JP4322460B2 - 線状加熱の加熱方案算出方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は造船における船殻曲がり外板の加工の如き金属板を素材から目的曲面形状へ曲げ加工するために、加熱線配置及び加熱条件を定める線状加熱の加熱方案算出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、船舶等に用いられる金属板の曲げ加工には、線状加熱による曲げ加工方法が採用されている。
【0003】
線状加熱は、金属板をガスバーナ等の点熱源で線状に局所加熱すると、周囲から拘束を受けて塑性歪を発生して変形する性質を利用し、金属板上の各所に加熱個所を適当に配置することで対象金属板を目的曲面に曲げ加工する技術である。
【0004】
従来、線状加熱による金属板の曲げ加工は、長い経験を経て修得する技能とされていて、熟練者が勘や技能により加熱位置、方向、加熱条件等を定めて行われていたが、このように熟練作業に依存した従来工法では、習得時間が長く、又、後継者不足の問題があり、更に、加工精度のばらつきが大きいという問題が生じるようになることから、近年では、線状加熱を機械的に行う方法が提案されてきている。
【0005】
この種の線状加熱を機械的に行う方法としては、有限要素法(FEM)を応用して、曲げ加工すべき金属板表面を多数の領域に分割すると共に、該各分割領域ごとに、目的曲面形状に曲げ加工するために要する目的固有歪を求め、該目的固有歪の面内収縮歪成分と曲げ歪成分を与えるべく、たとえば、金属板の一方の面における上記分割領域に曲線状の加熱線を交差配置して、該加熱線に沿って加熱源を移動させながら、該加熱源の移動速度を制御パラメータとして所定の入熱量となるように局所加熱することにより、各分割領域を目的形状に曲げて金属板全体を目的曲面に曲げるようにする手法がある。
【0006】
ところで、線状加熱による金属板の曲面加工には、複数の歪、すなわち、板の中性面に沿った面内収縮歪の直交する2つの主軸方向と、板の面外方向に働く曲げ歪の直交する2つの主軸方向の4つの成分が関与している。
【0007】
一方、一つの加熱線が作り出す歪には、加熱線に直交する方向の面内収縮歪、加熱線の接線方向の面内収縮歪、加熱線に直交する方向の曲げ歪、加熱線の接線方向の曲げ歪の4つの成分が含まれるが、これら4つの歪成分は、1つの加熱条件に対して同時に決まるものである。したがって、上記した加熱源の移動速度等、1つの制御パラメータだけを制御して板の片面から加熱する手法では、2本の加熱線を組み合わせて直交させて配置しても、求められる4つの歪成分を全て満たすことはできない。
【0008】
そのため従来は、加熱線の作り出す4つの主変形成分、すなわち、加熱線に直交方向の曲げ変形と接線方向の曲げ変形のうち、加熱線に直交する曲げ変形、又は面内収縮変形等、曲面形成に最も影響の大きい1成分にのみに着目して加熱線を配置するようにする手法(特開平10−230326号)や、あるいは、目的曲面形状を細かい格子領域に分割した上で、この各格子領域において面内歪を想定し、該当領域内の面内歪とそれを囲む領域面内歪との間で、2次微分を近似する2次階差を取って該当個所の不適合度R(これは曲面が与えられた時点で既に決まっており、曲げ歪分布、又は、曲面の曲率から求められる値である)と等値とする連立方程式を立てて、これから面内歪を求める手法(特願平11−248016号)とあわせて、4つの歪成分を、近接する複数加熱線の変形を寄せ集めて平均的・近似的に満足させるような加熱条件を最適化手法等を利用して加熱方案を求める手法を採るようにしていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、加熱線の作り出す4つの主変形成分のうち、曲面形成に最も影響の大きい1成分にのみに着目して配置する手法では、残りの3つの変形成分が外乱として働き、ねらいの形状との差が大きくなるために、目的曲面形状を与える歪分布を精度よく近似する加熱条件を得られないケースが生じる虞がある。
【0010】
又、4つの歪成分を、近接する複数の加熱線を寄せ集めて平均的・近似的に満足させる加熱条件を最適化手法等を利用して求める手法では、隣接する個々の加熱線が与える変形の大きさが大きく異なるため、その周囲に余計な残留応力を誘発し、曲面の局所的な凹凸の精度が悪くなるという不具合がある。
【0011】
更に、目的曲面形状を細かい格子領域に分割した上で、この各領域において想定される面内歪とそれを囲む領域の面内歪の間で、2次微分を近似する2次階差をとって、該当個所の不適合度Rと等値とする連立方程式を立てて、これから面内歪を求める手法では、上記連立方程式が剪断成分が介在しないように主軸の方向に上記格子領域を配置しても、2つの主軸方向に対してそれぞれ曲げ歪と面内歪の2つの独立成分が存在し、式の数(すなわち、格子の数)の2倍の未知数が含まれることになることから、このままでは連立方程式の解が決まらないので、歪の縦横比が既知として外から与えるか、歪が縦横等しいとしてこの式を解いているが、この加熱線の求め方では、加熱線で与えられる歪と独立に目的固有歪を求めていたために、目的固有歪に合致する加熱変形が存在しない場合があり、そのために余分な歪を与えざるを得ないというのが実情であり、更にこれが残留応力を発生させるため、得られる曲面の局所的な凹凸精度をあまり高めることができなかった。
【0012】
因みに、制御パラメータを増やす手段として、鋼板を縦方向に立たせて上下方向の両端部に配した支持装置により支持させた状態として、鋼板の表面及び裏面に加熱線を配置し、該各面の加熱線上にて、金属板の表裏両側に配置した加熱源を同時に同期させて移動させて加熱を実施させることで、制御パラメータを、熱源の移動速度と、表裏熱源の出力の2つとさせることで精度よく4つの歪成分を与える方法も提案されている(特開平10−146620号)が、この場合は、鋼板両面から同時に同期制御できる加熱装置と、垂直方向に配した鋼板を支える仕組み等、大きな設備が必要になるため、1つの制御パラメータの制御によっても、より正確な目的曲面形状を実現できる加熱方案が望まれている。
【0013】
