JP4324575B2 - フランジ配管どうしの接続構造 - Google Patents
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Description
品製造、食品加工、化学工業等の各種技術分野の製造工程で取り扱われる高純度液や超純
水の配管系等において用いられるフランジ配管どうしを連通接続させるための接続構造に
関するものである。
るように接続させる手段としては、一方のフランジ配管である第1フランジ配管の第1フ
ランジ部と、他方のフランジ配管である第2フランジ配管の第2フランジ部とを、これら
の間にリング状のガスケットを介して複数のボルト・ナットを用いて締め付け固定させる
構造を採るのが一般的であった。このような例としては、特許文献1や特許文献2におい
て開示されたものが知られている。
のフランジ配管どうしの接続構造に準じた接続構造が採られる。つまり、フランジ配管の
フランジ部と、流体機器の流体給排口部の端部とをガスケットを介して突合せて対抗配置
し、これら両者をボルト等によって締め付けて連結させる接続構造である。
の面圧に達するまでボルトを締付けることにより、有効なシール性能を出すようになる。
しかしながら、ボルトの締付け力は時間と共に低下するので、締付け力低下、即ちトルク
ダウンによる接続部からの漏れを防止するには定期的に増し締めを行う必要があった。ガ
スケットを用いてシールする場合は非常に高い締付け力が必要になるので、フランジ配管
のフランジ部には高い強度が必要になるとともに、その接続連結するための作業性の点で
も不利なものであった。
ジ部や流体機器のフランジ部における管状の流体通路の径よりもガスケットの内径がやや
大きいものであって流体通路に凹凸が存在することから、その部分に液溜まりが生じて高
純度化やクリーン化を阻害する原因となるおそれもあった。
体の配管系統におけるフランジ配管どうしの接続構造に工夫を凝らすことにより、増し締
めを殆ど行わなくても良好なシール性が維持できるとともに、その組付け作業性も改善さ
れるようにすることにある。また、接続部における液溜りをなくして高純度化できるよう
にする点も目的である。
Aより大径で合成樹脂製の第1フランジ部1Bを有する第1フランジ配管1の前記第1フ
ランジ部1Bと、管状の流体通路4を有した管状部2Aの端部に、この管状部2Aよりも
大径で合成樹脂製の第2フランジ部2Bを有する第2フランジ配管2の前記第2フランジ
部2Bとを、前記第1フランジ部1Bと前記第2フランジ部2Bとの間に介在するリング
状のガスケットGを介して連通接続するフランジ配管どうしの接続構造において、
前記第1フランジ部1B及び前記第2フランジ部2Bには、各々の端面に互いに正対し
て開口する前記各流体通路4,4の外径側部分に環状突起11,21が形成され、
前記ガスケットGは、前記第1,第2フランジ部1B,2Bの相対応する前記流体通路
4,4どうしを連通すべく形成された流体経路Wと、前記第1及び第2フランジ部1B,
2Bの各端面に形成された前記環状突起11,21のそれぞれに嵌合すべく前記流体経路
Wの外径側部分に形成された一対の環状溝51,51とを有する可撓性を備えた材料から
構成されており、
前記第1フランジ部1Bと前記第2フランジ部2Bとが互いに前記ガスケットGを介し
て引寄せられて、前記第1フランジ部1Bの前記環状突起11と前記ガスケットGの一端
の環状溝51とが、及び前記第2フランジ部2Bの前記環状突起21と前記ガスケットG
の他端の前記環状溝51とがそれぞれ嵌め合わされて嵌合シール部3が形成された接合状
態を維持する維持手段Iが装備され、
前記第1及び第2フランジ部1B,2Bの端面における前記環状突起11,21の内及び外径側に、前記ガスケットGにおける前記環状溝51を形成するために軸心P方向に突出形
成された内外の周壁端部52,53が、前記環状溝51と前記環状突起11,21との嵌合によって拡がり変形するのを抑制又は阻止する環状押え部分12,13,22,23が形成され、
前記周壁端部52,53と前記環状押え部分12,13,22,23とが前記接合状態においては圧接されてシール部S2を形成するように構成され、
前記環状押え部分12,13,22,23は、これと前記環状突起11,21とで囲まれた谷部14,15,24,25が奥窄まり状となるように前記環状突起側の側周面が傾斜し
たテーパ周面12a,13a,22a,23aを有する先窄まり状の部分に形成されており、前記周壁端部52,53は、前記環状押え部分12,13,22,23のテーパ周面12a,13a,22a,23aに当接するテーパ周面52a,53aを有して前記谷部14,15,24,25に入り込み自在な先窄まり状の環状突起に形成されて、前記接合状態においては前記周壁端部52,53が前記谷部14,15,24,25に入り込んで前記両テーパ周面12a,13a,22a,23a,52a,53aどうしが圧接されるように構成されていることを特徴とするものである。
記維持手段Iが、前記第1フランジ部1Bより大なる外径を有するとともに前記第1,2
フランジ配管1,2の軸心P方向で前記第1フランジ部1Bに干渉するよう前記第1フラ
ンジ配管1の管状部1Aに外嵌される第1割型リング35と、
前記第1フランジ部1Bの通過は許容し、かつ、前記第1割型リング35とは前記軸心
P方向で干渉する開口部34aを有する内向きフランジ34が一端部に形成され、かつ、
他端部の外周に雄ネジ部32nが形成される筒状ボルト32と、
前記第2フランジ部2Bより大なる外径を有するとともに前記軸心P方向で前記第2フ
ランジ部2Bに干渉するよう前記第2フランジ配管2の管状部2Aに外嵌される第2割型
リング35と、
前記第2フランジ部2Bの通過は許容し、かつ、前記第2割型リング35とは前記軸心
P方向で干渉する開口部34aを有する内向きフランジ34が一端部に形成され、かつ、
他端部の内周に前記雄ネジ部32nに螺合自在な雌ネジ部33nが形成される筒状ナット
