JP4319316B2 - セラミックス管状成形体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高純度で緻密性、耐蝕性、強度特性などに優れ、例えば、シリコン単結晶引き上げ装置のシリコン融液や熱処理装置の炉内温度の測定などに用いられる熱電対用保護管や溶融金属用浸漬保護管をはじめ、各種熱処理部材として好適に用いられるセラミックス管、特に管径や肉厚の異なるセラミックス管状成形体を効率よく能率的に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CVD法(化学的気相蒸着法)を利用して作製したセラミックス成形体、例えば、SiC、TiC、WCなどの炭化物、Si3 N4 、TiN、AlNなどの窒化物の成形体は、緻密で高純度であるため半導体製造装置用の各種部材をはじめ耐蝕性が要求される用途分野において好適に用いられている。
【0003】
CVD法によるセラミックス成形体は、原料ガスを気相反応させて基材面上にセラミックスの結晶粒を析出させ、結晶粒の成長により被膜を形成させたのち基材を除去することにより作製されるので、材質的に緻密、高純度で組織の均質性が高いなどの特徴がある。
【0004】
例えば、高純度SiCからなる半導体製造用の反応管を製造する方法として黒鉛製の円筒にCVD法によりSiCの被膜を成膜したのち、黒鉛を除去する方法が知られている。しかしながら、気相反応によるSiCの析出は成長速度が遅いために製造能率や製造効率が低い難点がある。この場合、SiC被膜の成膜速度を高めるためにCVD反応温度を高くしたり、原料ガス濃度を高く設定すると、膜厚斑が生じたり、膜質が不均一化するなどの問題が生じる。
【0005】
すなわち、CVD法により黒鉛製円筒にSiC被膜を形成する場合、原料ガスが供給される側と反応ガスが排出される側との間ではガス組成や温度分布などが変化するので、SiC結晶粒の析出速度やSiC被膜の成膜速度などが異なることとなり、形成される膜厚や緻密性などの膜質が不均一化し易く、得られるCVD−SiC成形体が不均質なものとなる難点がある。
【0006】
そこで、厚肉で、均質なCVD−SiC成形体を製造する方法として、メチルクロルシラン、又は四塩化珪素とトルエン、もしくはクロルシランとトルエンの原料を移動型高周波加熱装置に導入しながら水素雰囲気中で1000℃以上の温度にて分解せしめ、生成するSiCを高純度化処理された黒鉛質パイプの内周面又は外周面に2mm以上蒸着した後、該黒鉛質パイプを焼抜き除去せしめることを特徴とする半導体用炭化珪素質プロセスチューブの製造方法(特開昭57−17126 号公報)が提案されている。しかしながら、CVD反応を均等に起生させるには充分なものではない。
【0007】
また、特開平5−125543号公報には筒状の被処理物内面に高純度炭化珪素膜を化学気相蒸着法によって形成する装置であって、上記被処理物が収容される反応容器と、この反応容器内に収容される被処理物を加熱する加熱機構と、先端部が上記被処理物内をその軸方向に沿って移動可能に配置され、被処理物内に炭素源と珪素源とを含む原料ガスを供給するガス供給管と、先端部が上記被処理物内をその軸方向に沿って移動可能に配置され、被処理物内の反応排ガスを排出するガス排気管と、これらガス供給管とガス排気管とを同時に移動させる移動機構とを具備してなることを特徴とする炭化珪素膜製造装置が提案されている。
【0008】
しかしながら、この炭化珪素膜製造装置によれば、ガス供給管とガス排気管を筒状被処理物内を軸方向に連動して移動させながらCVD反応させるものであるから、ガス供給管とガス排気管との間の被処理物内面の反応領域はCVD反応条件が比較的に一定となるが、筒状被処理物が長尺な場合にはこの反応領域は被処理物内面の一部に過ぎず、被処理物内面の下端部から上端部までの全面を同一のCVD反応条件でSiC被膜を形成させることは困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは円筒状黒鉛基材の内壁面にセラミックス被膜を効率よく均等に形成させる方法について研究を進めた結果、CVD反応条件を設定、制御し、原料ガスの流速を調整して核生成速度を促進し、成膜速度を制御することが重要であることを確認した。
