JP4317730B2 - 液体圧力車高調整機構 - Google Patents
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Description
また、特許文献2に開示されている車高調整機構は、車高位置を計測するために、車体側に位置センサを取付ける必要があるため、車体取付部の形状によっては、取付けが困難となってしまい汎用性が著しく低下してしまうという問題点がある。
請求項4記載の発明は、前記圧力計測手段によって計測する圧力は、前記リザーバタンク内の液体圧力であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体圧力車高調整機構である。
請求項5記載の発明は、前記圧力計測手段によって計測された圧力に基づいて算出されたリザーバタンク内の温度と、前回の車高調整時に前記圧力計測手段によって計測された圧力に基づいて算出されたリザーバタンク内の温度との誤差を補正する温度補正手段を有し、前記圧力推定手段は、前記温度補正手段によって補正された温度をも参照して前記圧力の算出を行なうことを特徴とする請求項1に記載の液体圧力車高調整機構である。
請求項8記載の発明は、前記液体は、圧油であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の液体圧力車高調整機構である。
図1は、実施例の構成例の概要を示すブロック図である。
電子制御装置(ECU)1は、圧力推定手段2と、温度補正手段3と、ポンプ・電磁弁制御手段4とを少なくとも有し、ポンプの駆動及び電磁弁の開閉を制御することによって油圧シリンダを制御し、車高の調整を行なう。同図においては、さらに制御要否決定手段5が設けられている。
温度補正手段3は、圧力センサ7を用いて計測した図示しないリザーバタンク内の空気圧及び前回車高調整した時の前記リザーバタンク内の空気圧に基づいて温度変化を推定して、圧力推定手段2で使用する温度変化に依存するパラメータについての補正処理を行なう。
同図においては、さらに制御要否決定手段5を有する。制御要否決定手段5は、油圧回路からの予期せぬ圧油漏れ時に作動する圧力SW10、車速センサ11、及びサイドブレーキがONになっているかを計測するサイドブレーキセンサ12から例えば車が走行状態であることを示す走行信号があった場合に、ポンプ・電磁弁制御手段4に対して処理の停止を通知する。ポンプ・電磁弁制御手段4は、制御要否決定手段5から処理の停止が通知されると車高調整処理を停止する。また、制御要否決定手段5は、サイドブレーキセンサ12から例えば車が停止状態であることを示す停止信号があった場合には、ポンプ・電磁弁制御手段4に対して処理が実施可能であることを通知する。ポンプ・電磁弁制御手段4は、制御要否決定手段5から処理が実行可能であることを通知されると車高調整処理の実施が可能な状態となる。
車高調整しようとする者が、例えば車内に取付けられた車高調整SW6を操作することにより、車高調整SW6から車高指示信号がECU1に送られる。ECU1は、車高調整SW6から指示された車高に調整した場合の圧力を圧力推定手段2によって算出して目標圧力とする。この目標圧力と圧力センサ7によって計測したタンク(リザーバタンク)13内の圧力とが一致しない場合には、ポンプ8aによる油圧回路内の油圧及び油圧シリンダ9へ圧油を供給・排出するための電磁弁8bの開閉を制御する。
油圧の供給、排出により車高を上昇、下降させる前輪右部、前輪左部、後輪右部、後輪左部に取付けられる各油圧シリンダ14〜17と、それぞれの油圧シリンダ内に圧油を供給、排出するための流路の開閉を行なうソレノイドバルブ18〜21と、密閉されたリザーバタンク27と、リザーバタンク27内の空気圧を測定するための圧力センサ28と、リザーバタンク27へ排出される圧油の量を制御するためのソレノイドバルブ22と、電気モータ25により駆動されて油圧シリンダ14〜17に圧油を供給するための油圧ポンプ26と、上記ソレノイドバルブ18〜21、及びソレノイドバルブ22のバルブの開閉を制御するための電子制御装置(ECU)23とを少なくとも備えている。