33とから成り、
前記雄ネジ部32nと前記雌ネジ部33nとを螺合させての前記筒状ボルト32と筒状
ナット33との締付け操作により、前記第1フランジ部1Bと第2フランジ部2Bとが互
いに前記ガスケットGを介して引寄せられるように構成されていることを特徴とするもの
である。
記維持手段Iが、前記第1フランジ部1Bと前記第2フランジ部2Bとのいずれか一方の
外周部に形成された雄ネジ部1nに螺合自在な雌ネジ部5nを備えた筒状ナット5と、前
記第1フランジ部1Bと前記第2フランジ部2Bのいずれか他方に前記第1,2フランジ
部1B,2Bの軸心P方向で干渉するよう前記第1フランジ部1Bと前記第2フランジ部
2Bとのいずれか他方の前記管状部2Aに外嵌される割型リング35とから成り、
前記筒状ナット5の一端部には、前記第1フランジ部1Bと前記第2フランジ部2Bの
いずれか他方の通過は許容し、かつ、前記割型リング35とは前記軸心P方向で干渉する
開口部6aを有する内向きフランジ6が形成されており、
前記筒状ナット5の前記雄ネジ部1nへの締付け操作によって、前記第1フランジ部1
Bと第2フランジ部2Bとが互いに前記ガスケットGを介して引寄せられるように構成さ
れていることを特徴とするものである。
記維持手段Iが、前記第1フランジ部1Bと前記第2フランジ部2Bとのいずれか一方に
形成される貫通孔1h,2hと、この貫通孔1h,2hを通して前記第1フランジ部1B
と前記第2フランジ部2Bとのいずれか他方に設けられたナット部42に螺着されるボル
ト41とを有して構成されており、
前記ボルト41を前記ナット部42に螺着させて締付けることにより前記第1フランジ
部1Bと前記第2フランジ部2Bとが互いに前記ガスケットGを介して引寄せられるよう
に構成されていることを特徴とするものである。
(イ)前記筒状ボルト32又は/及び前記筒状ナット33,5の前記内向きフランジ34
,6に隣接する割型リング内嵌部分の内周面部32m,33m,5mが、前記管状の流体
通路4と同心にフラットな内周面に形成され、かつ、その内周面部32m,33m,5m
の内径と、断面矩形に形成された前記割型リング35の外径とがほぼ同一径に形成されて
いる。
(ロ)前記割型リング35が外嵌される前記管状部1A,2Aの外径部が、前記管状の流
体通路4と同心にフラットな外周面2kに形成され、かつ、その外周面2kの外径と、前
記割型リング35の内径とがほぼ同一径に形成されている。
スケットの一端面及び他端面にそれぞれ形成された環状溝とが、軸線方向の相対移動によ
って互いに嵌り合って嵌合シール部を形成するので、これら両者が多少軸線方向にずれ動
くことがあっても環状突起と環状溝との嵌合状態が維持され、第1,2フランジ部間から
の液漏れを阻止する優れたシール性を発揮し続けることが可能になる。例えば、半導体製
造設備における洗浄装置の配管系統にこのような接続構造を用いれば、良好なシール性を
確保し得ながら装置の占有面積を減少できてコスト上有利であるとともに、大流路が確保
されることによって循環流量を多くし、薬液の高純度化を高めて歩留まり向上に寄与でき
るという効果を奏することが可能である。
れた接合状態を維持できるので、フランジ配管どうしが液漏れなく良好なシール性を確保
し得る状態を長期に亘って維持可能となり、信頼性に優れるフランジ配管どうしの接続構
造を提供することができる。その結果、増し締めを殆ど行わなくても良好なシール性が維
持できるとともに、その組付け作業性も改善されるフランジ配管どうしの接続構造を提供
することができる。
のものであっても、凸側の部材は殆ど変化(圧縮変形)せず、凹側の部材が拡がり変形し
易い傾向のあることが一般に知られている。そこで、本請求項1においては、各フランジ
部に凸である環状突起を、かつ、ガスケットに凹である環状溝を形成する構成としてある
ので、クリープや経時変化によって変形するのは、フランジ配管に比べて小さな部品であ
るガスケット側であってフランジ配管側は殆ど変形しないから、ガスケットを交換する廉
価な手段でもって、長期に亘って良好なシール性能を維持できる利点を得ることができる
という効果もある。
ては凹側が広がり変形し易い傾向があるから、それは即ち本発明においては環状溝を形成
するためにガスケットに形成される内外の周壁端部が拡がり変形することを意味している
。そこで、その周壁端部の拡がり変形を抑制又は阻止する環状押え部分を第1及び第2フ
ランジ部に形成してあるから、周壁端部の拡がり変形が解消又は軽減されて環状突起と環
状溝とが強い圧接力でもって嵌合でき、これら両者の嵌合による優れたシール機能を所期
どおりに発揮させることができる。
ので、これらが存在しない場合に比べてガスケットの周壁端部の厚みを薄くすることが可
能であるから、ガスケットの幅寸法を小さくして流体通路の全体径のコンパクト化、つま
りはフランジ配管どうしの接続構造としてのコンパクト化が図れるという利点もある。
、各ガスケットの一端面又は他端面の環状溝との圧接によるシール部が形成されるので、
それによってよりシール性に富む嵌合シール部が構成され、優れたシール性能を持つフラ
ンジ配管どうしの接続構造とすることができる。
、各ガスケットの一端面又は他端面の環状溝との嵌合部分の内径側及び外径側に、第1及
び第2フランジ部のテーパ周面とガスケットのテーパ周面とが圧接される構成が存在して
おり、それらテーパ周面どうしの当接により、接続構造部分のコンパクト化とシール性能向上との双方の効果を得ることができる。
形成されるので、例えば非対称形状のものに比べてガスケットやこれと嵌合される部分で
ある第1、第2フランジ部の設計、製作が容易化されるとともに、フランジ配管に嵌合さ
れる場合のバランス(強度バランス、組付けバランス)に優れたものにできる。
維持するだけでなく、第1フランジ部と第2フランジ部とを引寄せて接合状態を得るため
の引寄せ機能も発揮できるので、他に引寄せ手段を用意する必要が無くなり、全体として
の組付け手間の省略化やコストダウンが可能となる利点がある。
