糸基材膜の散漫層は、ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を主成分とすることが好ましい。該共重合体を構成するセグメントを形成するポリアルキレンオキサイド系ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキサイド単独重合体、ポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロック共重合体等に代表されるポリエチレンオキサイド由来のセグメントを含有する直鎖ポリアルキレンオキサド、および該直鎖ポリアルキレンオキサドから構成される分岐ポリアルキレンオキサド等が挙げられ、中でも直鎖ポリエチレンオキサイド、および分岐ポリエチレンオキサイドが好ましい。さらには、分岐ポリアルキレンオキサイドが直鎖ポリアルキレンオキサイドよりも厚い散漫層を形成し易いことから好ましい。
【0024】
一方、該共重合体を構成するセグメントを形成するポリスルホン系ポリマーとしては、本発明の中空糸基材膜の主成分として用いられるポリスルホン系ポリマーが用いることができ、上記式(1)〜式(5)の繰返し単位が示されるポリスルホン系ポリマーが好ましく用いられる。
【0025】
さらに、中空糸膜の内表面に有するポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体のポリスルホン系ポリマー由来のセグメントを構成する繰返し構造単位と、中空糸膜の主成分であるポリスルホン系ポリマーを構成する繰返し構造単位とは同じであることがより好ましい。共重合体中のポリスルホン系ポリマー由来のセグメントの繰返し構造単位と、中空糸膜の主成分であるポリスルホン系ポリマーの繰返し構造単位とを同じにすることにより、ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体の溶出量を減少させることができる。
これは、中空糸膜の製造工程の凝固時に、中空糸膜製造の際の内液に含まれるポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体が、中空糸膜の主成分であるポリスルホン系ポリマーの分子鎖と絡み合いながら、中空糸膜の内表面近傍の緻密な構造に取り込まれるようにしながらドープ溶液の凝固が進み膜構造が形成される事により強固に固定される、すなわちアンカー効果のためであると推測している。
【0026】
ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体においてポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントの含有率が低いと、親水性が低下し、蛋白が吸着し易くなる事により経時的に濾過性能が低下するばかりか、生体適合性も低下することになる。反対に該セグメントの含有率が高いと水に対する溶解性が高くなり膜からの水への溶出量が増える。本発明では、ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体中のポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントの含有率としては、10wt%以上90wt%以下の範囲が好ましく、20wt%以上80wt%以下の範囲がより好ましい。
【0027】
さらに、該ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体の中空糸膜の内表面に存在する散漫層の厚みを十分に確保し、血液適合性を向上させるためは、親水部であるポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントの繰返し単位の重合度と疎水部であるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントの繰返し単位の重合度のバランスが採れていることが求められる。
すなわち、親水部であるポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントを形成するポリアルキレンオキサイド系ポリマーの重量平均分子量としては、2000以上、80000以下の範囲が好ましく、4000以上、40000以下の範囲がより好ましい。2000以上であれば中空糸膜の内表面に散漫層を形成でき、ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントの充分な表面濃度が得られることから好ましい。また、80000を超えると、散漫層は形成され、表面濃度は増加するが、ゲル膨潤により濾過量および分離性能が低下する傾向にある。
【0028】
一方、ポリスルホン系ポリマー由来のセグメントを形成するポリスルホン系ポリマーの重量平均分子量としては、2000以上100000以下の範囲が好ましく、4000以上、50000以下の範囲がより好ましい。2000以上であると中空糸膜を構成する主成分であるポリスルホン系ポリマーに対するアンカー効果(同じポリマー分子鎖の絡み合いによる固定化)も充分であり、該ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体が中空糸膜から溶出することもない。一方で、100000を超えると、中空糸膜を構成するポリスルホン系ポリマーと、ポリスルホン系ポリマー由来のセグメントとの分子鎖同士の絡み合いの程度が増加し、ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントが膜内表面に存在し難くなる傾向にある。
【0029】
さらに、該ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体のポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントを形成するポリアルキレンオキサイド系ポリマーの重量平均分子量と、ポリスルホン系ポリマー由来のセグメントを形成するポリスルホン系ポリマーの重量平均分子量の比(ポリアルキレンオキサイド系ポリマーの重量平均分子量/ポリスルホン系ポリマーの重量平均分子量)は1〜10であることが好ましく、より好ましくは3〜8、特に好ましくは4〜8である。該ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントを形成するポリアルキレンオキサイド系ポリマーの重量平均分子量と、ポリスルホン系ポリマー由来のセグメントを形成するポリスルホン系ポリマーの重量平均分子量の比が1〜10であれば、厚い散漫層を形成させることができ、内表面により多くのポリアルキレンオキサイド系セグメントを存在させて良好な血液適合性が得られるとともに、該ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を極力溶出させないようにすることができる。