リザーバタンク27は、油圧シリンダ14〜17へ供給するための圧油を格納し、油圧シリンダ14〜17から排出された圧油を収納する。このリザーバタンク27は、圧油を格納する油室と空気室とが揺動可能な仕切りによって分割されている。また、リザーバタンク27には、密閉されたリザーバタンク27の空気室内の圧力を測定するための圧力センサ28が備わっている。
ECU23は、図示しない車体本体からの制御線と接続されており、この制御線から車体の上昇または下降の指示信号(上昇及び下降の偏移量を含む)を受けると、ECU23内の図示しないCPUは、指示信号に含まれる変位量(例えば、車高を上昇させる変位量が1cm)から、実際に油圧シリンダ14〜17のインナーチューブを指示された変位量だけ変位させた場合のリザーバタンク27の空気圧を算出する。そして、算出された空気圧になるようにソレノイドバルブ18〜21、ソレノイドバルブ22、電気モータ25、及び油圧ポンプ26を制御し、車高調整が行なわれる。
ステップS1において、車高調整操作が行なわれたかをチェックする。車高調整操作がない場合には、車高調整操作待ち状態となる。車高調整操作が行なわれると、ECU23内のCPUは、不揮発性メモリ(例えばEPROM等)に格納されている前回車高調整した時の車高値を読出す(ステップS2)。
ステップS11では、CPUはリザーバタンク27の空気圧を圧力センサ28から取得し、取得した現在の空気圧値とステップS7で算出した目標空気圧値とを比較する。現在の空気圧値と目標空気圧値とが一致しない場合には、一致するまでステップS11の処理を繰り返す。
ステップS9において、車高の下降指示である場合には、CPUはソレノイドバルブ18、ソレノイドバルブ19及びソレノイドバルブ22のバルブを開状態にして、油圧シリンダ14及び、油圧シリンダ15内の圧油をリザーバタンク27に排出する(ステップS14)。
ステップS8において、車高調整対象が後輪部の油圧シリンダである場合には、ステップS17に処理が移行し、さらに上昇指示であるか下降指示であるかがチェックされる。
ステップS17において、車高の下降指示である場合には、CPUはソレノイドバルブ20、ソレノイドバルブ21及びソレノイドバルブ22のバルブを開状態にして、油圧シリンダ16及び、油圧シリンダ17内の圧油をリザーバタンク27に排出する(ステップS21)。
以上より、本発明によると、車高の上昇量及び下降量が、リザーバタンク27内の空気圧から求めることができるため、リザーバタンク27内の空気圧を計測するセンサを1つ設けるだけで車高調整機構を実現することが可能となり、さらに、図4に示したECUの制御によって容易に任意の高さに車高を調整することが可能となる。
以上の説明において、本発明の実施例では、油圧シリンダ14〜17の上昇、下降のために図3に示した油圧回路を使用したが、これに限定するものではない。前輪左部と前輪右部、及び後輪左部と後輪右部に設けられる各油圧シリンダに圧油を供給し、あるいは排出することが出来る回路構成であればよい。
図4では、例えばステップS7において、所定の車高位置に調整後のリザーバタンク27内の目標空気圧を算出し、ステップS8〜ステップS23で目標空気圧と一致するようにリザーバタンク27内の空気圧を制御しているが、リザーバタンク27内の空気圧から現在の車高位置を算出し、この車高位置を所定の車高位置と一致するように、ステップS8〜ステップS23で制御してもよい。
ステップS7では、ステップS5で算出した温度変化及びステップS6で算出した車高調整量に基づいて式3によって目標圧力を算出する。
さらに、ステップS11では、CPUは圧力センサ28から得るリザーバタンク27内の空気圧値を、式4を用いて現在の車高位置量(例えば、単位をmmであって、アウターケース及びインナーチューブ14bの全長x)に変換する。この現在の車高位置と、ステップS1で指示のあった目標車高位置値とを比較する。現在の車高位置と目標車高位置とが一致しない場合には、一致するまでステップS11の処理を繰り返す。
同様にして、ステップS14〜ステップS23の処理によって前輪部の下降処理、後輪部の上昇及び下降処理が可能となる。
2 ・・・ 圧力推定手段
3 ・・・ 温度補正手段
4 ・・・ ポンプ・電磁弁制御手段
5 ・・・ 制御要否決定手段
6 ・・・ 車高調整SW