1フランジ配管側に装備される筒状ボルトと第2フランジ配管側に装備される筒状ナット
とを螺着させて締付けるだけの簡単な操作により、第1,2フランジ部の環状突起とガス
ケットの環状溝とを嵌合させて、第1,2フランジ部どうしを、つまりは第1,2フラン
ジ配管どうしを連通接続することができる。そして、筒状ボルトと筒状ナットとの螺進を
止めるだけで、その接合状態を維持することができる便利で扱い易い引寄せ機能付の維持
手段が、コンパクトで場所を取らない合理的なものとして得られる。
、外嵌装着状態では割型リングを介して対応するフランジ部に軸方向で干渉するから、筒
状ボルトと筒状ナットとによる第1,2フランジ部どうしの直接接続を可能にしながら、
割型リング、筒状ボルト、筒状ナットを第1,2フランジ配管に後付け装着することが自
在である。
れている筒状ナットを、第1及び第2フランジ部の他方の雄ネジに螺進させるだけの簡単
な操作により、第1,2フランジ部の環状突起とガスケットの環状溝とを嵌合させてフラ
ンジ配管どうしをシール状態で連通接続することができるとともに、筒状ナットの螺進を
止めるだけで、その接続状態を維持することができる便利で扱い易い引寄せ機能付き維持
手段が、コンパクトで場所を取らない合理的なものとして得られる。
在であり、外嵌装着状態では第1フランジ部又は第2フランジ部及び割型リングの双方に
軸方向で干渉するから、筒状ナットによる第1,2フランジ部どうしの直接接続を可能に
しながら、割型リング及び筒状ナットを第1又は第2フランジ部に後付け装着することが
自在である。従って、筒状ナットと割型リング程度の少ない部品数で済む経済的、合理的
なものとしながら、第1又は第2フランジ配管の製造時に筒状ナットを第1又は第2フラ
ンジ部に外嵌装着させておく、という難しい製造手段を採ることなく、筒状ナットを用い
てフランジ配管どうしの接続操作が簡単で便利に行える。
貫通孔を通すボルトと、第1及び第2フランジ部の他方に形成されるナット部とを設ける
だけの簡単な手段で両フランジ配管どうしの引寄せ及び維持が行えるようになる。つまり
、ボルト・ナットによる構造簡単で廉価な引寄せ機能付き維持手段としながら種々の利点
を有するフランジ配管どうしの接続構造を提供することができる。
優れた特性を有するフッ素系樹脂で形成されているので、流体が薬液であるとか化学液体
であっても、或いは高温流体であっても接続構造部分が変形して漏れ易くなることがなく
、良好なシール性が維持できるようになる。尚、フッ素系樹脂は、水素原子の一個以上を
フッ素で置換したエチレンおよびその誘導体の重合によって得られる樹脂状物質であり、
高温にも安定で、撥水性に優れる。また摩擦係数が小さく、耐薬品性もきわめて高く、電
気絶縁性も高い点で好ましい。
がら説明する。図1〜図5は実施例1によるフランジ配管どうしの接続構造を示す側面図
、要部の断面図、組付け要領図、ガスケット構造を示す要部の分解断面図、嵌合シール部
の構成を示す要部の断面図である。また、図6〜図10は、実施例2〜5によるフランジ
配管どうしの接続構造を示す要部の断面図等である。
実施例1によるフランジ配管どうしの接続構造は、図1に示すように、円管状の流体通
路4を有した管状部1Aの端部に、この管状部1Aより大径で断面円形の第1フランジ部
1Bを有するPTFE等のフッ素樹脂(合成樹脂の一例)製の第1フランジ配管1の第1
フランジ部1Bと、円管状の流体通路4を有した管状部2Aの端部に、この管状部2Aよ
りも大径で断面円形の第2フランジ部2Bを有するPTFE等のフッ素樹脂(合成樹脂の
一例)製の第2フランジ配管2の第2フランジ部2Bとを、第1フランジ部1Bと第2フ
ランジ部2Bとの間に介在するリング状のガスケットGを介して連通接続するフランジ配
管どうしの接続部として構成されている。
であって互いに共通の軸心Pを有しており、図2に示すように、第1フランジ部1Bと第
2フランジ部2Bとが、これらの間で挟まれるリング状のガスケットGを介してシール状
態で接続されている。両フランジ部1B,2Bどうしは引寄せ機能を有した維持手段Iに
よって互いにガスケットGを介して引寄せられ、この引寄せ作用により第1フランジ部1
Bの端面に形成される第1シール端部t1とガスケットGの一端面との間、及び第2フラ
ンジ部2Bの端面に形成される第2シール端部t2とガスケットGの他端面との間で夫々
互いに嵌合して嵌合シール部3が形成され、かつ、その嵌合シール部3が形成された接合
状態が維持される。
面に形成される第1シール端部t1と、第2フランジ部2Bの端面に形成される第2シー
ル端部t2とは同一構造であるため、第1シール端部t1についてのみ説明し、第2シー
ル端部t2については同一符号又は対応する符号を付してその説明を省略するものとする
。第1シール端部t1は、流体通路4を開口する第1フランジ部1Bの端面における流体
通路4の開口端部の外径側部分に、流体通路4と同心状に形成される環状突起11を有し
て構成されている。また、第1シール端部t1は、環状突起11の内外に形成される環状
押え突起12,13、及びこれら環状押え突起(環状押え部分の一例)12,13と環状
突起11との間に形成される奥窄まり状の谷部14,15を有している。
溝51,51とを有するPFAやPTFE等のフッ素樹脂製でリング状のものに構成され
ている。流体経路Wは、第1フランジ配管1の流体通路4と第2フランジ配管2の流体通
路4とを連通する箇所であり、その内径r3は、各流体通路4,4の内径r1,r2と互
いに同径に形成されている。一対の環状溝51,51は、第1及び第2フランジ部1B,
2Bの端面に形成された第1シール端部t1の環状突起11、及び第2シール端部t2の
環状突起21のそれぞれに嵌合自在な溝に形成されている。
を形成するための内周壁54及び外周壁55とを有するとともに、一対の環状溝51,5
1は深さ及び幅が同一となる左右対称であり、かつ、内及び外周壁54,55も左右対称