【0030】
次ぎに、本発明の血液処理用中空糸膜の製造方法について説明する。
本発明の中空糸基材膜の製造に使用するドープ溶液のポリマー組成としては、(1)ポリスルホン系ポリマー単独、(2)ポリスルホン系ポリマーとポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体との混合物、(3)(1)または(2)のポリマー組成に上記共重合体以外の親水性ポリマーを添加したもの等が挙げられる。ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体としては、ポリエチレンオキサイドホモポリマーや、ポリエチレンオキサイドとポリプロピレンオキサイドのブロックポリマーに代表されるポリエチレンオキサイド由来のセグメント含有の直鎖ポリアルキレンオキサド、および該直鎖ポリアルキレンオキサイドから構成される分岐ポリアルキレンオキサイド等が挙げられ、中でも分岐ポリエチレンオキサイドとポリスルホンの共重合体が好ましく用いられる。該共重合体以外の親水性ポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンとポリスルホン系ポリマーからなる共重合体、ポリエチレングリコール等が挙げられ、好ましくはポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンとポリスルホン系ポリマーからなる共重合体である。
【0031】
ドープ溶液として、どのポリマー組成を選択するかは膜性能を考えて適宜選択すれば良いが、(2)のポリスルホン系ポリマーとポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体との混合物、(3)のポリスルホン系ポリマー並びに、ポリビニルピロリドンとポリスルホン系ポリマーとからなる共重合体および/またはポリビニルピロリドンの混合物、(3)のポリスルホン系ポリマー、ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体、並びにポリビニルピロリドンとポリスルホン系ポリマーからなる共重合体および/またはポリビニルピロリドンの混合物が好ましく用いられる。
【0032】
(2)のポリスルホン系ポリマーとポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体との混合物における混合割合は、ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体に対するポリスルホン系ポリマーの重量比(ポリスルホン系ポリマーの重量/ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体の重量)として、10〜20/3〜20が好ましく、(3)のポリスルホン系ポリマー並びに、ポリビニルピロリドンとポリスルホン系ポリマーとからなる共重合体および/またはポリビニルピロリドンの混合物における混合割合は、ポリビニルピロリドンとポリスルホン系ポリマーからなる共重合体およびポリビニルピロリドンの合計重量に対するポリスルホン系ポリマーの重量比率(ポリスルホン系ポリマーの重量/ポリビニルピロリドンとポリスルホン系ポリマーからなる共重合体およびポリビニルピロリドンの合計重量)として、10〜20/3〜20が好ましい。さらに、(3)のポリスルホン系ポリマー、ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体、並びにポリビニルピロリドンとポリスルホン系ポリマーとからなる共重合体および/またはポリビニルピロリドンの混合物における混合割合は、ポリスルホン系ポリマーと、ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体と、ポリビニルピロリドンとポリスルホン系ポリマーからなる共重合体およびポリビニルピロリドンとの重量比率(ポリスルホン系ポリマーの重量/ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体の重量/ポリビニルピロリドンとポリスルホン系ポリマーからなる共重合体およびポリビニルピロリドンの合計重量)として、10〜20/2〜10/1〜10が好ましい。
【0033】
上記のポリマー組成のポリスルホン系ポリマー混合物を溶剤に溶解し、ドープ溶液を作製する。ポリスルホン系ポリマーを溶解する溶剤を、以下単に良溶剤と称す。
該良溶剤としては、N,N−ジメチルアセトアミド、 N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルオキシド等の溶剤が好適に使用されるが、中でもN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。また、これらの良溶剤は単独で使用する必要はなくポリマーに対する溶解性、ドープ粘度の調整、あるいは膜性能を制御する目的のために2種類あるいはそれ以上の良溶剤を混合して用いることもできる。さらに、水や、イソプロピルアルコール、エタノール等のアルコール類、プロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類などのポリスルホン系ポリマーの非溶剤(以下、単に非溶剤と称す。)を、製膜において膜性能を左右する多孔化とボイド形成を回避するために該ドープ溶液に添加することも可能である。その種類、添加量については、多孔膜の性能に合わせて適宜選択調整すればよい。
また、ドープ溶液のポリマー濃度はポリマーの分子量にもよるが、10〜50wt%であり、洩糸性、膜強度などの視点から15〜40wt%の範囲のものが良好である。
【0034】
本発明の血液処理用中空糸膜の製造方法には大きく分けて三通り存在する。▲1▼該ドープ溶液を2重円筒紡口の外筒より吐出し、紡口の内筒からポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を非溶剤と良溶剤との混合溶剤に溶解させた混合溶液を吐出させ、続いて凝固させることにより中空糸膜を製造する方法、あるいは、▲2▼該ドープ溶液を3重円筒紡口の外筒から吐出し、中間筒からポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を含むポリマー溶液を吐出し、さらに内筒から上記ドープ溶液のポリマーにもポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を含むポリマーにも凝固作用を有する溶剤を吐出させ、続いて凝固させることにより中空糸膜を製造する方法、即ち、中空糸基材膜を形成すると同時に該中空糸基材膜の内表面にポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を付着させ、ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を主成分とする散漫層を形成させる方法、及び▲3▼該ドープ溶液を2重円筒紡口の外筒より吐出し、紡口の内筒から非溶剤と良溶剤からなる溶液を吐出し、凝固させて中空糸基材膜を形成させたのち、得られた中空糸基材膜の内表面にポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体の溶液を接触させることにより、該内表面にポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を主成分とする散漫層を形成させ、本発明の血液処理用中空糸膜を製造する方法、即ち、基材膜である中空糸膜を形成した後に、該中空糸基材膜の血液接触面側となる内表面にポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を付着させて散漫層を形成させる方法である。
