JP4320950B2 - 回転電機の冷却方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却媒体を冷却する冷却器を機内に設置した回転電機及びその冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷却媒体を冷却する冷却器を機内に設置した回転電機としては、例えば特開平7−177705号公報,特開平10−146022号公報に記載されたものが知られている。これら公報に記載された回転電機は、固定子枠と固定子鉄心との間を低温の冷却媒体が供給される低温ガス室及び加熱された冷却媒体が流入する高温ガス室に仕切り、軸方向に複数分散させた冷却器を回転電機の下側の基礎ピット内に配置している。そして、複数の冷却器によって冷却され通風機によって昇圧された冷却媒体を鉄心や巻線などの熱源に低温ガス室を介して導き、冷却し終えた冷却媒体を冷却器に高温ガス室を介して導いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の回転電機では、1つ又は2つ以上の熱源を経由した冷却媒体を鉄心の軸方向中央部に導いているので、鉄心の軸方向中央部に導かれる冷却媒体の温度がその部分に到達前に上昇する。このため上記の回転電機では、発電容量の増加又は損失密度の増加に伴って鉄心や巻線などの熱源から発生する熱負荷が増加した場合、鉄心の軸方向中央部に導かれる冷却媒体の冷却効果が著しく低下する。従って、上記の回転電機では、固定子鉄心と回転子鉄心との間の空隙に局所的な発熱部分が生じ、回転子の軸方向に不均一な熱伸びに起因する回転子の熱振動ストロークの増加に至る恐れがある。
【0004】
上記の解決手段として冷却媒体の風量の増加又は通風抵抗の調整による各通風路への風量配分の最適化が考えられる。しかし、前者の手段ではファンの昇圧によって冷却媒体の通風損失がさらに大きくなり、冷却媒体の総損失が増加する。後者の手段では限られた空間において所望の電気的特性及び機械的特性を満足させながら通風抵抗を調整しなければならず、各通風路への風量配分の最適化は難しい。
【0005】
本発明の目的は、機内の軸方向の温度上昇分布を平準化できる回転電機及びその冷却方法の提供にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の基本的な特徴は、鉄心の軸方向両端部から最も遠い鉄心の軸方向中央部に冷却された冷却媒体を供給することにある。このため、固定子枠と固定子鉄心との間に周方向に連続した通風路を軸方向に複数設け、軸方向に複数形成された通風路のうち少なくとも鉄心の軸方向中央部と連通する通風路に対応して冷却器を設置する。そして、昇圧装置によって昇圧された冷却媒体を冷却器によって冷却し、鉄心の軸方向中央部と連通する通風路を介して鉄心の軸方向中央部に鉄心の外周側から内周側に向かって流す。
【0007】
ここで、鉄心の軸方向中央部と連通する通風路とは、通風路の個数が偶数の場合、複数の通風路のうち中央の2個乃至4個の通風路を指す。通風路の個数が奇数の場合、複数の通風路のうち中央の1個乃至3個の通風路を指す。通風路の個数は回転電機の容量によって決まるが、例えば発電機の場合、発電容量が100MWクラスの発電機では少なくとも3個の通風路を設置する。発電容量が350MWクラス以上の発電機では7個乃至10個或いはそれ以上の通風路を設置する。
【0008】
本発明は、上記特徴により機内の軸方向の温度上昇分布を平準化できるという効果を達成できる。特にこの効果は軸長が長く冷却媒体として空気を用いる回転電機、例えば大容量の空冷式の発電機に有効である。空気は水素よりも粘性が大きいので、発電機内部を流れるとき通風抵抗が生じ温度上昇する。通風抵抗は空気の流通距離が長いほど大きくなるので、軸長の長い大容量の発電機ほど空気の温度上昇が顕著になると共に鉄心の軸方向中央部の空気の風量が減る。
【0009】
従って、鉄心の軸方向両端部から遠い鉄心の軸方向中央部には温度上昇した少量の空気が供給され、鉄心の軸方向両端部と鉄心の軸方向中央部との間に温度差が生じる。しかし、鉄心の軸方向中央部に冷却された冷却媒体を供給する本発明によれば、鉄心の軸方向中央部の温度上昇を許容温度以下とし、機内の軸方向の温度上昇分布を平準化することができる。
【0010】
ここで、機内の軸方向の温度上昇分布の平準化とは、鉄心の軸方向中央部の温度上昇を許容温度以下とし、鉄心の軸方向両端部と鉄心の軸方向中央部との温度上昇差を縮めることを意味する。従って、機内の軸方向の温度上昇分布には多少のバラツキがある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
(実施例1)
図1〜図4は本発明の第1実施例であるタービン発電機の構成を示す。本実施例のタービン発電機は機内に封入された冷却媒体によって機内を冷却する密閉型(或いは全閉型)のものである。図中符号1は固定子枠である。固定子枠1の内側には円筒状の固定子鉄心2を設けている。固定子鉄心2の内周部には軸方向に連続したスロット3を周方向に複数形成している。スロット3には固定子巻線4を収納している。固定子鉄心2には径方向に放射状に連続した通風ダクト5を軸方向に等間隔に複数形成している。
【0012】
固定子鉄心2の内周側にはエアギャップ6を介して回転子鉄心7を設けている。回転子鉄心7の外周部には軸方向に連続したスロット(図示せず)を周方向に複数形成している。回転子鉄心7のスロットには回転子巻線(図示せず)を収納している。回転子鉄心7の両端には回転子巻線の両端を押圧する円筒状のリテイニングリング8を設けている。回転子鉄心7の中心軸上には軸方向両側に延伸する回転軸9を一体に設けている。
【0013】