であって、第1及び第2フランジ配管1,2の軸心P方向に沿う縦中心Z、及び、その縦
中心線Zに直交する横中心線Xの双方に関して線対称(ほぼ線対称でも良い)となる略H
状の形状に形成されている。内周壁54の左右端部は、内周面54aである流体経路Wの
左右端部が先拡がり状に外向き傾斜するテーパ内周面52a,52aに形成されるととも
に、外周壁55の左右端部も、その外周面55aの左右端部が内向き傾斜するテーパ外周
面53a,53aに形成されている。
、及び第2フランジ配管2の第2フランジ部2Bにおける第2シール端部t2の環状突起
21のそれぞれの内及び外径側には、環状押え突起12,13,22,23が形成されて
いる。これらは、ガスケットGにおける環状溝51を形成すべく軸心P方向に突出形成さ
れた内外の環状シール突起52,53が、環状溝51と環状突起11,21との嵌合によ
って内外に拡がり変形するのを阻止して、良好なシール性を発揮させる役割を持つ。
明する。図5に示すように、内外の環状押え突起12,13は対称のものであり、これら
と環状突起11とで囲まれた谷部14,15が奥窄まり状となるように環状突起側の側周
面が傾斜したテーパ外周面12a及びテーパ内周面13aを有する先窄まり状の環状突起
に形成されている。つまり、第1シール端部t1は、環状突起11とその内外の両側に形
成される環状押え突起12,13及び谷部14,15の総称である。
2,13のテーパ外周面12aとテーパ内周面13aのそれぞれに当接するテーパ内周面
52aとテーパ外周面53aを有して14,15に入り込み自在な先窄まり状の環状シー
ル突起52,53を有している。そして、接合状態(図1参照)においては、内外の周壁
54,55の左端部である環状シール突起52,53が対応する谷部14,15に入り込
み、第1シール端部t1のテーパ外周面12aとガスケットGのテーパ内周面52aとが
圧接され、かつ、第1シール端部t1のテーパ内周面13aとガスケットGのテーパ外周
面53aとが圧接されるように構成されている。
3とで左シール部g1が形成されており、同様に右端部には右シール部g2が形成されて
いる。左シール部g1は第1シール端部t1と嵌合して嵌合シール部3を形成し、右シー
ル部g2は第2シール端部t2と嵌合して嵌合シール部3を形成する。
ついて詳細に説明すると、図4、図5に示すように、内外の谷部14,15どうし、及び
内外の環状シール突起52,53どうしは互いに対称であって、内外の谷部14,15全
体の挟角α°と内外の環状シール突起52,53全体の尖り角β°との間には、α°<β°という関係が設定されている。好ましくはα°+(5〜15°)=β°という関係に設定すると良い。この構成により、第1シール端部t1の環状突起11と環状溝51とが嵌り合った接合状態(後述)では、内環状押え突起12と内環状シール突起52とは、それらのテーパ外周面12aとテーパ内周面52aとが最内径側部分で圧接される状態となり(図5の仮想線を参照)、流体通路Wを通る流体がこれら外内のテーパ周面12a,52aどうしの間に入り込むのことをも阻止する二次シール部S2として機能する利点が得られる。
係が設定されており、好ましくはd1×(0.6〜0.8)=d2という関係に設定する
と良い。そして、第1の環状突起11の突出長さh1と左環状溝51の深さh2との間に
はh1<h2という関係が設定されている。これらの構成により、第1の環状突起11と
左環状溝51とが、詳しくは、第1の環状突起11の内外の両側周面と相対応する左環状
溝51の内外の側周面とが強く圧接され、流体の漏れを阻止する優れたシール性能を発揮
する一次シール部S1が形成されるとともに、内環状押え突起12のテーパ外周面12a
と内環状シール突起52のテーパ内周面52aとが必ず当接することになり、前述した二
次シール部S2が良好に形成される利点がある。
らないようにカットされた形状、即ち、傾斜カット面12b、並びにカット面52b,5
3bに形成されている。これらの構成により、内環状押え突起12の先端が流体通路W側
に若干広がり変形したとしても、もともとカットされた形状であることから、流体通路W
途中に開いた断面三角形状の凹みができるだけとなり、その凹みに存在する流体が容易に
流れ出すようになって実質的に液溜りが生じないようになる。加えて、その凹みの開き角
度、即ち、傾斜カット面12bとテーパ内周面52aとの挟角は十分に大きく、表面張力
による液溜りのおそれも回避される。また、環状突起11先端の内角及び外角は面取り加
工されたカット形状11aとしてあるので、幅の狭い環状溝51への圧入移動をかじり等
の不都合なく円滑に行えるものとなっている。
ガスケットGの外周壁55を挿入自在な内周壁部1bが連続形成されており、内側の環状
押え突起12とは全体としての形状は異なる。そして、第2シール端部t2に関しても、
環状押え突起23のテーパ内周面23aに続く状態で、ガスケットGの外周壁55を挿入
自在な内周壁部2bが存在しており、やはり、内側の環状押え突起22とは全体としての
形状が異なる。これら第1及び第2内周壁部1b,2bは、ガスケットGの左及び右シー
ル部g1,g2を第1及び第2シール端部t1,t2に嵌め合わす際のガイドとして機能
するとともに、テーパ内周面13a,23aと共にガスケットGの外周壁55の拡がり変
形を阻止する機能も発揮可能である。
の脱着フランジfを一体形成しておけば、第1又は第2フランジ部1B,2Bからガスケ
ットGを抜出す際に、工具や手指で脱着フランジfを引張る等して外し易くすることがで
きるという利点がある。この場合、脱着フランジfの厚みは、接合状態における第1及び
第2フランジ部1B,2Bどうしの間隙よりも小さい値とする。
び第2フランジ配管1,2に亘っており、第1フランジ部1Bと第2フランジ部2Bとを
、互いにガスケットGを介して接近する方向に引寄せ、かつ、その引寄せた状態を維持す
る引き寄せ機能も発揮できるものに構成されている。維持手段Iによって両フランジ部1