【0035】
▲1▼の製造方法においては、外筒から上記のドープ溶液を紡糸原液として吐出する。また、紡口の内筒からはポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を含む溶液が吐出される。ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を含む溶液に用いられる溶媒は、外筒に用いるドープ溶液の溶媒に、非溶剤を添加した混合溶媒である。該非溶剤としては水、イソプロピルアルコール、エタノール、プロピルプロピレングリコール、テトラエチレングリコール等が挙げられるが、中でも水が好ましい。また、この混合溶媒における良溶剤と非溶剤の混合比率は中空糸膜の平均孔径を決定する最大の因子であり、主としてポリスルホン系ポリマーからなる中空糸膜では一般に非溶剤である水の割合を増加させると緻密層の平均孔径が低下する傾向を示す。本発明における良溶剤と非溶剤の混合組成比は、非溶剤に対する良溶剤の容積比(良溶剤/非溶剤)で5/95〜65/35が好ましく、より好ましくは10/90〜55/45である。
【0036】
▲1▼の製造方法のように、外筒と内筒から同時に上記各ポリマー溶液を流して凝固させて形成される中空糸膜では、該中空糸膜の血液接触面側となる内表面に有するポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を主成分とする散漫層が後処理などにより剥離ないし溶出することが危惧されるが、内筒と外筒から溶液を同時に流すことにより、凝固と並行して外筒溶液と内筒溶液の界面においてポリマー分子鎖間の絡み合いが起こり、後処理などによるポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体からなる散漫層の剥離や該共重合体の溶出は非常に起こりにくい。
【0037】
また、本発明の中空糸膜の内表面に形成される散漫層の厚みを決定する重要な因子である紡口の内筒から吐出されるポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体溶液中の濃度は、0.01〜15wt%、より好ましくは0.05〜5wt%程度である。該濃度のポリマー溶液を内筒から吐出させることで中空糸膜の血液接触面側である内表面にポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体から主としてなる散漫層を均一に形成させることができ、血液適合性を向上させることができる。さらに、上記濃度であれば該溶液は低粘度であるためポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体の外筒溶液側への拡散が促進され、中空糸膜内表面近傍の開孔径を大きく変えることなく開孔表面を均一に覆うことが可能となる。
【0038】
▲2▼の製造方法のように、本発明の中空糸膜は、3重円筒状紡口を用いても製造することができる。該3重円筒紡口の外筒から、ドープ溶液を吐出させ、中間筒からポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を含む溶液を吐出し、更に内筒から上記ポリスルホン系ポリマー及びポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体に対して凝固作用を有する溶剤を吐出させて血液処理用中空糸膜を製造させる。
【0039】
中間筒から吐出させるポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を含む溶液の溶剤としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルオキシド等の溶剤が好適に使用されるが、中でもN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。また、これらの溶剤は単独で使用する必要はなくポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体に対する溶解性、粘度の調整、あるいは膜性能を制御する目的のために2種類あるいはそれ以上の溶剤を混合して用いることもできる。このときの溶剤に対するポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体(ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体/溶剤)の重量比は、0.01/99.99〜20/80、より好ましくは、0.05/99.95〜10/90である。
【0040】
内筒からは、良溶剤と非溶剤との混合溶剤を吐出させる。該良溶剤としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルオキシド等の溶剤が好適に使用されるが、中でもN,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。また、これらの溶剤は単独で使用する必要はなく膜性能を制御する目的のために2種類あるいはそれ以上の溶剤を混合して用いることもできる。また、非溶剤としては水、イソプロピルアルコール、エタノール、プロピルプロピレングリコール、テトラエチレングリコール等が挙げられるが、水が好ましい。また、この混合溶剤の良溶剤と非溶剤の混合比は基材膜の平均孔径を決定する最大の因子であり、非溶剤に対する良溶剤(良溶剤/非溶剤)の重量比としては、5/95〜65/35、より好ましくは10/90〜55/45である。
【0041】