固定子枠1の軸方向両端には円環状の閉塞部材であるエンドブラケット10を設けている。エンドブラケット10の内周側には回転軸9を回転自在に支承する軸受装置11を設けている。回転軸9の一方端(軸受装置11よりも外側)には回転中の回転子巻線に電力を供給する集電装置12を設けている。集電装置12は回転軸9の一方端(軸受装置11よりも外側)に設けた集電環にカーボン製のブラシを押圧接触させて固定側と回転側を電気的に接続するものである。回転軸9の他方端(軸受装置11よりも外側)には発電機の回転源であるタービンとの連結部を形成している。
【0014】
回転軸9の両端(軸受装置11よりは内側)には機内に封入された冷却媒体を昇圧させ機内循環させるファン13を設けている。本実施例では冷却媒体の昇圧装置としてファン13を用いた場合について説明したが、これ以外の昇圧装置を用いても構わない。回転軸9の両端(軸受装置11よりは内側)に設けられたファン13は中央線14に対して左右対称な配置関係にある。中央線14は回転軸9に対して直角に交わる交線であり、エンドブラケット10間を左右対称に等分する2等分線である。
【0015】
固定子枠1の上面には上面から突出するように上方に延びた端子15を3相分設けている。端子15は電気的に接続された固定子巻線4から発電電力を外部に取出すためのものである。固定子枠1の正面の2ヶ所及び背面の2ヶ所には吊具16を設けている。吊具16は例えば発電機本体の基礎ピット17への据付けの際、クレーンによる発電機本体の吊上げに用いる。
【0016】
固定子枠1と固定子鉄心2との間には周方向に連続した通風路18a乃至18gを軸方向に並列に設けている。通風路18a乃至18gは固定子枠1と固定子鉄心2との間の空間を軸方向に仕切る複数の環状の仕切板19と、固定子枠1の内面と、固定子鉄心2の外周面から形成したものであり、それぞれ通風ダクト5と連通している。通風路18a乃至18gは中央線14に対して左右対称な配置になっている。
【0017】
固定子枠1の下面には軸方向に延びた通風ダクト22a乃至22cを軸方向に対して直角な方向に並列に設けている。通風ダクト22a,22cは軸方向に連続した通風路20を形成している。通風路20は通風路18b,18d,18fと連通している。通風ダクト22bは軸方向に連続した通風路21を形成している。通風路21は通風路18a,18c,18e,18gと連通している。
【0018】
固定子鉄心2とエンドブラケット10との間には径方向に連続した通風路23乃至26を設けている。通風路23乃至26は固定子鉄心2とエンドブラケット10との間の空間をファン13の外周側と対向する環状の仕切板27によって仕切り形成している。通風路23,24はファン13の排気側と通風路20とを連通するものであり、中心線14に対して左右対称な配置になっている。通風路25,26はファン13の入気側と通風路21を連通するものであり、中心線14に対して左右対称な配置になっている。
【0019】
通風路18a乃至18gのそれぞれには機内に封入された冷却媒体を冷却する冷却器28を設けている。冷却器28a乃至28gは軸方向に列構成を成すように発電機下部に配置している。尚、冷却器28a乃至28gは発電機上部に配置しても構わない。冷却器28a乃至28gは中央線14に対して左右対称な配置になっている。冷却器28a乃至28gには冷却水を供給するための配管29及び冷却水を排出するための配管30を接続している。冷却器28a乃至28gは同じ冷却容量のものであるが、その外観の大きさは通風路18の大きさによって異なっている。本実施例では通風路18b,18fの軸方向の幅が他の通風路18よりも小さく、これに合わせて冷却器28b,28fの軸方向の幅を他の冷却器28よりも小さくしている。
【0020】
発電機内部には上述した通風路などによって構成した通風回路を複数形成している。中央線14の一方側(図面に向かって左側)には第1の通風回路29,第2の通風回路30,第3の通風回路31の3つの通風回路を形成している。中央線14の他方側(図面に図って右側)にも3つ通風回路を形成している。中央線14の一方側に形成された3つの通風回路と中央線14の他方側に形成された3つの通風回路は中央線14に対して左右対称な配置になっており、冷却媒体の流れ及び温度上昇特性も左右対称な関係にある。従って、以下においては中央線14の一方側の通風回路構成及び冷却媒体の流れについて説明する。
【0021】
第1の通風回路29は図中実線の矢印で示した閉ループであり、ファン13の排気側からエアギャップ6を介して通風ダクト5に至り、通風ダクト5から通風路18aを介して冷却器28aに至り、冷却器28aから通風路21,25を介してファン13の入気側に至る回路である。また、第1の通風回路29は通風路18a,エアギャップ6,通風ダクト5の熱源と冷却器28aが直列に配置されるように構成した回路である。尚、エアギャップ6及び通風路18aの熱源は鉄損を発生する固定子鉄心2であり、通風ダクト5の熱源は鉄損を発生する固定子鉄心2及び銅損を発生する固定子巻線4である。
【0022】
第2の通風回路30は図中点線の矢印で示した閉ループであり、ファン13の排気側から通風路23を介して冷却器28bに至り、冷却器28bから通風路18b,通風ダクト5,エアギャップ6,通風ダクト5,通風路18cを介して冷却器28cに至り、冷却器28cから通風路21,25を介してファン13の吸気側に至る回路である。また、第2の通風回路30は通風路23の熱源の次に冷却器28b、この次に通風路18b,18c,エアギャップ6,通風ダクト5の熱源、この次に冷却器28cというように熱源と冷却器が交互に直列に配置されるように構成した回路である。尚、エアギャップ6及び通風路18b,18cの熱源は鉄損を発生する固定子鉄心2であり、通風ダクト5及び通風路23の熱源は鉄損を発生する固定子鉄心2及び銅損を発生する固定子巻線4である。