【0010】
本発明は、上記の知見に基づいて開発されたもので、その目的は耐熱衝撃性や耐蝕性に優れ、例えば熱電対用保護管や溶融金属用浸漬保護管をはじめ、各種熱処理部材として好適に用いられ、特に管径や肉圧の異なるセラミックス管を効率よく、能率的に製造することができる、セラミックス管状成形体の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明によるセラミックス管状成形体の製造方法は、円筒状黒鉛基材の円筒内に原料ガスを導入して、CVD反応により円筒状黒鉛基材内壁面にセラミックス被膜を成膜したのち、黒鉛基材を除去するセラミックス管状成形体の製造方法において、CVD装置の反応室内に複数本の円筒状黒鉛基材をエルボを介して直列的に配置して、原料ガスを各円筒状黒鉛基材の円筒内に直列的に導入し、CVD反応を反応温度が1200〜1700℃、原料ガス濃度が3〜15容量%、反応圧力が13〜100 kPa、原料ガス流速が1〜10 m/sの範囲に設定し、かつ成膜速度を400〜5000μm/h の範囲に制御することを構成上の特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
CVD法によるセラミックス管状成形体の製造は、通常、円筒状黒鉛基材の円筒内に原料ガスを供給してCVD反応を起生し、円筒内面に所望厚さのセラミックス被膜を形成したのち円筒状黒鉛基材を除去する方法により製造されている。以下、本発明をセラミックス管状成形体としてSiC管状成形体を例に詳細に説明する。
【0013】
CVD法によるSiC被膜の形成は、1分子中にSi原子とC原子とを含む、例えばトリクロロメチルシラン、トリクロロフェニルシラン、ジクロロメチルシラン、ジクロロジメチルシラン、クロロトリメチルシランなどのハロゲン化有機珪素化合物を原料ガスとして水素などのキャリアガスとともに加熱して還元熱分解させる方法、あるいは、4塩化珪素などの珪素化合物とメタンなどの炭素化合物とを原料ガスとして加熱反応させる方法、などの方法により基材面上にSiCを析出させることにより形成、成膜されている。
【0014】
このSiC被膜が形成されるプロセスは、まず、原料ガスが気相反応して基材面上にSiCの核が析出し、このSiC核が成長してアモルファス質SiCになり、更に微細な多結晶質SiC粒を経て柱状組織の結晶組織へと成長を続けて、SiC被膜が成膜されると考えられている。
【0015】
したがって、管径や肉厚の異なるSiC管状成形体を製造する場合にはCVD反応条件をそれぞれに設定する必要があり、一方、CVD反応によるSiC被膜の形成はSiCの析出、成長速度が極めて遅いために、特に管径や肉厚の異なるSiC管状成形体を効率よく、能率的に製造することは極めて困難である。
【0016】
そこで、本発明は、目的とするSiC管状成形体の外径に相当する内径を有する複数本の円筒状黒鉛基材を、CVD装置の反応室内にエルボを用いて直列的に配置し、特定のCVD反応条件下にCVD反応させることにより、膜厚や膜質の均一性が高く、耐熱衝撃性および耐蝕性に優れ、特に、管径および肉厚の異なるSiC管状成形体を効率的、能率的に製造することを可能とするものである。なお、膜厚や膜質の均一性が高いSiC管状成形体を製造するためには、円筒状黒鉛基材の内径として30mm以下、すなわち、SiC管状成形体の外径としては30mm以下のものを対象とすることが適当であり、望ましい。
【0017】
以下、本発明のセラミックス管状成形体の製造方法を、図1に例示した成膜装置の模式図により説明する。図1において、1はCVD装置の反応室、2は原料ガス導入管、3はガス排気管、4はエルボ、5は円筒状黒鉛基材であり、図1においては、円筒状黒鉛基材として5A、5B、5C、5Dの4本の黒鉛管がエルボ4を介して直列的に接続、配置されている。
【0018】
反応室1は図示しない適宜な加熱装置により所定の温度に加熱されており、原料ガス導入管2から導入された原料ガスはエルボ4により順次流通方向を変えられて、円筒状黒鉛基材5A、5B、5C、5Dを流通してCVD反応を起生しながら、ガス排気管3から系外に排気される。