以上のようにして紡糸された中空糸膜は、凝固浴で凝固後、洗浄、乾燥され本発明である血液処理用中空糸膜となる。また、中空糸膜の血液接触表面の親水性を更に向上させるためには、高温蒸気などによる後処理も有効である。上記凝固浴の組成は、非溶剤である水を使用するのが好ましいが、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルオキシド等の良溶剤を含んでもよい。また、これらの良溶剤は単独で使用する必要はなくポリマーに対する凝固性、あるいは膜性能を制御する目的のために2種類あるいはそれ以上の良溶剤を水に混合して用いることもできる。さらに、イソプロピルアルコール、エタノール等のアルコール類などの非溶剤を添加することも可能であり、その種類、添加量については、中空糸膜の性能に合わせて適宜選択調整すればよい。また、凝固浴の温度は、その中空糸膜性能を大きく左右する点で重要であり、20℃〜90℃が好ましく、より好ましくは、50℃〜90℃である。このような高い凝固浴温度で凝固させることにより、血液接触表面に親水性成分であるポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントを優先的に表面配向させて偏在化させ、より厚い散漫層を形成させることが可能となる。
【0042】
▲3▼の方法で製造する場合の中空糸基材膜は、紡糸中における内筒の溶液組成を除けば▲1▼の方法とほぼ同様の方法で製膜することができる。この場合、紡糸中に内筒から吐出する溶液は、▲2▼の3重円筒状紡口を用いる製造方法に記載の内筒に用いる良溶剤と非溶剤の混合溶剤と同様な溶剤でよい。基材膜である中空糸膜を形成し、乾燥後、その中空糸基材膜の血液接触面側の内表面にポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を含む溶液を接触させて該内表面にポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を主成分とする散漫層を形成する。ここで使用するポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を含む溶液に使用される溶媒は、良溶剤と非溶剤の混合溶剤である。
【0043】
その組成としては、非溶剤に対する良溶剤(良溶剤/非溶剤)の容積比は5/95〜65/35、より好ましくは10/90〜55/45である。また、該溶液中のポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体の濃度は、0.01〜15wt%、より好ましくは0.05〜5wt%程度である。
【0044】
中空糸基材膜の血液接触面側内表面にポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を含む溶液を接触させる方法としては特に限定はしないが、血液処理膜用モジュールを作成した後、モジュールの血液側入口から出口方向に該ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を含む溶液を流し込み、その後水で溶出が無くなるまで置換しながら該ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を凝固固定させ、必要ならば乾燥を行う。この場合、内表面に形成された散漫層の剥離、凝固固定させたポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体の溶出を出来るだけ回避するために、基材膜表面が膨潤する程度に長時間、該溶液に接触させるか、処理温度を室温より高く、好ましくは50〜70℃程度に設定するのが望ましい。
【0045】
本発明の血液処理用中空糸膜は、ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体の溶出量を非常に少なくすることができる。また、本発明の血液処理用中空糸膜は、ポリアルキレンオキサイド−ポリスルホン共重合体の含有量が低くても、中空糸膜内表面におけるポリアルキレンオキサイド繰返し単位の膜表面濃度指数である硫黄原子に対する酸素原子の比率[O]/[S]を充分に高くすることができる。それゆえ、血液との接触による血小板、内因凝固系、補体系、キニン系の活性度が極めて低く、血液適合性が良好であるばかりではなく、血漿タンパクの付着も少ないため血液処理中、例えば、透析中において血液処理膜としての経時的な透過性の変化を抑制することができる。
【0046】
【実施例】
次に実施例によってこの発明をさらに具体的に説明する。
<各種評価方法>
重量平均分子量の測定方法
GPC用カラムKD−806M、KD−803、KD−802(いずれもShowdex製)を連結した測定装置(Shodex社製 System−21)を用い、展開液としてジメチルアセトアミド(以下、DMAc)、カラム温度50℃、1ml/minの流速で測定する。ポリスチレン標準サンプル(東ソー製TSK STANDARD POLYSTYRENE)を用いて換算分子量を算出する。
【0047】
XPSの測定方法
中空糸膜を切り開いて内側を出し、測定視野に入る程度に数本並べ、これをXPS(Physical Electronics, Inc製 PHI−5400)装置にて下記の条件で測定した。
励起源MgKα(15kV/26.7mA)、分析面積3.5mm×1mm、取込領域はSurvey Scan(定性分析用)1100〜0eV、Narrow Scan(定量分析、化学分析用)Cls、Ols、S2p、N1s、Pass EnergyはSurvey Scan:178.9eV、NarrowScan:35.75eV。得られたNarrow Scanスペクトルの面積強度から装置のライブラリ相対感度係数を用いて元素濃度を求め定量計算した。用いた相対感度係数は、Cls:0.296、Ols:0.711、S2p:0.666、N1s:0.477である。
【0048】
散漫層の測定
試料を凍結乾燥した後、RuO染色を施しエポキシ樹脂に包埋した。その後Reichert社製ULTRACUT-Nにて超薄切片を作製し、メッシュ上の超薄切片を再度RuO染色し観察用試料とした。観察は、HITACHI社製 H-7100を用い加速電圧125kVで観察した。
散漫層の厚みは、倍率10〜20万倍で測定して得られた写真から内表面に存在する散漫層由来の染色層の厚さを、無作為に15箇所選んで測定し、その平均値で求めた。なお、染色層が途切れている部分は除いた。
【0049】
溶出物量の測定
中空糸膜1.5gを蒸留水150mlに入れ、70℃で1時間加熱し抽出液を調製した。この抽出液を、煮沸冷却した空試験液を対照として、波長220〜350nmの紫外線吸光度を測定した(SHIMADZU UV-3100)。波長220〜350nmの範囲でもっとも高い吸光度の値で溶出物量を求めた。
【0050】
血小板活性化指標である乳酸脱水素酵素(LDH)及び蛋白吸着量の試験方法
中空糸56本、有効長15cm(膜面積50mm)となるように両端をエポキシ接着したミニモジュールに対し、生理食塩水(大塚製薬株式会社、大塚生食注)10mlを中空糸内側に流し洗浄する(以下、プライミングと称す。)。その後、ヘパリン加人血を7mlシリンジポンプにセットして、1.2ml/minの流速でモジュール内に通血した後、該生理食塩水を用いて内側10ml、外側10mlで洗浄する。洗浄したモジュールからLDHは28本、吸着蛋白は23本、長さを14cmとし採取後、これを細断し測定用試料とする。