【0023】
第3の通風回路31は図中点線の矢印で示した閉ループであり、ファン13の排気側から通風路23を介して冷却器28dに至り、冷却器28dから通風路18d,通風ダクト5,エアギャップ6,通風ダクト5,通風路18cを介して冷却器28cに至り、冷却器28cから通風路21,25を介してファン13の吸気側に至る回路である。また、第2の通風回路30は通風路23の熱源の次に冷却器28d、この次に通風路18d,18c,エアギャップ6,通風ダクト5の熱源、この次に冷却器28cというように熱源と冷却器が交互に直列に配置されるように構成した回路である。尚、エアギャップ6及び通風路18d,18cの熱源は鉄損を発生する固定子鉄心2であり、通風ダクト5及び通風路23の熱源は鉄損を発生する固定子鉄心2及び銅損を発生する固定子巻線4である。
【0024】
次に冷却媒体の流れについて説明する。回転軸9の回転により機内に封入されている冷却媒体は昇圧され、ファン13の排気側から各通風回路に流れる。第1の通風回路29では、ファン13によって昇圧された冷却媒体はエアギャップ6を通風路18aと連通する通風ダクト5に向かって軸方向に流れる。通風路18aと連通する通風ダクト5に至った冷却媒体は固定子鉄心2の内部及び固定子巻線4を冷却しながら通風ダクト5を固定子鉄心2の内周側から外周側、すなわち通風路18aに向かって流れる。通風路18aに至った冷却媒体は固定子鉄心2の外周側を冷却し、冷却器28aに向かって流れる。冷却器28aに至った冷却媒体は冷却器28aによって冷却され、通風路21,通風路25を介してファン13の吸気側に流れる。
【0025】
第2の通風回路30では、ファン13によって昇圧された冷却媒体は固定子鉄心2の端部及び固定子巻線4のコイルエンド部を冷却しながら通風路23を通風路20に向って径方向に流れる。通風路20に至った冷却媒体は冷却器28bに向って軸方向に流れる。冷却器28bに至った冷却媒体は冷却器28bによって冷却され、固定子鉄心2の外周側を冷却しながら通風路18bを周方向に流れ、通風路18bと連通する通風ダクト5に流れる。通風路18bと連通する通風ダクト5に至った冷却媒体は固定子鉄心2の内部及び固定子巻線4を冷却しながら通風ダクト5を固定子鉄心2の外周側から内周側、すなわちエアギャップ6に向かって流れる。
【0026】
エアギャップ6に至った冷却媒体は固定子鉄心2の内周側を冷却しながら通風路18cと連通する通風ダクト5に向かって軸方向に流れる。通風路18cと連通する通風ダクト5に至った冷却媒体は固定子鉄心2の内部及び固定子巻線4を冷却しながら通風ダクト5を固定子鉄心2の内周側から外周側、すなわち通風路18cに向かって流れる。通風路18cに至った冷却媒体は固定子鉄心2の外周側を冷却し、冷却器28cに向かって流れる。冷却器28cに至った冷却媒体は冷却器28cによって冷却され、通風路21,通風路25を介してファン13の吸気側に流れる。
【0027】
第3の通風回路31では、ファン13によって昇圧された冷却媒体は固定子鉄心2の端部及び固定子巻線4のコイルエンド部を冷却しながら通風路23を通風路20に向って径方向に流れる。通風路20に至った冷却媒体は冷却器28dに向って軸方向に流れる。冷却器28dに至った冷却媒体は冷却器28dによって冷却され、固定子鉄心2の外周側を冷却しながら通風路18dを周方向に流れ、通風路18dと連通する通風ダクト5に流れる。通風路18dと連通する通風ダクト5に至った冷却媒体は固定子鉄心2の内部及び固定子巻線4を冷却しながら通風ダクト5を固定子鉄心2の外周側から内周側、すなわちエアギャップ6に向かって流れる。
【0028】
エアギャップ6に至った冷却媒体は固定子鉄心2の内周側を冷却しながら通風路18cと連通する通風ダクト5に向かって軸方向に流れる。通風路18cと連通する通風ダクト5に至った冷却媒体は固定子鉄心2の内部及び固定子巻線4を冷却しながら通風ダクト5を固定子鉄心2の内周側から外周側、すなわち通風路18cに向かって流れる。通風路18cに至った冷却媒体は固定子鉄心2の外周側を冷却し、冷却器28cに向かって流れる。冷却器28cに至った冷却媒体は冷却器28cによって冷却され、通風路21,通風路25を介してファン13の吸気側に流れる。
【0029】
以上のように構成した本実施例によれば、ファン13によって昇圧された冷却媒体を固定子鉄心2の軸方向中央部に位置する通風路18dに導き、導かれた冷却媒体を冷却器28dによって冷却し、冷却された冷却媒体を固定子鉄心2の外周側から内周側に向かって流通するようにしたので、冷却された冷たい冷却媒体を固定子鉄心2の軸方向中央部に供給することができる。
【0030】
従って、供給される冷却媒体の温度が最も高くなり、供給される冷却媒体の風量が最も少なくなる固定子鉄心2の軸方向中央部を冷たい冷却媒体によって冷却することができ、エアギャップ6に生じる局所的な発熱を抑え、機内の軸方向の温度上昇分布を平準化し、回転子の熱振動ストロークを抑制することができる。
(実施例2)
図5及び図6は第2実施例のタービン発電機の構成を示す。本実施例のタービン発電機は第1実施例と同様に密閉型(或いは全閉型)のものであるが、第1実施例より軸長が短い(第1実施例より発電容量が小さい)。また、本実施例のタービン発電機では第1実施例において発電機下部に設けていた冷却器28及び通風路20,21を発電機上部に設けている。
【0031】
固定子枠1と固定子鉄心2との間には周方向に連続した通風路18a乃至18dを軸方向に並列に設けている。通風路18b,18cは通風路20と連通している。通風路18a,18bは通風路21と連通している。通風路21には冷却器28a,28dを中央線14に対して左右対称に設けている。通風路20には冷却器28b,28cを中央線14に対して左右対称に設けている。冷却器28a乃至28dは軸方向に列構成を成すように配置している。