7 ・・・ 圧力センサ
8 ・・・ ポンプ・電磁弁
8a ・・・ ポンプ
8b ・・・ 電磁弁
9 ・・・ 油圧シリンダ
10 ・・・ 圧力SW
11 ・・・ 車高センサ
12 ・・・ サイドブレーキセンサ
13 ・・・ タンク(リザーバタンク)
14 ・・・ 前輪右部の油圧シリンダ
14a ・・・ 油室
14b ・・・ インナーチューブ
14c ・・・ スプリング
15 ・・・ 前輪左部の油圧シリンダ
16 ・・・ 後輪右部の油圧シリンダ
17 ・・・ 後輪左部の油圧シリンダ
18〜22・・・ ソレノイドバルブ
23 ・・・ 電子制御装置(ECU)
24 ・・・ 減圧弁
25 ・・・ 電気モータ
26 ・・・ 油圧ポンプ
27 ・・・ リザーバタンク
28 ・・・ 圧力センサ
29〜33・・・ 逆止め弁
Claims (8)
- 液体供給手段を介してリザーバタンクからシリンダに液体の供給排出を行うことにより車高を上昇下降させる液体圧力車高調整機構において、
前記供給排出される液体を蓄えるために使用される密閉された前記リザーバタンク内の圧力を計測する圧力計測手段と、
所定の位置に車高を調整するための車高の上昇量及び下降量に基づいて該所定の位置に車高を調整した場合の前記リザーバタンク内の圧力を算出する圧力推定手段と、
前記圧力計測手段により計測される圧力と前記圧力推定手段により算出された圧力とが一致するように、前記リザーバタンク内の圧力を調整する圧力制御手段と、
を有することを特徴とする液体圧力車高調整機構。 - 液体供給手段を介してリザーバタンクからシリンダに液体の供給排出を行うことにより車高を上昇下降させる液体圧力車高調整機構において、
前記供給排出される液体を蓄えるために使用される、密閉された前記リザーバタンク内の圧力を計測する圧力計測手段と、
該圧力計測手段によって計測した圧力に基づいて車高位置を算出する車高位置推定手段と、
該車高位置推定手段によって算出された車高位置を、所定の位置に調整するために前記リザーバタンク内の圧力を調整する圧力制御手段と、
を有することを特徴とする液体圧力車高調整機構。 - 前記圧力計測手段によって計測する圧力は、前記リザーバタンク内の気体圧力であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体圧力車高調整機構。
- 前記圧力計測手段によって計測する圧力は、前記リザーバタンク内の液体圧力であることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体圧力車高調整機構。
- 前記圧力計測手段によって計測された圧力に基づいて算出されたリザーバタンク内の温度と、前回の車高調整時に前記圧力計測手段によって計測された圧力に基づいて算出され
たリザーバタンク内の温度との誤差を補正する温度補正手段を有し、
前記圧力推定手段は、前記温度補正手段によって補正された温度をも参照して前記圧力の算出を行なうことを特徴とする請求項1に記載の液体圧力車高調整機構。 - 前記圧力計測手段によって計測された圧力に基づいて算出されたリザーバタンク内の温度と、前回の車高調整時に前記圧力計測手段によって計測された圧力に基づいて算出されたリザーバタンク内の温度との誤差を補正する温度補正手段を有し、
前記位置推定手段は、前記温度補正手段によって補正された温度をも参照して前記車高位置を算出を行なうことを特徴とする請求項2に記載の液体圧力車高調整機構。 - 前記圧力制御手段は、前輪部の車高を調整するための第1の圧力調整手段と、
後輪部の車高を調整するための第2の圧力調整手段と、
を更に有し、
第1の圧力調整手段と第2の圧力調整手段とを択一的に切り替えることによって、前輪部の車高と後輪部の車高とを独立して制御することが可能であることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項に記載の液体圧力車高調整機構。 - 前記液体は、圧油であることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の液体圧力車高調整機構。
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