燐酸緩衝溶液(PBS)(和光純薬工業(株)製)にTritonX−100(ナカライテスク社製)を溶解して得た0.5容量TritonX−100/PBS溶液をLDH測定用のスピッツ管に0.5ml添加し、超音波を60分かけて抽出液を0.1ml分取し、この抽出液にLDH反応試薬(LDHモノテスト:ベーリンガーマンハム社製)3mlを反応させ直ちに0.5mlを分取して340nmの吸光度を測定する。残液は、37℃で1時間反応させた後340nmの吸光度を測定し吸光度の減少を測定し、同様に血液と反応させていない膜についても吸光度を測定し、Δ340nm=(サンプル反応直後吸光度−サンプル60分後吸光度)−(ブランク反応直後吸光度−ブランク60分後吸光度)より評価する。よって、この減少率が大きいほどLDH活性の高い膜となる。
PBSにSodium Lauryl Sulfate(SDS)(ナカライテスク社製)を溶解して得た1容量%SDS/PBS溶液を吸着蛋白測定用の瓶に2ml加えて、室温で4時間攪拌させ、抽出液を0.45μmのフィルターで濾過した後0.2mlを試験液とする。該試験液にBicinchoninic Acid(BCA)蛋白測定試薬(PIERCE社製 BCAprotein assay reagent A)3mlを加えて、37℃で30分反応した後、562nmの吸光度を測定し、同様に血液を反応させていない膜についても吸光度を測定し、試験液の吸光度から差し引く。標準蛋白の吸光度直線より検量線を作成して、試験液の吸着蛋白量を測定した。
【0051】
分岐ポリエチレンオキサイドと芳香族ポリスルホン系ポリマーのブロック共重合体の製造法
【製造例1】
1000ml三つ口セパラブルフラスコに、ビスフェノールA(東京化成工業(株)製/特級)14.51g、4,4′−ジクロロジフェニルスルホン(東京化成工業(株)製/特級)25.56g、炭酸カリウム(和光純薬(株)製/特級)25.00g、トルエン(和光純薬(株)製)50ml、N−メチル−2−ピロリドン(東京化成工業(株)製/特級)130mlを入れ、攪拌下、窒素置換した。反応混合液を155℃に保持し、トルエンを3時間還流させ、その間、共沸してくる水をディーンスタックトラップで反応混合液から除去した。続いて、反応混合液を190℃に昇温し、トルエンを留去、さらに190℃で4時間保持して、両末端クロロ型のポリスルホンプレポリマーを合成した。反応液からサンプルを抜き出し、ポリマーの重量平均分子量を測定した。重量平均分子量は4.2×10であった。1000ml三つ口セパラブルフラスコに、ポリエチレングリコール#4000(東邦化学工業(株)製 水酸基価 32mgKOH/g)144.14g、エチレンジアミンに酸化プロピレンと酸化エチレンを逐次付加したものから派生した4官能ブロック・コポリマー(BASF社製、 Tetronic304 水酸基価139mgKOH/g)29.66g、炭酸カリウム(和光純薬(株)製/特級)222.03g、トルエン165ml、N−メチル−2−ピロリドン390mlを入れ、攪拌下、窒素置換した。反応混合液を155℃保持しトルエンを3.5時間還流させ、その間、共沸してくる水をディーンスタックトラップで反応混合液から除去した。続いて、反応混合液を190℃に昇温し、トルエンを留去し、次いで4,4′−ジフルオロジフェニルスルホン(東京化成工業(株)製)10.90gを加え、190℃で6時間保持して、分岐ポリエチレンオキサイドプレポリマーを合成した。反応液からサンプルを抜き出し、ポリマーの重量平均分子量を測定した。重量平均分子量は2.7×10であった。上記の両末端クロロ型のポリスルホンプレポリマー反応混合液に、分岐ポリエチレンオキサイドプレポリマー反応混合液を加え、窒素雰囲気下、190℃で8時間保持した。反応混合液を、撹拌下の蒸留水8000mlへゆっくりと滴下し、繊維状分岐ポリエチレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を得た。濾物を蒸留水4000ml中へ投入し、濾物と蒸留水混合物のpHが2となる様に濃塩酸を加え、濾別し、濾液がpH7になるまで水洗した。さらに95℃の熱水6000mlで3時間洗浄した後、濾別し、濾物をエタノールで洗浄後、50℃で真空乾燥して、分岐ポリエチレンオキサイドと芳香族ポリスルホンのブロック共重合体を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は7.1×10であり、ポリアルキレンオキサイドの含有率は75.4wt%であった。
【0052】
【製造例2】
1000ml三つ口セパラブルフラスコに、ビスフェノールA(東京化成工業(株)製/特級)29.02g、4,4′−ジクロロジフェニルスルホン(東京化成工業(株)製/特級)43.08g、炭酸カリウム(和光純薬(株)製/特級)50.00g、トルエン(和光純薬(株)製)50ml、N−メチル−2−ピロリドン(東京化成工業(株)製/特級)130mlを入れ、攪拌下、窒素置換した。反応混合液を155℃に保持し、トルエンを3時間還流させ、その間、共沸してくる水をディーンスタックトラップで反応混合液から除去した。続いて、反応混合液を190℃に昇温し、トルエンを留去、さらに190℃で4時間保持して、両末端クロロ型のポリスルホンプレポリマーを合成した。反応液からサンプルを抜き出し、ポリマーの重量平均分子量を測定した。重量平均分子量は8.0×10であった。1000ml三つ口セパラブルフラスコに、ポリエチレングリコール#4000(東邦化学工業(株)製 水酸基価 32mgKOH/g)129.86g、エチレンジアミンに酸化プロピレンと酸化エチレンを逐次付加したものから派生した4官能ブロック・コポリマー(BASF社製、 Tetronic304 水酸基価139mgKOH/g)26.72g、炭酸カリウム(和光純薬(株)製/特級)200.00g、トルエン150ml、N−メチル−2−ピロリドン350mlを入れ、攪拌下、窒素置換した。反応混合液を155℃保持しトルエンを3.5時間還流させ、その間、共沸してくる水をディーンスタックトラップで反応混合液から除去した。続いて、反応混合液を190℃に昇温し、トルエンを留去し、次いで4,4′−ジフルオロジフェニルスルホン(東京化成工業(株)製)4.91gを加え、190℃で6時間保持して、分岐ポリエチレンオキサイドプレポリマーを合成した。反応液からサンプルを抜き出し、ポリマーの重量平均分子量を測定した。重量平均分子量は2.7×10であった。上記の両末端クロロ型のポリスルホンプレポリマー反応混合液に、分岐ポリエチレンオキサイドプレポリマー反応混合液を加え、窒素雰囲気下、190℃で8時間保持した。反応混合液を、撹拌下の蒸留水10000mlへゆっくりと滴下し、繊維状分岐ポリエチレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を得た。濾物を蒸留水5000ml中へ投入し、濾物と蒸留水混合物のpHが2となる様に濃塩酸を加え、濾別し、濾液がpH7になるまで水洗した。さらに70℃、40%のエタノール水溶液6000mlで3時間洗浄した後、濾別し、濾物をエタノールで洗浄後、50℃で真空乾燥して、分岐ポリエチレンオキサイドと芳香族ポリスルホンのブロック共重合体を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は6.4×10であり、ポリアルキレンオキサイドの含有率は64.2wt%であった。