【0019】
この場合、原料ガスをCVD反応させて各黒鉛管5A、5B、5C、5Dの内壁にSiCを析出させ、かつ5A、5B、5C、5Dの各内壁毎に均等な厚さの均質なSiC被膜を形成させるためには、CVD反応条件を適切な範囲に設定、制御することが必要となる。
【0020】
例えば、CVD反応条件として、反応温度を高く設定したり、導入する原料ガス濃度を高く設定し、その流量を大きく設定すると、成膜速度を上げることができるが、SiC被膜の膜厚のバラツキが大きくなり、膜質の変化も大きくなる。一方、反応温度を低く、原料ガス濃度を低く、ガス流量を少なく設定すれば、SiC被膜の成膜速度が小さく能率的に成膜することができなくなり、更に、配置する黒鉛管の位置による膜質の変化も大きくなる。
【0021】
そこで、本発明は成膜速度を制御するための具体的なCVD反応条件として、反応温度を1200〜1700℃、原料ガス濃度を3〜15容量%、反応圧力を13〜100 kPa、原料ガス流速を1〜10 m/sの範囲に設定し、かつ成膜速度を400〜5000μm/h の範囲に制御することを特徴とするものである。
【0022】
すなわち、CVD反応条件として反応温度が1200℃を、原料ガス濃度が3容量%を、反応圧力が13 kPaを、原料ガス流速が1 m/sを、それぞれ下回る場合には、成膜速度が400μm/h を下回ることとなる。また、反応温度が1700℃を、原料ガス濃度が15容量%を、反応圧力が100 kPaを、原料ガス流速が10 m/sを、それぞれ上回ると、成膜速度が5000μm/h を越えることとなる。
【0023】
そして、成膜速度が400μm/h 未満ではSiC被膜の成膜速度が小さく、能率よくSiC被膜を成膜することができなくなるばかりでなく、成膜される膜厚や膜質の均一性が低下することになる。一方、成膜速度が5000μm/h を越えると、膜厚や膜質の変動が大きくなり、また、形成されるSiC被膜の結晶性状は(111)の配向性が強くなってSiC被膜の靱性が小さくなる。更に、SiC被膜の緻密性が損なわれ、耐蝕性が低下することとなる。
【0024】
また、円筒状黒鉛基材の円筒内に導入された原料ガスは、円筒内を流下しながらCVD反応により円筒内壁面にSiC核を析出し、更にSiC被膜へと成長するのであるから、原料ガスが円筒内壁面に直接衝突することはできるだけ避けることが望ましいこととなる。すなわち、原料ガスが円筒状黒鉛基材の内壁面に直接衝突する機会が多いほど、SiC核の析出速度や成膜速度が不均一化し易くなり、膜厚や緻密性などの膜質の均一性が損なわれることになる。本発明においては、エルボを介して原料ガスの流通方向を変えているものであるから、原料ガスが円筒内壁に直接衝突する機会が減少し、SiC被膜の不均一性を低減させることができる。
【0025】
このように、本発明は円筒状黒鉛基材を直列的に配置し、各円筒内に原料ガスを順次に流通させてCVD反応を起生させるものであるから、黒鉛管5A、5B、5C、5Dの順に次第に原料ガスが消費され、形成されるSiC被膜の膜厚が小さくなる。したがって、同時に種々の膜厚のSiC被膜を形成することが可能であり、また、黒鉛管5A、5B、5C、5Dなどの内径を変えることにより、外径および肉厚の異なるSiC管状成形体を効率よく、能率的に製造することが可能となる。
【0026】
更に、原料ガスの導入方向を変えることにより形成するSiC被膜の膜厚を調整することもできる。すなわち、原料ガス導入管2から原料ガスを導入し、ガス排気管3からガスを排出して所定時間CVD反応を行った後、原料ガスの導入方向を切り替えてガス排気管3から原料ガスを導入し、原料ガス導入管2からガスを排出して所定時間CVD反応させることにより、膜厚が均等で、膜質の均一なSiC被膜の形成が可能となる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の実施例を比較例と対比して具体的に説明する。
【0028】
実施例1