そこで、本発明は、1つの制御パラメータのみで入熱量を制御しても実用上十分な精度で正確に目的曲面形状を実現することができるようにするための線状加熱の加熱方案算出方法を提供しようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、目的曲面形状を与えるための曲げ主歪分布を求め、該求められた曲げ主歪の方向に沿って計算格子を分割した後、該各計算格子にて、曲げ主歪方向を最大曲げ主歪方向と最小曲げ主歪方向に分け、上記最大曲げ主歪を実現させる曲げ歪が得られるように最大曲げ主歪方向と直交する最小曲げ主歪方向の加熱線を加熱するための加熱速度を求め、次いで、該加熱速度により上記加熱線を加熱したときに付随して生じる該加熱線に対する面内歪の接線成分と直交成分を、予め加熱速度と変形量との関係の実測値を蓄積してなるデータベースより求め、しかる後、上記目的曲面形状の撓みを作り出すために必要な最大曲げ主歪方向の加熱線の与える面内歪の直交成分と接線成分を、上記データベースより求められた最小曲げ主歪方向の加熱線を加熱するときに付随して生じる該加熱線に対する面内歪の接線成分と直交成分を定数として組み込んだ方程式を解くことによ算出して求めると共に、最大曲げ主歪方向の加熱線を加熱する際に上記算出して求めた目的曲面形状の撓みを作り出すために必要な最大曲げ主歪方向の加熱線の与える面内歪の直交成分と接線成分実現させるための加熱速度を求め、最大曲げ主歪と面内歪の直交成分及び接線成分と実現させる加熱方案を得るようにする。
【0015】
求められた加熱方案にしたがって線状加熱を実施すると、目的曲面形状の最大曲げ主歪方向の曲げ変形は、これを実現するための最大曲げ主歪方向と直交する最小曲げ主歪方向の加熱線に対する加熱速度がデータベース中に存在することが確かめられているため、必ず要求に合致した曲げ変形が実施される。一方、最大曲げ主歪方向の加熱線に対しては、目的曲面形状の撓みを作り出すために必要な最大曲げ主歪方向の加熱線の与える面内歪の直交成分と接線成分を実現させる加速度が選定されているため、2つの主軸方向の面内歪は正確に実現される。これにより、最大曲げ主歪と、2つの主軸方向の面内歪が正確に実現されるため、たとえ曲面形成に影響が殆どない最小曲げ主歪を無視しても、実用上十分な高い精度で曲げ加工が実施される。
【0016】
又、目的曲面形状を与えるための曲げ主歪分布を求め、該求められた曲げ主歪の方向に沿って計算格子を分割した後、該各計算格子にて、曲げ主歪方向を最大曲げ主歪方向と最小曲げ主歪方向に分け、上記最大曲げ主歪を実現させる曲げ歪が得られるように最大曲げ主歪方向と直交する最小曲げ主歪方向の加熱線を加熱するための加熱速度を求め、次いで、該加熱速度により上記加熱線を加熱したときに付随して生じる該加熱線に対する面内歪の接線成分と直交成分を、予め加熱速度と変形量との関係の実測値を蓄積してなるデータベースより求め、次に、上記目的曲面形状の撓みを作り出すために必要な最大曲げ主歪方向の加熱線の与える面内歪の直交成分と接線成分を、上記データベースより求められた最小曲げ主歪方向の加熱線を加熱するときに付随して生じる該加熱線に対する面内歪の接線成分と直交成分を定数として組み込んだ方程式を解くことによ算出して求め、しかる後、最小曲げ主歪方向と直交する最大曲げ主歪方向の加熱線を、所要間隔を隔てて平行に配置した複数本1組の加熱線として設定すると共に、該複数本の加熱線をそれぞれ加熱することにより生じる変形成分の和が、上記最小曲げ主歪を実現させる曲げ歪と、上記算出して求められた目的曲面形状の撓みを作り出すために必要な最大曲げ主歪方向の加熱線の与える面内歪の直交成分及び接線成分とを与えることができるように、上記複数本1組の加熱線の加熱速度をそれぞれ求めて、最大曲げ主歪と最小曲げ主歪と面内歪の直交成分及び接線成分と実現させる加熱方案を得るようにする。
【0017】
求められた加熱方案にしたがって線状加熱を実施することにより、最大及び最小曲げ主歪と、2つの主軸方向の面内歪をすべて正確に実現でき、更に高い精度で曲げ加工を実施することができ、このため2つの主軸方向の曲げ主歪を正確に組み合わせることが要求されると同時に、鋼板の中央部付近を中心に面内収縮を正確に与える必要があるねじりの大きい非対称な曲面であっても精度よく曲げ加工を実施できる。
【0018】
更に、上記構成において、最小曲げ主歪方向と直交する最大曲げ主歪方向の加熱線を、所要間隔を隔てて平行に配置した複数本1組の加熱線として設定するときに、該各組の加熱線を、材料となる鋼板の表面と裏面に分けて配置するようにすると、1組の加熱線の加熱により得られる変形の曲げ成分は、互いに打ち消し合って、曲げ成分の和が小さくなるため、要求される変形が、面内収縮が大きく且つ曲げ変形が小さい場合に有利なものとすることができる。
【0019】
更に又、最小曲げ主歪方向と直交する最大曲げ主歪方向の加熱線を、所要間隔を隔てて平行に配置した複数本1組の加熱線として設定するときに、計算格子の最小曲げ主歪方向の幅を設定して、上記複数本1組の加熱線の間隔を適当に選んでそれぞれ加熱することにより曲げ変形と面内変形の比率を、該当部分の曲面を作るのに必要な比率に保ったまま、生じる変形成分の和の絶対量を自由に制御でき、最大曲げ主歪方向に並ぶ計算格子で各々異なる要求変形量を正確に実現させながら上記複数本1組の加熱線を、連続させて配置することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0022】
図1は本発明の線状加熱の加熱方案算出方法の実施の一形態として、作業手順のフローチャートを示すものである。なお、本実施の形態にて線状加熱により曲げ加工すべき目的曲面形状は、たとえば、図2(イ)に示す如く、x方向に長辺を有し且つy方向に短辺を有する矩形状とすると共に、x方向に緩く湾曲させ且つy方向に強く湾曲させた椀型形状としてある。又、一般に、図2(イ)に示す如き椀型形状を平面に展開したとき、図2(イ)の椀型形状の主曲率(主歪)方向に沿った線2x、2yは曲線になるが、ここでは説明を易しくするために、便宜上図2(ロ)では直線で表わし、その方向をx及びy方向として示してある(後述する図6及び図10においても同様である)。
【0023】
上記椀型の目的曲面形状が与えられると、先ず、ステップS1において、図2(イ)に示す如き椀型の目的曲面形状を初期形状として、弾性FEM計算により図2(ロ)に示す如き平面になるまで強制変形させて曲げ主歪の分布を求める。これにより、図2(ロ)においては、上記目的曲面形状の湾曲方向がx方向とy方向に沿っていることから、最小曲げ主歪の方向となるx方向と最大曲げ主歪の方向となるy方向の直交する2つの主軸方向に分布することになる。
【0024】
次に、図2(ロ)に二点鎖線で示す如く、上記ステップS1にて求められた曲げ主歪の方向、すなわち、x方向とy方向に沿って計算格子1を分割して設定する(ステップS2)。この際、1つの計算格子1は、目的曲面形状の曲げ主歪の2つの主軸方向に沿って図2に実線で示す加熱線2x及び2yの1本ずつに相当する幅を持つように選ぶことにより、該各格子1における曲げ歪の積分値が、加熱線2x及び2yのもたらす曲げ変形に相当するような間隔となるようにして、最終的に1列又は1行の格子1の並びが1本の加熱線2x又は2yになるように設定する。