【0053】
【製造例3】
1000ml三つ口セパラブルフラスコに、ビスフェノールA(東京化成工業(株)製/特級)40.63g、4,4′−ジクロロジフェニルスルホン(東京化成工業(株)製/特級)71.57g、炭酸カリウム(和光純薬(株)製/特級)70.00g、トルエン(和光純薬(株)製)70ml、N−メチル−2−ピロリドン(東京化成工業(株)製/特級)182mlを入れ、攪拌下、窒素置換した。反応混合液を155℃に保持し、トルエンを3時間還流させ、その間、共沸してくる水をディーンスタックトラップで反応混合液から除去した。続いて、反応混合液を190℃に昇温し、トルエンを留去、さらに190℃で4時間保持して、両末端クロロ型のポリスルホンプレポリマーを合成した。反応液からサンプルを抜き出し、ポリマーの重量平均分子量を測定した。重量平均分子量は4.2×10であった。1000ml三つ口セパラブルフラスコに、ポリエチレングリコール#1000(三洋化成工業(株)製 水酸基価 113mgKOH/g)70.24g、エチレンジアミンに酸化プロピレンと酸化エチレンを逐次付加したものから派生した4官能ブロック・コポリマー(BASF社製、 Tetronic304 水酸基価139mgKOH/g)50.99g、炭酸カリウム(和光純薬(株)製/特級)215.0g、トルエン120ml、N−メチル−2−ピロリドン290mlを入れ、攪拌下、窒素置換した。反応混合液を155℃保持しトルエンを3.5時間還流させ、その間、共沸してくる水をディーンスタックトラップで反応混合液から除去した。続いて、反応混合液を175℃に昇温し、トルエンを留去し、次いで4,4′−ジフルオロジフェニルスルホン(東京化成工業(株)製)8.6gを加え、175℃で3.5時間保持して、分岐ポリエチレンオキサイドプレポリマーを合成した。反応液からサンプルを抜き出し、ポリマーの重量平均分子量を測定した。重量平均分子量は8.0×10であった。上記の両末端クロロ型のポリスルホンプレポリマー反応混合液に、分岐ポリエチレンオキサイドプレポリマー反応混合液を加え、窒素雰囲気下、190℃で8時間保持した。反応混合液を、撹拌下の蒸留水8000mlへゆっくりと滴下し、繊維状分岐ポリエチレンオキサイド−ポリスルホン共重合体を得た。濾物を蒸留水4000ml中へ投入し、濾物と蒸留水混合物のpHが2となる様に濃塩酸を加え、濾別し、濾液がpH7になるまで水洗した。さらに95℃の熱水6000mlで3時間洗浄した後、濾別し、濾物をエタノールで洗浄後、50℃で真空乾燥して、分岐ポリエチレンオキサイドと芳香族ポリスルホンのブロック共重合体を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は7.4×10であり、ポリアルキレンオキサイドの含有率は48.5wt%であった。
【0054】
【実施例1】
式(1)で示される繰返し単位の芳香族ポリスルホン(アモコ・エンジアリング・ポリマーズ社製:ユーデルP−1700:重量平均分子量Mw=77200)18重量部、製造例1に記載の製造方法で得られる分岐ポリエチレンオキサイドと芳香族ポリスルホンのブロック共重合体5重量部、テトラエチレングリコール(和光純薬/1級)25重量部、N−メチルー2ピロリドン(東京化成/試薬)52重量部からなる紡糸原液を作製した。この紡糸原液を50℃に保持し、水50重量部、N−メチル−2−ピロリドン(東京化成/試薬)49.5重量部、製造例1に記載の製造方法で得られる分岐ポリエチレンオキサイドと芳香族ポリスルホンのブロック共重合体0.5重量部を内筒液として、2重紡口から押し出し、水蒸気で満たされた平均温度40℃のフード内を通過し、600mm下方に設けた75℃の水中に浸漬させ50m/minの速度で巻取った。その後、90℃の熱水にて90min間洗浄し、続いて20重量%のグリセリン水溶液中で1時間、60℃にて浸漬処理を行い、70℃にて乾燥させ評価用中空糸を得た。得られた中空糸膜の評価結果を表1に示す。得られた中空糸膜を前記の散漫層の測定方法に従ってTEMを観察した。得られたTEM写真を図1に示す。図1において上が中空糸内表面であり、内表面の黒く見えている部分が散漫層である。
【0055】
【実施例2】
式(1)で示される繰返し単位の芳香族ポリスルホン(アモコ・エンジアリング・ポリマーズ社製:ユーデルP−1700)18重量部、テトラエチレングリコール(和光純薬/1級)25重量部、N−メチル−2−ピロリドン(東京化成/試薬)57重量部からなる紡糸原液を作製した。この紡糸原液を50℃に保持し、水50重量部、N−メチル−2−ピロリドン49.5重量部、製造例1に記載の製造方法で得られた分岐ポリエチレンオキサイドと芳香族ポリスルホンのブロック共重合体0.5重量部を内筒液として、2重紡口から押し出し、水蒸気で満たされた平均温度40℃のフード内を通過し、600mm下方に設けた75℃の水中に浸漬させ50m/minの速度で巻取った。その後、90℃の熱水にて90min間洗浄し、続いて20重量%のグリセリン水溶液中で1時間、60℃にて浸漬処理を行い、70℃にて乾燥させ評価用中空糸を得た。得られた中空糸膜の評価結果を表1に記載する。
【0056】
【実施例3】
内筒液の分岐ポリエチレンオキサイドと芳香族ポリスルホンのブロック共重合体を製造例2の方法で得られたものに変えた以外は全て、実施例2と同様にして評価用中空糸を得た。得られた中空糸膜の評価結果を表1に記載する。
【0057】
【実施例4】
内筒液の分岐ポリエチレンオキサイドと芳香族ポリスルホンのブロック共重合体を製造例3の方法で得られたものに変えた以外は全て、実施例2と同様にして評価用中空糸を得た。得られた中空糸膜の評価結果を表1に記載する。
【0058】
【実施例5】
式(1)で示される繰返し単位の芳香族ポリスルホン(アモコ・エンジアリング・ポリマーズ社製:ユーデルP−1700)18重量部、ポリエチレングリコール600(シグマ・アルドリッチ/1級)25重量部、N−メチル−2−ピロリドン(東京化成/試薬)57重量部からなる紡糸原液を作製した。この紡糸原液を50℃に保持し、水50重量部、N−メチル−2−ピロリドン(東京化成/試薬)49.9重量部、製造例1に記載の製造方法で得られた分岐ポリエチレンオキサイドと芳香族ポリスルホンのブロック共重合体0.1重量部を内筒液として、2重紡口から押し出し、水蒸気で満たされた平均温度40℃のフード内を通過し、600mm下方に設けた75℃の水中に浸漬させ50m/minの速度で巻取った。その後、90℃の熱水にて90min間洗浄し、続いて20重量%のグリセリン水溶液中で1時間、60℃にて浸漬処理を行い、70℃にて乾燥させ評価用中空糸を得た。得られた中空糸膜の評価結果を表1に記載する。得られた中空糸膜を前記の散漫層の測定方法に従ってTEMを観察した。得られたTEM写真を図2に示す。図2において上が中空糸内表面であり、内表面の黒く見えている部分が散漫層である。