B,2Bが互いにガスケットGを介して接近する方向に引寄せられて行くと、まず、環状
突起11,21と各環状溝51とが嵌合し、その大部分が嵌合してから環状押え突起12
,13,22,23と各環状シール突起52,53とが当接するようになる。
2aとが強く圧接して、両フランジ部1B,2Bの接近移動が止まった状態では、環状突
起11と各環状溝51との軸心P方向の間、及び第1フランジ部1Bの端面の内周壁部1
bより外径部1gと、第2フランジ部2Bの端面の内周壁部2bより外径部2gと間の夫
々には隙間が存在するように設定されている。つまり、各テーパ内周面13a,52a,
23aと各テーパ外周面12a,53a,22aとが確実に接触するように外径部1g,
2gどうし間に隙間を設けている。これにより、環状突起11,12と環状溝51との嵌
合による嵌合シール部3における一次及び二次シール部S1,S2での有効なシール機能
が得られるとともに、二次シール部S2においては、隙間ができて液溜りとなるようなこ
とが無くて、互いに同径の両流体通路4,4及び流体経路W間をクリーンな状態で液体を
流すことができる。
との計四個の部品から構成されている。第1フランジ配管1に外嵌される第1割型リング
35は、第1フランジ部1Bより大なる外径を有し、かつ、第1,2フランジ配管1,2
の軸心P方向で第1フランジ部1Bに干渉するように第1フランジ配管1の管状部1Aに
外嵌されるものであり、二つ割り、または三つ割り以上の割型リングに構成されている。
筒状ボルト32は、第1フランジ部1Bの通過は許容し、かつ、第1割型リング35とは
軸心P方向で干渉する開口部34aを有する内向きフランジ34が一端部に形成され、か
つ、他端部の外周に雄ネジ部32nが形成される筒状のボルトに構成されている。
る外径を有し、かつ、軸心P方向で第2フランジ部2Bに干渉するよう第2フランジ配管
2の管状部2Aに外嵌されるものであり、二つ割り、または三つ割り以上の割型リングに
構成されている。第2割型リング35は第1割型リング35と互いに同じ部品である。筒
状ナット33は、第2フランジ部2Bの通過は許容し、かつ、第2割型リング35とは軸
心P方向で干渉する開口部34aを有する内向きフランジ34が一端部に形成され、かつ
、他端部の内周に雄ネジ部32nに螺合自在な雌ネジ部33nが形成される筒状のナット
に構成されている。つまり、筒状ナット33の径は筒状ボルト32の径よりも大径である
。そして、雄ネジ部32nと雌ネジ部33nとを螺合させての筒状ボルト32及び筒状ナ
ット33どうしの締付け操作によって、第1フランジ部1Bと第2フランジ部2Bとが互
いにガスケットGを介して接近する方向に引寄せられるように、かつ、その引寄せ状態を
維持可能に構成されている(図3参照)。
部1B,2Bの通過を許容するに足りる最小限の内径寸法に設定されている。各割型リン
グ35の外径は、筒状ボルト32の内径部32aに入り込み自在となるよう、この内径部
32aの内径よりも若干小さい寸法に設定され、かつ、内径は、各管状部1A,2Aに外
嵌自在となる最小限の寸法に設定されている。筒状ナット33における内向きフランジ3
4に隣接する部分には、第2割型リング35を密に内嵌するために雌ネジ部33n及びこ
れに連なる内径部33aよりも径の小なる内周面部33mが形成されている。
割型リング35に軸方向に摺動自在で、かつ、第1割型リング35の幅寸法をカバーする
軸心P方向長さを有する内周面部32mが、流体通路4と同心にフラットな内周面に形成
されている。また、前述した筒状ナット33の内周面部33mも、流体通路4と同心にフ
ラットな内周面に形成されている。即ち、筒状ボルト32の内径部32aの内奥部である
内周面部32mが流体通路4と同心にフラットな内周面に形成され、かつ、その内周面部
32mの内径が、断面矩形に形成された第1割型リング35の外径よりも極僅かに大きく
した嵌め合い公差状態に寸法設定される一方、筒状ナット33の内周面部33mが流体通
路4と同心にフラットな外周面に形成され、かつ、その内周面部33mの内径が、断面矩
形に形成された第1割型リング35の外径よりも極僅かに大きくした嵌め合い公差状態に
寸法設定されている。尚、各割型リング35の内径は、各フランジ部1B,2Bと面当接
するよう、各管状部1A,2Aにおける各フランジ部1B,2Bの付根の径とほぼ同じ径
に設定されている。
び筒状ナット33を螺進させた際に各割型リング35,35が傾いて抉るような状態にな
ったり、各フランジ部1B,2Bに第1及び第2の筒状ボルト32や筒状ナット33の螺
進による軸心P方向の押圧力がうまく伝わらなかったりする、という不都合が生じること
が防止され、有効に各フランジ部1B,2Bを押して、両フランジ部1B,2Bを互いに
接近する方向に良好に引寄せることができるように構成されている。つまり、筒状ボルト
32及び筒状ナット33の内向きフランジ34に隣接する割型リング内嵌部分の内周面部
32m,33mが、管状の流体通路4と同心にフラットな内周面に形成され、かつ、その
内周面部32m,33mの内径と、断面矩形に形成された割型リング35の外径とが、内
周面部32m,33mの内径が割型リング35の外径よりも大となる領域においてほぼ同
一径に形成されている。
である。先ず、図3(a)に示すように、筒状ボルト32を、第1フランジ部1Bの外径
側を通過させて第1フランジ配管1の管状部1Aの外周に嵌装し、かつ、筒状ナット33
を、第2フランジ部2Bの外径側を通過させて第2フランジ配管2の管状部2Aの外周に
嵌装する。筒状ボルト32及び筒状ナット33は、夫々第1、第2フランジ部1B,2B
を通過できるものであるから、これらフランジ配管1,2が、それらの他端が流体機器等
に既に接続されている場合でも、問題なくフランジ部1B,2B側の端部から各管状部1
A,2Aに外嵌装着させることができる。なお、筒状ボルト32及び筒状ナット33の内
向きフランジ側端に、スパナ工具等で回動操作するための六角部又は二面幅部を形成して
おけば、締付け及び分解操作上で好都合である。