【0032】
冷却器28,28cは冷却器28a,28dよりも小型、すなわち冷却容量が小さい。ここで、冷却器28b,28cの冷却容量を冷却器28a,28dよりも小さくしたのは、冷却器28b,28cは冷却器28a,28dによって冷却された冷却媒体の一部を冷却するものであり、冷却器28a,28dよりも冷却容量が小さくて済むし、この方が冷却効率が良いからである。また、冷却器28b,28cを設けた通風路20が冷却器28a,28dを設けた通風路21よりも小さく、小型な冷却器しか設置できないからである。尚、冷却器28a乃至28dは発電機下部に配置しても構わない。
【0033】
この他の構成は前例と同様であり、その説明は省略する。また、通風路及び冷却器は中央線14に対して左右対称な配置になっており、冷却媒体の流れ及び温度上昇特性も同様に左右対称な関係にあるので、以下においては中央線14の一方側について説明する。
【0034】
次に、冷却媒体の流れについて説明する。回転軸9と共にファン13が回転すると、機内に封入されている冷却媒体は昇圧され、各通風路を流通する。ファン13の排気側に排気された冷却媒体は通風路23側とエアギャップ6側に分岐する。エアギャップ6側に分岐した冷却媒体は固定子鉄心2の内周側を冷却しながらエアギャップ6を通風路18aと連通する通風ダクト5に向かって流れる。
【0035】
通風路18aと通風ダクト5に至った冷却媒体は固定子鉄心2の内部と固定子巻線4を冷却しながら通風ダクト5を固定子鉄心2の内周側から外周側、すなわち通風路18aに向かって流れる。通風路18aに至った冷却媒体は固定子鉄心2の外周側を冷却し、通風路21を介して冷却器28aに向って流通する。冷却器28aに至った冷却媒体は冷却器28aによって冷却され、通風路25を介してファン13の吸気側に向かって流れる。
【0036】
通風路23側に分岐した冷却媒体は固定子鉄心2の端部と固定子巻線4のコイルエンド部を冷却しながら通風路23を通風路20に向かって径方向に流れる。通風路20に至った冷却媒体は冷却器28bに向かって軸方向に流れる。冷却器28bに至った冷却媒体は冷却器28bによって冷却され、通風路18bに向かって流れる。通風路18bに至った冷却媒体は固定子鉄心2の外周側を冷却し、通風路18bと連通する通風ダクト5に流れる。
【0037】
通風路18bと連通する通風ダクト5に至った冷却媒体は固定子鉄心2の内部と固定子巻線4を冷却しながら通風ダクト5を固定子鉄心2の外周側から内周側、すなわちエアギャップ6に向かって流れる。エアギャップ6に至った冷却媒体は固定子鉄心2の内周側を冷却しながらエアギャップを通風路18aと連通する通風ダクト5に向かって軸方向に流れる。通風路18aと連通する通風ダクト5に至った冷却媒体はファン13の排気側からエアギャップ6側に分岐した冷却媒体と共に通風ダクト5を流れる。
【0038】
本実施例によれば、冷却器28a,28dによって冷却され、ファン13によって昇圧された冷却媒体の一部を分岐し、冷却器28b,28cによって冷却し、固定子鉄心2の軸方向中央部に位置する通風路18b,18cに導き、導かれた冷却媒体を固定子鉄心2の外周側から内周側に向かって流通すようにしたので、冷却された冷たい冷却媒体を固定子鉄心2の軸方向中央部に供給することができる。
【0039】
従って、本実施例によれば、供給される冷却媒体の温度が最も高くなり、供給される冷却媒体の風量が最も少なくなる固定子鉄心2の軸方向中央部を冷たい冷却媒体によって冷却することができ、エアギャップ6に生じる局所的な発熱を抑え、機内の軸方向の温度上昇分布を平準化することができる。
(実施例3)
図7は第3実施例のタービン発電機の構成を示す。本実施例は第2実施例の変形例であり、第2実施例より軸長が長い。固定子枠1と固定子鉄心2との間には周方向に連続した通風路18a乃至18eを軸方向に並列に設けている。通風路18a,18b,18d,18eは通風路21と連通している。通風路18cは通風路20と連通している。通風路21には中央線14に対して左右対称に冷却器28a,28cを設けている。通風路20の通風路18cとの連通部分には冷却28bを設置している。冷却器28bは冷却器28a,28cよりも冷却容量が小さい小型なものである。
【0040】
この他の構成は前例と同様であり、その説明は省略する。また、通風路及び冷却器は中央線14に対して左右対称な配置になっており、冷却媒体の流れ及び温度上昇特性も同様に左右対称な関係にあるので、以下においては中央線14の一方側について説明する。
【0041】
次に、冷却媒体の流れについて説明する。回転軸9と共にファン13が回転すると、機内に封入されている冷却媒体は昇圧され、各通風路を流通する。ファン13の排気側に排気された冷却媒体は通風路23側とエアギャップ6側に分岐する。エアギャップ6側に分岐した冷却媒体は固定子鉄心2の内周側を冷却しながらエアギャップ6を通風路18a,18bと連通する通風ダクト5に向かって流れる。
【0042】
通風路18a,18bと通風ダクト5に至った冷却媒体は固定子鉄心2の内部と固定子巻線4を冷却しながら通風ダクト5を固定子鉄心2の内周側から外周側、すなわち通風路18a,18bに向かって流れる。通風路18a,18bに至った冷却媒体は固定子鉄心2の外周側を冷却し、通風路21を介して冷却器28aに向って流通する。冷却器28aに至った冷却媒体は冷却器28aによって冷却され、通風路25を介してファン13の吸気側に向かって流れる。
【0043】
通風路23側に分岐した冷却媒体は固定子鉄心2の端部と固定子巻線4のコイルエンド部を冷却しながら通風路23を通風路20に向かって径方向に流れる。通風路20に至った冷却媒体は冷却器28bに向かって軸方向に流れる。冷却器28bに至った冷却媒体は冷却器28bによって冷却され、通風路18cに向かって流れる。通風路18cに至った冷却媒体は固定子鉄心2の外周側を冷却し、通風路18cと連通する通風ダクト5に流れる。