【0025】
一方、実際に線状加熱で1本の加熱線に沿った加熱を行うと、その加熱線に直交する方向の曲げ変形と面内収縮変形、及び、上記加熱線の接線方向の曲げ変形と面内収縮変形の4つの変形成分が同時に発生し、これらの最終的な大きさは、加熱によっておきる温度分布の時間変化によって決まることになる。このため、予め様々な入熱条件、たとえば、線状加熱の制御パラメータとして一般に用いられる加熱速度(熱源の移動速度)vを様々に変化させて線状加熱を行った場合の変形量δの実測値を蓄積して、図3に示す如きデータベースとして準備しておく(ステップS3)。なお、図3において、線Aは加熱速度vと曲げ変形との関係を示すカーブであり、又、線Bは加熱速度vと面内収縮変形との関係を示すカーブである。
【0026】
次いで、ステップS4にて、上記ステップS1で求めた2つの曲げ主歪方向を最大曲げ主歪方向(y方向)と、最小曲げ主歪方向(x方向)に分けた後、最大曲げ主歪方向に直交する加熱線(最小曲げ主歪方向に延びる加熱線)2xについては、目的曲面形状形成のための最大曲げ主歪を正確に実現することができるように、曲げ歪を加熱線幅、すなわち格子の幅に亘り積分した曲げ変形量δb求めた上、図3に線Aで示した加熱速度vと曲げ変形との関係を基に、上記曲げ変形量δbを実現するための加熱線の加熱速度vをデータベース上にて求め、この際、上記x方向の加熱線2xの加熱条件として加熱速度vを採る場合に付随して発生する面内収縮変形量δmを、図3に線Bで示した加熱速度vと面内変形との関係を基に求めて、その時の面内歪分布を求める(ステップS5)。
【0027】
その後、最小曲げ主歪を与えるための加熱線、すなわち、上記最小曲げ主歪方向(x方向)に直交する最大曲げ主歪方向(y方向)に延びる加熱線2yについて、目的曲面形状のx方向の撓みを与えるために必要な面内歪分布を、上記ステップS5にて求められたx方向の加熱線2xを加熱するときに付随して発生する面内歪分布を定数として組み込んだ後述する方程式を解くことによって求める(ステップS6)。
【0028】
ここで、上記ステップS6において目的曲面形状のx方向の撓みを与える面内歪分布を求める方法について詳述する。目的曲面形状を与える歪は、曲げ歪成分と面内歪成分とからなる。両者は独立で、曲げ歪の方は、曲面の形状に対応して1つしか存在しない、曲面の各部位における曲率に比例する値である。
【0029】
しかし、面内歪の方は同じ曲面の撓みを作り出す様々な分布が無数に存在する。ある場所の面内歪に着目すると、その周辺の面内歪との間に一定の条件を満たす関係が存在するとき、そこで求められる撓みを作り出すことが可能となり、この関係は「歪と撓みの適合条件」と呼ばれ、面内歪の縦、横、それに剪断成分のそれぞれについて、それぞれの面内歪成分の方向と直交する方向への2回の微分の和が、該当部を中心として見たときの不適合度Rと等しくなる、という関係の式で表される。本発明においては、全ての歪を主歪方向に選んでいるので、剪断歪を含まないシンプルな(1)式となる。
εmy/∂x+∂εmx/∂y = R …(1)
【0030】
上記において不適合度Rは曲面形状の2つの主曲率の積で表される立体曲率の値の符号の±を逆にしたものであり、目的曲面形状の最小曲げ主歪方向(x方向)の主歪をεbx、目的曲面形状の最大曲げ主歪方向(y方向)の主歪をεby 、板厚をtとすると、主曲率は曲げ主歪を板厚の1/2で除したものであるので
R = −(εbx×εby/(t/2)
で表されるものであるが、この値は、目的曲面形状が与えられた時点で既に決まっており、曲げ歪分布、又は、曲面の曲率から求められる値である。
【0031】
したがって、面内歪の分布を求めるには、面内歪と曲面の撓みの適合条件を表す微分方程式を差分式で近似した上記(1)式を各格子点において立て、これを連立させることで求めることになる。
【0032】
本発明においては、上記(1)式中、
εmy=(最小曲げ主歪方向の加熱線2xに付随する面内歪の接線成分)+(最大曲げ主歪方向の加熱線2yの与える面内歪の直交成分)
となり、又、
εmx=(最小曲げ主歪方向の加熱線2xに付随する面内歪の直交成分)+(最大曲げ主歪方向の加熱線2yの与える面内歪の接線成分)
となる。
【0033】
上記εmyとεmxに関して、(最小曲げ主歪方向の加熱線2xに付随する面内歪の接線成分)と(最小曲げ主歪方向の加熱線2xに付随する面内歪の直交成分)は、上述したステップS5においてデータベースよりδmに関連して求められる値であるため、(最大曲げ主歪方向の加熱線2yの与える面内歪の直交成分)と(最大曲げ主歪方向の加熱線2yの与える面内歪の接線成分)が連立方程式の未知数になる。しかし、εの(接線成分/直交成分)比は一定で既知と考えられるので、1本の式で未知数はεmxのみとなり、独立な式の数と未知数の数が等しくなるため、連立方程式は解が決定できるようになり、目的曲面形状の撓みを与えるための面内歪が算出できることになる。
【0034】
しかる後、最大曲げ主歪を与えるためのx方向の加熱線2xについては、ステップS5にて求めた目的曲面形状の最大曲げ主歪を実現させる加熱速度vxを加熱条件として選定し、一方、最小曲げ主歪を与えるためのy方向の加熱線2yについては、ステップS6にて求められた目的曲面形状の撓みを実現させるために要求される面内歪を実現させる所要の加熱速度vを選定することにより、加熱方案の決定を行うようにする(ステップS7)。
【0035】
上記において決定された加熱方案に従って図2(イ)に示す如き平板状の鋼板の線状加熱を加熱速度vを制御パラメータとして実施すると、目的曲面形状のy方向の曲げ変形は、これを実現するためのx方向の加熱線2xに関する加熱速度vがステップS5においてデータベース中に存在することが確かめられているため、必ず要求に合致した曲げ変形が実施される。
【0036】
一方、ステップS7において、目的曲面形状の撓みを実現させるべく要求される面内歪を実現させるように、y方向の加熱線2yの加熱条件として加熱速度vを選定すると、該選定された加熱速度vに従って加熱線2yを加熱しても、面内歪は正確に実現されるが、付随して発生するx方向の曲げ歪は一般には要求の最小曲げ主歪とは合致しない。しかし、上記y方向の最大曲げ主歪と、2つの主軸方向の面内歪が正確に実現されているため、曲面形成に影響が殆どない最小曲げ主歪を無視しても、実用上十分な高い精度で曲げ加工を実施することができる。
【0037】