【0059】
【実施例6】
式(1)で示される繰返し単位の芳香族ポリスルホン(アモコ・エンジアリング・ポリマーズ社製:ユーデルP−1700)18重量部、テトラエチレングリコール(和光純薬/1級)25重量部、N−メチル−2−ピロリドン(東京化成/試薬)57重量部からなる紡糸原液を作製し、50℃に保持し3重紡口の外筒から、芳香族ポリスルホン(アモコ・パフォーマンス・プロダクツ社製:P−1700)18重量部、製造例1に記載の方法で得られる分岐ポリエチレンオキサイドと芳香族ポリスルホンのブロック共重合体5重量部、テトラエチレングリコール(和光純薬/1級)25重量部、N−メチル−2ピロリドン(東京化成/試薬)52重量部からなる溶液を作製し同じく50℃に保持し3重紡口の中間筒より、さらに、水50重量部、N−メチル−2−ピロリドン(東京化成/試薬)50重量部を内筒液として3重紡口の内筒から同時に押し出し、水蒸気で満たされた平均温度40℃のフード内を通過し、1100mm下方に設けた75℃の水中に浸漬させ50m/minの速度で巻取った。その後、90℃の熱水にて90min間洗浄し、続いて20重量%のグリセリン水溶液中で1時間、60℃にて浸漬処理を行い、70℃にて乾燥させ評価用中空糸を得た。得られた中空糸膜の評価結果を表1に示す。
【0060】
【実施例7】
式(1)で示される繰返し単位の芳香族ポリスルホン(アモコ・エンジアリング・ポリマーズ社製:ユーデルP−1700)18重量部、テトラエチレングリコール(和光純薬/1級)25重量部、N−メチル−2ピロリドン(東京化成/試薬)57重量部からなる紡糸原液を作製した。この紡糸原液を50℃に保持し、水50重量部、N−メチル−2−ピロリドン(東京化成/試薬)50重量部を内筒液として、2重紡口から押し出し、水蒸気で満たされた平均温度40℃のフード内を通過し、600mm下方に設けた65℃の水中に浸漬させ50m/minの速度で巻取った。その後、90℃の熱水にて90min間洗浄し、続いて20重量%のグリセリン水溶液中で1時間、60℃にて浸漬処理を行い、70℃にて乾燥させ中空糸を得た。その後、該中空糸を用いミニモジュールを作製し中空糸内部に対し、50℃の水70重量部、N−メチルー2−ピロリドン(東京化成/試薬)29.7重量部、製造例1に記載の方法で得られる分岐ポリエチレンオキサイドと芳香族ポリスルホンのブロック共重合体0.3重量部の混合溶液を十分、中空糸内部に注入プライミングした後、水洗し、乾燥させ評価用中空糸を得た。得られた中空糸膜の評価結果を表1に示す。
【0061】
【比較例1】
式(1)で示される繰返し単位の芳香族ポリスルホン(アモコ・エンジアリング・ポリマーズ社製:ユーデルP−1700)18重量部、ポリビニルピロリドン7重量部、N−メチル−2−ピロリドン(東京化成/試薬)76重量部からなる均一な紡糸原液を作製した。この紡糸原液を50℃に保持し、水50重量部、N−メチル−2−ピロリドン(東京化成/試薬)50重量部を内筒液として、2重紡口から押し出し、水蒸気で満たされた平均温度40℃のフード内を通過し、600mm下方に設けた55℃の水中に浸漬させ50m/minの速度で巻取った。その後、90℃の熱水にて90min間洗浄し、続いて20重量%のグリセリン水溶液中で1時間、60℃にて浸漬処理を行い、70℃にて乾燥させ評価用中空糸を得た。得られた中空糸膜の評価結果を表1に示す。
【0062】
【比較例2】
式(1)で示される繰返し単位の芳香族ポリスルホン(アモコ・エンジアリング・ポリマーズ社製:ユーデルP−1700)18重量部、テトラエチレングリコール(和光純薬/1級)25重量部、N−メチル−2−ピロリドン(東京化成/試薬)57重量部からなる均一な紡糸原液を作製した。この紡糸原液を50℃に保持し、水50重量部、N−メチル−2−ピロリドン(東京化成/試薬)50重量部を内筒液として、2重紡口から押し出し、水蒸気で満たされた平均温度40℃のフード内を通過し、600mm下方に設けた75℃の水中に浸漬させ50m/minの速度で巻取った。その後、90℃の熱水にて90min間洗浄し、続いて20重量%のグリセリン水溶液中で1時間、60℃にて浸漬処理を行、70℃にて乾燥させ評価用中空糸を得た。得られた中空糸膜の評価結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
Figure 0004325913
【0064】
【本発明の効果】
本発明の中空糸膜は、膜内表面にポリアルキレンオキサイド系ポリマーとポリスルホン系ポリマーからなる共重合体を、少なくとも膜内表面に保持あるいは偏在化させることにより、溶出が抑制され、且つ中空糸膜内表面への蛋白成分の吸着および血液成分との相互作用が抑制された優れた生体適合性を付与できる。
中空糸の膜内表面を改質することにより、中空糸膜内表面への蛋白成分の吸着を抑制した、あるいは中空糸膜表面での血液成分の相互作用を抑制した、血液透析や血液ろ過など血液浄化に好適な血液処理膜およびその製造方法に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の中空糸内表面に存在する散漫層のTEM写真である。
【図2】実施例5の中空糸内表面に存在する散漫層のTEM写真である。

Claims (9)

  1. 繰り返し単位が下記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーからなる中空糸基材膜、または繰り返し単位が下記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーの他に、ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントと繰り返し単位が下記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を0.01wt%以上50wt%未満含有する中空糸基材膜、または繰り返し単位が下記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーの他に、ポリビニルピロリドンおよび/又はポリビニルピロリドン由来のセグメントと繰り返し単位が下記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を0.01wt%以上50wt%未満含有する中空糸基材膜、の内表面に、ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントと繰り返し単位が下記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を主成分とする、厚みが5nm〜30nmである散漫層を有することを特徴とする血液処理用中空糸膜。