ルト32の先端との間を通して、第1フランジ部1Bの側面に当接する状態で第1フラン
ジ配管1の管状部1Aの外周に嵌装し、かつ、第2割型リング35を、第2フランジ2B
と筒状ナット33の先端との間を通して、第2フランジ部2Bの側面に当接する状態で第
2フランジ配管2の管状部2Aの外周に嵌装させる。このとき又はその前にガスケットG
を第1、第2シール端部t1,t2のいずれかに環状突起11,21と環状溝51との仮
嵌合を介して装着させておいてもよい。次いで、ガスケットGを介して両フランジ部1B
,2Bどうしをあてがい、その状態で筒状ボルト32と筒状ナット33とを螺着させての
締付け操作[図3(c)参照]を行うことにより、図1、図2に示す接合状態が得られる
。
に引寄せられており、図2に示すように、その接合状態では、両フランジ部1B,2Bに
よってガスケットGは押圧挟持されている。また、前述したように、両フランジ部1B,
2Bの各環状突起11,21と、ガスケットGの左右両端の環状溝51とが圧入嵌合して
一次シール部S1が形成されるとともに、各テーパ内周面13a,52a,23aと各テ
ーパ外周面12a,53a,22aとの圧接による二次シール部S2が形成されることに
より、第1フランジ配管1の流体通路4、ガスケットGの流体経路W、第2フランジ配管
2の流体通路4間に亘って漏れ及び液溜まりなく液体を流すことができる、という良好な
シール機能を発揮する嵌合シール部3,3が形成される。
箇所の外径部が、管状の流体通路4と同心にフラットな外周面2kに形成され、かつ、そ
の外周面2kの外径と第2割型リング35の内径とが、外径部2kの外径よりも割型リン
グ35の内径が大となる領域においてほぼ同一径に形成される構成とすればより好都合で
ある。この構成を採れば、筒状ナット33の締付け操作の際に第2割型リング35と第2
管状部2Aとが抉れたりすることなく円滑に相対移動でき、維持手段Iによる両流体給排
口部1B,2Bの引寄せ移動を効率良く行う機能が促進される。筒状ナット33の内周面
部33mと第2割型リング35の外周面との嵌め合い公差を持つ嵌合構造と併せれば、筒
状ボルト32と筒状ナット33との螺進による第2割型リング35の追従移動がさらに円
滑化され、維持手段Iを軽快に操作しながら漏れなく強固に接続操作することができる。
上記の構成は、当然ながら第1流体機器1における第1割リング45や筒状ボルト32に
適用することが自在である。
実施例2によるフランジ配管どうしの接続構造を図6に示す。これは実施例1によるも
のと維持手段Iが異なるのみであり、主にその第1別構造の維持手段Iについて説明する
。第1別構造の維持手段Iは、図6に示すように、外周部に第1雄ネジ1nが形成された
第1フランジ部1Bと、外周部に第1雄ネジ1nと同径の第2雄ネジ2nが形成された第
2フランジ部2Bと、これら両雄ネジ1n,2nに螺着自在な雌ネジ7nを有する筒状ナ
ット7とから構成されている。
1n,2nよりも大径の抉り内周部7aが形成されており、内向きフランジ8は、軸心P
方向において各フランジ部1B,2Bに干渉する内径寸法に形成されている。図6に示す
組付け状態では、第2フランジ部2Bの第2雄ネジ2nは抉り内周部7aに収容されて、
第1フランジ部1Bの第1雄ネジ1nと雌ネジ7nとのみが螺合した状態であり、これに
よって、第1及び第2フランジ部1B,2Bどうしを、つまりは第1及び第2フランジ配
管1,2どうしを互いに引寄せた状態が維持されている。
nに螺合させて締め込み、第2雄ネジ2nをやり過ごして抉り内周部7aに回転自在に収
容する状態にしておき、その状態でガスケットGを介して第1フランジ部1Bの第1雄ネ
ジ1nに雌ネジ7nを螺合させて締付ける。すると、筒状ナット7は第2フランジ部2B
の第2雄ネジ2nとは相対的に空回りするので、第1フランジ部1Bのみが締め付けによ
って螺進し、その結果、第1フランジ配管1と第2フランジ配管2とが引寄せられ、ガス
ケットGによって流体通路4,4がシール状態で連通接続される接合状態が維持される。
つまり、この第1別構造の維持手段Iも引寄せ機能を有するものに構成されている。
実施例3によるフランジ配管どうしの接続構造を図7に示す。これは実施例1によるも
のと維持手段Iが異なるのみであり、その第2別構造の維持手段Iについて説明する。第
2別構造の維持手段Iは、図2に示す維持手段Iと、図6に示す第1別構造の維持手段I
との折衷案的な構成のものであって、図7に示すように、外周部に第1雄ネジ1nが形成
された第1フランジ部1Bと、外周部に第1雄ネジ1nと同径の第2雄ネジ2nが形成さ
れた第2フランジ部2Bと、これら両雄ネジ1n,2nに螺着自在な雌ネジ5nを有する
筒状ナット5と、割型リング35とから構成されている。
1n,2nよりも大径の抉り内周部5aが形成されており、内向きフランジ6は、軸心P
方向において各フランジ部1B,2Bに干渉しない程度の内径部6aを有するものに形成
されている。割型リング35は、図3に示す二分割構造のものや、円形のリングが三個以
上に分断されたような(例:120度弱の扇型部材の3個から成る)ものも可能であり、
内向きフランジ6や雌ネジ5nをやり過ごして外部から抉り内周部5aに入れ込むこと、
並びに抉り内周部5aにおいてリング状の形に組むことが自在である。また、割型リング
35を、スナップリングのように径方向にある程度撓むことで抉り内周部5aに入れ込め
るよう、可撓性を有した単一のC字状体から構成することも可能である。
領によって予め割型リング35を抉り内周部5aに入れ込んだ状態としておき、それ以後
の工程は、前述した第1別構造の維持手段Iの場合と同じである。従って、これ以上の組
付け手順の説明は割愛する。
実施例4によるフランジ配管どうしの接続構造を図8に示す。これは実施例1によるも
のと維持手段Iが異なるのみであり、その第3別構造の維持手段Iについて説明する。第
3別構造の維持手段Iは、第1,2フランジ部1B,2Bの軸心P方向に沿う状態で第1