CVD反応装置の反応室内に、円筒状黒鉛基材として内径20mm、長さ1000mmの黒鉛管4本(黒鉛管A〜D)を図1に示したように直列的に配置した。反応室内を水素ガスで置換した後、原料ガスにトリクロロメチルシラン、キャリアガスに水素ガスを用いて、混合ガス中のトリクロロメチルシランの濃度を7.5容量%に設定し、原料ガス流速3 m/s、反応温度1400℃、反応圧力100 kPaの条件で2時間CVD反応を行った。反応終了後、空気中で加熱して黒鉛管を燃焼除去してSiC管状成形体A〜Dを製造した。
【0029】
得られたSiC管状成形体A〜Dについて、上流部、中央部、下流部の膜厚を重量換算法により測定し、また成膜速度を求めて、その結果を表1に示した。
CVD反応条件:
反応温度;1400℃、原料ガス濃度;7.5容量%、
原料ガス流速;3 m/s、反応圧力;100 kPa、反応時間;2hr
【0030】
【表1】
【0031】
実施例2
原料ガス流速を10 m/s、反応圧力を13 kPa、反応時間を1時間としたほかは実施例1と同一の方法でSiC管状成形体A〜Dを製造し、実施例1と同一の方法により膜厚および成膜速度を求めて、その結果を表2に示した。
CVD反応条件:
反応温度;1400℃、原料ガス濃度;7.5容量%、
原料ガス流速;10 m/s、反応圧力;13 kPa、反応時間;1hr
【0032】
【表2】
【0033】
実施例3
原料ガス流速を1 m/sとしたほかは実施例1と同一の方法でSiC管状成形体A〜Dを製造し、実施例1と同一の方法により膜厚および成膜速度を求めて、その結果を表3に示した。
CVD反応条件:
反応温度;1400℃、原料ガス濃度;7.5容量%、
原料ガス流速;1 m/s、反応圧力;100 kPa、反応時間;2hr
【0034】
【表3】
【0035】
実施例4
反応温度を1200℃、反応時間を5時間としたほかは実施例1と同一の方法でSiC管状成形体A〜Dを製造し、実施例1と同一の方法により膜厚および成膜速度を求めて、その結果を表4に示した。
CVD反応条件:
反応温度;1200℃、原料ガス濃度;7.5容量%、
原料ガス流速;3 m/s、反応圧力;100 kPa、反応時間;5hr
【0036】
【表4】
【0037】
実施例5
反応温度を1700℃、反応時間を1時間としたほかは実施例1と同一の方法でSiC管状成形体A〜Dを製造し、実施例1と同一の方法により膜厚および成膜速度を求めて、その結果を表5に示した。
CVD反応条件:
反応温度;1700℃、原料ガス濃度;7.5容量%、
原料ガス流速;3 m/s、反応圧力;100 kPa、反応時間;1hr
【0038】
【表5】
【0039】
実施例6
実施例1と同一の条件でCVD反応を行ってSiC被膜を形成した後、原料ガスの導入方向を変え、3のガス排気管から原料ガスを導入して2の原料ガス導入管から排気しながらCVD反応によりSiC被膜を成膜した。すなわち、CVD反応による成膜を2回行い、1回目は原料ガスの導入方向を順方向から導入し、2回目は原料ガスの導入方向を逆方向から導入し、2つの条件でCVD反応を2回行って成膜し、SiC管状成形体A〜Dを製造した。得られたSiC管状成形体A〜Dについて、実施例1と同一の方法により中央部の膜厚および成膜速度をを測定して、その結果を表6に示した。
CVD反応条件:
1回目
反応温度;1400℃、原料ガス濃度;7.5容量%、
原料ガス流速;3 m/s、反応圧力;100 kPa、反応時間;2hr
2回目
反応温度;1400℃、原料ガス濃度;7.5容量%、
原料ガス流速;3 m/s、反応圧力;100 kPa、反応時間;1hr
【0040】
【表6】
【0041】
比較例1
原料ガス流速を0.5 m/s、反応時間を4時間としたほかは実施例1と同一の方法でSiC管状成形体A〜Dを製造して膜厚および成膜速度を求め、その結果を表7に示した。
CVD反応条件:
反応温度;1400℃、原料ガス濃度;7.5容量%、
原料ガス流速;0.5 m/s、反応圧力;100 kPa、反応時間;4hr
【0042】
【表7】
【0043】
比較例2
原料ガス流速を13 m/s、反応時間を1時間としたほかは実施例1と同一の方法でSiC管状成形体A〜Dを製造して膜厚および成膜速度を求め、その結果を表8に示した。
CVD反応条件:
反応温度;1400℃、原料ガス濃度;7.5容量%、
原料ガス流速;13 m/s、反応圧力;100 kPa、反応時間;1hr