このように、本発明の加熱方案算出方法によれば、実際の加熱線の加熱により得られる変形(離散歪)に含まれている曲げ歪と面内歪をデータベースとして参照することにより、直交配置した加熱線の加熱に伴って生じる上記曲げ歪と面内歪の関係を具体的に決定し、(1)式に示される「歪と撓みの適合条件」の変数の数を減らして方程式を解ける形にまとめることができると共に、方程式を解くことで結果的に選ばれる歪成分の構成が実際の加熱で実現できるものであることを保証することができる。
【0038】
又、連続した目的固有歪を求める段階で、存在する加熱条件としての加熱速度vで実現できるような歪として求めることで、算出される加熱方案を、残留応力の少ない曲面を作り出す効率のよいものとすることができ、更に、目的固有歪の段階で最適な歪分布を得ることにより、加熱線ごとの加熱条件(加熱速度)を選定する最適化計算の負荷が軽減され、収束計算時間の短縮を図ることが可能になる。
【0039】
次に、図4乃至図9(イ)(ロ)は本発明の実施の他の形態を示すもので、図1に示した実施の形態と同様な加熱方案の算出方法において、計算格子1に配置する最大曲げ主歪方向(y方向)の加熱線を、1本の加熱線2yとすることに代えて、所要間隔を隔てて平行に配置した2本1組の加熱線21y及び22yとし、且つ最大曲げ主歪方向(y方向)と直交する最小曲げ主歪方向(x方向)の加熱線2xについて、目的曲面形状の最大曲げ主歪を実現し得る曲げ変形量を与える加熱速度vxを選定した後、上記2本1組の加熱線21yと22yとを個別に加熱することにより得られる変形成分の和により、上記加熱線2xを加熱速度vxで加熱するときに付随して生じる面内歪分布をデータベースで求めて、該データベースで求められた面内歪分布を定数として組み込んだ方程式を解くことによって求めた目的曲面形状のx方向の撓みを与えるために必要な面内歪と、最小曲げ主歪を実現させる曲げ変形とを与えることができるように上記各加熱線21yと22yの加熱速度をそれぞれ選定して、最大曲げ主歪及び最小曲げ主歪、すなわち、2つの主軸方向の曲げ主歪と、2つの主軸方向の面内歪を実現できる加熱方案を決定させるようにしたものである。
【0040】
すなわち、図4に作業手順のフローチャートを示す如く、図1に示したステップS1乃至ステップS6と同様に、先ず、目的曲面形状の曲げ主歪分布を求めた(ステップS1)後、該求められた曲げ主歪の方向、すなわち、最小曲げ主歪の方向となるx方向及び最大曲げ主歪の方向となるy方向に沿って、図2(ロ)に示す如き計算格子1を分割して設定し(ステップS2)、この際、該ステップS2において設定する計算格子1は、図1の実施の形態におけるステップS2と同様に、1つの計算格子1が、目的曲面形状の曲げ主歪の2つの主軸方向に沿う加熱線2xと2yの1本ずつに相当する幅を持つように選んで、該各計算格子1における曲げ変形の積分値が加熱線2x及び2yのもたらす曲げ変形に相当するような間隔となるようにするが、このときの加熱線2yは計算格子1を分割するために仮の加熱線とし、線状加熱の実施に用いるための加熱線は、後段のステップS8にて2本1組の加熱線21y及び22yとして再度設定するものとする。
【0041】
一方、図3に示す如き加熱速度vに対する変形量δの実測値を蓄積したデータベースを予め準備しておく(ステップS3)。その後、上記ステップS1にて求めた2つの曲げ主歪方向を最大曲げ主歪方向(y方向)と、最小曲げ主歪方向(x方向)に分けてから(ステップS4)、最大曲げ主歪方向に直交する加熱線(最小曲げ主歪方向の加熱線)2xに対して、目的曲面形状の最大曲げ主歪を正確に実現し得る曲げ変形量δb0を与えるための加熱速度vxを、上記ステップS3にて準備した図3に示す如きデータベース上の加熱速度vと曲げ変形との関係(線A)を基に求め、上記加熱速度vxにより加熱線2xを加熱するときに付随して発生する面内収縮変形量δm0を、図3に示した加熱速度vと面内変形との関係(線B)を基に求めて、その時の面内歪分布を求め(ステップS5)、次いで、目的曲面形状のx方向の撓みを与えるために必要な面内歪分布を、上記ステップS5にて求められたx方向の加熱線2xを加熱するときに付随して発生する面内歪分布を定数として組み込んだ方程式を解くことによって求めておく(ステップS6)。
【0042】
その後、上記ステップS2で設定しておいたy方向に延びる仮の加熱線2yに代えて、所要間隔を隔てて平行に配置した2本1組の加熱線21y及び22yを設定する。又、この際、上記各組の加熱線21yと22yの作り出す変形成分の和が、上記ステップS6にて求めた目的曲面形状のx方向の撓みを与えるために必要な面内歪分布と、最小曲げ主歪を実現させる曲げ変形とを与えることができるように計算格子1の最小曲げ主歪方向(x方向)の幅を再設定する(ステップS8)。
【0043】
ここで、上記ステップS8について詳述する。
【0044】
図3に示したデータベースの加熱速度vと曲げ変形との関係(線A)、及び、加熱速度vと面内収縮変形との関係(線B)から、1本の加熱線により与えられる変形の曲げ成分δbと面内成分δmとの間には図5に線Cで示す如き関係が導かれる。この変形の曲げ成分δbと面内成分δmは、制御パラメータとしての加熱速度vが定まると、それぞれ上記線C上の一点で示される値に定まり、且つ加熱速度vが増加するに従って上記曲げ成分δbと面内成分δmの取る値は上記線C上を反原点側(図上右の方)から原点方向に連続的に変化する。したがって、この連続した線Cにて示される変形は全て実現できることになる。
【0045】
一方、上記ステップS6にて求めた個々の計算格子1における目的曲面形状のx方向の撓みを与えるために必要な面内歪と、最小曲げ主歪を実現するためには、所要の曲げ成分と面内成分との比(δb/δm比)を有する変形を与えることが要求され、この要求される条件を満たす領域は、図5にて上記δb/δm比を傾斜として原点を通る直線Dとして示すことができる。
【0046】
したがって、上記線Cと直線Dが交叉する点で示される曲げ成分δbと面内成分δmを有する変形を実現する加熱速度vを、1つの計算格子1における最大曲げ主歪方向(y方向)に配置した1本の加熱線2yの加熱条件として選定すれば、上記計算格子1における目的曲面形状の最小曲げ主歪を与える曲げ変形と、目的曲面形状のx方向の撓みを与えるために必要な面内歪を全て実現することが可能になると考えられる。
【0047】