    Figure 0004325913
  2. ポリスルホン系ポリマー由来のセグメントを形成するポリスルホン系ポリマーの重量平均分子量が2000以上100000以下であることを特徴とする請求項1に記載の血液処理用中空糸膜。
  3. ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントを形成するポリアルキレンオキサイド系ポリマーの重量平均分子量が2000以上80000以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の血液処理用中空糸膜。
  4. ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントを形成するポリアルキレンオキサイド系ポリマーの重量平均分子量とポリスルホン系ポリマー由来のセグメントを形成するポリスルホン系ポリマーの重量平均分子量の比(ポリアルキレンオキサイド系ポリマーの重量平均分子量/ポリスルホン系ポリマーの重量平均分子量)が1〜10であること特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の血液処理用中空糸膜。
  5. 中空糸基材膜の主成分であるポリスルホン系ポリマーの繰返し構造単位と、散漫層の主成分である共重合体の構成成分であるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントの繰返し構造単位が同じであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の血液処理用中空糸膜。
  6. 散漫層及び/または中空糸基材膜のポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体が、ポリエチレンオキサイド由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の血液処理用中空糸膜。
  7. 繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー溶液、または繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーの他に、ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を0.01wt%以上50wt%未満含有するポリマー溶液、または繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーの他に、ポリビニルピロリドンおよび/又はポリビニルピロリドン由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を0.01wt%以上50wt%未満含有するポリマー溶液、を2重円筒紡口の外筒より吐出させ、紡口の内筒からポリスルホン系ポリマーに対して凝固作用を有する溶液を吐出させ、紡口下部に設置した凝固浴に浸漬させて紡糸する乾湿式紡糸法によって中空糸を形成させた後、該中空糸基材膜の内表面にアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントとの共重合体を含む溶液を接触させることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の血液処理用中空糸膜の製造方法。
  8. 繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー溶液、または繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーの他に、ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を0.01wt%以上50wt%未満含有するポリマー溶液、または繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーの他に、ポリビニルピロリドンおよび/又はポリビニルピロリドン由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を0.01wt%以上50wt%未満含有するポリマー溶液、を2重円筒紡口の外筒より吐出し、紡口の内筒からアルキレンオキサイド系ポリマーと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーとの共重合体を含み、かつ上記ポリスルホン系ポリマーに対して凝固作用を有する溶液を吐出させ、紡口下部に設置した凝固浴に浸漬させて中空糸を形成させることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の血液処理用中空糸膜の製造方法。
  9. 3重円筒状紡口を用い、該3重円筒紡口の外筒から、繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー溶液、または繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーの他に、ポリアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を0.01wt%以上50wt%未満含有するポリマー溶液、または繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマーの他に、ポリビニルピロリドンおよび/又はポリビニルピロリドン由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントからなる共重合体を0.01wt%以上50wt%未満含有するポリマー溶液、を吐出し、中間筒からアルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントとの共重合体を含むポリマー溶液を吐出し、更に内筒から前記繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー及び前記アルキレンオキサイド系ポリマー由来のセグメントと繰り返し単位が前記式(1)〜式(5)のいずれかであるポリスルホン系ポリマー由来のセグメントとの共重合体に対して凝固作用を有する溶剤を吐出させ、紡口下部に設置した凝固浴に浸漬させて中空糸を形成させることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の血液処理用中空糸膜の製造方法。
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