【0044】
【表8】
【0045】
比較例3
反応温度を1100℃、反応時間を48時間としたほかは実施例1と同一の方法でSiC管状成形体A〜Dを製造して膜厚および成膜速度を求め、その結果を表9に示した。
CVD反応条件:
反応温度;1100℃、原料ガス濃度;7.5容量%、
原料ガス流速;3 m/s、反応圧力;100 kPa、反応時間;48hr
【0046】
【表9】
【0047】
比較例4
反応温度を1800℃、反応時間を1時間としたほかは実施例1と同一の方法でSiC管状成形体A〜Dを製造して膜厚および成膜速度を求め、その結果を表10に示した。
CVD反応条件:
反応温度;1800℃、原料ガス濃度;7.5容量%、
原料ガス流速;3 m/s、反応圧力;100 kPa、反応時間;1hr
【0048】
【表10】
【0049】
次に、このようにして製造したSiC管状成形体A〜DのうちSiC管状成形体Bについて、下記の方法により耐熱衝撃性試験および耐蝕性試験を行って、その結果を表11に示した。
▲1▼耐熱衝撃性試験;
大気中で温度500℃から温度1200℃に昇温および降温する熱サイクル試験を20回繰り返し行って、クラックの生じた回数を測定した。
▲2▼耐蝕性試験;
1200℃の100%塩化水素ガス雰囲気中に15時間保持した後、冷却して重量減少率を測定した。
【0050】
【表11】
【0051】
表1〜表11のデータから、本発明のCVD反応条件を適用して製造した実施例のSiC管状成形体は、比較例のSiC管状成形体に比べて膜厚の均一性が高く、また適切な成膜速度で能率よく製造し得ることが判る。更に、耐熱衝撃性および耐蝕性にも優れており、膜質の均質性が高いことも認められる。更に、実施例6に示したように原料ガスの導入方向を切り替えて、2回CVD反応を行うことによりSiC管状成形体B、C、Dの肉厚を、略同じ膜厚にすることもできることが判る。なお、本発明をセラミックス管状成形体としてSiC管状成形体を例に説明したが、本発明はセラミックスとしてSiCに限られるものではなく、SiC、TiC、WC、Si3 N4 、TiN、AlNなどの炭化物や窒化物などのセラミックスに好適に適用することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明のセラミックス管状成形体の製造方法によれば、CVD装置の反応室内に複数本の円筒状黒鉛基材をエルボを介して直列的に配置して、原料ガスを各円筒状黒鉛基材の円筒内に順次に導入し、特定のCVD反応条件下にCVD反応させることにより、膜厚や膜質の均一性が高く、耐熱衝撃性および耐蝕性に優れ、特に、管径および肉厚の異なるセラミックス管状成形体を効率よく、能率的に製造することが可能となる。したがって、本発明は、高純度で緻密性、耐蝕性、強度特性などに優れ、シリコン単結晶引き上げ装置のシリコン融液や熱処理装置の炉内温度の測定などに用いられる熱電対用保護管や溶融金属用浸漬保護管をはじめ、各種熱処理部材として好適に用いられるセラミックス管状成形体の製造方法として、極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のセラミックス管状成形体の製造方法に適用される成膜装置を例示した模式図である。
【符号の説明】
1 CVD装置の反応室
2 原料ガス導入管
3 ガス排気管
4 エルボ
5 円筒状黒鉛基材
5A、5B、5C、5D 黒鉛管
Claims (1)
- 円筒状黒鉛基材の円筒内に原料ガスを導入して、CVD反応により円筒状黒鉛基材内壁面にセラミックス被膜を成膜したのち、黒鉛基材を除去するセラミックス管状成形体の製造方法において、CVD装置の反応室内に複数本の円筒状黒鉛基材をエルボを介して直列的に配置して、原料ガスを各円筒状黒鉛基材の円筒内に直列的に導入し、CVD反応を反応温度が1200〜1700℃、原料ガス濃度が3〜15容量%、反応圧力が13〜100kPa 、原料ガス流速が1〜10 m/sの範囲に設定し、かつ成膜速度を400〜5000μm/h の範囲に制御することを特徴とするセラミックス管状成形体の製造方法。
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