しかし、変形の絶対量は、隣接する加熱線間隔を規制するため、最大曲げ主歪方向(y方向)に延びる1本の加熱線2yに関して、ある計算格子1に対してy方向に隣接する計算格子1で要求されるδb/δm比が変化する場合、たとえば、要求されるδb/δm比が大きくなる場合には、要求される条件を満たす領域は図5に直線D´で示す如き領域となり、この直線D´と実現可能な変形の領域を示す上記線Cとでは、交点の位置(座標)が変化し、該交点より導かれる変形の曲げ成分δb及び面内成分δmが変化するため、変形の絶対量が変化してしまう。このことはy方向に延びる加熱線に対して、y方向に隣接する計算格子1ごとに要求される加熱線間隔、すなわち、計算格子1の最小曲げ歪方向(x方向)の幅を変化させる必要があるということ意味するが、実際には、y方向の加熱線は、y方向に並ぶ計算格子(領域)に連続させて配置する必要があるため、y方向に並ぶ計算格子の幅はほぼ等しくする必要があり、このため、上記の如く、1本の加熱線2yの加熱速度vを選定することのみでは、目的曲面形状のx方向の撓みを与えるために必要な面内歪と、最小曲げ主歪を実現するために要求される上記δb/δm比を有する変形を与えることはできない。
【0048】
そこで、本実施の形態における加熱方案算出方法では、y方向に延びる加熱線として、図6に示す如く、材料となる鋼板3の表面に、所要間隔を隔てて平行に配置した加熱線21yと22yからなる2本1組の加熱線を設定し、加熱線21yと22yのそれぞれについて加熱条件としての加熱速度vを選定することで、該各加熱線21yと22yによる変形成分の和により、上記ステップS6にて求めた目的曲面形状のx方向の撓みを与えるために必要な面内歪と、最小曲げ主歪を実現するための曲げ変形とを得るために要求される所要の曲げ成分と面内成分との比(δb/δm比)を実現できるようにする。上記加熱線21yと22yとの間隔は、図示しない加熱源を用いて加熱線21y又は22yに沿って加熱するときの焙り幅等が互いに干渉しない範囲で接近させるほうが好ましく、たとえば、150mm程度となるように設定してある。なお、図6では加熱線21yと22yの太さを変えて表示しているが、これは加熱源による加熱幅の大小や実際の加熱線の太さを反映するものではなく、単に、加熱条件としての加熱速度vを個別に設定し得る加熱線21yと22yとを識別できるよう表示したにすぎない。
【0049】
上記加熱線21y又は22yをそれぞれ単独で加熱したときに得られる変形の曲げ成分δbと面内成分δmの関係は、図7(イ)(ロ)にて線C1又は線C2で示す如く、それぞれ図5の線Cと同様なカーブとなる。このため上記2本の加熱線21yと22yにより得られる変形成分の和が、ステップS6にて求めた目的曲面形状のx方向の撓みを与えるために必要な面内歪と、最小曲げ主歪を実現させる曲げ変形とを得るために要求される変形の曲げ成分と面内成分との比(δb/δm比)を実現できる条件を求めるには、図7(イ)(ロ)にその例を示す如く、一方の加熱線21yの加熱により実現可能な変形を示す線C1上のある点を原点として、他方の加熱線22yの加熱により実現可能な変形を示す線C2を重ねて表示すると共に、該線C2と、要求されるδb/δm比の傾斜を有する直線Dとの交点を求めればよく、たとえば、図7(イ)に示す如く、加熱線21yに対する加熱条件として、曲げ成分δb1と面内成分δm1を得られるようにするための加熱速度v1を選定すると共に、加熱線22yに対する加熱条件として、曲げ成分δb2と面内成分δm2を得られるようにするための加熱速度v2を選定したり、又、たとえば、図7(ロ)に示す如く、加熱線21yに対する加熱条件として、曲げ成分δb1´´と面内成分δm1´´を得るための加熱速度v1´´を選定すると共に、加熱線22yに対する加熱条件として、曲げ成分δb2´´と面内成分δm2´´を得るための加熱速度v2´´を選定すればよいことがわかる。したがって、上記2本1組の加熱線21yと22yの変形を足し合わせたときに得られる変形の分布は、図8にハッチングで示す如く、実現可能な変形を示す線Cを2つ足し合わせた包絡線の内側の領域Eになる。
【0050】
ところで、図7(イ)(ロ)に示した加熱条件は、いずれも、直線Dで示されるδb/δm比を実現するための条件であるが、得られる変形の曲げ成分の和は、図7(イ)では曲げ成分がδbsum、面内成分がδmsumであるのに対し、図7(ロ)ではそれぞれδbsum´´、δmsum´´となっていて、要求されるδb/δm比が同一であるにもかかわらず変形の絶対量は相違している。このことから、上記直線Dで示されたδb/δm比を満足させるための加熱条件は、図8に示す如く、直線Dが領域Eと重なる範囲内で選定すれば実現できることがわかり、この場合、変形成分の和δbsumとδmsumはそれぞれ図8に示す如き範囲の値を取り得る。
【0051】
上記図8において、目的曲面形状のx方向の撓みを与えるために必要な面内歪と、最小曲げ主歪を実現するために要求されるδb/δm比が直線D´で示される如く変化する場合には、該直線D´が領域Eと重なる範囲内で加熱条件を選定でき、そのときの変形成分の和は、それぞれδbsum´及びδmsum´で示した範囲の値を取り得る。
【0052】
したがって、y方向に連続する加熱線21y,22y全体を通じた変形成分の和の共通域を選べば、y方向に並ぶすべての領域で要求されるδb/δm比を満たす変形を与えることができると共に、変形の絶対量を各領域で要求される値に合致させられるため、21yと22yとからなる加熱線の組同士の間隔を変化させなくてよいことになる。
【0053】
そのため、ステップS8においては、y方向に並ぶ各計算格子1のx方向の幅を、図6に示す如く、上記選定した変形成分の和の共通域における絶対量に対応した幅Wとして再設定させるようにする。
【0054】
その後、計算格子1の幅が定まることで、上記δb及びδmによる変形の絶対量が定まるので、この絶対量から導かれるδbとδmを実現するため加熱線21yと22yの加熱速度v及びvを各計算格子1ごとにそれぞれ算出すればよい。なお、全ての加熱線21yと22yが配置され、曲面を形成するのに必要な曲げ歪εbと面内歪εmの分布が求まった段階で、要求変形を実現する2本の加熱線21yと22yの加熱速度vとvをそれぞれ求めるが、この場合、上記加熱線21yと22yの組同士の間隔すなわち計算格子1の幅Wを選定して再設定する段階で、加熱速度vとvは既に限定され、実現が保証されている。
【0055】
上記加熱速度v及びvの算出方法としては、たとえば、図9(イ)に示す如く、2本の加熱線21yと22yの加熱時における加熱速度vと面内変形δmとの関連を示すカーブをそれぞれA1とA2として重ね合わせて表示できるようにし、又、同様に、図9(ロ)に示す如き2本の加熱線21yと22yの加熱時における加熱速度vと曲げ変形δbの関連を示すカーブをそれぞれB1とB2として重ね合わせて表示できるようにしておく。又、計算格子1において要求される面内変形は、要求される面内歪εmを計算格子1のx方向の幅Wに亘り積分したものであり(W×εm)、計算格子1において要求される曲げ変形は、要求される曲げ歪εbを計算格子1の幅Wに亘り積分したもの(W×εb)となる。