【0044】
通風路18cと連通する通風ダクト5に至った冷却媒体は固定子鉄心2の内部と固定子巻線4を冷却しながら通風ダクト5を固定子鉄心2の外周側から内周側、すなわちエアギャップ6に向かって流れる。エアギャップ6に至った冷却媒体は固定子鉄心2の内周側を冷却しながらエアギャップを通風路18a,18bと連通する通風ダクト5に向かって軸方向に流れる。通風路18a,18bと連通する通風ダクト5に至った冷却媒体はファン13の排気側からエアギャップ6側に分岐した冷却媒体と共に通風ダクト5を流れる。
【0045】
本実施例によれば、冷却器28a,28cによって冷却され、ファン13によって昇圧された冷却媒体の一部を分岐し、冷却器28cによって冷却し、冷却された冷却媒体を固定子鉄心2の軸方向中央部に対応する通風路18cに導き、導かれた冷却媒体を固定子鉄心2の外周側から内周側に向かって流通すようにしたので、冷却された冷たい冷却媒体を固定子鉄心2の軸方向中央部に供給することができる。
【0046】
従って、本実施例によれば、供給される冷却媒体の温度が最も高くなり、供給される冷却媒体の風量が最も少なくなる固定子鉄心2の軸方向中央部を冷たい冷却媒体によって冷却することができ、エアギャップ6に生じる局所的な発熱を抑え、機内の軸方向の温度上昇分布を平準化することができた。
(実施例4)
図8は第4実施例のタービン発電機の構成を示す。本実施例は第2実施例と第3実施例の組合例であり、第3実施例よりもさらに軸長が長い。固定子枠1と固定子鉄心2との間に周方向に連続した通風路18a乃至18gを軸方向に並列に設けている。通風路18a,18c,18e,18gは通風路21と連通している。通風路18dは通風路20と連通している。また、固定子枠1と固定子鉄心2との間には通風路23と通風路18bを連通する通風路31と、通風路24と通風路18fを連通する通風路32を中央線14に対して左右対称に設けている。
【0047】
通風路21には中央線14に対して左右対称に冷却器28a,28eを設けている。通風路20の通風路18dとの連通部分には冷却器28cを設けている。冷却器28cは冷却器28a,28eよりも冷却容量が小さい小型なものである。通風路31には中央線14に対して左右対称に冷却器28b,28dを設けている。冷却器28b,28dは冷却器28a,28eよりも冷却容量が小さい小型なものである。
【0048】
この他の構成は前例と同様であり、その説明は省略する。また、通風路及び冷却器は中央線14に対して左右対称な配置になっており、冷却媒体の流れ及び温度上昇特性も同様に左右対称な関係にあるので、以下においては中央線14の一方側について説明する。
【0049】
次に、冷却媒体の流れについて説明する。回転軸9と共にファン13が回転すると、機内に封入されている冷却媒体は昇圧され、各通風路を流通する。ファン13の排気側に排気された冷却媒体は通風路23側とエアギャップ6側に分岐する。エアギャップ6側に分岐した冷却媒体は固定子鉄心2の内周側を冷却しながらエアギャップ6を通風路18a,18cと連通する通風ダクト5に向かって流れる。
【0050】
通風路18a,18cと通風ダクト5に至った冷却媒体は固定子鉄心2の内部と固定子巻線4を冷却しながら通風ダクト5を固定子鉄心2の内周側から外周側、すなわち通風路18a,18cに向かって流れる。通風路18a,18cに至った冷却媒体は固定子鉄心2の外周側を冷却し、通風路21を介して冷却器28aに向って流通する。冷却器28aに至った冷却媒体は冷却器28aによって冷却され、通風路25を介してファン13の吸気側に向かって流れる。
【0051】
通風路23側に分岐した冷却媒体は固定子鉄心2の端部と固定子巻線4のコイルエンド部を冷却しながら通風路23を通風路20,31に向かって径方向に流れる。通風路20に至った冷却媒体は冷却器28cに向かって軸方向に流れる。冷却器28cに至った冷却媒体は冷却器28cによって冷却され、通風路18dに向かって流れる。通風路18dに至った冷却媒体は固定子鉄心2の外周側を冷却し、通風路18dと連通する通風ダクト5に流れる。
【0052】
通風路18dと連通する通風ダクト5に至った冷却媒体は固定子鉄心2の内部と固定子巻線4を冷却しながら通風ダクト5を固定子鉄心2の外周側から内周側、すなわちエアギャップ6に向かって流れる。エアギャップ6に至った冷却媒体は固定子鉄心2の内周側を冷却しながらエアギャップを通風路18a,18cと連通する通風ダクト5に向かって軸方向に流れる。通風路18a,18cと連通する通風ダクト5に至った冷却媒体はファン13の排気側からエアギャップ6側に分岐した冷却媒体と共に通風ダクト5を流れる。
【0053】
通風路31に至った冷却媒体は冷却器28bに向かって軸方向に流れる。冷却器28bに至った冷却媒体は冷却器28bによって冷却され、通風路18bに向かって流れる。通風路18bに至った冷却媒体は固定子鉄心2の外周側を冷却し、通風路18bと連通する通風ダクト5に流れる。
【0054】
通風路18bと連通する通風ダクト5に至った冷却媒体は固定子鉄心2の内部と固定子巻線4を冷却しながら通風ダクト5を固定子鉄心2の外周側から内周側、すなわちエアギャップ6に向かって流れる。エアギャップ6に至った冷却媒体は固定子鉄心2の内周側を冷却しながらエアギャップを通風路18a,18cと連通する通風ダクト5に向かって軸方向に流れる。通風路18a,18cと連通する通風ダクト5に至った冷却媒体はファン13の排気側からエアギャップ6側に分岐した冷却媒体と共に通風ダクト5を流れる。
【0055】