,2フランジ部1B,2Bの外径側部分に形成された貫通孔1h,2hと、これら管通孔
1h,2hどうしに貫通自在なボルト41及びナット42とから構成されている。
B,2Bの周囲の複数箇所(例:3箇所)に均等角度毎に配備されており、第1,2フラ
ンジ部1B,2Bを互いに接近する方向に引寄せ可能であり、かつ、その引寄せ状態を維
持可能である。つまり、ボルト41及びナット42の締付け操作により、第1,2フラン
ジ部1B,2BどうしをガスケットGを介して互いに接近移動させて、両フランジ部1B
,2Bの各管状突起11,21と、ガスケットGの両端面の環状溝51とを圧入嵌合する
ことによる嵌合シール部3が形成される接合状態の維持が行えるものとなっている。
実施例5によるフランジ配管どうしの接続構造は、嵌合シール部3が異なる以外は、実
施例1のものと同じであり、違いの部分について説明する。これは、ガスケットGとフラ
ンジ配管1又は2とが嵌り合う部分のテーパ角度が直角に近い角度に設定される接続構造
である。
る環状突起側のテーパ周面12a,13aの開き角(谷部14,15の開き角)Dは50
〜70度の範囲の値(50°≦D°≦70°)に設定されており、周壁端部52,53の
テーパ周面52a,53aの尖り角Eは60〜80度の範囲の値(60°≦D°≦80°
)に設定されている。そして、開き角Dと尖り角Eとには、開き角Dに10〜20度を加
えたものが尖り角Eとなる[D°+(10〜20°)=E°]ように設定されている。よ
り好ましい値としては、開き角Dが69〜71度(D°=70±1°)、尖り角Eが79
〜81度(E°=80±1°)、及び尖り角E が、開き角D+9〜11度(E°−D°
=10±1°)に設定すると良い。
51度(Ds°=50°±1°)に設定されており、周壁端部52,53の先端カット面
52b,53bの迎え角Esは124〜126度(Es°=125°±1°)に設定され
ている。このような角度設定により、テーパ外周面12aとテーパ内周面52a及びテー
パ内周面13aとテーパ外周面53aの夫々は環状の線接触状態で当接されるようになり
、シールリップ効果が二次シール部S2において発揮されるようになる。
る方向である引寄せ方向に対する前記周壁端部52,53に形成されるテーパ周面52a
,53a(テーパ内周面52a、テーパ外周面53a)の尖り角Eが、前記引寄せ方向に
対する前記環状押え突起(支え部)12,13における環状突起11側のテーパ周面12
a,13a(テーパ外周面12a、テーパ内周面13a)の開き角Dに10〜20度、好
ましくは10度又はほぼ10度加えた値に設定されている。そして、前記尖り角Eが60
〜80度、好ましくは80度又はほぼ80度に設定されている。
環状押え突起12,13は、その径方向幅に比べて引寄せ方向(軸方向)の突出量が小さ
くなって相対的に強度、剛性が向上することとなり、周壁端部52,53の拡がりを規制
しながらも、自身(環状押え突起12,13)が径方向へ拡がり変形するおそれをより効
果的に抑制することができる利点がある。そして、周壁端部52,53の谷部14,15
への刺さり込みによってテーパ周面52a,53aが環状押え突起12,13を径方向に
押し広げる分力を小さくでき、この点からも環状押え突起12,13の径方向への拡がり
変形を抑制することができる。
には、d1>d2という関係が設定され、好ましくはd1×(0.6〜0.8)=d2と
いう関係に設定するが、内外の谷部14,15全体の挟角α°と内外の環状シール突起52,53全体の尖り角β°との間には、α°<β°という関係が設定されており、好ましくはα°+(20〜40°)=β°という関係に設定すると良い。
ガスケットGは、可撓性を有する合成樹脂製のものでも良い。引寄せ機能付維持手段Iとしては、ターンバックル式のものも可能である。尚、環状押え突起12,13,22,23のうちの、環状押え突起13,23については、環状押え壁部13,23に読み代えるものとし、これら環状押え突起12,22と環状押え壁部13,23とを総称して「環状押え部分」と定義するものとする。
1A 管状部
1B 第1フランジ部
1n 雄ネジ部
1h 貫通孔
2 第2フランジ配管
2A 管状部
2B 第2フランジ部
2h 貫通孔
2k 外周面
3 嵌合シール部
4 流体通路
5 筒状ナット
5m 内周面部
5n 雌ネジ部
6 内向きフランジ
6a 開口部
11,21 環状突起
12,13,22,23 環状押え部分
12a,13a,22a,23a テーパ周面
14,15,24,25 谷部
32 筒状ボルト
32m 内周面部
32n 雄ネジ部
33 筒状ナット
33m 内周面部
33n 雌ネジ部
34 内向きフランジ
34a 開口部
35 第1割型リング、第2割型リング
41 ボルト
42 ナット部
51 環状溝
52,53 周壁端部
52a,53a テーパ周面
G ガスケット
I 維持手段
P 軸心
S2 シール部
W 流体経路
X 直交する中心線
Z 軸心に沿う中心線
Claims (9)
- 管状の流体通路を有した管状部の端部に、この管状部より大径で合成樹脂製の第1フラ
ンジ部を有する第1フランジ配管の前記第1フランジ部と、管状の流体通路を有した管状
部の端部に、この管状部よりも大径で合成樹脂製の第2フランジ部を有する第2フランジ
配管の前記第2フランジ部とを、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との間に介在
するリング状のガスケットを介して連通接続するフランジ配管どうしの接続構造であって
、
前記第1フランジ部及び前記第2フランジ部には、各々の端面に互いに正対して開口す
る前記各流体通路の外径側部分に環状突起が形成され、
前記ガスケットは、前記第1,第2フランジ部の相対応する前記流体通路どうしを連通
すべく形成された流体経路と、前記第1及び第2フランジ部の各端面に形成された前記環
状突起のそれぞれに嵌合すべく前記流体経路の外径側部分に形成された一対の環状溝とを