【0056】
ここで、先ず、加熱線21yの加熱速度をvとして仮定すると、加熱線21yの加熱により得られる面内変形はδmとなる。したがって、加熱線22yの加熱速度vは、要求される面内変形(W×εm)と上記加熱線21yの加熱により得られる面内変形δmとの差分、すなわち、W×εm−δmの面内変形を実現するよう加熱するための加熱速度として、上記加熱速度vに依存して定まる。
【0057】
上記のように加熱速度vとvが定めると、加熱線21yを加熱速度vで加熱したときに得られる曲げ変形はδbで与えられ、又、加熱線22yを加熱速度vで加熱したときに得られる曲げ変形はδbで与えられることから、加熱線21yと22yにより生成する曲げ変形の和はδb+δbとなる。
【0058】
要求される曲げ変形はW×εbであるため、上記生成する曲げ変形の和と、目的とする曲げ変形との差を、加熱速度vの関数として
f(v) = δb+δb−W×εb
とおき、f(v)=0となる解としての加熱速度vの値を求める。これには、ニュートン法等の探索的求解法を用いて収束させて求めるようにすればよく、又、算出された加熱速度vより加熱速度vが算出できることになる。
【0059】
しかる後、ステップS9にて、最大曲げ主歪を与えるためのx方向の加熱線2xについては、ステップS5にて確認された目的曲面形状の最大曲げ主歪を実現させる加熱速度vxを加熱条件として選定し、一方、最小曲げ主歪を与えるためのy方向の加熱線21yについては、ステップS8にて求められた加熱速度v1を、又、加熱線22yについては、加熱速度v2を加熱条件としてそれぞれ選定することにより、加熱方案の決定を行うようにする。
【0060】
本実施の形態によれば、上記において決定された加熱方案に従って図6に示した如き平板状の鋼板の線状加熱を、加熱速度vを制御パラメータとして先ずx方向の加熱線2xについて実施した後、y方向の加熱線21yと22yについて順次実施すると、目的曲面形状の最大曲げ主歪方向(y方向)の曲げ変形は、これを実現するためのx方向の加熱線2xに関する加熱速度vがステップS5においてデータベース中に存在することが確かめられていて、必ず要求に合致した曲げ変形が実施される。
【0061】
一方、ステップS8において、目的曲面形状の撓みを実施させるべく要求される面内歪と、最小曲げ主歪方向(x方向)の曲げ変形は、これを実現するためのy方向の加熱線21y及び22yに関する加熱速度v及びvの存在が、計算格子1のx方向の幅Wを再設定する段階で保証されているため、加熱線21yを加熱速度vで、又、加熱線22yを加熱速度vで順次加熱することにより、上記目的曲面形状を与える面内歪と、最小曲げ主歪方向の曲げ変形は要求に合致するように実施される。
【0062】
したがって、最大曲げ主歪及び最小曲げ主歪と、2つの主軸方向の面内歪をすべて正確に実現できるため、更に高い精度で曲げ加工を実施することができ、更には、目的曲面形状がねじりの大きい非対称なであっても精度よく曲げ加工が実施できる。これは、ねじりを作り出す曲げ成分を与えるには、2つの主軸方向の曲げ主歪を正確に組み合わせる必要があると共に、平面から大きなねじれのある曲面に変形するには、鋼板の中央部付近を中心に面内収縮を正確に与える必要があるが、上述した如く、本実施の形態の方法で設定した加熱方案によれば、最大及び最小曲げ主歪と2つの主軸方向の面内歪を正確に実現できるためである。このために、近年のコンテナ船の船体外板のように外板曲面が大きなねじれを含んだ複雑で微妙に変化する非対称の形状の製造に有利なものとすることができる。
【0063】
次いで、図10は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図4乃至図9に示した実施の形態と同様な方法において、図4のステップS8にて図6に示す如く、原料となる鋼板3の表面に、所要間隔を隔てて平行に配置した2本の加熱線21yと22yを1組として配置することに代えて、2本1組の加熱線21yと22yを、水平方向に所要間隔を隔てて平行となるようにして鋼板3の表面と裏面に1本ずつ配置したものである。図10では、加熱線21yを表面に配置し且つ熱線22yを裏面に配置した状態を示す。
【0064】
この場合、鋼板3の裏面に配置した加熱線22yを加熱すると、変形は面内成分(δm)と裏面方向への曲げ成分(−δb)を生じ、この場合、曲げ成分(−δb)は、鋼板3の表面に配置してある加熱線21yの加熱による変形の曲げ成分(δb)を打ち消す方向に作用することから、加熱線21yと22yによる変形を足し合わせたときに得られる変形の分布は、図11にハッチングを施して示す如く曲げ変形成分が0となる部分を挟んで埋め尽くされた領域Fになる。その他の手順は、図4に示したものと同様に実施するようにしてある。
【0065】
本実施の形態によれば、鋼板3を表面が上方に向くように配置した状態において、x方向の加熱線2xを所要の加熱速度vにて加熱して最大曲げ主歪を実現するための曲げ変形を与えた後、加熱線21yを所要の加熱速度vにより加熱し、次いで、上記鋼板3の表裏を反転させてから、裏面側に配置してある加熱線22yを、所要の加熱速度vにより加熱させると、図4乃至図9(イ)(ロ)に示した実施の形態と同様に、最大曲げ主歪及び最小曲げ主歪と、2つの主軸方向の面内歪をすべて正確に実現できて、高い精度で曲げ加工を実施することができ、更に、図11に示した2本の加熱線21yと22yの変形の足し合わせにより実現可能な曲げ成分の分布領域Fから明らかなように、最小曲げ主歪方向(x方向)に要求される変形が、面内収縮が大きく且つ曲げ変形が小さい場合に有利なものとすることができる。又、領域Fは、曲げ変形成分が0となる部分を挟んで埋め尽くされているため、マクロに見た場合(複数の加熱線を含む広がりの平均撓み形状として見た場合)には、どんな小さい曲げ変形であっても実現できる。