本実施例によれば、冷却器28a,28eによって冷却され、ファン13によって昇圧された冷却媒体の一部を分岐し、冷却器28cによって冷却し、冷却された冷却媒体を固定子鉄心2の軸方向中央部に対応する通風路18dに導き、導かれた冷却媒体を固定子鉄心2の外周側から内周側に向かって流通するようにしたので、冷却された冷たい冷却媒体を固定子鉄心2の軸方向中央部に供給することができる。
【0056】
従って、本実施例によれば、供給される冷却媒体の温度が最も高くなり、供給される冷却媒体の風量が最も少なくなる固定子鉄心2の軸方向中央部を冷たい冷却媒体によって冷却することができ、エアギャップ6に生じる局所的な発熱を抑え、機内の軸方向の温度上昇分布を平準化することができた。
(実施例5)
図9は第5実施例のタービン発電機の構成を示す。本実施例は第1実施例の改良例であり、固定子鉄心2の軸長が長くなった場合に有効な例である。本実施例では固定子鉄心2に設けた通風ダクト5の軸方向間隔を、第1の通風回路29では大きくとり、第1の通風回路29よりも通風距離が大きく、かつ熱負荷が大きい第2の通風回路30及び第3の通風回路31では小さくしている。尚、この他の構成は前例と同様であり、その説明は省略する。
【0057】
本実施例によれば、通風ダクト5の軸方向間隔を通風回路によって変えたので、ファン13に近く通風距離の短い第1の通風回路29の風量が抑制され、その分、ファン13から遠く通風距離の大きい第2の通風回路30及び第3の通風回路31の風量を増加することができ、さらに鉄心の軸方向中央部付近の冷却効果を向上することができる。
【0058】
また、本実施例によれば、通風ダクト5の軸方向間隔を通風回路によって変えたので、熱負荷の小さい第1の通風回路29における固定子鉄心2と固定子巻線4の露出面積を小さく、通風距離が大きく熱負荷の大きい第2の通風回路20及び第3の通風回路31における固定子鉄心2と固定子巻線4の露出面積を大きくし、鉄心の軸方向中央付近の冷却面積を増加することができるので、さらに鉄心の軸方向中央部付近の冷却効果を向上することができる。
【0059】
尚、本実施例は第1実施例の改良例として説明したが、他の実施例に適用しても構わない。
(実施例6)
図10乃至図12は第6実施例のタービン発電機の構成を示す。本実施例は第1実施例の変形例であり、第1実施例において発電機下部に設けていた冷却器28及び通風路20,21を発電機前部(発電機の正面側)と発電機後部(発電機の背面側)に分けて設けている。外観上発電機の正面及び背面には縦置きの冷却器が正面及び背面から突出するように軸方向に列構成を成している。
【0060】
発電機前部には通風路18aに設置した冷却器28a,通風路18cに設置した冷却器28c,通風路18eに設置した冷却器28e,通風路18gに設置した冷却器28gを中央線14に対して左右対称な配置となるように設けている。また、発電機前部には通風路18a,18c,18e,18gと連通する通風路21を設けている。
【0061】
発電機後部には通風路18bに設置した冷却器28b,通風路18dに設置した冷却器28d,通風路18fに設置した冷却器28fを中央線14に対して左右対称な配置となるように設けている。また、発電機前部には通風路18b,18d,18eと連通する通風路20を設けている。尚、この他の構成は第1実施例と同様であり、その説明は省略する。
【0062】
本実施例によれば、回転軸9を境に対向する固定子枠1と固定子鉄心2との間の一方側(発電機前部)に冷却器28a,28c,28e,28gを配置し、他方側(発電機後部)に冷却器28b,28d,28fを配置したので、第1の通風回路29,第2の通風回路30,第3の通風回路31のうち、冷却媒体が固定子鉄心2の内周側から外周側に流通した後に冷却器28を通過する部分を発電機前部に形成し、冷却媒体が冷却器28を通過した後に固定子鉄心2の外周側から内周側に流通する部分を発電機後部に形成することができる。これにより、冷却媒体が流通する通風路の交差を無くすことができ、冷却媒体の通風抵抗を減らすことができる。従って、鉄心の軸方向中央部付近に供給される冷えた冷却媒体の風量を増やすことができ、さらに鉄心の軸方向中央部付近の冷却効果を向上することができる。
【0063】
尚、本実施例では発電機前部と発電機後部に冷却器を分けて配置した場合について説明したが、発電機下部と発電機上部に冷却器を分けて配置しても同様の効果を達成できる。
(実施例7)
図13は第7実施例のタービン発電機の構成を示す。本実施例のタービン発電機は機内に取り込んだ外気によって機内を冷却する開放型のものである。図中符号50は固定子枠である。固定子枠50の内側には円筒状の固定子鉄心51を設けている。固定子鉄心51の内周部には軸方向に連続したスロットを周方向に複数形成しており、そのスロットには固定子巻線52を収納している。固定子鉄心51には径方向に放射状に連続した通風ダクト53を軸方向に等間隔に複数形成している。
【0064】
固定子鉄心51の内周側にはエアギャップ54を介して回転子鉄心55を設けている。回転子鉄心55の外周部には軸方向に連続したスロットを周方向に複数形成しており、そのスロットには回転子巻線を収納している。回転子鉄心55の両端には回転子巻線の両端を押圧する円筒状のリテイニングリング56を設けている。回転子鉄心55の中心軸上には軸方向両側に延伸する回転軸57を一体に設けている。
【0065】
固定子枠50の軸方向両端には円環状の閉塞部材であるエンドブラケット58を設けている。エンドブラケット58の内周側には回転軸57を回転自在に支承する軸受装置を設けている。回転軸57の一方端(軸受装置よりも外側)には回転中の回転子巻線に電力を供給する集電装置を設けている。回転軸57の他方端(軸受装置よりも外側)には発電機の回転源であるタービンとの連結部を形成している。
【0066】