有する可撓性を備えた材料から構成されており、
前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とが互いに前記ガスケットを介して引寄せら
れて、前記第1フランジ部の前記環状突起と前記ガスケットの一端の環状溝とが、及び前
記第2フランジ部の前記環状突起と前記ガスケットの他端の前記環状溝とがそれぞれ嵌め
合わされて嵌合シール部が形成された接合状態を維持する維持手段が装備され、
前記第1及び第2フランジ部の端面における前記環状突起の内及び外径側に、前記ガス
ケットにおける前記環状溝を形成するために軸心方向に突出形成された内外の周壁端部が
、前記環状溝と前記環状突起との嵌合によって拡がり変形するのを抑制又は阻止する環状
押え部分が形成され、
前記周壁端部と前記環状押え部分とが前記接合状態においては圧接されてシール部を形
成するように構成され、
前記環状押え部分は、これと前記環状突起とで囲まれた谷部が奥窄まり状となるように
前記環状突起側の側周面が傾斜したテーパ周面を有する先窄まり状の部分に形成されてお
り、前記周壁端部は、前記環状押え部分のテーパ周面に当接するテーパ周面を有して前記
谷部に入り込み自在な先窄まり状の環状突起に形成されて、前記接合状態においては前記
周壁端部が前記谷部に入り込んで前記両テーパ周面どうしが圧接されるように構成されて
いるフランジ配管どうしの接続構造。 - 前記ガスケットの断面形状が、前記第1及び第2フランジ部の軸心方向に沿う中心線、
及び、その中心線に直交する中心線の双方に関して線対称となる略H型形状を呈するもの
に構成されている請求項1に記載のフランジ配管どうしの接続構造。 - 前記維持手段は、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とを引寄せて前記接合状態
を得るための引寄せ機能を発揮するものに構成されている請求項1または請求項2に記載のフランジ配管どうしの接続構造。 - 前記維持手段が、前記第1フランジ部より大なる外径を有するとともに前記第1,2フ
ランジ配管の軸心方向で前記第1フランジ部に干渉するよう前記第1フランジ配管の管状
部に外嵌される第1割型リングと、
前記第1フランジ部の通過は許容し、かつ、前記第1割型リングとは前記軸心方向で干
渉する開口部を有する内向きフランジが一端部に形成され、かつ、他端部の外周に雄ネジ
部が形成される筒状ボルトと、
前記第2フランジ部より大なる外径を有するとともに前記軸心方向で前記第2フランジ
部に干渉するよう前記第2フランジ配管の管状部に外嵌される第2割型リングと、
前記第2フランジ部の通過は許容し、かつ、前記第2割型リングとは前記軸心方向で干
渉する開口部を有する内向きフランジが一端部に形成され、かつ、他端部の内周に前記雄
ネジ部に螺合自在な雌ネジ部が形成される筒状ナットとから成り、
前記雄ネジ部と前記雌ネジ部とを螺合させての前記筒状ボルトと前記筒状ナットとの締
付け操作により、前記第1フランジ部と第2フランジ部とが互いに前記ガスケットを介し
て引寄せられるように構成されている請求項3に記載のフランジ配管どうしの接続構造。 - 前記維持手段が、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とのいずれか一方の外周部
に形成された雄ネジ部に螺合自在な雌ネジ部を備えた筒状ナットと、前記第1フランジ部
と前記第2フランジ部のいずれか他方に前記第1,2フランジ部の軸心方向で干渉するよ
う前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とのいずれか他方の前記管状部に外嵌される
割型リングとから成り、
前記筒状ナットの一端部には、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部のいずれか他
方の通過は許容し、かつ、前記割型リングとは前記軸心方向で干渉する開口部を有する内
向きフランジが形成されており、
前記筒状ナットの前記雄ネジ部への締付け操作によって、前記第1フランジ部と第2フ
ランジ部とが互いに前記ガスケットを介して引寄せられるように構成されている請求項3に記載のフランジ配管どうしの接続構造。 - 前記維持手段が、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とのいずれか一方に形成さ
れる貫通孔と、この貫通孔を通して前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とのいずれ
か他方に設けられたナット部に螺着されるボルトとを有して構成されており、
前記ボルトを前記ナット部に螺着させて締付けることにより前記第1フランジ部と前記
第2フランジ部とが互いに前記ガスケットを介して引寄せられるように構成されている請
求項3に記載のフランジ配管どうしの接続構造。 - 下記(イ)、(ロ)のうちの少なくとも一方の構成を備えている請求項4又は5に記載
のフランジ配管どうしの接続構造。
(イ)前記筒状ボルト又は/及び前記筒状ナットの前記内向きフランジに隣接する割型リ
ング内嵌部分の内周面部が、前記管状の流体通路と同心にフラットな内周面に形成され、
かつ、その内周面部の内径と、断面矩形に形成された前記割型リングの外径とがほぼ同一
径に形成されている。
(ロ)前記割型リングが外嵌される前記管状部の外径部が、前記管状の流体通路と同心に
フラットな外周面に形成され、かつ、その外周面の外径と、前記割型リングの内径とがほ
ぼ同一径に形成されている。 - 前記ガスケットがフッ素樹脂によって形成されている請求項1〜7の何れか一項に記
載のフランジ配管どうしの接続構造。 - 前記第1及び第2フランジ部がフッ素樹脂によって形成されている請求項1〜8の何
れか一項に記載のフランジ配管どうしの接続構造。
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