【0066】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、図1及び図4のステップS1では、目的曲面形状の主歪分布を、弾性FEM計算により求めるものとして示したが、(曲げ主歪)=(主曲率)×(板厚の1/2)という関係を利用して幾何学的な手法で曲面の形状データから主曲率を求めた上、これを曲げ歪に変換することにより目的曲面形状の主歪分布を求めることも可能であること、各実施の形態では、加熱線2x、2y、21y、22yの加熱条件を決定する制御パラメータとしていずれも加熱速度vを使用するものとして説明したが、図1及び図4のステップS3のデータベースとして、図3に示す如き加熱速度vと線状加熱による変形量δの実測値を蓄積したデータベースに代えて、図12に示す如く、入熱量Qと線状加熱による変形量δの実測値を基に、入熱量Qと曲げ変形δbとの関係を示す線A´、及び、入熱量Qと面内収縮変形δmとの関係を示す線B´を備えたデータベースを用いるようにすれば、制御パラメータとしては入熱量Qを変化させ得るいかなる手段を採用してもよく、この場合にも1本の加熱線の加熱により生成する変形の曲げ成分δbと面内成分δmとの関係は、図5に示した線Cと同一の関係になるため、2本1組の加熱線21yと22yを共に鋼板3の表面に配置した場合に、変形の和により実施できる変形成分の分布する範囲は図8に示す領域Eと同一になり、このため、図4乃至図9(イ)(ロ)に示した実施の形態は何ら問題なく実行でき、又、2本1組の加熱線21yと22yとを鋼板3の表面と裏面に一本ずつ配置した場合に得られる変形の和により実施できる変形成分の分布する範囲は、図11に示す領域Fと同一になるため、図10及び図11に示した実施の形態も何ら問題なく実行できること、図1に示した実施の形態において、算出した加熱方案に基いて鋼板の線状加熱を実施するときに、表面と裏面の両方から同時に加熱する等の方法により、1本の加熱線に2つの制御パラメータを導入するようにすれば、目的曲面形状の実現に要求される最大曲げ主歪と2つの主軸方向の面内歪を完全に実現できると同時に最小曲げ主歪をも要求に合致させることも可能であること、目的曲面形状は、図2(イ)に示した如き椀型に限定されるものではなく、曲げ加工を所望するあらゆる形状のものに対する線状加熱方案の算出に適用できること、図4乃至図9の実施の形態と、図10及び図11の実施の形態において、加熱線21y,22yを2本1組とする場合、鋼板の端部等に、組み合わせるべき相手のない端数の加熱線が残る場合には、3本1組としてもよく、この場合、制御パラメータは3本の加熱線の加熱速度vとなるが、目的とする変形の曲げ成分δb、面内成分δmの2変数に対して自由度が多すぎることになるときには、面内歪は領域内で同じ値を選び、局所性の高い曲げ変形については領域を2つに分割してそれぞれの領域で曲げ歪の積分値を満足するように選べば、より微妙な曲面に適合できること、又、加熱線21yと22yの加熱順序は任意に選定できること、更に、目的曲面形状に応じて、1組の加熱線21yと22yを2本とも鋼板3の同一面側に配置する領域と表裏に分けて配置する領域とが、1つの鋼板3上において混在していてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0067】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明の線状加熱の加熱方案算出方法によれば、下記の如き優れた効果を発揮する。
(1) 目的曲面形状を与えるための曲げ主歪分布を求め、該求められた曲げ主歪の方向に沿って計算格子を分割した後、該各計算格子にて、曲げ主歪方向を最大曲げ主歪方向と最小曲げ主歪方向に分け、上記最大曲げ主歪を実現させる曲げ歪が得られるように最大曲げ主歪方向と直交する最小曲げ主歪方向の加熱線を加熱するための加熱速度を求め、次いで、該加熱速度により上記加熱線を加熱したときに付随して生じる該加熱線に対する面内歪の接線成分と直交成分を、予め加熱速度と変形量との関係の実測値を蓄積してなるデータベースより求め、しかる後、上記目的曲面形状の撓みを作り出すために必要な最大曲げ主歪方向の加熱線の与える面内歪の直交成分と接線成分を、上記データベースより求められた最小曲げ主歪方向の加熱線を加熱するときに付随して生じる該加熱線に対する面内歪の接線成分と直交成分を定数として組み込んだ方程式を解くことによ算出して求めると共に、最大曲げ主歪方向の加熱線を加熱する際に上記算出して求めた目的曲面形状の撓みを作り出すために必要な最大曲げ主歪方向の加熱線の与える面内歪の直交成分と接線成分実現させるための加熱速度を求め、最大曲げ主歪と面内歪の直交成分及び接線成分と実現させる加熱方案を得るようにしてあるので、
(i) 線状加熱の加熱条件を1つの制御パラメータにより制御するために、たとえ最小曲げ主歪を無視しても、実用上十分な高い精度で曲げ加工を実施することができる。
(ii)しかも、実際の加熱線の加熱により得られる変形(離散歪)に含まれている曲げ歪と面内歪をデータベースとして参照していることから、直交配置した加熱線の加熱に伴って生じる上記曲げ歪と面内歪の関係を具体的に決定して、「歪と撓みの適合条件」の変数の数を減らして方程式を解ける形にまとめることができると共に、方程式を解くことで結果的に選ばれる歪成分の構成が実際の加熱で実現できるものであることを保証することができる。
(iii)又、連続した目的固有歪を求める段階で、存在する加熱条件で実現できるような歪として求めることで、算出される加熱方案を、残留応力の少ない曲面を作り出す効率のよいものとすることができる。
(iv)更に、目的固有歪の段階で最適な歪分布を得ることにより、最適化計算の負荷が軽減できて、収束計算時間の短縮を図ることが可能になる。
(2) 目的曲面形状を与えるための曲げ主歪分布を求め、該求められた曲げ主歪の方向に沿って計算格子を分割した後、該各計算格子にて、曲げ主歪方向を最大曲げ主歪方向と最小曲げ主歪方向に分け、上記最大曲げ主歪を実現させる曲げ歪が得られるように最大曲げ主歪方向と直交する最小曲げ主歪方向の加熱線を加熱するための加熱速度を求め、次いで、該加熱速度により上記加熱線を加熱したときに付随して生じる該加熱線に対する面内歪の接線成分と直交成分を、予め加熱速度と変形量との関係の実測値を蓄積してなるデータベースより求め、次に、上記目的曲面形状の撓みを作り出すために必要な最大曲げ主歪方向の加熱線の与える面内歪の直交成分と接線成分を、上記データベースより求められた最小曲げ主歪方向の加熱線を加熱するときに付随して生じる該加熱線に対する面内歪の接線成分と直交成分を定数として組み込んだ方程式を解くことによ算出して求め、しかる後、最小曲げ主歪方向と直交する最大曲げ主歪方向の加熱線を、所要間隔を隔てて平行に配置した複数本1組の加熱線として設定すると共に、該複数本の加熱線をそれぞれ加熱することにより生じる変形成分の和が、上記最小曲げ主歪を実現させる曲げ歪と、上記算出して求められた目的曲面形状の撓みを作り出すために必要な最大曲げ主歪方向の加熱線の与える面内歪の直交成分及び接線成分とを与えることができるように、上記複数本1組の加熱線の加熱速度をそれぞれ求めて、最大曲げ主歪と最小曲げ主歪と面内歪の直交成分及び接線成分と実現させる加熱方案を得るようにすると、求められた加熱方案にしたがって線状加熱を実施することにより、最大及び最小曲げ主歪と、2つの主軸方向の面内歪をすべて正確に実現でき、更に高い精度で曲げ加工を実施することができ、このため2つの主軸方向の曲げ主歪を正確に組み合わせることが要求されると同時に、鋼板の中央部付近を中心に面内収縮を正確に与える必要があるねじりの大きい非対称な曲面であっても精度よく曲げ加工を実施できる。