回転軸57の両端(軸受装置よりは内側)には機内に封入された冷却媒体を昇圧させ機内循環させるファン59を設けている。本実施例では冷却媒体の昇圧装置としてファン59を用いた場合について説明したが、これ以外の昇圧装置を用いても構わない。回転軸57の両端(軸受装置よりは内側)に設けられたファン59は中央線60に対して左右対称な配置関係にある。中央線60は回転軸57に対して直角に交わる交線であり、エンドブラケット58間を左右対称に等分する2等分線である。
【0067】
エンドブラケット58の内周部側には機内に外気を取り込むための入気孔61をファン59と対向するように設けている。エンドブラケット58の外周部側には機内に取り込んだ外気を機外に排出するための排出孔62を設けている。
【0068】
固定子枠50と固定子鉄心51との間には周方向に連続した通風路63a乃至63gを軸方向に並列に設けている。通風路63a乃至63gは固定子枠50と固定子鉄心51との間の空間を軸方向に仕切る複数の環状の仕切板64と、固定子枠50の内面と、固定子鉄心51の外周面から形成したものであり、それぞれ通風ダクト53と連通している。通風路63a乃至63gは中央線60に対して左右対称な配置になっている。
【0069】
固定子鉄心51とエンドブラケット58との間には径方向に連続した通風路65,66を設けている。通風路65と通風路66は中心線60に対して左右対称な配置になっている。エンドブラケット58とファン59との間には入気孔61とファン59の入気側を連通し、軸方向に連続した通風路67,68を設けている。通風路67,68は固定子鉄心51とエンドブラケット58との間の空間を円筒状の仕切板69によって仕切り形成したものであり、中心線60に対して左右対称な配置になっている。
【0070】
発電機下部には通風路65,66と通風路63b,63d,63fとを連通し、軸方向に連続した通風路70を設けている。また、発電機下部には排気孔62と通風路63a,63c,63e,63gとを連通し、軸方向に連続した通風路71を設けている。
【0071】
通風路63b,63d,63fのそれぞれには機外から取り込んだ冷却媒体を冷却する冷却器72を設けている。冷却器72a乃至72cは軸方向に列構成を成すように発電機下部に配置している。尚、冷却器72a乃至72cは発電機上部に配置しても構わない。冷却器72a乃至72cは中央線60に対して左右対称な配置になっている。冷却器72a乃至72cには冷却水を供給するための配管及び冷却水を排出するための配管を接続している。冷却器72a乃至72cは同じ冷却容量のものである。
【0072】
発電機内部には上述した通風路などによって構成した通風回路を複数形成している。中央線60の一方側(図面に向かって左側)には第1の通風回路73,第2の通風回路74,第3の通風回路75の3つの通風回路を形成している。中央線60の他方側(図面に向かって右側)にも3つ通風回路を形成している。中央線60の一方側に形成された3つの通風回路と中央線60の他方側に形成された3つの通風回路は中央線60に対して左右対称な配置になっており、冷却媒体の流れ及び温度上昇特性も左右対称な関係にある。従って、以下においては中央線60の一方側の通風回路構成及び冷却媒体の流れについて説明する。
【0073】
第1の通風回路73は図中実線の矢印で示した開ループであり、入気孔61から通風路67を介してファン59に至り、ファン59からエアギャップ54,通風ダクト53,通風路63a,通風路71を介して排気孔62に至る回路である。
【0074】
第2の通風回路74は図中実線の矢印で示した開ループであり、入気孔61から通風路67を介してファン59に至り、ファン59から通風路65,通風路70を介して冷却器72aに至り、冷却器72aから通風路63b,通風ダクト53,エンドブラケット54,通風ダクト53,通風路63c,通風路71を介して排気孔62に至る回路である。
【0075】
第3の通風回路75は図中実線の矢印で示した開ループであり、入気孔61から通風路67を介してファン59に至り、ファン59から通風路65,通風路70を介して冷却器72bに至り、冷却器72bから通風路63d,通風ダクト53,エンドブラケット54,通風ダクト53,通風路63c,通風路71を介して排気孔62に至る回路である。
【0076】
次に、冷却媒体の流れについて説明する。ファン59の回転により入気孔61から外気が機内に取り込まれ、通風路67を介してファン59の入気側に至る。外気はファン59によって昇圧され、ファン59の排気側から各通風回路に流れる。
【0077】
第1の通風回路73では、ファン59によって昇圧された外気は固定鉄心51の内周側を冷却しながらエアギャップ54を通風路63aと連通する通風ダクト53に向かって軸方向に流れる。通風路63aと連通する通風ダクト53に至った外気は固定子鉄心51の内部及び固定子巻線52を冷却しながら通風ダクト53を固定子鉄心51の内周側から外周側、すなわち通風路63aに向かって流れる。通風路18aに至った外気は固定子鉄心51の外周側を冷却し、通風路71を介して排気孔62に流れる。
【0078】
第2の通風回路74では、ファン59によって昇圧された外気は固定鉄心51の端部及び固定子巻線52のコイルエンド部を冷却しながら通風路65を通風路70に向って径方向に流通する。通風路70に至った外気は冷却器72aに向って軸方向に流れる。冷却器72aに至った外気は冷却器72aによって冷却され、固定子鉄心51の外周側を冷却しながら通風路63bを周方向に流れ、通風路63bと連通する通風ダクト53に流れる。
【0079】
通風路63bと連通する通風ダクト53に至った外気は固定子鉄心51の内部及び固定子巻線52を冷却しながら通風ダクト53を固定子鉄心51の外周側から内周側、すなわちエアギャップ54に向かって流れる。エアギャップ54に至った外気は固定子鉄心51の内周側を冷却しながらエアギャップ54を通風路63cと連通する通風ダクト53に向かって軸方向に流れる。
【0080】
通風路63cと連通する通風ダクト53に至った外気は固定子鉄心51の内部及び固定子巻線52を冷却しながら通風ダクト53を固定子鉄心2の内周側から外周側、すなわち通風路63cに向かって流れる。通風路63cに至った外気は固定子鉄心51の外周側を冷却し、通風路71を介して排気孔62に流れる。
【0081】
第3の通風回路75では、ファン59によって昇圧された外気は固定子鉄心
51の端部及び固定子巻線52のコイルエンド部を冷却しながら通風路65を通風路70に向って流通する。通風路70に至った外気は冷却器72bに向って軸方向に流れる。冷却器72bに至った外気は冷却器72bによって冷却され、固定子鉄心51の外周側を冷却しながら通風路63dを周方向に流れ、通風路63dと連通する通風ダクト53に流れる。
【0082】
通風路63dと連通する通風ダクト53に至った外気は固定子鉄心51の内部及び固定子巻線52を冷却しながら通風ダクト53を固定子鉄心51の外周側から内周側、すなわちエアギャップ54に向かって流れる。エアギャップ54に至った外気は固定子鉄心51の内周側を冷却しながらエアギャップ54を通風路63cと連通する通風ダクト53に向かって軸方向に流れる。
【0083】
通風路63cと連通する通風ダクト53に至った外気は固定子鉄心51の内部及び固定子巻線52を冷却しながら通風ダクト53を固定子鉄心2の内周側から外周側、すなわち通風路63cに向かって流れる。通風路63cに至った外気は固定子鉄心51の外周側を冷却し、通風路71を介して排気孔62に流れる。
【0084】
以上のように構成した本実施例によれば、機外から取り込まれファン59によって昇圧された外気を固定子鉄心51の軸方向中央部に位置する通風路63dに導き、この導かれた外気を冷却器72bによって冷却し、この冷却された外気を固定子鉄心51の外周側から内周側に向かって流すようにしたので、冷却された冷たい外気を固定子鉄心51の軸方向中央部に供給することができる。
【0085】
従って、供給される外気の温度が最も高くなり、供給される外気の風量が最も少なくなる固定子鉄心51の軸方向中央部を冷たい外気によって冷却することができ、エアギャップ54に生じる局所的な発熱を抑え、機内の軸方向の温度上昇分布を平準化し、回転子の熱振動ストロークを抑制することができる。
(実施例8)
図14は第8実施例のタービン発電機の構成を示す。本実施例は第7実施例の変形例であり、第7実施例のように開放型のタービン発電機である。本実施例では冷却器72a,72bを中央線60に対して左右対称に通風路70の端部側に設けている。この他の構成は第7実施例と同様であり、その説明は省略する。
【0086】
このような構成においても第7実施例と同様の通風回路及び外気の流れを構成できて、第7実施例と同様の効果を達成できると共に、冷却器の数を1個減らして発電機の構成をシンプルにすることができ、低コスト化を図ることができる。
【0087】
【発明の効果】
本発明は、空気又は水素ガスなどの冷却媒体を冷却する冷却器を機内に設置した回転電機に有効である。特に冷却媒体として空気を用いる回転電機、すなわち空冷式の発電機に有効であり、水素冷却式のように発電機の大容量化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるタービン発電機の外観及び内部構成の一部分を示す一部切欠き断面斜視図である。
【図2】図1のII方向の外観構成を示す平面図である。
【図3】図2のIII 方向の外観構成を示す平面図である。
【図4】図1の回転軸に対して下側の内部構造を示すIV−IV矢視断面図である。
【図5】本発明の第2実施例であるタービン発電機の外観構成を示す斜視図である。
【図6】図5の回転軸に対して上側の内部構成を示すVI−VI矢視断面図。
【図7】本発明の第3実施例であるタービン発電機の回転軸に対して上側の内部構成を示す断面図である。
【図8】本発明の第4実施例であるタービン発電機の回転軸に対して上側の内部構成を示す断面図である。
【図9】本発明の第5実施例であるタービン発電機の回転軸に対して下側の内部構成を示す断面図である。
【図10】本発明の第6実施例であるタービン発電機の外観構成を示す正面図である。
【図11】図10のXI方向の外観構成を示す側面図である。
【図12】図11の上方から見たときの内部構成を示すXII−XII矢視断面図である。
【図13】本発明の第7実施例であるタービン発電機の回転軸に対して下側の内部構成を示す断面図である。
【図14】本発明の第8実施例であるタービン発電機の回転軸に対して下側の内部構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1…固定子枠、2…固定子鉄心、5…通風ダクト、8…回転子、13…ファン、15,18…通風路、28…冷却器。
Claims (1)
- ファンにより吸気された冷却媒体が、固定子枠と固定子鉄心との間に形成された第1の通風路と、回転子鉄心と固定子鉄心との間に形成されたエアギャップとに分岐して流れ、前記第1の通風路に流れる冷却媒体はその途中に設置された第1の冷却器によって冷却され、前記第1の冷却器によって冷却された冷却媒体を前記固定子鉄心の軸方向中央部に導き、この軸方向中央部に導かれた冷却媒体を前記固定子鉄心の径方向外周側から内周側に向かって流通させ、内周側に到達した冷却媒体は、前記エアギャップに流れた冷却媒体と合流し、径方向内周側から外周側に流通し、前記第1の通風路より径方向外周側に設けられた第2の通風路に設置された第2の冷却器を通って前記ファンの吸気側に戻ることを特徴とする回転電機の冷却方法。
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