(3) 最小曲げ主歪方向と直交する加熱線を、所要間隔を隔てて平行に配置した複数本1組の加熱線として設定するときに、該各組の加熱線を、材料となる鋼板の表面と裏面に分けて配置するようにすると、1組の加熱線の加熱により得られる変形の曲げ成分は、互いに打ち消し合って、曲げ成分の和が小さくなるため、要求される変形が、面内収縮が大きく且つ曲げ変形が小さい場合に有利なものとすることができる。又、どんなに小さい曲げ変形であっても実施可能となる。
(4) 最小曲げ主歪方向と直交する加熱線を、所要間隔を隔てて平行に配置した複数本1組の加熱線として設定するときに、計算格子の最小曲げ主歪方向の幅を設定して、上記複数本1組の加熱線をそれぞれ加熱することにより生じる変形成分の和の絶対量が、最大曲げ主歪方向に並ぶ計算格子で格子ごとに異なる要求変形量に合致させられるようにすると、上記複数本1組の加熱線を、連続させて配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の線状加熱の加熱方案算出方法の実施の一形態を示す作業手順のフローチャートである。
【図2】図1のステップS1により曲げ主歪分布を求める場合の手法の一例を示すもので、(イ)は加熱方案を算出すべき目的曲面形状を、(ロ)は(イ)の形状を弾性FEM計算により強制変形させて形成される平面形状をそれぞれ示す図である。
【図3】図1のステップS3で用いるデータベースの一例を示す概念図である。
【図4】本発明の実施の他の形態における作業手順のフローチャートである。
【図5】1本の加熱線の加熱により得られる変形を示す図である。
【図6】図4のステップS8で設定する加熱線を示す図である。
【図7】(イ)(ロ)はいずれも2本の加熱線による変形を足し合わせた時に得られる変形を例示した図である。
【図8】図7で配置した2本の加熱線の変形を足し合わせたときに得られる変形成分の分布を示す図である。
【図9】図4のステップS8で加熱線の加熱速度を求める方法の概略を示すもので、(イ)は2本の加熱線により得られる変形の面内成分の和を、(ロ)は2本の加熱線により得られる変形の曲げ成分の和をそれぞれ示す図である。
【図10】本発明の実施の更に他の形態において設定する加熱線を示す図である。
【図11】図10で配置した2本の加熱線の変形を足し合わせたときに得られる変形成分の分布を示す図である。
【図12】図1及び、図4のステップS3で用いるデータベースの他の例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 計算格子
2x,2y 加熱線
3 鋼板
S1〜S9 ステップ

Claims (4)

  1. 目的曲面形状を与えるための曲げ主歪分布を求め、該求められた曲げ主歪の方向に沿って計算格子を分割した後、該各計算格子にて、曲げ主歪方向を最大曲げ主歪方向と最小曲げ主歪方向に分け、上記最大曲げ主歪を実現させる曲げ歪が得られるように最大曲げ主歪方向と直交する最小曲げ主歪方向の加熱線を加熱するための加熱速度を求め、次いで、該加熱速度により上記加熱線を加熱したときに付随して生じる該加熱線に対する面内歪の接線成分と直交成分を、予め加熱速度と変形量との関係の実測値を蓄積してなるデータベースより求め、しかる後、上記目的曲面形状の撓みを作り出すために必要な最大曲げ主歪方向の加熱線の与える面内歪の直交成分と接線成分を、上記データベースより求められた最小曲げ主歪方向の加熱線を加熱するときに付随して生じる該加熱線に対する面内歪の接線成分と直交成分を定数として組み込んだ方程式を解くことによ算出して求めると共に、最大曲げ主歪方向の加熱線を加熱する際に上記算出して求めた目的曲面形状の撓みを作り出すために必要な最大曲げ主歪方向の加熱線の与える面内歪の直交成分と接線成分実現させるための加熱速度を求め、最大曲げ主歪と面内歪の直交成分及び接線成分と実現させる加熱方案を得ることを特徴とする線状加熱の加熱方案算出方法。
  2. 目的曲面形状を与えるための曲げ主歪分布を求め、該求められた曲げ主歪の方向に沿って計算格子を分割した後、該各計算格子にて、曲げ主歪方向を最大曲げ主歪方向と最小曲げ主歪方向に分け、上記最大曲げ主歪を実現させる曲げ歪が得られるように最大曲げ主歪方向と直交する最小曲げ主歪方向の加熱線を加熱するための加熱速度を求め、次いで、該加熱速度により上記加熱線を加熱したときに付随して生じる該加熱線に対する面内歪の接線成分と直交成分を、予め加熱速度と変形量との関係の実測値を蓄積してなるデータベースより求め、次に、上記目的曲面形状の撓みを作り出すために必要な最大曲げ主歪方向の加熱線の与える面内歪の直交成分と接線成分を、上記データベースより求められた最小曲げ主歪方向の加熱線を加熱するときに付随して生じる該加熱線に対する面内歪の接線成分と直交成分を定数として組み込んだ方程式を解くことによ算出して求め、しかる後、最小曲げ主歪方向と直交する最大曲げ主歪方向の加熱線を、所要間隔を隔てて平行に配置した複数本1組の加熱線として設定すると共に、該複数本の加熱線をそれぞれ加熱することにより生じる変形成分の和が、上記最小曲げ主歪を実現させる曲げ歪と、上記算出して求められた目的曲面形状の撓みを作り出すために必要な最大曲げ主歪方向の加熱線の与える面内歪の直交成分及び接線成分とを与えることができるように、上記複数本1組の加熱線の加熱速度をそれぞれ求めて、最大曲げ主歪と最小曲げ主歪と面内歪の直交成分及び接線成分と実現させる加熱方案を得ることを特徴とする線状加熱の加熱方案算出方法。
  3. 最小曲げ主歪方向と直交する最大曲げ主歪方向の加熱線を、所要間隔を隔てて平行に配置した複数本1組の加熱線として設定するときに、該各組の加熱線を、材料となる鋼板の表面と裏面に分けて配置するようにした請求項2記載の線状加熱の加熱方案算出方法。
  4. 最小曲げ主歪方向と直交する最大曲げ主歪方向の加熱線を、所要間隔を隔てて平行に配置した複数本1組の加熱線として設定するときに、計算格子の最小曲げ主歪方向の幅を設定して、上記複数本1組の加熱線をそれぞれ加熱することにより生じる変形成分の和の絶対量が、最大曲げ主歪方向に並ぶ計算格子で格子ごとに異なる要求変形量に合致させられるようにした請求項2又は3記載の線状加熱の加熱方案算出方法。
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